スキップしてメイン コンテンツに移動

トヨタ86 「2015年モデルが登場!このクルマの進化は想像よりも早い!」

  トヨタ86の2015年モデル版のマイナーチェンジが発表されました。このクルマは2012年の春にセンセーショナルなデビューをしたときに、我ながらミーハーだなと思いつつも乗りに行きました。その時は「カスタム用のベース車です!」みたいな立場が強調されていて、ノーマル状態では当然なんでしょうが、やや「うす味」だなという「あまり良くない」印象を受けました。専用設計スポーツカーと聞いて、かなり期待していたハンドリングに関してもクラウンやマークXと比べてそれほど大きなアドバンテージは感じませんでした。

  その後2014年春に大々的に行われたビッグMCの時は、改めて家から15分ほどのところにあるエリア86に行って乗ってきました。今度はなんとビックリで、これが同じクルマか!?は大げさかもしれませんが、以前とは全く違うくらいの感銘を受けました。ちょっと偉そうなことを言うと、「クルマとしての『芯』ができた」という印象で、具体的に言うと2速で踏み込んだとき(試乗に行くとサービスマンが必ずやらせる?)のクルマのコントロール性が飛躍的に向上していて、旋回からのトラクション回復もワンテンポ以上早くなっていました(オマエの慣れだろ!というツッコミもありそうですが・・・)。恥ずかしくらいに安易な言葉で表現すると、「車体剛性が上がって全速度域において過度な入力に対してもかなり余裕がでた!」といったところでしょうか。結論として2014年のMC以降に関してはトヨタ86はかなり「買い」なモデルといって良いですし、しばらくの間はマツダ・ロードスター一択となっていた300万円クラスのスポーツに貴重な選択肢ができたと言えます。

  正直言ってトヨタは一旦デビューさせるとその後は「ほったらかし」で営業力頼みのメーカーだと思っていましたが、スバルのプロダクトとはいえトヨタ企画のモデルとしては予想以上の「修正力」を発揮してくれました。それと同時にこの先はどうなるのだろう?と・・ド素人の私には全く予測がつかないわけですけど、なんだか楽しみなクルマが増えたな!といったところです。もしかしたら近い将来、無性にスポーツカーが欲しくなったら、ボクスターの中古など見向きもせずに新車で86を買うのかな?という予感すらあります。ボクスターのオーナー様からしたら「オマエふざけんなよ(笑)」とか言われてしまうかもしれないですが、「クルマの操縦性」というスポーツカーの根元的な要素において結構いい勝負しているんじゃないかと・・・。

  86は旋回性能を、BRZは直進安定性を重視する方向に躾られているらしいのですが、ステアリング・ペダル・シフトそれぞれに置いて非常に操作の幅が広いクルマです。それこそマツダ・ロードスターと双璧を成すくらいに「次のコーナーはどんな走り方をしてみようかな・・・」というイメージが連続的に湧いてきます。そして信号に引っ掛かってそれが中断してしまうと、軽く怒りを覚えるくらいになんとも心地よいドライブが出来ます。こんなに楽しいクルマに「ターボを付けろ!」とか言う人は野暮だと思いますよ。直線番長が欲しいならドイツ車が間違いないです。M135iとかいいんじゃないですか?アシも動きますし、車体も粘りますから、高速道路の継ぎ目を通過したときの所作は抜群です。けど・・・。

  ボクスターももちろんNAエンジンなんですけど、ドイツらしい安全第一でハンドリングを抑制する方向なので、86やロードスターほどの自由さは感じられないです。オープンモデルなのでこれでいいのかもしれないですが、2.7Lのベースモデルに乗る限りではポルシェらしいグイグイくる加速ってのはあまり感じられません。直進安定性においてもポルシェだからと思って想定していると、あれれ・・・ってくらいです。旋回性能重視とされる86の方が前を向いたときの糸を引くようなリニアな加速感があります。ハッキリ言ってしまうとボクスターよりも86の方が、「楽しむ」という直感的な要素においてかなり上手く作られていて、「乗り方がいろいろあること」がスポーツカーの最大のポイントだとするならば、「86>ボクスター」という結論でもいいと思います。

  86の何がそんなに凄いのか?というと、タイヤをグリップさせるかスライドさせるかの自由度が高い!という点に尽きます。そんな「滑る」クルマがこのご時世に許されるのか?と思う人もいるかもしれませんが、スリルというよりもコントロール出来る範囲でのスライドなのですぐに慣れますし、よほどのオーバースピードでなければ危険ということはまずないですし、ペダルコントロールの楽しさがとても体感しやすいのは間違いないです。トヨタも発売当初からドリフトマシンとしての性能をアピールしてましたが、まったくその通りで、BMWなどのダイレクトなハンドリングを得意としているメーカーのクルマに長く乗っているならば、場所さえ許せば簡単に振り回せます。BMWだとギリギリ粘ってしまうレベルのアグレッシブなハンドリングを繰り出すと、なんともいい塩梅にスライドします(最初はちょっと焦りますが・・・)。

