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2018年1月11日木曜日

日産スカイライン(2017/12月マイナーチェンジ) 全然新しくないけど、いいクルマだよ。


スカイラインは今も日本車最強

   あまりにも変化に乏しいマイナーチェンジなので、ほとんどのカーメディアからは事務的に処理されているスカイラインですけども、うーん、なんか寂しいですねー。「スカイライン」と名がつく歴代のクルマは、常に同サイズのセダンにおける最高の性能をユーザーに提供してきました。日本で生産される「クオリティカー」の代表的なモデルなんですけども、日産からもカーメディアからもやる気を感じない・・・。

もはや反則レベルの技術力

  誤解を恐れずに言うならば、「いいクルマとは?」ドイツ車ではなく・・・スカイラインに近いかどうか!? それくらいにスカイラインに投入されてきた技術の多くは、他のメーカーはただ指をくわえて見ているしかない「桁違い」なものばかり。簡単に言ってしまうと、市販乗用車の世界での「ブガティ・ヴェイロン」みたいなもの。あまりにも水準が高過ぎて、比較対象にしてもらえない。スーパーカーの世界でブガティはほぼ反則扱い。

批判している奴は、『ウサイン・ボルトは遅い』と言っているのと同じ

  今回のマイナーチェンジで350GTAWDの最上級グレードSPは、580万円の設定なのですけども、このクルマ0-100km/hを5秒で走ります。2000万円以上するBMW・i8とほぼ同じ。BMW・M3が北米では65000ドルくらいで買えますけども、北米と同じくらいの経済的負担でハイスペックなGTセダンに乗ることを実現した希少な1台です。他にはホンダ・レジェンドがあるだけ。フーガはちょっと運動性能に劣るかなー。

水野さんの置き土産が、ドイツプレミアムを駆逐している

  当然にアメリカではよく売れていて直近のデータではレクサスのすべてのセダンよりも販売台数は上です。北米レクサスを支えているのは完全にNX、RXのSUV勢(約7割)ですが、インフィニティのエースはなんと4ドアセダンのQ50(スカイライン)で全体の32%に達します。メルセデスもBMWもSUV頼みとなっている北米市場のプレミアムブランドの中で、昨年の成長率ナンバー1はもちろんインフィニティ。唯一4ドアセダンが引っ張るプレミアムブランドです。

輸出が少ないと批判していた奴らは全員謝罪を!!

  すでにアキュラ、ボルボ、アウディ、ジャガー&ランドローバーを抜き去りこのまま成長が続けば、北米で2〜3万台前後を毎月販売して争っている北米プレミアムトップ4(メルセデス、BMW、レクサス、マツダ)を追い越すのも時間の問題。日産本体も北米での成長率は大手でダントツトップの昨年比118%(18%増)を記録しています。日本からの輸出台数の少なさから数年前は日産は日本の産業に貢献していない!!とか批判されてましたが、今ではマツダ2万台、スバル2万7千台を大きく上回る4万台(2017年11月度)の大台越えを果たしています(栃木上三川工場フル稼働)。ちなみにトヨタ6万2千台、ホンダ6千台、三菱8千台です。・・・日本でしくじった分がアメリカへ回った!?

開発者がベンベを潰す宣言してたけど、その通りの展開に!?

  インフィニティQ50(スカイライン)の何が人気なのか!?北米での価格設定ですが、悪名高いメルセデス製直4ターボを搭載した廉価モデルの200tが35000ドルの設定で、これはBMW320iと同じです。日本でも200tが410万円で、320iは定価530万円も大幅値引きで400万円前後に下げてもらえるとか。プレミアムブランドって客が移りやすいから「市場価格」が形成されやすいみたいです。色々乗ってみたいとかいうミーハーが多い!?


エンジンが良ければそりゃ売れるでしょ!!

  日産が独自に開発した3LのV6ターボは300ps版が38000ドル、400ps版が51000ドルの設定です。そしてHVの350GTが50000ドルです。北米でもV6自然吸気の販売は終了したようですが、上級モデルのQ70(フーガ)には5.7LのV8自然吸気が用意されています。日本では350GTが495万円〜これってかなりすごくないですか!?コスパナンバー1といっても過言ではない。このレートから計算すると400ps版の3Lツインターボは520万円前後になります。限定発売でもいいから発売して見たらどうでしょう!?もしかして国土交通省が危ないからダメって言うのか!?最近ちょっとモメてるしトラブってるしで・・・タイミングが悪い。

結論

スカイラインを批判しているプロのジジイは目障りだから全員引退しろ!!現役復帰するならもっと見る目を養ってくれ!!せめて世界情勢を見極めてから発言してくれ!!生意気言ってるのはよくわかっているけど、スカイラインに対するあまりに片手落ちの報道に辟易したよ。テレ朝の朝生で9条2項の条文が言えずに「恥を知れ!!」と罵られた某お笑い芸人がいたけど、スカイライン批判を目にするたびに「恥を知れ!!」と言いたくなる。

結論が長ーな

今やV37はかつて日本車が経験したことがない頂に到達しようとしていて、セダン好きにはちょっとワクワクする展開。北米の次は欧州も喰らうかも知れんよ!!ホンダやマツダもV37を超えるような王道ハイスペックGTサルーン作ってくれー!!レクサスとスバルは実績もないし、多くな期待できそうもないので、新ジャンルのSUVでも作ってセコセコと稼いでいたらいいと思うよ。グッドラック。




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2017年12月24日日曜日

日産リーフ(2017/10月フルモデルチェンジ) EVのエグい本質。

EVの営業妨害

10年近く前にフランス人が経営していた日産が、日本メーカーの先陣を切って量販型の普通車EVリーフを発売した!!『フランス』と『EV』というだけで、かなり辛辣なブラックジョークのネタになる。初代リーフのデザインもなんだか古き良きフランス車。当時の社長が故郷に錦を飾りたかった!?いやいや彼は移民。

EVはガソリン車と比べてどれだけCO2を削減できるのか!?現状の日本の発電の割合で算出すると、10%『も』あるらしい。まさか50~100%の削減だと考えていた幼稚園児レベルの理解の人にとっては『少ない!!』って声もあるのかも。まさか・・・そんなに削減できてしまったら、地球上の二酸化炭素濃度は下がり始めて、植物の生育が悪くなる。いやパリ協定が結ばれてから、もう実際に生育は悪くなりつつある!!野菜が高騰しているのはそのせいですよ!!(嘘です)

日本でEVの普及が遅れている理由は主に3つ。①初代リーフのデザインがスベったこと。②歴代プリウスがカッコよすぎて、走りも完璧だったこと。③充電を忘れると会社に行けないこと。・・・他にも④電力会社の利権拡大に抵抗がある。 ⑤電気料金のプランが怪し過ぎる。 ⑥東京電力が嫌い。 などなど・・・東電&日産の2大イメージが悪すぎる企業のコラボ利権に対する不満がずらずらと続き、30番目の理由である「航続距離が短すぎる。」という技術的な不満に至るまで素人でもわかるくらいに課題が山積みでした。(個人的見解です)

アメリカでもイギリスでもEVは売れているのになんで日本ではダメなのか!?とりあえず関東に本社がある企業が先陣切ってはダメ!!特に首都圏にのさばっている大企業は何をやってもダメなんですよ。もしスズキと中部電力(水力発電が多い)がEVの旗振り役だったら・・・。ドライブコースの終着点にありがちな『発電ダム』に充電スポットを用意したり。結局はEVを効率的に普及させる条件は「水力」。市場としてはノルウェー、カナダ、ブラジルが有望!?






『水力じゃない』フランス(ルノー)と東電は筋違い!?

火力発電主体のまま当面は続くことは不回避。これからトランプ&プーチンによってガスの押し売りは続くでしょうし。言われるがままに来年度の防衛予算を積み増しした安倍内閣。完全に棚上げされた(報道されなくなった)米軍基地問題。今の情勢を考えるとトランプ氏が主張する日本の負担引き上げに異論は無さそう。もう北とトランプ政権はグルなんじゃないか!?と疑うレベルかも。・・・よって日本はアメリカのガスで発電するのが規定路線。これは大統領が誰であろうとアメリカの国益なのは明らか。

それでも全てのクルマが排出するCO2が10%減れば大きいのだけど、広島の某中堅メーカーは、10%以上削減できるエンジンを作ってしまったらしい。日本政府が本腰を入れて、全国に散らばる揚水やメガソーラーの近くで給電できる仕組みを作らない限りはエンジン開発はやめないらしい。あ!?気がついている人も多いかもしれないですが・・・実はHVが最強。FCVは水素生成の効率化が進まない限りはEVと同等らしい。

なんで欧米や中国のメーカーは本気でHVを作らないのか!?それは日本メーカーがDCTをなかなか作らないのと事情が同じらしい。つまりDCTの特許をボルグワーナー、ゲトラグ、ZF、シェフラーが押さえているから。同じようにHVの技術はトヨタとホンダが・・・。プリウスはもう20周年なので初期のものはだいぶフリーになったので、メルセデスやBMWも導入しているようだが、いかんせんトヨタ車に10年は遅れた設計じゃ勝負にならない・・・。





もうEVなんてどーでもいいって思ってきた!?

賢い人はもう気がついているかもしれないけど、EV技術ってのは結局は・・・金持ちのためのクルマを作るには向いているけど、大衆向けのクルマには不都合が多すぎる。1000万円の価格で電池容量が余裕たっぷりのテスラは、悔しいけど世界でもっとも豊かな『カリフォルニア国』だけで勝負できる特殊商圏のブランドだと思う。テスラはアメ車ではなくカリ車というべき。V8ターボで600psとか出すM5やパナメーラターボも、ドイツ車ではなくカリ車だ・・・。

「相対的貧困」とやらが増えている日本では、EVなんかよりも20psくらいで最高速度80km/hくらいの性能のクルマを売った方がよっぽど環境に良いと思う。新幹線降りたら12時間2500円で使える20psレンタカーがあればいい。ほとんどのクルマに自動ブレーキが装備されて赤信号に突っ込むとブレーキがかかるようになれば、それほど衝突安全性にこだわる必要もなくなるはず。EVに乗るのはカリフォルニアに近い水準の都市部だけでいいのでは!?東京、福岡、名古屋くらいか・・・。




日産はユーザーを喜ばせない・・・

グダグダと書いてきたけども、リーフというクルマがイマイチ煮え切らないのは、以上のようなモヤモヤがあるからじゃない!?おそらく作っている日産の開発者も、首をひねりながら設計しているのでは!?「このクルマをどこで売るのか!?」 中国政府は今後EVを推進する方針だそうだが、彼らは中国に「カリフォルニア」が生まれつつあると考えているようだ。中国の大都市はすでに東京以上に「カリフォルニア」に近づいているのは当たり前かも。まさか新疆ウイグル自治区でEVが走るなんて誰も思ってないはず。そこでは20ps級ガソリン車が使われるはず。

先日リーフが欧州の工場でラインオフしたらしい。すでに日産の商用EVはスペインからの逆輸入体制なので、そこで新型リーフの生産が始まったよーってだけの話。テスラには遠く及ばないけども、航続距離400kmを実現した新型リーフは1日1回の充電で日中使い倒せる営業車としての「段階」を達成した。BMW(i3)やVW(e-ゴルフ)と比べても100km程度上回っているらしい。

しかも100万円ほど安い。現状では400kmで400万円(最上級グレード)。「おー日産すごい!!」と思うべきか、いやいや本気出したら500kmで300万円もできるけども、ドイツメーカーをうまく尺度に使ってるだけと思うべきか。絶賛レビューがどうも霞んでしまう新型リーフですけど、『俺はセレブだ!!』って豪語する人にはマストアイテムだと思いますねー。日本車もドイツ車も貧乏くさいから嫌い、やっぱりカリフォルニア車!!って投稿がツイッターやインスタに溢れるようになるかもよ!?

