ルノーは日本の自動車産業の宝だった日産をまんまと抱え込んだフランスの半官半民メーカーです。そんなわけだから、ある程度は日本の自動車供給についても責任を持ってもらいたいものですね・・・なんて場末の酒場で交わされる自動車好きの談笑は、フランス本国まで届いているのでしょうか。日本における日産のラインナップは見るからに貧弱で、日産系列のショールームはどこか枯れ果てそうな雰囲気すら感じます。ネッツもマツダも連日の盛況、スバルもホンダカーズも新型モデルがずらりと並び、納車待ちの新車が次々と降ろされてきます。しかし近所の日産には・・・店舗正面の一番良いところに売れ残った?ノートNISMOがずっと置かれています。今日見たら決算で25万円引!と新しい表示が・・・。
500万円以上する高級セダン(スカイライン、フーガ、シーマ)は価格がネックになってそれほど売れないかもしれないですが、その下の価格帯を受け持つティアナとシルフィがそれ以上に不人気みたいですね・・・。北米で話題になっている、かなりカッコいいFFのセダンは日本でも十分に人気出そうなデザインですけど、北米生産車は日本に持ってこないというルールのようです。
日産の市販車は福岡(苅田)・横浜(追浜)・栃木の国内3拠点で車種ごとに分けていて、中型・大型のモデルに関してはFFは福岡(中国向け)、FRは栃木(北米向け)に集約されています。中国向けのFF車と北米向けのFR車(北米向けFFは現地生産)とハッキリ色分けされてしまっては、今さらに新型スポーツカーなんて一体どこで作るの?ってことになります。未だに根強いシルビア復活待望論ですが、生産ラインの確保という非常に大きな難問に阻まれているのがわかります。現状ではライン設備の全面更新でもなければ軽量スポーツを作る設備は無いでしょうし、どれだけ販売が伸びるか未知数のスポーツカーの為にライン改造の投資はできないといったところのようです。
今や年間800万台を売り上げていて、トヨタ・VW・GMの3強に迫る勢いのルノー日産ですが、グローバルでの販売チャンネル展開は至って地味です。それでも成長を続けているからいいのでは?という意見もあるでしょうけど、グローバルなプレミアムブランドへ成長させよう!という気概がイマイチ感じられないインフィニティ・ブランドは、メルセデスの「裏ブランド」として共通設計車がどんどん増えていくことになりそうです。もしかしたらいずれはメルセデスをグループに迎え入れる算段となっていて、そのポジションを開けて待っているのかもしれません。とりあえず年内にもメルセデスAクラスを使ったインフィニティブランド車(Q30)が予定されているようです。
さて親会社のルノーですが、日本市場でのフラッグシップになるCセグの「メガーヌ」にベースモデルの「ゼン」が誕生しました。グレード名の由来は「禅」だそうですよ!だったら日本でのグレード名は「めがーぬ・禅」にしてはどうでしょうか!?ちょっと文字の雰囲気が微妙なのでやっぱり「メガーヌ・禅」ですね。漢字を使うと中国車と間違えられる!? 特筆すべきは1.2Lターボで250万円という本体価格で、トヨタ・オーリスやVWゴルフの同排気量のグレードよりも安く設定されています(後だしジャンケンですが)。
このクラスもすっかりプレミアムブランドが幅を利かせていて、大衆向けブランド車は国産・輸入ともにあまり多くないです。プジョー308(1.2Lターボ)や新しくなったフォード・フォーカス(1.5Lターボ)あたりがメガーヌ・ゼンの比較対象ですが、どちらも本体価格はおよそ300万円とやる気を感じられない価格になっています。メガーヌの1.2Lターボはスペック的にはアクセラやインプレッサの1.5L車と2.0L車のちょうど中間くらいです。オーリスの1.8Lと同じくらいでしょうか?
日本車とガチで価格競争できる輸入車がいよいよ登場しました!と大きく宣伝して上げたい気分ですが、ちょっとカラクリがあって250万円の価格で揃えると、豪華装備が標準となるアクセラ2.0LのLパケだったり、インプレッサHVだったり、インプレッサ2.0Sアイサイトだったり、オーリス1.2Tも高級インパネが組み込まれています。それにひきかえルノー・ゼンはまさにノーマルのメガーヌであり、内装もフランスの大衆車といった素の状態です。エクステリアに関してはルノーが気合いを入れて刷新したので、センスが光りますが、インテリアはちょっと前の日本車(スバルやホンダ?)のデジャブが浮かびます。今や日本メーカーのCセグの内装は女性ウケ(奥様ウケ)を狙って上品に作られてますから、まともに比べると、ややメガーヌは分が悪いですね・・・。
1クラス下のルーテシアが200万円くらいから展開されていて、プレミアムCセグのAクラスと1シリーズがどちらも「298万円」で争っていますから(ボルボやアウディはもっと高く、レクサスはさらに高い!)、Cセグ車の価格競争の幅はかなり限定的なものになってしまいます。とりあえず本体価格を250万円に固定して、そこにどれだけの装備を積み込むか?が今後の勝敗を分けるポイントになってきます。スバルは競争激化を見越して、1.5Lのインプレッサにもアイサイトを装備したグレードを置きました。アイサイトと全く同じカメラを使ったスズキが小型車に自動ブレーキと付けはじめたので、いよいよ足元に火が付いたといえますが・・・。
メガーヌにはすでに「ルノースポール」「220GT」「GTライン」の3グレードが設定されていますが、いずれも足回りやシートなどスポーツチューンを考えたグレードになっていて、「高級感」を演出できる設定はありません。「我々はプレミアムブランドではありません!」といった割り切りが、確かにルノーの魅力ではありますが、軽自動車から高級車まで商用車を除くあらゆるサイズのクルマの設計に「上質さ」が盛り込まれる日本市場のトレンドを考えた「笑顔になれる」スモールカーをこの「ゼン」で地道に追求していくこと(値上げはNG)で、閉鎖的といわれる日本市場の扉が開くのではという気がします。今後の展開に期待したいです。
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↓ルノー製のチャリをメガーヌ・ゼンのルーフ上やリアに積載して、観光道路を走れば欧州を旅する気分になれそう!
2015年9月25日金曜日
2015年9月7日月曜日
VWパサート「イメージ通りの国民車セダンと言われれば・・・」
ちょっと前の話になりますが、VWジャパンの庄司社長が辞めたことがカーメディア中心にニュースになっていました。この人はまず髪型が個性的なのが印象的でした。ほかのインポーターの社長と比べても若々しくておそらく優秀な人だったんだろうとは思いますが、やたらとテレビにも出てきて、自身のキャラを被せているつもりなのか?「VW=デキる人のクルマ」的なアピール戦略には、少々引っ掛かるものがありました・・・。でもこういう人はプライベートではカイエン乗ってたりするものです。ポルシェのインポーターの代表だったらもっとしっくりきていたかもしれません。
とにかく外見からもしゃべり方からも「エリート臭」がプンプンするわけです。ただそれに反比例して「クルマ好き」のオーラってのは相対的に薄いです(実際はどうだか知りませんが)。トヨタの社長さんみたいな素朴な人が真顔で「86いいでしょ!」と言うからこそ説得力が生まれて売れるのだと思うんですよね。VWの日本での伸び悩みは逃れられないもので、メルセデスの低価格戦略の前になす術なく、誰がやっても同じ結果だったでしょうし、もしかしたら庄司さんは本国に向かって「ディーゼルを早くしてください!もしできないならば辞めます!」くらいのことを吐き捨てたのかもしれませんが・・・。
さてゴルフと並ぶVWの看板モデル「パサート」がFMCを迎えました。マツダで言えばアテンザ、スバルで言えばレガシィにあたる一般ブランドのフラッグシップのFMCですから、本来なら放っておいてもディーラーに人がどっと押し寄せる騒ぎになると思うのですが・・・残念ながらパサートはそこまで日本市場に根付いておらず、クルマに興味が無い人にとってはほぼ知らないであろう車名です。余談ですが先代のパサートの日本用CMを、そのままパクったかのように某国内大手メーカーがマー◯XというクルマのCM作ってました。あの当時はパサートのダウンサイジング戦略が世界最先端だとカーメディアは口を揃えてましたから、ト◯タもかなり意識はしていたようです。
VWというと2年前のゴルフのFMCの時には、日本のカーメディアを完全にジャックして、ほぼ意のままにライターに記事を書かせてました。無個性で判別がつかないくらいのライターばかりが動員されて、「世界のベンチマーク」というVWから指示されたであろう?キーワードを必ず使うので、さすがにめちゃくちゃ胡散臭かったですね。今回もジャガーXEやアルファ・ジュリアへの興味を掻き消すかのような、大掛かりなメディア戦略を採ってくるのでしょうか?
現在のVWには数年前のような日の出の勢いがありません。シロッコやパサートCCといった個性的なモデルは、アウディとの競合による共倒れを避けたようで、順次アジア市場から姿を消しました(販売面で振るわず)。現行ではAセグ(up!)、Bセグ(ポロ)、Cセグ(ゴルフ)、Dセグ(パサート)の各セグメントに基準車がありますが、日本勢に対して互角に競争できているのはゴルフだけ(もちろん快挙!)という状況です。Aセグ、Bセグは日本車も非常に層が厚いので、up!とポロの現状でも上出来といっていいでしょうし、これ以上の成長はかなり難しいでしょう。VWが再び輸入車ブランド1位に返り咲くには、パサートが日本市場で大ブレークすることが必須に思えるのですが、出てきたパサートは先代から何が変わったのか簡単にはわからないほどぼやけています。
ゴルフ6が7になった際に、話題のMQBプラットフォームを採用し、ユーロ6に対応したユニットにアップデートされたくらいの、「作り手事情」の事務的改良がパサートにもまったくそのまま行われたようです。とりあえず今のところは諸般の事情で日本ではそれほど「売る気無し」であってもいいと思いますが、果たして日本市場が待望するディーゼルユニットが載ったところで何が変わるのか? しかしパサートがやる気が無いのはあくまで日本市場を見ての話であって、欧州ではすでにディーゼルもプラグインハイブリッドも発売されていて、日本や中国に供給されている1.4Lターボなんて全くカーメディアには登場しません。ゴルフも欧州では日本未導入のディーゼルが中心で、廉価グレードにはやはり日本未導入の1L直3ターボが使われています。
ここまで露骨にやる気を見せないVWに、日本市場のユーザーは一体どう接していけば良いのか?という気もします。 ・・・しかしメーカーの野放図な「やる気」などよりもユーザーの想像力に任せるスタンスを大切にするのが、本来のVWというブランドのあるべき姿だ!といわれれば、自分のやや性急な結論を恥じる思いもします。やたらとやる気を見せている某日本メーカーのここ数年のモデルに果たしてただの1台でも十分に満足できる(買いたくなる)クルマがあったでしょうか? メーカーがやる気を出し過ぎて、その結果我々の想像力の入る余地がなってしまって「なんか違うな・・・」と後ずさりしてしまいます。
インターネットで手軽に人のアイディアがなんでも覗ける時代ですから、わざわざ時間をお金を使って遠くまで実物を見に行く必要もなくなりました。想像力が無くなった!というと語弊があるかもしれませんが、想像力が働くまえに具体的なイメージがすぐに検索できてしまう時代。冷静に考えるとちょっとヤバい時代に突入している・・・ということをふと気づかせてくれた新型パサートかなと思います。
モータファンイラストレーティッドで福野礼一郎さんが新型パサート評のあとで「たった1台でいいから、こういうほれぼれするようなデザインの日本車があったらいいのになぁ」と書いていて、読後にものすごい違和感を感じました。しかし福野さんにこう書かれると、ちょっと再考したくもなります。「テーマカラーがシルバーとブルーですか・・・」まあCクラスもスカイラインも同系のテーマカラーなわけですが、パサートだとあまりにも地味すぎませんか?・・・というのも先入観の塊ですね。ちょっとこの先の展開がわからない新型パサートですが、ややネタ切れ気味のセダン市場を揺さぶるような追加設定を待ちたいところです。
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↓ライバル車を含めたフェアな評価がすばらしい!輸入車かぶれはこれ読め!
