2014年4月14日月曜日

新型スカイラインクーペ 「"エッセンス"の市販化はあるのか?」

  日本でも発売する2ドアクーペモデルとして独自の存在感を発揮する「スカイラインクーペ」。特に先代のCV35から日本車離れしたラグジュアリーな雰囲気を持つようになり、結構このクルマに吸い寄せられて「クルマっていいな!」って思う若者がかなり多いようです。「クルマ離れ」の時代に「現実的」に若者を憧れさせることができるクオリティカー。これはある意味でプリウス並みに社会貢献度が高いクルマだなと思うのです。

  かくいう私もその一人で、数年前のある日、突如思い立って購入を前提にCV36の中古車をリストアップ。現在では130万円くらいからあるようですが、当時は最安値でも200万円以上なので慎重にリストアップを進めて、それなりに目星がついたところでとても賢い彼女に打ち明けると、まさかの大反対。「ギラギラし過ぎていてイヤかも」と言われてしまい泣く泣く断念しました。まあ彼女がいなければクルマなんて要らない生活なので、反対を押し切ってまで買う理由なんてありませんでした。意外とあっさり「じゃあ次」と別のクルマを買いにいきましたが・・・。

  やはり何より唸らされるのが「やる気」満々のデザインですね。同クラスの「3シリーズクーペ」や「Cクラスクーペ」と比べればその差は歴然ですし、後から出て来た「アウディA5」はなかなかの出来(スカクーよりいい?)ですが、価格がかなり高いです。スカクーはどれも3.7LのNAでエンジンに関しては1グレード制なのに対し、A5にはハイスペックモデルのS5 / RS5が追加されなんだか買いにくくなりました。RS5なんてそれこそ1000万円を軽く越えてしまいます。人によって意見は違うかもしれませんが、こういう売り方をされる中でベースモデルのA5を買うのはちょっと悔しい気がします。

  というわけでスカクーはドイツ車のライバルよりもユーザーに「優しい」と思います。日産というメーカーは高級車(クオリティカー)に乗る人に恥をかかせない!という素晴らしいコンセプトを持ったメーカーなんですよね。スカイラインやフーガのセダンならば経済性を考えると2.5Lエンジンでもいい。だけれどもFR車なんだからちゃんと6気筒エンジン載せときますよ!っていう辺りもとても気にいっていたのですが・・・。

  そして何よりスカクーの価値はというと、最近になってアテンザがディーゼルに6MTが選べるようになりましたが、それまでは唯一のMTが選べるDセグ車(とりあえず日本車では)だったことでしょうか。「若者の心を捉える」ことにはいろいろな方法があると思うのですが、例えば若い女性がハーレーダビッドソンの大型バイクに乗っていると聞くと、多くの人は「え〜!」って驚きがありますよね。人にそういう風に驚かれることはかなり多くの人にとって快感だったりするわけです。20歳前半の若者がCV36のスカクーを所有していて、MTでの運転を楽しんでいる!というだけで、周囲の人は「若いのになかなか奥行きがある人間だ」と感じてくれる部分もあるわけです。

  自分をブランディングするためにCV36に乗るというのは、やや本末転倒かもしれませんが、結構いろいろなハウツー本ではそういう投資は積極的にやるべき!みたいな指南が書かれていることも(スカクーは投資価値が高い!?)。スカクーは普段のクルマ(デートカー?)としても高い性能を発揮しますし、趣味のクルマとしても極めて高い水準にあるのだから、親に頭下げてお金借りてでも買って損はないクルマだと思わせる力を持った「特別な存在」でもあるわけです。「自分のブランディングの為に300万円貸して!」と自分の将来の為に親に頭下げられる若者が居てもいいかなという気がしませんか?

  しかし今年発売が予定されている、次期スカイラインクーペはこの伝統が守られるかどうかちょっと怪しい気もします。漏れ伝わってくる情報によると、新型はモデル名を「インフィニティQ60」と変え、セダンとは別のクルマと位置づけて設計されるようです。デザインは5年ほど前に日産が発表した「エッセンス」というコンセプトカーのデザインを煮詰めたものになりそうです。セダン(インフィニティQ50)発売時にちょっと魅力に乏しいデザインを悪名高い英国メディアに批判され、日産の担当役員が「クーペは大きく前進する!」と言い放っているので、「エッセンス」に近いやや過激なスタイルになるかもしれません。

  そしてなにより気になるのが、セダンと共通の3.5L+HVのユニットが使われることです。スポーツセダンとしての評価も高いインフィニティQ50はハイテク装備が評判になっていますが、従来のスカクーの魅力であるMTを備えたアナロジカルな魅力とは方向性が異なります。おそらくこのハイブリッドにはMT設定はできないでしょう。一方でMTモデルの需要も当然に把握している日産は、あらたにメルセデス製の「2Lガソリンターボ」の搭載を決めたようです。こちらにはMTを配備してくるようですが、どうもスカクーの本質的魅力が1つこぼれ落ちてしまう気がします。ちなみにスカクーは中古車を調べるとMTモデルの方が圧倒的に高価格です。2Lターボのスカクーからは「ハーレーダビッドソン」的な魅力を若者は感じられるのか?ということです。



リンク
「インフィニティ・エッセンスの動画」

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