2013年9月26日木曜日

スバルBRZ tS 「絶対お得なコンプリートカー(BRZを買う予定なら)」

  スバルが発売から1年あまりが経過したBRZの限定モデル「tS」を500台限定で発売しました。先日発売されたWRX-tSなどは2週間で300台のほとんどを売り切ったそうですが、BRZ-tSはやや苦戦している模様で、1ヶ月経ってもまだ半分売れ残っているとか。

  スバルの「限定モデル」がなかなか素敵だと思う点は、スペシャル仕様にも関わらず、法外な価格を取ろうとはしないことです。スバルはどうやら直4エンジン車の価格の限界は500万円と定めているようで、2.2Lの専用エンジンをわざわざ装備したインプレッサ22Bでも500万円でした(400台が3日で完売)。単純比較はどうかと思いますが、量産モデルとして昨日、日本発売が開始されたBMW428は4気筒にも関わらず600万越えしています・・・。

  あくまで素人の考え方かもしれないですが、「WRX」よりもむしろ「BRZ」の方が、ノーマルモデルと比べたときの「tS」の出来の良さを多く感じられるのではないかと思います。ご存知のようにBRZはトヨタ86と共通設計で、当然ながらトヨタ基準の厳しいコスト管理を元に設計がされています。スバルはスポーツモデルの設計には、必要と感じればビルシュタインやブレンボなど高性能部品をふんだんに使って仕上げることが多いメーカーなので、その辺のクルマ作りの文化の違いは以前から指摘されてきましたが、トヨタのクルマを作るという前提が強調されたようで、部品選びは完全にトヨタ主導だったようです。

  FRの本格スポーツということで、スバルが得意の欧州スポーツカー部品メーカーの製品との親和性が高いのではないかと期待されましたが、前述の理由で結果的にはSHOWA製のダンパーが採用されました。別に日本製の部品メーカーに文句を付ける気はないですが、トヨタのコスト管理下でスバルが企画した新機構が次々にボツになっていったのではないか?と容易に推測できます。発表当初からカスタムのベースカーとしての需要に応えるとトヨタが公言しているクルマなので、基本設計以外の交換可能部品は「デフォルト」品を使うのも当然ではあります。トヨタとしては好きな部品を使って仕上げてくれというわけです。もちろんそういう類いのクルマなのだという前提でユーザーも86/BRZを選んでいるのでしょうけど・・・。

  去年の発売後まもなく、普段フェラーリに乗っているというプロの評論家が、限りなく上から目線でこのクルマを悲鳴をあげそうになるほどのシニカルさで、「安いから、まあいいか・・・」と結論していました。あくまで想像ですが、他の評論家に何と言われても気にしないけど、この人からの批判はスバルの開発者にとっては「脳天直撃」のショックとして受け止められたかもしれません。スバルがやりたいように出来なかった結果としての酷評だから開き直ったかもしれないですが・・・。よってこのBRZのカスタムコンプリートカーには、スバルの意地とプライドが詰め込まれた、相当に気合いが入ったものなのではないかと想像できます。

  さてBRZ「tS」の内容を見てみると、「ブレーキの変更」という地味にクルマの性格を変えてしまいそうな部分をがっつり取り替えています。これはABSの変更にともなうプログラミングのための走行テストを要するので、一般人がカスタムで同じ事をやるのはほぼ不可能です。個人的な意見ですが、サスやブレーキを代えてくれるなら、100万円高くなっても欲しいというクルマは結構あったりします。新型アテンザとか、プジョーRCZとか・・・。

  さらに先ほどの評論家がやたらと噛み付いた部分が、しっかりと改良されている!スバルの開発者も当然に「批判」を読んでいるのでしょう。ノーマルのFA20は吸気系から「ボー」という不快な音がすると批判されていました。そこでエンジンの出力の変更はないですが、わざわざサウンドのみをチューニングしてあるのだとか。そして「不快だけどカスタムできない!」と一刀両断されたインパネのデザインもまた、ベース素材の変更だけで、まるで別のクルマというくらいに改良されています。

  個人的に86/BRZの最大の弱点は、内装で特にインパネと思っていましたが、このネガを解消してくれるならば、もはや「欲しくない」クルマではなくなりました。フロントサスもストラットという基本形状は一緒ですが、バネを専用の高機能なものに変えていて、ノーマルよりも「しなやか」になって乗り心地を良くしつつ、ハンドリングを精度を上げるために、減衰力が下がらないようになっているのだとか・・・。ここまでやってくれるなら、もはやノーマルを買うのがバカバカしくなってくるレベルかもしれません。もしBRZを購入予定なら絶対に限定モデルだと思います。


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