2015年9月25日金曜日

ルノー・メガーヌ・ゼン 「価格高騰の日本市場に商機あり!!!」

  ルノーは日本の自動車産業の宝だった日産をまんまと抱え込んだフランスの半官半民メーカーです。そんなわけだから、ある程度は日本の自動車供給についても責任を持ってもらいたいものですね・・・なんて場末の酒場で交わされる自動車好きの談笑は、フランス本国まで届いているのでしょうか。日本における日産のラインナップは見るからに貧弱で、日産系列のショールームはどこか枯れ果てそうな雰囲気すら感じます。ネッツもマツダも連日の盛況、スバルもホンダカーズも新型モデルがずらりと並び、納車待ちの新車が次々と降ろされてきます。しかし近所の日産には・・・店舗正面の一番良いところに売れ残った?ノートNISMOがずっと置かれています。今日見たら決算で25万円引!と新しい表示が・・・。

  500万円以上する高級セダン(スカイライン、フーガ、シーマ)は価格がネックになってそれほど売れないかもしれないですが、その下の価格帯を受け持つティアナとシルフィがそれ以上に不人気みたいですね・・・。北米で話題になっている、かなりカッコいいFFのセダンは日本でも十分に人気出そうなデザインですけど、北米生産車は日本に持ってこないというルールのようです。

  日産の市販車は福岡(苅田)・横浜(追浜)・栃木の国内3拠点で車種ごとに分けていて、中型・大型のモデルに関してはFFは福岡(中国向け)、FRは栃木(北米向け)に集約されています。中国向けのFF車と北米向けのFR車(北米向けFFは現地生産)とハッキリ色分けされてしまっては、今さらに新型スポーツカーなんて一体どこで作るの?ってことになります。未だに根強いシルビア復活待望論ですが、生産ラインの確保という非常に大きな難問に阻まれているのがわかります。現状ではライン設備の全面更新でもなければ軽量スポーツを作る設備は無いでしょうし、どれだけ販売が伸びるか未知数のスポーツカーの為にライン改造の投資はできないといったところのようです。

  今や年間800万台を売り上げていて、トヨタ・VW・GMの3強に迫る勢いのルノー日産ですが、グローバルでの販売チャンネル展開は至って地味です。それでも成長を続けているからいいのでは?という意見もあるでしょうけど、グローバルなプレミアムブランドへ成長させよう!という気概がイマイチ感じられないインフィニティ・ブランドは、メルセデスの「裏ブランド」として共通設計車がどんどん増えていくことになりそうです。もしかしたらいずれはメルセデスをグループに迎え入れる算段となっていて、そのポジションを開けて待っているのかもしれません。とりあえず年内にもメルセデスAクラスを使ったインフィニティブランド車(Q30)が予定されているようです。

  さて親会社のルノーですが、日本市場でのフラッグシップになるCセグの「メガーヌ」にベースモデルの「ゼン」が誕生しました。グレード名の由来は「禅」だそうですよ!だったら日本でのグレード名は「めがーぬ・禅」にしてはどうでしょうか!?ちょっと文字の雰囲気が微妙なのでやっぱり「メガーヌ・禅」ですね。漢字を使うと中国車と間違えられる!? 特筆すべきは1.2Lターボで250万円という本体価格で、トヨタ・オーリスやVWゴルフの同排気量のグレードよりも安く設定されています(後だしジャンケンですが)。

  このクラスもすっかりプレミアムブランドが幅を利かせていて、大衆向けブランド車は国産・輸入ともにあまり多くないです。プジョー308(1.2Lターボ)や新しくなったフォード・フォーカス(1.5Lターボ)あたりがメガーヌ・ゼンの比較対象ですが、どちらも本体価格はおよそ300万円とやる気を感じられない価格になっています。メガーヌの1.2Lターボはスペック的にはアクセラやインプレッサの1.5L車と2.0L車のちょうど中間くらいです。オーリスの1.8Lと同じくらいでしょうか? 

