2013年10月10日木曜日

インフィニティQ50 「ハイブリッドが"官能"な時代の到来か」

  やはり日産はトヨタとは様々な考え方が違うようです。それはそれで個性があってとても良いことですし、ユーザーにとっても選択の幅ができることは歓迎すべきことであります。あくまで私個人の意見としてはレクサスIS300hは、研ぎ澄まされたせっかくのシャシーにはやや残念なパワーユニット(直4+HV)だったと思います。このクラスのクルマはやはり常に「純度」を高く維持することに絶対的な価値があると思うのです。

  いよいよV6搭載スカイラインが3代目を迎えました。初代モデル(v35)は旧スカイラインのファンから大きな失望を買ったクルマでしたが、日産はその後もスカイラインを日本市場では「異質」な存在となるまで大切に育て上げました。初代モデルが日産のエリート開発部の手による確信に満ちたクルマであったという事情もあったようですが、3.7LのNAエンジンでクラス最高の車体剛性を誇りカタログ燃費は堂々の9km/L!というアンタッチャブルなスパルタンセダンを10年に渡って販売してきました。

  その後に開発された派生車のGT-Rもそうですが、世界のどんなライバル車にも絶対に負けないクルマを作るという「世界最強主義」?を貫きました。GT-Rあポルシェ911ターボを圧倒し、「スポーツタイヤを使わないと達成できない」とポルシェが主張するような究極の加速性能を手にしました。V36スカイラインは北米市場でプレミアムDセグとして人気を博したE90系の直6ターボ(308ps)に対して、出力で負けていた3.5LのNA(280ps)をわざわざ載せ変えて3.7LのNA(333ps)をBMWを視野に入れて開発しました。

  そんな日産のどこまでも突き抜けた高性能車への熱意は、この新型スカイライン(インフィニティQ50)にもそのまま持ち込まれているようです。今回は3.7LのNA(333ps)よりもさらにパワフルなハイブリッドのユニット(354ps)を載せてきました。日産がレクサスGS450hやBMWアクティブHVに対抗するためにフーガ用に作った高性能ハイブリッドです。

  ただ日産がこのユニットをライバル車のエコ化が急速に進む中で、頑なにV36スカイラインに使うことを拒否した理由は、ハイブリッド化によってスカイラインの魂であるハンドリングが無力化してしまうからだったようです。日産はスカイラインのハイブリッド化に際して「ステア・バイ・ワイア」という電気信号を使ったステアリングを新たに開発しました。これは通常の電制ステアを大きく上回る速さでステア操作が伝わるので、車重が多くなったクルマの旋回性能の向上に大きく役に立つのだとか。

  ただ結局はタイヤの性能次第なのではないかという気がしないでもないですが・・・。とにかく、さすがは日産でこれならハイブリッドやディーゼルを搭載してもアテンザのようにフロントヘビーで、辛辣な(ドイツ車好きな)評論家から酷評されることもないでしょう。メルセデスやBMWと比べても圧倒的といえる車体剛性を誇るため、当然ながら「骨太」な構造で車重が嵩んでしまうスカイラインにとっては待望のシステムと言えます。もはやハイブリッドのバッテリーやら安全装備やらをたくさん詰め込むパッケージングを止めないとしたなら、これはスポーツセダンへの回帰に向けての根本的な「ソリューション」として有効に機能する数少ない方法だと言えます。

  トヨタのマーケティングからすれば、これからのカタログモデルのセダンで走りに徹することはナンセンスなのかもしれません。「走り」ならスポーツカーで!「パッケージングと高級感」こそがセダンの本領!という主張が見え隠れするのが最近のトヨタ/レクサスのラインナップといえます。そんなトヨタと敢えて「カチ合わない」ことこそが、日産のスカイライン開発の本音なのかもしれませんが、それにしても見事なまでの「こだわり」に感服するしかないですね・・・。たとえレクサスRC-Fが発売されて400psオーバーで対抗しても何も問題はないですね、日産にはGT-Rがあるのだから! 

  もちろんレクサスIS350とRC-Fといった"官能"モデルはスカイラインに匹敵する魅力を持っています(RC-Fは未発表ですが)。そしてスカイラインの3.7Lと3.5L+HVはさらに高い次元を目指そうとしています。どうやら日本のDセグ車のレベルはとうとう世界の頂点を突き抜けたところにやってきたようです。この2台の争いからみれば、アテンザ、F30、W204、キャデラックATSなどは遥か下界のウジ虫にすぎないかもしれません・・・。こりゃスカイラインを買うしかないな!(と書いてて思いました・・・)


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