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5月, 2013の投稿を表示しています

プジョー208GTi 「プジョーにオリジナリティはないのか?」

  日本でもっともお手軽に購入できる輸入車の1台である、プジョー208(199万円〜)にまさに輸入車らしくて日本車には少ないパッケージといえる「ホットハッチ」を、突如として日本で発売しました。プジョーはここ数年「日本向け」といえるスポーティモデルの「RC-Z」の日本での量販に努めてきましたが、日本経済の難局にぶつかるなど販売に行き詰まって思うように販売台数を伸ばすことができませんでした。さらに昨年はトヨタ86のヒットもあり、欧州の「スポーティカー」は軒並み販売の低下が目立つ結果になりました。   北米に進出していないPSAグループ(プジョー・シトロエン)にとっては、日本は中国と並んで重要な海外市場で、PSAとしても日本をターゲットにしたデザイン意図している節もあります。そんななかRCZの失敗は小型スポーツカーの「先進国」の日本に投入するにはまだまだ作り込みが甘かったことが原因だったようです。それでもプジョーは重要な日本でスポーツモデルの販売を継続しなければいけないということで、RCZよりもより日本の市場環境を研究した上でさらに「ベターな」クルマとしてこの「208GTi」の投入に踏み切ったようです。   それにしてもRCZはデビュー当時からそのコンセプト自体に「既視感」があった(アウディTT?)ほどでしたが、今度の208GTiもやはりルノー「トゥインゴ・ルノースポール」をどうしても連想してしまう。ただ今回はプジョーはこのクルマをスポーツモデルの新しい基幹車種として考えているようで、RCZのエンジンをそのまま208の小さいボディに押し込み、車重も当然ながら150kgも軽くなり、当然ながら加速性能もRCZを軽く上回り、価格も100万円以上安くなって、とにかくお買い得になっています(車幅も100mm狭くなりワインディングも山岳路もOK)。これは大ヒット間違いなしという気もしますが、それでも需要がどれほどあるのかは未知数で売れるかどうかも不透明です・・・。   元々がヴィッツのようなクルマなので、足回りの限界も低く、プジョーの開発陣もその部分に重点的にベース車に改良を加えたようで、FFの200psに耐えられるだけのクルマにはなっているようだ(開発車自ら「滑りにくいクルマにした」と言っています)。それでもFFの200psなら当然にタイヤの減りも早いだろうし、車高に対...

メルセデスE63AMG・S・4MATIC 「とうとう現れたベンツ復権の金字塔か?」

  このクルマは今のメルセデスにとって「絶対に作っておかなければいけない」究極のスポーツセダンだ。やっていることはSクラス用のトップエンドのV8エンジン(SクラスにはV12もあるが)と、メルセデスの4WDシステムの「4MATIC」という、ブランド内で最高峰に位置する2つの技術をEクラスのボディに詰め込んだものだ。どちらも新開発というわけではなく、メルセデスが現在持っている最高の技術を全て投入している。   このクルマが何の為に作られたか? あくまで想像に過ぎないが、おそらくは今メルセデスが大々的に宣伝している「FFモデル」に近々投入される「A45AMG」を売るための作戦だと考えられる。A45AMGはこれまでメルセデスがあまり実績を持っていなかった「4WDターボスポーツ」というジャンルに投入される高性能モデルで、それなりの量販をメルセデスは期待しているようだ。このモデルはベンツでは初めてといえるようなスペックだが、他のスポーツブランドではすでに参入しているところもある。   約20年の歴史を誇る三菱のランエボを始め、スバルやアウディですでに同等の性能のモデルが存在する。これら強力なライバルを押しのけてA45AMGがシェアを獲得するためには、メルセデスの4WDシステム(4MATIC)の宣伝を行う必要があるだろう。これを搭載した「スーパースポーツ」を作ってその性能をアピールすることは自然なことだ。おそらく「A45AMG」や「CLA45AMG」では十分なスポーツ需要を掘り起こすほどのポテンシャルに欠けると考えているのかもしれないが(確かに簡単に売れるとは思えない)。   そこで作られたのが、今回のEクラスのMCと同時に投入される「E63AMG/S/4MATIC」だ。従来はFRの設定しかなかった「63AMG」を4WD化してトラクション性能を重点的に強化した「ターマック用スポーツ4WD」になっている。このジャンルの世界王者はもちろん日産R35GT-Rでその性能は絶対的だ。「E63AMG/S/4MATIC」は0-100km/hで3.8秒とポルシェ911ターボに肉薄していてその性能は「スーパースポーツ」のレベルにあると言える。しかもEセグセダンベースという設計であることを考えると、日産がフーガのボディに自慢の3.8Lターボ&4WDを仕込んだクルマでこれを同じ性能...