とにかく外見からもしゃべり方からも「エリート臭」がプンプンするわけです。ただそれに反比例して「クルマ好き」のオーラってのは相対的に薄いです(実際はどうだか知りませんが)。トヨタの社長さんみたいな素朴な人が真顔で「86いいでしょ!」と言うからこそ説得力が生まれて売れるのだと思うんですよね。VWの日本での伸び悩みは逃れられないもので、メルセデスの低価格戦略の前になす術なく、誰がやっても同じ結果だったでしょうし、もしかしたら庄司さんは本国に向かって「ディーゼルを早くしてください!もしできないならば辞めます!」くらいのことを吐き捨てたのかもしれませんが・・・。
さてゴルフと並ぶVWの看板モデル「パサート」がFMCを迎えました。マツダで言えばアテンザ、スバルで言えばレガシィにあたる一般ブランドのフラッグシップのFMCですから、本来なら放っておいてもディーラーに人がどっと押し寄せる騒ぎになると思うのですが・・・残念ながらパサートはそこまで日本市場に根付いておらず、クルマに興味が無い人にとってはほぼ知らないであろう車名です。余談ですが先代のパサートの日本用CMを、そのままパクったかのように某国内大手メーカーがマー◯XというクルマのCM作ってました。あの当時はパサートのダウンサイジング戦略が世界最先端だとカーメディアは口を揃えてましたから、ト◯タもかなり意識はしていたようです。
VWというと2年前のゴルフのFMCの時には、日本のカーメディアを完全にジャックして、ほぼ意のままにライターに記事を書かせてました。無個性で判別がつかないくらいのライターばかりが動員されて、「世界のベンチマーク」というVWから指示されたであろう?キーワードを必ず使うので、さすがにめちゃくちゃ胡散臭かったですね。今回もジャガーXEやアルファ・ジュリアへの興味を掻き消すかのような、大掛かりなメディア戦略を採ってくるのでしょうか?
現在のVWには数年前のような日の出の勢いがありません。シロッコやパサートCCといった個性的なモデルは、アウディとの競合による共倒れを避けたようで、順次アジア市場から姿を消しました(販売面で振るわず)。現行ではAセグ(up!)、Bセグ(ポロ)、Cセグ(ゴルフ)、Dセグ(パサート)の各セグメントに基準車がありますが、日本勢に対して互角に競争できているのはゴルフだけ(もちろん快挙!)という状況です。Aセグ、Bセグは日本車も非常に層が厚いので、up!とポロの現状でも上出来といっていいでしょうし、これ以上の成長はかなり難しいでしょう。VWが再び輸入車ブランド1位に返り咲くには、パサートが日本市場で大ブレークすることが必須に思えるのですが、出てきたパサートは先代から何が変わったのか簡単にはわからないほどぼやけています。
ゴルフ6が7になった際に、話題のMQBプラットフォームを採用し、ユーロ6に対応したユニットにアップデートされたくらいの、「作り手事情」の事務的改良がパサートにもまったくそのまま行われたようです。とりあえず今のところは諸般の事情で日本ではそれほど「売る気無し」であってもいいと思いますが、果たして日本市場が待望するディーゼルユニットが載ったところで何が変わるのか? しかしパサートがやる気が無いのはあくまで日本市場を見ての話であって、欧州ではすでにディーゼルもプラグインハイブリッドも発売されていて、日本や中国に供給されている1.4Lターボなんて全くカーメディアには登場しません。ゴルフも欧州では日本未導入のディーゼルが中心で、廉価グレードにはやはり日本未導入の1L直3ターボが使われています。
ここまで露骨にやる気を見せないVWに、日本市場のユーザーは一体どう接していけば良いのか?という気もします。 ・・・しかしメーカーの野放図な「やる気」などよりもユーザーの想像力に任せるスタンスを大切にするのが、本来のVWというブランドのあるべき姿だ!といわれれば、自分のやや性急な結論を恥じる思いもします。やたらとやる気を見せている某日本メーカーのここ数年のモデルに果たしてただの1台でも十分に満足できる(買いたくなる)クルマがあったでしょうか? メーカーがやる気を出し過ぎて、その結果我々の想像力の入る余地がなってしまって「なんか違うな・・・」と後ずさりしてしまいます。
インターネットで手軽に人のアイディアがなんでも覗ける時代ですから、わざわざ時間をお金を使って遠くまで実物を見に行く必要もなくなりました。想像力が無くなった!というと語弊があるかもしれませんが、想像力が働くまえに具体的なイメージがすぐに検索できてしまう時代。冷静に考えるとちょっとヤバい時代に突入している・・・ということをふと気づかせてくれた新型パサートかなと思います。
モータファンイラストレーティッドで福野礼一郎さんが新型パサート評のあとで「たった1台でいいから、こういうほれぼれするようなデザインの日本車があったらいいのになぁ」と書いていて、読後にものすごい違和感を感じました。しかし福野さんにこう書かれると、ちょっと再考したくもなります。「テーマカラーがシルバーとブルーですか・・・」まあCクラスもスカイラインも同系のテーマカラーなわけですが、パサートだとあまりにも地味すぎませんか?・・・というのも先入観の塊ですね。ちょっとこの先の展開がわからない新型パサートですが、ややネタ切れ気味のセダン市場を揺さぶるような追加設定を待ちたいところです。
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2015年7月21日火曜日
日産エクストレイルHV 「NISSAN得意の"理詰め"でGO!」
「SUVなんてチャラい若者が憧れるクルマだよ・・・」と、私を含めた多くのクルマ好きはこの手のクルマをちょっと下に思ってましたよ! しかしここ数年の日本メーカー各社のSUV市場における白熱具合がなかなか尋常じゃないです。まあそうですよね・・・セダンやクーペをマジメに作るなんてやってられっか!って話ですよね。クルマ雑誌に煽動されて、クソみたいなメルセデスやBMWが素晴らしいと思っているクズなんてほっとけばいいです。何でも「日本車より輸入車が上!」という価値観を植え付けられている人々なんてマトモに相手にしてられないです。ゴルフとか3シリーズのライバル車にたくさん開発費かけたところで、そういうイカれた目線で蔑まれるのがオチですから・・・。
それよりも「ハリアーは最高です!」と言って貯金をはたいてでも買ってくれる、素朴で純情な若者達を相手にしていたほうが、作る側としても間違いなくテンションが上がりますよ。それに引き換え都市部で燻っている人々の価値観がいかに淀んでいるか・・・。日テレのアナウンサーがスポンサーからベントレー貰ったとか、芸人の武井壮がポルシェ買ったとかの報道があって、テレビの文化人がちょっと神経質に反応してたりするのを見かけます。「テレビの文化人=都市部のクズの代表」ですから、そこにやたらと共感しているようなセレブ気取った視聴者にクルマを語らせたら、もう40歳なのにメルヘン全開・・・あまりの空虚さにコメントもできませんし、ひたすらに笑いを堪えるのが大変です。
まあ何も言わずに偽善者モードで聞いていたりするのですが、そのアナウンサーと出身大学が同じだからという意味不明な理由で張り合おうとするわけです(貰ったベントレーって、カーシェアのガヤルドみたいでメチャクチャかっこ悪いと思うのですけど)。そもそもベントレー買う前に立派なガレージ付きの豪邸と、やはりガレージのある別荘と、勤務先にもセキュリティーの万全な駐車スペースを確保する必要ありますよね。とりあえず2000万円あるから買えるって話では決してないと思うのですけどね。
本人はまるでクルマの事情通みたいに話しますけど、普段からクルマ使って生活していないことがすぐに見抜けてしまいます。「レクサスLSとかで十分に幸せだと思うけど」なんて善意のアドバイスをすると、どこで刷り込まれたのか知らないですが「日本車ってさ安全性低いよね(笑)」みたいなこと言い出します。まあ確かにベントレー乗ってれば周囲のクルマは避けてくれますよ!けどレクサスLSだって十分に避けてもらえますけどね・・・。日本の自動車メーカーはこんな下らないバカヤロー達を相手になんかしないほうがいいでしょうし、こんなアホの為にクルマを作るなんて本当にウンザリですよね。
さて話をSUVに戻すと、日本メーカーが本気になるとやっぱりなかなかスゴいことになるってのが実感できますね。スカイライン以上に気合を感じるのが、HVが追加されたエクストレイルです。もう3年前になりますが、これまでSUVのイメージがほとんど無かったマツダが、新型デザインとともに投入したCX5がクリーンディーゼルの旋風を起こしつつ大ヒットしました。この強烈な一撃に大ショックを受けたのが、ランクルやハリアーで世界のSUVシーンを牽引してきたトヨタで、二代目ハリアーは開いた口が塞がらなくなるくらいに内装を盛って、先行して調子に乗っているマツダを挑発しています。そしてCX5もMCであれこれと追い上げを見せる! いや〜・・これこそがクルマの進化においてとても健全で重要なサイクルじゃないでしょうか!
CX5が出てくる前までは、オフロードの本格派としてコアな人気を博していた日産エクストレイルは、CX5よりも先にクリーンディーゼルを投入していたのですが、一般ユーザーにそれを売ろうと策を講じるわけでもなく、おそらく日産らしい健気な理由(静音性に難あり)によってオフロードマニアだけが知るモデルでした。マツダの躍進を指をくわえて見ているのは、らしくないなと思いましたが、日産のプライドからマツダの尻馬に乗りたくはない!ってのもなんだかよく解りますね。新型ハリアーと同じタイミングで登場した3代目エクストレイルにはディーゼルはラインナップされませんでした。それでも強敵ハリアー相手に単月でSUV売上トップをマークするなど底力を見せつけました。ハリアーもエクストレイルも輸入車の新車が買えてしまうくらいの結構な価格でしたが、SUVブームが追い風となったこともありそこそこよく売れました。それぞれカムリHV(月300台)やティアナ(月100台)と同じくらいの価格で、2台揃って月産5000台オーバーを記録したのは見事です。
ヴェゼルとハスラーが同時期に発売されて異例の大ヒットを遂げてましたので、どちらもそれなりに販売への悪影響はあったと思いますが、本気になったトヨタが仕上げたハリアーも、欧州でナンバー1のSUVブランド(ランドローバーよりも日産だ!)に相応しい力作となったエクストレイルも、どちらも素晴らしい出来映えで、本質を好むユーザーの気持ちをしっかりと捉えた結果だと思います。これだけ完璧に作られると、クルマライターもCX5、ハリアー、エクストレイルに序列を作れ!と言われても「どれも合格!好きなのに乗ればいい!」と放り投げたくなるでしょう。「走破性」のエクストレイル、「内外装&質感」のハリアー、「ダイナミックなフィール」が自慢のCX5・・・まあそれぞれに完成度は高いですけど「ライバルをKOする」という意味では決め手不足?とも言えます。
そんな三つ巴で均衡したパワーバランスにケリを付けるかのように、いよいよエクストレイルにHVが投入されました!といってもすでにハリアーはHVでCX5はディーゼルで経済性を十分にアピール出来ています。しかもトヨタは「AWD&HV」、マツダは「AWD&ディーゼル」を用意していて、SUVの尊厳を汚すことなく堂々と展開しています。いよいよエクストレイルも「AWD&HV」を投入して同じ土俵に立ったわけですが、経済性での不利を挽回したことで、今度は逆にエクストレイルが初代から熟成してきた「ALLMODE 4×4-i」によるAWD性能の高さがアピールできます。さらに3代目から追加された「アクティブライドコントロール」というハイテクが導入されているのが日産らしいです。目線の先にはトヨタやマツダではなく、常に「打倒ポルシェ」が日産のこだわり!エクストレイルのライバルはマカンなんだ!と主張できる仕掛けです。
もちろんこれだけメカが仕込まれているにも関わらず、非常にお手軽価格のSUVですから、欧州ではHV無しのデビュー段階でもすでに大絶賛されていて、辛口で有名な英国メディアの新車評価でも「9」(10点満点)という凄まじく高い評価を受けています。同時期に発売されて日本のメディアが「すべてが刷新される!」と散々に騒いだメルセデスCクラスが「7」ですから(かなり妥当?)、もっと日本のカーメディアも真剣に語るべきクルマだと思うのですけどね。「欧州車に学べ」とか偉そうなことをあれこれと言っておきながら、最終的には特にアイディアもなく、ラゲッジの広さとモード燃費(あるいは測定燃費)だけでクルマの優劣を決めてしまうのが日本のカーメディアのクソなところです。
日産と言えば「スカイライン350GT」が激アツでしたけど、この時も日本のカーメディアは揃ってダンマリでした。とにかく凄い!ってのはみんな気づいているのだけど、誰も言い出さない雰囲気は異様ですらありました(トヨタの圧力?)。そんな中で日本COTYでスカイラインに10点入れたピストン西沢さんは素晴らしいと思いますけど、他の評論家はまるで日産は「アンタッチャブル」みたいに扱います。日産が本気出し過ぎてカーメディアが理解できなかった!という言い訳もあるかもしれません。なにせカルロス=ゴーンが社長になったときに「こいつらバカじゃねーの・・・」と思うほど、クルマの様々な技術が様々な部署で研究され尽くしてしたのが当時の日産だったそうです。日産は今年のルマンに掟破りのFF車で参戦しましたけど、恐らくまともにMRのクルマを作って日産が参戦すれば、ポルシェにもアウディにも楽勝できると思います。ルマンなんてロータリーはズルいからダメ!なんてほざくグダグダなレギュレーションのレースです。そんな生温いレースに勝てないトヨタもどうかと思いますけどね・・・。
さてエクストレイルHVですが、ニッケル水素バッテリーを使うハリアーHVに対し、リチウムイオンバッテリーを採用しているので、基本の車重が約100kg軽いです。それでも日産自慢のフルタイムAWDを動かすとなると燃費でハリアーにわずかに負けてしまうようです(もちろん無視できる誤差程度ですが)。この辺が「エクストレイルHV」の性格を示す良い指標かなと言う気がします。3列シートも選べるので、ミニバン代わりのファミリーカーにもなりますし、HVはディーゼルと違ってちょい乗りでも負荷は少ないですし、街中でも燃費を稼げます。ドカ雪が振っても大丈夫!?な走破性も魅力です。これはスカイライン以上の「事件」じゃないか?という気がするのですが・・・。
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それよりも「ハリアーは最高です!」と言って貯金をはたいてでも買ってくれる、素朴で純情な若者達を相手にしていたほうが、作る側としても間違いなくテンションが上がりますよ。それに引き換え都市部で燻っている人々の価値観がいかに淀んでいるか・・・。日テレのアナウンサーがスポンサーからベントレー貰ったとか、芸人の武井壮がポルシェ買ったとかの報道があって、テレビの文化人がちょっと神経質に反応してたりするのを見かけます。「テレビの文化人=都市部のクズの代表」ですから、そこにやたらと共感しているようなセレブ気取った視聴者にクルマを語らせたら、もう40歳なのにメルヘン全開・・・あまりの空虚さにコメントもできませんし、ひたすらに笑いを堪えるのが大変です。
まあ何も言わずに偽善者モードで聞いていたりするのですが、そのアナウンサーと出身大学が同じだからという意味不明な理由で張り合おうとするわけです(貰ったベントレーって、カーシェアのガヤルドみたいでメチャクチャかっこ悪いと思うのですけど)。そもそもベントレー買う前に立派なガレージ付きの豪邸と、やはりガレージのある別荘と、勤務先にもセキュリティーの万全な駐車スペースを確保する必要ありますよね。とりあえず2000万円あるから買えるって話では決してないと思うのですけどね。
本人はまるでクルマの事情通みたいに話しますけど、普段からクルマ使って生活していないことがすぐに見抜けてしまいます。「レクサスLSとかで十分に幸せだと思うけど」なんて善意のアドバイスをすると、どこで刷り込まれたのか知らないですが「日本車ってさ安全性低いよね(笑)」みたいなこと言い出します。まあ確かにベントレー乗ってれば周囲のクルマは避けてくれますよ!けどレクサスLSだって十分に避けてもらえますけどね・・・。日本の自動車メーカーはこんな下らないバカヤロー達を相手になんかしないほうがいいでしょうし、こんなアホの為にクルマを作るなんて本当にウンザリですよね。
さて話をSUVに戻すと、日本メーカーが本気になるとやっぱりなかなかスゴいことになるってのが実感できますね。スカイライン以上に気合を感じるのが、HVが追加されたエクストレイルです。もう3年前になりますが、これまでSUVのイメージがほとんど無かったマツダが、新型デザインとともに投入したCX5がクリーンディーゼルの旋風を起こしつつ大ヒットしました。この強烈な一撃に大ショックを受けたのが、ランクルやハリアーで世界のSUVシーンを牽引してきたトヨタで、二代目ハリアーは開いた口が塞がらなくなるくらいに内装を盛って、先行して調子に乗っているマツダを挑発しています。そしてCX5もMCであれこれと追い上げを見せる! いや〜・・これこそがクルマの進化においてとても健全で重要なサイクルじゃないでしょうか!
