スバル・エクシーガ・クロスオーバー7 「アウトバックとは何が違うの?」
久々に絶好調が報じられるスバルから「?」なクルマが登場しました。まるで日本式のミニバンは「オワコンだ!」と言わんばかりに、物事を全て「グローバル」で考えるようになったスバルさんからの「メッセージ」がこもった1台なのでしょうけど、受け取る側にはどうもあまりピンと来ません。もちろん7人乗りの3列シート車は、日本メーカーが得意とされているパッケージングが重要で商品力を左右されますし、国内外で今後さらに需要が高まる!というのは十分に理解しています。しかしちょっと気になるのはこの「エクシーガ・クロスオーバー7」には従来の日本メーカーに蔓延していて日本車を不人気にさせていた「つまらないクルマ作り」の傾向が再び目立ってきたように感じる点です。
何がそんなに気に喰わないかといいますと、乗り出しで400万円に迫る価格帯(日本車ならば十分に高級車)にもかかわらず、クルマにあまり詳しくない人が見たら、「あれ?このクルマはアウトバックだっけ?フォレスターだっけ?」といったキャラクターが不明瞭なところがどうもダメダメです。デザインそのものが美しくない!ということでは決してないですけど、「日独米仏伊英韓」の自動車主要7カ国(CAR-G7)が血眼になって開発している百花繚乱なSUVの新型モデルに比べると勢いが全く感じられないです。「それはオマエの主観だろ!」なんて反論もされそうですが、最近好調な老舗ブランド・ジープなどを見ていると、SUVのデザインには無限の可能性が感じられるわけで、既にXV、フォレスター、アウトバックと3グレードのSUVを揃えているスバルが、さらに似たようなデザインのSUVを加えたことでどうもデザインに関して後ろ向きなメーカーの姿勢を感じてしまいます。せっかくの新型車なのにあまりテンションが上がらないです。
近所にあってちょいちょい試乗させてもらっているスバルの店舗は、道路に面して非常に間口が広く、そこにはフルラインナップのクルマをずらっと並べています。ちょうど渋滞しがちな道沿いなので、ノロノロでそこを通る際にクルマを眺めていると、意外なことに最古参のインプレッサのハッチバックが、レヴォーグやS4よりもデザイン面ではるかに完成度が高いことに気がつきます。どれも同じレベルに見えるスバルデザインもこれだけ並べば、「イケメン」から「チョイブサ」までそれなりにバリエーションがあるのも解かります。
しかしちょっと皮肉を言わせてもらうと、店舗の壁面にでかでかと掲げられた「世界が日本に嫉妬する!」に該当するクルマは一体どれなの?と違和感を感じてしまうほどどのモデルにもいまいち「華」がないです。「イケメンぞろいのマツダ」「クラスごとに風格と個性を感じる日産」「軽自動車からヴェゼル・ジェイドまで生き生きしたデザインが光るホンダ」これらライバルの系列と比べると、スバルのディーラーからはややトヨタ系列のカローラ店やネッツ店のような雰囲気を感じます。
もちろんスバルが売れ過ぎて少々困惑気味なんてニュースも聞いてますから、この「地味デザイン」に成功の秘訣が詰まっている!とドヤ顔でいわれたらそれまでです。いくら好調とはいえまだまだグローバルで100万台程度の規模であり、おそらく北米に上陸している一般乗用車メーカーとしては、三菱やボルボとならんで最弱小の部類ですから、日産やホンダくらいに「いくらか自由度の高い」自動車設計は、まだまだスバルには難しい点が多々あるように思います。日産やホンダも基本的にグローバルでクルマを設計をしますが、国内に複数の事業部があり、さらに海外にも各地に開発拠点があるので、それぞれに別会社のようにクルマを企画し、最近では日本以外の地域で手掛けるモデルがラインナップの多くを占めるようになってきました。すでに国内ではマイナーな存在になっている中型・大型車は、ティアナもジェイドもレジェンドも海外デビューより2年くらい遅れて日本に入ってきました。