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2016年5月27日金曜日

スカイラインクーペ(インフィニティQ60)  「全ては想像力から・・・」

  スカイラインの原型である「プリンス・スカイラインデラックス」は1957年に発売されていて、ボデータイプは4枚ドアのセダン。旧立川飛行機系のプリンスと旧中島飛行機系の富士精密工業が1954年に合併して「富士精密工業」と名乗っていた時代の話です。日産との合併は1966年なので、「スカイライン」の名を轟かせた東京オリンピックの年のポルシェ904GTSと互角の戦いを見せた日本グランプリがあったときもまだ社名は「プリンス自動車工業」でした(1961年〜)。

  その後の4代目「ケンメリ」の時に作られたGT-R(1973年)で2ドア化され、5代目スカイライン(1977年〜)からは2ドアが通常グレードにも置かれるようになりました。これが「スカクー」の始まりといえるかもしれません。半世紀以上の変遷を滞ることなく経たことで「スカイライン」という車名には幾多のイメージが付加されていますが、「セダンにしては武骨」「クーペにしては淡白」・・・スカイラインのイディアはセダンなのか?クーペなのか?考え始めると夜も眠れなくなります。

  もちろん私が勝手に結論したところでどーなる話でもないんですけども、ブログでアホみたいにクルマを語るならば、それくらいの見識は持っておいた方がいいかな〜くらいのしょうもない動機もありますが、実際にスカイラインのオーナーになるなら「セダン」と「クーペ」どっちを買うべきか?それはなぜか?・・・日産っていろいろ「重みがある」ブランドです。他にも「フーガはプリンス・グロリアなのか?日産・セドリックなのか?」などなど。

  そんなところに出てきたのがインフィニティQ60の新型です。・・・いまさら旧プリンスか?旧日産か?なんてのはどうでもいいことですけど、日産が体現する「GTカーの系譜」の中でいったいこのクルマはどの位置を占めることになるのでしょうか? 国内専売モデルとして2002年に終焉した34系スカイラインに代わり35系スカイラインがグローバル車となり、初代から北米で売れたフェアレディZがZ33になってFMプラットフォームでスカイラインと共通化されて以来の14年落ちのシャシーを使って登場します。

  日本中心の視点で見ていると、「旧プリンスのスカイラインが世界で戦う戦闘力を得た!!!」みたいな話になってしまいますが、日産がプレミアムブランド部門で勝負するためのクルマを単なるビジネス上の判断で作り、それに廉価で調達できるメルセデス直4ターボエンジンをこれまたビジネス上の判断で載せていて、それを日本では「スカイライン」と名付けて売っているだけです・・・そう言われたら認めざるを得ません。日本の自動車産業の精神的支柱がボキっとへし折られてしまったかな・・・、そして日本車へのリスペクトが無い連中からは「日本メーカーは伝統を軽んじている」と虐げられます。

  中には伝統を重んじない日本メーカーもあるかもしれません。しかし日産には決して「侮って」はいけないくらいに燃えたぎる情熱をまだまだ随所に感じるのです。「最強とはプリンス」「最強とは日産」「最強とはR」・・・たとえフランス人が支配していても、ポルシェを叩き、BMWを潰す・・・メルセデスがその実力を認める頼れる同盟者・日産です。そんなメーカーの「多くの希望」がそのまま詰まったクルマがこの「スカイラインクーペCV37系」だと思いますよ。とりあえずポルシェより速く!!!BMWより高いボデー剛性!!!・・・これくらいは日産には朝飯前です。

  歴代のフェアレディZが大望を掲げて挑戦し見事に制した北米の地盤を引き継ぐ相伝の「夢」・・・。プリンスの源流の1つ「富士精密工業」が、70年以上前に袂を分けた「富士重工」との時空を越えての対峙・・・「スカイライン」VS「WRX・S4」に続く「スカイラインクーペ」VS「スバルBRZ」への感懐。・・・まあどれもクルマ好きの単なる「思い込み」に過ぎないのかもしれないですけど。それくらいに感じ入らないとクルマなんてまともに買う気にならないのもまた事実なんですよ・・・。どれだけ真剣に想い込めるか!?これからのカーライフはそんな「人間力」によってのみ満たされるんじゃないかと・・・思う次第です。


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2015年7月21日火曜日

日産エクストレイルHV 「NISSAN得意の"理詰め"でGO!」

  「SUVなんてチャラい若者が憧れるクルマだよ・・・」と、私を含めた多くのクルマ好きはこの手のクルマをちょっと下に思ってましたよ! しかしここ数年の日本メーカー各社のSUV市場における白熱具合がなかなか尋常じゃないです。まあそうですよね・・・セダンやクーペをマジメに作るなんてやってられっか!って話ですよね。クルマ雑誌に煽動されて、クソみたいなメルセデスやBMWが素晴らしいと思っているクズなんてほっとけばいいです。何でも「日本車より輸入車が上!」という価値観を植え付けられている人々なんてマトモに相手にしてられないです。ゴルフとか3シリーズのライバル車にたくさん開発費かけたところで、そういうイカれた目線で蔑まれるのがオチですから・・・。

  それよりも「ハリアーは最高です!」と言って貯金をはたいてでも買ってくれる、素朴で純情な若者達を相手にしていたほうが、作る側としても間違いなくテンションが上がりますよ。それに引き換え都市部で燻っている人々の価値観がいかに淀んでいるか・・・。日テレのアナウンサーがスポンサーからベントレー貰ったとか、芸人の武井壮がポルシェ買ったとかの報道があって、テレビの文化人がちょっと神経質に反応してたりするのを見かけます。「テレビの文化人=都市部のクズの代表」ですから、そこにやたらと共感しているようなセレブ気取った視聴者にクルマを語らせたら、もう40歳なのにメルヘン全開・・・あまりの空虚さにコメントもできませんし、ひたすらに笑いを堪えるのが大変です。

  まあ何も言わずに偽善者モードで聞いていたりするのですが、そのアナウンサーと出身大学が同じだからという意味不明な理由で張り合おうとするわけです(貰ったベントレーって、カーシェアのガヤルドみたいでメチャクチャかっこ悪いと思うのですけど)。そもそもベントレー買う前に立派なガレージ付きの豪邸と、やはりガレージのある別荘と、勤務先にもセキュリティーの万全な駐車スペースを確保する必要ありますよね。とりあえず2000万円あるから買えるって話では決してないと思うのですけどね。

  本人はまるでクルマの事情通みたいに話しますけど、普段からクルマ使って生活していないことがすぐに見抜けてしまいます。「レクサスLSとかで十分に幸せだと思うけど」なんて善意のアドバイスをすると、どこで刷り込まれたのか知らないですが「日本車ってさ安全性低いよね(笑)」みたいなこと言い出します。まあ確かにベントレー乗ってれば周囲のクルマは避けてくれますよ!けどレクサスLSだって十分に避けてもらえますけどね・・・。日本の自動車メーカーはこんな下らないバカヤロー達を相手になんかしないほうがいいでしょうし、こんなアホの為にクルマを作るなんて本当にウンザリですよね。

  さて話をSUVに戻すと、日本メーカーが本気になるとやっぱりなかなかスゴいことになるってのが実感できますね。スカイライン以上に気合を感じるのが、HVが追加されたエクストレイルです。もう3年前になりますが、これまでSUVのイメージがほとんど無かったマツダが、新型デザインとともに投入したCX5がクリーンディーゼルの旋風を起こしつつ大ヒットしました。この強烈な一撃に大ショックを受けたのが、ランクルやハリアーで世界のSUVシーンを牽引してきたトヨタで、二代目ハリアーは開いた口が塞がらなくなるくらいに内装を盛って、先行して調子に乗っているマツダを挑発しています。そしてCX5もMCであれこれと追い上げを見せる! いや〜・・これこそがクルマの進化においてとても健全で重要なサイクルじゃないでしょうか! 

  CX5が出てくる前までは、オフロードの本格派としてコアな人気を博していた日産エクストレイルは、CX5よりも先にクリーンディーゼルを投入していたのですが、一般ユーザーにそれを売ろうと策を講じるわけでもなく、おそらく日産らしい健気な理由(静音性に難あり)によってオフロードマニアだけが知るモデルでした。マツダの躍進を指をくわえて見ているのは、らしくないなと思いましたが、日産のプライドからマツダの尻馬に乗りたくはない!ってのもなんだかよく解りますね。新型ハリアーと同じタイミングで登場した3代目エクストレイルにはディーゼルはラインナップされませんでした。それでも強敵ハリアー相手に単月でSUV売上トップをマークするなど底力を見せつけました。ハリアーもエクストレイルも輸入車の新車が買えてしまうくらいの結構な価格でしたが、SUVブームが追い風となったこともありそこそこよく売れました。それぞれカムリHV(月300台)やティアナ(月100台)と同じくらいの価格で、2台揃って月産5000台オーバーを記録したのは見事です。

  ヴェゼルとハスラーが同時期に発売されて異例の大ヒットを遂げてましたので、どちらもそれなりに販売への悪影響はあったと思いますが、本気になったトヨタが仕上げたハリアーも、欧州でナンバー1のSUVブランド(ランドローバーよりも日産だ!)に相応しい力作となったエクストレイルも、どちらも素晴らしい出来映えで、本質を好むユーザーの気持ちをしっかりと捉えた結果だと思います。これだけ完璧に作られると、クルマライターもCX5、ハリアー、エクストレイルに序列を作れ!と言われても「どれも合格!好きなのに乗ればいい!」と放り投げたくなるでしょう。「走破性」のエクストレイル、「内外装&質感」のハリアー、「ダイナミックなフィール」が自慢のCX5・・・まあそれぞれに完成度は高いですけど「ライバルをKOする」という意味では決め手不足?とも言えます。

  そんな三つ巴で均衡したパワーバランスにケリを付けるかのように、いよいよエクストレイルにHVが投入されました!といってもすでにハリアーはHVでCX5はディーゼルで経済性を十分にアピール出来ています。しかもトヨタは「AWD&HV」、マツダは「AWD&ディーゼル」を用意していて、SUVの尊厳を汚すことなく堂々と展開しています。いよいよエクストレイルも「AWD&HV」を投入して同じ土俵に立ったわけですが、経済性での不利を挽回したことで、今度は逆にエクストレイルが初代から熟成してきた「ALLMODE 4×4-i」によるAWD性能の高さがアピールできます。さらに3代目から追加された「アクティブライドコントロール」というハイテクが導入されているのが日産らしいです。目線の先にはトヨタやマツダではなく、常に「打倒ポルシェ」が日産のこだわり!エクストレイルのライバルはマカンなんだ!と主張できる仕掛けです。

  もちろんこれだけメカが仕込まれているにも関わらず、非常にお手軽価格のSUVですから、欧州ではHV無しのデビュー段階でもすでに大絶賛されていて、辛口で有名な英国メディアの新車評価でも「9」(10点満点)という凄まじく高い評価を受けています。同時期に発売されて日本のメディアが「すべてが刷新される!」と散々に騒いだメルセデスCクラスが「7」ですから(かなり妥当?)、もっと日本のカーメディアも真剣に語るべきクルマだと思うのですけどね。「欧州車に学べ」とか偉そうなことをあれこれと言っておきながら、最終的には特にアイディアもなく、ラゲッジの広さとモード燃費(あるいは測定燃費)だけでクルマの優劣を決めてしまうのが日本のカーメディアのクソなところです。

