スキップしてメイン コンテンツに移動

BMW M235i 「最後の聖域?なんかちょっと・・・」

  新型スカイラインを見てグダグダと訳の解らないことを言い続ける、オールドファンとオッサンライターが構成するカーメディアには辟易します。そんなに直列6気筒ターボ&MTが欲しいなら、BMWから出てる"スカイラインGT-Rのレプリカ"こと「BMW M235i」というモデルが一応ありますけど・・・あくまで「レプリカ」ですが。6MTが選択できて本体価格(約600万円)もボディサイズもR34並みで納得できる部分も多いのではないでしょうか。残念ながらAWDではないですが、0-100kmも5秒をクリアしているなかなかの俊足です。ただし現行のスカイライン350GTも余裕で4秒台ですが・・・。

  トヨタが意地で作り上げて来たクラス最高峰に位置する「レクサスIS350Fスポ」が612万円なので、少々サイズが違うにもかかわらずどっちにするか悩む人も居そうです。もちろんこの2台よりもハイパワーかつ好燃費の「スカイライン350GT」があって、最上級グレードでもこの2台よりもいくらか安いという、なかなか「シュールな展開」ではあります。けどここで声を大にして言いたいのが、燃費・出力・乗り心地(NVH)をある程度は見過ごしても、これらのクルマにおいて最も評価してあげたいと思うのが、各ブランドが選択した「アプローチ」でクルマ個性が磨かれて「輝いている」ということです。プ◯◯スやゴ◯フを選ぶような安っぽい価値基準とは全然見るべきところが違うわけです。

  日独を代表する自動車メーカーが、本当に心から楽しめる「グランドツーリングカー(GTカー)」を作ろうと凌ぎを削る姿は、エコカー全盛の現代においても、いやそんな時代だからこそ「熱く」こみ上げてくるものがあります。「6気筒で300psオーバー」という点くらいが共通で、そこから先は各ブランドの目指す方向へ個性が炸裂しています。レクサスがBMWに敬意を示してハンドリングを徹底的に強化すれば、BMWはランフラット装着による乗り心地悪化を緩和するため(M235iはランフラットではないけど・・・)に、トヨタ流のしなやかな足回りを使うなど、どことなくお互いにリスペクトし合っている姿も印象的です。

  日産(スカイライン350GT)だけはやたらと「完璧主義」を前面に押し出してきてもちろん素晴らしいですが、その一方でレクサス(IS350Fスポ)とBMW(M235i)は「ブランドの末端モデル」としての"愛すべき不完全"さを持ち合わせたクルマになっていて、これはこれで所有欲をかなりくすぐってくれます。レクサスIS350Fスポは実質燃費8km/L前後ですが、それでもオーナーさんの心証を読み取ると、量販車ながらここまで精緻に作られた「工芸品」が感激したので、頑張ってガス代稼いで大事に長く乗ってあげたい!といったところじゃないですかね。

  トヨタと日産が互いに競った「ジャパニーズV6」は間違いなく世界最高の高級車向け6気筒の名エンジンです。メルセデス、フォードといった名だたるメーカーよりも突き抜けて静かで燃焼効率がよく、高級車らしいフィーリングを備えた日本の自動車産業が世界に誇るべき逸品です。トヨタや日産のエンジニアがこのエンジンを使い続けるのは、コスト面の問題と切り捨てる評論家もいますが、むしろ「思い入れ」の方が大きいのではないかという気がします。そして大排気量NAに拘ったからこそ、GTカー最高レベルに達したレクサスのハンドリングが生きてくるわけで、大変失礼ですがこれにターボ付けろと大合唱している低能な評論家の皆様は全く何も解ってないんじゃないですか?

  日産GT-Rは3.8LのV6ツインターボで、ポルシェ911ターボSに肉薄する実力を示して全世界に受け入れられましたが、レクサスIS350Fスポもポルシェ911カレラSに最も迫っている一台だと思うんですよ。加速&最高速を競う「ターボS」と、NAの誇るフィーリングとハンドリングを楽しむ「カレラS」の二枚看板を掲げる王者ポルシェをどれだけ意識できるか?というのが、現代の「プレミアムGTカー」の価値だと思います。そこにはダウンサイジングターボの入る余地などない!と言い切ったりはしませんが、やはり直4ターボでは辿り着けない領域がまだまだたくさん残されているように思います。

  BMW M235iのオーナーさんも、BMWのスポーツモデルにしてはコーナーでの落ち着きが無い足回りにガッカリするどころか、逆に運転技術を高めてこの足で気持ち良く走ってやる!と気合いが入るくらいの懐が広い人ならば、むしろ良い出会いと言えるのではないでしょうか。セリカ、スプリンター、トレノ、MR-Sといったトヨタの愛すべきスポーティ・カーを所有してきた人ならば、この気持ちは良くわかりますよね。マ◯ダのロ◯◯◯ターみたいな軽量・低重心・足回りガチガチの本気モードのスポーツカーで峠を楽しんでいる人を否定するつもりはないですが、なんだか"ガチ"過ぎて見ていて引いてしまう時があります。そんなに常時グリップ状態じゃないと怖くて走れないの?(危険運転を肯定してはおりません!)

