2016年3月28日月曜日

スバル・インプレッサ 「新シャシーで欧州車を完全凌駕する!と宣言!?」

  もちろん現行ではなく新型(年内発売?)のインプレッサの話です。「欧州車を完全凌駕」・・・最近こういうの多いですね。「HVのセダン世界最速(スカイライン350GT)」とか「直4ガソリンターボで最高の圧縮比(マツダの2.5Lターボ)」とか・・・AMG車に載るファクトリーエンジンが強烈というならわかりますけど、量販車の一般グレードのエンジンやらシャシーやらが「世界最速」を指針にするのは、ブランドに対する自己評価の低さの裏返しなのかな〜・・・という気がします。スバル・日産・マツダどこも素晴らしいです!もっと自信持っていいと思うんですけどね。

  現行インプレッサから派生した「WRX S4」を1年ちょっと前に試しました。300psをひねり出すターボエンジンともなると、ここまでNVH(騒音・振動)がひどいものかとガッカリさせられました。確か休みの1日にディーラーを3つ予約して「ゴルフGTI」「37スカイライン350GT」「WRX S4」の3台を試しましたが、ターボの2台はスカイラインと大きな格差がありました。FRのスカイラインもディーラーまで乗り付けた愛車の先代アテンザよりもちょっと酷いくらいでした(プロペラシャフトがあるから不利ですけど)。

   ゴルフGTIは210psの出力にシャシーが負けるなんてこともなく、ミッションも滑らかに動いていて、スポーティで軽快なクルマだと割り切れば、世界的に売れる理由もなんとなくわかります。それに対してWRX・S4はシャシーが辛かったかな、FFやFRとの乗り比べの中で1台だけAWDでしたからハンドリングもなんか「のらりくらり」な感じで印象が悪く、CVTのダイレクト感欠如がさらに印象を悪くして、とどめはAWDゆえのスタビリティの悪さ・・・。駆動輪が2つから4つになるだけで、加速時は路面によって絶えずグリップするポイントが変化してゆさゆさします。(スタビリティがDセグのトップレベルに比べて足りないかな・・・)

  別にAWD「だけ」のせいというわけではなく、WRX・S4の場合は300psですから出力があり過ぎます。また自然吸気が基本の日産やマツダと比べてピーキーなターボエンジンですから、CVTで抑え込んでいるとはいえミッション系のノイズが大きいという宿命ではあるとは思います。現行インプレッサ派生車の最大の難点だと思われる「NVH」を劇的に改善して、これはスゴい!と「感動」の領域に踏み込んだときこそ、「欧州車を完全に凌駕!」スバルはやっぱりすごいな!ということになるのですが・・・さていよいよ年内に期待の新型インプレッサがデビューするようです。

  「スバル・グローバル・プラットフォーム」のリリース情報には「車体剛性の向上」「重心の低下による走行性能の向上」「NVHの低減」などが強調されています。さらに「欧州車を凌駕する動的質感」という素人には少々わかりにくい表現が出てきます。動的質感ってなんだ?スバルが定義するには、ドライバーの意志に沿った挙動ができるマシンなんだそうです。マツダがしばしば標榜する「人馬一体」と同じようなものでしょうか?

  マツダとスバルにはそれぞれに良さがあるのにな・・・。マツダは徹底的にハンドリングを「エモーショナル」にするために、テールハッピーに仕上げたり、車重そのものを抑え込むクルマ作りをやってますね。レクサスGSとほぼ同じサイズのアテンザの最も軽いモデルはわずかに1440kg。ここまで頑張ってしまうと、軽量化に限度があるFR勢(BMW、メルセデス、レクサス、日産)よりもワインディングでは楽しめるのは当たり前かも。

  スバルにはスバルの良さがある。AWDのグリップ感だったり、マツダよりも思い切ってステアリングを切っていけるAWDならではのジワジワ曲がる「始めアンダー・後からオーバー」の仕上げは作る側の意図を感じます。マツダは中速域ではゴキゲンなフィールなんですけど、車速が上がると案外曲らなくなるんですよね。中央高速を夜間にクルコンで走っていると、あのマツダのハンドリングが「船」の舵みたいになります。

  なにはともあれ「欧州車を完全に凌駕する」と言ったわけですから、同時期に発売される予定で、前評判がすこぶる良いらしいプジョー308GTIに遅れをとるなんてことはないはずです。ジャダーが出るMT(DCTになるかも)に、サーキット仕様のアシですから、歴代のシビックtypeRのような乗り心地の悪いクルマなんでしょうけども、「新型インプよりNVHよくない!?」みたいなことになったら・・・スバルは赤っ恥です。

