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2018年5月14日月曜日

スバル・フォレスター 『変わらない信念』



 SGPのフォレスター
  間もなくデビューするであろう新型フォレスターが北米で公開されました。旧型(カッコ)と比べると4625(4595)×1815(1795)×1730(1715)mmとほぼ変わらないサイズさらにデザインもほぼマニアでないと判別不能なレベル(ゴルフ6と7みたいな)。変わったのは中身で、プラットフォームが新しくなった。いかにもスバルらしい実直なクルマ造りで、とうとうホンダ&マツダの世界2トップを衝突安全基準で喰ってしまったSGP(スバルグローバルプラットフォーム)は、動的性能はともかくレガシィ、レヴォーグ、フォレスターもとりあえずFMC後に買おう!!そう考えるしかないスバルのマーケット戦略・・・。

CX5を超える安全性!?
  SUVは北米のIIHS(保険料率に使う安全性評価)で苦戦する傾向にありましたが、マツダCX5がトップカテゴリーに名乗りを上げると、一気に10000台/月以上まで販売が増えるなど、アメリカ市場のトレンドは『SUV×安全性』が重視されていると断点しても良さそうな状況です。それに対してJNCAPで驚異のポイントを叩き出したインプレッサ/XVが、日本のカーメディアによって完全無視されているのは忍びない。広告費をたくさん支出するトヨタやドイツメーカーにとては『衝突安全性』は非常に都合が悪いデータではありますから・・・。

クルマのコモディティ化に歯止めを!!
  特に他の日本メーカーに顕著に見られますけども、SUV市場に遅ればせながら参戦してくる新型モデルに、当然のように『個性的デザイン』と『差別化のための機能』がどっさり乗っかってきますが、なんだか見ているとちょっと物悲しい気分になります。トヨタやホンダが過去最高益を達成して自動車メーカーの経営環境は良くなっているわけですが、50年以上の歴史を誇る製造業が、新手のITビジネスの巨大グループと株式市場で競うという滑稽な状況が・・・目に浮かびます。

メディアに中指を突き立てろ!!
  『注目度』が高い商品・サービスばかりが取り上げられ、変わり映えがしない新型モデルを出したら、散々にど素人な『日○トレンディ』や『東○経済』に叩かれる。ちょっと待ってくれ!!暴言になってしまうかもしれないが、クルマは『ビックリマンチョコ』でも『たまごっち』でもないし、『セカンドライフ』や『showroom』のような消耗型『課金』サービスでもない。

消費されないジムニー
  別に『ジューク』や『C-HR』がたまごっちだと言っているわけではないです。たまごっちが大ヒットした1998に、現行ジムニーが発売されていますが、2018年の今も大人気のままいよいよフィナーレを迎えました(先日生産終了)。新型ジムニーがワゴンRのような『狙った』デザインにならないことを切に願ってますが・・・。

スバルの覚悟
  利益優先は営利企業においては仕方のないことです。発売モデルも1年に1台か2台。三菱に至っては4年ぶりに新型車を発売するありさま。これでは幸運にも『主査』に選ばれたエリート開発者は、気合が入りますよね。絶対に失敗したくない。アイディアを可能な限り全て詰め込んで、一世一代の大仕事に挑むわけですが、そのスタンスと比べると、ここ数年のスバルが出した『レガシィ』『インプレッサ』『フォレスター』は、ちょっと信じられない出来栄えです。同じことはBMWにも言える(5シリーズ、X3など)。スバルとBMWは『消費されない』という強い決意を持ってブランド一丸でクルマ作りをしているようです(スバルもBMWも正念場だけど頑張れ)。

得意なことをやればいい・・・
  変わらないことに価値を置くスバルとBMW。それに対して、SUVをビギナーズラックで当ててしまったMAZDAや、『変化』『スピード』をかつてないほどに意識させるメルセデスそしてトヨタ/レクサスがセールス拡大に意欲的です。VW/アウディも『変わらない美徳』を貫いていましたが、いよいよ大規模なSUV攻勢によって新たな『顔』を出してくるようです。

 

北米8位をめぐる戦い
  VWアトラスクロスというモデルが同時にデビューするようですが、縦方向にユーティリティを主張するフォレスターと、横方向にフラット感を醸し出すアトラスクロスのどっちが売れるか!?は今後のSUVのトレンドを占う上で興味深いですし、ぜひ日本市場でもガチンコしてほしい。先日スバルもレヴォーグの次世代コンセプトらしきモデルを発表していましたが、ちょっとクロスオーバーの要素も入って、サイドウインドーが小さめのクーペみたいなデザインでした。ワゴン・クロスオーバー・クーペ!? このアトラスクロスもパサートヴァリアントの派生型みたいなものらしい。

メルセデスとBMWはコケたけど・・・
  SUVクーペに関して言えば、メルセデスもBMWも日本市場では今のところ相手にされていない。700万円くらいもするので価格がネックだし、果たしてコレがイケているのか不安でなかなか手が出せない。割高なくせに「ダサい」とかレッテル貼られたら踏んだりけったりだし、肝心な時に限ってカーメディアは頼りにならない。どいつもこいつも「いいんじゃないの〜」と気の抜けたレビューでごまかす。書いてる本人が半信半疑なんだろうけど・・・。


スバルはやはりキーマンになる
  ハリアーと同じくらいの価格帯で、VW、スバル、マツダが激突する筋書きがうっすら見える!?マツダも2021年から北米工場でアテンザのクロスオーバー版をFRシャシーで作るらしい。しかも生産拠点がトヨタとの合弁で作る場所なので、トヨタにもOEM供給される可能性もある。レクサスのSUVはランクルベースのLXを除き、FFベースの横置きのRX、NXが北米でも主力になっている。レクサス向けにランクルのようなラダーフレームではなく、モノコックで大排気量が搭載可能なFRシャシーが欲しいはず。北米で40000ドル〜で売られているアルファロメオ・ステルヴィオのようなクーペルックのSUVが出来上がりそうだ。




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2017年5月18日木曜日

スバルXV 「『攻め』の姿勢に変化なし!!」

  「クオーツ・パール・ブルー」と「サンシャイン・オレンジ」・・・綺麗な色ですね。それに引き換えデザインに力を入れていると言われるマツダやスズキは、購入シュミレーターの初期に出てくる「ボデーカラー選択」のところで、ドンピシャのカラーが無くてちょっとテンションが下がることが多いですね。(私基準で恐縮ですが)カラー選択のところでアガるような仕組みにしないと、なかなか衝動買いは引き起こせないんじゃないかと・・・。

  これまでのスバルといえばカラーバリエーションが乏しいイメージでしたが、最近は何かとカラフルになってますね。軽自動車を作らなくなって、中型車オンリーの体制で5年ほど経過したせいでしょうか。ダイハツのOEM車があるとはいえ、1台くらいは小型車感覚で選べるクルマがあってもいいですよね。2012年の86/BRZの発売は、軽自動車廃止によって生まれた余剰ラインを有効活用する戦略だったようですが、このFRスポーツカーの生産が始まった頃から、スバルの北米需要が2桁の伸びを示し始め、あのVWを北米市場で追い越して、圧倒的なシェアを誇るビッグ7に続く、中堅ブランドの中ではトップの8位が定位置になりました。スバルにとっては群馬のラインを86に、インディアナのラインをカムリのOEMに割いているのが惜しいくらいの伸びで生産が完全に追いつかなくなったようです。

  それでも安定経営のためには、小型車を好むユーザーが重要視するカラー・ヴァリエーションを充実させたモデルや、3列シート車の導入など、ある程度は「総合自動車メーカー」的な視点を取り入れた戦略を立てていますが、その中でインプレッサに続いてフルモデルチェンジした「XV」は・・・もうお判りですよね。このクルマの2代目(先代)がデビューした時は、「え?これがスバル?」というくらいにデザイン面で攻めの姿勢がはっきりと出ていました。なんだあのホイールは!?一度見たら忘れないインパクトに痺れましたが、当時はマツダやメルセデスの新車攻勢の真っ最中で「スバルがオシャレになった!!」という素早い反応は、高齢化が著しいせいかカーメディアからは、そんな声はあまり伝わって来なかったです。

  インプレッサのハッチバックやセダン(G4)と比べると、クロスオーバー化料金として30万円前後は割高になりますし、2Lモデルのみの設定でスタート価格がやや高めだったこともあり、コスパに敏感になった(経済性を重視する)デフレ時代の若者にはあまり支持されるということもなかったのです。そもそも中古車の存在を考えると、同一モデルを安易に値上げすればどんどん中古車が魅力的に見えてきますよ。現行のインプレッサやアクセラの苦戦の原因はこれでしょうね。

  ライバルのマツダ・アクセラも先代から割高になったこともあって、「日本車は高くなったなー」という雰囲気だけが蔓延してその結果『共倒れ』になりました。XVが設定されていたことと、アイサイトをいち早く導入したことで、その分だけアクセラよりもインプレッサの方が売れたようですが・・・。セダンもハッチバックも同一料金で売ることができるならば、いっそのことSUVも同一にしたらいいんじゃないの? そうしたら今度は誰もハッチバックを買わなくなるかもしれないけど、そこからがスバルの腕の見せ所じゃないかと(色々アイディア出せるでしょ)・・・そしたらスバルはやはり予想通り仕掛けてきました!!

  先代モデルからの主な改善点としては、1.6Lモデルを投入してスタート価格を先代よりも安くしたこと、カラーヴァリエーションをさらに充実させたこと、さらにアイサイトを全グレード標準装備にして、ユーザーの足元を見るような価格設定をしていないことが挙げられます。新型プラットフォーム(SGP)が導入されて、これまでのスバル車が持っていた弱点もかなり改善されていることが予想されます。インプレッサではエンジンの振動を抑え込むだけの「マス」や「剛性」がシャシーに不足しているのが顕著で、NVHのレベルが笑っちゃうくらいに低かった。まるでBMWくらいの低次元さでしたけど、スバルの発表によるとVWゴルフの水準まで上げるとのこと。XVのキャラを考えるとこれは良い方向へのシフトだと思います。


  河口さんは乗り心地をブランド最強!!とまでベタ褒めしてますが、レガシィもなかなかのものなので、それを超えているかどうかは不明です。ただし一度くらいは試して見る価値はありそうです。世界で最も勢いがあるスバルのラインナップの中でも、相当に非スバルユーザーをターゲットにした勝負車として開発されているのは、カラーヴァリエーションや新型のグレード&価格設定を見ても明らかですし、MQBでもTNGAでもなく、世界の頂点はSGP(スバルグローバルプラットフォーム)だということを世界に示すのに最も適した一台であるのは明らかです(北米でも中国でも売れてる)。

  先代までは一部の地域の人には必須だという理由でインプレッサのAWDモデルにだけMTが設定されていましたが、なんだかすごいと評判の『Xモード』が付いたから、MT&AWDという雪国向けグレードを作り続ける必要もなくなったのかな? 英国向けにはMT仕様もあるようですが、電制LEDやアイサイトが張り巡らされ、NVHも圧倒的によくなったシャシーをMTでシャクらせて走るのはちょっと残念な気がするので、「MT入れろ!!」とか「ターボ化しろ!!」というのは野暮ですね。いよいよスバルのSUVモデルも積極的に買いのタームに突入か!?