  最近ではフェラーリもランボルギーニも同じ"工業製品"だとばかりに、FFの200万円もしないクルマと同じフィールドでハンドリングを評価したりする無茶な企画をよく雑誌メディアで目にします。そもそも2ドアと4ドアを比較するだけでもナンセンスとかつては言われていたようですが、現代では2シーター・ミッドシップのランボルギーニ・ガヤルドと4ドアF-AWDのVWゴルフGTIを平気で比べちゃうわけです。誰が見てもガヤルドの方が車重も軽くて、低重心で、エンジンが中央でバランスも良いことくらいわかりますし、GTIに勝てる要素なんて一つもないわけです。

  そういうおかしなメディアに毒されてくると、BMWが現行の1~4シリーズで使用している「L7プラットフォーム」を吊るし上げて、これはBMWではない!と言いたげなジャーナリストが・・・。私もまったくお恥ずかしいことですがF20・F30系に関してはかなりの「偏見」を持ってます。当のBMWもさすがにこのシャシーをそのまま使ってM3/M4を作るのは憚られるのか、F30/F32を名乗るはずの製造コード番号がなんとF80(M3)とF82(M4)とベースモデルとは違うものになりました。ここまで改良したのだからもう別のクルマだ!と言いたいようです。しかしそれは同時に「L7プラットフォーム」の性能に何らかの後ろめたさを感じていることの現れに他なりません。

  福野さんや沢村さんの評論を読み倒すと、トヨタや日産がかつてのドイツ車のような高性能シャシーを開発すると、「ドイツの真似」と揶揄され、BMWやメルセデスの下位グレード車がトヨタに倣って乗り心地の良いシャシーを作ると「コストダウン」と言われたりする風潮をつくり出してるのはこの2人か?という気がしないでもないです。価格に見合った高性能を求めるならばレクサスか日産を買えばいいし、シャシーの限界が低くてすぐにテールスライドしてしまうシルビアや、タックインするシビックtypeRやカローラランクスZエアロが懐かしいと思うならば、「M235i」や「M135i」というのはなかなか好感触なんじゃないですかね。そしてお金が余って仕方が無いという人はBMWやメルセデスの「本物(1000万円オーバー)」を買えば良いですね。

  

リンク

  

  

  

コメント

このブログの人気の投稿

MAZDA・CX-5 (2025年7月・新型公開)

  スバル・フォレスターが人気で焦った!? MAZDAが欧州市場向けの新型CX-5を発表した。CX-60、70、80、90の新型4車種を一括企画で開発して順次投入して以来のMAZDAの自社開発の新型モデルということで、注目度は非常に高い。新型フォレスターが2023年11月に北米市場向けで発表された時は、日本ではカーメディアやYouTubeがこぞって紹介することはほとんどなかったのとは対照的である。注目度が高く動画で再生回数が多く稼げるMAZDAの新型車ということで、自動車系ユーチューバーにとっては追い風が吹いている!? 海外発表時はほとんど取り上げられなかったスバル・フォレスターであったが、1年半経過して日本発売となり、本体価格も大きく400万円越えしたにも関わらず日本市場でスマッシュヒットを遂げた。先代フォレスターは地味ながらもモデル末期になって海外市場での人気でリセールが急騰したり、海外メディアの「ムース・テスト」で好成績 (ポルシェ・マカンを圧倒) を収めたこともあって、コアなユーザーからの熱い支持を得ているようだ。さらに「ミドルSUV=高級車」という価値観の変化もあって幅広い年代から受注を得ているようだ。 ディーゼル廃止 すでにわかっていたことだけども、新型CX-5では2.2Lディーゼルエンジンが採用されない。欧州の排ガス規制に合わせるため、すでに欧州向けMAZDA3、CX-30も「2.5L・MHEV」への換装が完了している。今回発表された欧州向けにも同じユニットが搭載される。2.5L自然吸気を141hpにデチューンさせている。CX-60ほかの大型4モデルでは、新設計のシャシー、エンジン、ミッションが一度に投入され、MAZDAの「革新」モデルであったが、今回はシャシー、エンジン、ミッションは既存のもので、MAZDAの「伝統」「コンサバ」なモデルである。 2015年のNDロードスターでは、初代NA(1989年)への回帰を宣言したり、現在もロータリー駆動のスポーツカーの復活をほのめかすMAZDAは、トヨタや日産など他の日本メーカーとは逆のベクトルを持つ稀有なブランドだ。BMW、ポルシェ、フェラーリなど、ファンから「原点回帰」を求める声が上がる欧州の名門ブランドに近い存在だと言える。CX-60の登場よりも、CX-5の「コンサバ」なFMCの方にワクワクして...

