BMWミニ・ミニクーパーS 「"小さな高級車"計画爆走中」
どこのディーラーに行っても、最高に「スポーティ」なのはBセグと言われたりします。ネッツトヨタ多摩に行けば「86もいいですけどヴィッツRSもかなりのものですよ!」と言うし、日産プリンス西東京に行けば「スカイラインもいいですけど、マーチNISMOも楽しめます!」と言うし、関東マツダに行けば「アクセラXDよりもデミオスポルトの方が楽しいかも!」と言ってます。ホンダカーズ東京中央は「シビックtypeRよりもフィットRS!」とは言わないみたいですが・・・。
ホンダはともかくそんなに挙ってオススメするなら、もっと「欲しい!」と思わせるBセグスポーツ作ってくれと言いたいですね。「G's」や「NISMO」って名乗ればいいってもんじゃないです。大変失礼ですが、MCした新しいヴィッツRS-G'sのデザインはなんだか寒イボが出てきそうな違和感がありありです。ただしこのクラスで納得できるモデルが出て来たならば、軽自動車買おうとしている知り合いに片っ端から全力でオススメしてあげたいと思います。アテンザやスカイラインはいくらいいクルマだからといっても、サイズや価格などいろいろ制約がありますから、そんなに安易にオススメできないですけど、Bセグならば母親や親戚のオバさんの買い換え時にいくらでも話できますし。しかし現行モデルでは残念ながら、デミオ、スイフト、フィットでもあまり気が進まないレベルです。なんだかんだでカローラHVがベストかな・・・。
そんな日本車勢を尻目に、約3.8mの小型ボディに、BMW320iの直4ターボを横置きにしたエンジンを搭載するという「王道ハッチバック」をやってくれていたのが先代の「ミニクーパーS」でした。ゴルフGTIよりもかなり軽量でかつ価格も安く、ポロGTIよりもパワルフな設計で「相対評価」が大好きな日本のオッサン達の間でもそこそこ人気です。休日にショッピングモールでも行けば、同じ区画に2台3台と「cooper S」のロゴを見かけることも珍しくないです。確かに「クーパー」と「クーパーS」の性能差がかなり大きいです。300万円をちょっとの価格なのに、450万円くらいする320iと同じエンジンという「クーパーS」の方がお得感すらありました。
ただしこの2代目ミニはマルチリンクを装備しているにも関わらず、乗り心地がやや固くてお世辞にも良くはなかったのが残念でした。やはりホイールベースが短いクルマは足を固めると跳ねてしまいます。クルマのキャラとして全てが受け止められるならばいいのでしょうが、あまりにもターゲットが狭いクルマだなという印象で、とても失礼極まりないことですが、日本の小金持ちのオッサン達が、英国の労働階級のクルマとしての歴史を持つクルマを、高級車と勘違いしてるのか?有り難がって乗っている様はみっともないとすら思いました。これまでブログでは頑として取り上げなかったのは、そういう人々への「軽蔑の念」があったからというのもありました。
しかしわずか数年ですが時代は流れ、何だかミニを取り巻く環境もだいぶ変わってきたように感じます。いまやVW・ポロもプジョー・208もルノー・ルーテシアも日本車のように「ストローク」をドライバーに感じさせて、乗り心地よくする方向に味付けをするようになり、「プジョーに猫足が戻った!」とか、「フォード・フィエスタはメルセデスEクラスより乗り心地が良い」みたいなことをプロのライターのみなさんが言っておられます。沢村さんの解説によると柔らかいサスを使ってバンプストップを多めにして底付きのショックも軽減して・・・といった仕組みみたいです。車幅が限られていてさらに車重も軽くなっていて、それほどスペースが無くてストローク量も確保できない小型車でも柔らかいバネ(新素材?)を使っても大丈夫になっているみたいです。さらに最近のクルマは歩行者保護の為にボンネットが高いですし・・・。
それでも3代目になったミニはまたまた頑固なまでに固いアシなんだそうです。BMWって一体何なんだ?1・3シリーズでもフニャフニャのアシを使い始めたので、てっきりミニもそうなるのかと思いきや、なんとまさかの「逆張り」! でも・・・これは個人的にとても好感が持てます。「Bセグはスポーティを追求した先に価値が生まれる」という「正義の自動車メーカー」だけが掲げる理念を、BMWも見失うことなくしっかり踏襲していたわけです。安易に「ストローク」に逃げれば、小型車のハンドリングはどんどんシャープさを失い、その果てに沢村さんにボロクソに言われるプジョー208のような「アクセルオンで左に曲る」鈍臭いクルマが出来上がります。マツダ、スズキ、BMWはそれを良しとしないようです。
