2014年6月16日月曜日

スバル・WRX STI「スバルはもっと自信と狡さを持てばいいのだが・・・」

  もし新型WRX STIが日本で発売されなかったら? 熱心なファンにとっては悲劇以外の何者でもないでしょう、好きなクルマが消滅したときの喪失感は結構尾を引きます。最近ではRX-8が心残りでした。ランエボも間もなく生産が終了するようで、一時代が終わった寂しさがあります。WRX STIにしてもこの2台と同じくらいにクルマ好きを悲しませるでしょう。マツダも三菱も撤退理由は、スポーツカーに注力できるだけの企業体力が無いというものでしたが、誰の目にもかつては華やかだった「日本の小型スポーツカー」というジャンルそのものが「賞味期限切れ」を起こしているのは明らかだと思います(トヨタさんはなんとか支えようとしていますが)。

  そんな岐路に立たされているモデルの1つが、このスバル「WRX STI」なわけですが、マツダや三菱と違いスバルは高らかにモデル存続を打ち出しました。まあその覚悟というか姿勢だけでも、クルマ好きとしては十分に賞賛に値するわけですが、やはり売るからには広く知られたモデルになって一定の成功を収めてほしいですし、やはり「解る人にだけ解る」みたいな姿勢だけではダメなんじゃないの?という気がするわけです。やはり所有していて誇らしい気分になるか?というハードルを超えられるかが、新型スポーツカーが成功するための唯一のポイントですから、隣りにAMGとかエンブレムが付いたクルマが来ても、「耐えられるか?」が全てといっていいかもしれません。

  もしスバルがその点をしっかり考えて、新型スポーツモデルを選定しているとしたら、一番簡単なのは新型レガシィをベースにした高性能スポーツモデルを作ることでしょうか。500万円以下で350psくらい出るようなら・・・そんなに甘くはないとは思いますが、目新しさとスバルのブランドイメージからかなりの売上が見込めそうな気がします。古くからのスバルファン(スバリスト?)は、「そんなものはスポーツカーではない!」と反発するかもしれないですが、BMW M3が北米価格並みの500万円で販売されれば「迷わず買う!」という人は相当に多いでしょうし、M3じゃなくて306psの直6ターボを積んだ335iセダンが500万円だったとしても「大ヒット」間違いないです。レガシィならばその需要を上手く取込むことができると思います。

  さてインプレッサがベースで、レヴォーグと共通で開発が行われた新型「WRX STI」ですが、スバルにとって最大の難関と言われているのが、ブランドのトレードマークにすらなってしまった「アイサイト」だそうです。レヴォーグにも当然ながらアイサイトは設定されているわけですが、これによって「WRX STI」の生命線といえるサスやブレーキに広く及ぶ「チューンナップ」に大きな制約ができてしまい、「アイサイト」のあり・なしでクルマのポテンシャルに小さくない幅ができてしまうようです。さらに新型エンジン「FA20DIT」の投入でさらに出力アップをすることが既定路線だったようですが、保証ができる範囲にパフォーマンスがまとめられないという深刻な事態もあるようで、すでに北米モデルについては先代の「EJ20」のまま発売されました。

  従来のエンジンのままでは、日本市場では極めて厳しいという意見がスバリストからも挙がっているようで、レヴォーグと同じFA20DITのチューンアップ版を、メルセデスやアウディに対抗した400psオーバーにしたものを出さないと意味がない!という厳しい意見も・・・。とにかく作る側も待つ側も考える方向性が同じ?というのには関心させられます。たとえばマツダのロードスターなどは「じゃあ次はこういうのにしてみるか?」みたいな何の制約も無い中で作られていて、待つ側もどんなクルマだったとしても、ある程度は受け入れてしまう懐の深さがあるような気がします。しかしスバルはとにかく「最強」という言葉が似合うモデルが望まれてしまうところが辛いですね。

  小型高性能スポーツというジャンルが、そもそもマツダも三菱も逃げ出すほどの「無理ゲー」になっているわけです。国産メーカーに限らず、あのポルシェだって1000万円以上するスポーツカーを売るのが厳しくなってきています。911に復活した「タルガ」に大きな期待が寄せられているようですが・・・。BMWだって一生懸命に2シリーズのプロモーションを繰り広げているわけですが、一段落して目新しさがなくなった時には、もはやコンバーティブルでゴリ押しするしか生き残る道はないでしょう。じゃあWRX STIはどうするか?車高も下げられず、屋根も開けられず・・・残された道はクロスオーバー・スポーツくらいなのかもしれません。今後も「アイサイトのスバル」ではなく「スポーツカーのスバル」を貫くのであれば、「XV STI」みたいな派生モデルを用意して、GLA45AMGから「さや抜き」するくらいのしたたかさがあってもいいのかなという気がします。


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