2013年6月29日土曜日

VWゴルフ 「静粛性・安全装備・メルセデスやレクサスの揚げ足」

  一体どんな人がこの新型ゴルフを買って行くのだろうか?VWディーラーの前に張り込んで見ていたい気分だ。いままで自分が乗って来たクルマの良い点は、軽く30個くらいはスラスラと説明できる(自慢できる)自信があるが、この新型ゴルフのオーナー様からはどんな「言葉」が飛び出すのかぜひ聴いてみたいものだ(性格悪いな)。ということで、オーナーになったつもりで、あくまで想像ですがこの話題の新型ゴルフの良い点を語っていきたいと思います。

  日本で販売されているVWのクルマはどれもそうだが、ホイールなどのデザインがとても利いているように思う。オシャレは足元からというが、これが出来ていない日本メーカーは多い。日本車オーナーの中には納車後すぐにホイールを代えに行く人もいるようだが、それでもそのクルマに合ったデザインのホイールを選ぶのは至難の技で、余計に酷いデザインになってしまうことも多い。ドイツ車が日本車よりも間違いなく優れている点はデフォルトの「ホイールデザイン」だ。

  キャビンの堅牢性もさりげなく結構凄いことになっているらしい。日産が生産を開始したインフィニティQ50(新型スカイライン)では、ピラー部分を中心に1.2Gpa級の「超」高張力鋼を使用するとアナウンスされているが、新型ゴルフではすでに全体の28%が1Gpa以上の鋼鈑が使われている。そんな硬い鉄板だと成形に苦労するそうだが、VWも日産も独自開発でできるだけ多くの部位に応用できるように競争している。その中でVWが一歩リードというのはすばらしい。しかも相手は「世界制覇」を目指すゴーン社長肝入りのプレミアムセダンだし・・・。

  内装デザインも新型のCセグ輸入車の中では1番と言える。AクラスやV40のインパネデザインもなかなか意外性があってよいが、どこか「小型車」を意識した作りになっている感が否めない。それに対しゴルフはDEセグセダンのような「本格的」なフル装備を意識している点が光る。フォードフォーカスは内装では勝負しませんと「白旗」を挙げたようなデザインだし、新型車ではないがBMW1に至っては、ドアのヘリにあるはずの防音用ゴムパッキンが省略されていている。軽トラか・・・。

  とりあえずこの3点に関しては、素直に良さ(優越性)が認められると思います。ただこの3点だけでクルマ買う人なんているのか?というのが正直な気持ちです。まあ排気量を考えても燃費はそこそこいいでしょうが、余裕で20km/Lオーバーというわけにはいかないはずです。なんだかんだいってもこのクルマは日本車より重いですし、回生ブレーキ的な装備も無い上に、安全装備用のモニターなどで電気を喰いまくっているわけですから、エアコンONで4人乗車した時には10km/L超えれば御の字くらいではないかと見ています。

  走りの楽しさよりも燃費重視というのは、今やBMWもマツダもある程度は同じ立場だと思います。よって新型ゴルフのように、先代と同じ排気量でも燃費重視のエンジンにさりげなく代えてくることにはある程度は理解を示したいと思います。そのための「軽量化」もきっちりと実現した上でのパッケージングなのだからこそ、沢村慎太郎さんもそれほど噛み付いたりはしていなかったようです。このゴルフより批判されるべきクルマは他にたくさんあるのだとか。なんとなくわかる気がしますが・・・。早く運転してみたいですね。

訂正:ブルーモーションテクノロジー = 回生ブレーキというご指摘を頂きました。よって回生ブレーキが無いは誤りです。申し訳ございません。


  

  

2013年6月27日木曜日

ホンダアコード 「インスパイアの日本復帰。狙うはクラウンか?」

  先代のインスパイアは「セダンのイディア」と言えるほどの出来映えで、「王道」で「洗練」で・・・なおかつ「アート」なデザインのクルマだった。もっと別の言い方をすると、「地に足の付いた落ち着き」というべき全体的にはコンサバティブな印象の中に、「想像以上のセクシィさ」が散りばめられている、稀代のスタイリッシュなフォーマルセダンだ。特にリアデザインの艶やかさは所有欲を徹底的にくすぐるほどよく出来ている。