CX5が出てくる前までは、オフロードの本格派としてコアな人気を博していた日産エクストレイルは、CX5よりも先にクリーンディーゼルを投入していたのですが、一般ユーザーにそれを売ろうと策を講じるわけでもなく、おそらく日産らしい健気な理由(静音性に難あり)によってオフロードマニアだけが知るモデルでした。マツダの躍進を指をくわえて見ているのは、らしくないなと思いましたが、日産のプライドからマツダの尻馬に乗りたくはない!ってのもなんだかよく解りますね。新型ハリアーと同じタイミングで登場した3代目エクストレイルにはディーゼルはラインナップされませんでした。それでも強敵ハリアー相手に単月でSUV売上トップをマークするなど底力を見せつけました。ハリアーもエクストレイルも輸入車の新車が買えてしまうくらいの結構な価格でしたが、SUVブームが追い風となったこともありそこそこよく売れました。それぞれカムリHV(月300台)やティアナ(月100台)と同じくらいの価格で、2台揃って月産5000台オーバーを記録したのは見事です。
ヴェゼルとハスラーが同時期に発売されて異例の大ヒットを遂げてましたので、どちらもそれなりに販売への悪影響はあったと思いますが、本気になったトヨタが仕上げたハリアーも、欧州でナンバー1のSUVブランド(ランドローバーよりも日産だ!)に相応しい力作となったエクストレイルも、どちらも素晴らしい出来映えで、本質を好むユーザーの気持ちをしっかりと捉えた結果だと思います。これだけ完璧に作られると、クルマライターもCX5、ハリアー、エクストレイルに序列を作れ!と言われても「どれも合格!好きなのに乗ればいい!」と放り投げたくなるでしょう。「走破性」のエクストレイル、「内外装&質感」のハリアー、「ダイナミックなフィール」が自慢のCX5・・・まあそれぞれに完成度は高いですけど「ライバルをKOする」という意味では決め手不足?とも言えます。
そんな三つ巴で均衡したパワーバランスにケリを付けるかのように、いよいよエクストレイルにHVが投入されました!といってもすでにハリアーはHVでCX5はディーゼルで経済性を十分にアピール出来ています。しかもトヨタは「AWD&HV」、マツダは「AWD&ディーゼル」を用意していて、SUVの尊厳を汚すことなく堂々と展開しています。いよいよエクストレイルも「AWD&HV」を投入して同じ土俵に立ったわけですが、経済性での不利を挽回したことで、今度は逆にエクストレイルが初代から熟成してきた「ALLMODE 4×4-i」によるAWD性能の高さがアピールできます。さらに3代目から追加された「アクティブライドコントロール」というハイテクが導入されているのが日産らしいです。目線の先にはトヨタやマツダではなく、常に「打倒ポルシェ」が日産のこだわり!エクストレイルのライバルはマカンなんだ!と主張できる仕掛けです。
もちろんこれだけメカが仕込まれているにも関わらず、非常にお手軽価格のSUVですから、欧州ではHV無しのデビュー段階でもすでに大絶賛されていて、辛口で有名な英国メディアの新車評価でも「9」(10点満点)という凄まじく高い評価を受けています。同時期に発売されて日本のメディアが「すべてが刷新される!」と散々に騒いだメルセデスCクラスが「7」ですから(かなり妥当?)、もっと日本のカーメディアも真剣に語るべきクルマだと思うのですけどね。「欧州車に学べ」とか偉そうなことをあれこれと言っておきながら、最終的には特にアイディアもなく、ラゲッジの広さとモード燃費(あるいは測定燃費)だけでクルマの優劣を決めてしまうのが日本のカーメディアのクソなところです。
日産と言えば「スカイライン350GT」が激アツでしたけど、この時も日本のカーメディアは揃ってダンマリでした。とにかく凄い!ってのはみんな気づいているのだけど、誰も言い出さない雰囲気は異様ですらありました(トヨタの圧力?)。そんな中で日本COTYでスカイラインに10点入れたピストン西沢さんは素晴らしいと思いますけど、他の評論家はまるで日産は「アンタッチャブル」みたいに扱います。日産が本気出し過ぎてカーメディアが理解できなかった!という言い訳もあるかもしれません。なにせカルロス=ゴーンが社長になったときに「こいつらバカじゃねーの・・・」と思うほど、クルマの様々な技術が様々な部署で研究され尽くしてしたのが当時の日産だったそうです。日産は今年のルマンに掟破りのFF車で参戦しましたけど、恐らくまともにMRのクルマを作って日産が参戦すれば、ポルシェにもアウディにも楽勝できると思います。ルマンなんてロータリーはズルいからダメ!なんてほざくグダグダなレギュレーションのレースです。そんな生温いレースに勝てないトヨタもどうかと思いますけどね・・・。
さてエクストレイルHVですが、ニッケル水素バッテリーを使うハリアーHVに対し、リチウムイオンバッテリーを採用しているので、基本の車重が約100kg軽いです。それでも日産自慢のフルタイムAWDを動かすとなると燃費でハリアーにわずかに負けてしまうようです(もちろん無視できる誤差程度ですが)。この辺が「エクストレイルHV」の性格を示す良い指標かなと言う気がします。3列シートも選べるので、ミニバン代わりのファミリーカーにもなりますし、HVはディーゼルと違ってちょい乗りでも負荷は少ないですし、街中でも燃費を稼げます。ドカ雪が振っても大丈夫!?な走破性も魅力です。これはスカイライン以上の「事件」じゃないか?という気がするのですが・・・。
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2015年7月12日日曜日
BMW1シリーズ vs シトロエンDS4 「価格改定でガチンコ」
国産・輸入問わずですが、Cセグ車がどうやらあまり売れていないみたいです。いまどきCセグハッチバックをファミリーカーにするなんて変わった趣味の人々(センス無い)は、さすがにほぼ絶滅したようです。近所で最近のCセグ車を見る限りではユーザーの7割が老夫婦、2割が奥様専用車・・・車種は①ゴルフ②インプ③1シリーズの順番で多いように感じます、その次にAクラス、アクセラといったところが人気のようです。その中で30~50歳代の男性(現役世代)に限定すると圧倒的に1シリーズが選ばれているように感じます。このクルマはどうやら、なんとなくライバル車に比べて男性的なイメージを醸すようで、ブランドの最廉価車ながらも、予想外にBMWらしさを発信しているように思います。
Cセグ内で圧倒的な男性人気を誇る1シリーズですが、やはりというかそういう男性的なワイルドさに憧れて、大型バイクを転がしてそうなアクティブな女性にも好まれているようです。有名な高級住宅地で1シリーズ乗っている人はほぼこのような印象の女性ですね。かなり勝手な想像ですが、「1シリーズ=大型バイク」みたいな受け取られ方で、ファッションアイテムとして独自の地位を確立しているようです。確かに1シリーズはむやみに高級感を出そうとしていない風情はとても好印象で、となりに5シリーズが来る事に怯える心配さえ無ければ、なかなか有能なクルマと言えそうです。
ゴルフ、A3、Aクラス、308、ジュリエッタ、インプレッサ、アクセラといったいかにも老人とオバさんしか買わない(であろう)Cセグは、とりあえず現役世代の男性は完全無視しておいた方が良さそうです。これ以外のCセグ車で1シリーズのような独特の地位を築いている、もしくはそういった素養を持ち合わせているマイナー車はないか?と探してみると、1シリーズに対峙できる唯一のモデルと思われるのが、「シトロエンDS4」ではないかという気がします。こちらは洒脱なカジュアルウェアに身を包んだオフモードのオッサンが、スネを露出したオシャレでラフな格好で運転してそうなクルマです。
イタリアやフランスのライフスタイルをそのまま体現したようなクルマということで、イタフラ車には根強い人気があるようです。PSA、フィアット、ルノーの3大グループが復調気味で、再び日本での活躍を期待したいところですが、現行モデルを見ると、そんなイタフラな要素はすっかり失ってゴルフのコピー車みたいになってしまったプジョー308に、その逆でゴテゴテでしつこすぎるデザインに食傷気味であまりオシャレを感じないジュリエッタなどなどとうもイマイチでイメージ通りではありません。ハッキリ言ってしまうと全くの不作続きのイタフラCセグの中でオシャレを主張できる唯一のクルマが「シトロエンDS4」だと思います。
この春に1シリーズもDS4もどちらも価格が改変されまして、円安基調にも関わらずCセグの苦境を如実に示すかのように値下げ(価格是正?)されていて、以前に比べていくらか買いやすくはなってきた感があります。どちらも1.6Lターボを基調にしていて、というよりこれはBMWとPSAが共同開発したエンジンなので、縦置き(FR用)と横置き(FF用)の違いこそあれども、ボア×ストロークのサイズからも同じエンジンと言って差し支えないと思います。
いくらか差異がある点としては、元々が横置きの前方吸気/後方排気を想定したエンジンのようで(PSAとミニ用)、1シリーズ用の縦置きでは吸気と排気が左右に位置してしまい、どうやら過給で出力を上げるのがやや難しいようです。DS4の最大出力が165psなのに対し、118iが136psで120iが177psとBMWの意地で上回っていますがその差はほんのわずかです。ちなみにちょっと前までDS4には「スポーツシック」というMT専用で200psを出すバージョンもありました。
価格帯で見ると「118iスポーツ」と「DS4」がほぼイーブンで、走りに関するハード面では、「ハンドリングの1シリーズ」と「エンジンパワーのDS4」とざっくりした特徴が見られます。どちらも1世代前のモデルは右ハンドル車のペダル、ステアリングとシートの位置関係にかなりの難があるとされてきました。しかし今ではゴルフや日本勢(インプ、アクセラ、オーリス)と比べても、ほとんど遜色ないものへと改良されたようでで、そういった面での心配もほぼ無くなっていて、とくに目くじらを立てるほどの違和感はありません。
2013年に輸入ブランドのCセグが大挙して日本で発売されました。しかもターボ過給を使い分けて、多くのグレード展開をするので、スペックと価格帯が大きく入り乱れていて非常にわかりづらくなっています。見事な広告戦略?で日本勢を押し退けて良く売れたゴルフの出力を基準にすると大まかに3グループに分類されます。ゴルフで「TSI」というグレード名が付く1,2~1.4Lモデルと同等で、最高出力が〜140ps程度のもので、主に中国市場向けに開発されているものが「ベースCセグ」です。150ps~220psくらいの余裕のある出力を誇り高速道路も楽々にこなせるゴルフGTIに匹敵する性能で、主にアメリカ市場への参入を想定して開発されたDセグ以上の上級車用ユニットを載せているのが「アッパーCセグ」。さらには出力面でポルシェのスポーツカーにも十分に対抗出来る超高出力ユニットを積んでいる「スペシャルCセグ」の3グループです。
BMWでいうと、136psの118iが「ベースCセグ」、177psの120iが「アッパーCセグ」、326psのハイパワーを誇るM135iが「スペシャルCセグ」に相当します。それぞれのグレードが想定されているのは、118iがお買い物や子どもの送迎用のセカンドカー、120iが高速利用を想定した独身世帯向け、そしてM135iこそはポルシェケイマンの走りとパッケージ面での実用性を兼ね備えた「BMWスペシャル」といったところでしょうか。
一方のシトロエンDS4は?というと、お買い物&子ども送迎に関してはDS3が設定されているので、「ベースCセグ」の部分は大胆にカットしています。DS4は「アッパーDセグ」のみに集中しています。その実力をあれこれ試してみると、まずFFらしく静粛性と直進安定性という点で120iを着実に上回っていますし、内外装のデザインもBMWを相手に十分に優位に立てる完成度です。さらにドイツ車のささくれ立った乗り味とは一線を画すような「シトロエンフィール」は、一度試乗してみると「ぜひこの乗り味にお金を払いたい!」という人も多いと思います。ちなみにシトロエンC5に現在も使われている有名な「ハイドロニューマティック」式サスが使われているわけではなく、一般的なコイルバネのサスとダンパーそしてバンプストッパーだけでこの乗り味を実現しています。