  日産と言えば「スカイライン350GT」が激アツでしたけど、この時も日本のカーメディアは揃ってダンマリでした。とにかく凄い!ってのはみんな気づいているのだけど、誰も言い出さない雰囲気は異様ですらありました(トヨタの圧力?)。そんな中で日本COTYでスカイラインに10点入れたピストン西沢さんは素晴らしいと思いますけど、他の評論家はまるで日産は「アンタッチャブル」みたいに扱います。日産が本気出し過ぎてカーメディアが理解できなかった!という言い訳もあるかもしれません。なにせカルロス=ゴーンが社長になったときに「こいつらバカじゃねーの・・・」と思うほど、クルマの様々な技術が様々な部署で研究され尽くしてしたのが当時の日産だったそうです。日産は今年のルマンに掟破りのFF車で参戦しましたけど、恐らくまともにMRのクルマを作って日産が参戦すれば、ポルシェにもアウディにも楽勝できると思います。ルマンなんてロータリーはズルいからダメ!なんてほざくグダグダなレギュレーションのレースです。そんな生温いレースに勝てないトヨタもどうかと思いますけどね・・・。

  さてエクストレイルHVですが、ニッケル水素バッテリーを使うハリアーHVに対し、リチウムイオンバッテリーを採用しているので、基本の車重が約100kg軽いです。それでも日産自慢のフルタイムAWDを動かすとなると燃費でハリアーにわずかに負けてしまうようです(もちろん無視できる誤差程度ですが)。この辺が「エクストレイルHV」の性格を示す良い指標かなと言う気がします。3列シートも選べるので、ミニバン代わりのファミリーカーにもなりますし、HVはディーゼルと違ってちょい乗りでも負荷は少ないですし、街中でも燃費を稼げます。ドカ雪が振っても大丈夫!?な走破性も魅力です。これはスカイライン以上の「事件」じゃないか?という気がするのですが・・・。

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2014年10月1日水曜日

日産スカイラインクーペ 「スカクー改めインフィニティQ60・・・さらに」

  レクサスRCの概要がやっと発表されました。すでに去年の東京MSの段階で完成していて、その段階で発売するグレードも大筋で判明していて、ほぼ予想通りのものになりました。ちょっとビックリしたのが、最初からV8搭載のレクサスRC-Fを同時発売するというレクサスとしては新しいスタイルを採用してきました。最上級モデルの先行販売はジャガー、マセラティ、アルファロメオなどの新型スポーツカー&スペシャルティカーにおける手法としては定番化していて、レクサスもそれを素直に模倣・踏襲したようです。

  元々は「サルーン」に特化したプレミアムブランドとして、独自性あるブランドイメージを構築しつつあったレクサスですが、大々的な2ドアモデルの投入によりいよいよ「何でも屋」ブランドの様相を露骨に呈してきました。日本のカーメディアはレクサスの戦略的行き詰まりを盛んにあげつらう傾向にありますが、アメリカで25年、日本で10年を経たレクサスの成長は客観的にみて、史上最速といっていいほど順調に推移していると言えます。今回のレクサスRCの投入の一番の動機は、ブランドの販売台数を大きく底上げするものでは決してなく、トヨタの技術力の高さを証明すべく投入したGS・IS用の新型シャシーがあまりにも優秀すぎる出来なので、宝の持ち腐れと批判されないように、日産やBMWと互角以上に張り合える車体剛性が高い2ドアGTカーも作ってしまおう!くらいの軽い発想によるものと思われます。

  そもそもこれまで2ドアのDセグ車は、Cクーペ、3クーペ(現4クーペ)、スカクーがわずかの国内シェアを分け合う程度であり、北米でも欧州でも日本よりは需要が多いにせよほぼ成長が見込めないジャンルでしかなく、レクサスがブランドの命運を賭けて乗り込むにはあまりにも小さすぎる市場です。ブランド全体におけるRCの役割は、これまでレクサスIS350がクルマの性能を最大限に引き出す最上位グレードとして君臨しているところに、ボデイ剛性を大幅に上げてIS350をさらに大きく上回る"超絶グレード"としての「特別仕様車」的な意味合いが強いです。RC350やRC-FによってレクサスがBMW、ポルシェ、日産に肩を並べるほどの高性能GTカー・ブランドとしての一面を持っていることを表現し、本格志向の人はこちらをどうぞ!といった程度のものに過ぎません。ポルシェがライバルの性能アップを目の当たりにして、慌ててボクスターやケイマンに新たに「GTS」というグレードを作ったようなものです。

  ただしレクサスRC-Fの場合は、おそらくドイツプレミアムのDセグを全て薙ぎ払う為に作られたISの新型シャシーの計画当初からの一つの到達点として想定されていたもので、雑誌では「フラッグシップスポーツ」などと言われてますが、レクサスのブランドイメージを決定付けるほどの重要なモデルです。ゆえにたとえ相手がGT-Rや911ターボSであってもスピード以外の部分では絶対に競り負けないとてつもない完成度をトヨタの威信をかけて必ずクリアしてくるはずですから、まず購入して後悔することはないクルマだと思います(燃費とか維持費が高すぎるかもしれないですが・・・)。それでも日本の評論家さん連中は恐ろしいですから、「(BMW M4と比べて)シャシーもハンドリングもエンジンもどれも勝っているけど・・・なんだろう何か心に残る"芯”みたいなものがない」なんてレビューが続々と出てきそうな予感がします。

  レクサスRCの設計を見るとどうやら、コンセプトのスタートラインとしてBMW4シリーズしか見ていないような気がします。4シリーズは上回るけど、そこからさらに大きく違う世界感を作ろうとはあまり考えていないようです。この無邪気なRCを後ろから密かにマークしているであろう不気味な存在なのが、日産スカイラインクーペことインフィニティQ60で、新型がいよいよパリモーターショーで発表される予定です。先日の英国メディアの報道によると、BMW4シリーズよりもいくらか大きなボディになるようで、これまでのどうも狭っくるしく感じるDセグ2ドアクーペの概念を突き破り、Eセグに近い絶妙なサイズで「ゆとり」を追加した4シリーズやRCよりもだいぶラグジュアリーなクーペになるそうです。

  新型スカイラインことインフィニティQ50のデザインを見ていると、今回の日産は近未来的なスポーツサルーンのイメージを漠然と追うのは辞めて、「男がDセグ選ぶならこれ!」とちょいワル親父に指名買いをされる現実的なポジションを目指しているように感じます。これまでのV35、V36もなかなか男性的な存在感は出してましたが、V37は女性ユーザーをさらに突き放すような不思議な渋さが備わっていて、日本では女性がやたらと乗りたがるクルマである日産のフェアレディZ(32,33,34)やシルビア(13.14.15)とはだいぶ違った印象です。そんなV37も2ドアクーペになればやはりセレブな女性のお買い物カーに成り下がってしまう可能性もありますが、おそらくVC35やVC36よりもずっと「男性的」なコンセプトを狙ってくるのではないかと思います。

  V37セダンは「アメリカン・マッスルカー」と「ジャーマン・プレミアムカー」の両方のデザイン要素を兼ね備えているせいか、なかなか見慣れない不思議な表情をしています。このクロスオーバーな佇まいが災いして、残念ながら日本の日産ファンの一部からの大ブーイングを浴びてしまっているようです。彼らはスカイラインがつまらない高級車になってしまったと肩を落としますが、実際のところは「高級車」なのか「クラスレス」なのかよくわからない立ち位置であって、セレブが注目するようなラグジュアリーかつセクシーさを強調したような派手さ一辺倒なクルマでは決してないです。むしろ質実剛健で性能面を最も重視した実直なクルマ作りという意味で"日産"に相応しいクルマだと思います。このクルマをベースに一体どれだけセクシーなクーペが出来るのか全く想像ができませんが、4シリーズやRCのデザインに顕著な「わざとらしさ」「未熟さ」をダサいを感じて納得できなかった「大人」な人々に応えられるように、基本に忠実な「ワイド&ローでマッチョ」なスタイリングを狙ってくるような気がします。

  フェアレディZともGT-Rとも異なる需要をしっかりと吸収することが、インフィニティQ60に課せられた最大の使命であり、「女性専用車」のZと「最善主義」のGT-Rからこぼれ落ちた「渋さ(アダルトさ)」「ラグジュアリー」「重厚感」「男性的クーペ」がテーマであり、ライバルの4シリーズやRCも現状を見る限りは、この4点においてを落第点の水準です。2ドアクーペに600万円以上掛ける客層の人間性を過大評価し過ぎで、もっと本質的に「ガキっぽく」「知性がない」「品格がない」ユーザーばかりだから、この4点を重視することは無意味という意見もあるでしょうが、日産にはこのジャンルに巣食った「軽薄さ」「ダサさ」を一掃するような強烈な1台を期待したいです。

  このQ60とは別に今月のパリ・サロンでは「フーガクーペ」となるQ80も発表されることが既に予告されています。こちらは4ドアスペシャルティカー仕様になっていて、日産が宿敵ポルシェのパナメーラを北米市場で叩くために独自に開発した新型モデルのようです。提携相手のメルセデスから出ている大型スペシャルティカーの尖兵となった「CLS」は発売直後こそ話題沸騰でかなりの販売台数を記録しましたが、10年経過してクルマの基本コンポーネンツがメルセデスの水準からみて低いレベルにあることが世間にも浸透しつつあり、北米ではパナメーラやギブリに大きく遅れをとるようになっています。後から追加されたクーペワゴンのシューティングブレイクも車体の設計が極めて杜撰で、高級車にはあるまじき乗り心地の悪さと静音レベルの低さが酷評の対象になってしまいました。

  北米で日本車が同クラスのドイツ車のどれよりも高い価格で売られる!という快挙を達成したインフィニティのQ50(スカイライン)とQ70(フーガ)は、日産が持つ高級車ノウハウが世界最高の水準にあることを見事に証明しました。同クラスのレクサスGS・ISも徐々にメルセデスやBMWを超える価格設定をするようになっていますが、最も高価なのはインフィニティです。プレミアムブランドのD・Eセグを制した「技術の日産」がいよいよ「レクサスLS」と「Sクラス」というトヨタとメルセデスの"頂点"と対峙する量産モデル(ややジャンルは違うけど価格帯では接近?)をグローバル市場に投入します。これによって風通しが悪く硬直化した高級車市場に新しい旋風が巻き起こされ、自動車文化の活性化につながればいいとは思いますが・・・。



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2014年5月28日水曜日

日産スカイライン 「2L直4ターボ発売・・・」

  「本当に発売するとは・・・」なんて今さら驚いているわけではないですけど、やはり日本メーカーのプライドとして、このクラスのクルマにターボを付けるのはやめてほしかった・・・。日本には欧州ブランドの階級主義なんていらないですし、「上」と「下」で全く意味合いが違うエンジンを使い分けてユーザーを「差別」するなんていう文化を日本メーカーが率先して持ち込むことに違和感を感じます。まあ日産だけが悪いのではなく、スバルのレヴォーグも基本的には同じ考え方みたいですが・・・。