日本には欧州で1、2を争うハンドリング・マシンである「スイフト」と「デミオ」があって150万円で世界最上級のBセグが買えます。VWポロはまだしもプジョー208のような不完全なクルマを、洗練された日本市場で売るなんて、完全に情報弱者を喰いものにする「ブランド詐欺」とみたいなものですし、208なんて199万円でも高いくらいです・・・。日本のユーザーが納得できる輸入車Bセグの姿とは、やはり小手先のギミックではなく、「乗って楽しい!」と感じさせるクルマの本質を磨いて、「スイフト」「デミオ」の二枚看板を正攻法で突破してくるくらいの気迫が備わっているか?じゃないですかね。
さて「ハンドリングを妥協させない」ポリシーを貫いたBMWミニの秘策はというと、全長・全幅とも拡大してBセグのライバルを差し置いての「5ナンバー枠からの離脱」でした。この設計変更は居住性の向上とともに、従来のBセグ全体の弱点と言える「安っぽい乗り味」から一人だけ脱却するのに成功したようです。全幅を拡大すれば、結果的にクラス随一の安定感となりますが、それがそのまま「なかなかな高級な乗り味」につながっているみたいです。もともとBMWミニは「スイフト」や「デミオ」のようなキレキレのハンドリングというわけではなく、アンダーを抑えたニュートラルでリニアなBMW的ハンドリングが持ち味なので、これにさらに「重厚感」が加われば、それは多くの人に「高級感」と感じるはずです。
マツダのスカイアクティブ車は従来のキレキレから「重厚感」へ特性を変えてきていますが、乗ってみると「アクセル・シフト・ハンドル」から伝わるトータルのダイレクト感が、これまでのマツダ車とはまた違う「感動」で不思議とキレキレよりも高級感を感じます。キレキレではないんですけど、緩い感じとはまた違うドライビングフィールの奥深さがある!といったところでしょうか。ハンドルもアクセルもだいぶ緩い、実家のプレミオからは贅肉感しか感じないんですが・・・。BMWミニからマツダの話に急に変わってしまいましたが、この「3代目ミニ」と「新型デミオ」が今後進むであろう「Bセグ車の高級化」というパラダイムを一気に加速させるのではないかという予感がします。
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ホンダはともかくそんなに挙ってオススメするなら、もっと「欲しい!」と思わせるBセグスポーツ作ってくれと言いたいですね。「G's」や「NISMO」って名乗ればいいってもんじゃないです。大変失礼ですが、MCした新しいヴィッツRS-G'sのデザインはなんだか寒イボが出てきそうな違和感がありありです。ただしこのクラスで納得できるモデルが出て来たならば、軽自動車買おうとしている知り合いに片っ端から全力でオススメしてあげたいと思います。アテンザやスカイラインはいくらいいクルマだからといっても、サイズや価格などいろいろ制約がありますから、そんなに安易にオススメできないですけど、Bセグならば母親や親戚のオバさんの買い換え時にいくらでも話できますし。しかし現行モデルでは残念ながら、デミオ、スイフト、フィットでもあまり気が進まないレベルです。なんだかんだでカローラHVがベストかな・・・。
そんな日本車勢を尻目に、約3.8mの小型ボディに、BMW320iの直4ターボを横置きにしたエンジンを搭載するという「王道ハッチバック」をやってくれていたのが先代の「ミニクーパーS」でした。ゴルフGTIよりもかなり軽量でかつ価格も安く、ポロGTIよりもパワルフな設計で「相対評価」が大好きな日本のオッサン達の間でもそこそこ人気です。休日にショッピングモールでも行けば、同じ区画に2台3台と「cooper S」のロゴを見かけることも珍しくないです。確かに「クーパー」と「クーパーS」の性能差がかなり大きいです。300万円をちょっとの価格なのに、450万円くらいする320iと同じエンジンという「クーパーS」の方がお得感すらありました。
