新型アクセラ 「世界的なコストダウンの潮流に反発するマツダクオリティ」

  いよいよ11月?に新型アクセラが登場します。予想されるスペックは基本的に先代モデルを引き継いだもので、「鼓動」デザインとHVの投入がほぼ確定していて、さらにマツダ「虎の子」のディーゼルターボの投入があるのか?などがまだまだ未定なようです(たぶんMT設定して載せてきます)。単純に先代モデルの車台を使うとなると、リアサスがマルチリンクでリアブレーキがディスクの豪華装備なので、現在大挙して押し寄せている欧州新型Cセグを全て蹴散らすほど、相対的には「ハイスペック」なクルマになりそうです(ライバルが雑魚すぎるというのもあるが・・・)。

  価格はトップエンドの2Lモデルに標準装備でアテンザ用の安全快適装備をフルで盛り込んで、235万円くらいが予想されるのですが、果たして順調に売れるのでしょうか? アクセラには初代から1.5Lモデルも用意されていて、販売の中心はあくまで低価格の1.5Lだったのですが、先代モデルの1.5Lは充実するコンパクトカー&エコカーとの価格&燃費競争に敗れ、世界各地での大ヒットがウソのように日本ではやや地味な存在になってしまいました(モデル末期にスカイアクティブ投入も不発!)。もはやアクセラは「スポーツハッチ&セダン」の王道モデル以外の何者でもなく、コンパクトカーおよびエコカーの枠組みで売るには無理があると思います。

  そんなアクセラの日本での「冴えない」現状を変えるのではないかと期待されるのが、マツダの新コンセプト「鼓動デザイン」(アテンザと同じ)への切り替えでしょうか。すでにスパイショットが出回っていますが、欧州ハッチやレクサスCT、インプレッサのどのライバルをも上回る「最高」のデザインが完成しているようです。2L(スカイアクティブ)モデルは性能面でも「ゴルフ・ハイライン」(コンフォートライン・トレンドラインは論外)や「メルセデスA180」を上回っていて、あとは内装でどれだけ「Aクラス」に迫れるかだけが課題だと思います。そしてハイライン(299万円)、A180(284万円)と比べて50万円程度安い設定(アテンザ20Sとの兼ね合いで)になるでしょうが、まだまだ世間への認知度が今一歩なので、最近やたらと上手くなっているマツダの「ブランディング」(宣伝)が販売面での成功のカギになりそうです。

  先日もアクセラのライバルになる「プジョー308」のFMCがありました(日本発売は来年)。プジョーはFMCすると番号が変わる(309になる)のがこれまでの慣例でしたが、今回は主力Cセグの「車台」を変える(つまりコストダウン)のが目的なようで、PSAグループとしてはシトロエンも含めて今後は汎用性が高い「EMP2モジュラーPH」にフラッグシップの508やC5以外の車種は全て置き換わるようです。VWもすでに同様の汎用性の高い「車台」を投入してグループで共用しています。

  VWもPSAもどちらも公式プレスリリースで「より高品質なクルマ作り」を謳っています。「ポロ」や「208」と共通の車台を使う「ゴルフ」や「308」がなぜ従来よりも大幅な高品質になるのかが、いまいち不明なところです。そんな「不気味な」欧州Cセグを迎え撃つ新型アクセラは、この「汎用化」の流れには逆行してマツダらしさを示すようですが、果たして高品質・高性能・好デザインを武器に大ヒットを記録できるのか? それともいまいち優位性を浸透させられずに、価格競争で敗れてしまうのか? 「汎用化」のゴルフ・A3・308と「プレミアムブランド」のAクラス・V40・1シリーズの2種類の欧州勢の前に「高性能化」を基調とする日本勢はインプが好調で、オーリスは苦戦しています(欧州では好調)。アクセラの登場で日本車Cセグの実力がもっと認知されると期待しています。


↓ボルボV40は欧州勢ではかなり好調です。新型ゴルフに対し「下克上」の予感すらあります。

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