  さらにステアリングのずっしりとした質感も、やはりクルマを操るフィールを重視する人にとっては大きな魅力です。「86ってどうなのよ?」「300万円そこそこで大したスポーツカーなんてできないでしょ?」みたいな意見もあるかもしれないですが、「個性」という意味では十分過ぎる魅力を持っています。スバルとしては皮肉なことですが、次世代の2枚看板として想定しているであろう「WRX S4」と「レヴォーグ」なんかよりも断然に楽しいクルマに成長してしまった!という嬉しい誤算なんじゃないでしょうか?

  あとボクスター及びポルシェの名誉の為に言っておくと、乗り方のバリエーションこそ少ないものの、「加速・旋回・制動」というドイツの乗用車が特に意識する3つの基本性能においては、決して86に負けるものではないです。そしてボクスターはあくまで、1989年にデビューして世界で大ヒットしたマツダ・ロードスターのアイディアを元にポルシェが構築したクルマであり、ファッショナブルなオープン2シーターで、市街地から高速道路までこなすオールラウンドなラグジュアリー・スペシャルティカーとしての完成度は非常に高いです。特にロードスターのフォロワーとして本家を凌ぐのではないか?と思われる「制動力」は素晴らしいです。86のブレーキングはどうもスバルのAWDスポーツみたいなフィールで、マツダやポルシェの感覚で踏むと制動距離が結構多くなってしまいます。効き始めの部分がかなりゆるい印象です・・・。2015年モデルの86はその辺の進化があるのか?ぜひ乗りに行ってみたいと思います。


リンク
最新投稿まとめブログ


コメント

このブログの人気の投稿

MAZDA・CX-5 (2025年7月・新型公開)

  スバル・フォレスターが人気で焦った!? MAZDAが欧州市場向けの新型CX-5を発表した。CX-60、70、80、90の新型4車種を一括企画で開発して順次投入して以来のMAZDAの自社開発の新型モデルということで、注目度は非常に高い。新型フォレスターが2023年11月に北米市場向けで発表された時は、日本ではカーメディアやYouTubeがこぞって紹介することはほとんどなかったのとは対照的である。注目度が高く動画で再生回数が多く稼げるMAZDAの新型車ということで、自動車系ユーチューバーにとっては追い風が吹いている!? 海外発表時はほとんど取り上げられなかったスバル・フォレスターであったが、1年半経過して日本発売となり、本体価格も大きく400万円越えしたにも関わらず日本市場でスマッシュヒットを遂げた。先代フォレスターは地味ながらもモデル末期になって海外市場での人気でリセールが急騰したり、海外メディアの「ムース・テスト」で好成績 (ポルシェ・マカンを圧倒) を収めたこともあって、コアなユーザーからの熱い支持を得ているようだ。さらに「ミドルSUV=高級車」という価値観の変化もあって幅広い年代から受注を得ているようだ。 ディーゼル廃止 すでにわかっていたことだけども、新型CX-5では2.2Lディーゼルエンジンが採用されない。欧州の排ガス規制に合わせるため、すでに欧州向けMAZDA3、CX-30も「2.5L・MHEV」への換装が完了している。今回発表された欧州向けにも同じユニットが搭載される。2.5L自然吸気を141hpにデチューンさせている。CX-60ほかの大型4モデルでは、新設計のシャシー、エンジン、ミッションが一度に投入され、MAZDAの「革新」モデルであったが、今回はシャシー、エンジン、ミッションは既存のもので、MAZDAの「伝統」「コンサバ」なモデルである。 2015年のNDロードスターでは、初代NA(1989年)への回帰を宣言したり、現在もロータリー駆動のスポーツカーの復活をほのめかすMAZDAは、トヨタや日産など他の日本メーカーとは逆のベクトルを持つ稀有なブランドだ。BMW、ポルシェ、フェラーリなど、ファンから「原点回帰」を求める声が上がる欧州の名門ブランドに近い存在だと言える。CX-60の登場よりも、CX-5の「コンサバ」なFMCの方にワクワクして...