  まあ・・・スバルがそんな醜態をさらすわけないさ!!!おそらくですが、私も含め全国の「WRX S4に納得しなかった人々」が、新シャシーで仕切り直すのを心待ちにしていると思います。「S4」のコンセプトはクルマ好きには非常によく伝わりました。typeRやランエボではなくて、2ペダルで走行領域が全方向に幅広いクルマが欲しいんだ!なんて漠然としたわがままな願望をそのままスバルが叶えてあげよう!というユーザー視点が入ったところがとっても良かった!!!けどやはりというかシャシーの性能が限界なんですかね・・・「スポーティ・サルーン」に期待される部分の相対的な能力で日産やマツダにちょっと遅れていたから「保留」させてもらいました!次こそは印鑑押させてね!

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2016年3月22日火曜日

スズキ・バレーノ 「グローバル総動員で日本改造計画!?」

  またまたスズキの新型車が投入されました。直近の1年だけ見てもこれで何台目かわからないくらいの多作ぶりです。先日も「スズキの新しいクルマなんだけどね〜・・・何ていったかな?」と母親の知り合いが買ったクルマについての話になり、「ソリオ?」「違う!」「イグニス?」「違う!そんなヘンな名前じゃない」「ハスラー?」「違うな〜」「アルト?」「軽ではないよ」「SX4」「違う」「エスクード?」「いや違うな〜」「もしかしてバレーノってやつ?」「違う違う新しいクルマだよ」・・・いい加減に焦れてしまいましたが、結局スペーシアだったことが判明しました。

  なんでスズキばっかりがこれほど多作なんでしょうね。「ソリオ・バンデット」や「ジムニー・ランドベンチャー」といったフェイス違いのモデルも含めると、非常に細やかに車種が設定されていて、HPにズラリと並んだ「フルラインナップ」はまるでトヨタに匹敵するかのように壮観です。ジムニーとジムニーシエラ、あるいはスペーシアとソリオのように、軽自動車と普通車の両方の規格で同一設計のクルマを作り分けているというのも車種が多い理由ではあるのですが、やはり今のスズキ車の魅力といえば・・・他の日本メーカーとはちょっと違った生産拠点から発信される「成長市場の躍動」であり、海外生産モデルが大挙して日本に持ち込まれているのが一番大きな要因だと思います。

  日産がマーチを、三菱がミラージュをタイで生産して日本で販売していますが、どちらも販売価格を下げても利益が残る!というビジネス上の理由ばかりが先に来ていて、いまいち魅力が出てきません。営業車として活躍しているか?というとその姿を見かけることは少ないですし、販売を見る限りでは法人向けの需要はほとんど無いです。どちらも100万円を下回る価格で広告を打ちたいがために少量輸入しているだけで、実際にお客がきたらノートやデリカD2(ソリオのOEM)といった国産のやや価格が高めのクルマを勧めているようです。

  スズキも100万円以下で広告を出したいだけなのか?・・・と思いきや、海外生産モデルは「エスクード」「SX4Sクロス」そして今回の「バレーノ」はいずれもスズキのラインナップの中では上位モデルに位置します。しかもこの3台の生産地ですが、中国・ASEANといった近隣地域ではありません。部品供給が容易な日本・中国・ASEANからさらに飛び出した「開発拠点」として、スズキ・グループの両翼を担う「マルチ・スズキ・インディア」と「マジャール・スズキ」からわざわざ持ち込んでいます。

  スズキがインドに乗り込んだのは調べてみると何と35年前! 日本メーカーとして初めてホンダがアメリカに工場を作ったよりも早くからスズキはインドに注目していた!これはスゴい!当然の「先行者利益」というべきでしょうか、ずっと後から乗り込んできたVW、トヨタ、ホンダ、GM、フォード、ヒュンダイといった巨大グループを相手に圧倒的なシェアを握っています。ハンガリー(マジャール・スズキ)にはバブル絶頂期の1991年・・・冷戦終結とともにいち早く東欧圏に乗り込んでいったことで見事に成功しました!!!今ではメルセデスやBMWを始めとした西欧ブランドの多くが東欧生産をしていますが、スズキはその先駆けだったと言えます。

