2014年5月28日水曜日

日産スカイライン 「2L直4ターボ発売・・・」

  「本当に発売するとは・・・」なんて今さら驚いているわけではないですけど、やはり日本メーカーのプライドとして、このクラスのクルマにターボを付けるのはやめてほしかった・・・。日本には欧州ブランドの階級主義なんていらないですし、「上」と「下」で全く意味合いが違うエンジンを使い分けてユーザーを「差別」するなんていう文化を日本メーカーが率先して持ち込むことに違和感を感じます。まあ日産だけが悪いのではなく、スバルのレヴォーグも基本的には同じ考え方みたいですが・・・。

  BMWもメルセデスもジャガーもベースグレードでは直4ターボが定番になっています。日本価格だとこれでも平気で400万円を超えてくるのですが、ハッキリ言ってそれほどの価値は絶対に無いと思います。どうしてもBMWやメルセデスに乗りたいという人には満足かもしれませんが、車重1600kgを超えるボディというだけでも、これらのクルマには直4エンジンで走らせるだけの能力が決定的に欠如しています。さらにパワーシート、電動ステアリング、電制ダンパー、後席用の快適装備などに多くの電気を使いますから、エンジンが小型になればなるほど設計上に無理が生じてきます。

  新型スカイラインは世界初の技術を含め、さまざまな電制デバイスを積み込み大排気量エンジンを想定して設計がされました。しかし急遽、廉価版の2Lターボを積み込むことになり、深刻な電気不足に陥ることからステア・バイ・ワイアなどの新機能はかなりの割合でキャンセルされています。スカイラインHVの一つの売りであったクルマオタクが悶絶する「96通り」の運転モードなどもおそらく何事も無かったかのように消え去っているはずです。

  ただしステア・バイ・ワイアのフィーリングにしても、運転モードの多さにしても、専門家筋からもそれなりに異論が上がっていて、さらに一般ユーザーからしてみたら「かなりどうでもいい」という意見も多そうなので、廉価ターボ版を販売する意義というのは小さくなさそうです。また日産にしても、日本市場限定でしかもフーガ以外の他車では使わなくなりつつある「2.5LのV6」エンジンを置き換えたいという意図もあるでしょう。レクサスISやクラウン、マークXとまだまだ台数が稼げるトヨタの「2.5LのV6」と比べると生産効率で大きく劣ります。つまり同じようなクルマを作っていても、常にトヨタの方が利益を出し易く、日産は不利な状況に置かれます。こうしたウィークポイントを無くすことは極めて妥当な選択と言えます。

  今や2.5Lの6気筒エンジンを使っているメーカーなんてほとんど無くなっていて、トヨタと日産以外では中国製造のBMWが2.5Lの「V6」エンジンを積んで販売されているくらいだそうです。これだけ潰しが利かないエンジンを残しておくメリットはまったく無いですし、3.5LのHVがすでにこのエンジンを大きく凌ぐ経済性を発揮していますので販売理由もなくなっています。FFのティアナは軽量で高出力の直4NA(2.5L)の新型エンジンが搭載され始め、6気筒エンジンになんら劣らない静粛性を発揮しています。

  スカイラインにもこのティアナ用の直4NAを使えば良いと思いますが、日産は縦置き(FR用)に設計変更するコストを無駄と判断したようです。また仮に出来たとしても、FFのティアナよりも、構造上重くてうるさくなってしまうFRのスカイラインにそのまま使うには、さらにプロペラシャフトやギアボックスの静音性の設計調整が必要ですし、重量増やトラクションの不利でティアナよりもパワーが出せない設計になってしまうのは目にみえています。

  そして日本市場で売れているライバルのドイツ車が直4ターボを用いる中で直4NAを投入しても売りにくいという判断もあるかもしれません。とりあえず直4ターボのFRならばBMWもメルセデスもジャガーも日産もほぼ同じで価格面でちょっと有利な立場に立てればいいといったところでしょうか。BMW320iが466万円、メルセデスE250が599万円のところをスカイラインGT-tが383万円ですから、「ハリボテ・プレミアムカー」というジャンルでいよいよ日産が主導権を握る時代がやってきたかもしれません。そのために物議を醸した「日産」から「infinity」へのバッジ変更も推し進めました。

  まあなにはともあれ、アメリカだけでなく、日本でもBMWを叩き潰すぞ!という気合いを日産陣営から感じることができます。BMWも劣勢が明らかになれば値下げを断行してくるでしょうし、世界的にも最高値の領域にあるドイツ車価格が是正されることは、とても喜ばしいことではないでしょうか? それでもやはりスカイライン買うなら腹括ってHVにすべきだと思いますが・・・。

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