  BMWもメルセデスもジャガーもベースグレードでは直4ターボが定番になっています。日本価格だとこれでも平気で400万円を超えてくるのですが、ハッキリ言ってそれほどの価値は絶対に無いと思います。どうしてもBMWやメルセデスに乗りたいという人には満足かもしれませんが、車重1600kgを超えるボディというだけでも、これらのクルマには直4エンジンで走らせるだけの能力が決定的に欠如しています。さらにパワーシート、電動ステアリング、電制ダンパー、後席用の快適装備などに多くの電気を使いますから、エンジンが小型になればなるほど設計上に無理が生じてきます。

  新型スカイラインは世界初の技術を含め、さまざまな電制デバイスを積み込み大排気量エンジンを想定して設計がされました。しかし急遽、廉価版の2Lターボを積み込むことになり、深刻な電気不足に陥ることからステア・バイ・ワイアなどの新機能はかなりの割合でキャンセルされています。スカイラインHVの一つの売りであったクルマオタクが悶絶する「96通り」の運転モードなどもおそらく何事も無かったかのように消え去っているはずです。

  ただしステア・バイ・ワイアのフィーリングにしても、運転モードの多さにしても、専門家筋からもそれなりに異論が上がっていて、さらに一般ユーザーからしてみたら「かなりどうでもいい」という意見も多そうなので、廉価ターボ版を販売する意義というのは小さくなさそうです。また日産にしても、日本市場限定でしかもフーガ以外の他車では使わなくなりつつある「2.5LのV6」エンジンを置き換えたいという意図もあるでしょう。レクサスISやクラウン、マークXとまだまだ台数が稼げるトヨタの「2.5LのV6」と比べると生産効率で大きく劣ります。つまり同じようなクルマを作っていても、常にトヨタの方が利益を出し易く、日産は不利な状況に置かれます。こうしたウィークポイントを無くすことは極めて妥当な選択と言えます。

  今や2.5Lの6気筒エンジンを使っているメーカーなんてほとんど無くなっていて、トヨタと日産以外では中国製造のBMWが2.5Lの「V6」エンジンを積んで販売されているくらいだそうです。これだけ潰しが利かないエンジンを残しておくメリットはまったく無いですし、3.5LのHVがすでにこのエンジンを大きく凌ぐ経済性を発揮していますので販売理由もなくなっています。FFのティアナは軽量で高出力の直4NA(2.5L)の新型エンジンが搭載され始め、6気筒エンジンになんら劣らない静粛性を発揮しています。

  スカイラインにもこのティアナ用の直4NAを使えば良いと思いますが、日産は縦置き(FR用)に設計変更するコストを無駄と判断したようです。また仮に出来たとしても、FFのティアナよりも、構造上重くてうるさくなってしまうFRのスカイラインにそのまま使うには、さらにプロペラシャフトやギアボックスの静音性の設計調整が必要ですし、重量増やトラクションの不利でティアナよりもパワーが出せない設計になってしまうのは目にみえています。

  そして日本市場で売れているライバルのドイツ車が直4ターボを用いる中で直4NAを投入しても売りにくいという判断もあるかもしれません。とりあえず直4ターボのFRならばBMWもメルセデスもジャガーも日産もほぼ同じで価格面でちょっと有利な立場に立てればいいといったところでしょうか。BMW320iが466万円、メルセデスE250が599万円のところをスカイラインGT-tが383万円ですから、「ハリボテ・プレミアムカー」というジャンルでいよいよ日産が主導権を握る時代がやってきたかもしれません。そのために物議を醸した「日産」から「infinity」へのバッジ変更も推し進めました。

  まあなにはともあれ、アメリカだけでなく、日本でもBMWを叩き潰すぞ!という気合いを日産陣営から感じることができます。BMWも劣勢が明らかになれば値下げを断行してくるでしょうし、世界的にも最高値の領域にあるドイツ車価格が是正されることは、とても喜ばしいことではないでしょうか? それでもやはりスカイライン買うなら腹括ってHVにすべきだと思いますが・・・。

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2014年4月14日月曜日

新型スカイラインクーペ 「"エッセンス"の市販化はあるのか?」

  日本でも発売する2ドアクーペモデルとして独自の存在感を発揮する「スカイラインクーペ」。特に先代のCV35から日本車離れしたラグジュアリーな雰囲気を持つようになり、結構このクルマに吸い寄せられて「クルマっていいな!」って思う若者がかなり多いようです。「クルマ離れ」の時代に「現実的」に若者を憧れさせることができるクオリティカー。これはある意味でプリウス並みに社会貢献度が高いクルマだなと思うのです。

  かくいう私もその一人で、数年前のある日、突如思い立って購入を前提にCV36の中古車をリストアップ。現在では130万円くらいからあるようですが、当時は最安値でも200万円以上なので慎重にリストアップを進めて、それなりに目星がついたところでとても賢い彼女に打ち明けると、まさかの大反対。「ギラギラし過ぎていてイヤかも」と言われてしまい泣く泣く断念しました。まあ彼女がいなければクルマなんて要らない生活なので、反対を押し切ってまで買う理由なんてありませんでした。意外とあっさり「じゃあ次」と別のクルマを買いにいきましたが・・・。

  やはり何より唸らされるのが「やる気」満々のデザインですね。同クラスの「3シリーズクーペ」や「Cクラスクーペ」と比べればその差は歴然ですし、後から出て来た「アウディA5」はなかなかの出来(スカクーよりいい?)ですが、価格がかなり高いです。スカクーはどれも3.7LのNAでエンジンに関しては1グレード制なのに対し、A5にはハイスペックモデルのS5 / RS5が追加されなんだか買いにくくなりました。RS5なんてそれこそ1000万円を軽く越えてしまいます。人によって意見は違うかもしれませんが、こういう売り方をされる中でベースモデルのA5を買うのはちょっと悔しい気がします。

  というわけでスカクーはドイツ車のライバルよりもユーザーに「優しい」と思います。日産というメーカーは高級車(クオリティカー)に乗る人に恥をかかせない!という素晴らしいコンセプトを持ったメーカーなんですよね。スカイラインやフーガのセダンならば経済性を考えると2.5Lエンジンでもいい。だけれどもFR車なんだからちゃんと6気筒エンジン載せときますよ!っていう辺りもとても気にいっていたのですが・・・。

  そして何よりスカクーの価値はというと、最近になってアテンザがディーゼルに6MTが選べるようになりましたが、それまでは唯一のMTが選べるDセグ車(とりあえず日本車では)だったことでしょうか。「若者の心を捉える」ことにはいろいろな方法があると思うのですが、例えば若い女性がハーレーダビッドソンの大型バイクに乗っていると聞くと、多くの人は「え〜!」って驚きがありますよね。人にそういう風に驚かれることはかなり多くの人にとって快感だったりするわけです。20歳前半の若者がCV36のスカクーを所有していて、MTでの運転を楽しんでいる!というだけで、周囲の人は「若いのになかなか奥行きがある人間だ」と感じてくれる部分もあるわけです。

  自分をブランディングするためにCV36に乗るというのは、やや本末転倒かもしれませんが、結構いろいろなハウツー本ではそういう投資は積極的にやるべき!みたいな指南が書かれていることも(スカクーは投資価値が高い!?)。スカクーは普段のクルマ(デートカー?)としても高い性能を発揮しますし、趣味のクルマとしても極めて高い水準にあるのだから、親に頭下げてお金借りてでも買って損はないクルマだと思わせる力を持った「特別な存在」でもあるわけです。「自分のブランディングの為に300万円貸して!」と自分の将来の為に親に頭下げられる若者が居てもいいかなという気がしませんか?

  しかし今年発売が予定されている、次期スカイラインクーペはこの伝統が守られるかどうかちょっと怪しい気もします。漏れ伝わってくる情報によると、新型はモデル名を「インフィニティQ60」と変え、セダンとは別のクルマと位置づけて設計されるようです。デザインは5年ほど前に日産が発表した「エッセンス」というコンセプトカーのデザインを煮詰めたものになりそうです。セダン(インフィニティQ50)発売時にちょっと魅力に乏しいデザインを悪名高い英国メディアに批判され、日産の担当役員が「クーペは大きく前進する!」と言い放っているので、「エッセンス」に近いやや過激なスタイルになるかもしれません。

  そしてなにより気になるのが、セダンと共通の3.5L+HVのユニットが使われることです。スポーツセダンとしての評価も高いインフィニティQ50はハイテク装備が評判になっていますが、従来のスカクーの魅力であるMTを備えたアナロジカルな魅力とは方向性が異なります。おそらくこのハイブリッドにはMT設定はできないでしょう。一方でMTモデルの需要も当然に把握している日産は、あらたにメルセデス製の「2Lガソリンターボ」の搭載を決めたようです。こちらにはMTを配備してくるようですが、どうもスカクーの本質的魅力が1つこぼれ落ちてしまう気がします。ちなみにスカクーは中古車を調べるとMTモデルの方が圧倒的に高価格です。2Lターボのスカクーからは「ハーレーダビッドソン」的な魅力を若者は感じられるのか?ということです。



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2014年3月26日水曜日

日産ティアナ 「デザインに何の意図を感じる?」

  東京MSで新型ティアナを見た時の印象は「地味」だなってくらいだったのですが、あれから3ヶ月が過ぎていろいろなメディア評を読んで、いろいろ思い違いをしている点も判明して、さらにあれこれ考えています。このクルマは相当に奥が深いのではないか?とすら思い始めています。

  まずあっさりと騙されてしまうのが、それほどやる気を感じないエクステリアです。大概の人(私も)は、日本に「インフィニティ」を導入する布石として、「日産」とは別のブランドなのだと周知するためのインフィニティQ50(新型スカイライン)との差別化を図ったと考えるのが自然なほど。ただそこで思考停止してしまっては日産の思うツボな気が・・・。

  あまりにも多くの事が変化してしまっているインフィニティQ50。日産はそれほど積極的にアピールしている感じもなく、独特の上から目線というか「分かるヤツだけ買えばいい」的なニヒルな姿勢。こういう売り方されると何となく納得してしまう。日産は世界最高水準のメーカーでインフィニティQ50はとんでもないポテンシャルを秘めた「スーパーセダン」なのだと。だけどもそのスーパーセダンとやらは本当に「パーフェクト」なのか?

