2014年7月22日火曜日

BMW M235i 「最後の聖域?なんかちょっと・・・」

  新型スカイラインを見てグダグダと訳の解らないことを言い続ける、オールドファンとオッサンライターが構成するカーメディアには辟易します。そんなに直列6気筒ターボ&MTが欲しいなら、BMWから出てる"スカイラインGT-Rのレプリカ"こと「BMW M235i」というモデルが一応ありますけど・・・あくまで「レプリカ」ですが。6MTが選択できて本体価格(約600万円)もボディサイズもR34並みで納得できる部分も多いのではないでしょうか。残念ながらAWDではないですが、0-100kmも5秒をクリアしているなかなかの俊足です。ただし現行のスカイライン350GTも余裕で4秒台ですが・・・。

  トヨタが意地で作り上げて来たクラス最高峰に位置する「レクサスIS350Fスポ」が612万円なので、少々サイズが違うにもかかわらずどっちにするか悩む人も居そうです。もちろんこの2台よりもハイパワーかつ好燃費の「スカイライン350GT」があって、最上級グレードでもこの2台よりもいくらか安いという、なかなか「シュールな展開」ではあります。けどここで声を大にして言いたいのが、燃費・出力・乗り心地(NVH)をある程度は見過ごしても、これらのクルマにおいて最も評価してあげたいと思うのが、各ブランドが選択した「アプローチ」でクルマ個性が磨かれて「輝いている」ということです。プ◯◯スやゴ◯フを選ぶような安っぽい価値基準とは全然見るべきところが違うわけです。

  日独を代表する自動車メーカーが、本当に心から楽しめる「グランドツーリングカー(GTカー)」を作ろうと凌ぎを削る姿は、エコカー全盛の現代においても、いやそんな時代だからこそ「熱く」こみ上げてくるものがあります。「6気筒で300psオーバー」という点くらいが共通で、そこから先は各ブランドの目指す方向へ個性が炸裂しています。レクサスがBMWに敬意を示してハンドリングを徹底的に強化すれば、BMWはランフラット装着による乗り心地悪化を緩和するため(M235iはランフラットではないけど・・・)に、トヨタ流のしなやかな足回りを使うなど、どことなくお互いにリスペクトし合っている姿も印象的です。

  日産(スカイライン350GT)だけはやたらと「完璧主義」を前面に押し出してきてもちろん素晴らしいですが、その一方でレクサス(IS350Fスポ)とBMW(M235i)は「ブランドの末端モデル」としての"愛すべき不完全"さを持ち合わせたクルマになっていて、これはこれで所有欲をかなりくすぐってくれます。レクサスIS350Fスポは実質燃費8km/L前後ですが、それでもオーナーさんの心証を読み取ると、量販車ながらここまで精緻に作られた「工芸品」が感激したので、頑張ってガス代稼いで大事に長く乗ってあげたい!といったところじゃないですかね。

  トヨタと日産が互いに競った「ジャパニーズV6」は間違いなく世界最高の高級車向け6気筒の名エンジンです。メルセデス、フォードといった名だたるメーカーよりも突き抜けて静かで燃焼効率がよく、高級車らしいフィーリングを備えた日本の自動車産業が世界に誇るべき逸品です。トヨタや日産のエンジニアがこのエンジンを使い続けるのは、コスト面の問題と切り捨てる評論家もいますが、むしろ「思い入れ」の方が大きいのではないかという気がします。そして大排気量NAに拘ったからこそ、GTカー最高レベルに達したレクサスのハンドリングが生きてくるわけで、大変失礼ですがこれにターボ付けろと大合唱している低能な評論家の皆様は全く何も解ってないんじゃないですか?

  日産GT-Rは3.8LのV6ツインターボで、ポルシェ911ターボSに肉薄する実力を示して全世界に受け入れられましたが、レクサスIS350Fスポもポルシェ911カレラSに最も迫っている一台だと思うんですよ。加速&最高速を競う「ターボS」と、NAの誇るフィーリングとハンドリングを楽しむ「カレラS」の二枚看板を掲げる王者ポルシェをどれだけ意識できるか?というのが、現代の「プレミアムGTカー」の価値だと思います。そこにはダウンサイジングターボの入る余地などない!と言い切ったりはしませんが、やはり直4ターボでは辿り着けない領域がまだまだたくさん残されているように思います。

  BMW M235iのオーナーさんも、BMWのスポーツモデルにしてはコーナーでの落ち着きが無い足回りにガッカリするどころか、逆に運転技術を高めてこの足で気持ち良く走ってやる!と気合いが入るくらいの懐が広い人ならば、むしろ良い出会いと言えるのではないでしょうか。セリカ、スプリンター、トレノ、MR-Sといったトヨタの愛すべきスポーティ・カーを所有してきた人ならば、この気持ちは良くわかりますよね。マ◯ダのロ◯◯◯ターみたいな軽量・低重心・足回りガチガチの本気モードのスポーツカーで峠を楽しんでいる人を否定するつもりはないですが、なんだか"ガチ"過ぎて見ていて引いてしまう時があります。そんなに常時グリップ状態じゃないと怖くて走れないの?(危険運転を肯定してはおりません!)

  最近ではフェラーリもランボルギーニも同じ"工業製品"だとばかりに、FFの200万円もしないクルマと同じフィールドでハンドリングを評価したりする無茶な企画をよく雑誌メディアで目にします。そもそも2ドアと4ドアを比較するだけでもナンセンスとかつては言われていたようですが、現代では2シーター・ミッドシップのランボルギーニ・ガヤルドと4ドアF-AWDのVWゴルフGTIを平気で比べちゃうわけです。誰が見てもガヤルドの方が車重も軽くて、低重心で、エンジンが中央でバランスも良いことくらいわかりますし、GTIに勝てる要素なんて一つもないわけです。

  そういうおかしなメディアに毒されてくると、BMWが現行の1~4シリーズで使用している「L7プラットフォーム」を吊るし上げて、これはBMWではない!と言いたげなジャーナリストが・・・。私もまったくお恥ずかしいことですがF20・F30系に関してはかなりの「偏見」を持ってます。当のBMWもさすがにこのシャシーをそのまま使ってM3/M4を作るのは憚られるのか、F30/F32を名乗るはずの製造コード番号がなんとF80(M3)とF82(M4)とベースモデルとは違うものになりました。ここまで改良したのだからもう別のクルマだ!と言いたいようです。しかしそれは同時に「L7プラットフォーム」の性能に何らかの後ろめたさを感じていることの現れに他なりません。

  福野さんや沢村さんの評論を読み倒すと、トヨタや日産がかつてのドイツ車のような高性能シャシーを開発すると、「ドイツの真似」と揶揄され、BMWやメルセデスの下位グレード車がトヨタに倣って乗り心地の良いシャシーを作ると「コストダウン」と言われたりする風潮をつくり出してるのはこの2人か?という気がしないでもないです。価格に見合った高性能を求めるならばレクサスか日産を買えばいいし、シャシーの限界が低くてすぐにテールスライドしてしまうシルビアや、タックインするシビックtypeRやカローラランクスZエアロが懐かしいと思うならば、「M235i」や「M135i」というのはなかなか好感触なんじゃないですかね。そしてお金が余って仕方が無いという人はBMWやメルセデスの「本物(1000万円オーバー)」を買えば良いですね。

  

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