  GMやVWとの業務提携こそありましたが、マツダやスバルのように「身売り」をするということもなく、意欲的なグローバル展開を見事に当て続け、見事に成長市場の美味しいところを摘み取ってきたわけです。GMとの手切れでアメリカ市場から撤退し、さらにVWとの間で提携解消の揉め事に発展したときには、「スズキは大丈夫?」といったプロのライターとは考えられないようなことを書く輩もいました。軽自動車の増税など一時的な販売不調もありましたが、トヨタの尖兵「ダイハツ」と軽自動車に回帰した「ホンダ」に両面から攻め立てられてもビクともせずに、それどころか逆境を力に変えたかのように傑作車を連発して、いよいよ反撃に転じつつあります。

  「ハスラー」「アルト」「ソリオ」そして「イグニス」と粒ぞろいの国内製造モデルでそれなりに「役車」は揃っているのに、わざわざ遠いところで作っているクルマを日本に持ってこようという不可解な戦略の裏には・・・稀代のミラクルメーカー・スズキが何やら利益を度外視した「意地を張っている」ようにも感じるのです。アイディアが貧困で刺激が少な過ぎる日本市場に、「激アツ」市場の爆弾を投下してやろう! 「日本の技術」を無意味にも高らかに謳っている、少々うざったい感じのマツダ・日産・スバル・トヨタの「化けの皮」を剥いでみよう! ドイツ車?アメ車?フランス車?イタリア車?・・・個性なんかまるで無いですよ!開発を一手に引き受けるのは他ならぬボッシュなのに。

  そんな「ゴミみたいなクルマ」よりも、「マルチ・スズキ・インディア」と「マジャール・スズキ」の方が絶対に面白い!・・・おそらくそういう事を考えているスズキの幹部がいるのだと思います。何よりまずは日本で売らないと話にならないですから、とびっきり面白いクルマから順番に日本に持ってこい!という話なんでしょうね。少なくとも「マジャール」の方は相当に自信があると思います。最初に導入したスプラッシュが、いきなり日本のクルマ好きの間で話題沸騰になりましたし、フィアットでもボクスホール(GMの英国ブランド)でもオペルでもOEM車が非常に好評でした。イタリア・イギリス・ドイツで売れているのだから日本に持ってくればそれなりに話題になるはずです。2015年に「エスクード」と「SX4・Sクロス」わざわざ同クラスのSUVを2台も入れてきました。「マジャール・スズキこそが欧州をリードしていることを感じてほしい!」そんなメッセージでしょうか。

  さてさて新たにインドから投入された新型車が「バレーノ」です。一部のカーメディアは次期スイフトだと勘違いをしたようですが、FMCでも並行販売でもなく別モデル扱いのようです。インドのナンバー1自動車メーカーが自信を持って投入する新型車「バレーノ」と、日本や欧州でBセグを代表する名車として名高い「スイフト」。2台のBセグ車がほぼ同じ価格帯で同じ市場・同じブランドから販売される・・・果たしてスズキの真意はいかに。ユーザーの選択は、本当に日本や欧州のクルマに一日の長があることを示すのか??? 停滞気味の日本車ではあれ、同じ条件で正々堂々ぶっとばしてこそ!インドの下剋上が認められるはず・・・。

  日本市場で話題のクルマって一体どんなモデルなの?・・・イアン・カラムという高齢のデザイナーが、懐古趣味のような高級車デザインをするブランド。高齢の幹部が檄をとばして、ファミリーのためのミニバンを廃止してまで守るジジイのための2シーターオープンスポーツカー。挙げ句の果ては利益を確保するために、排ガス規制を潜りぬける不正にまで手を出すモラルが崩壊したブランド。 ちょっと恥ずかしいですね、考えてみればどれもこれもクソみたいなクルマ作りなんですけども、それを曲解して「すばらしい」と賞賛し続けてきたのは、なんとも滑稽なことです・・・(自戒をこめて)。

  スズキからの日本市場へのメッセージ!?なのはどうかはわかりませんが、インド車やハンガリー車がいよいよ質的に日本車と肩を並べる水準に到達し、なおも成長を続ける市場に応えるための前向きなエネルギーを感じます。ジャガーがマツダがVWが右肩上がりの市場を目の前にして作っていた時代の「名車」「名デザイン」・・・Eタイプ、コスモスポーツ、初代ゴルフ(ジウジアーロ!) なにやら青臭さがある中にも、時代に爪痕を残すだけの「勢い」がデザインに表現されていました。今回のスズキの海外生産モデルが今後どういう評価を受けるかわかりませんけども、かつての名車が持っていた「青臭さ」だけは十分にあります。