  ホンダは北米ではBMWに匹敵するほど「スタイリッシュ」で「スポーティ」な確固たるブランドイメージを持っているそうだ。2000年代後半のホンダのセダンは日本市場ではなぜか不当なまでの低い評価を押し付けられていた。ただ純粋にクルマを比べるならば、「レジェンド」は5シリーズを「インスパイア」は3シリーズを徹底的に上回っていたにも関わらずに、この評価は今改めて思うとまったく不可解だ。

  日本中が「エコカー」と「輸入車ブランド」に対して非常に盲目的であったことが、ホンダにとっては完全に逆風であった。どんなにカッコいいクルマであっても「国産車で、燃費が悪い(V6の3.5L!)」だと誰も見向きもしない・・・そんな悲しすぎる時代だった。トヨタによって貼られた「ホンダはハイブリッド負け組」のレッテルもとても厳しいものがあった。ホンダ車は次々に日本市場から駆逐され、今や3ナンバーシェアはスバル・マツダよりもずっと下で、ほぼ三菱と同等の月1000台まで落ち込んでいる。もちろんフィットとステップワゴンは健在であり、さらにあっと言う間に軽自動車のシェアを押し広げてダイハツとスズキを射程に捉えたりはしているが・・・。

  自動車ライター連中からは、「ホンダは大丈夫か?」などと、自らのDQNを晒すような評論が連発しているのには笑ってしまった(ホンダは決して赤字ではない)。しかしいくらDQNでもある程度の影響力はあるので、それらの「ホンダ評」を読んだ日本の自動車ファンの多くがホンダに対して懐疑的な目を向けているのも事実だ。実際にこの新型アコードHVが「クラウンを叩きのめす」と宣言しても誰も本気にしてはくれないだろう。

  確かに、かつてはスポーツセダンとして流通していたアコードが、クラウンに勝負を挑むクルマに変わったと言われても、多くの人は急には認識を改めることはできないかもしれない。しかし紛れも無く、このクルマの先代は3.5LのV6を積んでいた「インスパイア」であり、今回はV6から直4+HVに載せ変えただけであり、正統派の高級セダンだと言える。そのパッケージはクラウンやアウディA6のハイブリッドに真っ向から立ち向かうのに十分すぎるくらいのクルマだ。トヨタ(レクサス)やアウディの直4+HVよりも圧倒的に性能がいいエンジンに加えて、あまり知られていないがホンダ独特の高級車の内装を備えている。クラウンやアウディA6と比較してもまったく遜色はないほどの出来になっている(レクサスIS300hには100万円高い分の差をきっちり付けられているようだが・・・)。

  正直言って当初はこのアコードHVにやや懐疑的だったが、ハイブリッドのセダンを買うと決めたなら、現行のクラウン・カムリ・フーガ・A6よりも優れたパッケージ(コストパフォーマンスも含む)に思う。より高級感とポップな雰囲気を重視するなら、レクサスIS300hにはやや歩が悪いかもしれない。よりスタイリッシュでスポーティさを求めるならアテンザXDに及ばないだろう。それでもこのISとアテンザという強力な2台とは真っ向勝負せず、よりコンサバティブなセダンユーザー層に上手く売り込むことができれば、ライバル不在と言えるほど他車に対して優位なクルマではないだろうか。雌伏の時は過ぎ、臥薪嘗胆の思いで待ち続けたホンダの反撃がこれから始まろうとしている。



↓さすがはホンダ!十分に戦えるクルマになっている!

  

  

2013年6月25日火曜日

キャデラックATS 「格安で高性能なアメリカ車が日本人の先入観を壊す日はいつ?」

  新型キャデラックATSはGMグループがドイツで開発したクルマなので、アメリカ車というよりもドイツ車と言ったほうが適切なのかもしれない。このクルマが北米COTYを受賞した一方で欧州ではそれほど話題にもなっていないという温度差がこのクルマの複雑な生い立ちを物語っているようだ。複雑といってもGM傘下のドイツのオペルが全権を持って開発したほぼ「ドイツ車」を、アメリカを象徴するブランドで発売しただけで別に珍しいことではないが・・・。

  欧州としてはアメリカメーカーが欧州のクルマ文化をビジネスライクに全世界にバラまくような行為に心中穏やかではないかもしれない。ちょうどランエボのターボを「独自の技術」と主張して北米に売りさばくヒュンダイ「ジェネシスクーペ」に対する、日本人の心境に近いのだろうか。オペルファンのドイツ人にとっては、オペル独自では絶対に作れないプレミアムセダンをオペルの技術で作ったことは嬉しいことだと思う。それもMB・BMW・アウディと互角に戦えるような出来映えなのだから。日本のマツダやスバルが大資本の力を借りて高級車を作ったならどんなのが出来るだろうか?