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ニューモデル速報 No.551 新型XVのすべて (モーターファン別冊)   

  

  

  


2016年3月28日月曜日

スバル・インプレッサ 「新シャシーで欧州車を完全凌駕する!と宣言!?」

  もちろん現行ではなく新型(年内発売?)のインプレッサの話です。「欧州車を完全凌駕」・・・最近こういうの多いですね。「HVのセダン世界最速(スカイライン350GT)」とか「直4ガソリンターボで最高の圧縮比(マツダの2.5Lターボ)」とか・・・AMG車に載るファクトリーエンジンが強烈というならわかりますけど、量販車の一般グレードのエンジンやらシャシーやらが「世界最速」を指針にするのは、ブランドに対する自己評価の低さの裏返しなのかな〜・・・という気がします。スバル・日産・マツダどこも素晴らしいです!もっと自信持っていいと思うんですけどね。

  現行インプレッサから派生した「WRX S4」を1年ちょっと前に試しました。300psをひねり出すターボエンジンともなると、ここまでNVH(騒音・振動)がひどいものかとガッカリさせられました。確か休みの1日にディーラーを3つ予約して「ゴルフGTI」「37スカイライン350GT」「WRX S4」の3台を試しましたが、ターボの2台はスカイラインと大きな格差がありました。FRのスカイラインもディーラーまで乗り付けた愛車の先代アテンザよりもちょっと酷いくらいでした(プロペラシャフトがあるから不利ですけど)。

   ゴルフGTIは210psの出力にシャシーが負けるなんてこともなく、ミッションも滑らかに動いていて、スポーティで軽快なクルマだと割り切れば、世界的に売れる理由もなんとなくわかります。それに対してWRX・S4はシャシーが辛かったかな、FFやFRとの乗り比べの中で1台だけAWDでしたからハンドリングもなんか「のらりくらり」な感じで印象が悪く、CVTのダイレクト感欠如がさらに印象を悪くして、とどめはAWDゆえのスタビリティの悪さ・・・。駆動輪が2つから4つになるだけで、加速時は路面によって絶えずグリップするポイントが変化してゆさゆさします。(スタビリティがDセグのトップレベルに比べて足りないかな・・・)

  別にAWD「だけ」のせいというわけではなく、WRX・S4の場合は300psですから出力があり過ぎます。また自然吸気が基本の日産やマツダと比べてピーキーなターボエンジンですから、CVTで抑え込んでいるとはいえミッション系のノイズが大きいという宿命ではあるとは思います。現行インプレッサ派生車の最大の難点だと思われる「NVH」を劇的に改善して、これはスゴい!と「感動」の領域に踏み込んだときこそ、「欧州車を完全に凌駕!」スバルはやっぱりすごいな!ということになるのですが・・・さていよいよ年内に期待の新型インプレッサがデビューするようです。

  「スバル・グローバル・プラットフォーム」のリリース情報には「車体剛性の向上」「重心の低下による走行性能の向上」「NVHの低減」などが強調されています。さらに「欧州車を凌駕する動的質感」という素人には少々わかりにくい表現が出てきます。動的質感ってなんだ?スバルが定義するには、ドライバーの意志に沿った挙動ができるマシンなんだそうです。マツダがしばしば標榜する「人馬一体」と同じようなものでしょうか?

  マツダとスバルにはそれぞれに良さがあるのにな・・・。マツダは徹底的にハンドリングを「エモーショナル」にするために、テールハッピーに仕上げたり、車重そのものを抑え込むクルマ作りをやってますね。レクサスGSとほぼ同じサイズのアテンザの最も軽いモデルはわずかに1440kg。ここまで頑張ってしまうと、軽量化に限度があるFR勢(BMW、メルセデス、レクサス、日産)よりもワインディングでは楽しめるのは当たり前かも。

  スバルにはスバルの良さがある。AWDのグリップ感だったり、マツダよりも思い切ってステアリングを切っていけるAWDならではのジワジワ曲がる「始めアンダー・後からオーバー」の仕上げは作る側の意図を感じます。マツダは中速域ではゴキゲンなフィールなんですけど、車速が上がると案外曲らなくなるんですよね。中央高速を夜間にクルコンで走っていると、あのマツダのハンドリングが「船」の舵みたいになります。

  なにはともあれ「欧州車を完全に凌駕する」と言ったわけですから、同時期に発売される予定で、前評判がすこぶる良いらしいプジョー308GTIに遅れをとるなんてことはないはずです。ジャダーが出るMT(DCTになるかも)に、サーキット仕様のアシですから、歴代のシビックtypeRのような乗り心地の悪いクルマなんでしょうけども、「新型インプよりNVHよくない!?」みたいなことになったら・・・スバルは赤っ恥です。

  まあ・・・スバルがそんな醜態をさらすわけないさ!!!おそらくですが、私も含め全国の「WRX S4に納得しなかった人々」が、新シャシーで仕切り直すのを心待ちにしていると思います。「S4」のコンセプトはクルマ好きには非常によく伝わりました。typeRやランエボではなくて、2ペダルで走行領域が全方向に幅広いクルマが欲しいんだ!なんて漠然としたわがままな願望をそのままスバルが叶えてあげよう!というユーザー視点が入ったところがとっても良かった!!!けどやはりというかシャシーの性能が限界なんですかね・・・「スポーティ・サルーン」に期待される部分の相対的な能力で日産やマツダにちょっと遅れていたから「保留」させてもらいました!次こそは印鑑押させてね!

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2015年11月10日火曜日

スバルSTI・S207 「世界最高のカリスマ・スポーツカーが降臨!」

  数年前から情報が小出しにリークされ、いよいよ発売!ということで話題沸騰のホンダ・シビックtypeRですが、予想通り日本導入分は台数限定となり、希望者が多い場合は抽選になることが発表されました。どうせ発売と同時に定価の2割増しぐらいの未使用車が中古車検索サイトに並ぶんじゃないの?いやいや今回は5割増しくらいになるかも・・・「ダフ屋」行為対策はメーカー側は考えている?といってもホンダもどうすればいいのやら・・・。

  2000年代に入り限定スポーツカーのリセールは日本メーカーでもビックリするくらいに高くなっています。やや投機的ともとれる値動きで最終型ランエボXや最終のNCロードスター、RX-8などが定価以上の価格の新古車として売られています。この「スポーツカー投資」の契機となったのが、日産スカイラインGT-R(R34)と、ホンダNSX-R(最終型)の2台の伝説的スーパーマシンで、この2台の低走行&高年式(といっても軽く10年落ちですけど)は新車価格をはるかに上回るプレミアム価格になっています。

  特にスカGとNSXの2台は世界でも注目されたスーパースポーツだったということもありますが、もっと身近な価格で買える限定モデルスポーツカーとして人気なのがスバル系列のチューナー・STIから発売されるコンプリートモデルです。多くはインプレッサ(WRX)をベースにしたモデルですが、中には「S402」というレガシィB4をベースにしたものも過去にはありました。この「S402」もまたかなりレアなモデルとして知られ現在は入手困難なクルマとなっているようです。そんなに人気になっているならメーカーが追加生産すればいいと思うのですが、それじゃ意味がないってのがじれったいところで、増産したら単純に市場価値が下がるだけです。追加生産を絶対にしないからこそ価値が生まれます。年間に7000台程度しか作らないフェラーリが、収益アップを狙っての増産計画を発表しましたが、ファンからは市場価値の低下を危惧する声も上がったとか。

  希少であるゆえに価格が高騰している中古車なんて、最初から無かったものとして、よっぽどのマニア以外は絶対に手を出すべきではないです。しかし逆に新車で入手できるならば将来的に価格が高騰することが予想されるので、クルマ購入のタイミングさえ合えば積極的に検討したいところです。3年乗ってもほぼ本体価格が維持される!なんてこともあります。特に比較的に維持費が安いライトウエイトスポーツはそういう傾向にあるようです。密かに人気再燃の中古ロータスなどは1年乗り回しても価格の下落をほぼゼロに抑えられることもあるようです。他にもシトロエンやプジョーといったフランス車のハイスペック&MTモデルも限定モデルではないのに新車と変わらない価格だったりしますし、アルピーヌA110などはなんと超プレミアで1000万円以上の価格が付いています。

  日本車もMTモデルを中心に人気で、去年の暮れ頃に発表になった「ランエボX」の最終モデルなどもかなりの価格で未使用MTモデルが出ています。今年の夏頃にはいよいよ本当に最後!だったわけですが、そんなタイミングでランエボを追ってきたスバルは何を思ったか、ほぼ同価格帯で「BRZ-tS」という限定モデルを発売しました。BRZベースのこのモデルは今回で2回目となりますが、まだまだスバル内ではクルマのブランド力が確立できていないようで、販売はやや苦戦だったようです。兄弟車の86からはスーパーチャージャーを装備したやや目立つコンプリートモデルも出ているので、やはり企画力が弱いかな?という気がしますね(400万円あったとして、エボXではなくBRZ-tSを選ぶ理由はあまり見当たらないか)。

  さて今度はホンダ・シビックtypeRの発売に合わせて?だったのでしょうか、いよいよ多くのスバルファンが待ち望んでいた「S207」が発表されました!・・・しかしですね、もう売り切れました。そもそも400台はさすがに少な過ぎではないかと・・・。予想されていたこととはいえ、10月28日の発表とともに即日完売! 600万円以上するインプレッサ(レカロシートなど付属しているので当然ですが)が、わずか1日で400台売れました!STIはやっぱりスゲー!スゲー!スゲー! 

