2014年5月19日月曜日

スバル・レヴォーグ 「ワゴンユーザーを悩ます"裸の王様"が登場」

  スバルというブランドへ注がれる一般ユーザーの視線は、しばしば「盲目的」だなと感じることがあります。誤解を恐れずに言うならば、「AWDの肯定」というアウディやランボルギーニと同じ立ち位置から全てが始まっている!というアブノーマルな前提を認識せずに、他のブランドとは違うという「優越」意識を持つ「スバリスト」の思想は極めて危険です。ちょっと違うかもしれませんが、ロータスユーザーが2シーターで無いことを理由にBMWを批判するようなものかもしれません。

  別にそんなことは大きなおせっかいで、今さら言わなくてもいいことなのですが、この「レヴォーグ」という新型車の存在価値をあれこれ考えると、やはり「AWDの肯定」というスバルのイデオロギーの前に、モータージャーナリズム全体がフリーズしていて、どうもシーン全体が「虚構」に塗固められていると感じてしまいます。レヴォーグは実は「裸の王様」ではないのか?という気がしてなりません。

  とりあえず一人くらい正面切って批判する人がいてもいい気がします。なぜ「古臭くてダサい」といったアテンザやレクサスISでさえもぶつけられた厳しい一言が全くと言っていいほどに無いのか? そもそも全ての評論家はスバルに対しては一切の批判能力が麻痺します。スバルを表立って批判するのは、場合によってはプロライターという商売が出来なくなるほどのダメージを受けます。

  あのウルトラ辛口な沢村慎太朗氏でさえも、「真のスポーツカーはロードスターと911だけ!」というめちゃくちゃカッコいい評論の中で、「ランエボとインプは別だけど・・・」とお茶を濁したほどです。国沢光宏氏はレクサスISを「発売前から既に古臭い」と酷評していましたが、レヴォーグのデザインはどのように評するのだろうか?

  スバルが拘る「AWD」の長所としては「直進安定性」と「加速性能」の2つがあるわけですが、直進安定性についてはトラクションコントロールの進化により、駆動方式によって大きな差がつくわけではなく、車格によってどれだけのデバイスを使っているかによる比重が大きくなっています。FRでもFFでも一定の車格を持っているクルマならば、AWDにこだわる必要はないです。AWDの最近のトレンドは、メルセデスの「4MATIC」採用車種を見るとよくわかりますが、明らかに「加速性能」向上に重点を置いています。

  高性能車の性能を判断する指標が、「0-100km/h」の到達タイムに絞られている中で、1800kgもの車体で4秒以内を叩き出すにはどうしてもAWDが必要になります。日産GT-R、ポルシェ911ターボ、アウディRS6/7、メルセデスE63AMG"4matic"はいずれも加速性能に特化したスポーツモデルです。これらのクルマはいずれも500psオーバーですから、直線の加速だけではスバル車では逆立ちしても敵いません。つまり「スバル=AWD=加速」という図式はすでに形骸化しているのです。

  最近スバルが作ったクルマの中で一番世界を熱狂させているのは、間違いなくBRZです。スバルのアイデンティティを無視してトヨタが押し付けてきた、このFRスポーツはスバル陣営ではまるで腫れ物に触るような扱いだそうで、トヨタがノリノリでMCを進めようとしてもスバルがことごとく反対して、「ビッグマイナー」とはいかなかったようです。スバルにとっては他社のアイディアでクルマを作るなんて屈辱以外の何者でもないわけですが、一方でスバル独自の看板モデルである「WRX」とその兄弟車にあたる「レヴォーグ」には、そもそもどれほどの求心力があるのでしょうか? WRXは(日本ではあまり売れないから)アメリカで開発してアメリカで先行発売する!これが答えです。

  スバルらしい「デザイン」「スペック」「ボディスタイル」を掲げてブランドイメージを凝縮した新型車「レヴォーグ」。これにスバリストの皆さんが熱狂するのは全くもって構わないですが、なんでそんなに「内輪」でばかり盛り上がるクルマを作っちゃうのかな?というところにスバルへの不満を感じてしまいます。

  
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