  日産が北米インフィニティチャンネルで売り出したV6搭載スカイライン(V35、V36)は、プレミアムセダンとして直6ターボのBMW3を狙い撃ちすべく、3.7LのNA(333ps)に載せ変えて覇権を握りました。快進撃にVC36スカイラインクーペをパクったヒュンダイのジェネシスクーペが登場するほどでした。欧州の排ガス規制と戦いながらのBMWに対し、グローバル販売で5倍以上の日産が、開発費にものを言わせてパワーで押し切る・・・。なんかあまりカッコ良くないですよね。今回の新型も明らかにスペック重視。

  一方で日産ブランドから発売しているアルティマ(ティアナ)は、先行する日本車セダンのアコード、カムリを追従すべく、3代目(初代ティアナ)からボディサイズを拡大し、日本車による3つ巴に持ち込むべく追い上げを掛けます。2002年に日本車で初めて北米カー・オブ・ザ・イヤーに輝くなど、着実にアコード、カムリとの距離を詰め、5代目(新型ティアナ)でとうとう月販でアコード、カムリを超える月もでるなど完全に射程圏内に。

  トヨタ・ホンダ・日産の三つ巴といえば、日本でのミニバン競争。今では完全にセレナが頂点に立ちました。スカイラインやエルグランドみたいにハイパワーと迫力で押し込む展開が好きそうな日産ですが、実は排気量がライバルと横一線といった「レギュレーション」がある戦いがとても強い。スカイラインみたいなハイテクもいいですが、クルマ作りを極めた日産を深く味わうならばティアナじゃないの?という気がするんですよね。

  まあ細かいことを言えば・・・いろいろあります。気になる点といえば、中国で生産されている仕様がベースにされていることで、もちろん生産は日本の工場ですが、福岡県で行っているので部品の多くは中国からの調達なんだろうという予想が付きます。気にする人とそうでない人では大きく反応が分かれるとは思いますが・・・。

  逆に良い点はしっかりストロングポイントを作ってくれているところです。初代から好評な「助手席オットマンシート」はスカイラインもレクサス車の大半も装備できないプレミアムな設備です。もちろん高速走行中にフルフラットなんてしていたら危険極まりないですけど、フットレストだけなら走行中でも使えますし、当然に喜んでもらえます。乗り心地&静粛性も設計上スカイラインよりいいくらいだと予想されます。なんだかんだでVWゴルフ的にちやほやされてもいいクルマじゃ・・・。



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2014年2月20日木曜日

スカイラインHV 「日産の飛躍・・・このクルマで主導権を!」

  日産が上級グレードに搭載しているVQ37DE。一般的な仕様ではNA3.7Lで333psを絞り出す世界最強のV6NAエンジンで、日産はこれを車重1500kgのフェアレディから3000kgの救急車に至るまで採用している(救急車の燃費が気になる)。スカイライン、フーガ、シーマ、三菱にOEMしている分、エルグランドでの需要をかき集めても日本ではまったく採算が取れるレベルのエンジンではないのだが、このエンジンこそが北米で日本車技術の象徴として讃えられているのだとか・・・ちょっと皮肉だ。

  日産はいよいよ日本国内でもV37スカイライン(インフィニティQ50)の発売を始めたが、それに先立ち作られたCMの謳い文句がスゴい。
「なぜ?ありきたりなプレミアムカーを選ぶのか?みんなが乗るから。定番だから。そんなプレミアムはもうたくさんだ。日産が世界で培ってきた圧倒的技術力が、今解き放たれる。」
商品の宣伝の基本は「ストーリー性」であり「共感力」なわけですが、いや〜素晴らしいキャッチコピーですな。自動車産業に対して感じているある種の不信感を当事者として堂々と認めた上で、このクルマはスゴいんだ!と訴えかけるメッセージに思わず惹き込まれてしまう。

  余計なお世話かもしれないが、このCMを見ていて気になることがある。世界の自動車技術は日進月歩で、最近では自動ブレーキや追従クルーズコントロールが当たり前になり、まもなく自動運転も可能になるようだが、このCMで日産が訴えている「技術力」とはそういうものではない。このことが一般の視聴者に正確に伝わっているかが気になって仕方がない。自動運転はともかく自動ブレーキはまもなく全てのメーカーの全ての車種で採用されるであろうタイプの技術だ。瞬く間に広まったATやABSといった技術と同じといってもいい。

  このCMで日産が主張する「技術力」は、他のメーカーにも広まりスタンダードになることが想像しにくいものだ。他の多くのメーカーが採用を前提に真剣に研究しないような技術をことごとく実用化し、一度に複数詰め込んで新型車を作ってしまったわけだ。これは自動車産業においては近年まれな歴史的事件だ。繰り返しになるが、今回スカイラインに盛り込まれた新技術のほとんどが、すぐに他社が真似できるレベルのものではなく、おそらく追従しようとするメーカーは皆無だと思われる。

  日産がこのクルマでブレイクスルーを目指そうとする意思はとてもよく分かるし、成功する保証もない中でこれだけのクルマを発売し、世に問うという姿勢は贔屓目なしにポルシェやマクラーレンといった世界最高レベルのスペシャリティカーブランドくらい価値がある事だと思う。しかもこれだけのクルマが450万円で買える。この価格は絶対に失敗できないという開発陣の薄氷を踏む想いの現れだろうが・・・。

  トヨタがのほほんと作っているレクサスLS600hという1000万円を軽く超える超高級車があるが、この新型スカイラインの基本スペックはベースグレードでもLS600hの水準に近い。400ps近い最大出力と世界最高レベルの高剛性ボディ。LS600hを初め世界の高級セダンの主流になったAWD。それによる燃費悪化を十分に補うHV。燃費こそ10km/Lをいくらか超える程度かもしれないが、実用域でこれだけあれば十分。従来の3.7Lスカイラインの6~7km/Lと比較すれば10万キロ走行時点でなんと100万円の燃費削減につながる。先代の3.7Lと比べて50万円の価格差があるが、たとえ電池交換(15万円くらいらしい)があったとしても10万キロ使い倒せば確実に元が取れる。

  それでもこのクルマのスゴさと実用性の高さをしっかりアピールできなければ、450万円という決して安くはない金額なので思いのほか売れないかもしれない。しかもこのクルマには先端技術を使い過ぎたことで、従来の高級車とはまた違った乗り味になっているので、よっぽど保守的な人はBMW320dを選ぶという可能性も否定できないのだ。なんといっても他社が真似しない技術が満載のスカイラインである。

  レクサスやホンダの高級車に使われるようになった4輪操舵(4WS)も、ハンドリング性能の向上がそのままドライビングフィールの向上につながらなかったという苦い過去をスカイラインは持っている。それでも車重があるクルマに限界を超えた旋回性能を与えるために今回も採用されている。さらにHVによるさらなる重量増加によるハンドリングの鈍りを補うために、標準装備でステアバイワイアという全く新しい技術を取り入れてきた。どうやらこれもまた「官能性」とは違う方向に響く可能性が高い難物らしい。

  4WSとステアバイワイアに対して好意的な人にとっては、このクルマは理想的だろう。そして450万円に抑えた価格設定にもGT-R開発で日産が培った「コスト管理」というすばらしい技術の賜物なのだろう。10年前に発売されたVQ35DEエンジンの改良型VQ37DEエンジンは日本市場との相性の悪さで、このまま北米専用エンジンになってしまうかと思われた。

  しかしGT-R用のVH38DEとともに、現在の日産を象徴するこのエンジンをぜひ日本でも載せたいという「エゴ」から全てが始まり、日産の持てる力を全て投入してこのエンジンの活路を切り開いた恰好だ。これが新型エンジンを開発して積むとなるととても450万円では収まらなかったであろうし、もし新型エンジンで650万円くらいで発売して全く売れなかったら・・・その時は日産の高級車開発の息の根が止まってしまっただろう。いやはやこのアイディア満載の素晴らしいクルマが成功することを心から祈っている。

2014年1月27日月曜日

日産ティアナ「"ゴリ押し"セダン・・・」

  トップダウンで主力モデルのデザイン改革に取り組むトヨタ。世界最先端のデザインセンスを自認しつつあるマツダ。どちらも日本で製造することと、日本車として世界を制するという大義名分に大きく酔いつつあるようですが、確実に日本のクルマ好きに対して求心力を強めています。一方でNSXのホンダとGT-Rの日産は独自のポリシーを保ちつつも、一般モデルレベルでの「迎合」には冷ややかな考えがあるようです。

  日産とホンダが今後の成長へ向けて狙うのは世界の頂点であり、1000万円クラスのスーパーカーやラグジュアリーセダンを世界の富裕層に売り込む戦略。一方で400万円台の上級車を売り込むトヨタやマツダは未だに「1億総中流」という日本のかつての姿を追いかけているようです。どちらが正しいとは一概には言えませんが、日本人の多くは無意識の内にトヨタやマツダを支持する傾向でしょうか。日産やホンダが想定するよりグローバルな社会での富裕層を自認する自信家には、トヨタやマツダは野暮ったく感じるのかもしれません。

  日産はGT-Rにスーパーカーとラグジュアリーカーの2つの顔を与え、ホンダは次期NSXと次期レジェンドに2つの役割を分担させるべく開発に取り組んでいます。そんな中この両社から出された中型サルーンのティアナとアコードはどこか華がないと感じます。ライバルに比定されるアテンザやクラウンと比べると、明らかに設計段階でモチベーションが違っているのが分かります。去年発表されたアコードにはホンダの他の新型モデルに見られるような「日本の客に買わせる!」といった意思があまり感じられませんでした。

  フィットやオデッセイ、ヴェゼルといった野心的な新型モデルからみてもアコードの「低温」っぷりは際立っています。当然ながら営業現場のホンダカーズでは不満が次々と噴出したとか・・・。もちろんこのアコードはホンダが新たに中型セダン用に開発したHVシステムが搭載され、その乗り味の良さは専門家の間でも高く評価されたのにも関わらず、外装デザインが醸し出す「やる気のなさ」がクルマの魅力を大きく損ねている。その上価格も・・・。

  さて北米でアコード、カムリに次ぐ3番手に位置する中型セダン・ティアナ(アルティマ)も当初はライバルと同じくHV専用で日本市場に登場すると言われていました。しかし日産の直4ハイブリッドはセレナに使われる2Lの非力なもので、カムリやアコードに対抗するのは難しいという判断があったようで、北米・中国と同じ2.5L直4エンジンでの登場になりました。北米デビューからすでに1年半が経過しているので、さすがにそのままではアピールできないので、日本発売に合わせて後輪サスを新たに開発したようですが、「3シリーズやCクラスよりも格段に高い安定性」という謳い文句には失笑してしまいました。FFのティアナがFRの同サイズセダンよりも安定性が高いのは当たり前だろと思うのですが・・・。

  確かに間違ったことは言っていませんが、無知なユーザーを騙す「詐欺的」な広告コピーの匂いがします。同時にステマとしても機能しているようで、3シリーズのライバルであることを同時に意識の中に植え付けようとしていますが、F30(現行3シリーズ)が狙っているコンセプトに対して、ティアナはどれほどの対抗できているのでしょうか? むしろライバル関係とブチ挙げることに無理がある気がします。先代までは静粛性に配慮してFFながらV6エンジンを搭載していて、お世辞にもハンドリングマシンとは表現できませんでしたが、直4に代わり車体重量も軽くなり、ハンドリングを強調するようになりました。

  しかしスポーツセダンにしては鈍重なデザインがどうも頂けません。ディーゼルターボや直4HVで武装し、説得力のあるデザインで固めたマツダやトヨタに対抗するにはあまりにもやる気がないデザインです。当然ながらBMWに比肩するとは到底思えません・・・。それでも老獪なコピーで売り込もうとする日産のブランドとしての姿勢にややがっかりしてしまいます。おそらくシルフィの二の舞になるのではないでしょうか・・・。

2013年11月24日日曜日

日産・スカイライン(インフィニティQ50) 「英メディアの酷評も妥当」(閲覧注意!)