  なにやら外国人が転売目的(投機目的)で一気に買い漁ったという未確認情報もありますが、これは完全にスバルが世界から認められたということだと思います。世界の多くの地域でスバルのスポーツカーに高い価値が置かれているからこその現象で、世界的なスポーツカーの権威ともなるとこれくらいのことが起こっても不思議ではないです。そしてこれと同じことが起こせるブランドが世界にどれくらいあるのでしょうか? ロータス?アストンマーティン?ジャガー?アルファロメオ?メルセデスAMG?BMW・M?ポルシェ?にだってそう簡単には真似できないと思いますよ。

  さて新しいS207の公式発表をあれこれ見てみたのですが、これまでのインプレッサベースのコンプリートモデルと一体何が違うの?というアウトサイダー的な疑問しか思いつきませんでした。ハッキリ言ってエクステリアもインテリアもスペックも(これまでのモノと比べると)特筆すべきところは無いです。スバルのボクサーターボでは歴代最強の328psまで出力アップされているそうですが、おそらくスバルファンからしても「だから何?」のレベルの話題だと思います。スバル歴代最強のエンジンはともかく、その他のクルマの魅力自体はもう何がなんだかわかりません・・・。

  インプレッサWRXは手頃な価格でポルシェやフェラーリを楽々追い回せるハイスペックが得られることで商品性を確立しました。確かにカタログモデルのWRX・STIは300万円台を維持していて、今もそういうリーズナブルな需要にも十分に対応していますが、このクルマをベースにして600万円以上するコンプリートカーが売れる!というのがなかなかのトリックです。最初からレカロ付いててビルスタイン入っていて、ブレンボ付いていれば、個人でいちいち改造する手間もないですから楽なんでしょうけども、それでもポルシェや6気筒のBMWが買えちゃう600万円以上という価格はスゴいことです。やはりリーズナブルだけではなく他にも理由があると思います。

  例えば最も有名なスーパーカーブランドであるフェラーリの代表的モデルの内装は、誰に対してもコンフォータブルなわけではなく、現実は軽自動車よりも狭かったりします。乗り心地に関してはノーコメント(価格が1/3しかしないレクサスLSに負けるけど・・・だから何?)。エクステリアに関しても失礼ですが絶対的な「美」などとは程遠い曖昧さと前衛さが雑然と入り乱れた感じ・・・けれどもとりあえずブランド価値だけは抜群。これってそのまま「STI」にも当てはまります。あの垢抜けないエクステリアがあるから、ひたすらに固い乗り味の足回りがあるから、まったくラグジュアリーな要素がないインテリアがあるから・・・これら全てがSTIのブランドのコアとなっています。

  スバル自慢の「アイサイト」・・・もちろんそんなものは付いてないです。一般のスバル車とは完全に購入者の目線が違うのです。レカロシートが前に屹立してしまったら、リアシートの居住性なんかは完全に崩壊します。一般モデルでは後席の居住性を下げる要素は設計ミスと受取れてしまいますが、STIのユーザーはそのシートが付いているからこそ600万円払います。

  乗用車としての「使いやすさ」や、「デザインや高級感」、「乗り心地」といった高価格な乗用車では常識といっていいくらいですが、これらの非常に重要な評価基準を完全に無視してます・・・。そんなクルマだからこそポルシェや6気筒BMWと同じくらいの価格にもかかわらず国産の4気筒ターボで小振りなスポーツセダンが1日で400台も売れるのです。このクルマを「エクステリアがダサい」「乗り心地が悪い」「内装が安っぽい」と下らない視点で批判する人がたまにいますが、そういう人は黙ってアウディでも買っておけばいいわけです!ここまで開き直ってクルマを開発できたブランドだけが・・・フェラーリやポルシェのようなカリスマ的スポーツカーブランドへと羽ばたいていけるのだ!なんて独りで納得しちゃいます。

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2015年5月19日火曜日

スバル・エクシーガ・クロスオーバー7 「アウトバックとは何が違うの?」

  久々に絶好調が報じられるスバルから「?」なクルマが登場しました。まるで日本式のミニバンは「オワコンだ!」と言わんばかりに、物事を全て「グローバル」で考えるようになったスバルさんからの「メッセージ」がこもった1台なのでしょうけど、受け取る側にはどうもあまりピンと来ません。もちろん7人乗りの3列シート車は、日本メーカーが得意とされているパッケージングが重要で商品力を左右されますし、国内外で今後さらに需要が高まる!というのは十分に理解しています。しかしちょっと気になるのはこの「エクシーガ・クロスオーバー7」には従来の日本メーカーに蔓延していて日本車を不人気にさせていた「つまらないクルマ作り」の傾向が再び目立ってきたように感じる点です。

  何がそんなに気に喰わないかといいますと、乗り出しで400万円に迫る価格帯(日本車ならば十分に高級車)にもかかわらず、クルマにあまり詳しくない人が見たら、「あれ?このクルマはアウトバックだっけ?フォレスターだっけ?」といったキャラクターが不明瞭なところがどうもダメダメです。デザインそのものが美しくない!ということでは決してないですけど、「日独米仏伊英韓」の自動車主要7カ国(CAR-G7)が血眼になって開発している百花繚乱なSUVの新型モデルに比べると勢いが全く感じられないです。「それはオマエの主観だろ!」なんて反論もされそうですが、最近好調な老舗ブランド・ジープなどを見ていると、SUVのデザインには無限の可能性が感じられるわけで、既にXV、フォレスター、アウトバックと3グレードのSUVを揃えているスバルが、さらに似たようなデザインのSUVを加えたことでどうもデザインに関して後ろ向きなメーカーの姿勢を感じてしまいます。せっかくの新型車なのにあまりテンションが上がらないです。

  近所にあってちょいちょい試乗させてもらっているスバルの店舗は、道路に面して非常に間口が広く、そこにはフルラインナップのクルマをずらっと並べています。ちょうど渋滞しがちな道沿いなので、ノロノロでそこを通る際にクルマを眺めていると、意外なことに最古参のインプレッサのハッチバックが、レヴォーグやS4よりもデザイン面ではるかに完成度が高いことに気がつきます。どれも同じレベルに見えるスバルデザインもこれだけ並べば、「イケメン」から「チョイブサ」までそれなりにバリエーションがあるのも解かります。

  しかしちょっと皮肉を言わせてもらうと、店舗の壁面にでかでかと掲げられた「世界が日本に嫉妬する!」に該当するクルマは一体どれなの?と違和感を感じてしまうほどどのモデルにもいまいち「華」がないです。「イケメンぞろいのマツダ」「クラスごとに風格と個性を感じる日産」「軽自動車からヴェゼル・ジェイドまで生き生きしたデザインが光るホンダ」これらライバルの系列と比べると、スバルのディーラーからはややトヨタ系列のカローラ店やネッツ店のような雰囲気を感じます。

  もちろんスバルが売れ過ぎて少々困惑気味なんてニュースも聞いてますから、この「地味デザイン」に成功の秘訣が詰まっている!とドヤ顔でいわれたらそれまでです。いくら好調とはいえまだまだグローバルで100万台程度の規模であり、おそらく北米に上陸している一般乗用車メーカーとしては、三菱やボルボとならんで最弱小の部類ですから、日産やホンダくらいに「いくらか自由度の高い」自動車設計は、まだまだスバルには難しい点が多々あるように思います。日産やホンダも基本的にグローバルでクルマを設計をしますが、国内に複数の事業部があり、さらに海外にも各地に開発拠点があるので、それぞれに別会社のようにクルマを企画し、最近では日本以外の地域で手掛けるモデルがラインナップの多くを占めるようになってきました。すでに国内ではマイナーな存在になっている中型・大型車は、ティアナもジェイドもレジェンドも海外デビューより2年くらい遅れて日本に入ってきました。

  日産もホンダも中上級車のクルマ作りが本当に魅力的になってきました。これまでは軽自動車やコンパクトカーを作らせれば「さすが!」と唸るものがありました。しかし中上級車はモデルサイクルは極限まで長く、まともに改良もされないまま数年放置されることが当たり前でした。後ろ向きなFMC、後ろ向きな限定車、後ろ向きなMCと大して盛り上がらないままひっそりと消えていくモデルに、自動車好きならば何度となく「惜別の念」を感じたことでしょう。そして「真面目に作る気がないなら!やめちまえ!」とヤケになって叫びたい気持ちになる後継モデルが登場して・・・これがひと昔前の日本の高級車には「華のない」と言われたころのありふれた光景でした。

  それが今では、スカイラインには「ステアバイワイア」が、レジェンドには「SH-AWD」の進化型が採用されるなど、ポルシェやランボルギーニもビックリ!のハイテク技術を当たり前に搭載しています。そのうち日産とホンダの高級セダンは本当に「空を飛ぶ」んじゃないか?と思います。そしてそれが実際に起こっても特に何ら驚かないでしょう。日本車のグローバル化に後ろ向きな意見も多いようですが、この日産やホンダに加えて、世界最高水準のディーゼルをビックリな価格で搭載しているマツダなど、「グローバル」化の荒波の中で、さらに大きく商品力を伸ばしてきているのもまた事実です。とにかく日産、ホンダ、マツダの最近の中上級車は、やたらとキラキラ輝いています。

  それに引き換え「アイサイト」頼みの印象が強いスバル車は、そういった最先端の部分での競争力が大きく削がれているように感じます。もしスバルが「世界が日本に嫉妬する!」の言葉通りに本気で日本で勝負するつもりなら、持てる力を注ぎ込んで、クリーン化した水平対抗ディーゼルを日本に持ってくるくらい気迫があってもいい気がします。もちろんディーゼルが絶対というつもりはないですけど、乗り出しで400万円に迫る価格帯のクルマに何も「飛び道具」を積むこともなく、かといって所有欲をくすぐるような凝った趣向の内外装を備えているわけでもなく、なんだかデビュー直後から6年後の「惜別の念」が想像できてしまうようなモデルの登場に憤りを感じます。年次改良を経ていい意味で予想を裏切ってほしいとは思いますが・・・。

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2014年10月13日月曜日

スバル・レガシィB4 「フラッグシップらしさに期待」

  いよいよ10月24日に発売が予告されたスバルの最上級モデル・レガシィが楽しみです。ちょっと気になるのが、大きな反響を持って迎えられたレヴォーグとWRX S4の完成度は最初からかなり高く(言い切ります!)、従来のレガシィのファンがごっそりと動員されてしまった感があることでしょうか。残ったのは最近のレガシィが拘って作り上げてきた「居住性の高さ」と「スバルの高度な走り」の高いレベルでの両立こそが他にはないこのクルマだけの魅力!と悟っている人々だと思うのですが、果たして日本には一体どれくらいいるのでしょうか?