独身男性が知り合いの異性を自分のクルマに招くとしたら、1シリーズとDS4のどちらが総合的に良いのか? おそらくブランドのネームバリューに関しては、どちらも同じくらいに「へぇ〜!すごいね〜!」くらいのことは思ってもらえると思います(異性のタイプにもよりますけど)。内装に関してもどちらもきちんと清潔にしておけば、ほぼ確実に喜んでもらえるでしょうし、2人乗りならとくに狭いということもないでしょう。さらに一歩進んだ装備を!ということであれば、ちょっとお値段が張るのですが、DS4の純正オプションに用意されている「デザイナーズ・レザーシート」を奮発すれば、1シリーズからリードを奪うこともできます。このシートが付いてれば、「なぜシトロエンなんだろう?」という疑問も自明になるのでは?と思いますよ。
以前(2011年頃)のシトロエン車は、最大トルクが20kg・mを超えるモデルは容量の問題からミッションがMTに限定され、それ以下の非力なモデルには相当に酷い4速ATが使われていました。3ペダルMTを上手く操作すればいい話ですが、熟成度があまりに低過ぎて日本を走るレベルになかった4速AT車は、走り出した瞬間からBMWが圧勝!の判定が下るくらいの大きな格差がありました。しかし経営再建への不退転の決意で新たに歩み出したシトロエン渾身の「DSシリーズ」の発売とともに、自社開発の4速ATを潔く諦め、トヨタ系列のアイシンAW製6速ATを新たに採用し、ミッション性能でも一気にBMWと遜色ない水準まで引き上げて問題を見事に解決しました。ちなみにBMWがミニや2シリーズAツアラーなどで使う横置きエンジン用ミッションは6速も8速もアイシンAW製です(1シリーズの縦置き用はZF製8速AT)。
もともと「ちゃんとしていた」BMWに対し、シトロエンが日本で使える水準にまで一気に完成度を引き上げてきたことで、その大き過ぎた距離を見事に縮めたと言えます。さらにもともとCセグを主戦場としてきたシトロエンですから、小型車の足回りに関するノウハウにおいてはおそらくBMWを軽く上回りますし、スタイリングに関する実績や経験値も断然に上です。日本勢との戦いを想定して、ロール剛性を諦めてカローラのようなフニャフニャの足になっている1シリーズに対し、足回りのセッティングに自信があるシトロエンは、ロール剛性を高く保ったままで見事に乗り味を確保しています。ボルボやマツダに近い味付けという印象も受けますが、現実にドイツ車よりも数段に乗り心地がいいです。ということで、現行の1シリーズとDS4を比べるならば、DS4を選択したいかな?という気がします!
近々ですが1シリーズには大改変があるようで、いよいよFRが終わりとなりFFモデルへと移行することが決定的なようです。それに伴いエンジンも1.5L直3と、2.0L直4の2本立てへと変わるため、現行の1.6Lターボも廃止される見通しです。FFで1.6Lターボでアイシン6ATまで同じ!なんていう1シリーズとDS4の大きなニアミスはどうやら無さそうです。
そもそもFRで1シリーズを作り続けてきたBMWの狙いは、M135iのようなハイパワーユニットを小型ボディに押し込んでポルシェに対抗することにありました。しかし2シリーズクーペの登場で、FRコンパクトの後継は確保されているようで、今後は2シリーズクーペに、4ドアグランクーペや、ワゴンといったボディタイプが追加されて、現行の1シリーズの「アッパーCセグ」や「スペシャルCセグ」の顧客を受け継いでいくことになるようです。結論としては「アッパーCセグ」ならDS4で「スペシャルCセグ」ならM135iがベストな選択でしょうか。もちろん「ワイルド」と「クール」で大きく方向性が分かれる外装の好みが最大の分岐点かもしれないですが・・・。
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Cセグ内で圧倒的な男性人気を誇る1シリーズですが、やはりというかそういう男性的なワイルドさに憧れて、大型バイクを転がしてそうなアクティブな女性にも好まれているようです。有名な高級住宅地で1シリーズ乗っている人はほぼこのような印象の女性ですね。かなり勝手な想像ですが、「1シリーズ=大型バイク」みたいな受け取られ方で、ファッションアイテムとして独自の地位を確立しているようです。確かに1シリーズはむやみに高級感を出そうとしていない風情はとても好印象で、となりに5シリーズが来る事に怯える心配さえ無ければ、なかなか有能なクルマと言えそうです。
ゴルフ、A3、Aクラス、308、ジュリエッタ、インプレッサ、アクセラといったいかにも老人とオバさんしか買わない(であろう)Cセグは、とりあえず現役世代の男性は完全無視しておいた方が良さそうです。これ以外のCセグ車で1シリーズのような独特の地位を築いている、もしくはそういった素養を持ち合わせているマイナー車はないか?と探してみると、1シリーズに対峙できる唯一のモデルと思われるのが、「シトロエンDS4」ではないかという気がします。こちらは洒脱なカジュアルウェアに身を包んだオフモードのオッサンが、スネを露出したオシャレでラフな格好で運転してそうなクルマです。
イタリアやフランスのライフスタイルをそのまま体現したようなクルマということで、イタフラ車には根強い人気があるようです。PSA、フィアット、ルノーの3大グループが復調気味で、再び日本での活躍を期待したいところですが、現行モデルを見ると、そんなイタフラな要素はすっかり失ってゴルフのコピー車みたいになってしまったプジョー308に、その逆でゴテゴテでしつこすぎるデザインに食傷気味であまりオシャレを感じないジュリエッタなどなどとうもイマイチでイメージ通りではありません。ハッキリ言ってしまうと全くの不作続きのイタフラCセグの中でオシャレを主張できる唯一のクルマが「シトロエンDS4」だと思います。
この春に1シリーズもDS4もどちらも価格が改変されまして、円安基調にも関わらずCセグの苦境を如実に示すかのように値下げ(価格是正?)されていて、以前に比べていくらか買いやすくはなってきた感があります。どちらも1.6Lターボを基調にしていて、というよりこれはBMWとPSAが共同開発したエンジンなので、縦置き(FR用)と横置き(FF用)の違いこそあれども、ボア×ストロークのサイズからも同じエンジンと言って差し支えないと思います。
いくらか差異がある点としては、元々が横置きの前方吸気/後方排気を想定したエンジンのようで(PSAとミニ用)、1シリーズ用の縦置きでは吸気と排気が左右に位置してしまい、どうやら過給で出力を上げるのがやや難しいようです。DS4の最大出力が165psなのに対し、118iが136psで120iが177psとBMWの意地で上回っていますがその差はほんのわずかです。ちなみにちょっと前までDS4には「スポーツシック」というMT専用で200psを出すバージョンもありました。
価格帯で見ると「118iスポーツ」と「DS4」がほぼイーブンで、走りに関するハード面では、「ハンドリングの1シリーズ」と「エンジンパワーのDS4」とざっくりした特徴が見られます。どちらも1世代前のモデルは右ハンドル車のペダル、ステアリングとシートの位置関係にかなりの難があるとされてきました。しかし今ではゴルフや日本勢(インプ、アクセラ、オーリス)と比べても、ほとんど遜色ないものへと改良されたようでで、そういった面での心配もほぼ無くなっていて、とくに目くじらを立てるほどの違和感はありません。
2013年に輸入ブランドのCセグが大挙して日本で発売されました。しかもターボ過給を使い分けて、多くのグレード展開をするので、スペックと価格帯が大きく入り乱れていて非常にわかりづらくなっています。見事な広告戦略?で日本勢を押し退けて良く売れたゴルフの出力を基準にすると大まかに3グループに分類されます。ゴルフで「TSI」というグレード名が付く1,2~1.4Lモデルと同等で、最高出力が〜140ps程度のもので、主に中国市場向けに開発されているものが「ベースCセグ」です。150ps~220psくらいの余裕のある出力を誇り高速道路も楽々にこなせるゴルフGTIに匹敵する性能で、主にアメリカ市場への参入を想定して開発されたDセグ以上の上級車用ユニットを載せているのが「アッパーCセグ」。さらには出力面でポルシェのスポーツカーにも十分に対抗出来る超高出力ユニットを積んでいる「スペシャルCセグ」の3グループです。
BMWでいうと、136psの118iが「ベースCセグ」、177psの120iが「アッパーCセグ」、326psのハイパワーを誇るM135iが「スペシャルCセグ」に相当します。それぞれのグレードが想定されているのは、118iがお買い物や子どもの送迎用のセカンドカー、120iが高速利用を想定した独身世帯向け、そしてM135iこそはポルシェケイマンの走りとパッケージ面での実用性を兼ね備えた「BMWスペシャル」といったところでしょうか。
一方のシトロエンDS4は?というと、お買い物&子ども送迎に関してはDS3が設定されているので、「ベースCセグ」の部分は大胆にカットしています。DS4は「アッパーDセグ」のみに集中しています。その実力をあれこれ試してみると、まずFFらしく静粛性と直進安定性という点で120iを着実に上回っていますし、内外装のデザインもBMWを相手に十分に優位に立てる完成度です。さらにドイツ車のささくれ立った乗り味とは一線を画すような「シトロエンフィール」は、一度試乗してみると「ぜひこの乗り味にお金を払いたい!」という人も多いと思います。ちなみにシトロエンC5に現在も使われている有名な「ハイドロニューマティック」式サスが使われているわけではなく、一般的なコイルバネのサスとダンパーそしてバンプストッパーだけでこの乗り味を実現しています。
独身男性が知り合いの異性を自分のクルマに招くとしたら、1シリーズとDS4のどちらが総合的に良いのか? おそらくブランドのネームバリューに関しては、どちらも同じくらいに「へぇ〜!すごいね〜!」くらいのことは思ってもらえると思います(異性のタイプにもよりますけど)。内装に関してもどちらもきちんと清潔にしておけば、ほぼ確実に喜んでもらえるでしょうし、2人乗りならとくに狭いということもないでしょう。さらに一歩進んだ装備を!ということであれば、ちょっとお値段が張るのですが、DS4の純正オプションに用意されている「デザイナーズ・レザーシート」を奮発すれば、1シリーズからリードを奪うこともできます。このシートが付いてれば、「なぜシトロエンなんだろう?」という疑問も自明になるのでは?と思いますよ。
以前(2011年頃)のシトロエン車は、最大トルクが20kg・mを超えるモデルは容量の問題からミッションがMTに限定され、それ以下の非力なモデルには相当に酷い4速ATが使われていました。3ペダルMTを上手く操作すればいい話ですが、熟成度があまりに低過ぎて日本を走るレベルになかった4速AT車は、走り出した瞬間からBMWが圧勝!の判定が下るくらいの大きな格差がありました。しかし経営再建への不退転の決意で新たに歩み出したシトロエン渾身の「DSシリーズ」の発売とともに、自社開発の4速ATを潔く諦め、トヨタ系列のアイシンAW製6速ATを新たに採用し、ミッション性能でも一気にBMWと遜色ない水準まで引き上げて問題を見事に解決しました。ちなみにBMWがミニや2シリーズAツアラーなどで使う横置きエンジン用ミッションは6速も8速もアイシンAW製です(1シリーズの縦置き用はZF製8速AT)。
もともと「ちゃんとしていた」BMWに対し、シトロエンが日本で使える水準にまで一気に完成度を引き上げてきたことで、その大き過ぎた距離を見事に縮めたと言えます。さらにもともとCセグを主戦場としてきたシトロエンですから、小型車の足回りに関するノウハウにおいてはおそらくBMWを軽く上回りますし、スタイリングに関する実績や経験値も断然に上です。日本勢との戦いを想定して、ロール剛性を諦めてカローラのようなフニャフニャの足になっている1シリーズに対し、足回りのセッティングに自信があるシトロエンは、ロール剛性を高く保ったままで見事に乗り味を確保しています。ボルボやマツダに近い味付けという印象も受けますが、現実にドイツ車よりも数段に乗り心地がいいです。ということで、現行の1シリーズとDS4を比べるならば、DS4を選択したいかな?という気がします!