  このATSのデザインを見ると、紛れも無くキャデラックだし、紛れも無くドイツ車の要素がある不思議なクルマになっている。これは先に登場したEセグのCTSにも同じことが 言える。果たしてこのデザインは日本人の感性に合うのか?というとすぐには結果が出ないような気がするが、それでも徐々に受け入れられるのではないか。フォード・マスタングや同じGMのシボレー・カマロよりは日本人のクルマとしてすんなり溶け込める要素が強いように思う。アウディのデザインに飽きてきた人々にとっては、程よく目新しくて「フォーマル」なイメージも十分に備わっているので、新たな「メタル・テイスト・デザイン」のアイコンを担う実力も感じる(ATSはメタル色だけでなく、いろいろなカラーがそれなりに似合っているのも特徴か)。

   ただATSには残念なことに、レクサスもほぼ同時期にISのFMCを行い、こちらも従来のレクサスのシンボルだった「ホワイト」を脱ぎ捨てて、新たな「メタル」アイコンとして名乗りを挙げている。アメリカ市場はともかく、日本市場ではATSの前にはレクサスISが立ちはだかっているようだ。ATSの「重厚感」に対しISは「軽快感」を意図したデザインになっていて、それなりに好みが分かれるだろうが、このDセグ車は高級車の中では「小型」に分類されるので、ISのデザインの方が的を得ている印象だ。

  さらに今年中に発売されるインフィニティQ50とBMW4シリーズもデトロイトショーのコンセプトは「クリアウォーターブルー」の「メタル」カラーとなっていた(なぜ新型アテンザはこの色を廃止してしまったのか?)。ATSにとってはとても高い壁が立ちはだかるが、ここで踏みとどまって一定のシェアを奪う事ができれば、GMにとっては十分な戦果と言える。ATSに勝ち目があるとしたら、それは「コストパフォーマンス」だろう。300ps近くを発揮するパワーユニットを積んで、内装のグレードも他の3台にまったく劣らないレベルに仕上がっていて、ベースグレードで最廉価なのだから、フェアーにジャッジされればそれなりに売れるはずだ。

  ちょうど新型AクラスやBMW1、ゴルフハイラインを相手に、価格とパワーで優位に立つ「ボルボV40」のような立場のクルマだと言える。そういう意味では存在価値も十分にあるし、選択肢として日本市場にラインナップしておいてほしいクルマだ。惜しむべきは、現状で左ハンドル車しか用意されていない点か。ただそのおかげというべきか、新車未登録の「既製品」がほぼ本体価格の乗り出しで買えるようだ。GMが多少無理してでも、大幅値引き&「新古車」放出を行って、日本のラグジュアリーカーとして馴染ませれば、ドイツ車のシェアをたちどころに奪うポテンシャルも秘めているように思う。

↓割安なスーパーカーに、割安な高級セダン。アメリカ車が世界のクルマを変えて行く?

  

  

2013年6月21日金曜日

ジャガーFタイプ 「V8の2シーターを作る意図は?」

  もう結構前のことのような気がするが、アテンザが日本車として初めて、「ワールド・カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」の最終の3台にノミネートされた。ライバルはアストンマーティンとジャガーのスポーツカーで3000万円と1000万円のクルマに、300万円のアテンザが挑むという「愉快」なマッチアップだった。結果はジャガーのFタイプが受賞したが、まあ最後の結果はあまり重要ではないかもしれない。

  それにしてもこの「ジャガーFタイプ」というクルマは何の因果で生まれてきたのだろうか?とやや首を傾げたくなる不思議なパッケージだ。何と言っても完全「2シーター」で1000万円を超えるクルマを、カタログモデルで本気で売ろうとしているところが、ほぼ「理解不能」だ・・・。確かにフェラーリやランボルギーニといったスーパーカーブランドを除くと、メルセデスSLSくらいしか現行では売られていない「マニアック」なクルマだ。それでもV8スーパーチャージャーで1250万円は欧州の一流ブランドであることを考えると「格安」を通り越して「ダンピング」の部類に入るのと言えるから、もしかしたらヒットするのかも知れない。