  クルマ雑誌を見ていると、新型レガシィは来たるFMCで、完全に北米サイズにまで膨らんでしまい、全長4800mm級のFFベースのクルマなんて北米市場の特別仕様なので過大な期待はできない!といった厳しい論調が目立ちます。まあ確かにランエボをサーキットで走らせる感覚とは全く相容れないですから、その視点から「ドライビングの刺激が薄い」というありきたりな結論自体は間違いではないですけど、このジャンル(FFのD/Eセグセダン)を語るべき視点はもっともっと深いところにあるのに、ほとんどの日本のカーメディアがそこまで言及しようとしていないのが残念です。彼らは自動車の専門家ですので、アメリカで売れている理由も本気を出せばいくらだって列挙できるはずですが、完全にイメージ商売(人気獲り商売)と堕してしまった現状のライター業では、読者に嫌われるような本質は徹底的に無視する空気が蔓延している気がします。「ドイツ車は至高でアメ車はゴミ」という幻想は決して破壊してはいけないようです。

  まずアメリカでなぜこのクラスが売れるのか?という疑問に対して、「アメリカだから」みたいな小学生レベルの解説を平気でするライターなんてゴロゴロいます(もちろんわざとです)。「日本人とは感覚が違うから」と言われても読んでる側は困惑しかしません。ハンバーガーやポテトチップスを食べながらソファーでテレビ見る事がライフスタイルの国同士なのだから、クルマの趣味だけはまったく別ということはないはずです。バブル崩壊から20年が経ち、日本でも服・バッグ・時計・靴といったアイテムで一般ブランドの何十倍の価格を付ける高級ブランドが軒並み大苦戦する時代になってきました。その背景にはアップルのようなプレミアム価格を提示しないでも世界一のブランド価値を築く、現代アメリカの「マテリアル主義」に基づいた新興ブランドの進出があります。そしてそのマテリアル主義の"クルマ版"といえるのが北米で大ヒットしている「4800mm超のFFセダン」だったりするのですが、その現実に対して日本のカーメディアは必死に抵抗しています。

  今やオシャレな男性用スキニーカラーパンツが2500円で買えます。ちょっと前まで「高いな・・・」と思いつつバーバリーブラックレーベルやポールスミスのパンツをその10倍の価格で当たり前に買っている人が多かったですが、いまやどちらも同じ中国縫製ですし品質に大きな差なんてありません。時計だって中国で大量生産されるセイコーのクォーツを使ったデザイナーモデルが様々な新興ブランドから数千円で買えてしまいます。ネットで探せばそれこそもの凄い数の時計がありますから、その分デザインの良いものも多いですし、性能は完全にセイコークオリティです。もちろんクォーツですから200万円くらいする有名ブランドの機械式時計よりも1000倍は精度が良いです。

  「ネットの普及」とか言ってしまうと安っぽく聴こえるかもしれませんが、個人デザイナーがわずかな資本でブランドを立ち上げて、宣伝・販売をすることも容易になりました。商品さえよければ有名ブランドにライセンス料を払って商売する必要もなくなりつつあります。三陽商会がバーバリーと契約を打ち切りましたがこれも時代の流れなのかもしれません。ほかにも「ネットの普及」によって欧州で売られている良心的価格のヴィヴィアン・ウエストウッドのネクタイなども日本に居ながらに4000円程度で買える時代に突入しているわけです。輸送コストの問題があるとは思いますが、欧州で8000ユーロで売ってるフォード・エコスポーツも日本で自宅に居ながらに100万円くらいで買えてもよさそうですが・・・ちなみに日本価格は本体246万円です。

  ちょっと話がそれましたが、ほかのアイテムは価格破壊が進んでいますが、クルマだけは今でも"欧州車至上主義”が堂々とまかり通っていて、欧州車的でないクルマは徹底的に排除するといった論調が根強いです。「高級セダンはFRであるべき!」「CVTは絶対にNG」特にこの2つは、あたかも絶対的な「真理」として扱われています。ちょっと考えれば誰でも気がつくことですが、構造上「狭くて・うるさくて・危険」になることが避けられないFRに拘ることにそれほど大きな意義はないです。今では直4エンジンでもNAで200ps、ターボやHVなら300psは絞れるわけですから、むしろFRに拘ることで設計上のネガティブな点ばかりが付いてまわります。しかしそういう問題提起はプロライターの世界では絶対にタブーなようで、彼らは「余計なことを言って」レクサス・日産・メルセデス・BMWから出禁を喰らったらオワリとでも思っているようです・・・。

  しかしいくらプロライターが熱心に主張したところで、今や自動車雑誌を読んで真に受ける人なんて"アホな暇人"だけですから、通常の賢い消費者は全く意に介さずにクルマを選び、その結果エコカー・軽自動車・ミニバン・SUVが日本ではひたすらに売れています。そんな中で日本市場でもラインナップが揃い出した「北米サイズ」のFFセダンですが、4800mm超の大型ボディにもかかわらずカムリとアテンザはデザインの良さが評価され予想以上に売れました!アコードはホンダの掲げた看板の割には、デザインが振るわずやや地味な存在で、ティアナは実力十分なのですが日産の消極的な姿勢とメディアのバッシングが強くやや苦戦気味です。さてAWD専用という特殊ジャンルですがレガシィは一体どうなるのでしょうか?

  で・・・話のオチなんですが、カーメディアが絶対に伝えない「真実」として、日本のD/EセグのFFセダンを端的に表現すると、「世界で最も安全なツーリングカー」という評価ができます。燃費重視の日本車は両輪を平行気味に配置して抵抗値を下げる方向に調整するのですが、いわゆる「トーイン」を取らない方針で、これにより最近の日本のFR車は欧州車と比べてしばしば直進安定性が低いと言われています。もちろん最近やたらと燃費を気にするようになったBMWやMBの低グレード車も同じようなものなんですが、なぜかスカイラインやクラウンばかりが叩かれます。ハイウェイを安全に快適に走るならば、車高が低くてスタビリティがあり、直進安定性に優れるFFが絶対的に優位です。ハイウェィ網が整備されているアメリカでこの手のクルマ(カムリ・アコードなど)が売れるのは当たり前なことです。

  しかもFFのパッケージングの良さは車内の居住性に大きく貢献します。同じサイズのレクサスGSとカムリあるいはスカイラインとティアナの車内の広さを比べれば一目瞭然です。スカイライン(4790mm)と一クラス下のシルフィ(4615mm・FF)を比べてもシルフィの方が後席は快適だったりします。さらに決定的なのが、欧州、米国、日本の各市場で行われている衝突安全性の実験において、FF車の方が圧倒的に良い結果を出しています。この点に関しては専門家の分析など全く出されておらず、断定的なことは言えないのですが、一般にFF車で採用される横置きエンジンの方が、FR用の縦置きよりもキャビン内部に与えるダメージが小さいことと、前軸に直接リンクしているエンジンの方がマウントも強固で、駆動輪となっている前軸も重厚に作られているなどの構造上のアドバンテージが挙げられます。

  ちなみにスバルが採用している水平対抗エンジンは、比較的に車体下部に配置されるので、衝突時にキャビンに突入することはまず無く、車体下へと堕ちるように設計されているとスバルは公表しています。各市場のテストでべらぼうな高評価を連発しているアコードやアテンザといったライバルをさらに凌ぐ「安全性」を堂々と謳うスバルのコンセプトは、もっと日本ユーザーにダイレクトに伝わるといいなぁと思う次第です。


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2014年7月30日水曜日

スバル・WRX-S4 「日本車の”意地”ってヤツですか・・・」

  やっと街中でレヴォーグを見かけるようになったと思ったら、8月には早くも次の新型車がスバルから発売されるようです。しかももうとっくにスタンバイ完了のようで、スバルのディーラーには展示車両が出現しているみたいです。早くも購入予定車のブログにディーラーで見かけた写真が投稿されていましたが、これは素晴らしい出来映えじゃないでしょうか!スバルのデザインにここまで魅了されたのは初めてです。とりあえず従来のスバル車のイメージを打ち破るような高級感のあるエクステリアにビックリです。やはりセダンのトレンド(=高級化)の前には我が道を行くブランドで知られるスバルも逆らえないようです。

  カーメディアでは新型メルセデスCクラスが「完璧」としきりに持ち上げられて盛り上がってますが、日本勢の最有力の対抗馬がこの「WRX S4」になると言ってもいいかもしれません。新型Cクラスは確かにメルセデスのさらなる「前進」への意欲を感じる力作だと思いますが、その一方で肝心のクルマ自体を冷静に評価すると、それはあくまでメルセデスを好むユーザーの価値感においてはほぼ「完璧」ではありますが、ライバル車に対して「絶対的優位性」はあまり感じないです。基本性能でスカイラインやレクサスISを超えているか?というと厳しい部分もありますし、とりあえず「メルセデス的価値観」の中でナンバー1を狙ったクルマといっていいかもしれません(詳細はまた改めて)。しかしその領域に予想外のところからスバルの「S4」が踏みこんできてしまった印象です。

  メルセデスが「次世代サルーン」に必須と考えている要素として「安全装備」と「AWD」があるようで、上級車種では軒並み「4MATIC」による高速安定性が売りになっています。末端的グレードになるCクラスは「安全装備」こそ最高レベルのものが標準装備されていますが、「AWD」に関しては見送られているので、メルセデスが目指す理想の「次世代サルーン」としては中途半端な部分もあるのかなという気がします。そしてなによりメルセデスがこのコンセプトを拝借したのが、スバルが北欧や北米で培ってきた「高機能」なブランドイメージだということは明白です。

  なんかその辺に「カチン」ときてしまったスバルのイライラが、この「S4」のデザインによく表れているような気がします。スバルが去年発表した「WRXコンセプト」を見てメルセデスとの類似を感じた人も多かったようですが、その時点ではまだスバルがなぜメルセデス風のデザインを志向しているのかいまいちピンときませんでした。

  メルセデスはアウディを超えるべく「AWD」ブランドとしての脱皮を図りつつ、2Lターボの出力を大幅に上げてスバルなどを挑発していますが、根底では「スバルは正義」と認めている部分はあると思います。そしてスバルはメルセデスのデザインを「リスペクト」することでブランドイメージの「高級化」に取り組んでいるようです。どう見ても「相思相愛」に見えるのですが、トヨタ傘下のスバルと日産をビジネスパートナーとするメルセデスですから「禁断の恋」かもしれません。

  さて新型WRX「S4」は、簡単に言うと「レヴォーグのセダン版」以外の何者でもないクルマですが、元々レヴォーグの誕生へとつながったのは現行のWRXに途中から導入され、WRXに初めて「CVT&ターボ」を設定した「A-line」です。ただこれには多くの熱心なファンを持つスバルにとってはやや逆風で、世界に誇る伝統の「WRX」に2ペダルが設定がされたことに対して、かなりネガティブな意見も、いや「WRXにCVTはあり得ない!」くらいの完全否定すら喰らってしまいました。それでもそれが逆にスバルの闘志に火を付けたようで、スバルが社運を賭けている「CVT&ターボ」を何としても世間に認めさせようという”意地”を感じます。

