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2014年9月12日金曜日

マツダ・デミオ 「ディーゼルの最大のメリットは・・・」

  新型デミオの価格が発表されました。先代に比べて飛躍的に内外装に高級感が漂っていますが、ベースモデルは135万円に抑えられています。とりあえず先代のスカイアクティブ車よりも安いですから、マツダとしてはかなり頑張った価格になっています。しかしもはやデミオは安さで選ぶクルマではなく、今のマツダの勢いであるとか、創造性・先進性を存分に体感したいならば、176万円の上級グレード「13S・Lパッケージ」を勧めたいです。ディーラーから送られてきたパンフレットにも、まるでプレミアムブランドが新たにコンパクトカーを作りました!といったスタンスでこの「Lパケ」が一番大きく宣伝されていました。レクサスなみのインテリアと安全装備が標準でついてくるわけですが、マツダのちょっと目立つ外装とのバランス・兼ね合いを考えると、Lパケがしっくり来るようです。

  デミオが「高級車」と認知されるのは簡単ではないかもしれませんが、「高級車」には必ず外から見ている人に「快適そうだな〜」と感じさせるオーラがあって、今回のデミオにはそれに近い雰囲気が備わっていると言えます。先代までのデミオにはそういう要素はあまり考慮されていなかったですし、メインユーザーからもその手の期待もされませんでした。これまで「ゼロ」だったところに、突然にクラス最高峰の"高級車要素"を添加したことで、アテンザ・アクセラのFMCと違いデミオは先代と基本設計が変わっていないにも関わらず、その進化の振り幅がとても大きく感じます。極論すると、もし新型デミオを買うならば高級感を周囲に十分に感じられるグレードにしておかないと、このクルマの美味しい所をみすみす逃してしまうと言えます。

  フィットやヴィッツ/アクアに比べてノーズが長いという点だけでも、設計のゆとりを感じます。このスタイルはエンジンと乗員との距離もわずかながらも離れていて、そこに防音材を詰め込んでありそうな雰囲気は出ます(実際は乗らないと解らないですが・・・)。BMWミニや現行のVWゴルフ/ポロそしてメルセデスAクラスにも言えることですが、ノーズを張り出すことが素直に高級感の表現になっているのは確かです。ドイツメーカー車が日本で人気なのは、ストレートに「ゆとりある生活」を表現できるクルマとしての有用性が評価されたものと言えるかもしれません。実際の乗り心地・静音性はともかく、見た目とパワフルな走行感からクルマの上質感が醸し出されています。

  そんなドイツ車的な「豊かさ」の演出から、今回の新型デミオは謙虚に学んだ部分が大きいようです。内外装の演出もさることながら、スムーズさと適度なトルク感を備えたガソリンNAのエンジンにBMWミニに匹敵するトルコン6ATを使ったベースモデルのパッケージからは、おそらくクラスを"独走"するであろうジェントルな乗り味がイメージできます。パワーユニットにおいてクラスの常識を超えてここまで贅沢な設計をされては、VW・アウディ・BMWミニといったこれまでの先端モデルも「スムーズ」「静粛」という点においてはデミオには勝てないのではないかと思われます。小排気量ターボやDCT、CVTの排除は小型車の合理性をある程度犠牲にしつつも、最高の乗り味を目指したものと言えます。

  このガソリンモデルだけでも「世界一」を目指すマツダの心意気が感じられますが、このモデルが霞んでしまうほどに注目を浴びているのが、1.5Lディーゼルターボを使った「新感覚Bセグ」によるアプローチです。欧州でもBセグでのディーゼルの採用は珍しいようで、登場がかなり前からアナウンスされていたデミオXDですが、この「飛び道具」グレードは試乗会に参加したジャーナリストを次々と"ノックダウン"するほどに斬新で、購入を即決したジャーナリストが複数いたようです(マツダがプレゼントした?)。