近々ですが1シリーズには大改変があるようで、いよいよFRが終わりとなりFFモデルへと移行することが決定的なようです。それに伴いエンジンも1.5L直3と、2.0L直4の2本立てへと変わるため、現行の1.6Lターボも廃止される見通しです。FFで1.6Lターボでアイシン6ATまで同じ!なんていう1シリーズとDS4の大きなニアミスはどうやら無さそうです。
そもそもFRで1シリーズを作り続けてきたBMWの狙いは、M135iのようなハイパワーユニットを小型ボディに押し込んでポルシェに対抗することにありました。しかし2シリーズクーペの登場で、FRコンパクトの後継は確保されているようで、今後は2シリーズクーペに、4ドアグランクーペや、ワゴンといったボディタイプが追加されて、現行の1シリーズの「アッパーCセグ」や「スペシャルCセグ」の顧客を受け継いでいくことになるようです。結論としては「アッパーCセグ」ならDS4で「スペシャルCセグ」ならM135iがベストな選択でしょうか。もちろん「ワイルド」と「クール」で大きく方向性が分かれる外装の好みが最大の分岐点かもしれないですが・・・。
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2015年6月28日日曜日
VWゴルフR420 「これはカーメディアにウケが良さそうだ」
毎月のようにクルマ雑誌に躍る「◯◯◯おまえもか!」という文字に少々ウンザリです。最近の例でいうと「ジャガーおまえもか!」「マセラティおまえもか!」「ベントレーおまえもか!」「ランボルギーニおまえもか!」そして「アルファロメオおまえもか!」・・・。これらの各ブランドは近々プレミアムSUVを導入するそうですが、「おまえもか!」ってことは不満タラタラなんですね・・・絶対にSUVが嫌いとは書けないでしょうけど、気持ちがこもってます(笑)。そんなクルマ雑誌のライター達も「BMW X5」や「ポルシェカイエン」のレビューとなると、歯の浮きそうなおべんちゃらを散々に使っていて・・・。
これもカーメディアに生きるものの宿命とはいえ、本心とは全く違うことを延々と書かなくてはならないのはツライと思いますね。SUVが好きではない(というか嫌いな)のに、新型車はどこもかしこもSUVばかり・・・。しかもメーカーの鼻息は異様に荒く、下手なことが書けないですし、全くアガらないテンションを押し隠して書かなければ次の仕事はない。出版不況が吹き荒むなかでイヤイヤな苦行が、これからも続くのかと思うともう気分はヘロヘロじゃないかと思います。できることならユーザーの好みが突如劇的に変わってSUVブームが一気に下火になってくれないかな? そしてそんな風潮を作ってくれるスゴいクルマが出てこないかな〜・・・なんて待望する雰囲気をクルマ雑誌のあちこちから感じますね・・・。
そんな憂鬱な毎日を過ごしているであろうカーライターの気分が、少しは晴れそうなモデルが、意外や意外のVWから登場したようで、秋にも日本に導入されることが決まっているそうです。VWと言えば堅実な作りの「ゴルフ」と、レトロな復刻モデルになる「ザビートル」など、日本のユーザーの心を掴むクルマをラインナップしているなかなか素晴らしいブランドです。しかし正直に言いますと私はVWがあまり好きではないです。このブランドが日本でも高い支持を集める理由は、他でもないトヨタやホンダに迫るレベルで相応に合理的なクルマの設計をしているからだと思うからです。「トヨタ=ホンダ=VW」という意味でVWは称賛に値しますが、私はトヨタやホンダを買わないのと同じ理由でVWにも距離を感じています。
私たちは日本車に囲まれて生活していてそれが当たり前になっていて、トヨタやホンダのスゴさがメディアで正当に評価されることを目にする機会もないです。しかし世界の自動車メーカーと比べてもこの2社の合理的なクルマ作りは、圧倒的な地位にあることも十分にわかります。トヨタやホンダがアメリカだけでなく、欧州でもかなりの信頼と羨望を受けているブランドだという話はたくさん聞いたことがありますが、ちょうど同じように合理的なVWが、逆に日本でチヤホヤされるのと同じ構図なのだと思います(ドイツではVWは普通のクルマ)。
もちろんトヨタ、ホンダ、VWが同じようなクルマを作っているという話ではないです。しかしこの3社はどんな困難な経済情勢に巻き込まれても、政府や他社の支援など必要とせずに独自の体力だけで生き抜いてきた数少ない自動車工業の雄であり、この3社の逞しい背中を見てBMWグループやダイムラーグループも合理性を取り入れたクルマ作りに軸足を移しています。そしてどこぞの自動車グループの傘下にある高級ブランドでも現実的なSUV作りが広がっているわけです。
しかし行き過ぎた合理性は、大きくクルマの魅力を削ぐ結果となり、トヨタもホンダも慌てて「86」「RC-F」「S660」「シビックtypeR」「新型NSX」といったモデルを投入してきました。少しも揺るがない頑強な合理性を持つ強いメーカーが、改めて世界のクルマ好きへメッセージを発信することで、私達はこれからも長く楽しいクルマを選ぶことができるんだ!と少々ホッとするところがあります。某国産メーカーが突如3ローター&ターボの超絶スーパースポーツを1000万円で発売したら、このメーカーは全く懲りないな・・・と呆れてしまいますし、ロータスやマクラーレン、ケーニッグセグが10年後も存続していると信じる気持ちにはなれないです(ボルボもジャガー=ランドローバーもアストンマーティンも!)。
トヨタやホンダと同じ「合理主義」を社是とするVWも同じ世界に生きているわけですから、当然というべきかクルマ好きへのメッセージのこもったモデルを作ってきました。「VWゴルフR420」は、2Lターボを420psまで引き上げてその出力に耐えられる構造で横置きエンジン用のミッション(7DCT)をわざわざ新造して市販化に漕ぎ着けたようです。「直4ターボの横置き」「AWD」というとすぐに「ランエボ」が思い浮かびますが、ちょうどランエボ終焉の時期に登場したこともなんかの因縁を感じます。もしかしたら細部で使われる機構のライセンスに関する契約が三菱とVWで締結されているのでは?と・・・。
さてクルマ雑誌にウケが良いと思われるこの「ゴルフR420」ですが、やはり一斉にかなりのハイテンションで報じられています。そしてどこもかしこも、「日本にはこういうクルマがほとんど無くなってしまった・・・」なんて付け加えて書かれています。MSアクセラやシビックtypeR、ブレイド(トヨタ)などいまでも街中でしばしば見られるモデルの販売が、現在はされていないことを悲しむと同時に、日本のお家芸までもドイツメーカーに持っていかれたことに対する不満もあるようです。しかしいつまでも「ドイツvs日本」なんて構図というのもナンセンスですし、そもそもドイツの得意技って何?って話です。メルセデスAMG「GT」なんて見るからにアメ車的な設計ですし、BMW i8なんて何らブランドのポリシーを反映できていない。アウディR8はもはや・・・ですし。ポルシェ911はドイツ車で括られる前に「911」なわけで・・・。
もしVWがランエボの骨を拾っているならば・・・まあそれは結構なことだと思います。三菱にとってVWなどのドイツメーカーはターボチャージャーの納入先で大切なお得意様です。三菱自を破滅へと追いやったのは、もちろん自らの脇の甘さもありますが、マスコミに過剰なまでの三菱叩きをさせた謎の「巨大勢力」の存在があったのではないか・・・という陰謀論も囁かれます。しかしもはや信じられないかもしれませんが、ドイツでの品質信頼度における上位3ブランドは、ポルシェ、三菱、マツダです。日本では三菱のリコール隠しというモラルハザードが声高に叫ばれましたが、三菱と同じような状況は他のメーカーにも相応に起きているのに、三菱ばかりが日本中で知られるくらいまで繰り返し報道されました。同じ時期に故障を原因とした死亡事故はトヨタにおいてもホンダにおいても実際は三菱以上に発生しているわけです。
なぜトヨタやホンダは追求されないのか?という声は当時からもありました。そして三菱が「生け贄」になってくれたおかげで、日本メーカーの多くがコンプライアンスを改めて連日のようにリコールを出すようになりました。「最近のホンダはなんかリコールが多くない?」なんてニューモデルマガジンXでも散々に書かれていましたが、それはね・・・三菱が生け贄になったからだよ!という側面もあるはずです。そんな三菱の「怨念」をも背負ったVWが、トヨタやホンダそして、三菱を完全に喰いものにしたメルセデスに対して制裁を加える!はちょっと言い過ぎかもしれませんが、なんとも興味深い話です。トヨタ&レクサスの全てのモデルよりも、ホンダの新型「シビックtypeR」よりも、そして「メルセデスAMG・A45」よりも速い超絶マシン「ゴルフR420」が日本に降り立つのを楽しみにしたいと思います。
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これもカーメディアに生きるものの宿命とはいえ、本心とは全く違うことを延々と書かなくてはならないのはツライと思いますね。SUVが好きではない(というか嫌いな)のに、新型車はどこもかしこもSUVばかり・・・。しかもメーカーの鼻息は異様に荒く、下手なことが書けないですし、全くアガらないテンションを押し隠して書かなければ次の仕事はない。出版不況が吹き荒むなかでイヤイヤな苦行が、これからも続くのかと思うともう気分はヘロヘロじゃないかと思います。できることならユーザーの好みが突如劇的に変わってSUVブームが一気に下火になってくれないかな? そしてそんな風潮を作ってくれるスゴいクルマが出てこないかな〜・・・なんて待望する雰囲気をクルマ雑誌のあちこちから感じますね・・・。
そんな憂鬱な毎日を過ごしているであろうカーライターの気分が、少しは晴れそうなモデルが、意外や意外のVWから登場したようで、秋にも日本に導入されることが決まっているそうです。VWと言えば堅実な作りの「ゴルフ」と、レトロな復刻モデルになる「ザビートル」など、日本のユーザーの心を掴むクルマをラインナップしているなかなか素晴らしいブランドです。しかし正直に言いますと私はVWがあまり好きではないです。このブランドが日本でも高い支持を集める理由は、他でもないトヨタやホンダに迫るレベルで相応に合理的なクルマの設計をしているからだと思うからです。「トヨタ=ホンダ=VW」という意味でVWは称賛に値しますが、私はトヨタやホンダを買わないのと同じ理由でVWにも距離を感じています。
私たちは日本車に囲まれて生活していてそれが当たり前になっていて、トヨタやホンダのスゴさがメディアで正当に評価されることを目にする機会もないです。しかし世界の自動車メーカーと比べてもこの2社の合理的なクルマ作りは、圧倒的な地位にあることも十分にわかります。トヨタやホンダがアメリカだけでなく、欧州でもかなりの信頼と羨望を受けているブランドだという話はたくさん聞いたことがありますが、ちょうど同じように合理的なVWが、逆に日本でチヤホヤされるのと同じ構図なのだと思います(ドイツではVWは普通のクルマ)。
もちろんトヨタ、ホンダ、VWが同じようなクルマを作っているという話ではないです。しかしこの3社はどんな困難な経済情勢に巻き込まれても、政府や他社の支援など必要とせずに独自の体力だけで生き抜いてきた数少ない自動車工業の雄であり、この3社の逞しい背中を見てBMWグループやダイムラーグループも合理性を取り入れたクルマ作りに軸足を移しています。そしてどこぞの自動車グループの傘下にある高級ブランドでも現実的なSUV作りが広がっているわけです。