  次期購入候補のクルマが見られるとあって、東京MSまで行ってきました。日産ブースはオープンスペースにフロア3層構造になっていて、明らかに最上階の熱気が凄いのがすぐにわかります。おそらく新型スカイラインがそこで見られるのだろうと、ややドン引き気味の連れの手を引いて、クルマに群がるカメラ小僧とスマホなオッサンを掻き分けて進むとそこには2014のGT-Rが・・・。「乗りたい方は後ろに並んで!」という声を係員が親切にかけてくれましたが、今日のところはGT-Rには用がないしと思いつつ愛想笑い・・・。

  隣りのもっと人が群がって全く見えそうにないのが、スカイラインか?と思い、再びオッサンを掻き分けて行こうと思いきや、皆様スマホを必死で持ち上げて上から撮っているので、目の前のスマホ画面にターゲットのクルマがクッキリ映っています。そのおかげで輪の中のクルマがGT-Rニスモだと分かりさっさと退散しカオスなフロアを降りることにしました。すぐ下のフロアには新型ティアナが・・・こちらは待ち時間なしで誰でも乗れる状況ですが、恐るべきほどに誰も興味なし!となりのエクストレイルも新型ですが、こちらも取り巻きは少なくまったく人気なし!日産やっちまったな・・・。

  スカイラインはどこなんだ?と注意深く見回すと、地上フロアのスズキのブースのすぐ隣りにスカイブルー・メタリックのクルマが見えました。今度こそ正真正銘のスカイラインなのですが、拍子抜けするくらい人込みも少なく、ベストポジションでじっくり見ることができました・・・。フロントデザインは近所の日産ディーラーで見ているフーガにやはり似ています。現行フーガの最大にカッコいいポイントがフロントデザインなのでこの点は良いと思います。さらにフーガの欠点である高いルーフが、はっきりと下げられていて全体のスタイルがスマートです。

  ただそこから先が難点だらけに感じました。この手のクルマのデザインの難しいところなのかもしれませんが、ライバル車とくらべて明らかに側面窓が大き過ぎます。車体剛性がクラスNo.1のクルマとは思えないような緊張感のない側面デザインになっています。このデカ窓コンセプトに決定した段階でこのクルマの運命は決まってしまったかもしれません。先代よりも車体全体をワイドに広くという方針は3シリーズやレクサスISと同じで、室内の居住性を優先したものになっていますが、日産はどうやらそこから先も真面目に突っ走ってしまったようです。

  デカい窓が一概に悪いわけでなく、日産の考え通り後席の居住性を考えたら景色が良く見えるほうがいいです。ただ現実の問題として同様に窓がデカいF30を側面や側面後方から見ると全くオーラが感じられないのと同じ症状に陥ってしまっています。BMWの場合は3シリーズよりも4シリーズや6シリーズを小窓にしてスタイルを際立たせる、ブランド内ヒエラルキー戦略なので、F30がかっこ悪いなんていうのは「野暮」なのですが、スカイラインの場合はまったく立ち位置が違うクルマなのですから、このデザインの選択ミスは悔やんでも悔やみきれません(それでも売れるかもしれませんが・・・ないな)。


  同サイズのクルマとしてはメルセデスCLAやマツダアテンザなどのプレミアム新興勢力が相次いで「小窓」で登場して、デザイン面での評判は非常に高いなかで、この新型スカイラインは「中身」が素晴らしいだけにとても惜しい気がします。今年始めの段階でイギリスメディアの容赦ない酷評に対し、日産のデザイン担当者(たしか名前が出ていた)が失敗を認めた上で「クーペで取り返す」という類いのコメントを残したを報じられていましたが、実車を見て英国メディアの主張は正しいと強く感じました。結論としては「クーペ待ち」かなという印象です。

  日本の某雑誌には新型スカイラインはインフィニティマークを付けていよいよBMW3やメルセデスCのライバルになると書かれていますが、クルマのメカニズムを考えると3やCと同じクラスというには大きな違和感があります。もはや車重もエンジンパワーも全く別の方向を向いていて、サスやハンドリングメカニズムの先進性で日産フラッグシップと欧州車が同次元なんてあり得ませんし、ホンダ・レジェンドに先駆けてAWDハイブリッドも用意してきました。AWDの弱点(パワー・燃費・ハンドリング)を全てカバーしたなかなか"ミラクル"なクルマになっています。同じ450万円のクルマかもしれませんが、どこをどう比べると、3やCと同じということになるのでしょうか?デザインの悪い点で!というブラックジョークか?

  日産のエンジニアがメルセデス製2Lターボの搭載に大反対したと言われていますが、それは至極当然でもっともだと思います。まあ売れ行きが伸び悩めば2015モデル辺りから2Lターボも発売しそうですが・・・。そんなこだわりも何もないようなエンジンはプリメーラでも復活させて、メルセデスブランドから発売してミーハーな日本の輸入車好きにでも売っておけばいいと思いますね。



2013年10月10日木曜日

インフィニティQ50 「ハイブリッドが"官能"な時代の到来か」

  やはり日産はトヨタとは様々な考え方が違うようです。それはそれで個性があってとても良いことですし、ユーザーにとっても選択の幅ができることは歓迎すべきことであります。あくまで私個人の意見としてはレクサスIS300hは、研ぎ澄まされたせっかくのシャシーにはやや残念なパワーユニット(直4+HV)だったと思います。このクラスのクルマはやはり常に「純度」を高く維持することに絶対的な価値があると思うのです。

  いよいよV6搭載スカイラインが3代目を迎えました。初代モデル(v35)は旧スカイラインのファンから大きな失望を買ったクルマでしたが、日産はその後もスカイラインを日本市場では「異質」な存在となるまで大切に育て上げました。初代モデルが日産のエリート開発部の手による確信に満ちたクルマであったという事情もあったようですが、3.7LのNAエンジンでクラス最高の車体剛性を誇りカタログ燃費は堂々の9km/L!というアンタッチャブルなスパルタンセダンを10年に渡って販売してきました。

  その後に開発された派生車のGT-Rもそうですが、世界のどんなライバル車にも絶対に負けないクルマを作るという「世界最強主義」?を貫きました。GT-Rあポルシェ911ターボを圧倒し、「スポーツタイヤを使わないと達成できない」とポルシェが主張するような究極の加速性能を手にしました。V36スカイラインは北米市場でプレミアムDセグとして人気を博したE90系の直6ターボ(308ps)に対して、出力で負けていた3.5LのNA(280ps)をわざわざ載せ変えて3.7LのNA(333ps)をBMWを視野に入れて開発しました。

  そんな日産のどこまでも突き抜けた高性能車への熱意は、この新型スカイライン(インフィニティQ50)にもそのまま持ち込まれているようです。今回は3.7LのNA(333ps)よりもさらにパワフルなハイブリッドのユニット(354ps)を載せてきました。日産がレクサスGS450hやBMWアクティブHVに対抗するためにフーガ用に作った高性能ハイブリッドです。

  ただ日産がこのユニットをライバル車のエコ化が急速に進む中で、頑なにV36スカイラインに使うことを拒否した理由は、ハイブリッド化によってスカイラインの魂であるハンドリングが無力化してしまうからだったようです。日産はスカイラインのハイブリッド化に際して「ステア・バイ・ワイア」という電気信号を使ったステアリングを新たに開発しました。これは通常の電制ステアを大きく上回る速さでステア操作が伝わるので、車重が多くなったクルマの旋回性能の向上に大きく役に立つのだとか。

  ただ結局はタイヤの性能次第なのではないかという気がしないでもないですが・・・。とにかく、さすがは日産でこれならハイブリッドやディーゼルを搭載してもアテンザのようにフロントヘビーで、辛辣な(ドイツ車好きな)評論家から酷評されることもないでしょう。メルセデスやBMWと比べても圧倒的といえる車体剛性を誇るため、当然ながら「骨太」な構造で車重が嵩んでしまうスカイラインにとっては待望のシステムと言えます。もはやハイブリッドのバッテリーやら安全装備やらをたくさん詰め込むパッケージングを止めないとしたなら、これはスポーツセダンへの回帰に向けての根本的な「ソリューション」として有効に機能する数少ない方法だと言えます。

  トヨタのマーケティングからすれば、これからのカタログモデルのセダンで走りに徹することはナンセンスなのかもしれません。「走り」ならスポーツカーで!「パッケージングと高級感」こそがセダンの本領!という主張が見え隠れするのが最近のトヨタ/レクサスのラインナップといえます。そんなトヨタと敢えて「カチ合わない」ことこそが、日産のスカイライン開発の本音なのかもしれませんが、それにしても見事なまでの「こだわり」に感服するしかないですね・・・。たとえレクサスRC-Fが発売されて400psオーバーで対抗しても何も問題はないですね、日産にはGT-Rがあるのだから! 

  もちろんレクサスIS350とRC-Fといった"官能"モデルはスカイラインに匹敵する魅力を持っています(RC-Fは未発表ですが)。そしてスカイラインの3.7Lと3.5L+HVはさらに高い次元を目指そうとしています。どうやら日本のDセグ車のレベルはとうとう世界の頂点を突き抜けたところにやってきたようです。この2台の争いからみれば、アテンザ、F30、W204、キャデラックATSなどは遥か下界のウジ虫にすぎないかもしれません・・・。こりゃスカイラインを買うしかないな!(と書いてて思いました・・・)


2013年9月21日土曜日

インフィニティQ30 「シルフィはもう諦めてこれを日本で売れば・・・」

  日産にラ・フェスタというやや地味なミニバンがあります。セレナが絶好調の日産で、機能面よりドライビングフィールを重視した設計のミニバンとして、マツダのプレマシーをOEMしているクルマです。日産は特にOEMを戦略として多用するメーカーのようで、非トヨタ系のメーカーなら構わず提携したがる傾向があるようです。

  フランクフルト・モーターショーで、インフィニティ初の「Cセグハッチバック」が発表されました。予告されていたスケッチデザインが「ほぼ」マツダの鼓動デザインと同じで、いよいよアクセラまでもOEMされるのかと勘違いしてしまうほどです。デイズ/ekワゴンと同じように、INFINITYQ30 / MAZDA3で同時発売するという「サプライズ」があったら誰も疑わないほど良く似ています。

  プレミアムハッチバックの新車発売が相次いでいますが、やはりレクサスCTがじわじわと世界中で成功したのが大きく影響していると思います。日産はこれまで対抗モデルを用意せず、インフィニティブランドは大型車のみのラインナップでした。しかし北米でもインフィニティの大型車戦略は曲がり角を迎えているといわれ、一時はブランドの廃止まで真剣に検討されたようです。プレミアムブランドが小型車で稼ぐ時代に急速に変化した中で、アメリカン・プレミアムの中に取り残された感があります。アキュラもアメリカにはシビックベースのモデルを投入していなくて似たような状況です。結局レクサスとアウディが躍進してメルセデスとBMWが素早く対応しつつあるといったところでしょうか。

  日産はミャンマーでの生産に乗り出すなど、新興国マーケットの掘り起こしに主眼を置いているようで、競争が激しく苦戦気味の高級車市場にはやや及び腰になっているのかなと思っていましたが、ここに来て「後だしジャンケン」的な競争力のあるプレミアムハッチバックを用意してきました。デザインコンセプトの発表はマツダの「鼓動コンセプト・SHINARI」以前にさかのぼるので(つまりQ30のデザインはパクリではない)、十分な開発期間を使っていてさぞかし成熟された出来上がりになっているはずです。高級車となると過剰な技術投下が顕著に見られる日産なので余計に期待感も高まります。新型Aクラスのように試乗に赴いた素人にバカにされるような乗り味ではないはずです。

  仮想ライバルのドイツプレミアムブランドのCセグハッチバックが、前評判ほどの水準にはなく、デザイン面でも明らかな洗練不足(手抜き?)だと、MAZDAも日産もよく分かっているようです。どちらもここが勝負所と言わんばかりに、コンセプトに出来るだけ忠実なデザインを選考したところ、同じ顔になってしまったということでしょうか。それでもサイドからボディの形状をよくみると、両車の違いはかなりはっきりしています。ドイツのトレンドに従って低重心を意識しているアクセラに対し、Q30は日産ジュークのような腰高さを感じるデザインで、ハッチバックでありながら大径ホイールを配して、都市型SUVをクーペ的なボディラインでまとめた形状をしています。フロントは酷似してますが好みは相当に分かれそうです。

