2013年9月16日月曜日

BMW4シリーズ 「まったくの予想通り それ以上でもそれ以下でもない・・・」

  いよいよ4シリーズの外観やラインナップが明らかになり、その全貌が見えてきました。3シリーズクーペの後継モデルなので、完全な新設モデルという訳ではないのですが、車名を変えてくるからには、様々な新機軸を装備して、停滞しつつあるブランドの流れを変えるべき革新性を持った提案があるのかと期待はしていましたが・・・。

  BMWの事情はともあれ、レクサスに2ドアクーペが来年にも復活すると噂され、2ドアクーペにも「競争」が生まれる予感もあり、中途半端な改良ではライバルに一気に捲られる恐れもあります。2014年にレクサスRC、インフィニティQ50クーペ、キャデラックATSクーペが登場すれば、モデル数が過剰・飽和になります。Dセグ2ドアクーペの伝統を守ってきたのはジャーマンプレミアム3なのですが、クーペの命と言えるデザイン面で新興の日米のプレミアムカーがかなり強敵となっています。さらに性能面でもドイツ勢の劣勢が予想されます。

  ドイツ勢の劣勢は、ドイツメーカーの低迷を意味しているわけではなく、このクラスで本気を出していないことが原因です。ジャーマンプレミアムにとってこのクラス(3シリーズ・Cクラス・A4)では高級車を売っているという意識はないようです。レクサスISとインフィニティQ50と比べると、エンジンスペックやサス設計のレベルが圧倒的に低いだけでなく、ドイツ車のかつての代名詞であった車体剛性やブレーキ性能でも完全に負けています。もちろんM4、C63AMG、RS5を登場させるなら話は別ですが、それらの価格なら日産のGT-Rが買えてしまうし、レクサスもRC-Fで対抗する予定です。

  ドイツメーカーよりも巨大資本に成長したトヨタと日産がムキになっているように映りますが、真摯に競争力のあるクルマを開発する態度は評価されるべきだと思います。それに対して、FMCだかMCだか解らない「引き継ぎ」を繰り返し、「新しさ」を感じないラインアップばかりになってしまったジャーマンプレミアムは、固定化された人気にあぐらをかいて世界のファンへの裏切りを続けています。もっともメルセデスやBMWは販売台数ベースでは「中堅」規模であり(利益はトップクラスだが・・・)、新機軸を開発すれば絶えず「不具合」と格闘してきたこの20年を考えれば、低リスクな新モデル開発に軸足を移してしまうのも止むを得ないかもしれません。

  現実にメルセデスもBMWもレクサスの「スピンドルグリル」級に大胆な意匠変更をしなければ行けない局面にさしかかっているのですが、この新型4シリーズを見る限り「F30のクーペ版」以外の何者でもないクルマに着地しました。新型レクサスISが高剛性のGSのシャシーを使い、スピンドルグリルと個性的なサイドデザインを入れ、新型HVパワーユニットを設定し、4輪操舵(4WS)とこのクラスのジャーマンプレミアムには考えられないほど力を入れてきているのに・・・。

  BMWのF30系は日本にディーゼルを定着させる影の功労者でした。BMWのアシストで一番助けられたのが、マツダで欧州で絶賛されたディーゼルターボを日本に持ち込み、危機的な経営状況から脱することができました。BMWのおかげで、日本の高級車ユーザーが安心してマツダディーラーに足を運びました。日本での人気はまだまだ陰りを見せないBMWは日本メーカーの強力なライバルであると同時に、日本の「中型車」の進化に大きな貢献をしたブランドであります。V36スカイラインもアテンザも新型レクサスISもBMWの対抗車種として開発されました。

  そんなBMWだからこそ、さらなる新しいアイディアを4シリーズ登場に合わせて盛り込んでくれるか?という希望的憶測もあったのですが、F30からの車体サイズでの差別化がやや目立つ程度でした。1300mm台への低車高化、これはジャーマンプレミアムがしのぎを削る2ドアクーペの最重要項目のようです。先代のE92と比べてワイド&ロー方向に変更されていますが、アウディA5に完敗したスタイリングでの挽回を意図しているようです。

  この4シリーズで一番ポジティブだと感じる点は、435iという直6ターボのグレードが「残った」ことしょうか。F30系の日本導入モデルでは、南アフリアでの生産を効率化するために、直6ターボモデルが消滅しました。しかし4シリーズでは435iが主力グレードとして公開されていますので、ドイツ生産が継続されるようです。もちろん南ア?ドイツ?というのはナンセンスな話ですが、FRのプラットホームに拘っているのに純粋な6気筒モデルがないというF30セダンの状況は端から見ていて少々奇異に感じます。250ps以下もしくは4気筒のクルマをFRにするメリットはほとんど無いので、アクティブHVやM3の為だけにFRにしているというのがBMWの言い分です。116iなどが良く「クラス唯一のFR」と評されていますが、「唯一」というのは「ナンセンス」と同義です。

  いよいよBMWも1・3シリーズを担当する「L7プラットホーム」の後継にはミニの設計を使ったFFを準備していると言われています。かつては中型車の雄として北米でホンダと火花を散らしたBMWには、その「復活」ののろしとして、上級モデル用のL6プラットホームを使った「中型車」をこの4シリーズに充当してほしかったと思います。直6ツインターボで前輪にDWBを備えた「440i」なるグレードを今後は期待したいと思います。

  
↓10月号はBMW特集でした。430d(3Lディーゼルターボ)もあるそうです。
  

435i試乗動画はこちらです⇒「自動車動画まとめブログ/BMW新型4シリーズクーペ試乗」

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