新型アクセラ 「世界的なコストダウンの潮流に反発するマツダクオリティ」

  いよいよ11月?に新型アクセラが登場します。予想されるスペックは基本的に先代モデルを引き継いだもので、「鼓動」デザインとHVの投入がほぼ確定していて、さらにマツダ「虎の子」のディーゼルターボの投入があるのか?などがまだまだ未定なようです(たぶんMT設定して載せてきます)。単純に先代モデルの車台を使うとなると、リアサスがマルチリンクでリアブレーキがディスクの豪華装備なので、現在大挙して押し寄せている欧州新型Cセグを全て蹴散らすほど、相対的には「ハイスペック」なクルマになりそうです(ライバルが雑魚すぎるというのもあるが・・・)。   価格はトップエンドの2Lモデルに標準装備でアテンザ用の安全快適装備をフルで盛り込んで、235万円くらいが予想されるのですが、果たして順調に売れるのでしょうか? アクセラには初代から1.5Lモデルも用意されていて、販売の中心はあくまで低価格の1.5Lだったのですが、先代モデルの1.5Lは充実するコンパクトカー&エコカーとの価格&燃費競争に敗れ、世界各地での大ヒットがウソのように日本ではやや地味な存在になってしまいました(モデル末期にスカイアクティブ投入も不発!)。もはやアクセラは「スポーツハッチ&セダン」の王道モデル以外の何者でもなく、コンパクトカーおよびエコカーの枠組みで売るには無理があると思います。   そんなアクセラの日本での「冴えない」現状を変えるのではないかと期待されるのが、マツダの新コンセプト「鼓動デザイン」(アテンザと同じ)への切り替えでしょうか。すでにスパイショットが出回っていますが、欧州ハッチやレクサスCT、インプレッサのどのライバルをも上回る「最高」のデザインが完成しているようです。2L(スカイアクティブ)モデルは性能面でも「ゴルフ・ハイライン」(コンフォートライン・トレンドラインは論外)や「メルセデスA180」を上回っていて、あとは内装でどれだけ「Aクラス」に迫れるかだけが課題だと思います。そしてハイライン(299万円)、A180(284万円)と比べて50万円程度安い設定(アテンザ20Sとの兼ね合いで)になるでしょうが、まだまだ世間への認知度が今一歩なので、最近やたらと上手くなっているマツダの「ブランディング」(宣伝)が販売面での成功のカギになりそうです。   先日もアクセラのライバルになる「プジ...

新型ゴルフ 「勿体ぶった割に意外な方向性・・・」

  「クルマ」というものは必ずしも予想通りには進化しなかったりする。「スポーツハッチバック」だからと言っても、FMCを迎える度に「エンジン」と「足回り」が強化されていくのは2000年代までの話のようだ。この傾向は、特に業績に優れる「巨大メーカー」のトヨタやVWなどで顕著に見られる。「スバル」や「マツダ」のような「中小規模」のスポーツブランドを自認するメーカーでは今なお「ホットハッチ」という言葉が健在なのかもしれないが、トヨタやVWにおいてはもはや完全に「死語」だ・・・。   トヨタやVWなどの全世界で1000万台近くを生産する「トップメーカー」にとって、主力ブランドの「プロパー・モデル」がホットハッチなんてことは絶対にあり得ない状況になってきています。1000万台生産するメーカーにとってその半数以上を売りさばく場は今や完全に「新興国」市場にシフトしている。新興国でクルマを販売する場合は、ブラジルでトヨタの「カローラ」の現地生産モデルが、日本円で300万円以上で販売される例もあるが、大抵は100万円を下回る価格でベースグレードを用意するのが一般的なようだ。日本や欧州で300万以上の価格で売られる「ホットハッチ」を開発して売り続けるよりも、100万円程度の価格だけど「乗り心地」や「環境性能」に優れたクルマを開発するほうが、新興国にとっては「親切」な対応だと言える。   7代目となる新型ゴルフが発売された。VWが世界へ向けて発信する最強の「ブランドカー」は、先代モデルと比べて外観上(デザイン)の違いは少ない。しかし「中身」は先代とは大きく異なっている。デザインはほとんど違わないのに「プラットフォーム(車台)」が違うという非常に珍しいFMCが行われたようだ。昨年末からVWは欧州で大々的にプロモーションを進めていて、「有名輸入車」ということで日本のメディアでも発売前(去年の今頃)から盛んに報じていた。   当初の報道では新型ゴルフは「決定的な進化」と伝えられていたが、今年に入ってふたを開けてみると、「MQB」というVWグループ(VW・アウディ・シュコダ・セアト)のB〜Dセグという販売のほとんどを占めるクルマの「統一された車台」を投入するということが解り、何が「進化」なのだろうと率直に疑問に思った部分もあった。簡単に言うとインドで100万円以下で発売するシュコダの「...

