2014年5月12日月曜日

キャデラックCTS 「日本を諦めた?強気な価格設定・・・」

  「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」をアウディA3が受賞しました。またしてもこの賞がVWグループの手に渡り、なんだかシラケてしまいましたね。今年で10周年になりますが、その内の6回をVWグループが受賞。しかも最近6年で5回目ですから完全に一人勝ち状態。これだけ独占するわけですから、他のメーカーを大きく凌ぐ成長を見せていると思いきや、トヨタやGMと肩を並べる販売台数のほとんどが新興国でのノックダウン生産で、まだまだ旧式のジェッタなんかを作って中国や東南アジアで売りさばいています。なんじゃそりゃ?

  しかもこれだけ受賞を重ねていながらも、世界最大の市場であるアメリカでは売上減に歯止めがかかりません。それもそのはず、VW自慢の受賞車であるポロ・up!はアメリカでは販売されておらず(誰も買わないから)、アウディA3もセダンのみの販売です。ゴルフは不人気すぎてコンセプトはブレまくりで、販売の主体はSUVとパサート/ジェッタです。そんな「正義」の国・アメリカを代表する"ラグジュアリーカー・ブランド"であるキャデラックがいよいよ本腰を入れて欧州や日本で活発に展開されるようです。これには思わず、頭空っぽのドイツ車信者達を片っ端から退治してほしい!なんてささやかな期待をしてしまします

  キャデラックの旗艦モデルCTSがいよいよFMCを迎え、絶妙なボディサイズやエクステリアの進化がかなり意欲的な様子が伺えます。基本的にアメリカメーカーを蔑視する姿勢を、21世紀になっても貫き通している日本の愚鈍なカーメディアのフィルターを通してしまうと、このクルマの正確な立ち位置が全く伝わらないですね。どのライターの記事も大同小異に「ドイツ車にかなり近づいていてなかなか良い」みたいなことが書いてあります。

  なんで個性を競うライター稼業で、バカみたいに同じようなことを書いているのだろうか? 他のクルマだったらもっとそれぞれに個人の引き出しがあって、それを発揮できているのになんで「キャデラックCTS」の前では思考が停止してしまうのか不思議です。そもそも公然の事実としてキャデラックのATSと新型CTSはドイツのオペルが主体になって開発をしています。つまり「ドイツ車に近い」ではなくてドイツ車なのです。

  もちろん記事を書いているライターはそんなことは百も承知です(のはずです)。海外メディアはオペルが開発したと堂々と報じているので、「大人の事情」による規制ということはなさそうです。おそらく「ドイツ車=至高」&「アメリカ車=愚鈍」という彼らの信念が大きく干渉して、その結果として伝えるべき「真実」を覆い隠しているような気がします。新型CTSに関するほとんどの記事を読み終えて、浮かんだイメージは「アメリカもやっとドイツ車の良さが分るようになった」ということです。

  しかし「真実」(=データ)はこれとはまったく逆です。特に近年ではドイツ車はアメリカでの人気は低調です。日本人の多くは「レクサスはアウディのパクリ」と信じているようですが、アウディなんてドイツではBMWを凌駕する存在になりましたが、アメリカではアキュラ(ホンダの高級車ブランド)の後塵を拝する残念なブランドです。アメリカでシェアを伸ばしているレクサスはドイツ車とは全く別の世界観を見せています。たとえ「真実」と乖離した評論になっていようともそんなことは全く気にしないのが日本のジャーナリストの図太い所で、同じように「ドイツ車=至高」と考える単細胞な読者に迎合しておけばOKなんでしょうね・・・バカバカしい話です。

  新型CTSが「内装もドイツ車に全く引けを取っていない」ってのもなかなかナンセンスで、馬鹿な読者に必死で迎合する「魂を売り渡した」記述ですね。Eクラスや5シリーズの内装が「チープ」とは言いませんが、レクサスGSや日産フーガのクオリティに比べれば、確実に数段落ちるレベルなわけです。じゃあGSやフーガはどこを見て内装のクオリティを決めたのか?ってなりますよね。そしてどちらも欧州で売るクルマではないわけです。そう北米市場でキャデラックを超える”ラグジュアリーカー”を目指して作られているわけです。そのキャデラックを引き摺りだして「ドイツ車に引けを取っていない」なんて堂々と(わざと)書くわけですから、呆れてしまいます。