しかし行き過ぎた合理性は、大きくクルマの魅力を削ぐ結果となり、トヨタもホンダも慌てて「86」「RC-F」「S660」「シビックtypeR」「新型NSX」といったモデルを投入してきました。少しも揺るがない頑強な合理性を持つ強いメーカーが、改めて世界のクルマ好きへメッセージを発信することで、私達はこれからも長く楽しいクルマを選ぶことができるんだ!と少々ホッとするところがあります。某国産メーカーが突如3ローター&ターボの超絶スーパースポーツを1000万円で発売したら、このメーカーは全く懲りないな・・・と呆れてしまいますし、ロータスやマクラーレン、ケーニッグセグが10年後も存続していると信じる気持ちにはなれないです(ボルボもジャガー=ランドローバーもアストンマーティンも!)。
トヨタやホンダと同じ「合理主義」を社是とするVWも同じ世界に生きているわけですから、当然というべきかクルマ好きへのメッセージのこもったモデルを作ってきました。「VWゴルフR420」は、2Lターボを420psまで引き上げてその出力に耐えられる構造で横置きエンジン用のミッション(7DCT)をわざわざ新造して市販化に漕ぎ着けたようです。「直4ターボの横置き」「AWD」というとすぐに「ランエボ」が思い浮かびますが、ちょうどランエボ終焉の時期に登場したこともなんかの因縁を感じます。もしかしたら細部で使われる機構のライセンスに関する契約が三菱とVWで締結されているのでは?と・・・。
さてクルマ雑誌にウケが良いと思われるこの「ゴルフR420」ですが、やはり一斉にかなりのハイテンションで報じられています。そしてどこもかしこも、「日本にはこういうクルマがほとんど無くなってしまった・・・」なんて付け加えて書かれています。MSアクセラやシビックtypeR、ブレイド(トヨタ)などいまでも街中でしばしば見られるモデルの販売が、現在はされていないことを悲しむと同時に、日本のお家芸までもドイツメーカーに持っていかれたことに対する不満もあるようです。しかしいつまでも「ドイツvs日本」なんて構図というのもナンセンスですし、そもそもドイツの得意技って何?って話です。メルセデスAMG「GT」なんて見るからにアメ車的な設計ですし、BMW i8なんて何らブランドのポリシーを反映できていない。アウディR8はもはや・・・ですし。ポルシェ911はドイツ車で括られる前に「911」なわけで・・・。
もしVWがランエボの骨を拾っているならば・・・まあそれは結構なことだと思います。三菱にとってVWなどのドイツメーカーはターボチャージャーの納入先で大切なお得意様です。三菱自を破滅へと追いやったのは、もちろん自らの脇の甘さもありますが、マスコミに過剰なまでの三菱叩きをさせた謎の「巨大勢力」の存在があったのではないか・・・という陰謀論も囁かれます。しかしもはや信じられないかもしれませんが、ドイツでの品質信頼度における上位3ブランドは、ポルシェ、三菱、マツダです。日本では三菱のリコール隠しというモラルハザードが声高に叫ばれましたが、三菱と同じような状況は他のメーカーにも相応に起きているのに、三菱ばかりが日本中で知られるくらいまで繰り返し報道されました。同じ時期に故障を原因とした死亡事故はトヨタにおいてもホンダにおいても実際は三菱以上に発生しているわけです。
なぜトヨタやホンダは追求されないのか?という声は当時からもありました。そして三菱が「生け贄」になってくれたおかげで、日本メーカーの多くがコンプライアンスを改めて連日のようにリコールを出すようになりました。「最近のホンダはなんかリコールが多くない?」なんてニューモデルマガジンXでも散々に書かれていましたが、それはね・・・三菱が生け贄になったからだよ!という側面もあるはずです。そんな三菱の「怨念」をも背負ったVWが、トヨタやホンダそして、三菱を完全に喰いものにしたメルセデスに対して制裁を加える!はちょっと言い過ぎかもしれませんが、なんとも興味深い話です。トヨタ&レクサスの全てのモデルよりも、ホンダの新型「シビックtypeR」よりも、そして「メルセデスAMG・A45」よりも速い超絶マシン「ゴルフR420」が日本に降り立つのを楽しみにしたいと思います。
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2015年6月22日月曜日
レクサスRC 「ナイスなリアデザインは◎」
雑誌「Pen」が6/15日号で「スポーツカー&腕時計」の特集を組んでます。やっぱりムダにマニアックでどこか貧乏臭くて、編集部の青息吐息感が伝わってくる専門雑誌と違って、高所得者に狙いを定めた総合誌の完成度は凄まじく高く全くといっていいほど「隙」がないですね。これが「カーグラフィック」の半額で買えてしまうのだから、自動車専門誌はたまったもんじゃないです。
何が違うか?と、言われるとちょっと難しいですけど、決定的な「差」は全ての写真に味わいがあるところですかね。自動車専門誌の写真はなぜかテンションガタ落ちになるケースが多いです、イベントで広場に同じ種類のスポーツカーがズラッと並んでいるショットを見せられても、たくさん居て壮観!ってことなんでしょうけど、全くもってオーナー目線では要らない絵面じゃないですか?
それに対して「Pen」は海外オーナーを精力的に取材していて、その一人一人が老若男女問わずに、いい表情しているナイスな「カー・ピーポー」ばかりです。もちろん彼ら彼女らの愛車もスタイルからカラーリングまでこだわり抜いたセンスの光るものばかりなので、思わずため息が出ますね・・・。オペルGTのようなヒストリカルなクルマもありましたが、マツダロードスター、テスラロードスター、メルセデス300SLなどなど・・・それなりにコンテンポラリーで、いわゆる超絶スーパーカーに分類されるようなクルマばかりです。ロードスターも日本よりアメリカの景色に馴染むことがよくわかりましたよ・・・。
写真を見ただけで全くの恐縮なのですが、やはりクルマは「個性」であり「存在感」が重要なんですね。確かに「走り」も必要でしょうけど、その気になればオーナー自身が手を加えて物理的に高いレベルのクルマに仕上げていくことは可能です。それよりもノーマルの段階で十分にゾクゾクするようなデザイン上の「存在感」が欲しいですね。そしてそんなクルマを手に入れちゃうと、もう手放せなくなってどんどんとコレクションが増えていってしまうかもしれないですが、土地が安い過疎地域にセカンドハウスを建ててでも、そういうクルマ道楽をやり遂げたいですね・・・。現在の所有車「GHアテンザセダン・ホワイト」は、私のコレクション第1号に相応しい「存在感」を放っていまして(オーナーバカです)、2台目は何にしよ〜かな〜!
もし今、宝くじが当たってコレクションを増やせる!としたら第2号は何にするか? とりあえず現行市販車なら「レクサスRC」「フォードマスタング」「ポルシェボクスター」の3台がいいですね。いずれも20年くらいは余裕で愛せそうな美しいデザインに仕上がっていると思います。クルマの実力も加味したら「日産スカイライン」「ジャガーXE」も良さそうですが、少々デザインが小さくまとまってしまって「華」がない気もします。
スカイラインやXEはあくまでセダンなので、RC、マスタング、ボクスターといった2ドア勢と比べられるとキツいかもしれないです。クーペやスポーツカーに比べてセダンのデザインは万人ウケする穏やかなテイストが強制されます。さらに相対的に高くなってしまう車高こそ、年々大型化する中で伸び続ける全長でバランスは取れていますが、今度は逆にサイドのデザインが間延びした印象になるのが、現在のセダンのツライところかもしれません。現行の「アテンザ」もサイドの間延び感が一長一短といったところで、「あくび」が出そうなダルさを感じます。もちろんマツダの下位モデルと一線を画す壮観なサイドラインという捉え方もあるでしょうが・・・。
「レクサスIS」はちょっと凝り過ぎたボディラインが経年とともにウルサく感じられてきました。そろそろ360度のデザイン一新(フェイスリフト)なんてのもいいかもしれません。元々のシルエット自体は悪くないですし、メルセデスCLAやCのややふざけた(下品な)ウェーブ感に比べれば、まだまだ鑑賞に十分耐えられるレベルではありますが・・・。
全くの余談ですが「CLAシューティングブレーク」のシルエットはいかがなもんでしょうか? 発売前からすでに齟齬(風化)が始まっているプレミアム新型車は久しぶりですね・・・。ただしこのクルマが目指すニーズも何となくわかるんですよね・・・既存のCセグワゴンからの変化球として、「ミニ・クラブマン」「サイオンxB(カローラルミオン)」のような西海岸テイストの「チョイ悪オヤジのプライベートカー」を狙っているのかな?
CもCLAもウンザリ!と言ってみた所で、メルセデスは日本のオヤジ好みをガッチリ掴んでいるようで販売は好調です(ダサいオヤジが多い日本・・・)。メルセデスCLA-SBだけでなく、もはやプレミアムブランド全体から「チャラさ」みたいなものを感じます。マーケット的にそれが正解!だというならば、それはメーカーの自由ですけども、「そんな3年で買い換えさせるデザイン」には全く興味が惹かれないですし、少々不謹慎ですが、そんなクルマにドヤ顔で乗っている人々を見て、失笑してしまう気持ちが顔に出ないようにいつも我慢してます。
そんな「プレミアム=チャラい」という潮流に逆らっている?と感じるのが、「レクサスRC」ですね。まるでスバルのデザイナーがゲスト参加した?かのような「硬派」なテイストを随所に感じます。ボンネットで直線を表現する点や、シンプルに機能性を追求したライト回りの造形、そしてGTウイングも似合ってしまいそうな愚直でヤンチャな佇まいは、スープラ、シルビア、FTOあたりのスポーツカーデザインが好きだった層も素直に好意的な評価を下してくれそうです。レクサスISから「スピンドルグリル」と「ヘッドライト下のLED」といった「刻印」をそのまま受け継いでいますが、クルマの雰囲気はだいぶ違ったものになっています。
こういった特徴だけだったら、まあ凡百の2ドアクーペ(4シリーズやA5)と大きな差はないのですが、このレクサスRCは各部の愚直な作り込みによって「ガキっぽさ」を見せますが、そこから見事なまでに「グラマラスなリアデザイン」によって昇華させています。トヨタの開発者(オッサン)が童心に帰って愚直にデザインしたであろう各部に、なんだかイジらしいものを感じて「こういうの喜ぶ人多いよな!」なんて散々上から目線で鑑賞したあとに、そこからは想像が出来ない「アダルトなリアデザイン」を見せつけられて「昇天!」してしまうという、「デザインの振り幅」が実に見事です。
BMWファンや自動車評論家は、口々に「RC」は「4シリーズ」の焼き直しと言っているようですが、もしBMWにこんなセクシーなリアデザインがあったならば、もうとっくの昔にメルセデスを葬って、アウディにもレクサスにも付け入る隙すら与えない完全無欠のプレミアムブランドになっていたと思います。私が知る限りではBMWの秀逸なリアデザインは、先代6シリーズだけですね・・・。もしかしたらこの「RC」はレクサスデザインがBMWほかを打ち破った画期的なデザインとして長く後世に残るかもしれません。ちなみにノーマルの主張するデザインのリア・エアダクトではなくて、「RC-F」のさりげないタイプがいいですね。
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何が違うか?と、言われるとちょっと難しいですけど、決定的な「差」は全ての写真に味わいがあるところですかね。自動車専門誌の写真はなぜかテンションガタ落ちになるケースが多いです、イベントで広場に同じ種類のスポーツカーがズラッと並んでいるショットを見せられても、たくさん居て壮観!ってことなんでしょうけど、全くもってオーナー目線では要らない絵面じゃないですか?