新型レクサスIS 「せっかく買うなら"350"一択だな・・・」

  新型レクサスISが発売された。発売前からこのクルマのデザインにはとても注目していて、一見して「ちょっとわかりにくい」が決して悪いデザインではなく、歴代のレクサスのラインナップでも最高の出来ではないかと思う。ただレクサスのトップグレードのクルマではないISだけに、特別なデザインを配することで、ブランドのバランスそのものが悪くなるのではという余計な心配をしてしまうほど、「特別なオーラ」があるクルマだ。   新型ISは「特別なデザイン」というだけでなく、現行レクサスGSと同じプラットフォームを使っているということで、二代目(現行)レクサスGSのオーナーからしてみたら少し面白くない展開かもしれない。つまりその分この新型ISは「間違いなく」お買い得なモデルのはずである。新型に設定されたグレードはエンジンスペックで大別すると、250/300h/350の3つなのだが、実際に買うとしたらどれを選ぶのか? 結論から言うと「350以外にはありえない」が答えのような気がする(あくまで主観です、悪しからず・・・)。   ISはレクサスのトップグレードではないにせよ、十分に高価なクルマだ。ゆえに100万円くらい安い他の日本車と比べて「かったるい」加速性能では500万円も出す気がとうてい起きない。「IS250」は車重1580kgとなっているが、想像するだけで大して取り柄の無いクルマがイメージできてしまう。2.5LのV6エンジンはトヨタのクオリティーカーに使われるベースのエンジンで、それほど強調するポイントが無いエンジンだと言える。トヨタだけでなく日産も同様のものを使っているが、このV6の2.5Lというスペックのエンジンが見られるのは日本だけ(トヨタと日産)と言っても過言ではないほど、世界のメーカーではほとんど採用されていない,、やや特殊なエンジンスペックだ。調べがついた限りでは、日産のエンジンを使うルノー・サムスン(韓国)とBMWチャイナ(中国)の作る5シリーズくらいにしか使われていない。   トヨタにせよ日産にせよ、V6の2.5Lは「とりあえずV6」という意味以外に取り柄がないエンジンだ。BMWもMBも直4ターボが主流となった今では相対的に「非力でなおかつ重い」エンジンでしかなくなってしまっている。200万円台で買えるマークXならまだ理解はできるが、「世界のプレミアム」を謳う...

ポルシェ・ケイマン 「よくよく考えるとお買い得にすら見えるが・・・」

  ポルシェと言えば日本では「スポーツカー」の代名詞として、一般に認知度が非常に高いブランドですが、近年は日産GT-Rの登場により、その地位にやや陰りが見えているように感じます。ただそんなイメージとは裏腹に、日産との「いさかい」を乗り越えて、ポルシェは以前よりもさらに良いブランドになっているように感じます。   ポルシェが発売している2代目「ボクスター」が発売以来かなり好評のようですが、2代目になって内装のグレードも確実に上がり、「ラグジュアリー・プライベートカー」としての汎用性もかなり高まっていて、ポルシェの最廉価モデルではありますが、それでも十分な「高級スポーツカー」に仕上がっています。スポーツカーを価格で評価するのはやや不本意ですが、ベースグレードで本体価格584万円なら、一般の人にも十分楽しむことができるクルマになっていると思います。この価格でちょっと比較するとたとえば「新型レクサスIS350」や「クラウン3.5アスリート」などが買えます。トヨタの3.5Lモデルは欧州車に対しても優位なポテンシャルを秘めたなかなか魅力的なクルマです。単純にポルシェの2.7Lエンジンだとトヨタ3.5Lのパワーには敵いませんが、車重が300kgも軽いということを想像すると、ボクスターを選ぶ人がいてもおかしくはないと思います。   そろそろ日本にも導入されるであろう「2代目ケイマン」はボクスターをさらにパワーアップさせていて、本体価格はベースグレードで612万円に収まっていて、こちらも「なんとか」手が届きそうな魅力的な価格設定になっています。さらに車重もボクスターとほとんど変わらない程度に抑えられている点は、スポーツカーとしては当然ではありますが、素晴らしいことだと思います。やはり6気筒エンジンを搭載すると車重1500kgの壁を破ることはなかなか難しいらしく、これをクリアしているクルマは恐らく「ボクスター」と「ケイマン」以外には「ロータスエヴォーラ」と「マクラーレンP1/MP4」(V8スパチャーで1336kg!)くらいではないかと思います。エヴォーラはおよそ900~1000万円、マクラーレンは3000万円程度するので、ポルシェの2台はとてもお買い得ですし、1300kg台のクルマが6気筒エンジンで加速できるというだけでも、わくわくできる十分に価値のあるクルマではないでしょうか...