  もちろん「WRX」といえば「MT」で旧型エンジンの「EJ20」を使う完全熟成のユニットがあるわけで、今回はエンジン交換は止むなしなど、いろいろな憶測がありましたが「STI」グレードではそれが残されました。一方でレヴォーグと同じ「CVT」&「FA20DIT」に換装された2ペダルグレードを「A-line」から「S4」というまったく新たな称号(アウディのパクリっぽいが・・・)を与えていて何やら「秘めたもの」を感じます。スバルとしては「誰でも気軽に運転できる」高性能セダンを新たなブランドイメージとして確立していきたいという意図は確実にありそうです。アイサイトが予想以上の大ヒットとなりましたが、これは「STI」モデルにはいろいろと制約があって設定が難しいようで使われていません。しかし次世代エースの「S4」にこれを付けないわけにはいかないので、WRXとしては初めてのアイサイトモデルが登場するようです。

  エンジンもミッションも完全に別のものを使い、アイサイトも使い分けるなど「S4」と「STI」には同一車種とは思えないほどの方向性の違いを盛り込んでいる辺りが「スバル」なのかもしれません。もちろんメルセデスにも「AMG」というキラーコンテンツがありますし、新型Cクラスには1000万円をだいぶ下回るいくらかお買い得なAMGチューンモデルが設定されるのでは?という噂があります。すでにA/CLAで格安の「AMG」が展開されていますが、これらの価格設定をみるだけで、メルセデスがどれだけスバル「STI」を恐れているかがよくわかります。いよいよWRXもスバルファンだけのもではなく、「S4」が広く一般レベルで「高級かつ高性能」な1台として認知され、大ブレイクする可能性もあるように思います。メルセデスとスバルの闘いの結末が楽しみです。

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2014年6月16日月曜日

スバル・WRX STI「スバルはもっと自信と狡さを持てばいいのだが・・・」

  もし新型WRX STIが日本で発売されなかったら? 熱心なファンにとっては悲劇以外の何者でもないでしょう、好きなクルマが消滅したときの喪失感は結構尾を引きます。最近ではRX-8が心残りでした。ランエボも間もなく生産が終了するようで、一時代が終わった寂しさがあります。WRX STIにしてもこの2台と同じくらいにクルマ好きを悲しませるでしょう。マツダも三菱も撤退理由は、スポーツカーに注力できるだけの企業体力が無いというものでしたが、誰の目にもかつては華やかだった「日本の小型スポーツカー」というジャンルそのものが「賞味期限切れ」を起こしているのは明らかだと思います(トヨタさんはなんとか支えようとしていますが)。

  そんな岐路に立たされているモデルの1つが、このスバル「WRX STI」なわけですが、マツダや三菱と違いスバルは高らかにモデル存続を打ち出しました。まあその覚悟というか姿勢だけでも、クルマ好きとしては十分に賞賛に値するわけですが、やはり売るからには広く知られたモデルになって一定の成功を収めてほしいですし、やはり「解る人にだけ解る」みたいな姿勢だけではダメなんじゃないの?という気がするわけです。やはり所有していて誇らしい気分になるか?というハードルを超えられるかが、新型スポーツカーが成功するための唯一のポイントですから、隣りにAMGとかエンブレムが付いたクルマが来ても、「耐えられるか?」が全てといっていいかもしれません。

  もしスバルがその点をしっかり考えて、新型スポーツモデルを選定しているとしたら、一番簡単なのは新型レガシィをベースにした高性能スポーツモデルを作ることでしょうか。500万円以下で350psくらい出るようなら・・・そんなに甘くはないとは思いますが、目新しさとスバルのブランドイメージからかなりの売上が見込めそうな気がします。古くからのスバルファン(スバリスト?)は、「そんなものはスポーツカーではない!」と反発するかもしれないですが、BMW M3が北米価格並みの500万円で販売されれば「迷わず買う!」という人は相当に多いでしょうし、M3じゃなくて306psの直6ターボを積んだ335iセダンが500万円だったとしても「大ヒット」間違いないです。レガシィならばその需要を上手く取込むことができると思います。

  さてインプレッサがベースで、レヴォーグと共通で開発が行われた新型「WRX STI」ですが、スバルにとって最大の難関と言われているのが、ブランドのトレードマークにすらなってしまった「アイサイト」だそうです。レヴォーグにも当然ながらアイサイトは設定されているわけですが、これによって「WRX STI」の生命線といえるサスやブレーキに広く及ぶ「チューンナップ」に大きな制約ができてしまい、「アイサイト」のあり・なしでクルマのポテンシャルに小さくない幅ができてしまうようです。さらに新型エンジン「FA20DIT」の投入でさらに出力アップをすることが既定路線だったようですが、保証ができる範囲にパフォーマンスがまとめられないという深刻な事態もあるようで、すでに北米モデルについては先代の「EJ20」のまま発売されました。

  従来のエンジンのままでは、日本市場では極めて厳しいという意見がスバリストからも挙がっているようで、レヴォーグと同じFA20DITのチューンアップ版を、メルセデスやアウディに対抗した400psオーバーにしたものを出さないと意味がない!という厳しい意見も・・・。とにかく作る側も待つ側も考える方向性が同じ?というのには関心させられます。たとえばマツダのロードスターなどは「じゃあ次はこういうのにしてみるか?」みたいな何の制約も無い中で作られていて、待つ側もどんなクルマだったとしても、ある程度は受け入れてしまう懐の深さがあるような気がします。しかしスバルはとにかく「最強」という言葉が似合うモデルが望まれてしまうところが辛いですね。

  小型高性能スポーツというジャンルが、そもそもマツダも三菱も逃げ出すほどの「無理ゲー」になっているわけです。国産メーカーに限らず、あのポルシェだって1000万円以上するスポーツカーを売るのが厳しくなってきています。911に復活した「タルガ」に大きな期待が寄せられているようですが・・・。BMWだって一生懸命に2シリーズのプロモーションを繰り広げているわけですが、一段落して目新しさがなくなった時には、もはやコンバーティブルでゴリ押しするしか生き残る道はないでしょう。じゃあWRX STIはどうするか?車高も下げられず、屋根も開けられず・・・残された道はクロスオーバー・スポーツくらいなのかもしれません。今後も「アイサイトのスバル」ではなく「スポーツカーのスバル」を貫くのであれば、「XV STI」みたいな派生モデルを用意して、GLA45AMGから「さや抜き」するくらいのしたたかさがあってもいいのかなという気がします。


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2014年5月19日月曜日

スバル・レヴォーグ 「ワゴンユーザーを悩ます"裸の王様"が登場」

  スバルというブランドへ注がれる一般ユーザーの視線は、しばしば「盲目的」だなと感じることがあります。誤解を恐れずに言うならば、「AWDの肯定」というアウディやランボルギーニと同じ立ち位置から全てが始まっている!というアブノーマルな前提を認識せずに、他のブランドとは違うという「優越」意識を持つ「スバリスト」の思想は極めて危険です。ちょっと違うかもしれませんが、ロータスユーザーが2シーターで無いことを理由にBMWを批判するようなものかもしれません。

  別にそんなことは大きなおせっかいで、今さら言わなくてもいいことなのですが、この「レヴォーグ」という新型車の存在価値をあれこれ考えると、やはり「AWDの肯定」というスバルのイデオロギーの前に、モータージャーナリズム全体がフリーズしていて、どうもシーン全体が「虚構」に塗固められていると感じてしまいます。レヴォーグは実は「裸の王様」ではないのか?という気がしてなりません。

  とりあえず一人くらい正面切って批判する人がいてもいい気がします。なぜ「古臭くてダサい」といったアテンザやレクサスISでさえもぶつけられた厳しい一言が全くと言っていいほどに無いのか? そもそも全ての評論家はスバルに対しては一切の批判能力が麻痺します。スバルを表立って批判するのは、場合によってはプロライターという商売が出来なくなるほどのダメージを受けます。

  あのウルトラ辛口な沢村慎太朗氏でさえも、「真のスポーツカーはロードスターと911だけ!」というめちゃくちゃカッコいい評論の中で、「ランエボとインプは別だけど・・・」とお茶を濁したほどです。国沢光宏氏はレクサスISを「発売前から既に古臭い」と酷評していましたが、レヴォーグのデザインはどのように評するのだろうか?

  スバルが拘る「AWD」の長所としては「直進安定性」と「加速性能」の2つがあるわけですが、直進安定性についてはトラクションコントロールの進化により、駆動方式によって大きな差がつくわけではなく、車格によってどれだけのデバイスを使っているかによる比重が大きくなっています。FRでもFFでも一定の車格を持っているクルマならば、AWDにこだわる必要はないです。AWDの最近のトレンドは、メルセデスの「4MATIC」採用車種を見るとよくわかりますが、明らかに「加速性能」向上に重点を置いています。

  高性能車の性能を判断する指標が、「0-100km/h」の到達タイムに絞られている中で、1800kgもの車体で4秒以内を叩き出すにはどうしてもAWDが必要になります。日産GT-R、ポルシェ911ターボ、アウディRS6/7、メルセデスE63AMG"4matic"はいずれも加速性能に特化したスポーツモデルです。これらのクルマはいずれも500psオーバーですから、直線の加速だけではスバル車では逆立ちしても敵いません。つまり「スバル=AWD=加速」という図式はすでに形骸化しているのです。

  最近スバルが作ったクルマの中で一番世界を熱狂させているのは、間違いなくBRZです。スバルのアイデンティティを無視してトヨタが押し付けてきた、このFRスポーツはスバル陣営ではまるで腫れ物に触るような扱いだそうで、トヨタがノリノリでMCを進めようとしてもスバルがことごとく反対して、「ビッグマイナー」とはいかなかったようです。スバルにとっては他社のアイディアでクルマを作るなんて屈辱以外の何者でもないわけですが、一方でスバル独自の看板モデルである「WRX」とその兄弟車にあたる「レヴォーグ」には、そもそもどれほどの求心力があるのでしょうか? WRXは(日本ではあまり売れないから)アメリカで開発してアメリカで先行発売する!これが答えです。

  スバルらしい「デザイン」「スペック」「ボディスタイル」を掲げてブランドイメージを凝縮した新型車「レヴォーグ」。これにスバリストの皆さんが熱狂するのは全くもって構わないですが、なんでそんなに「内輪」でばかり盛り上がるクルマを作っちゃうのかな?というところにスバルへの不満を感じてしまいます。