  ドイツメーカー(オペル)が、キャデラックの新しい魅力を引き出すために奔走して、オペルの「プレミアムブランド」としての新生キャデラックが生まれました。ってことなんですが、残念ながら日本価格もドイツメーカー車らしいものになってしまいました。先代は3.0Lと3.6L(どちらもNA)の二本立てだったのですが、新型は3.0Lがダウンサイジングされ2.0Lターボとなり、日本ではこの2.0Lターボのみの「699万円」という価格設定になりました。先代の3.0Lが「549万円」だったわけですから、いくらマイナー車種だからといってもやり過ぎじゃないかと・・・。

  ちなみに新型の2.0Lターボの北米価格は4万5000ドルで、これはフーガ(3.7L)とほぼ同じ価格です。フーガの日本価格はベースグレードで451万5000円ですから、まあ先代の価格くらいが妥当だったと思います。しかし今さら550万円で売ったところで、大型化してもコスパ抜群のスカイラインの魅力には太刀打ちできませんし、それならば一層のこと価格を上げて「高級車」であることをアピールした方が得策と考えたのかもしれません。まあBMWやメルセデスと比べて、軽くてパワーもある設計なので、いまさら「アメリカ車=愚鈍」というのは筋違いだと思いますね。ニュル最速タイムも日産とポルシェがいがみ合う中でアメリカメーカーがさらっていったわけですから・・・。


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4 件のコメント:

  1. のっちさん、こんばんは!

    CTSキタwwww
    とばかりにいつもよりじっくり見させて頂きました。

    自動車雑誌も各誌CTSのレビューを載せていてくれて、
    久々に雑誌をまとめて買ったりしてます(いつか役に立つかもだから 笑)

    傾向は概ねのっちさんのおっしゃるとおり、「魂を売り渡した」ポピュリズムです。
    商業雑誌ですし、ドイツ車迎合は「間違いない」選択なので、もう文句も愚痴も出ませんが。
    もうちょっと本質的な議論になってもいいと思いますけどね。
    もう今は一昔前と違って「ドイツ車」なんてアイコンは実質消滅してるんですし。

    しかし、CTSは高くなりすぎましたね!それでも同等の性能のドイツ車を買おうとすれば
    エクストラコストかかりますよ、が宣伝文句らしく、私がCTSを購入した営業さんは
    苦笑してました。

    このGWに新型CTSで100kmほど一般道、高速、山道と走ってきました。
    20時から9時までお貸ししますって言ってたんで、じゃあ「遠慮なく」で。
    2Lの弊害はF11の時ほどは感じませんでしたね。
    うまく音振関係は処理してるみたいです。
    それよりも白眉なのはやはりその車重でしょうね。
    先代よりもやく100kgのダイエットですから、当然パフォーマンスは変わってきてました。
    6速ATとのマッチングも、先代のV6と比較しても違和感は感じませんでした。
    他の小排気量ターボよろしく低速トルクに振ってる割にはそこそこ上まで
    (気持ちよくまでは言えないけど)回ってくれますし、全体的な印象としては
    「思ったより(2Lなのに)悪くない」という感じでした(主観ですみません)
    フロントのマクファーソンも言われなければ気づかない感じですし、
    トランクのグースネックももうこれはコストダウンの賜物ですが、
    まあ、このご時勢そんなもんかなと。
    コストダウンの跡を探す癖は改めたほうがいいですね・・・。

    対照的に安いのがC7!!!
    CTSにプラスたったの200万で人生変わります。間違いないです(笑)
    しかも乗れたのがZ51なんで、もう。こっちはプラス300ですが。
    絶対にまわしすぎないでという営業を笑顔で無視してちょびっとだけ踏んでみましたが
    脳みそが置き去りになるとはこういうことか、と。
    やっぱV8最強です。試乗するときは色んなところに意を配りながら五感をフルに使って
    情報収集に努めるのですが、C7は五感がそれを拒否しますよ(笑)
    全く機能してくれません。笑顔しか出ない車なんて、それで1000万円。
    CTSは高いけど、C7は安いです。
    家内にそれを伝えたら「顔見ればわかるよ」と。
    これより高い車も性能の優れた車もありますけど、私はやっぱりC7ですね。
    GTR乗ったときも感動しましたけど、所有しても人生観は変わらないかもしれないです。
    ジャガーFクーペも911もここまで感性は掻き立てられないような。
    後で聞いたんですけど
    「何でオレこれ買わないんだろ」なんて独り言言ってたみたいですよ(笑)

