2015年3月7日土曜日

マツダCX-3「234万円からのディーゼル専用車!」

  さすがに「234万円〜」という価格設定にちょっと冷ややかな意見もありますね。「マツダだけは金銭感覚のまともなメーカーだ!」という信頼が残念ながらちょっぴり揺らぎました。ディーゼル車なのだから価格に関してはマツダが間違っているってことはとりあえずないですけどね。余談ですが、新型ミニが全くもっての不調のようで、あわてて投入されたディーゼルにわずかに期待しているBMWミニからしてみたら、100万円というもう絶望的な価格差を付けられてしまいました(しかもBMWのDEはダメダメです)。

  マツダに対しても厳しい事を言うと、デミオベースのクロスオーバーモデルで234万円の価格を付ける決定的な根拠がディーゼルだけですから、あまり見るべきものは少ないです。メーカーと評論家はやたらと盛り上がってますが、小型SUVがクルマ好きの気持ちをグイグイ引くなんてことはないです。いくらMTモデルを用意したからといっても、ランクル70の復活に喝采する生粋のSUV好きを囲い込むことは出来ないですし、イニシャルD好きというありがちなタイプにも車重が増えてレスポンスが悪いディーゼルはウケないですし、ムダに車高が高いのも受け入れ難いです。

  もちろんマツダも主戦場である欧州で売るために作ったものを、ついでに日本でも売っているだけですから、それほど日本のユーザーの反響は求めていないでしょう。「マツダを楽しみたかったらユーザーが自分を変えるべきだ!」みたいな「投げ掛け戦略」を採っていると公言していますから、予想外の大失速も想定の範囲内だと思われます。しかし「自分を変える」というのはなかなか難しいものです。バブル期に形成された輸入車コンプレックスから未だに抜け出せずに、くだらない輸入車に300万円とか払う人が多いみたいです。イニシャルDを読んで人生が変わるくらいの刺激を受けたならば、3ペダルのスポーツカーにすぐに乗り変える!という人も出るでしょうが、果たしてマツダ単体でそこまでの影響力を持てるムーブメントを発信できるのでしょうか?

  CX3はある程度は先行した新型デミオの美点をそのまま継承しているとは思います。新型デミオが目下のところ大成功している仕掛けとして、Bセグにしてはどっしりとしたハンドリングがあると思います。ホンダ・ヴェゼルやメルセデスGLAもある程度は手応えのあるハンドリングで、ステアリングにパドルや手元スイッチが幾つも付くなどスポーティかつ機能的な見た目でとても手が込んでいるものの、肝心な電動ステアのフィールは相当にぎこちなさがあります。それに対して、デミオのものは贔屓目なしにとても良く出来ています。そもそも日産が実用化したステアバイワイアなどの特殊技術を除けば、マツダの電動ステアのフィーリングはかなり良好な水準にあるわけですが・・・。とりあえずハンドリングを重視して選べば順当にデミオに行き着くわけです。

  マツダとしては期待以上のブレークスルーにつながっている新型デミオがある中で、新たに234万円のディーゼル専用モデルを持ち込む意図は?というと、誰の目にも小型SUVの「世界的なブーム」が来ているからとなるでしょう。つまり動機はというと安易な「追従」です。この手の企画はマツダの失敗する典型的なパターンではないか?という気がしなくもないです・・・。そもそもマツダは日本市場においてはどこからの乗り換え需要を狙っているのでしょうか? 考えられるモデルとしては「①プリウス②フリード③ノア/ヴォクシィ④ノート」といったところだと信じたいです。このクラスの「大物」が喰えれば間違いなく大成功ですが、ただ残念ながらどのモデルに対しても決定打が不足している気がします。先述しましたが、これらのクルマに乗っている人は相手にしない!という決意もあるようですし・・・。とりあえず「価格」でアウトです。

  ジューク、XV、ヴェゼルこそがCX3のライバルと考えるのがまったくもって自然ですが、発売から数年が経ち乗り換え時期に達しているのはパイオニアといえるジュークぐらいです。欧州向けに作られ日本にも投入されているジュークの1.6Lターボは、ちょっとリッチな加速性能を誇る反面、ハイオク指定でこのクラスでは燃費は劣悪なので、CX3としては面白いターゲットといえます。ジューク1.6ターボのベース本体価格も「234万円」ですから、マツダとしては日産への「名指しの挑戦状」を突きつけたといえます。もちろんマツダ車とともに欧州市場に鋭く切り込んだジュークへの敬意の表れなのでしょうけど。