  もし「ジャガー、マツダ、VWよ!時代は変わった!目を覚ませ!」という意味の変革をスズキが意図しているならば・・・、というかそういう意図しか感じないですね。ハイブリッド・燃料電池・自動ブレーキ・自動運転などなどとことん成熟してしまった日本市場では、あと10年もすれば市販車のほとんどは「免許なし」で使える「クルマじゃない乗り物」へと変貌していくことでしょう。これでは「クルマを楽しむ文化」は衰退を避けられないでしょう。誰もがハンドルを握らなくなれば、日本中の道路で速度違反車に因縁を付けて上納金を巻き上げる「制服&手帳ヤクザ」も絶滅して、道路は再び快適なものになるかもしれないですが・・・。

  日本市場でクルマが「終わる」前になんとか再び火をつけたい!それにはずっと言われていることですが、超絶に楽しいクルマを150万円で売るしかない。VWが今回の一件でかなりのダメージを受けてしまった!VWが持っていた素晴らしいフィロソフィーをなんとか日本でも絶やさないようにしたい!「バレーノ」見て多くの人は思ったはずです。これは「VWポロ」のコピーじゃないか?と。「車体剛性を高める」「小排気量ターボ」「シンプルなデザイン」・・・VWが築いたグローバル車のトレンドを余すところなく踏襲し、日本には向かない難点とされたDCTを6ATに置き換えた・・・マルチ・スズキ製ではありますが「ポロ改・日本スペシャル」といった趣があります。

  インド製がすぐに日本で受け入れられるとは思いませんけども、スズキの努力が実を結んで「走るのが好き」な人々が堰を切ったように押し寄せる可能性も十分にあると思います。スズキの壮大な計画!?が人々の意識を変えてゆき、ついに暗黒の日本市場を切り開いたときに! 150万円のクルマに圧されて日本の生産工場は全て閉鎖の運命かもしれないですけどね・・・。なんとも難しい問題です。


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2016年3月16日水曜日

BMW330e 「ここぞとばかり・・・勝負かけてきた。PHVが540万円!」

  3シリーズに従来からあるハイブリッドといえば・・・「アクティブ・ハイブリッド3」。直6「ターボ」にマイルドハイブリッド=「電動ターボ」を組み合わせた重厚なユニットを積んでいて、いわば「ツイン・チャージャー」でトルクを切れ目無くスムーズに搾り出す仕掛けなんですが、せいぜい1800kg程度のボデーには無過給でも十分な「直6」ですから、変に加速で力むこともないのでそんなギミックは不要ではありますが・・・モータートルクは強烈で直線だけなら相当な速さを持つ3シリーズのスペシャルグレードです。ただし740万円〜という価格帯のせいか販売は伸び悩んでいたようです

  BMWの戦略は、直4ガソリンターボの過給器調整グレードで、3シリーズのボトムを形成し、欧州や日本での販売の主体は直4ディーゼルターボで受け持ち、さらに上位グレード車として直6ガソリンターボ&HVを用意するといった多層グレード構成が基本線にあったようですが・・・。BMWの屋台骨を担っている3シリーズの地位が低下と言わないまでも、予想以上に反響が乏しいようで、ディーゼルとともに日本でF30系を発売してまだ4年ですが、これまでのところ先代のE90系を越えるセールスは日本では見られていません(このままG系に移っていくのか?)。

  マツダのディーゼル導入が日本で予想以上に上手くいったのも、おそらくBMWとのシンクロによる影響が大きいと思っています。マツダは先代のアテンザにもディーゼルを積んで欧州のみで販売していました。未導入の日本でこそあまり知られてないですが、すでにその時点でCクラスや3シリーズを確実に上回る良質なディーゼルユニットが出来ていたそうです。「日本でディーゼルを売るのは不可能」と思われていた矢先に、ユーロ6(排ガス規制)に対応したディーゼルエンジンでBMW320dが日本で話題になると、・・・会社存亡の危機に立っていた2012年当時のマツダは藁にもすがる想いで「アテンザXD」の日本発売を決めたと思われます。