  日本車とガチで価格競争できる輸入車がいよいよ登場しました!と大きく宣伝して上げたい気分ですが、ちょっとカラクリがあって250万円の価格で揃えると、豪華装備が標準となるアクセラ2.0LのLパケだったり、インプレッサHVだったり、インプレッサ2.0Sアイサイトだったり、オーリス1.2Tも高級インパネが組み込まれています。それにひきかえルノー・ゼンはまさにノーマルのメガーヌであり、内装もフランスの大衆車といった素の状態です。エクステリアに関してはルノーが気合いを入れて刷新したので、センスが光りますが、インテリアはちょっと前の日本車(スバルやホンダ?)のデジャブが浮かびます。今や日本メーカーのCセグの内装は女性ウケ(奥様ウケ)を狙って上品に作られてますから、まともに比べると、ややメガーヌは分が悪いですね・・・。

  1クラス下のルーテシアが200万円くらいから展開されていて、プレミアムCセグのAクラスと1シリーズがどちらも「298万円」で争っていますから(ボルボやアウディはもっと高く、レクサスはさらに高い!)、Cセグ車の価格競争の幅はかなり限定的なものになってしまいます。とりあえず本体価格を250万円に固定して、そこにどれだけの装備を積み込むか?が今後の勝敗を分けるポイントになってきます。スバルは競争激化を見越して、1.5Lのインプレッサにもアイサイトを装備したグレードを置きました。アイサイトと全く同じカメラを使ったスズキが小型車に自動ブレーキと付けはじめたので、いよいよ足元に火が付いたといえますが・・・。

  メガーヌにはすでに「ルノースポール」「220GT」「GTライン」の3グレードが設定されていますが、いずれも足回りやシートなどスポーツチューンを考えたグレードになっていて、「高級感」を演出できる設定はありません。「我々はプレミアムブランドではありません!」といった割り切りが、確かにルノーの魅力ではありますが、軽自動車から高級車まで商用車を除くあらゆるサイズのクルマの設計に「上質さ」が盛り込まれる日本市場のトレンドを考えた「笑顔になれる」スモールカーをこの「ゼン」で地道に追求していくこと(値上げはNG)で、閉鎖的といわれる日本市場の扉が開くのではという気がします。今後の展開に期待したいです。


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↓ルノー製のチャリをメガーヌ・ゼンのルーフ上やリアに積載して、観光道路を走れば欧州を旅する気分になれそう!





  

  

  

  

2015年9月7日月曜日

VWパサート「イメージ通りの国民車セダンと言われれば・・・」

  ちょっと前の話になりますが、VWジャパンの庄司社長が辞めたことがカーメディア中心にニュースになっていました。この人はまず髪型が個性的なのが印象的でした。ほかのインポーターの社長と比べても若々しくておそらく優秀な人だったんだろうとは思いますが、やたらとテレビにも出てきて、自身のキャラを被せているつもりなのか?「VW=デキる人のクルマ」的なアピール戦略には、少々引っ掛かるものがありました・・・。でもこういう人はプライベートではカイエン乗ってたりするものです。ポルシェのインポーターの代表だったらもっとしっくりきていたかもしれません。

  とにかく外見からもしゃべり方からも「エリート臭」がプンプンするわけです。ただそれに反比例して「クルマ好き」のオーラってのは相対的に薄いです(実際はどうだか知りませんが)。トヨタの社長さんみたいな素朴な人が真顔で「86いいでしょ!」と言うからこそ説得力が生まれて売れるのだと思うんですよね。VWの日本での伸び悩みは逃れられないもので、メルセデスの低価格戦略の前になす術なく、誰がやっても同じ結果だったでしょうし、もしかしたら庄司さんは本国に向かって「ディーゼルを早くしてください!もしできないならば辞めます!」くらいのことを吐き捨てたのかもしれませんが・・・。

  さてゴルフと並ぶVWの看板モデル「パサート」がFMCを迎えました。マツダで言えばアテンザ、スバルで言えばレガシィにあたる一般ブランドのフラッグシップのFMCですから、本来なら放っておいてもディーラーに人がどっと押し寄せる騒ぎになると思うのですが・・・残念ながらパサートはそこまで日本市場に根付いておらず、クルマに興味が無い人にとってはほぼ知らないであろう車名です。余談ですが先代のパサートの日本用CMを、そのままパクったかのように某国内大手メーカーがマー◯XというクルマのCM作ってました。あの当時はパサートのダウンサイジング戦略が世界最先端だとカーメディアは口を揃えてましたから、ト◯タもかなり意識はしていたようです。