  
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2014年2月17日月曜日

スバル・レヴォーグ 「上から目線メーカーの放胆な1台きた」

  初めに断っておきますが、スバルの関係者に個人的な恨みなどは一切ありません。スバルには今後もさらなるグローバルでの活躍を期待したいですし、北米の7強(米3日3韓1)を追い越すくらいの「歴史的快挙」をぶちあげてほしいです。「ボクサーがビッグ3をノックアウト」なんて感じで・・・。何と言ってもコンパクトカーやHVをバラまいて掴み取った全米8位じゃないですから価値があります。シェールガス革命の進む先で輝いていたのがまさかの「プレアデス星団」だったわけです。

  日本でももちろん売れています。スバルの中型車が次の世代のクルマとして受け入れられたのには理由があります。それはスバルが日本で一番難しい「クルマ言語」を話す連中に、熱狂的に支持されているからでしょう。彼らが駆使する言語は非常に難解で他のメーカーのユーザーにはまず理解できません。例えばスバルがトヨタに委任されて完成させた86/BRZというFRのスポーツカーがありますが、このクルマになぜターボを用意しないのか?という誰もが知りたい理由にプロのジャーナリストで答えている人をほとんど知りませんが、知り合いのスバル言語の使い手はさらっと教えてくれました。

  あんまり難しかったのでよくわからなかったのですが、なぜレガシィが1505mmも車高があって高いのか?という謎と同じ理由でした。ボクサーターボで十分に出力を発揮するには下方排気の為に車高を確保しないといけないそうなので、レガシィは車高が他のセダンより高く、BRZは車高が低いからターボ化できないと言っていました。厳密に言うとターボ化できるけど、本来のコンセプトは大きく崩れ専用設計シャシーの価値がなくなるのだとか。

  DITエンジン(ボクサーターボの総称)そのものに構造的欠陥が?という声はとりあえず置いておいて、そこまで緻密に考えてクルマは作るものという姿勢が、スバルに関しては生産する全ラインナップに貫かれています。そしてそれこそがスバリストが他のメーカーを下に見る根拠なんだとか。もちろん日本には日産というもう一つの独自のドグマでクルマを作り続ける「変態メーカー」があります。しかしこちらは世界の5大メーカーの1つですから、全ラインナップで「スバルごっご」をやるわけにはいきません。上級モデルの一部の車種限定ではありますが、作っている人々はとんでもないエゴを剥き出しにしています。「さあ、日本のプレミアムを騒がせようか」はダテじゃないです。

  話をレヴォーグに戻すと、日産がV37スカイラインに感じている手応えを、スバルはこのレヴォーグに感じているのです。現段階で量産車にここまでこだわりを見せるのは日産とスバルだけなんだという自負です。しかもどちらもライバル車よりも断然にお買い得と言える価格設定です。これで売れなかったら日本市場のユーザーはバカしかいなくて絶望的だから、全生産を北米と中国に移管します!という最後通牒にも聞こえます・・・。

  レヴォーグは2種類のエンジンでともにターボ。1つは欧州タイプの小排気量ターボで、価格帯は1クラス下の欧州CセグHBと同じ266万円〜。欧州の1.6Tとスバルの1.6Tを比べたら絶対に負けないレベルなんだとか・・・。某スバルの有名D店長のブログにレヴォーグへの自信が綴られていました。わざわざ首都高で捕捉したBMW116Mスポの写真をアップし「もはやクルマじゃ負けてない」と怪気炎を挙げています。まあそうなんでしょうけど・・・。

  もう1つのの2.0Tの方は、CVTのみながらスバル版のMスポ仕様。現行レガシィに「Bスポ」というのが設定されていますが、あれはNA車のみのものなのでレヴォーグには設定されないらしいです。けど2.0Tのレヴォーグにはボタン一つで出力やCVTの設定を変えるシステムが付いていて、WRX STI-Alineのように「スポーツ#」みたいなやや過激な設定ができる装置が全車標準で付いてくるらしいです。BMWが1シリーズで40万円で設定しているMスポと同等のものが、全車標準になっています。ただし1.6Tには付けられないようです。それは「用途」が完全に違うからなのでしょう。

  さてここまで書いて来ておわかりかもしれないですが、このレヴォーグには日頃から輸入車ブランドにムカついているクルマ好きの気分を晴らしてくれる仕掛けが満載です。このレヴォーグを基準にすれば、いかに欧州の廉価モデルがユーザーを顧みないで雑に作られているかがよく分かるように、スバルが「意地悪く」設計しています。スバルはこのレヴォーグを通して、輸入車がなぜダメなのかを分かりやすく教えようとしているわけです。まあなんとも上から目線なクルマなのだ・・・と思いますね。


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2013年11月22日金曜日

スバル・新型WRX 「賛否両論?いやいやスバル最高でしょ!」

  今年始めのニューヨークMSと続くフランクフルトMSで世界のカーメディアの度肝を抜いたスバルの新しいデザインコンセプト「WRXコンセプト」で期待値が高められてしまったので、今回ロサンゼルスで発表された新型WRXには早くも厳しい評価があるようですが、日産GT-R級のスーパースポーツのサイズだったコンセプトと比べ、車幅を1780mmに抑えて「実用車のスバル」のプライドを優先させた点を評価したいと思います。

  確かにGT-Rは素晴らしいですが、より多くの世界中のスポーツカーファンに愛されているのが「WRX STi」だという事実をなえがしろにして、スーパースポーツ化しても従来のファンが付いてくるわけはないのですから、極めて健全な判断だったと思います。ポルシェ911の大型化の歩みを考えると、まったく無謀だとは言い切れない部分もありますが・・・。

  それでも目下、北米でも日本でも絶好調のスバルブランドは中型車専門ブランドとしては異例の急成長を遂げています。もはや北米では、メルセデス・BMW・マツダといった競合メーカーを完全に引き離して、中型車の”巨人”ホンダを追っかける最右翼になっています。日本でも3ナンバー販売では単月で日産を上回り第2位になる快挙も達成しています。トヨタといった"規格外"を別にすればこの2市場で、最も優れたクルマを作っているのがスバルというわけです。

  バブル期の日本メーカーは北米市場でこの世の春を謳歌しつつ、スーパースポーツ制作にうつつを抜かしました。一番謙虚だったトヨタが結果的にバブル崩壊のダメージが少なくその後も成長を続け、一番身の丈に合っていないマツダが大怪我をしたようですが、そんなトヨタをグループの盟主に置くスバルなので、400~500psの時代に突入したスーパースポーツ市場など最初から眼中にないようです。

  スバルはトヨタと共同でFRスポーツの86/BRZを作りましたが、このクルマの発売はスバルの今後の戦略にとても大きな意味があったと思います。このクルマはGT-Rのような派手さはないですが、低価格で軽自動車に匹敵する程度の4座を確保したことで、新しい乗用車の形としてスポーツカーのポテンシャルを示した画期的なクルマになりました。

  86/BRZは速く走るためのスポーツカーではなく、いかに無難なスペックでもスポーツカーとして成立させるかに最大の工夫があります。誰が見ても紛れも無くスポーツカーですが、燃費もユーテリティも維持費も全て乗用車の範疇に収めた点が最大のポイントです。ライバルのランエボが衰退していく中で、スバルの首脳陣も自ブランドのスポーツカー(WRX)の処遇には困惑していたでしょうが、86/BRZをお手本に予想外の突破口が開けた恰好かもしれません。

  当然かどうかは分かりませんが、「(乗用車として)所有させるWRX」なるものを強く意識した結果の「1.6Lターボ240psにデチューン」という”回答”なのだと思います。2Lターボで300ps超が代名詞だった従来のWRXですが、ランエボを除けば400万円でそんなハイパワーを振り回すクルマなんてマスタングくらいなものです。メルセデスもBMWも700万円オーバーが常識のレベルになっているのに、いつまでもコストパフォーマンスを見せつける意味なんてないです。

  つまりGT-R買うくらいの意識でA45AMG買いにいく客層は、メルセデスというブランドに恋しているだけなので、いくらWRXがしゃしゃり出てもおそらく振り向いてはもらえません。そんな「レイシスト」を相手にするより、従来のWRXはガチ過ぎて買えないという「まともな人」を相手にしたほうがずっと賢明だと86/BRZの成功がハッキリ示したわけです。

  スバルの新型車は意欲的で「WRX」「レヴォーグ」「2015レガシィ」と魅力的なモデルが発売を控えています。ぜひ売れてほしいとか思わなくても、きっとスゴい勢いで売れるでしょう。スバルはいよいよ一皮むけたように感じます。


  

2013年9月26日木曜日

スバルBRZ tS 「絶対お得なコンプリートカー(BRZを買う予定なら)」

  スバルが発売から1年あまりが経過したBRZの限定モデル「tS」を500台限定で発売しました。先日発売されたWRX-tSなどは2週間で300台のほとんどを売り切ったそうですが、BRZ-tSはやや苦戦している模様で、1ヶ月経ってもまだ半分売れ残っているとか。

  スバルの「限定モデル」がなかなか素敵だと思う点は、スペシャル仕様にも関わらず、法外な価格を取ろうとはしないことです。スバルはどうやら直4エンジン車の価格の限界は500万円と定めているようで、2.2Lの専用エンジンをわざわざ装備したインプレッサ22Bでも500万円でした(400台が3日で完売)。単純比較はどうかと思いますが、量産モデルとして昨日、日本発売が開始されたBMW428は4気筒にも関わらず600万越えしています・・・。

  あくまで素人の考え方かもしれないですが、「WRX」よりもむしろ「BRZ」の方が、ノーマルモデルと比べたときの「tS」の出来の良さを多く感じられるのではないかと思います。ご存知のようにBRZはトヨタ86と共通設計で、当然ながらトヨタ基準の厳しいコスト管理を元に設計がされています。スバルはスポーツモデルの設計には、必要と感じればビルシュタインやブレンボなど高性能部品をふんだんに使って仕上げることが多いメーカーなので、その辺のクルマ作りの文化の違いは以前から指摘されてきましたが、トヨタのクルマを作るという前提が強調されたようで、部品選びは完全にトヨタ主導だったようです。