  それでも、このジャンルにはアメリカ車を代表するスーパースポーツの「シボレー・コルベット」が今も輝きを放って君臨している。コルベットはそのリーズナブルな価格設定が日本でもかなりウケているようで、休日の都心ではかなり多く見られる人気のスーパースポーツ車だ。それを押しのけて、アメリカや中国、日本が主戦場になるであろうこのFタイプを売ろうとする試みは「無謀」にしか見えない(そもそもスポーツカーを掴まえて「無謀」というのも下世話な話だが・・・)。

  不可解な点は他にもある。FタイプはV8搭載ながら、ボディはアルミモノコックでホンダNSXのように錆びる事は無く、中古車価格もおそらく10年以上に渡ってそこそこ高く維持されるであろう。「価値のある」クルマだというお墨付きがあるので、これも実際の販売には有利に働くだろう。お金持ちほど中古車価格に敏感だったりするので、値落ちしない高級車は人気になる。しかしアルミボディながらV8搭載モデルで車重は1810kgもあり、これは同じV8のコルベットと比べると300kgも重い設計だ。コルベットはニュル最速を目指すベストパフォーマンスなクルマではあるが、いくらなんでも車重に違いがあり過ぎるのではないか? 

  海外試乗会のレビューなどにも軒並み「スパルタンなスポーツカーではない」などと、やや否定的な文言が並んでいる。見た目は走りそうだが、基本設計の段階ですでに、コルベット、911ターボ、GT-Rを射程に入れようなどとは少しも思っていないようだ。それでもこのクルマはシボレーやポルシェや日産ではない「ジャガー」が作っているということがポイントだ。なぜなら内装やスタイリングでは「スパルタンなライバル」に一歩も引けを取っていないからだ。もし数年後にホンダの新型NSXが参戦して来ても、対して気にならないだろう。それはラグジュアリー・ブランド「ジャガー」であり、ポルシェと並ぶ長いスポーツカーの伝統を持つ「ジャガー」なのだから。

  そんなFタイプが実際になにより欲しかった勲章は「ニュル最速」などではなく、「ワールド・カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」だったのではないか・・・。これで世界中の金持ちにこのクルマの「価値」を発信することに成功したといってもいい。それにしても今年の最終ノミネートには、いかにもというクルマが多い気がする。「ブランド価値」の回復を宿命付けられた3台が集まった印象だ(アストンマーティンはそれほど必死ではないようだが)。ちょっと穿った見方をすれば、ジャガーとマツダの「ロビー競争」が裏で必死に展開されていたのかもしれない。マツダとしても「ベスト3」なら十分な成果ではあるが、それなりに「宣伝費」を使ったことだろう(なので今さらのように3位を必死にアピールしている)。

  

↓ジャガーの新世代戦略はなかなか実態が掴みにくいです。いったいFタイプ発売の意図は?
  

2013年6月19日水曜日

マツダ・新型アクセラ 「Cセグは付加価値的なクルマだという証明」

  次期マツダアクセラに対して、無理難題というべき過剰な期待が集まっているのをひしひしと感じる。マツダファンはもちろん、国産メーカーの再起を期待する層も多いだろう。輸入車が日本市場に大挙して押し寄せ、プリウスの乗り換え需要を狙ってきている。日本車ではインプレッサがまさに「孤軍奮闘」の状態で、去年FMCだったトヨタ・オーリスや日産・シルフィは「大誤算」の低空飛行を続けている。

  従来のアクセラ(2代目)は欧州向けデザインへ大きく振っていて、現行のオーリスと同じ「罠」に陥った結果、日本市場ではそれほど販売を伸ばすことができなかった(それでも世界各地ではベストセラーの輸入車だ)。しかし今回は、CX-5やアテンザで十分に実績を積んだ「鼓動」デザインで登場する。このデザインで登場するアクセラとロードスターには多いに期待ができる。