BMW3シリーズ (2025年9月・50周年記念車)

  経済成長 石破首相の号令のもと、盛んに賃上げが叫ばれていて最高賃金も最低賃金も順調に上昇しているらしい。2010年代の中国で強烈な経済成長を支えてきたギグワーカーのマッチングアプリが、日本でも本格的に普及し始めた。東京ではタクシー、運送、配達で月収60万円稼げるようになり、家賃&駐車場も20万円が相場になってきている。この10年でBMW3シリーズの価格も500万円から700万円まで一気に上昇したが、ダイナミックな賃上げ&インフレの時代を象徴している。 50年で7世代の歴史を誇るBMW3シリーズは、大人気だった4代目(E90系)の頃に300万円台だったこともあり、現行(G20系)の価格設定はかなり市場の反感を買っている。E90系の頃はMAZDAデミオが98万円で販売されていて、それが現行のMAZDA2では170万円くらいまで上がっているのだから、インフレ率はBMWもMAZDAもほぼ同じだ。BMW車両も、MAZDA車の部品も円安の影響を受ける。 インフレが既存シリーズを破壊 3シリーズに限らず、VWゴルフ、メルセデスCクラス、トヨタクラウン、日産スカイライン、ホンダ・シビックなど50年にわたって車名が続くモデルは、車両価格の高騰で販売が難しくなっている。フェラーリやランボルギーニのように、FMCの度に車名を変えてしまった方が販売側は助かるかもしれない。唯一の例外と言えるトヨタ・カローラは徹底した低価格で人気だったが、HEVのみとなった今後はどうなるだろうか・・・・。 日本のBMWファンが直6を神格化してしまった。日本向け正規品だと5シリーズ(M5を除く)からは直6が廃止されたが、3シリーズにはM340iがギリギリ1000万円を下回る価格で設定されている。367psを快適に扱うためにXdrive (AWD) となっているようだが、ドイツ車のAWDは100万円以上割高になるのだから、もう少しデチューンしてFR版で200万円くらい安い価格設定があっても良さそうだ。 使いやすいグレード 雨や雪が多い日本では、各社がAWD技術を競って開発し、日本車ならばAWD化で20〜40万円程度しか価格差が出ない。スイスの一部の豪雪地域ではスバル車が異常な人気を誇るなど、AWD技術に関しては日本メーカーが欧州市場でも高く評価されている。ドイツメーカー...

トヨタ・アクア (2025年9月・大規模MC)

  幸せなBセグ・カーライフ 休みの日に奥多摩や秩父周辺をドライブしていると、パワースポットを求めてだろうか、「練馬」「世田谷」「品川」「横浜」の「わ」ナンバーを多数見かける。若者が2〜3人で連れ立って乗ってくる定番のレンタカーはノートe-POWERとアクアが2大勢力のようだ。三峯神社、日原鍾乳洞などの首都圏の山間部に位置する名所へのアクセス道路は、対向車を処理する技術が必要な隘路もあるので、都心から往復200km近い行程を考えると燃費の良いコンパクトカーは向いている。 20歳そこそこの頃は、いつでも体調万全でパワースポットの霊言を感じることはなかった。しかし慢性的な病気と体力低下に悩まされる年になってみると、趣味として興じるサイクリングで得られる全能感と、ウイスキーと美食による解脱感とともに、ドライブ&パワースポットは仕事に疲れてモチベーションが低下した時の癒しの時間としてはコスト的にも手軽を実感している。奥多摩や秩父は有料道路なしの下道で行けるのも良い。 セグメント消滅の危機!? アクアの最軽量グレードが1120kg、同じくノートが1230kgで、高速道路での安全性を考えると1200kg以上の車重が好ましいのでノートに適性がありそうだが、e-POWERの高速燃費が非常に悪いのが玉に瑕だ。ヤリス、フィット、MAZDA2、スイフトも揃って1200kgを下回る車重なので、軽自動車ほどではないが、Bセグの高速巡航はオススメできない。 初代アクアは「プリウスC」として投入されていたが、近年はBセグ車は北米市場で販売されなくなっている。東南アジアや南米などもBセグのSUVが急速に進んでいて、道路事情が良い日本と欧州に向けた設計になっている。たとえトヨタであってもヤリス、アクアの次期モデル以降の継続には慎重にならざるを得ない。経済基盤のある国なので、価格と性能のバランスが取れたモデルなら、そこそこ安定した売り上げは見込める。 大ヒット車の後継はツラい 初代アクアの大ヒットは13年ほど前だったが、現行(2代目)になってから売り上げは伸び悩んでいる。2012年から5年連続で国内20万台超えを達成したが、現在は7〜8万台程度に落ち着いている。そんな中で2代目アクアは、先日のビッグマイナーチェンジで、214万円だったボトム価格が、一気に248万円まで...