日産もホンダも中上級車のクルマ作りが本当に魅力的になってきました。これまでは軽自動車やコンパクトカーを作らせれば「さすが!」と唸るものがありました。しかし中上級車はモデルサイクルは極限まで長く、まともに改良もされないまま数年放置されることが当たり前でした。後ろ向きなFMC、後ろ向きな限定車、後ろ向きなMCと大して盛り上がらないままひっそりと消えていくモデルに、自動車好きならば何度となく「惜別の念」を感じたことでしょう。そして「真面目に作る気がないなら!やめちまえ!」とヤケになって叫びたい気持ちになる後継モデルが登場して・・・これがひと昔前の日本の高級車には「華のない」と言われたころのありふれた光景でした。
それが今では、スカイラインには「ステアバイワイア」が、レジェンドには「SH-AWD」の進化型が採用されるなど、ポルシェやランボルギーニもビックリ!のハイテク技術を当たり前に搭載しています。そのうち日産とホンダの高級セダンは本当に「空を飛ぶ」んじゃないか?と思います。そしてそれが実際に起こっても特に何ら驚かないでしょう。日本車のグローバル化に後ろ向きな意見も多いようですが、この日産やホンダに加えて、世界最高水準のディーゼルをビックリな価格で搭載しているマツダなど、「グローバル」化の荒波の中で、さらに大きく商品力を伸ばしてきているのもまた事実です。とにかく日産、ホンダ、マツダの最近の中上級車は、やたらとキラキラ輝いています。
それに引き換え「アイサイト」頼みの印象が強いスバル車は、そういった最先端の部分での競争力が大きく削がれているように感じます。もしスバルが「世界が日本に嫉妬する!」の言葉通りに本気で日本で勝負するつもりなら、持てる力を注ぎ込んで、クリーン化した水平対抗ディーゼルを日本に持ってくるくらい気迫があってもいい気がします。もちろんディーゼルが絶対というつもりはないですけど、乗り出しで400万円に迫る価格帯のクルマに何も「飛び道具」を積むこともなく、かといって所有欲をくすぐるような凝った趣向の内外装を備えているわけでもなく、なんだかデビュー直後から6年後の「惜別の念」が想像できてしまうようなモデルの登場に憤りを感じます。年次改良を経ていい意味で予想を裏切ってほしいとは思いますが・・・。
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何がそんなに気に喰わないかといいますと、乗り出しで400万円に迫る価格帯(日本車ならば十分に高級車)にもかかわらず、クルマにあまり詳しくない人が見たら、「あれ?このクルマはアウトバックだっけ?フォレスターだっけ?」といったキャラクターが不明瞭なところがどうもダメダメです。デザインそのものが美しくない!ということでは決してないですけど、「日独米仏伊英韓」の自動車主要7カ国(CAR-G7)が血眼になって開発している百花繚乱なSUVの新型モデルに比べると勢いが全く感じられないです。「それはオマエの主観だろ!」なんて反論もされそうですが、最近好調な老舗ブランド・ジープなどを見ていると、SUVのデザインには無限の可能性が感じられるわけで、既にXV、フォレスター、アウトバックと3グレードのSUVを揃えているスバルが、さらに似たようなデザインのSUVを加えたことでどうもデザインに関して後ろ向きなメーカーの姿勢を感じてしまいます。せっかくの新型車なのにあまりテンションが上がらないです。
近所にあってちょいちょい試乗させてもらっているスバルの店舗は、道路に面して非常に間口が広く、そこにはフルラインナップのクルマをずらっと並べています。ちょうど渋滞しがちな道沿いなので、ノロノロでそこを通る際にクルマを眺めていると、意外なことに最古参のインプレッサのハッチバックが、レヴォーグやS4よりもデザイン面ではるかに完成度が高いことに気がつきます。どれも同じレベルに見えるスバルデザインもこれだけ並べば、「イケメン」から「チョイブサ」までそれなりにバリエーションがあるのも解かります。