  そして「リアデザインの日産」を誇示するかのような、悪く言えばクラス不相応のド派手に飾ったデザインは自信の現れでしょうか。ライバルモデルが地味過ぎるという分析のもと、重点的に強化した様子が伺えます。それでも簡単には変更が効かないのがリアデザインなので、「過激」を押し付けられるユーザーにとっては購入時にかなりの決断を迫られるクルマかもしれません。日産はジュークの「個性的」なデザインで一線を超えてしまった経験もあり、実際にジュークは新型車として十分に成功したといえます。よって安易に批判するのは的外れだと思います。個人的な意見ではボルボV40のリアデザインは相当にアヴァンギャルドだと思っているので、Q30はそれを軽く超えたところにあります。

  一方で新型アクセラは「過激」さを意図的に抑えていて、それでいてハッチバックの最良と言える魅力的なラインを持っています。レクサスCTもそうですが、日本車のハッチバックのリアデザインはレベルが高く、インプレッサもヴィッツもとても良く出来ています。そういう日本車の良い流れを無視して、大きくデザインを飛翔させたQ30は、やはり親会社のルノーのようなフランス車的なアイディアで設計されてるようです。ルノーメガーヌの、これまたアヴァンギャルドなリアデザインを見ると、ルノー・日産グループとしての方向性にある程度の申し合わせがあるのだとわかります。

  さてもし日産が早いタイミングでこの「Q30」を日本市場に投入することになったら、マツダとしては期待のアクセラにとって、出鼻をくじかれかねないなかなか嫌な存在になりそうな予感がします。日産は現在は日本市場においては、新興国向けのクルマをそのまま投入していました。ミャンマーでは新たに「サニー」が作られるようですが、これと基本設計の同じ北米モデルがセントラで、日本ではシルフィとして売られています。このシルフィが案の定、日本市場で大苦戦をしています。やはりCセグを買うユーザーの多くはクルマに関して詳しかったりするので、シルフィはその層にはあまりウケていません。1.8LのNAという設定はなかなか魅力的なのですが、足回りの簡易的な設計には閉口してしまいます。これを1.2Lや1.4Lターボにするとほぼ「ゴルフ」なのですが、それをしても日本では販売は上向きにはならないでしょう。

  マツダとしては本来は実力がある日産が素っ惚けたクルマを売っている間に、アクセラのシェアを伸ばしたいと思っているはずです。Q30がインフィニティの名に恥じない高級スペックで登場するならば、アクセラやインプレッサにやや飽きてきたというこよもあって、日本車好きの注目を一身に集めそうな予感がします。詳しいスペックと販売確定の発表を待ちたいと思います。



   ↓せっかく注目度◎なのに水をさされた?新型アクセラです
  

2013年7月19日金曜日

インフィニティQ50(新型スカイライン) 「”ラスト・ニッサン”は買いか?」

  あくまで憶測の域を出ない話だが、日産はどうやら「FR高級モデル」の開発を凍結したようだ。先日も北米を中心に展開しているインフィニティブランドの廃止が取りざたされたと報じられた。北米でのFR車の売上はまったく成長の兆しをみせず、仮に次期モデル用の新型シャシーを開発したとしても現在の規模の売上では開発費用の回収もままならないだろう。次世代の環境対応車の展開で遅れをとっている日産にとって、見通しが付かない高級車の開発をする余裕はないのが実情だ。

  まもなく発売されるインフィニティQ50もV35・V36と2代に渡って使われているプラットフォームが引き続き使われる。トヨタのクラウンと同じく3世代が同じシャシーを使うことになった。新型プラットフォーム開発が割に合わない事情はクラウンに関してもまったく同じだと思われる。そして様々な報道によると、この次(6~7年後)の日産のミドルクラス・ラグジュアリーセダンは業務提携しているメルセデスが設計を担当するそうだ。

  実質的にメルセデスはルノー日産の高級車部門を担当する「関連メーカー」に位置して来ているようだ。これはトヨタ・VW・GMの3軸で展開されつつある自動車業界で、メルセデスとルノー日産がそれぞれに競争力を保つための必然的な「同盟関係」だ。メルセデスもルノー日産もここ数年においてトヨタと互角以上の収益をあげていて、投資家サークルでは一定の評価を受けている。しかし世界で一番トヨタが多く計上している「研究開発費」を、この両社は大幅に削って無理矢理に収益を作り出しているという指摘もある(エコカー技術で両社が遅れているのは必然の成り行き?)。

  今後10年の自動車業界で予想されるトレンドとしては、VWが傘下のアウディとポルシェに高級車開発を委譲するという合理化策が各陣営に広まると予想されている。ライバルのトヨタもまったく同じようにスバルとBMWに自社の高級車を委ねる方針でグループ再編が進んでいる。フィアットも傘下ブランド間の連携を強め、フェラーリのエンジンやマセラティの生産スキームをクライスラー系ブランド(SRTやダッジ)やアルファロメオに移植して北米・中国・日本でのシェアの拡大を目指すようだ。簡単に言うとフェラーリのエンジンを使ってマセラティが組み上げたダッジやアルファロメオブランドのスーパーカーが登場するということだ。フォードとホンダはこれらとはやや一線を画した独自の経営方針(孤立主義?)を押し進めるようだが、ルノー日産もメルセデスと三菱をブランド内部に組み込んでVWやトヨタに追従すると言われている。

  前置きが長くなったが、このインフィニティQ50で歴史ある日産の「走りのセダン」は姿を消す公算が高い。北米で売れているアルティマ(ティアナ)は今後も残るだろうが、これはカムリやアコードのライバルとして作られたFFセダンであり、日産のスカイラインやセドリック/グロリアの系譜を引き継ぐようなクルマではない。

  今の段階でインフィニティQ50で新たに導入されると発表されたシステムは、フーガのハイブリッドシステムの流用と超高張力鋼鈑の使用がアナウンスされている。すでに生産が開始されているが、まだ正式に噂の「ハンドリング機構」についての発表はない。来年以降には2.2Lディーゼルターボと2Lガソリンターボによる新グレード追加があるようだ。

  もし栃木工場で作る「ラスト=スカイライン」なのだとしたら、やや地味なFMCの印象でとても残念だ。日産のこだわりが盛り込まれたハイテク=セダンこそがスカイラインの名前にふさわしいはずだが・・・。やはりバブル後の経営危機の段階でスカイラインは幕引きをすべきだったのだろうか。それでも余力で新生スカイラインはBMW3シリーズを北米市場で完膚なきまでに叩きのめし、ヒュンダイから羨望の眼差しを受けジェネシスというフォロワーも生んだ「日本を代表する名車」でありつづけたのはさすがだ。6~7年後に登場するであろうメルセデスがアメリカで組み立てるOEMのスカイラインなんて、喜ぶミーハーは居るかもしれないが、とても日本を代表するスポーツセダンとは言えない。



  

2013年5月7日火曜日

新型スカイライン「進化か?迷走か?」

  もはやDセグセダンはブランド展開するには窮屈な存在という考え方がある。特に「メルセデス」を目指す、日本や韓国のメーカーにとってDセグは高級車としての「伸びしろ」が少ないと感じてしまうのかもしれない。とくにEセグのセダンを用意しているメーカーにとっては、モデル廃止もありうる状況だ。実際にプジョーでは407が中国市場を除いて後継モデルが作られていない。スカイラインのライバルのマークXも存続が危ぶまれている(FF化してカムリと別の設計はあり得ないだろう・・・)。

  そんな中、日産は日本ではめっきり影が薄くなっている「V型スカイライン」のFMCを今年行う。V36スカイラインは日産が誇る「プレミアムDセグセダン」として北米市場を中心に導入された。現行モデルは北米では3.7Lがベースグレードなので、ライバルのBMW3やメルセデスCより高額の$37000〜の設定になっている。それにもかかわらず、その走行性能の先進性でライバルを大きく上回っていることが評価され、このクラス($30000〜のDセグ)で一番の成功を収めている。その華々しい成功から、韓国のヒュンダイがV36クーペを徹底的に分解して作り上げたのが、ヒュンダイ初の$30000〜の量産モデル「ジェネシス」だ。

  日産からしてみたら、日本で月に300台しか売れなくても、まったく気にならないほどの成功を北米で成し遂げているので、モデル廃止などはまったく議論はされていないようだ。日米の市場で展開されているライバルの「レクサスIS」と「スカイライン」の価格設定には多少の違和感がある。日本では3.7Lのスカイラインの本体価格は北米ではレクサスIS250を$2000(約20万円)上回るのだが、日本に来ると、スカイラインの方が約20万円安くなる。もちろんエンジンの性能を考えるとスカイラインの方が断然にお買い得ということになる。この甲斐あってV36スカイラインはレクサスISとの比較でもかなり有利だった。

  しかし今年レクサスISとFMCが重なってしまい約半年ISの方が先行する形になる。しかもこの2代目ISはスカイラインとの実力差をあらゆる面で縮めてきたトヨタの渾身の一台になっている。トヨタが「新型IS」に賭ける情熱は、まるで2006年に日産が「V36スカイライン」でドイツ車をまとめて抜き去ろうとした意気込みのようだ。実際にV36はドイツ車を抜き去ったし、今度はISがドイツ車を抜き去っていくことは確実だと思うが、ISはスカイラインをも抜き去ることができるのか? 当然ながら新型ISはV36スカイラインのレベルはクリアしてくるだろう。新型スカイラインは果たしてそんな新型ISをさらに突き放すような進化をみせるのだろうか。

  聞こえてくる話はパワートレーンの生産が追いつかず、FMC時に用意できるのはフーガ用の既存のHVシステムくらいなのだとか。価格は520万円くらいするのだろうから、これでは480万円のISに販売面では逆転されるはずだ。2Lターボエンジンはまだまだ不確定な要素を残しているが、どちらにせよFMCには間に合わない。そうすると既存の3.7Lエンジンを軸にレクサスISと戦わなければならない。デザインもすでに公開されているが、レクサスISの方が先進性と個性が備わっているように思う。果たして日産は新型スカイラインをどのような形でリリースするのだろうか?


↓ルノーの影響からかフランス車的なエッセンスで異彩を放っていたV36スカイラインは歴史に名を残す名車になりました。それでも最近ではちょっと古臭く感じてしまいますが・・・。

2013年4月1日月曜日

ジューク"NISMO"は「テンロクターボ」競争の始まり?

