2014年7月14日月曜日

トヨタ・新型スープラ 「高級スポーツカーとは一体何?」

  スープラ復活!というニュースがいよいよトヨタからリークされたみたいです。もちろんやる気満々のトヨタをぜひ応援したいですし、BMWとタッグを組むというアイディアもとても良いものですね。スープラを名乗るならとりあえずはBMWが投入した最新の3L直6ツインターボが載ってくるだろうと誰でも想像しそうなところですが、どうやらそういった王道のスペックではなくて、マイルド路線の「変化球」になるようです。

  同時期に発売されるホンダNSXへの対抗モデルという位置づけもあるかもしれませんが、トヨタは幅広い価格帯を設定するためにコストが抑えられる「2Lターボ」と高出力・好燃費を実現した「2.5Lターボ&HV」という新開発エンジンを搭載する見通しだそうです。普段は新型ユニットの開発には慎重な姿勢を見せるトヨタが、「ターボ&HV」を無理やりに仕込んでくるあたりに「イメージ戦略」における神経戦が伺えます。かなり前から3.5LのV6ターボ&HVで登場すると告知されている次期NSXに対して「ターボ&HV」なんてトヨタでも簡単につくれますよ!とばかりにホンダの一人勝ちを防ぐ狙いがあるようです。そして自動車評論家に安易に否定させない為の戦略として「BMW」のクレジットを入れる・・・なんと完璧な戦略!

  トヨタと組むことを決めてからのBMWはやたらと「サスティナビリティ」を連呼するようになった印象です。ドイツでは一般に「環境志向」の意識は高いと言われていますが、旧態依然な自動車業界に関しては、VW、メルセデス、BMWともにまだまだ「方向性」を示した段階に過ぎません。日本の「アホ〜」なクルマ雑誌はやたらと「ドイツは日本の数歩先を行っている」と言いたがります。しかし「環境」に関してはドイツメーカーはまだ「旗」を掲げただけで、それを高いレベルで実践しているのが日本で販売される日本車くらいなのだから、日本の自動車産業の先進性をもっと誇るべきだと思うのですけど、なぜか彼らの合い言葉は「日本はオクレテル」「早くターボ化しろ」・・・です。

  最近では欧州でも高級EVを作る「テスラ」が急速にシェアを拡大しています。VWグループもポルシェ・パナメーラーSをPHV(Eハイブリッド)にして、「環境」イメージの拡大に務めています。ただ欧州メーカーの「環境」戦略は、日本やアメリカと比べて一般ユーザーのコンセンサスを得られていない部分もあるようで、自動車というインフラそのものを否定する動きがドイツでもかなり目立っています。過去10年間で新車販売が4割減というドイツは、10年前とほぼ同水準まで回復した日本と比べると「クルマ離れ」の加速度が大きく違います。これにはやはりトヨタ、ホンダをはじめとした日本メーカーの本気度がクルマの存在意義を変えつつあるからと言ってもいいかもしれません。なぜ自動車評論家は彼らの仕事を残すのに貢献してくれる日本メーカーを叩くのでしょうか?

  自動車雑誌に散々にネガティブキャンペーンを張られながらも、突き進んできた日本の「サスティナビリティ」がいよいよ、自動車雑誌の"本丸"と言えるBMWをも巻き込みつつある中で、自動車評論家のみなさまはどのような態度をとっていくのかが注目されます。直4や直3を突きつけられても「これはBMWではない!」と言えなかったメディアですから、トヨタの思惑通りに「BMWが味付けをするとやはり全然違う!」みたいな茶番を「繰り返す」のでしょうか(トヨタとしては自爆の印象もありますが)。マツダ・アクセラHVの「加速が滑らかさ」への絶賛記事を見て、現行プリウスユーザーは「もうプリウスだってだいぶ進化してるから!」と不快感すらあったかもしれません。

  トヨタの真の狙いは「HVのパイオニア」として、VWグループやホンダに引けをとらない「HVスポーツ」を出して、ライバルよりも確実に注目を集めることでしょう。「ポルシェ918」は一般人にはまったくリアリティがないクルマですし、おそらく新型NSXも同様の路線を取ると思われます。その一方で新型スープラは「手の届く」価格設定に落とし込んで、人気爆発を狙うという現実路線のようです。BMW Z4の路線を踏襲するなら600万円〜の価格設定でまあ「高値の花」ではあります。日産GT-Rを先例として挙げると・・・日産ファンから「ポルシェを本気にさせたGT-Rは別次元!」と大クレームが起こりそうですね。

  この新型スープラ開発を報じていた一般メディアで、「高級スポーツカーの開発に定評があるBMWと・・・」みたいな紹介がされていたのにはやや違和感を感じました。もちろん一般の読者に理解できる表現を使うことが大切なのはわかりますが、10年以上も「名車」と形容できるようなクルマを輩出できずに迷走を続けている現状を考えると「皮肉」にすら受け取れます。そもそもこのブランドは「スポーツカー」という概念を限界まで薄めて、単なるメーカーの「合同公開テスト」と化してしまったドイツの「DTM」という「泥舟」に乗っているだけの「哀愁」すら感じます。スポーツカーとは本来は個性の塊みたいなものですが、DTMもスーパーGTも「レギュレーション」を見るだけでウンザリするんですよね。今のF1を「つまらない」と感じる人も多いですが、ツーリングカーレースはもっと「つまらない」です。

  沢村慎太朗さんに言わせれば、フェラーリ・ベルリネッタも「もはや・・・」らしいですが、それでもフェラーリやポルシェが放つ個性に比べれば、BMWはもはや新興国生産が主体の量販車ブランドでしかないです。このブランドが今でも日本人の頭の中ではスポーツカーのアイコンになっているのか?と誤解されかねない記事を平気で大手メディアが発信することで、「日本人は全く本質がわかってない」とバカにされるんでしょうね。


リンク
最新投稿まとめブログ
  

  

  

0 件のコメント:

コメントを投稿