  FRの本格スポーツということで、スバルが得意の欧州スポーツカー部品メーカーの製品との親和性が高いのではないかと期待されましたが、前述の理由で結果的にはSHOWA製のダンパーが採用されました。別に日本製の部品メーカーに文句を付ける気はないですが、トヨタのコスト管理下でスバルが企画した新機構が次々にボツになっていったのではないか?と容易に推測できます。発表当初からカスタムのベースカーとしての需要に応えるとトヨタが公言しているクルマなので、基本設計以外の交換可能部品は「デフォルト」品を使うのも当然ではあります。トヨタとしては好きな部品を使って仕上げてくれというわけです。もちろんそういう類いのクルマなのだという前提でユーザーも86/BRZを選んでいるのでしょうけど・・・。

  去年の発売後まもなく、普段フェラーリに乗っているというプロの評論家が、限りなく上から目線でこのクルマを悲鳴をあげそうになるほどのシニカルさで、「安いから、まあいいか・・・」と結論していました。あくまで想像ですが、他の評論家に何と言われても気にしないけど、この人からの批判はスバルの開発者にとっては「脳天直撃」のショックとして受け止められたかもしれません。スバルがやりたいように出来なかった結果としての酷評だから開き直ったかもしれないですが・・・。よってこのBRZのカスタムコンプリートカーには、スバルの意地とプライドが詰め込まれた、相当に気合いが入ったものなのではないかと想像できます。

  さてBRZ「tS」の内容を見てみると、「ブレーキの変更」という地味にクルマの性格を変えてしまいそうな部分をがっつり取り替えています。これはABSの変更にともなうプログラミングのための走行テストを要するので、一般人がカスタムで同じ事をやるのはほぼ不可能です。個人的な意見ですが、サスやブレーキを代えてくれるなら、100万円高くなっても欲しいというクルマは結構あったりします。新型アテンザとか、プジョーRCZとか・・・。

  さらに先ほどの評論家がやたらと噛み付いた部分が、しっかりと改良されている!スバルの開発者も当然に「批判」を読んでいるのでしょう。ノーマルのFA20は吸気系から「ボー」という不快な音がすると批判されていました。そこでエンジンの出力の変更はないですが、わざわざサウンドのみをチューニングしてあるのだとか。そして「不快だけどカスタムできない!」と一刀両断されたインパネのデザインもまた、ベース素材の変更だけで、まるで別のクルマというくらいに改良されています。

  個人的に86/BRZの最大の弱点は、内装で特にインパネと思っていましたが、このネガを解消してくれるならば、もはや「欲しくない」クルマではなくなりました。フロントサスもストラットという基本形状は一緒ですが、バネを専用の高機能なものに変えていて、ノーマルよりも「しなやか」になって乗り心地を良くしつつ、ハンドリングを精度を上げるために、減衰力が下がらないようになっているのだとか・・・。ここまでやってくれるなら、もはやノーマルを買うのがバカバカしくなってくるレベルかもしれません。もしBRZを購入予定なら絶対に限定モデルだと思います。


          ↓問題の批評が掲載されています!
 

2013年9月11日水曜日

インプレッサXVハイブリッド 「クラウンHVより燃費悪いが・・・」

  アウトランダーPHEVという画期的なAWDのHV車が昨年に颯爽と登場し、業績不振に喘ぐ三菱に久しぶりに明るいニュースとなりました。三菱に負けじとライバルのスバルもよりスタイリッシュな都会型SUVに仕上げたインプレッサXVを発売しました。ゲリラ豪雨に豪雪が毎シーズン到来し、夏も冬もAWD車の必要性をひしひしと感じる日本の現状を考えるとどちらも画期的なクルマといえます。

  インプレッサXVは現行インプレッサが大々的に打ち出した「サイバー・デザイン」が、「都会的SUV」のデザインと相性が良い?ようで、新型車種にしてはかなり解りやすい仕上がりになっているようです。単体で見るとなかなか評価が分かれるデザインです。スバル+"やや"ポップというイメージを急に展開されても、ブランドイメージがすぐに変わるわけはなく、今は過渡期の真っ最中なのかなという気がします。

  クルマに「ポップさ」を求めることは、デザインに於いては良く有る話なのですが、こと賛否両論ある中でいつも全力で「スバルらしさ」を発揮してきたスバルが、唐突にややポップなデザインを出してくるとやはり戸惑ってしまいます。それでもスバル初のポップ・デザインは予想外にレベルが高く、初代日産マーチやVWビートル、BMWミニほど拘ったキャラ設定こそしていませんが、同じ都市型SUVのヒット商品である日産ジュークのデザインと比較すれば圧倒的に支持されるくらいの完成度はあります。

  サイバー・デザインと言えば、最近のメルセデスベンツもスバルと争うかのように積極的に取り入れている感があります。他社と比べて直線的なヘッドライトとグリルデザインで近未来的な乗り物デザインを志向している意図を強く感じます。ただ直線的なデザインは「色気がない」や「子供っぽい」といったネガティブな要素も醸し出すので、高度なデザインワークが要求されます。メルセデスの盟友である日産はこれとは逆に「曲線が複雑に絡み合う意匠」をフーガやスカイラインで多用し過ぎて、どこか締まりのない表情やサイドラインにやや混迷を感じたりもします。直線or曲線で方向性を決めてしまうのは、今後成長が望めない気もします(今後傑作デザインが登場する可能性もありますが・・・)。またメルセデスとスバルがデザイン的に近似する点も増えてきた結果、ややメルセデスの格調が失われたという意見も聞こえてきます。

  表題にクラウンHVより燃費が悪いと書きましたが、これは歴然たる事実です。ほぼすべての速度帯、走行条件に於いて数字が下回っています。2WDのクラウンHVは後輪動力源をエンジンとその互換機能としてモーターを設置し、出力特性に応じて絶妙にバランスミックスして使うことで燃費を向上させます。これに対し4WDのインプレッサはモーターをエンジンのアシストつまり「スーパーチャージャー」的に使っているので、大きく燃費は伸びません。EV発進がデフォルトのトヨタ車に対し、スバルHVは始動時はエンジン発進をします。もちろん一旦停止からはEV発進するようですが、一番の売りはEV発進ではなくエンジンの加速能力をモーターアシストで高めた時のスポーティな発進における燃費の良さです。瞬間的に3km/L程度に落ちる強烈な加速を、回生ブレーキを使ったモーターアシストに頼ることで軽減しています。スバルにとって見たらDITに変わる新しいエコ・モーター・チャージャーとでも言うべき機能です。

  いろいろ調べてみると、かなりスポーティなHVというスバルの予告通りのクルマになっているのですが、スバルの宣伝が完全にブレブレになっていることがやや残念です。一般的な印象としてもインプレッサXVハイブリッドが、WRXが積んでいるDITエンジンに比肩するパワーユニットだとは夢にも思いません。もちろんEJ20DITや最新鋭のFA20DITといったカリカリのスポーツエンジンともだいぶ距離があるのは確かなのですが、トヨタアクアとWRXのどちらに近いかと言えばWRXにやや近い!となら宣言しても問題ない立ち位置だと言えます。

  ホンダがこのクルマを作ったならば鬼の首を獲ったかのように、「スポーティHV完成!」と大々的にプロモーションすると思いますが、スバルにとっての「スポーツ」とはとてもじゃないがこんなレベルではない!とでも言いたそうな意地を感じます。それ故に他のブランドではもっとチヤホヤされていいくらいのクルマなのですが、スバル車である限りはなかなか扱いが地味なようです。まだまだスバルの開発の中枢部は「ロングストローク+ターボなんて子供だましのクソだ・・・」とでも考えているのでしょうか? スバルに言わせればBMWやメルセデスの現行モデルのほぼすべてが・・・!? やっぱりスバルはいいですね!
  

  ↓WRXは世界に誇る改造乗用車ですが、このXVハイブリッドも存在意義をもっとPRして良いのではと思ってしまいます。


  

2013年6月11日火曜日

スバル・レガシィ 「新規グレード『Bスポーツ』ってなんだ?」

  「Mスポ」に「Fスポ」に「Bスポ」と、いよいよスバルも「プレミアムブランド」としてBMWやレクサスと肩を並べる存在になったということでしょうか。レガシィのMCが行われ、ワゴン・B4・アウトバックにそれぞれ「Bスポーツ」というグレードが設定されました。先日、発売された新型レクサスISに設定された「Fスポーツ」は前後輪のトレッド幅が変わっていて、4WSが組み込まれるなど、なかなか大掛かりなグレード設定でした。しかしスバルの「Bスポーツ」は外観上の変化だけで、走行性能においてはなんら特別な設定はないようです。

  最近では高級車を展開するブランドではほとんどと言っていいほど、スポーツチューングレードが設定されるようになっています。その名称の付け方が、面白いことに大きく2つに分かれています。トヨタと友好的関係にあるメーカー(BMW・スバル)は、「BMW方式」を採用して「Mスポ」「Fスポ」「Bスポ」を使っているようです。一方でライバルの日産と友好的関係にあるメーカー(メルセデス・三菱)は「日産方式」を使っていて、「バージョンNISMO」「バージョンAMG」「バージョン・ラリーアート」となるようです。メルセデスは従来のAMGモデルとは別に、ライトチューン(直4やV6)の「バージョンAMG」が今後増えそうです。

  これらはいずれも高出力エンジンへの換装などを伴わない、ライトチューンに対するグレード名になっていて、その設置の目的は大きな負担を伴わない「差別化」にあるようです。現在のクルマ購入者の多くは、維持費がかさむ高性能化には後ろ向きですが、他のクルマとの外観上の差異にはとても関心があり、それによって所有欲を満たす傾向があるようです。よって「性能の向上」よりも「外観上の変化」に重きを置いているチューンのほうが、圧倒的に多く捌けるようになっています。

  スバルとしてはネームバリューが十分の「STI」の名称を使っても良かったのでしょうが、ここはトヨタグループの絆を優先したようです。スバルはレガシィもインプレッサも国内市場では、それぞれクラスの「底値」になっていて価格面でのインパクトは相当に強く、200万円以上のモデルが好調に推移しています。よってスバル自体が「薄利商売」なイメージもありますが、実は利益率は相当に高かったりします(トヨタより上)。国内最安値の「本体価格」で集客し「Bスポーツ」などのグレード設定で最終的な価格を適正化するという戦略になっています(トータルでは安くない)。

  スバルの「スポーツチューン」というと、従来の「STI」では強力な過給ユニット設定や、ビルシュタイン製ショックアブソーバーを使った足回り強化など、「重武装」のチューンが好評でした。一方で「Bスポーツ」には吸気系のメカチューンや足回りの設定変更は一切含まれていません。スバルとしては、メカチューンやサスの最適化などは、「デフォルト装備」なのでその必要はないということのようです。スバルは「Bスポーツ」以外に「Gグレード」「アイサイト」というグレードを設定していますが、「Bスポーツ」は外装、「Gスポーツ」は内装、「アイサイト」は安全装備をそれぞれ意図した「アイコン」として使いわけているようです。