それに対して「Pen」は海外オーナーを精力的に取材していて、その一人一人が老若男女問わずに、いい表情しているナイスな「カー・ピーポー」ばかりです。もちろん彼ら彼女らの愛車もスタイルからカラーリングまでこだわり抜いたセンスの光るものばかりなので、思わずため息が出ますね・・・。オペルGTのようなヒストリカルなクルマもありましたが、マツダロードスター、テスラロードスター、メルセデス300SLなどなど・・・それなりにコンテンポラリーで、いわゆる超絶スーパーカーに分類されるようなクルマばかりです。ロードスターも日本よりアメリカの景色に馴染むことがよくわかりましたよ・・・。
写真を見ただけで全くの恐縮なのですが、やはりクルマは「個性」であり「存在感」が重要なんですね。確かに「走り」も必要でしょうけど、その気になればオーナー自身が手を加えて物理的に高いレベルのクルマに仕上げていくことは可能です。それよりもノーマルの段階で十分にゾクゾクするようなデザイン上の「存在感」が欲しいですね。そしてそんなクルマを手に入れちゃうと、もう手放せなくなってどんどんとコレクションが増えていってしまうかもしれないですが、土地が安い過疎地域にセカンドハウスを建ててでも、そういうクルマ道楽をやり遂げたいですね・・・。現在の所有車「GHアテンザセダン・ホワイト」は、私のコレクション第1号に相応しい「存在感」を放っていまして(オーナーバカです)、2台目は何にしよ〜かな〜!
もし今、宝くじが当たってコレクションを増やせる!としたら第2号は何にするか? とりあえず現行市販車なら「レクサスRC」「フォードマスタング」「ポルシェボクスター」の3台がいいですね。いずれも20年くらいは余裕で愛せそうな美しいデザインに仕上がっていると思います。クルマの実力も加味したら「日産スカイライン」「ジャガーXE」も良さそうですが、少々デザインが小さくまとまってしまって「華」がない気もします。
スカイラインやXEはあくまでセダンなので、RC、マスタング、ボクスターといった2ドア勢と比べられるとキツいかもしれないです。クーペやスポーツカーに比べてセダンのデザインは万人ウケする穏やかなテイストが強制されます。さらに相対的に高くなってしまう車高こそ、年々大型化する中で伸び続ける全長でバランスは取れていますが、今度は逆にサイドのデザインが間延びした印象になるのが、現在のセダンのツライところかもしれません。現行の「アテンザ」もサイドの間延び感が一長一短といったところで、「あくび」が出そうなダルさを感じます。もちろんマツダの下位モデルと一線を画す壮観なサイドラインという捉え方もあるでしょうが・・・。
「レクサスIS」はちょっと凝り過ぎたボディラインが経年とともにウルサく感じられてきました。そろそろ360度のデザイン一新(フェイスリフト)なんてのもいいかもしれません。元々のシルエット自体は悪くないですし、メルセデスCLAやCのややふざけた(下品な)ウェーブ感に比べれば、まだまだ鑑賞に十分耐えられるレベルではありますが・・・。
全くの余談ですが「CLAシューティングブレーク」のシルエットはいかがなもんでしょうか? 発売前からすでに齟齬(風化)が始まっているプレミアム新型車は久しぶりですね・・・。ただしこのクルマが目指すニーズも何となくわかるんですよね・・・既存のCセグワゴンからの変化球として、「ミニ・クラブマン」「サイオンxB(カローラルミオン)」のような西海岸テイストの「チョイ悪オヤジのプライベートカー」を狙っているのかな?
CもCLAもウンザリ!と言ってみた所で、メルセデスは日本のオヤジ好みをガッチリ掴んでいるようで販売は好調です(ダサいオヤジが多い日本・・・)。メルセデスCLA-SBだけでなく、もはやプレミアムブランド全体から「チャラさ」みたいなものを感じます。マーケット的にそれが正解!だというならば、それはメーカーの自由ですけども、「そんな3年で買い換えさせるデザイン」には全く興味が惹かれないですし、少々不謹慎ですが、そんなクルマにドヤ顔で乗っている人々を見て、失笑してしまう気持ちが顔に出ないようにいつも我慢してます。
そんな「プレミアム=チャラい」という潮流に逆らっている?と感じるのが、「レクサスRC」ですね。まるでスバルのデザイナーがゲスト参加した?かのような「硬派」なテイストを随所に感じます。ボンネットで直線を表現する点や、シンプルに機能性を追求したライト回りの造形、そしてGTウイングも似合ってしまいそうな愚直でヤンチャな佇まいは、スープラ、シルビア、FTOあたりのスポーツカーデザインが好きだった層も素直に好意的な評価を下してくれそうです。レクサスISから「スピンドルグリル」と「ヘッドライト下のLED」といった「刻印」をそのまま受け継いでいますが、クルマの雰囲気はだいぶ違ったものになっています。
こういった特徴だけだったら、まあ凡百の2ドアクーペ(4シリーズやA5)と大きな差はないのですが、このレクサスRCは各部の愚直な作り込みによって「ガキっぽさ」を見せますが、そこから見事なまでに「グラマラスなリアデザイン」によって昇華させています。トヨタの開発者(オッサン)が童心に帰って愚直にデザインしたであろう各部に、なんだかイジらしいものを感じて「こういうの喜ぶ人多いよな!」なんて散々上から目線で鑑賞したあとに、そこからは想像が出来ない「アダルトなリアデザイン」を見せつけられて「昇天!」してしまうという、「デザインの振り幅」が実に見事です。
BMWファンや自動車評論家は、口々に「RC」は「4シリーズ」の焼き直しと言っているようですが、もしBMWにこんなセクシーなリアデザインがあったならば、もうとっくの昔にメルセデスを葬って、アウディにもレクサスにも付け入る隙すら与えない完全無欠のプレミアムブランドになっていたと思います。私が知る限りではBMWの秀逸なリアデザインは、先代6シリーズだけですね・・・。もしかしたらこの「RC」はレクサスデザインがBMWほかを打ち破った画期的なデザインとして長く後世に残るかもしれません。ちなみにノーマルの主張するデザインのリア・エアダクトではなくて、「RC-F」のさりげないタイプがいいですね。
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2015年6月13日土曜日
フォード・マスタング 「スカクーを上回るコスパは大歓迎!」
言うまでもなく「フォード・マスタング」は、初登場から50周年を数えるアメリカを代表する伝統モデルの「マッスルカー」です。本国では北米ビッグ3を中心に「5L・V8」くらいのやたらとデカいエンジンを搭載した「男らしい」ビッグクーペが人気のようで、いよいよアメリカがナンバー1の産油国になったこともあり、業績が改善している北米メーカーでは大排気量モデルの開発がすすんでいるようです。もちろんこれらマスタング、カマロ、ダッジ・チャレンジャーなどは、日本よりガソリン価格が相当に安いアメリカ限定のクルマに過ぎず、日本ではマニア向けに細々と正規販売が続けられている程度でした。
このブログでは、日本で楽しめるであろうクルマばかりを選んで掲載するというポリシーだったので、これらのクルマはほとんど話題にも挙げませんでした。特大サイズの車体で、しかも5Lの「ガス喰い」をオススメです!と絶賛したところで「誰得?」って感じです。しかしこのマスタングもいよいよ欧州でも発売することになり、詳細を見てみると「日本でも十分に使える」クルマに生まれ変わりました。昨今では日本車もドイツ車もスタイル優先で車幅が1800mmを大きく超えるようになりましたので、マスタングのようなアメリカンサイズもそれほど気にならないです。日本の道路も日々改良が進んでいますし、そもそもアマゾンなどのネット通販を担っている「いすゞエルフ」(幅1920mm)があちこちの細い道路に入っていきますから、最初からサイズはそれほど問題ではなかったかもしれません。
今回のフルモデルチェンジは、マスタングの本質を大きく変えるもの!だとして賛否両論巻き起こっていますが、とりあえず「内外装の高級化」「4気筒エンジン」「右ハンドル」という大きな「3本の柱」によって、とても日本で乗りやすい(所有しやすい)クルマになったと思います。裏を返せば先代マスタングの価格に魅力を感じていた人々が手を出さなかった理由のほとんどがこの3つだったのではないでしょうか? もちろん中には「左ハンドル」に憧れを持つ人もいるでしょうけど、失礼ですがもはやそれは80年代90年代に生きた人々の価値観であって、現代においては「右ハンドルが無い」=たいして魅力がないクルマと同意義になっています。1億円以上する僅少生産のオーダーメイド車でもハンドル位置を選べる時代です。日本・イギリス・豪州以外にも南ア・タイ・シンガポールなど右ハンドル国の購買力は無視できない時代です。
輸入車でも小型車となると車幅が十分ではなく右ハンドル化で大きな問題が生じることがあるようです。フランスの小型車(プジョー208、シトロエンC3)などはハンドルの軸がシートの中心からかなりズレていたりするケースもあるので、左ハンドルを指名買いすることの意義は否定しません。某ドイツプレミアムブランドの最下級モデルの日本販売では右ハンドルのみに制限されますが、これが難物でシートとハンドルの取り付け位置に若干角度が付いていて、わずかながら外側に向かって座らされているように感じます。なんじゃこりゃ?完全に日本をナメているのでしょうか?ちょっとイラっとしますが、これはもう黙ってスルーするしかないですね。小型ハッチバックなのにFRという設計に少々無理があったのでしょうか? やっぱり輸入車のハッチバックから選ぶならば、ベストセラーのゴルフがいいと思います。右ハンドル車でも全くといっていいほどに運転環境に違和感はありません。まあ日本車では当たり前のことですけどね。
マスタングの右ハンドル車は年内にも発売されるようですが、まだまだ映像でも見た事がないですので全く具合は判りません。実際にどれくらい違和感が出て来るのでしょうか? しかしフォードが右ハンドルで導入している小型モデルのフォーカスとフィエスタもゴルフの右ハンドルに匹敵するくらいに運転環境で全く不満はないので、プロペラシャフトの関係でFRの設計はなかなか難しいとはいえマスタングのサイズならば、よっぽど雑な仕事でも無い限りは上手く作ってくれるのではないかと思います。
外装デザインに関してはいろいろ意見があるようで、ネットの掲示板などでも相当に叩かれていて、中には「これはアメ車ではない!日本車だ!」みたいな激しい原理主義者の声も聞かれます。アテンザ、スカイライン、レガシィとそれらに影響を与えたであろう「和田アウディ」のようなクールで端正なデザインにまとめられ、たしかに美しさこそありますが、従来の奔放で日本の道路では完全に浮いてしまうようなマスタングらしい過激な個性はやや弱まりました。日本に正規輸入されていないフォードの主力セダン・フュージョン(欧州名モンデオ)に準じたルックスで、フュージョンの2ドアクーペ版といった位置づけといってもいいかもしれません。セダンはFF、クーペはFRという作り分けはユーザー的には歓迎ですけどね。
マスタングのデザインの元となったと思われる4ドアセダン「フュージョン」は、現行モデルが3年前に北米で発売されてすぐにデザイン面での進歩が絶賛され、北米カーオブザイヤーでもトップ3に選ばれました。そしてその後の北米市場での活躍は目覚ましいものがあり、カムリ、アコード、アルティマの3台合計で月間10万台以上を売り上げていた日本車勢の分厚い壁を見事に打ち破り、3台それぞれから5000~7000台程度のシェアを奪って「4強」の構図に持ち込みました。北米雑誌の中でも、「フュージョン」「マツダ6(アテンザ)」の2台のイケメンセダンが新興勢力となってミドルセダン市場が塗り変わるかも?なんて予測がされていました。ちなみにアテンザも北米では絶好調だったレガシィB4を台数ベースで追い抜くなどシェアを伸ばしています。
フュージョンとマスタングはFFとFRでシャシーが全く違うので、スカイラインとスカイラインクーペのような関係とはちょっと違います。昨今のFFセダンでは静音設計が美徳ですが、FRクーペのマスタングは全く違うキャラクターで、走らせると荒々しさが伝わってきます。エンジンも横置きと縦置きで簡単には共有できないので、走りに関してはほぼ別のクルマです(だと思います)。北米でのフュージョンの人気の秘密にはエンジン・バリエーションもあるそうで、ジャガーランドローバーでも広く(イヴォーグ、XJ、XF、XE)使われているマツダが開発したMZRエンジンの「2.0Lショートストローク直4」(先代ロードスターに使われたもの)に、フォード自慢の「エコブースト」(ターボチャージャー)を組み合わせて240psにしたものと、アトキンソンサイクル(吸排気システム)を付けた自然吸気(141ps)のもの、さらにハイブリッド化したものまで用意されています。
マスタングにもいろいろエンジンを選ばせてくれても良さそうですが、やはりスポーツクーペらしく、300ps越えのパワフルなエンジンしか使いません!ということのようです。とりあえずベースエンジンはこちらもマツダ製のMZRエンジンをベースとした「2.3Lロングストローク直4」にターボチャージャーを2気筒ごとに装備したツインスクロールターボです。かつてスカイラインGT-Rは直列6気筒のRB26に、3気筒ごとに過給するツインスクロールチャージャーで世界の頂点に立ちましたが、マスタング用の直4の新型ユニットもそれと同じようななかなか手の込んだシステムを使っています。
最近ではBMWがM3/M4で直6に同様の「ツインスクロール」を採用して431psを捻り出してます。ターボチャージャーを2機使ってコストを掛けることで、ポンピングロス(吸排気時に消費されるエンジンパワー)を合理的に低減させて、どうやら高出力&良好燃費が両立するようです。M3の12.2km/Lは3Lツインターボとしては驚異的です。マスタング用のエンジンもどうやらこの水準を視野に入れていたようで、圧縮比をガソリンターボとしては異例の11.5まで引き上げる予定だったようですが、どうやら9.5に落ち着いたようです(旧マツダのベースがNAで9.7なのでこれでも健闘ですが・・・)。もちろん圧縮比だけでエンジンの性能が決まるわけでもないのですが、技術水準としてドイツ勢(VW、メルセデス、BMW)が軒並み10.0~10.3くらいを出しているので、一気に11.5で抜き去ってほしかったですが・・・。NAのガソリンでもディーゼルターボ(これは逆に下げるのですが)も理想値と言われる14.0を達成しているマツダが、今度作るガソリンターボは一体いくつになる?