  BMWにとっては非常に好調なセールス(歴代最高)だったE90を受け継ぐF30を、無難に日本で成功させるための自慢のディーゼルだったはずですが、結果的にはマツダの露払いを務める損な役回りとなってしまいました。ディーゼルが失速し、HVの国・日本に満を持して持ち込んだ「アクティブハイブリッド3」がこれまたさっぱり売れずで、F30は全く踏んだり蹴ったりな出だしでした・・・。さらに想定外だったのが、日本メーカーがDセグセダンで再び勝負を仕掛けてきたことです。先述のアテンザに加えて、レクサスIS、スカイライン、レクサスRCとかなりの「意欲作」のリリースが続きました。

  400万円で320dよりもずっと静かなディーゼル・・・、500万円でアクティブHV3よりもトルクフルで強烈な加速の6気筒HV・・・(量販車HV最速をアピール!!!)。モード燃費で20km/Lを越えてしまう直4ストロングハイブリッド。日本メーカーが想定外の動きだった(日本メーカーをナメていた)部分もあるかもしれないですが、BMWとF30系にとっては屈辱の4年間・・・それ以外のなにものでもなかったでしょう。いまではすっかり「M3って何?」と言われてしまうくらいに話題性が低い(M3も見かけても全く興奮しないクルマになっちゃいました・・・)。

  ディーゼルに運命を委ねたアテンザや、HV専用へと舵を切ったスカイライン(200tは別のクルマ)、まさかのCVTになったレクサスIS/RC300hなどなど、日本メーカーが取った道もまたクルマ好きにとっては決して手放しで褒められるものではないのですが、それでもセダン/クーペが絶望的だった日本市場へと「一蓮托生」の想い?で完成させたそれぞれのモデルは・・・F30系よりもずっとずっとユーザーへ向いたものだった!と思います。一方でE90の好調な販売で手綱がゆるんでいた3シリーズは「売ろう!」というひたむきさがやや足りなかったように思います。決して悪いクルマではないですけど、先代の売れ行きが好調すぎたことによる難しさはあったはずです。

  「完全にひっくり返された」・・・BMWジャパンがそう気がつくのには十分な4年間だったと思います。レクサスIS300hの本体価格が499万円。これに対して同等のスペックを誇り、プラグイン機能も追加されたBMW330eが554万円。レクサスISの売れ線グレードとほぼ同等と言っていいくらいのシビアな価格設定がBMWの必死さを物語っています。確かに4年前も320dが予想外に安くて人気になりました。なので4年前にBMWが驕っていたということはないですが、市場環境の変化(日本メーカーの頑張り)に巻き込まれてあっさりと「チャラ」になりました。今回の330eの価格設定は、4年前の320dのスマッシュヒットの再現を狙っているのだと思います。

  さて冒頭の「ツインチャージャー」の話に戻りますが、330eの搭載ユニット直4ターボ&ストロングハイブリッドという構成になりました。レクサスISが直4ターボと直4ハイブリッドといずれもシングル・チャージャーなのに対して、BMWはターボと電動のツインチャージャーですからユニットに関してはそれなりのコストがかかっているはずです(なのでお買い得)。最新のDセグセダンは、後席のスペースを保証する設計が多く、以前よりも5人乗車が苦痛でもないです。一人で走るときと5人乗車時では200kg前後の車重差ができます。

  このときにシングルチャージャーの低回転型エンジンだとやや問題が起こります。1500回転で最大トルクが発生・・・なんて中身の無い文句に釣られるとエラいことになるんです。ホンダやマツダの自然吸気エンジンならば5500rpmまで一気に回るし、トラクションに有利なFFという利点も生かせるのですが、昨今の低回転ターボに多段式ATだと渋々3000rpmまで回るものの、間髪入れずにシフトアップしていくのでどうしても非力でドタバタな感じが出てしまいます。CVTで後から暴力的な加速へと切り替わっていくスバルのターボと、ひたすらにエンジンを回す気がないBMWやレクサスの2Lターボ、正直言うとどちらも余韻のある「高級車エンジン」としてはやや失格だと思います。

  そんな直4ターボで2.5トンの巨体を動かそうとしているのが「ボルボXC90」です。ボルボが開発した新型ユニットは2Lガソリンエンジンに、スーパーチャージャーとターボによる「ツインチャージャー」を仕込み、さらに上級モデルではHV化してモーターによる「電動ターボ」を重ねた「トリプルチャージャー」としています。エンジンの回転数に関わらずにモータートルクで余裕の低速域走行の実現が狙いですね(そうであってほしい!)。

