スバル・フォレスター 『変わらない信念』



 SGPのフォレスター
  間もなくデビューするであろう新型フォレスターが北米で公開されました。旧型(カッコ)と比べると4625(4595)×1815(1795)×1730(1715)mmとほぼ変わらないサイズさらにデザインもほぼマニアでないと判別不能なレベル(ゴルフ6と7みたいな)。変わったのは中身で、プラットフォームが新しくなった。いかにもスバルらしい実直なクルマ造りで、とうとうホンダ&マツダの世界2トップを衝突安全基準で喰ってしまったSGP(スバルグローバルプラットフォーム)は、動的性能はともかくレガシィ、レヴォーグ、フォレスターもとりあえずFMC後に買おう!!そう考えるしかないスバルのマーケット戦略・・・。

CX5を超える安全性!?
  SUVは北米のIIHS(保険料率に使う安全性評価)で苦戦する傾向にありましたが、マツダCX5がトップカテゴリーに名乗りを上げると、一気に10000台/月以上まで販売が増えるなど、アメリカ市場のトレンドは『SUV×安全性』が重視されていると断点しても良さそうな状況です。それに対してJNCAPで驚異のポイントを叩き出したインプレッサ/XVが、日本のカーメディアによって完全無視されているのは忍びない。広告費をたくさん支出するトヨタやドイツメーカーにとては『衝突安全性』は非常に都合が悪いデータではありますから・・・。

クルマのコモディティ化に歯止めを!!
  特に他の日本メーカーに顕著に見られますけども、SUV市場に遅ればせながら参戦してくる新型モデルに、当然のように『個性的デザイン』と『差別化のための機能』がどっさり乗っかってきますが、なんだか見ているとちょっと物悲しい気分になります。トヨタやホンダが過去最高益を達成して自動車メーカーの経営環境は良くなっているわけですが、50年以上の歴史を誇る製造業が、新手のITビジネスの巨大グループと株式市場で競うという滑稽な状況が・・・目に浮かびます。

メディアに中指を突き立てろ!!
  『注目度』が高い商品・サービスばかりが取り上げられ、変わり映えがしない新型モデルを出したら、散々にど素人な『日○トレンディ』や『東○経済』に叩かれる。ちょっと待ってくれ!!暴言になってしまうかもしれないが、クルマは『ビックリマンチョコ』でも『たまごっち』でもないし、『セカンドライフ』や『showroom』のような消耗型『課金』サービスでもない。

消費されないジムニー
  別に『ジューク』や『C-HR』がたまごっちだと言っているわけではないです。たまごっちが大ヒットした1998に、現行ジムニーが発売されていますが、2018年の今も大人気のままいよいよフィナーレを迎えました(先日生産終了)。新型ジムニーがワゴンRのような『狙った』デザインにならないことを切に願ってますが・・・。

スバルの覚悟
  利益優先は営利企業においては仕方のないことです。発売モデルも1年に1台か2台。三菱に至っては4年ぶりに新型車を発売するありさま。これでは幸運にも『主査』に選ばれたエリート開発者は、気合が入りますよね。絶対に失敗したくない。アイディアを可能な限り全て詰め込んで、一世一代の大仕事に挑むわけですが、そのスタンスと比べると、ここ数年のスバルが出した『レガシィ』『インプレッサ』『フォレスター』は、ちょっと信じられない出来栄えです。同じことはBMWにも言える(5シリーズ、X3など)。スバルとBMWは『消費されない』という強い決意を持ってブランド一丸でクルマ作りをしているようです(スバルもBMWも正念場だけど頑張れ)。

得意なことをやればいい・・・
  変わらないことに価値を置くスバルとBMW。それに対して、SUVをビギナーズラックで当ててしまったMAZDAや、『変化』『スピード』をかつてないほどに意識させるメルセデスそしてトヨタ/レクサスがセールス拡大に意欲的です。VW/アウディも『変わらない美徳』を貫いていましたが、いよいよ大規模なSUV攻勢によって新たな『顔』を出してくるようです。

 

北米8位をめぐる戦い
  VWアトラスクロスというモデルが同時にデビューするようですが、縦方向にユーティリティを主張するフォレスターと、横方向にフラット感を醸し出すアトラスクロスのどっちが売れるか!?は今後のSUVのトレンドを占う上で興味深いですし、ぜひ日本市場でもガチンコしてほしい。先日スバルもレヴォーグの次世代コンセプトらしきモデルを発表していましたが、ちょっとクロスオーバーの要素も入って、サイドウインドーが小さめのクーペみたいなデザインでした。ワゴン・クロスオーバー・クーペ!? このアトラスクロスもパサートヴァリアントの派生型みたいなものらしい。

メルセデスとBMWはコケたけど・・・
  SUVクーペに関して言えば、メルセデスもBMWも日本市場では今のところ相手にされていない。700万円くらいもするので価格がネックだし、果たしてコレがイケているのか不安でなかなか手が出せない。割高なくせに「ダサい」とかレッテル貼られたら踏んだりけったりだし、肝心な時に限ってカーメディアは頼りにならない。どいつもこいつも「いいんじゃないの〜」と気の抜けたレビューでごまかす。書いてる本人が半信半疑なんだろうけど・・・。


スバルはやはりキーマンになる
  ハリアーと同じくらいの価格帯で、VW、スバル、マツダが激突する筋書きがうっすら見える!?マツダも2021年から北米工場でアテンザのクロスオーバー版をFRシャシーで作るらしい。しかも生産拠点がトヨタとの合弁で作る場所なので、トヨタにもOEM供給される可能性もある。レクサスのSUVはランクルベースのLXを除き、FFベースの横置きのRX、NXが北米でも主力になっている。レクサス向けにランクルのようなラダーフレームではなく、モノコックで大排気量が搭載可能なFRシャシーが欲しいはず。北米で40000ドル〜で売られているアルファロメオ・ステルヴィオのようなクーペルックのSUVが出来上がりそうだ。




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