  

2013年6月5日水曜日

スバルWRX STI 「さらなる低価格化で入門車にまで敷居が下がるのか?」

  スバルが今年に予定している「WRX STI」のFMCで、いよいよ1.6Lターボを設定して200万円台後半のスポーツモデルに参入する見込みだ。スバルはすでにトヨタと共同で開発したBRZを200万円台で展開していて、同価格帯のスポーツモデルの追加によって、「日本のスポーツブランド」の主役の座を狙っている。

  長らく、日本車の「低価格4シータースポーツ」という免許取り立ての若者を魅了しそうなクルマは、各社のラインナップから消えてしまっている。いずれ復活すると言われ続けながらも、シルビアやプレリュードの復活はいまだ実現しておらず、昨年そんな「欲求不満」の市場に「86/BRZ」が投入されて、当然ながら快調なヒットを飛ばした。もちろん新設計のスポーツカーを作って売り、たとえ86くらいヒットしたとしても、その利益はたかが知れている。それでも、「クルマを初めて買う層」にアピールできるのであれば、ある程度のリスクを侵しても参入するメリットは十分にあると思う。各社の戦略もここにきてだいぶ変化して来たように思う。

  スバルはBRZの成功に味をしめて、早くも低価格スポーツ第二弾として「WRX」に廉価グレードを投入することで、200万円台の「WRX」を若者が買う「人生最初のクルマ」として選んでもらおうという意図が感じられる。この「WRX」のベース車となる2012年モデルのインプレッサは、先代モデルに比べて、外装&内装で大幅な良化が図られデビュー当初から好評を博してきたモデルということで、スバルの鼻息もかなり荒いようだ。

  実際にハッチバックの「インプレッサスポーツ」は世界中のライバルと比べてもまったく遜色ないだけのスタイルを誇り、内装も欧州のプレミアムハッチバックとほとんど変わらないほどの出来になっている。ベース車のレベルの高さが従来の「WRX」とはハッキリと違うので、従来の400万円近くするクルマなのに内装が非常に安っぽいという「ネガティブ」な評価(究極の欠点)はかなり改善されるのではないかと期待できる。

  さらに従来の「WRX」は極限までターボ過給を施していて、2Lターボで燃費は10km/Lに届かない程度の「極悪燃費車」であった。これは3.7Lのスカイラインなどとカタログ上では同水準の数字だ。3.5~3.7Lの大排気量のセダンがことごとくハイブリッドモデルに軸足を移しているので、スポーツスペシャルモデルであっても、やはり「低燃費」のグレードを作る必要があったようだ。結果として、15km/L以上の良好な燃費となり、2LのNA車と同水準程度ならば、長距離のドライブカー(GTカー)としての性能も飛躍的に高まったといえる。ベースのインプレッサの2Lモデルならばカタログ燃費で18km/L程度の実力があるが、加速などの性能面でスポーツ走行への要求には不十分と見られてしまうようで、「1.6Lターボ」はベース車と2Lターボ車との大きな隔たりを埋める絶好のモデルだ。

  しかも総額で300万円を少し超えるくらいで買えるというのも魅力的だ。従来の2Lターボはスポーツ志向が強く、欧州のスポーツカーを凌ぐ動力性能の割に400万円で買える価格設定は「安い」といえるものだった。しかしMBやBMWのライバル車は性能こそ劣るが300万円の価格設定をしていて、インプレッサの「盲点」を付くかたちになっていた。今回投入される「1.6Lターボ」というスペックは明らかに、欧州の「プレミアムハッチバック」への対抗の意図してのものだろう。内外装のデザイン・動力性能・燃費・価格どれをとっても、他社のライバルモデルに劣ることはない素晴らしいグレードが設定された。従来の「スポーツフラッグシップ」としてのWRXの役割ではなく、「スバル車」の素晴らしさを手軽に味わえる「入門車」として、スバルのクオリティカー戦術の中枢を担っていく定番車に成長していきそうだ。


2013年4月3日水曜日

スバルWRXコンセプトがチャラくなって登場

  先日、公開されたスバルのWRXコンセプトを見て多くのスバルファン(スバリスト)はどう思ったのだろうか?スバルのこれまでの「STIモデル」にまったく興味がなかった人(私もその一人)から見ると、いままでの「ダサい&ムダ・スペック」(ごめんなさい)から突然に「現実的」なクルマになっていて「選択肢」に入っちゃう感じになっている。デザインも受け入れられるし、デチューンで快適燃費のドライビングカーになった印象だ。

  細かい作り込みについてはよくわからないが、これまでは色気のない市販ベース車に強力なターボエンジンを載せて最高レベルの戦闘力を持ったクルマこそが「インプSTI(=WRX)」だったはずだ。しかし今回はWRX専用のボディを用意して、最速モデルとは言い難いデチューン(1.6Lターボ240馬力だとか)を施していて、歴代モデルとは完全に方向性が違うクルマになっているようだ。スバルは自ら「最高速に未来はない」と宣言しているかのような、新型WRXの変身ぶりに驚いてしまった人も多いだろう。

  スバルファンはこの「変身」をトヨタの弊害と感じているようだ。トヨタはスバルに秘伝の「万人ウケするクルマ」のレシピを教えてクルマ作りを転換させた結果がこの新型WRXだという指摘はなんとなく説得力がある。しかしトヨタに同じようなクルマがあるかというと、思いつくのはレクサスISくらいだ。おそらくトヨタが今後強化していくと宣言しているスポーツモデルの構想の中の一つの「実験台」なのかもしれない。トヨタとしては単発的に86やスープラを出すよりも、日本市場全体でスポーツモデルの人気を復活させておきたいということだろう。

  これまでスバルと三菱はカタログモデルでスポーツモデルを用意してきたが、ブームとは無縁で限られた人の為のクルマだった。トヨタとしてはもっと一般の人が手を出しやすいスポーツカーこそが、クルマ人気の回復へのカギだと考えているようだ。傘下に収めたスバルに対して次期WRXの開発に関して「デザインに優れ、維持費が低めで、内装もオシャレな」クルマへの転換が厳命されたのではないだろうか。それを上手くやれば、MBやBMWのスポーツモデルにも匹敵する良いクルマになるという目論見は、上手く行きそうな予感がある。新型WRXがこのままのデザインで発売されれば、アルファロメオやBMWミニに群がっていた「オシャレ層」にもウケるだろうし、このクラスのラインナップが欠けている日産ユーザー(スカクー・Zなど)も取込めるかもしれない。

  昔からのスバルファンの中には失望する人もいるだろう。日本の全コンディションで最速を誇るはずのクルマが、トヨタの目論見通りに(私のような)素人が殺到するクルマになるかもしれない。プレリュードやS13シルビアのようなブームが再び起こるかもしれません。新型スカイラインと新型Zも2Lターボが投入され、さらにBMW2シリーズなる直4オンリーの「カッコつけのクルマ」も登場するのだとか。三菱ランエボとホンダシビックRが従来のベース車を使ったモデルで出すとしたら、この「チャラいクルマ」ブームから弾かれてしまうのではないか?と心配してしまいます。



↓もはや新型WRXはインプレッサではないですね。この新型デザインでレガシィとか出てくるのかな?

2013年2月4日月曜日

スバル・インプレッサHVは完成するの?

  日本でもアメリカでもかなり売れているスバルのインプレッサ・シリーズですが、かなり前からHVが発売予定のアナウンスがされていましたがまだ出ていません。ベストカーにはHVシステム(独自開発)の完成の遅れが原因となっていましたが、スバルが意図的に発売時期を先延ばししているような気がします。目下のところ、日本・アメリカで人気急上昇のインプレッサの販売が頭打ちになるまでは、スバルは様子見をするつもりじゃないかということです。インプレッサの予想外の成長は、このクラスのライバルがいまいち販売が好調ではないことが主な理由だと思っています。

  ライバルの1つマツダ・アクセラは自慢の「スカイアクティブ」エンジンを投入してやや販売の調子がおかしくなりました。最上級グレード2Lのみの投入だったのですが、そもそも燃費を気にするお客さんは2Lではなく1.5Lモデルに興味を持つはずです。逆に2Lモデルを求めるお客はアクセラの「走り」や「ハンドリング」に魅力を感じているので、単純にパワーダウンになる(しかも価格up)「スカイアクティブ」を歓迎したのかというとむしろ逆効果だったのでは?と思います。現在2Lモデルのアクセラとインプレッサの価格差がかなり(約25万円)あるので自然とインプにお客は流れます。

  この教訓をスバルはインプレッサHVに生かすことができるのか最大のポイントだと思います。CセグはBとDの両方のセグメントと比較対象になるので、様々なニーズを持ったお客さんがいて、その中でちょっとしたコンセプトのミスマッチから販売が一気に下火になりかねない危険なグレードだと言えます。実際、スカイアクティブ投入後のアクセラは案外で、マツダにとってはかなりの誤算でした。トヨタも新型オーリスの方向性を十分に打ち出せないまま投入し日本市場では迷走を続けています。

  Cセグこそ「ブランド」商法でそのクルマが持っている世界観にお客をいかに呼び込むかが大事になるのではないでしょうか。そういった販売方法において最も秀でているのはやはりVWのゴルフだと思います。あのシンプル極まりないデザインなのに、「このデザインこそが至高だ」とばかりにファンの人は買っていきます。VWゴルフに興味がない人から見ればまるで「宗教」です。Cセグではないのですが同じくらいの価格帯のミニクーパーも同じように「ブランド」商法に長けていると思います。

  スバルも日本メーカーでは、ホンダと並んで信者が多い「ブランド」と言えます。そのスタンスに反しないような「世界観」を持ったインプレッサHVを作ることができたらさらに大ヒットするでしょう。そのためにはやはりスバルのスポーツ精神を全面に出してシステム馬力で250hpくらいでトヨタ・日産を蹴散らすような鮮烈な「走り」のハイブリッドをしかも「4WD」で実現することが求められると思います。逆にプリウスと同じようなスペックのクルマだったらがっかりですね。おそらく供給先のトヨタより安い価格には設定できない契約になっていると思うのでアクセラのように割高感に苦しみ販売不振になってしまうでしょう(でもプリウスにインプぼボディで+30万くらいならそこそこ売れるかも・・・)。

  インプレッサHVは今のところ5月に予定されていて、ゴルフⅦや新型メルセデスAクラスとガチンコになるので、力負けすることのないように綿密なマーケティングとクルマの仕上げを期待したいと思います。
  

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