    友人夫婦のスカイラインと車両入れ替えつつ旅行も行ってきたんですが、
    純粋によくできた車ということだけはわかるんですが、C7と違って、
    買わない理由が山ほど出てくるんですよね。
    これはもう合う合わないの話なんですが、友人が言うメリットが自分に刺さらないという
    ほんとにしょうもない理由で。
    安定してるし、静かでスタイリングもインテリアもクラスをリードしてるでしょうし
    しかもハイブリッドでそれなのに走りもいい、と。
    うん、そうよね、そうだけど・・・の後は友人には言えませんもんね。

    C7 Z51乗って思いました。
    頭で考えられるうちは、もしくは頭で考えて
    購入という結論を出した車に乗れることは、もちろん幸せではあるんですが
    忸怩たる思いと、確固たるモチベーションを無条件で連れてくるという
    愛憎半ばのC7のような車の魅力には抗えないと。

    今のところ2台GM車を所有する予定は皆無なので夢物語ですが、
    やっぱりいつか所有してみたい車なのは間違いないですね、C7。

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    1. yatsumeさんこんにちは
      今回はとても豪華なレビューを
      頂きありがとうございます。

      どうやらコルベットを大絶賛のようですね。
      先日読んだ米国雑誌でもC7コルベットがFタイプとの比較で圧勝していて、
      これはアメリカびいきなのかと思ってましたが、
      やはりかなりいいみたいですね。
      福野礼一郎さんはFタイプをかなり褒めていたので、
      BMW Z4<<<Fタイプ<<<C7くらいですかね。

      それに引き換えスカイラインはまったくお気に召さなかったようですね。
      やはりスポーツセダンが重くてどうするの〜?
      っていう根本的な矛盾がある気がします。
      拙ブログではスカイラインを評して「ミニLS」とか命名してみました。
      LSにどこまで近づいているかは微妙ですけど、
      方向性としてはそっちですし、
      「LSは高いなー」という客層を頂く腹づもりですね。

      とても参考になりました。
      またいつでもお待ちしております。

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    2. のっちさん、こんばんは!

      ミニSL(笑)
      そうかもしれませんね。
      だったらGSでいいじゃないという声も上がりそうです。
      でもそれなら、で私はQ70推しになりそう。堂々巡りですが。

      いやいや、C7のような車と同時代に生きててよかった!と思いますよ。
      Z4ですか?ちょっと土俵が違いすぎてかわいそうですよ。
      FタイプとC7の間の「<」を2つZ4とFタイプの間にいれて、かろうじて、です。
      Fタイプもいいですよね!でもちょっとどこに何使ってるのかわかりませんが
      結構な車重になってますよね。なんでだろ。
      やはり新生CTSもC7も同じですが、「軽さ」も1つの性能だと痛感しました。
      そういう意味で同じ時期に乗ったQ50が刺さらなかったんだと思うんです。
      まあ、1790kgのCTS乗りが何を?って感じですが(笑)
      自分の車にない性能だからこそ眩しく見えるんでしょうね。

      LSの話に戻りますが、あれだけはレクサスの中でも別格に感じます。
      フラッグシップというだけではない、あの車だけの価値観があって
      それはドイツ車にもアメリカ車にもない、まさに「レクサス」を体現している
      唯一のモデルなのではないかと思います。
      (それ以外のモデルはその劣化版、もしくはやはり高級なトヨタ。CTだけは少し違うか)


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    3. yatsumeさんこんにちは

      スカイラインもLS600hみたいに全車AWDにしたら
      もっと個性的だったかもしれないですね。
      燃費の十分に良いのでAWDでもそこそこ出るでしょうし、
      「高級セダン=HV&AWD」というLSのコンセプトをパクってるな
      と思ったんですよね。GSやフーガのHVはRWDだけですし。

      福野さんもCGもZ4とFタイプをガチで比べていて、
      何かオカシイよな〜って思ってたんですけどね。
      しかもCGTVの松任谷さんじゃないほうの人が、何を血迷ったか
      「Z4のほうが気持ちいい」とか言ってましたね、まあ感想は自由ですが。

      教えて頂いた「レクサス/セルシオへの道程」で
      LSの偉大さが具体的によくわかりました。
      1980年代の段階ですでにcd値も今のトップ水準とあまり変わらない
      などいろいろ勉強になりました!
      余談ですがCTがGS並みに静かになったらしいですね。
      輸入車最強のゴルフを軽く捻り潰すレクサスのプライドがいいですね。

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