2016年11月1日火曜日

トヨタCH-R 「クルマ選びのマインドが崩壊!?」

  2012〜2013年にかけては、比較的に幅広いブランドのクルマが日本市場で売れた時期でした。今では目も当てられない三菱も2代目アウトランダーがPHEVとして登場しスマッシュヒットしていました。7代目ゴルフに注目が集まるなかで、ライバルメーカーも奮闘しメルセデスAクラスやボルボV40も予想以上の売り上げを記録しました。マツダは不死鳥のように甦り、スバルは真っ先に自動ブレーキという金鉱を掘り当ててました。そしてトヨタは86を見事にヒットさせています。

  そして2017〜2018年にかけては一大乗り換えキャンペーンに突入します。5年で乗り換えるなんて贅沢な気がしますけども、今では延長の新車保証や残価設定ローンも5年が定番になってますから、それなりの数のオーナーが乗り換えをするのは確かだと思われます。それを待ち構えるかのようにスバル・新型インプレッサ、ホンダ・シビックの日本復活?、マツダ・ロードスターRF、BMW・直3になった3er「318i」、VWは2Lターボの本格仕様のパサート。なかなかの自信作が出揃ってきた印象があります。そんな中でトヨタの大本命はC−HRというCセグのクロスオーバー。ライバル各社ではとっくに出そろった感がある「コンパクトSUV」に満を持して最大手が乗りだします。

  話題になっているのは「ザックス製ダンパー」の採用・・・いよいよトヨタもサプライヤーのネームバリューで勝負するようになったのか〜。 それともドイツのサプライヤーをクレジットに入れておけば、無闇やたらと乗り心地を叩かれたりすることはないだろう!というカーメディアを軽くあしらう高等戦術かも? (早くもK沢さんが喰いついてました)。

  現行のスバルWRXがデビューしてグレードによってビルシュタイン製とKYB製が選べるようになりましたけど、たしかにこのクルマの乗り心地に関してカーメディアは何も苦言を言わなかったような・・・。実際にWRX・S4の乗り味はビルもKYBのどちらを選んだところでお世辞にも高級な乗り味ではなかったのですが、カーメディアは封殺していました。特に乗り心地を考えると上級グレードの「ビルシュタイン」にわざわざ追加料金を出す気はさらさら起きません。それでもBMWのE90系Mスポほど突き上げが酷いということではないですけど。

  最近のトヨタはそのポテンシャルを十分に発揮していると言うべきか、何を作らせても予想より良い仕上がりであることが多いです。新開発の直4ターボ(1.2Lと2.0L)は絶妙なところに着地しましたし、新プラットフォームのTNGAも評判は上々でカーメディアをほぼ沈黙させるという快挙を達成しました。何も言えないカーメディアがダメダメなだけかもしれないです。トヨタが本気出せばザックスなんて不要なんじゃないですかね。ちなみにザックスはVWグループが採用して高い評価を得ていますが、他のメーカーでも質の良いダンパーはいくらでもありますし・・・。

  トヨタにとってはいつものことですけども、C-HRを設計するにあたって、他メーカーのSUVを徹底的に分解して、そこから何を読みとったきたのか? これだけ全世界から広く受容されるようになったコンパクトSUVのジューク、ヴェゼル、CX3、XV、X1、2008、キャプチャーなどに対しても相当レベルの決定的な弱点を見つけているはずです。トヨタがBMW・X1と同じものを作ったらカーメディアからどれだけ酷評されるのか(笑)。などなど。

  SUVは「趣味のクルマ」なのか?それとも「国民車」なのか? 「趣味のクルマ」といえばまずは専用設計のスポーツカー(86、ロードスター、ポルシェ911/718など)が思いつきますが、高性能改造車(アウディRS5、BMW・M4、GT-Rなど)であったり、高級セダンや、ラダーフレームを使った本格SUVなども、一般的な用途で使われるクルマとは立ち位置が違っていて、今では専ら好きな人が買うタイプのクルマになっています。かつてのミニバンブームのような賑わいを見せているSUVは果たして「趣味車」と言えるのか?

  スズキが少し前に発売した「イグニス」は超軽量設計(850kg)など、旧車好きには堪らない要素を持っていて、1.2L自然吸気(スズキの誇る名エンジン)に5kg・mほどトルクを増幅できるモーターを積んだHVという気の利いた走り優先のパッケージは「ホットハッチ」として需要されるはずでしたが、価格があまりにリーズナブル過ぎたのか、それともスポーティ派によるハイブリッドへの偏見がまだまだ根強いのか、あるいはCVTが残念なのか?なかなか思うような結果は出ていません。「5MT」を積んでくれば、立派に「趣味のクルマ」なんですけども・・・。

  6MTを用意する「マツダCX3」や、190psのターボを用意する「日産ジューク」には、マツダや日産のスポーツカーを愛するファンへ向けた意識の高さを感じます。この2台は日本でも発売されるようになった「top gear」を見ていても欧州の「趣味的」カーメディア人からの評価は非常に高いです。欧州ではGT-Rのユニットを積んだ「ジュークR」が限定販売されたり、「CX3にはロードスターの血脈を感じる!」と英国人ライターは絶賛していました。

  欧州で評価が高い・・・だから何なんだ? 「ヴェゼルHV」や「スバルXV-HV」に関してもアクセルを踏んで楽しくなる仕掛けはあって、コンパクトで200万円そこそこの価格なのに、アクセルオンすれば単なる「国民車」とは別次元の加速性能が発揮され、その「体感」はゴルフGTI(400万円)やメルセデスA250シュボルト(500万円)の「S」モードでアクセル全開したくらいの高揚感は十分です。いずれもディーゼル、ターボ、ハイブリッドによるトルク増幅を使った子ども騙しと言えるかもしれませんが、そもそも日本に入ってきている欧州車のほとんどがこの手法を使っています。ただし出足の軽快さこそあるものの、中高速の加速になると、2Lエンジンを搭載したGTIやA250のシャープな伸びには及びませんけど・・・。

  果たしてトヨタは「スポーティSUVのアヤ」を今回はC-HRでどのように解釈してきたのでしょうか?これがトヨタCH-Rの本質的な評価基準になると思います。トヨタの近年のヒット作はアルファードやハリアーなど、「高級ピープルムーバー」路線が多く、その成功に引っ張られ過ぎると案外「あれれ?」なクルマになったりするんじゃないか?という危惧もあります。ただし「トヨタ86」あるいは「レクサスRC-F」など、世界基準(ワールドクラス)のスポーツカーやGTカーを作ってきた見識が発揮されれば、SUVに対しての警戒感をまだ持っている保守的なクルマ好きに、SUVとは何か?への新たなる答えを用意してくれるかもしれません。

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