  新型デミオのライバルモデルとして、いよいよガチンコになってきたBMWミニも、デミオ発売に先駆けてディーゼル搭載モデルを340万円で発売しました。しかしおよそ半額の178万円に抑えたデミオXDとの価格差はかなり大きいので、「ディーゼル戦争」といったような過当競争にはならないと思います。実際のところ250万円程度までミニがディーゼルの価格を下げない限りは、デミオXDとの競合はおろか日本市場で大きな爪痕を残すことはほぼ無いと言えそうです。

  欧州でもあまり類を見ないというBセグディーゼルの存在意義は、軽油が安い日本独特の需要と考えられています。クラスで圧倒的な主導権を持ち続けるアクア、フィットHVと同等に経済的で、走行性能が高く乗っていて楽しいという点で、マツダディーラーもHV勢への反撃の切り札として期待を一身に集めているようです。このデミオXDが持つ本当の価値は「経済性」や「ファン・トゥ・ドライブ」ではなく(だけではなく)、従来のBセグにとって頭痛のタネだった高速道路での劣悪な車内騒音を軽減、つまり「快適性」にあると思います。

  コンパクトカーに使われる小排気量ガソリンエンジン(1.5L以下)は、60km/h前後からの加速時にトルクの落ち込みを補うために5000rpmを超える回転が要求されるので、中央高速などの山岳路線では登り坂で速度の低下が解っていても防げない部分があります。それと同時に車内には強烈なエンジン音が響きわたり、会話もまったく出来ないほどの騒音に包まれます。アクアやフィットHVは高速で走り続けるとモーターが停止して重くなったボディをさらに出力の低いエンジンで引っ張ることになるので、通常のガソリンモデルよりも燃費が悪化することもあります。とにかくブレーキを踏んで回生させない限りはHV車のメリットなんて皆無と言えます。

  BセグではVW、プジョー、ミニからそれぞれ200ps程度を出力する高性能モデルが300万円前後で発売されていますが、これらは全くの趣味のクルマというわけではなく、高速利用の頻度が高いユーザーにとってはかなり有意義な選択肢になっています。日産ジュークにも1.6Lターボの設定がありますが、同じ意味合いでの需要が見込まれていて、このエンジンをマーチやキューブにも拡大すべきかなという気がします。

  高速道路を快適に走れるBセグの価格帯を一気に引き下げた!という意味でデミオXDは大きな意味を持つクルマといえます。40km/h程度で一般道を走るだけならば、ガソリンの1.3Lの方が騒音も少なく快適ですが、登り坂や高速でガソリンエンジンの回転数が上がると、低回転でも走れるディーゼルの方がむしろ静かになります。もちろん高速道路で要求される追い越し加速においても、ガソリンモデルでは不十分な点も見られますが、ディーゼルならば問題ない走行性能を持っています。マツダもこの点をかなり意識しているようで、中間加速や高速安定性にもかなり意識した設計を行っていると開発者のコメントにも述べられていました。

  街乗り専用車ならば「ガソリン1.3Lモデル」、高速利用を考えるならば「ディーゼル」とたった2種類のパワーユニットですが、かなり効率的にキャラ分けができています。200万円以下に収まっている価格帯を考えると、値段を気にせずに用途ですんなりグレードが決められる点も、変なモヤモヤ感がなく納得したクルマ選びをする上でとても重要です。トヨタやホンダのコンパクトカーでもHVありきな大雑把な戦略と比べると、私のようなマツダ好きでなくてもとても好感がもてるのではないでしょうか。


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2014年8月12日火曜日

マツダ・デミオ 「冷静さが必要だけど、ひょっとしたら・・・」

  マツダは個人的に一番好きなメーカーで現在もマツダ車に乗っています。このメーカーの魅力を、誤解を恐れずに一言で言うならば「大人になりきれないクルマが作れる!」ことだと思います。マツダのラインナップを過去のものから現行のものまで俯瞰すると、最もガキっぽい一般車メーカーはマツダだと断言できます。同じような系統のライパルとしてBMWやプジョーがいますがそれよりもさらに「ガキ仕様」ですね・・・。トヨタの開発者がコンセプト「タケリ」からほぼそのまま現行アテンザのデザインになったのを見て「マツダは完全に頭がオカシイ」みたいなことを言ったとか言わないとか。