  1.6Lターボがどうやら新しいクオリティエンジンとして脚光を浴びているようだ。BMW・日産・スバル・三菱に加えてホンダもこのスペックが理想の小型エンジンと考えているようで、今後のCセグメントの世界戦略車に新型エンジンを搭載していくらしい。これだけのエンジンメーカーが挙って「テンロクターボ」を採用しているのだから、このスペックが今後メインストリームになっていくことは間違いないだろう。このクラスのトップランナーは自他ともに認めるVWグループだが、主力の1.4Lターボエンジンがやや非力なことから、追撃する各メーカーは性能面で優位に立てるエンジンとしてテンロクターボに自信を持っているようだ。

  ジュークターボは1.6Lターボで190馬力を発生させ、車重も1290kgに抑えられている。これが"NISMO"ヴァージョンになると200馬力で1400kgとなるので、加速性能はそれほどノーマルと変化していない。それでも元々、BMW製の1.6Lターボを大きく上回る出力を誇っていて、日産のターボ技術の高さはもうすでに十分に海外メーカーの脅威になっているようだ。ちょっと残念なのは、この日産の新しいエンジンを使うモデルがジュークだけになっていることだ。このエンジンをフェアレディZ34に載せて、車重を1300kg以下に抑え込めば、日産版のアウディTTみたいなクルマとしてとても魅力があると思う。

  日産としては、メルセデスの2Lターボを載せた新型フェアレディZを投入する予定だそうなので、それとは別にミドルクラスのスポーツセダンにこのジューク用の1.6Lターボを載せた世界戦略車を作ってほしいですね。ただどういうボディにするかというのは、悩みどころかもしれません。4.5m級のセダンまたは5ドアハッチバックというのは、急速に過去の遺物になってしまっている感があります・・・。3BOXカーは後席の居住性が飛躍的に向上しているのが最近のトレンドなので、その点で評価が高いシルフィをベースにすることもできますが、それでもルーフの高さが気になってしまいます(かっこよくない)。

   どのメーカーが「テンロクターボ」から大ヒット車を最初に出すのか?ボルボV40やメルセデス新型Aはいまいち決め手に欠くような気がします。300万出すならギャランフォルティス・ラリーアートの方がクルマとしての魅力も高いと考える人もいるでしょうし、デザインもどことなく平凡さが漂います。一方でジュークもスタイリングに癖があるので、「テンロクターボ」王者にはちょっと足りないですね。まだまだ各社ともにテンロクターボを使った魅力あるパッケージングに辿りついていないです。

  ただ今後に発売が予定されているなかで期待されているものもたくさんあります。三菱・スバル・ホンダの各社はスポーツハッチバックでガチンコ対決になるようです。ホンダは禁断のV-tecターボを出すとか・・・。メルセデスCLAにはAクラスの出力を上げたものが載りそうで、これはデザインから人気が出そうです。さらにマツダ/アルファロメオが共同で作るロードスター/スパイダーにも1.6Lターボエンジンが予想されています。さらに新たに作られるBMW2シリーズクーペもベースモデルは1.6Lターボとの噂です。とにかく同排気量で横並びでクルマの作り込みや仕上げで差がつくというのは面白いかもしれません。



↓こちらは1.6Lターボで180馬力です。トルクも含めややジュークのエンジンに劣るか・・・。

2013年3月15日金曜日

日産シルフィの不振は今後の戦略に影響するか?

  日産のグローバル小型セダンのシルフィが日本ではまだまだ認知度が低いせいか、ヒットとまではいっていないようです。北米・東アジアに大々的に展開しているセントラの日本版で、北米価格ではVWゴルフのライバルとなる日産のグローバル中核モデルで北米での売れ行きも好調なのですが日本ではちょっと嫌われる要素のあるクルマなのでしょうか。北米中心のグローバルモデルなのに、どこかトヨタの国内専用モデルのプレミオ/アリオンとキャラが被っていて、さらにこのジャンルのユーザは乗り心地を重視するのでプレミオはかなり支持されていたりします(満足度は高いのでシェアを奪うのは難しい)。

  グローバルモデルなので台数をそこまで気にすることなく、ブルーバードシルフィの後継としてとりあえず導入したクルマのようです。ブルーバードシルフィは女性を意識したデザインを謳っていましたが、このシルフィはカムリHVをちょっと小型にした感じで、車幅を広げたことで現代風のスタイルになりました(先代のout of date感はだいぶなくなりました)。

   なにより強調したいのは1.8Lのみの設定(1.5Lを廃止)で「脱コンパクトカー」を果たしたことだと思います。最近では1.5L(トルク15kg)でもコンパクトカーでは「上級車種」として扱われる風潮がありました。1.5Lエンジンを日本の各メーカーは4気筒で作りますが、1気筒当たり400~600ccというバランスゾーンから外れていて(要は爆発力がない)、高速道路や登坂では非力さを感じてしまいます。そもそも日本の課税システムの区切りが1.5Lだったので普及したいきさつもあるのですが、スバルが1.6Lを自信持って載せてくることからも、1.5Lエンジンには性能上の難点があるのかな?と思ってしまいます。

  実際に1.8Lエンジン車はカタログ燃費で各社およそ18km/Lくらいで、実際に高速道路を走ればそれ以上の燃費になります。パワーと燃費のバランスでどちらも納得して乗れるのがこのクラスのエンジンなのだと思うのですが、先ほどのマズい自動車行政もあって、日本メーカーのラインナップから1.8Lや2.0Lのクルマがどんどん無くなっていました。去年のトヨタ86の登場でこれからはやや流れが変わるのかなという気もします。トヨタも北米仕様の1.8LのカローラをVWゴルフのライバルとして売っているので、本来はもっと評価されるべきエンジンだと思います。

  結構よい点が満載な、この新型シルフィですが市場に火を着火るくらいには出来上がってないのかな?という気がします。もっと前のめりになるような魅力があるといいなと思います。4WDやDCTもしくはMTの設定とかどうでしょうか?

↓この本を読むと「日産の社員は大丈夫か?」というくらいに、M&A前の日産のおかしな体質を揶揄してます。だけど昔の方がいいクルマは多かったんじゃないか?という気もして、こんな本出す前にプリメーラみたいなクルマ作ってみろと思いましたね・・・。




  

2013年2月12日火曜日

日産シルフィは新しいトレンドになれるか?

  日本車の小型セダンの今後の方向性には無限の可能性がある。現在の混沌とした状況から、新たな「ライフスタイル」を提案できるようなモデルが出てくれば、案外簡単に「一人勝ち」状態になるのでは?このクラス(Cセグセダン)は日本メーカーも大きな期待をかけていないし、カーメディアもそれほど注目してはいないけど、新しい「いいクルマ」を待っているお客は実はたくさんいるはず・・・。   

  そんなイライラが募る展開の国産Cセグセダンとして登場した日産シルフィは、先代のブルーバードシルフィからかなりの進化を見せている。簡単にいうとデザインは一昨年にヒットしたカムリHVのパクリです。久々にセダンで成功したカムリHVはハイブリッドの性能も良いのだけど、デザインが渋くてかっこいい良く出来たモデルだった。そこで新型クラウンやこのシルフィは、そのままパクるという流れになるのも仕方ないかな・・・。もともとトヨタと日産はパクり、パクられの関係なのだから、どちらもまったく文句は言えないはずです。   

  この堅実でしかもハイセンスな外装に加えて、さらに目立って内装がとても良いですねぇ。話題沸騰のマツダアテンザの内装と比べると、このクルマが200万円しかしないなんて信じられないくらいいいです。コンパクトカーの内装じゃ物足りないなという人なら、泣いて喜ぶくらいですね。ライバルのトヨタプレミオも内装にかけては妥協のないクルマなので、なにげにこのクラスの競争はいい意味で激しいです(マツダやスバルの内装がかなりショボく見える)。確かに、プレミオやブルーバードシルフィに乗ってる人ってどこか満足げに見えますよね?ドライブというよりかは「空間」を楽しんでいる感じなのかな・・・。   

  さてこのクルマでデートはありか?結論としては、先代のブルーバードシルフィだとちょっとデザインが女々しかったけど、モデルチェンジしてその部分が完全に解消されてます。横浜でも銀座でもガンガンいけるクルマに生まれ変わったと言えます。高速利用のロングドライブを想定した使い方なら1800~2000ccのNAこそが最高のパッケージだと思うので、1800ccのみの展開(1500ccの廃止)も正解だと思います。アクセラやインプレッサ、オーリスも評判の悪い1500ccモデルはさっさと廃止したほうがいいのではないでしょうか。   

  日産の名車プリメーラを彷彿とさせる車格なのもいいですね。日産のスカイラインか?ラティオか?という二極化のラインナップには疑問があります。その中間グレードとしてプリメーラを復活させるつもりはなさそうなので、このシルフィにはさらに今後の進化を望みたいです。プリメーラは4輪マルチリンクという最高級の足回りだったですね・・・。いま人気絶頂のマツダアテンザの1stモデル(2003年発売)からしてみたら、豪華版サスだったり欧州デザインだったりと、一番のお手本になったクルマといえるくらいの名車でした(日産はそんなコスト度外視のハイスペックカーを作り続けて採算が悪化したのですが・・・)。このシルフィにも日産の系譜を引き継ぐクルマになってほしいと思うのですが、このクルマのサスは残念なことにストラット&トーションビームだったりします。この辺を次のモデルで見直して、ため息のでるようなスーパーミドルセダン(プリメーラの復活?)になってくれることを願っています。

2013年2月5日火曜日

新型ティアナが日本のセダンを変えるのか?

  ホンダ・インスパイアの日本撤退があったり、マツダ・アテンザのブレイクがあったりと、ミドルサイズのFFセダンを巡る環境はとても流動的だ。未だに根強いFFへの「偏見」もあるような気もするし、一方でFRよりも雪道を走行しやすいという決定的な長所もある。アメリカではミドルサイズ以上のセダンもFF車の方が圧倒的に売れる。3.7LのV6エンジン積んでいるFFなんて日本では、ハンドルがかったるくて売れないようだが、アメリカではよく売れるらしい。おそらくアメリカがとても広くて、山が少なくてカーブが少ないからでしょうか。

  今度FMCを迎えるティアナの歴代モデルは日産のセダンの中では最も革新的でした。フーガやスカイラインといったFRの高級モデルに対し、FFの高級車の販売は苦しいだろうという開発側の危機意識がよく表れていました。その結果、FRよりも広い車内空間を上手く使い、当時はレクサスにもなかった助手席のオットマン(飛行機のビジネスクラスのようなリクライニング)オプションが設定されたりしました。日産はこのティアナで、トヨタが上手くできなかったアメリカ向けセダン(カムリ・ウィンダム)の日本導入をあっさり成功させわけです。

  このクルマは頭の固いカーメディアからは不人気車の烙印を押されているが、ラグジュアリーという概念を日本のセダンに植え付け、クラウンやレクサスの装備を飛躍的に向上させた画期的な存在でした。実際このクルマのオーナーの満足度は非常に高いものがあります。サイズが大きくてもFFでもティアナが良かったと思って買ったお客さんのこのクルマへの愛情はとても深くなるのは当然なことです。日本に合ったサイズでFRで作られている現行スカイラインよりも販売が好調なくらいです。アテンザやカムリHVが大型化しFFのままで現在、日本でヒットしているのはこのティアナの存在があったからだと思います。

  さて今年発売されるティアナはHVが間に合うのか来年になるのかまだ不明らしいです。これも日産の戦略でライバルが多い現在の状況でHVを出すのではなく、レクサスISのカタログ燃費が出た後で、ゆっくり調整し直してから出した方が得策と考えているようです。先代のティアナユーザーからの乗り換え需要もまだまだ先なので、フーガのようにHVを後から追加して話題を集める作戦になりそうです。

  日産の新型デザイン(ティアナ・スカイライン)はマツダやトヨタのような「キャッチー」な方向へ転換するのではなく、完全に逆の方向を向いている。良く言えば上質、悪く言えば古臭いデザインになっています。この逆張り戦術がどうなるかは、販売が始まらないとなんとも言えないです。ただこのデザインが現在の北米の主流であり、その市場で影響力を強めているヒュンダイの上級セダンと共通点も多い気がします。さらに日産は韓国市場にもこのクラスのセダンを投入してるので、北米・中国・韓国での戦略に重点を置いているようです。逆にいうとトヨタの新型クラウンのデザイン変更はヒュンダイ車よりもさらに「アヴァンギャルド」に振れてしまっているということになりますね・・・。

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