マセラティ・ギブリ 「V6で1000万円超の"ダウンサイジング"戦略車でもいいか・・・」

  日本では新型セダンがこぞって「傾倒」ぶりを見せるイタリアデザインは、日本車デザインにとっての「ブレイクスルー」として限りなく「日本風味」に味付けされて、日本でのセダンの新車販売に一役買っているようだ。400万円で買える日本のセダンが挙ってサイドにキャラクターラインを入れて「洗練度」が上がっていて、後から出て来たメルセデスの新型車のサイドプレスの未熟さが露呈するほどの「完成度」になっていては、マセラティもこれは予想外でなかなか困ってしまったようだ。   上海モーターショウで公開されたマセラティの新型セダン「ギブリ」と、アテンザやレクサスISを見比べると「価格差」に見合う差を見出すのが難しい気もする(ギブリの価格は未定)。もちろんマセラティの期待の新型車だけあって、素晴らしいデザインなのだが、日本車のデザインの水準が確実に上がってきている。特にマツダやトヨタは「マセラティ」に接近したデザインになってきている。新型レクサスISは「BMW的な」「アウディ的な」束縛から開放された快心のデザインが清々しいのに対し、新型ギブリは日本で広く見慣れてしまっている日産の高級車の仲間?のような印象がある。   欧州で非力なVW(アウディ)やBMW、メルセデスを相手にするなら、3LのV6というのは確かにステータスかもしれない。しかし「レクサスIS350」など3.5Lや3.7Lのジェントルな大排気量エンジンを当然にラインナップする日本ではそこまで魅力はない。日本の高級セダンは、せいぜい600万円くらいで「大排気量」グレードが購入可能なので、ややダウンサイジング気味のV6の3Lに1000万円払うにのは、ちょっと物足りないというか納得できない。ライバルのポルシェも同様の商売(V6で1000万円)を仕掛けているが、別にちゃんと4.8LのV8モデルを1400万円で用意していて、クルマに詳しい人にも納得させるところが憎らしい。当然ながらマセラティもV8エンジンは得意中の得意なので同じような展開をするだろうが・・・。   それでも渋谷界隈によく止まっているパナメーラは3.6LのV6エンジンモデルが圧倒的に多い。デザインも内容も伴わない、ブランドだけが「ポルシェ」のクルマがよく売れてしまうから日本市場は外国メーカーから徹底的にナメられるのだろうな・・・。V6のセダンを1000万円以上出して...