ただしこの2代目ミニはマルチリンクを装備しているにも関わらず、乗り心地がやや固くてお世辞にも良くはなかったのが残念でした。やはりホイールベースが短いクルマは足を固めると跳ねてしまいます。クルマのキャラとして全てが受け止められるならばいいのでしょうが、あまりにもターゲットが狭いクルマだなという印象で、とても失礼極まりないことですが、日本の小金持ちのオッサン達が、英国の労働階級のクルマとしての歴史を持つクルマを、高級車と勘違いしてるのか?有り難がって乗っている様はみっともないとすら思いました。これまでブログでは頑として取り上げなかったのは、そういう人々への「軽蔑の念」があったからというのもありました。
しかしわずか数年ですが時代は流れ、何だかミニを取り巻く環境もだいぶ変わってきたように感じます。いまやVW・ポロもプジョー・208もルノー・ルーテシアも日本車のように「ストローク」をドライバーに感じさせて、乗り心地よくする方向に味付けをするようになり、「プジョーに猫足が戻った!」とか、「フォード・フィエスタはメルセデスEクラスより乗り心地が良い」みたいなことをプロのライターのみなさんが言っておられます。沢村さんの解説によると柔らかいサスを使ってバンプストップを多めにして底付きのショックも軽減して・・・といった仕組みみたいです。車幅が限られていてさらに車重も軽くなっていて、それほどスペースが無くてストローク量も確保できない小型車でも柔らかいバネ(新素材?)を使っても大丈夫になっているみたいです。さらに最近のクルマは歩行者保護の為にボンネットが高いですし・・・。
それでも3代目になったミニはまたまた頑固なまでに固いアシなんだそうです。BMWって一体何なんだ?1・3シリーズでもフニャフニャのアシを使い始めたので、てっきりミニもそうなるのかと思いきや、なんとまさかの「逆張り」! でも・・・これは個人的にとても好感が持てます。「Bセグはスポーティを追求した先に価値が生まれる」という「正義の自動車メーカー」だけが掲げる理念を、BMWも見失うことなくしっかり踏襲していたわけです。安易に「ストローク」に逃げれば、小型車のハンドリングはどんどんシャープさを失い、その果てに沢村さんにボロクソに言われるプジョー208のような「アクセルオンで左に曲る」鈍臭いクルマが出来上がります。マツダ、スズキ、BMWはそれを良しとしないようです。
日本には欧州で1、2を争うハンドリング・マシンである「スイフト」と「デミオ」があって150万円で世界最上級のBセグが買えます。VWポロはまだしもプジョー208のような不完全なクルマを、洗練された日本市場で売るなんて、完全に情報弱者を喰いものにする「ブランド詐欺」とみたいなものですし、208なんて199万円でも高いくらいです・・・。日本のユーザーが納得できる輸入車Bセグの姿とは、やはり小手先のギミックではなく、「乗って楽しい!」と感じさせるクルマの本質を磨いて、「スイフト」「デミオ」の二枚看板を正攻法で突破してくるくらいの気迫が備わっているか?じゃないですかね。
さて「ハンドリングを妥協させない」ポリシーを貫いたBMWミニの秘策はというと、全長・全幅とも拡大してBセグのライバルを差し置いての「5ナンバー枠からの離脱」でした。この設計変更は居住性の向上とともに、従来のBセグ全体の弱点と言える「安っぽい乗り味」から一人だけ脱却するのに成功したようです。全幅を拡大すれば、結果的にクラス随一の安定感となりますが、それがそのまま「なかなかな高級な乗り味」につながっているみたいです。もともとBMWミニは「スイフト」や「デミオ」のようなキレキレのハンドリングというわけではなく、アンダーを抑えたニュートラルでリニアなBMW的ハンドリングが持ち味なので、これにさらに「重厚感」が加われば、それは多くの人に「高級感」と感じるはずです。
マツダのスカイアクティブ車は従来のキレキレから「重厚感」へ特性を変えてきていますが、乗ってみると「アクセル・シフト・ハンドル」から伝わるトータルのダイレクト感が、これまでのマツダ車とはまた違う「感動」で不思議とキレキレよりも高級感を感じます。キレキレではないんですけど、緩い感じとはまた違うドライビングフィールの奥深さがある!といったところでしょうか。ハンドルもアクセルもだいぶ緩い、実家のプレミオからは贅肉感しか感じないんですが・・・。BMWミニからマツダの話に急に変わってしまいましたが、この「3代目ミニ」と「新型デミオ」が今後進むであろう「Bセグ車の高級化」というパラダイムを一気に加速させるのではないかという予感がします。
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