  BMWのPHVユニットがこのボルボのユニットに何らかの影響を受けているのかわかりませんが、BMWもボルボもPHVシステム自体を「政策によって押し付けられた義務」としてではなく、トヨタや三菱のように脅威のモード燃費を誇るためでもなく、「直4ガソリンターボ」は高級車エンジンとして成立するのか?という自らを見つめる「疑問」への解決策として導入・研究していると思うのです。

  つまりボルボやBMWが今後日本でも拡販を目指すであろうPHVとは・・・、トヨタのカムリ、クラウン、IS、GS、RC用の直4のHVと、かなり違う意味を持つクルマであって、HVで主導権を握っていたように見えた日本メーカーへ「捲土重来」を期すカウンターパンチのようなユニットだった!・・・この両者に乗ったときにそう確信できるような出来映えだったならば、その時はコストを掛けて日本のプレミアムカーよりも手頃な価格を実現した彼らの努力を最大限に賞賛したいと思います!!!


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2016年3月10日木曜日

メルセデスGLC 「ダメかと思ったら・・・SUVデザインの新潮流かも」

  「売れるクルマはどんどん作ろう!」ということなんでしょうが、いまいちこのクルマが日本で大ヒットする前触れのようなものを感じません。特にデザインが酷いなんてことはないです。それどころかデザイン「だけ」なら十分に商品力はあると思うのですけども、なにせ日本ではなかなか売りづらい価格帯です。メルセデスGLC・・・世界中のアッパーミドルなライフスタイルを送る人々をターゲットにした次世代プレミアムSUV。500万円台が中心のCクラスをベースに仕立てたSUVだからSUV料金で100万円UPの600万円台で展開されるようです。

  この「SUV料金」というのは何を根拠に付けられているのでしょうか? ホンダカーズでヴェゼルの案内をしてもらっている時にセールスマンから「SUV料金」という概念を初めて聞きました! 「何ですか???それは???」と内心思いながらも「そうですよね〜」と適当に相づちうっちゃいました(笑)。後から考えてみても「SUV料金」なんてがっつり貰えるほどの殿様商売できるクルマなのか〜!?私の感覚がズレているのかもしれないですが、なにせ最大手のトヨタがSUVの競争で後手を踏んでいる状態なので、まだまだ国内にはそういった商習慣は根付いていないし、ユーザーの頭にも当然に「ない」はずですけどね・・・。

  メルセデスCクラスのキャビンを「アメリカナイズ」したGLCは、保守的なMBファンから見れば「邪道なモデルがまた増えた・・・」なんでしょうけども、おそらくメルセデスがここ数年で特に掲げている「ユーザー若返り戦略」の新たなコアとなるモデルなのでだと思います。「メルセデスらしさ」を可能な限り失わせないスタイリングは・・・実に上手い!ライバルブランドとは違ってなんとも落ち着きのあるスタイルに思います。ワンクラス下のSUVである「GLA」もスタイリングに関しては非常に優秀でしたが、ハッチバックのAクラスと比較された結果なのか、日本市場に関しては売れ行きはイマイチでした。350万円のSUVが非常に苦戦しているのに、同じブランドから600万円オーバーのクルマが簡単には大ヒットするとは思えないわけですが・・・。

  しかしこのクルマは実際に買ったら!!!これは予想外に楽しめるのではないか・・・と思います。少々いやらしい感覚かもしれないですが、GLCの全高は約164cmありまして、もし助手席に乗せるとしたら、このクルマよりも背が高い女性がいいでしょうか?低い女性がいいでしょうか?(男性目線ですみません)。・・・そんなことを考えていると、なんだかこのGLCの見方も随分変わってきます。

  GLAでは150.5cmしかないので、女性の身長と比較するには低過ぎます。まあクルマは本来は低いものなんですけども、高級SUVらしさを存分に示すならば、身長よりも高いくらいに存在感があったほうがこの場合はいいかな・・・なので乗るならGLAではなくてGLC! 単なるメルセデスのマーケティングに則った「無味乾燥」の企画車だと思っていましたけども、これはなかなか「情緒豊かな」クルマなんじゃないかと・・・。