新型レクサスIS 「ハイブリッド依存型セダンではないはずだが・・・」

  「ハイブリッド人気」に甘やかされている感がある日本の高級セダンの販売状況をみていると、時代の流れとはいえ「違和感」を感じてしまう。そもそもセダンは、コンパクトカーに比べて、ホイールベースやトレッド幅を広くとっている傾向が強い。これは居住性やデザインだけでなく、高速道路での走行性能を最大限に高めることに貢献している。自分もセダンを愛用しているが、これを選ぶ最大の理由はまちがいなく「高速安定性」だ。   主な使用目的が「休暇ドライブ」でほぼ毎週のように300km超のドライブに行っているので、高速道路での「燃費」を重点に考えると、低排気量のコンパクトカーやハイブリッド車は選択肢に入らない。ハイブリッド車に惹かれる点は、アップダウンの激しい「箱根」や「雁坂峠」を下るときに使うエンジンブレーキでかなりの充電が出来るような気がするくらいだ。それでもフル充電したところで、リチウム搭載のプリウスPHVでさえEV航続距離はカタログ最大で26kmなので、フーガHVでは微々たる数字だろうし、クラウンHVと同じ「新型IS300h」でもEV航続距離は2~3km程度だろう(それでもないよりはマシか・・・)。   とりあえずハイブリッド車を駆ってハイウェイや峠道へ行っても、今のところはデメリットの方が多いと考えている。ハンドリングを楽しむにはハイブリッドは重すぎると、マツダの開発担当者が言っていたが、峠道で無駄にアンダーが出るクルマだと、狭いところでは正直怖い。やはり峠道に乗っていくなら「ハンドリング」では負けないというクルマじゃないとドライブは楽しめないと思う。プリウスなどのハイブリッド車に乗って一番感じるのは、お尻の下に余計な「座布団」が敷いてある感じがすることだ。おそらく車軸にモーター駆動が付けられている分だけ、路面の状況が緩く伝わってくる。トヨタの足回り設定も当然に災いしているとは思うが、これでは楽しくないし、タイヤがどこまで踏ん張れるかわかりにくいので危険だ(あくまで峠道ではの話です)。   高速での実燃費ではISの「350」「250」「300h」はどれもほとんど差がないので、自分の使い方ならどれでもいいと思う。個性で選ぶとしたら「350」になると思う。Dセグに3.5LのNAエンジンを載せるという「日本車らしい」パッケージに魅力がある。クラウンアスリート、マークX、レク...

新型スカイライン「進化か?迷走か?」

  もはやDセグセダンはブランド展開するには窮屈な存在という考え方がある。特に「メルセデス」を目指す、日本や韓国のメーカーにとってDセグは高級車としての「伸びしろ」が少ないと感じてしまうのかもしれない。とくにEセグのセダンを用意しているメーカーにとっては、モデル廃止もありうる状況だ。実際にプジョーでは407が中国市場を除いて後継モデルが作られていない。スカイラインのライバルのマークXも存続が危ぶまれている(FF化してカムリと別の設計はあり得ないだろう・・・)。   そんな中、日産は日本ではめっきり影が薄くなっている「V型スカイライン」のFMCを今年行う。V36スカイラインは日産が誇る「プレミアムDセグセダン」として北米市場を中心に導入された。現行モデルは北米では3.7Lがベースグレードなので、ライバルのBMW3やメルセデスCより高額の$37000〜の設定になっている。それにもかかわらず、その走行性能の先進性でライバルを大きく上回っていることが評価され、このクラス($30000〜のDセグ)で一番の成功を収めている。その華々しい成功から、韓国のヒュンダイがV36クーペを徹底的に分解して作り上げたのが、ヒュンダイ初の$30000〜の量産モデル「ジェネシス」だ。   日産からしてみたら、日本で月に300台しか売れなくても、まったく気にならないほどの成功を北米で成し遂げているので、モデル廃止などはまったく議論はされていないようだ。日米の市場で展開されているライバルの「レクサスIS」と「スカイライン」の価格設定には多少の違和感がある。日本では3.7Lのスカイラインの本体価格は北米ではレクサスIS250を$2000(約20万円)上回るのだが、日本に来ると、スカイラインの方が約20万円安くなる。もちろんエンジンの性能を考えるとスカイラインの方が断然にお買い得ということになる。この甲斐あってV36スカイラインはレクサスISとの比較でもかなり有利だった。   しかし今年レクサスISとFMCが重なってしまい約半年ISの方が先行する形になる。しかもこの2代目ISはスカイラインとの実力差をあらゆる面で縮めてきたトヨタの渾身の一台になっている。トヨタが「新型IS」に賭ける情熱は、まるで2006年に日産が「V36スカイライン」でドイツ車をまとめて抜き去ろうとした意気込みのようだ。実際...