ちょっと横道に逸れましたが、エンジン技術に関してはどうやらBMWのM3/M4の前にまだまだ歯が立たないようですが、マスタングの車両価格はM3の半額以下ですからこれは仕方の無いことだと思います。現実的に同価格帯のライバルで年内に発表される予定の「インフィニティQ60」(スカイラインクーペ)と比較したときに、300ps超のスペックを考えると、このマスタングはいよいよ「快挙」達成したのではないかと思います。日本を代表するラグジュアリークーペが北米価格で買える(コスパ抜群!)ということで、根強いファンを持つ「スカクー」を脅かす存在になったんじゃないですか?
いまではネットでいくらでも情報が引き出せますから、雑誌が書かなくても米国のmotor trendのHPを読めばなんでも判ります。そんな情報社会が今回の初回限定350台が1ヶ月でソールドアウトし、200台の追加発売が決まったという異例のスマッシュヒットを可能にしたと思います。マスタングの伝統なんてあまり興味はないけど、先代までのイカツイ外装が一気にスタイリッシュになり、いかにもアメリカの大衆車然としていた内装も、日本のハイソカー(カムリやアコード)と同等かそれ以上の水準まで引き上げられました。
インパネスイッチなどの先進デザインには好き嫌いがありそうですが、個人的にはとても気に入りましたし、レクサスやBMWのようなインパネを見飽きた人々にとってはとても新鮮に感じます。もし今が買い換えのタイミングで、ゆったり乗れてしかもそれなりに楽しめる3BOXを探していたならば、レクサスもBMWもアウディもスルーしてフォードに行ってしまいたくなる人の気持ちはとても良くわかります。そしてなんといっても実車がもの凄くキレイです!塗装・組み付けの様子を見ればレクサスRCの10倍くらい感動しますよ!
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↓福野礼一郎氏と畑村耕一氏の「2枚看板」のコーナーがどちらも「新型マスタング」のレビューをしています。福野氏はやや辛口で、マツダエンジニアだった畑村氏はマツダエンジンの晴れ舞台に感慨深げです。
このブログでは、日本で楽しめるであろうクルマばかりを選んで掲載するというポリシーだったので、これらのクルマはほとんど話題にも挙げませんでした。特大サイズの車体で、しかも5Lの「ガス喰い」をオススメです!と絶賛したところで「誰得?」って感じです。しかしこのマスタングもいよいよ欧州でも発売することになり、詳細を見てみると「日本でも十分に使える」クルマに生まれ変わりました。昨今では日本車もドイツ車もスタイル優先で車幅が1800mmを大きく超えるようになりましたので、マスタングのようなアメリカンサイズもそれほど気にならないです。日本の道路も日々改良が進んでいますし、そもそもアマゾンなどのネット通販を担っている「いすゞエルフ」(幅1920mm)があちこちの細い道路に入っていきますから、最初からサイズはそれほど問題ではなかったかもしれません。
今回のフルモデルチェンジは、マスタングの本質を大きく変えるもの!だとして賛否両論巻き起こっていますが、とりあえず「内外装の高級化」「4気筒エンジン」「右ハンドル」という大きな「3本の柱」によって、とても日本で乗りやすい(所有しやすい)クルマになったと思います。裏を返せば先代マスタングの価格に魅力を感じていた人々が手を出さなかった理由のほとんどがこの3つだったのではないでしょうか? もちろん中には「左ハンドル」に憧れを持つ人もいるでしょうけど、失礼ですがもはやそれは80年代90年代に生きた人々の価値観であって、現代においては「右ハンドルが無い」=たいして魅力がないクルマと同意義になっています。1億円以上する僅少生産のオーダーメイド車でもハンドル位置を選べる時代です。日本・イギリス・豪州以外にも南ア・タイ・シンガポールなど右ハンドル国の購買力は無視できない時代です。
輸入車でも小型車となると車幅が十分ではなく右ハンドル化で大きな問題が生じることがあるようです。フランスの小型車(プジョー208、シトロエンC3)などはハンドルの軸がシートの中心からかなりズレていたりするケースもあるので、左ハンドルを指名買いすることの意義は否定しません。某ドイツプレミアムブランドの最下級モデルの日本販売では右ハンドルのみに制限されますが、これが難物でシートとハンドルの取り付け位置に若干角度が付いていて、わずかながら外側に向かって座らされているように感じます。なんじゃこりゃ?完全に日本をナメているのでしょうか?ちょっとイラっとしますが、これはもう黙ってスルーするしかないですね。小型ハッチバックなのにFRという設計に少々無理があったのでしょうか? やっぱり輸入車のハッチバックから選ぶならば、ベストセラーのゴルフがいいと思います。右ハンドル車でも全くといっていいほどに運転環境に違和感はありません。まあ日本車では当たり前のことですけどね。
マスタングの右ハンドル車は年内にも発売されるようですが、まだまだ映像でも見た事がないですので全く具合は判りません。実際にどれくらい違和感が出て来るのでしょうか? しかしフォードが右ハンドルで導入している小型モデルのフォーカスとフィエスタもゴルフの右ハンドルに匹敵するくらいに運転環境で全く不満はないので、プロペラシャフトの関係でFRの設計はなかなか難しいとはいえマスタングのサイズならば、よっぽど雑な仕事でも無い限りは上手く作ってくれるのではないかと思います。
外装デザインに関してはいろいろ意見があるようで、ネットの掲示板などでも相当に叩かれていて、中には「これはアメ車ではない!日本車だ!」みたいな激しい原理主義者の声も聞かれます。アテンザ、スカイライン、レガシィとそれらに影響を与えたであろう「和田アウディ」のようなクールで端正なデザインにまとめられ、たしかに美しさこそありますが、従来の奔放で日本の道路では完全に浮いてしまうようなマスタングらしい過激な個性はやや弱まりました。日本に正規輸入されていないフォードの主力セダン・フュージョン(欧州名モンデオ)に準じたルックスで、フュージョンの2ドアクーペ版といった位置づけといってもいいかもしれません。セダンはFF、クーペはFRという作り分けはユーザー的には歓迎ですけどね。
マスタングのデザインの元となったと思われる4ドアセダン「フュージョン」は、現行モデルが3年前に北米で発売されてすぐにデザイン面での進歩が絶賛され、北米カーオブザイヤーでもトップ3に選ばれました。そしてその後の北米市場での活躍は目覚ましいものがあり、カムリ、アコード、アルティマの3台合計で月間10万台以上を売り上げていた日本車勢の分厚い壁を見事に打ち破り、3台それぞれから5000~7000台程度のシェアを奪って「4強」の構図に持ち込みました。北米雑誌の中でも、「フュージョン」「マツダ6(アテンザ)」の2台のイケメンセダンが新興勢力となってミドルセダン市場が塗り変わるかも?なんて予測がされていました。ちなみにアテンザも北米では絶好調だったレガシィB4を台数ベースで追い抜くなどシェアを伸ばしています。
フュージョンとマスタングはFFとFRでシャシーが全く違うので、スカイラインとスカイラインクーペのような関係とはちょっと違います。昨今のFFセダンでは静音設計が美徳ですが、FRクーペのマスタングは全く違うキャラクターで、走らせると荒々しさが伝わってきます。エンジンも横置きと縦置きで簡単には共有できないので、走りに関してはほぼ別のクルマです(だと思います)。北米でのフュージョンの人気の秘密にはエンジン・バリエーションもあるそうで、ジャガーランドローバーでも広く(イヴォーグ、XJ、XF、XE)使われているマツダが開発したMZRエンジンの「2.0Lショートストローク直4」(先代ロードスターに使われたもの)に、フォード自慢の「エコブースト」(ターボチャージャー)を組み合わせて240psにしたものと、アトキンソンサイクル(吸排気システム)を付けた自然吸気(141ps)のもの、さらにハイブリッド化したものまで用意されています。
マスタングにもいろいろエンジンを選ばせてくれても良さそうですが、やはりスポーツクーペらしく、300ps越えのパワフルなエンジンしか使いません!ということのようです。とりあえずベースエンジンはこちらもマツダ製のMZRエンジンをベースとした「2.3Lロングストローク直4」にターボチャージャーを2気筒ごとに装備したツインスクロールターボです。かつてスカイラインGT-Rは直列6気筒のRB26に、3気筒ごとに過給するツインスクロールチャージャーで世界の頂点に立ちましたが、マスタング用の直4の新型ユニットもそれと同じようななかなか手の込んだシステムを使っています。
最近ではBMWがM3/M4で直6に同様の「ツインスクロール」を採用して431psを捻り出してます。ターボチャージャーを2機使ってコストを掛けることで、ポンピングロス(吸排気時に消費されるエンジンパワー)を合理的に低減させて、どうやら高出力&良好燃費が両立するようです。M3の12.2km/Lは3Lツインターボとしては驚異的です。マスタング用のエンジンもどうやらこの水準を視野に入れていたようで、圧縮比をガソリンターボとしては異例の11.5まで引き上げる予定だったようですが、どうやら9.5に落ち着いたようです(旧マツダのベースがNAで9.7なのでこれでも健闘ですが・・・)。もちろん圧縮比だけでエンジンの性能が決まるわけでもないのですが、技術水準としてドイツ勢(VW、メルセデス、BMW)が軒並み10.0~10.3くらいを出しているので、一気に11.5で抜き去ってほしかったですが・・・。NAのガソリンでもディーゼルターボ(これは逆に下げるのですが)も理想値と言われる14.0を達成しているマツダが、今度作るガソリンターボは一体いくつになる?
ちょっと横道に逸れましたが、エンジン技術に関してはどうやらBMWのM3/M4の前にまだまだ歯が立たないようですが、マスタングの車両価格はM3の半額以下ですからこれは仕方の無いことだと思います。現実的に同価格帯のライバルで年内に発表される予定の「インフィニティQ60」(スカイラインクーペ)と比較したときに、300ps超のスペックを考えると、このマスタングはいよいよ「快挙」達成したのではないかと思います。日本を代表するラグジュアリークーペが北米価格で買える(コスパ抜群!)ということで、根強いファンを持つ「スカクー」を脅かす存在になったんじゃないですか?
いまではネットでいくらでも情報が引き出せますから、雑誌が書かなくても米国のmotor trendのHPを読めばなんでも判ります。そんな情報社会が今回の初回限定350台が1ヶ月でソールドアウトし、200台の追加発売が決まったという異例のスマッシュヒットを可能にしたと思います。マスタングの伝統なんてあまり興味はないけど、先代までのイカツイ外装が一気にスタイリッシュになり、いかにもアメリカの大衆車然としていた内装も、日本のハイソカー(カムリやアコード)と同等かそれ以上の水準まで引き上げられました。
インパネスイッチなどの先進デザインには好き嫌いがありそうですが、個人的にはとても気に入りましたし、レクサスやBMWのようなインパネを見飽きた人々にとってはとても新鮮に感じます。もし今が買い換えのタイミングで、ゆったり乗れてしかもそれなりに楽しめる3BOXを探していたならば、レクサスもBMWもアウディもスルーしてフォードに行ってしまいたくなる人の気持ちはとても良くわかります。そしてなんといっても実車がもの凄くキレイです!塗装・組み付けの様子を見ればレクサスRCの10倍くらい感動しますよ!
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↓福野礼一郎氏と畑村耕一氏の「2枚看板」のコーナーがどちらも「新型マスタング」のレビューをしています。福野氏はやや辛口で、マツダエンジニアだった畑村氏はマツダエンジンの晴れ舞台に感慨深げです。
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