東京MSで新型ティアナを見た時の印象は「地味」だなってくらいだったのですが、あれから3ヶ月が過ぎていろいろなメディア評を読んで、いろいろ思い違いをしている点も判明して、さらにあれこれ考えています。このクルマは相当に奥が深いのではないか?とすら思い始めています。
まずあっさりと騙されてしまうのが、それほどやる気を感じないエクステリアです。大概の人(私も)は、日本に「インフィニティ」を導入する布石として、「日産」とは別のブランドなのだと周知するためのインフィニティQ50(新型スカイライン)との差別化を図ったと考えるのが自然なほど。ただそこで思考停止してしまっては日産の思うツボな気が・・・。
あまりにも多くの事が変化してしまっているインフィニティQ50。日産はそれほど積極的にアピールしている感じもなく、独特の上から目線というか「分かるヤツだけ買えばいい」的なニヒルな姿勢。こういう売り方されると何となく納得してしまう。日産は世界最高水準のメーカーでインフィニティQ50はとんでもないポテンシャルを秘めた「スーパーセダン」なのだと。だけどもそのスーパーセダンとやらは本当に「パーフェクト」なのか?
日産が北米インフィニティチャンネルで売り出したV6搭載スカイライン(V35、V36)は、プレミアムセダンとして直6ターボのBMW3を狙い撃ちすべく、3.7LのNA(333ps)に載せ変えて覇権を握りました。快進撃にVC36スカイラインクーペをパクったヒュンダイのジェネシスクーペが登場するほどでした。欧州の排ガス規制と戦いながらのBMWに対し、グローバル販売で5倍以上の日産が、開発費にものを言わせてパワーで押し切る・・・。なんかあまりカッコ良くないですよね。今回の新型も明らかにスペック重視。
一方で日産ブランドから発売しているアルティマ(ティアナ)は、先行する日本車セダンのアコード、カムリを追従すべく、3代目(初代ティアナ)からボディサイズを拡大し、日本車による3つ巴に持ち込むべく追い上げを掛けます。2002年に日本車で初めて北米カー・オブ・ザ・イヤーに輝くなど、着実にアコード、カムリとの距離を詰め、5代目(新型ティアナ)でとうとう月販でアコード、カムリを超える月もでるなど完全に射程圏内に。
トヨタ・ホンダ・日産の三つ巴といえば、日本でのミニバン競争。今では完全にセレナが頂点に立ちました。スカイラインやエルグランドみたいにハイパワーと迫力で押し込む展開が好きそうな日産ですが、実は排気量がライバルと横一線といった「レギュレーション」がある戦いがとても強い。スカイラインみたいなハイテクもいいですが、クルマ作りを極めた日産を深く味わうならばティアナじゃないの?という気がするんですよね。
まあ細かいことを言えば・・・いろいろあります。気になる点といえば、中国で生産されている仕様がベースにされていることで、もちろん生産は日本の工場ですが、福岡県で行っているので部品の多くは中国からの調達なんだろうという予想が付きます。気にする人とそうでない人では大きく反応が分かれるとは思いますが・・・。
逆に良い点はしっかりストロングポイントを作ってくれているところです。初代から好評な「助手席オットマンシート」はスカイラインもレクサス車の大半も装備できないプレミアムな設備です。もちろん高速走行中にフルフラットなんてしていたら危険極まりないですけど、フットレストだけなら走行中でも使えますし、当然に喜んでもらえます。乗り心地&静粛性も設計上スカイラインよりいいくらいだと予想されます。なんだかんだでVWゴルフ的にちやほやされてもいいクルマじゃ・・・。
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