  VWというと2年前のゴルフのFMCの時には、日本のカーメディアを完全にジャックして、ほぼ意のままにライターに記事を書かせてました。無個性で判別がつかないくらいのライターばかりが動員されて、「世界のベンチマーク」というVWから指示されたであろう?キーワードを必ず使うので、さすがにめちゃくちゃ胡散臭かったですね。今回もジャガーXEやアルファ・ジュリアへの興味を掻き消すかのような、大掛かりなメディア戦略を採ってくるのでしょうか?

  現在のVWには数年前のような日の出の勢いがありません。シロッコやパサートCCといった個性的なモデルは、アウディとの競合による共倒れを避けたようで、順次アジア市場から姿を消しました(販売面で振るわず)。現行ではAセグ(up!)、Bセグ(ポロ)、Cセグ(ゴルフ)、Dセグ(パサート)の各セグメントに基準車がありますが、日本勢に対して互角に競争できているのはゴルフだけ(もちろん快挙!)という状況です。Aセグ、Bセグは日本車も非常に層が厚いので、up!とポロの現状でも上出来といっていいでしょうし、これ以上の成長はかなり難しいでしょう。VWが再び輸入車ブランド1位に返り咲くには、パサートが日本市場で大ブレークすることが必須に思えるのですが、出てきたパサートは先代から何が変わったのか簡単にはわからないほどぼやけています。

  ゴルフ6が7になった際に、話題のMQBプラットフォームを採用し、ユーロ6に対応したユニットにアップデートされたくらいの、「作り手事情」の事務的改良がパサートにもまったくそのまま行われたようです。とりあえず今のところは諸般の事情で日本ではそれほど「売る気無し」であってもいいと思いますが、果たして日本市場が待望するディーゼルユニットが載ったところで何が変わるのか? しかしパサートがやる気が無いのはあくまで日本市場を見ての話であって、欧州ではすでにディーゼルもプラグインハイブリッドも発売されていて、日本や中国に供給されている1.4Lターボなんて全くカーメディアには登場しません。ゴルフも欧州では日本未導入のディーゼルが中心で、廉価グレードにはやはり日本未導入の1L直3ターボが使われています。

  ここまで露骨にやる気を見せないVWに、日本市場のユーザーは一体どう接していけば良いのか?という気もします。 ・・・しかしメーカーの野放図な「やる気」などよりもユーザーの想像力に任せるスタンスを大切にするのが、本来のVWというブランドのあるべき姿だ!といわれれば、自分のやや性急な結論を恥じる思いもします。やたらとやる気を見せている某日本メーカーのここ数年のモデルに果たしてただの1台でも十分に満足できる(買いたくなる)クルマがあったでしょうか? メーカーがやる気を出し過ぎて、その結果我々の想像力の入る余地がなってしまって「なんか違うな・・・」と後ずさりしてしまいます。

  インターネットで手軽に人のアイディアがなんでも覗ける時代ですから、わざわざ時間をお金を使って遠くまで実物を見に行く必要もなくなりました。想像力が無くなった!というと語弊があるかもしれませんが、想像力が働くまえに具体的なイメージがすぐに検索できてしまう時代。冷静に考えるとちょっとヤバい時代に突入している・・・ということをふと気づかせてくれた新型パサートかなと思います。

  モータファンイラストレーティッドで福野礼一郎さんが新型パサート評のあとで「たった1台でいいから、こういうほれぼれするようなデザインの日本車があったらいいのになぁ」と書いていて、読後にものすごい違和感を感じました。しかし福野さんにこう書かれると、ちょっと再考したくもなります。「テーマカラーがシルバーとブルーですか・・・」まあCクラスもスカイラインも同系のテーマカラーなわけですが、パサートだとあまりにも地味すぎませんか?・・・というのも先入観の塊ですね。ちょっとこの先の展開がわからない新型パサートですが、ややネタ切れ気味のセダン市場を揺さぶるような追加設定を待ちたいところです。


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