しかしちょっと皮肉を言わせてもらうと、店舗の壁面にでかでかと掲げられた「世界が日本に嫉妬する!」に該当するクルマは一体どれなの?と違和感を感じてしまうほどどのモデルにもいまいち「華」がないです。「イケメンぞろいのマツダ」「クラスごとに風格と個性を感じる日産」「軽自動車からヴェゼル・ジェイドまで生き生きしたデザインが光るホンダ」これらライバルの系列と比べると、スバルのディーラーからはややトヨタ系列のカローラ店やネッツ店のような雰囲気を感じます。
もちろんスバルが売れ過ぎて少々困惑気味なんてニュースも聞いてますから、この「地味デザイン」に成功の秘訣が詰まっている!とドヤ顔でいわれたらそれまでです。いくら好調とはいえまだまだグローバルで100万台程度の規模であり、おそらく北米に上陸している一般乗用車メーカーとしては、三菱やボルボとならんで最弱小の部類ですから、日産やホンダくらいに「いくらか自由度の高い」自動車設計は、まだまだスバルには難しい点が多々あるように思います。日産やホンダも基本的にグローバルでクルマを設計をしますが、国内に複数の事業部があり、さらに海外にも各地に開発拠点があるので、それぞれに別会社のようにクルマを企画し、最近では日本以外の地域で手掛けるモデルがラインナップの多くを占めるようになってきました。すでに国内ではマイナーな存在になっている中型・大型車は、ティアナもジェイドもレジェンドも海外デビューより2年くらい遅れて日本に入ってきました。
日産もホンダも中上級車のクルマ作りが本当に魅力的になってきました。これまでは軽自動車やコンパクトカーを作らせれば「さすが!」と唸るものがありました。しかし中上級車はモデルサイクルは極限まで長く、まともに改良もされないまま数年放置されることが当たり前でした。後ろ向きなFMC、後ろ向きな限定車、後ろ向きなMCと大して盛り上がらないままひっそりと消えていくモデルに、自動車好きならば何度となく「惜別の念」を感じたことでしょう。そして「真面目に作る気がないなら!やめちまえ!」とヤケになって叫びたい気持ちになる後継モデルが登場して・・・これがひと昔前の日本の高級車には「華のない」と言われたころのありふれた光景でした。
それが今では、スカイラインには「ステアバイワイア」が、レジェンドには「SH-AWD」の進化型が採用されるなど、ポルシェやランボルギーニもビックリ!のハイテク技術を当たり前に搭載しています。そのうち日産とホンダの高級セダンは本当に「空を飛ぶ」んじゃないか?と思います。そしてそれが実際に起こっても特に何ら驚かないでしょう。日本車のグローバル化に後ろ向きな意見も多いようですが、この日産やホンダに加えて、世界最高水準のディーゼルをビックリな価格で搭載しているマツダなど、「グローバル」化の荒波の中で、さらに大きく商品力を伸ばしてきているのもまた事実です。とにかく日産、ホンダ、マツダの最近の中上級車は、やたらとキラキラ輝いています。
それに引き換え「アイサイト」頼みの印象が強いスバル車は、そういった最先端の部分での競争力が大きく削がれているように感じます。もしスバルが「世界が日本に嫉妬する!」の言葉通りに本気で日本で勝負するつもりなら、持てる力を注ぎ込んで、クリーン化した水平対抗ディーゼルを日本に持ってくるくらい気迫があってもいい気がします。もちろんディーゼルが絶対というつもりはないですけど、乗り出しで400万円に迫る価格帯のクルマに何も「飛び道具」を積むこともなく、かといって所有欲をくすぐるような凝った趣向の内外装を備えているわけでもなく、なんだかデビュー直後から6年後の「惜別の念」が想像できてしまうようなモデルの登場に憤りを感じます。年次改良を経ていい意味で予想を裏切ってほしいとは思いますが・・・。
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