  いくら大手メーカーから「変態」扱いされようとも、世界で「一番尖っている」のはとても価値があることですし、日本メーカーの誇りといえます。マツダが倒産したらもうクルマ買うの止めようかな・・・と私と同じように考える人も相当いると思います。そんな熱狂的な支持を受ける反面、新型モデルにかかる期待もハンパないものになっていて、下手なデザインで登場し「これはとてもマツダではない!」とフルボッコにされるモデルもいつかは出てくるでしょう。そんな中でCX5、アテンザ、アクセラと見事に期待に応え続けたマツダの「集中力」はやはり凄いなと思いますす、そして今回登場した新型デミオもマツダ自ら「確信のドヤ顔」を発表前から繰り出していて、某雑誌には「4打席連続ホームラン」なんて書かれてました。

  最近「復刊」を果たした「CAR STYLING」(三栄書房)の復活第一号では、表紙に堂々の「~Truth of the DEMIO Soul of Motion~新型デミオと鼓動デザイン」の太文字が躍っていていました。復刊第一号なので注目度もそこそこ高いでしょうけど、デミオ(もしくはマツダ)だけで本体価格2000円もする雑誌を売ろうという企画も大胆なもので、私のような熱狂的マツダ信者が次々と買わされていくんだろうな、なんて思いつつ買いましたよ・・・。

  最近のマツダはデザインに至る「過程」すらもブランドの一部として扱っているようで、他のメーカーでは滅多にないことですが、アニメの絵コンテのような鉛筆書段階のデザインを意図的に「放出」しています。アニメなど日本が高い国際競争力を持っている「知的産物」によるコンテンツを総称して「クール=ジャパン」と言うそうですが、マツダの戦略はこの政府主導の「日本的価値の発信」にとても良く合致しているようです。歴史的に日本政府が大っ嫌いなトヨタやホンダといった大手はそんなものに協力する気はさらさらないといったところかもしれませんが・・・。

  さて新型デミオですが、シートを始め「白」が基調になっているLパッケージ仕様の内装が公開され、クラスを超える圧倒的な質感がとても話題になっています。まだ実物に触れて見たわけではないので何とも言えないですが、とりあえず「新しいマテリアル」で作られているのは確実なようです。あまり安易なことは言えないですが、男性用スーツの素材といったら「ブリティシュ・ウール」の品質保証ワッペンタグが内側に付いたものが喜ばれたりします。しかしデザイン性はそれとは全く別物であり、いくら質感が伴っていてもデザインが完全に時代遅れのものは喜ばれません。

  現在では「質感」以上に「デザイン」が優先される時代になりつつあります。デザインを最優先に考えたときに、たとえ極細の上質なウールを使うよりも、ポリエステルなどの化学繊維の方が品質の安定感なども含めて高いレベルに立つようになってきたようです。もちろん「化繊のスーツなんて・・・」という保守的な考えのユーザーもたくさんおられるので、一気に拡大するのは難しいかもしれませんが、グッチやコムサ=メンといったやや前衛的なブランドでは徐々に導入が進んでいます。

  私も試しに3年ほど前に一着購入してみたのですが、これが予想以上に強靭でほころびも少なく、いまでも十分な光沢を放っていてとても満足しています(大幅値引で5万円ジャストくらいでゲットしました!)。今回のデミオ"Lパッケージ"の内装もどことなく、この「化繊スーツ」の良いイメージがダブります。100万円台半ばで買えるクルマなので大きな期待をせずに買ってみたら、予想以上に安定した質感で大満足の「逸品」になるかもしれません。いや・・・マツダならやってくれるはず「Lパッケージにハズレはない!」というくらいの気合で素材の選定してきているハズです。最近ではマツダの試乗車はことごとくLパケになっているようなので、ぜひデミオに乗って確かめてみたいと思います。


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