BMW3シリーズ (2025年9月・50周年記念車)

  経済成長 石破首相の号令のもと、盛んに賃上げが叫ばれていて最高賃金も最低賃金も順調に上昇しているらしい。2010年代の中国で強烈な経済成長を支えてきたギグワーカーのマッチングアプリが、日本でも本格的に普及し始めた。東京ではタクシー、運送、配達で月収60万円稼げるようになり、家賃&駐車場も20万円が相場になってきている。この10年でBMW3シリーズの価格も500万円から700万円まで一気に上昇したが、ダイナミックな賃上げ&インフレの時代を象徴している。 50年で7世代の歴史を誇るBMW3シリーズは、大人気だった4代目(E90系)の頃に300万円台だったこともあり、現行(G20系)の価格設定はかなり市場の反感を買っている。E90系の頃はMAZDAデミオが98万円で販売されていて、それが現行のMAZDA2では170万円くらいまで上がっているのだから、インフレ率はBMWもMAZDAもほぼ同じだ。BMW車両も、MAZDA車の部品も円安の影響を受ける。 インフレが既存シリーズを破壊 3シリーズに限らず、VWゴルフ、メルセデスCクラス、トヨタクラウン、日産スカイライン、ホンダ・シビックなど50年にわたって車名が続くモデルは、車両価格の高騰で販売が難しくなっている。フェラーリやランボルギーニのように、FMCの度に車名を変えてしまった方が販売側は助かるかもしれない。唯一の例外と言えるトヨタ・カローラは徹底した低価格で人気だったが、HEVのみとなった今後はどうなるだろうか・・・・。 日本のBMWファンが直6を神格化してしまった。日本向け正規品だと5シリーズ(M5を除く)からは直6が廃止されたが、3シリーズにはM340iがギリギリ1000万円を下回る価格で設定されている。367psを快適に扱うためにXdrive (AWD) となっているようだが、ドイツ車のAWDは100万円以上割高になるのだから、もう少しデチューンしてFR版で200万円くらい安い価格設定があっても良さそうだ。 使いやすいグレード 雨や雪が多い日本では、各社がAWD技術を競って開発し、日本車ならばAWD化で20〜40万円程度しか価格差が出ない。スイスの一部の豪雪地域ではスバル車が異常な人気を誇るなど、AWD技術に関しては日本メーカーが欧州市場でも高く評価されている。ドイツメーカー...

トヨタ・アクア (2025年9月・大規模MC)

  幸せなBセグ・カーライフ 休みの日に奥多摩や秩父周辺をドライブしていると、パワースポットを求めてだろうか、「練馬」「世田谷」「品川」「横浜」の「わ」ナンバーを多数見かける。若者が2〜3人で連れ立って乗ってくる定番のレンタカーはノートe-POWERとアクアが2大勢力のようだ。三峯神社、日原鍾乳洞などの首都圏の山間部に位置する名所へのアクセス道路は、対向車を処理する技術が必要な隘路もあるので、都心から往復200km近い行程を考えると燃費の良いコンパクトカーは向いている。 20歳そこそこの頃は、いつでも体調万全でパワースポットの霊言を感じることはなかった。しかし慢性的な病気と体力低下に悩まされる年になってみると、趣味として興じるサイクリングで得られる全能感と、ウイスキーと美食による解脱感とともに、ドライブ&パワースポットは仕事に疲れてモチベーションが低下した時の癒しの時間としてはコスト的にも手軽を実感している。奥多摩や秩父は有料道路なしの下道で行けるのも良い。 セグメント消滅の危機!? アクアの最軽量グレードが1120kg、同じくノートが1230kgで、高速道路での安全性を考えると1200kg以上の車重が好ましいのでノートに適性がありそうだが、e-POWERの高速燃費が非常に悪いのが玉に瑕だ。ヤリス、フィット、MAZDA2、スイフトも揃って1200kgを下回る車重なので、軽自動車ほどではないが、Bセグの高速巡航はオススメできない。 初代アクアは「プリウスC」として投入されていたが、近年はBセグ車は北米市場で販売されなくなっている。東南アジアや南米などもBセグのSUVが急速に進んでいて、道路事情が良い日本と欧州に向けた設計になっている。たとえトヨタであってもヤリス、アクアの次期モデル以降の継続には慎重にならざるを得ない。経済基盤のある国なので、価格と性能のバランスが取れたモデルなら、そこそこ安定した売り上げは見込める。 大ヒット車の後継はツラい 初代アクアの大ヒットは13年ほど前だったが、現行(2代目)になってから売り上げは伸び悩んでいる。2012年から5年連続で国内20万台超えを達成したが、現在は7〜8万台程度に落ち着いている。そんな中で2代目アクアは、先日のビッグマイナーチェンジで、214万円だったボトム価格が、一気に248万円まで...