  一方でCX3の234万円は、日本でバカ売れしているヴェゼルHV(225万円)はそれほど意識していない価格設定ともいえます。ヴェゼルHVには失礼ですが、試乗してまず感じるのが運転をとことんつまらなくするハンドリング、アクセル、ブレーキのフィーリングの悪さです。「Sモード」に切り替えるとトルクアップによる加速フィールの向上よりも、耳に突き刺さる雑音の大きさに驚いてしまって一気に冷めます。残念ながら走りに関してはとことん「やる気」のないと開発姿勢が見え隠れして、マツダ&日産とはポリシーが全く違うという現実を突きつけられます。この手のクルマは欧州市場では徹底的に酷評されるので、ブランド全体が欧州においてこの数年で急速に影響力を失っているのにも符合します(なかなかのディーゼルエンジンを持っているそうですが)。そんな中でのF1参戦というチグハグな戦略の結末はどうなるのでしょうか?4輪ダブルウィッシュボーンで欧州に挑んだ80年代のシビックはもう完全に過去の話なのか・・・。(ホンダの関係者には大変失礼しました。ごめんなさい)

  スバルのXVに関してはHV車が257万円となっていて、これは2Lエンジンを搭載したスバル本流の中型モデルなので、CX3、ジューク、ヴェゼルとの単純比較は難しい部分があります。余計なことを言ってしまうと、スバルブランド全体として車体の設計基準がプレミアム車ばかりになった中型車の水準からみてかなり厳しいところに置き去りにされている感があります。フラッグシップのレガシィから派生したプラットフォームがほぼ全車で使われていますが、これを刷新しないと今後の欧州や日本市場では競争力を失っていくのではないか?という気がします。簡単にいうと、「クルマの安定感」で差をつけられています。日産&マツダの中型車(スカイラインやアテンザ)と乗り比べれば、相当にクルマのレベルが違うことを実感します。(スバルの関係者には大変失礼しました。ごめんなさい)

  いくらスバルの中型車プラットフォームが力不足だとはいえ、ジュークやCX3が使う日産やマツダの小型車プラットフォームと比べれば、アドバンテージはいくつもあります。なによりXVはなスバルが殻を破ったポップなデザインで、「このクルマだけはスバルデザインでも許せる!」なんて言い放つミーハーは多いようです。さて・・・CX3の核心について触れたいと思います。「このクルマだけはマツダデザインの中で許せない!」って気がするのは私だけでしょうか? 2012年から市販車でも展開されている「魂動」デザインですが、最大の美点はなにか?と聞かれれば、どのクルマも「遠慮がちで奥ゆかしさを秘めている」ことだと思うのです。

  「魂動」デザインを称賛する人々が感じていることは、「スバルほど控えめ(武骨)ではなく、レクサスよりも痛々しくない」という絶妙なさじ加減だと思います。CX5は中型SUVに求められる機能性に沿ったデザインが絶妙ですし、アテンザも車体長を上手く使ってスタイルの良さを主張しているだけで、過剰な演出を狙ったパーツは控えられています。何よりCX5・アテンザ・アクセラ・デミオはいずれもユーザーと使うシーンを良く考えた上で設計されています。いずれも既存の自動車ユーザーに重きを置いた伝統ある設計方針が貫かれています。

  しかしCX3などの小型SUVは、日産・BMW・メルセデス・ホンダといった野心的なメーカーが新規ユーザーを掘り起こすことに躍起になって作った、やや「空想的」なクルマといえます。長年に渡ってクルマをヘビーに使ってきたユーザーから見てこれらのクルマはどのように映るのでしょうか? CX5が目指した「アクティブなファミリーカー」にはやや小さいですし、アテンザやアクセラが追求した「ファン・トゥ・ドライブ」と「安全性」は感じられませんし、デミオのような「お手軽さ」もないです。大変失礼ですが、CX3と同タイプのジュークやヴェゼルの販売は、クルマのことをあれこれ考えない気まぐれなユーザーの衝動買いに支えられているのでは?と思ってしまうわけです。そういう部分が見えてしまうと、なんだかデザインがアホらしく見えてしまいます。大げさにいうと、VWup!のシャシーにポルシェ911のボディが載っているみたいなものかなと・・・。(マツダの関係者のみなさま大変失礼しました、ごめんなさい。)



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2 件のコメント:

  1. デミオがベースということで、確かに「作れるなら作っておこう」という程度の車であることは否めないかもしれませんね
    ただ、この手の「お遊び車」というのが各メーカー1車種くらいはあってもいいんじゃないかなと、個人的には思いますね
    エンジンにはナチュラル・サウンド・スムーザーなる物が仕込んであるようですし、技術的な興味もなかなかそそられます

    そういえばスバルも近々いよいよプラットフォームを全面刷新するとかいう話を小耳に挟みましたね
    2016年だったかな?うろ覚えですが・・・

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  2. コメントありがとうございます。
    オートサロンのCX3がGLA45AMGを意識したような配色だったので、
    思わずマツダの姿勢に幻滅してしまったせいもあって苛烈になってしまいました。
    確かに仰るとおり「お遊び車」というか
    メルセデスみたいに車種をボコボコ増やすブランドも悪くないですね。

    スバルはこのままだと厳しいかもしれないですね。
    アイサイトと同等の機能は各メーカーにありふれていて、
    肝心のクルマにやや魅力が乏しいです。
    レヴォーグとS4は「惜しい」感じがプンプンします。

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