  2代目アクセラと同じく、ちょっと古くはなってきたが、フォードC1プラットフォームの改良型を引く継ぐので、クルマのパフォーマンスは発売前からある程度は「保証付き」だ。今年大量にやってきたCセグ輸入車の中に、ややマイナーなクルマだが「フォード・フォーカス」というのがある。これが様々な試乗レビューでは軒並み、新型Aクラス・ゴルフ7を上回る評価を得ているクルマだ(内装やデザインはちょっと・・・)。アクセラはまさに、このフォーカスの高性能なシャシーを共有している。「鼓動」デザインにフォードのシャシー、マツダのハンドリングが揃っているだけで、既にクラストップの実力車と言っても良いくらいだが、マツダはさらに新型のパワートレーンを用意することを決めているようだ。

  ある著名な評論家が言っていたが、新型フォード・フォーカスが250万円で発売されたなら間違いなく「Cセグの頂点」だそうだ。フォーカスの2LのNAエンジンはマツダが設計したものだから、アクセラにはすでに「Cセグの頂点」を手中に収めていると言えるかもしれない。それでもマツダはそんな無責任な評論家の意見などまったく聞かずに、ハイブリッドとディーゼルの2種類のエンジンを追加してくる公算が高い。

  「車台+デザイン+パワーユニット」と、ここまで「足し算」の設計にマツダが実際に徹したならば、ゴルフ7に負けるなんてことは万が一にもないはずだ。日本人は確かにドイツ車に対して「コンプレックス」があるかもしれないが、日本メーカーが頑とした意志を持って設計したクルマならば、その「壁」を突き破ることができるようになってきている。マツダも去年発売した新型アテンザも「足し算」戦略で、BMW3のシェアを突き崩すことに成功している。

  新型アクセラは「本体価格250万円」のリミットを目一杯使ってでも、さらに「足し算」を積み重ねてほしいが、DSCの標準化(法定装備)などのコストを考えると、なかなか苦しいパッケージングを強いられそうだ。最大のライバルは「Aクラス」でも「ゴルフ7」でもなく、アクセラと同じ車台を使う「ボルボV40」かなという気がする。まずは上級グレード(250万円)できっちりとクラス最高レベルにあるV40(269万円)の出力(最大T24.5kg・m/最大180ps)を上回れるかも、価格が接近しているだけに大きなポイントになってくるだろう。




  

  

  

  

2013年6月14日金曜日

メルセデスEクラス 「ファンを裏切り続けるのがメルセデスなのか・・・」

  メルセデスのEクラスがMCとなり、外装・内装ともに大幅にイメージが変わりました。これは朗報なのか不明ですが、どうやら外装も内装も新型Aクラスに「近づいた」という印象があります。クルマを発売する順番がやや問題で、新型Eクラスが先ならなんの違和感もなかったのでしょうが・・・。それでもあの新型Aクラスのフロントデザインを完全に踏襲したにも関わらず、これが予想外に先代モデルよりも全面的に良化したように感じられ、メルセデスの人気回復に大きく貢献するモデルになりそうな予感がします(遠目で見るとまさに新型Aクラスですね)。

  内装においてもAクラスと共通のシステム変更が随所で行われたようです。一番の議論の的になっているのは、ハンドル脇のレバーの機能が変わったことだ。一般にドイツ車はウインカーが日本車とは反対側についていたりしますが、この新型Eクラスは今回から新型Aクラス同様に「コラム式AT」を採用している。日本車では一般にウインカーを出す位置のレバーが、ATセレクターになっています。それに対してこれはちょっと危険じゃないかという人もいるようです。ただ日本ではコラム式ATは軽自動車などでも使われていて総じて問題は発生していないようなので、そんなに問題ではない気がします。

  近年のEクラスはMCを繰り返すたびに、「メルセデスらしさ」をどんどん脱ぎ捨てて、どのメーカーの高級車よりも拘りが感じられないクルマになっていると言われています。ちょっと生意気なことを言わせてもらいますが、現行のEクラスとCクラスの2台のセダンはドライビングカーとしてなんらかの方向性を打ち出しているわけでなく、ただある種の「ステータスカー」としてしか評価されていないクルマです。そこにはポルシェ・スバル・マツダのクルマにあるような作り手のメッセージなどは存在しないし、4気筒を積むE250から8気筒を積むE63AMGまで、数多くのパワーユニットが存在していることも、このクルマが何を意図して設計されているのかということを見えにくくしています。