ルノーメガーヌエステートGT220 「久しぶりの実力派輸入車か?」

  スポーツカーに対して「実力派」という表現を使うこともあるでしょうが、基本的に「実力」があるのがスポーツカーであって、実力ないヤツは・・・。なので「実力派」というのは、価格が一般的に高くなく、基本的には標準スペックの小型車&中型車に対して使う表現だと思う。日本においては「輸入車」=「高価」はいまも不変の真理なので、「実力派輸入車」というのは構造的に生まれにくい。しかし日本車の価格もじわじわと上昇していて、おそらく「クルマ離れ」の原因はこれだろうと思うくらいに目に余るメーカーも現れ輸入車の割高感も薄れつつある。レクサスや日産を中心に高価格化が進み、今では200万円台で「自慢のクルマ」を新車で買う事が難しくなっている。   日本車でも高スペックなクルマは500万円〜が当たり前の時代に、この「ルノーメガーヌエステートGT220」は注目のクルマかもしれない。Cセグワゴンは今後主要メーカーから次々に出てくる流行スタイルになりそうなので、同様のクルマを日本メーカーも近々出してくるだろう。しかし現段階では日本の全メーカーのラインナップを見てもこのクルマに対抗するモデルはない(と思う)。強いて言うならば、スバルレガシィ2.0DITのワゴンが同じくらいに内容の詰まったクルマだがDセグワゴンなので、だいぶ意味合いが違う気がする。   このメガーヌエステートは簡単に言うと、今度発売される「オーリスワゴン」に86のエンジン載せて過給器を付けたようなクルマだ。走行性能から言うと三菱ギャランフォルティス・ラリーアートにワゴンタイプを新設するようなものか(2Lターボで250psくらいのスペックは価格設定がまともならかなり好まれるはず・・・)。トヨタにしても三菱にしてもなんでこんな便利な仕様に気がつかなかったのか?とちょっと不思議に思ってしまう。それでもトヨタや三菱が同様のクルマを作っても、価格面では特別な戦略価格を設定しないかぎりメガーヌエステートとほぼ同等の価格になってしまうだろう。   輸入車が国産車並みの価格で売られている(そもそも日本の自動車価格が高すぎるが・・・)。つまりこのメガーヌエステートはそれなりにコストダウンが図られているところがある。オーリスやギャランフォルティスと比べるなら、やはりサスペンションの形状だろう。欧州メーカーは欧州危機以降、生産コストの引き下げに本...

ゴルフⅦ 「さまよえる合理性の極地」 その2

  VWは2000年代に看板車の「ゴルフ」を巧みな戦略で、欧州と東アジアの大ヒット車として「ブランド」を確立することに成功した。前回も書いたがゴルフⅣとゴルフⅤを同時に生産する戦術(ノックダウン生産)を駆使して「Cセグハッチバック」の主役となった。トヨタもグローバル戦略(円高のリスクヘッジのため)の一環として、ノックダウン生産を行っているが、それはあくまで新型が販売されていない市場に向けてのものだ。VWの戦術は同じ市場に旧型と新型を投入させるという、より「戦略的」なものだ。ちょっとメリットが分かりづらいが、例えるならトヨタが「新型クラウン」を発売していて、同時にダイハツが「先代クラウン」を車名を変えて売っているようなものだ。新型モデルで思い切った設計をする際にはなかなか有効な作戦かもしれない。   この細やかな戦術はVWの営業利益に大きく貢献し、世界的な経済危機に見舞われてもプラス収支に踏みとどまる原動力となった。実はこのVWと同じような戦略を駆使してプラス収支を維持しているのが「ホンダ」だ。ホンダは北米ではCセグではシビックが最大のシェアを持っていて、VWゴルフをまったく寄せ付けない強さを発揮している。さらにシビックは欧州市場でも主要国で軒並みゴルフに迫るシェアを獲得している。ホンダとVWが黒字のまま推移しているのは、主力Cセグが世界中の市場で最も安定した収益を稼ぎやすいという分析もあるようで、MBやBMWといったプレミアムブランドも参入してきて激戦区になってきている。ゴルフⅦもシビックもこの市場で存在感を維持できるかは定かではない。   ただ一つ言えることは、ゴルフにしろシビックにしろ「できる限りコストを削減」し「できる限り高級に見える努力をする」という相反する二つのことを追求してきたことだ。よって場合によってはMCよりもさらに細かいタイミングで設計変更が行われているようだ。シビックはしばしばコストダウンがバレバレで「作り直し」なんていう事態が発生している。どちらも上級ブランドのアキュラとアウディに同じ設計のクルマを用意しているので、「差別化」という別の要求にも応えなければならない。Cセグメントは当然ながら、Bセグより「高級な走り」が要求され、同時にDセグより「経済的」なクルマでなければならない。隣接するセグメントの車種も考えるとライバルは無数にいる。そ...