2014年3月31日月曜日

フォード・フィエスタ 「エコブーストを日本で!という熱意」

  どのくらい本気なのかわからないのですが、フォードが欧州で展開しているコンパクト(Bセグ)を日本で再発売しました。まあとりあえず「ツッコミどころが満載」のクルマで、結論の早い日本市場ではどうやら「フロントアウト(却下!)」が濃厚な気配があります。ただ個人的な意見としては、これだけ「個性的」な小型車はぜひ長く日本市場で売り続けられてほしいなと思ったりします。購入の可能性はそれほど高くはないですが、ゼロでもないので。

  さて「フォード・フィエスタ」のツッコミどころを幾つか挙げてみましょう。まず1Lターボ(エコブーズト)で「229万円」というなかなか受け入れ難い価格設定。マークXやレガシィが買える!なんて余計なことは言う必要はないでしょうけど、とりあえずメーカーのやる気(売る気)を疑うレベルではあります。そもそもフォードブランドには馴染みが薄いという若い世代にとっては、価格はともかくとしても、いきなりこのクルマに踏み込むのはハードルが高過ぎます。欧州フォードという日本での実績も乏しいメーカーのクルマですから、イメージを膨らませて高いテンションでディーラーに乗り込む人なんて、単なるクルママニアに過ぎず、市場としては無視して考えるレベルです。

  そして、この1〜2年日本市場のこのセグメントで活躍している輸入車といえば、プジョーやシトロエン、ルノーといったフランス勢が目立ちます。プジョー208、シトロエンDS3、ルノールーテシアの3者は高いレベルでデザインを争っていて、これらに注目するいわゆる「オシャレ」に重きを置くユーザー達の眼はとても肥えてきています。そこにやや武骨な「フィエスタ」が並ぶと、残念ながら「なんか違うな〜・・・」という率直な感想が出て来るのも無理はないです。

  さらに最近のフランス勢はこれまであまり良い評判を得られなかったエンジン&ATを一新していて、デザインだけでなくクルマ全体としての良いもの感を出しています。ルノーは同グループの日産のエンジンを、PSA(プジョー=シトロエン)は提携相手のBMW製のエンジンを使っています。北米で火花を散らす「日産 vs BMW」の代理戦争が「小型フランス車」というマニアックなジャンルへも飛び火しています。

  さらに「Bセグ」といったら本来は日本車が最も実力を発揮する分野。やや没個性で面白みがないヴィッツとマーチはともかく、「フィット」「スイフト」「デミオ」の"三大"日本車Bセグが国内市場にはひしめいています。ホンダの神髄と言える「フィット」。GMとVWの2つの巨大グループの小型車に技術が供与されたスズキの看板「スイフト」。そしてフォードに技術提供されたマツダの大ヒットコンパクト「デミオ」。どれも世界のBセグの先駆的存在。このフィエスタもデミオの設計をベースに作られているわけです。

  まあいきなりフィエスタが入ってきて、スマッシュヒットを飛ばせるほど甘い市場ではないです。ゴルフであれだけ実績があったVWですら、わずか149万円のup!が思ったほど売れませんでした。まあちょっと考えればフィエスタの日本での前途はとても悲観的なものなんですが、盤石に見える日本市場のBセグも「変わり映えがしない」という退屈感があるのもまた事実です。売上上位のアクア、フィット、ノートを見ても「真面目に作り過ぎ」ている気もしないでもないです。いまいちプライベートカーとしての魅力が薄い。

  日本市場ばかり見ていると、Bセグに「燃費」と「パッケージング効率」以外は求めてはいけないといった脅迫観念すら浮かんできます。「アクアにオープンカー?そんなものはいらねぇ」で切り捨てられて、それが「常識」となっているわけですが、そんな時ふと、オペルの「アダム」というBセグ車なんかが新鮮に見えてくるわけです。このフィエスタに関しても同様で、「このクルマは楽しそうかも?」という気がふつふつと湧いてきます。聞こえてくる情報は欧州クラスナンバー1の実績と、上のクラスを凌駕するハンドリング性能・・・。なんだかアクア、フィット、ノートの現実を突き破る突風となることを期待したくなりませんか?

  フォードというメーカーは、同じアメリカのGMと比べると中型/小型車を納得いくな価格で提供するスタイル。言うならばアメリカ版のスバル/マツダ。もちろん規模は断然に大きいですけど。基本的には同じクラスの中では一番のクルマを目指して設計するのがポリシーです。たとえ馴染みがなくてもマツダと共同で開発したコンポーネンツも多数あり、評論家によっては日本車に近い乗り味と評する人も!(だってマツダ車と同じだもの)。

  確かにデミオ1.5Lスポルトと比べると割高な印象は拭えませんが、日本中で見られるデミオと、おそらくほとんど出会わないレベルでしか出回らないフィエスタでは、所有する満足感もだいぶ変わってきます。約60万円の価格差がありますが、自動ブレーキまで標準であることや、内装の質感やシートの良さでデミオをかなり(いくらか)上回っていることを考えれば、それほど無謀な買い物ではないと思います。デミオのコスパが良すぎる(日本車トップレベル)。

  小さなクルマはどうしても「女性向け」の印象があり、男性にとってはやや心理的負担を感じるようですが、もはや「男性向け」「女性向け」というのはナンセンスで、アメリカではフォード・マスタングコンバーチブルのメインユーザーは女性だと言われています。こうなってくると「女性向け」ではないクルマなんて無いといってもいいくらいです。マスタングコンバーチブルなんて全車8気筒エンジンなわけですから・・・。




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