  ちょっと大振りなSUVの全高と並んでいかにも小さく見える彼女は、可愛らしさが1.5倍になりますよ(これはガチ)!!! 逆に120cmちょっとの車高しかないトヨタ86に160cmくらいの女の子を乗せてもあんまり可愛くないです。スポーツカーの助手席に乗っている女性はイマイチ!と言ってしまうと語弊がありますけども、あの狭苦しいキャビンに収まっているのを見る度に、なんだか不機嫌そうに見えるのは気のせいでしょうか? 「女性を可愛く乗せるならばDセグ以上にしろ!」と全国の独身貴族のみなさまに声を大にして言いたい・・・。

  ちょっと前の映画なんですが、デンゼル=ワシントン主演の「マイ・ボディ・ガード」という作品があって、これをもしリメイクするならば、主人公が乗るクルマはこのメルセデスGLCなんかが似合うのではないかと思います。SUVに限った話ではないですが、やっぱりクルマは「どれだけイメージがふくらむか?」それがとても大事ですね。もしそのクルマで最愛の人と最高の時間を共有できそうなクルマならば、ちょっとくらい高くても頑張ってお金出しちゃいます!!! GLAではとても無理だけど、GLCならば・・・劇中のデンゼル=ワシントンだかジャン=レノ(「レオン」)に成りきれるような気が・・・。

  例えば「マツダCX5」や「トヨタ・ハリアー」では大変失礼ですが、全く代わりは務まらないと思います。デンゼルが9歳の天使のような少女を後ろに乗せて運転しているクルマがもしCX5だったら・・・爆笑です(キャラに合ってない!)。レクサスRXなんか・・・重ね重ね失礼ですがもっとダメですね。もはや悪口でしかないですけれども、「CX5」も「ハリアー」も「RX」も・・・これらは自分がオッサンなのかオバさんなのかすらよくわからない、自分の「見え方」さえも全く意識しない人向けのクルマなのかな〜という気がします。

  メルセデスGLCはもしかしたら、私にとってのこれからのSUVの基準を作ってくれる画期的なクルマかも・・・そんな予感がうっすらあります。人生に疲れた、そして日々の時間の大部分を「孤独な男」として生きている人の視界には、俗世の「移ろい」などを目の当たりにしたところで・・・その対象に気にも留めないですし、気がついても眉毛ひとつも動かない。別に「くだらない」と突き放すつもりはないのだけど・・・マツダ?トヨタ?レクサス?なんとも「表面的」「メディア的」なデザインが好きみたいだな。

  ・・・まあ「多くの人の視線を集めるデザイン」なのかもしれませんけどね。見てもらうために表面を飾る、その瞬間に「虚飾」という感情が生まれ、自分の内面を蝕んでいく、そういう経験を嫌というほどしてきた「男」の現在地には、そんなクルマは似合わないんです! 見られるべき「存在」であるかのように、必死に自分自身を扮することは結局は何も人生にプラスにならないし、むしろヘンな「虚無感」に苛まれることも経験上よく知っている・・・だから心が「枯れた」わけではなく、そういうものに興味が行かなくなった男性にとっては、このメルセデスGLCこそが、「バカSUVブーム」から切り離された安息のカーライフを保証してくれるクルマかもしれません。

  なかなか稚拙な文章では伝わらないと思うので、端的なメタファーとして「マイ・ボディ・ガード」のデンゼル=ワシントンで感じて頂ければ嬉しいです。さらにデンゼル=ワシントンが映画で乗ってそうなクルマ・・・まあジムニーでもアウトランダーでもいいんですけどね。例えば・・・
マークX・・・×、カローラフィールダー・・・×、
レガシィ・アウトバック・・・△、レヴォーグ・・・◯、
アテンザ・・・×、MPV・・・△、
レジェンド・・・△、CR-Z・・・×(絶対にない)、
エクストレイル・・・△、フーガ・・・◯、
X5・・・◯、5シリーズセダン・・・◯、
R8・・・△、A6・・・◯
こればっかりはドイツ勢の方が分がいいようです。スバルと日産も健闘してますけども。

  あんまり偉そうなことは言えませんが、いい年したオッサンがメルセデスのSUVを選ぶならば、GLCかそれよりも上のグレードのクルマにすべきですね。800万円越えですけども既にGLEが発売されていて、さらに今後はGLSが出てくるようです。・・・「俺はブラット=ピットだせ!」という人ならば、350万円のGLAでもいいかもしれません。あくまでイメージに過ぎませんけども・・・。なにはともあれメルセデスのSUVにちょっと親近感を抱かせてくれた「GLC」が街中でも見られるようになったらいいのですが・・・。


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