  メルセデスの側もEクラスの「無表情さ」にはとうの昔に気がついていて、Eクラスをベースに「メッセージ」を吹き込んだクルマとして、新たに4ドアクーペ「CLS」を発売して大ヒットさせたりしている。裏を返せば、メルセデスが本気になればEクラスにはいくらでも手が入れられるほどの、弱点が野放しにされていると言える。そんな中途半端なクルマでもメルセデスの主力セダンというネームバリューで、米国でも日本でも中国でも次々に売れてしまう。日本のカーメディアの「歯が浮くような」レビューばかりを読んでいるとまったく想像も付かないだろうが、最近のメルセデスは20年前にドイツ車が持っていた「個性」を捨てて、日本の「下駄車」(軽・コンパクト)の良さをふんだんに取り入れたクルマに変わっている。日本の大衆車並みの「凡庸さ」と表現する人もいるくらいだ。

  このEクラスに於いてはドイツFR車の象徴であった「油圧パワステ」が全グレードで廃止になり、当然ながら「電動パワステ」の熟成が進んでいないので、現状ではスバルやマツダのハンドリングの足元にも及ばないレベルでしかない。もはやクルマの運転などに大して興味のない客層しか相手にしていないクルマに成り下がったといえる。さらに呆れてしまうのが、各グレードの価格設定だ。なにせ量販価格帯のメルセデスE250アヴァンギャルドが乗り出しで700万円程度する。4気筒のクルマに700万円はどう考えても「クレイジー」だ。アメリカ人が見たら大爆笑してしまうほどの価格設定になっている。もちろん北米ではE250など売られてはいないし、ベースグレードのE350(3.5LのV6)で約50000米ドル(500万円)くらいの価格だ・・・。

  

  

2013年6月11日火曜日

スバル・レガシィ 「新規グレード『Bスポーツ』ってなんだ?」

  「Mスポ」に「Fスポ」に「Bスポ」と、いよいよスバルも「プレミアムブランド」としてBMWやレクサスと肩を並べる存在になったということでしょうか。レガシィのMCが行われ、ワゴン・B4・アウトバックにそれぞれ「Bスポーツ」というグレードが設定されました。先日、発売された新型レクサスISに設定された「Fスポーツ」は前後輪のトレッド幅が変わっていて、4WSが組み込まれるなど、なかなか大掛かりなグレード設定でした。しかしスバルの「Bスポーツ」は外観上の変化だけで、走行性能においてはなんら特別な設定はないようです。

  最近では高級車を展開するブランドではほとんどと言っていいほど、スポーツチューングレードが設定されるようになっています。その名称の付け方が、面白いことに大きく2つに分かれています。トヨタと友好的関係にあるメーカー(BMW・スバル)は、「BMW方式」を採用して「Mスポ」「Fスポ」「Bスポ」を使っているようです。一方でライバルの日産と友好的関係にあるメーカー(メルセデス・三菱)は「日産方式」を使っていて、「バージョンNISMO」「バージョンAMG」「バージョン・ラリーアート」となるようです。メルセデスは従来のAMGモデルとは別に、ライトチューン(直4やV6)の「バージョンAMG」が今後増えそうです。

  これらはいずれも高出力エンジンへの換装などを伴わない、ライトチューンに対するグレード名になっていて、その設置の目的は大きな負担を伴わない「差別化」にあるようです。現在のクルマ購入者の多くは、維持費がかさむ高性能化には後ろ向きですが、他のクルマとの外観上の差異にはとても関心があり、それによって所有欲を満たす傾向があるようです。よって「性能の向上」よりも「外観上の変化」に重きを置いているチューンのほうが、圧倒的に多く捌けるようになっています。

  スバルとしてはネームバリューが十分の「STI」の名称を使っても良かったのでしょうが、ここはトヨタグループの絆を優先したようです。スバルはレガシィもインプレッサも国内市場では、それぞれクラスの「底値」になっていて価格面でのインパクトは相当に強く、200万円以上のモデルが好調に推移しています。よってスバル自体が「薄利商売」なイメージもありますが、実は利益率は相当に高かったりします(トヨタより上)。国内最安値の「本体価格」で集客し「Bスポーツ」などのグレード設定で最終的な価格を適正化するという戦略になっています(トータルでは安くない)。

  スバルの「スポーツチューン」というと、従来の「STI」では強力な過給ユニット設定や、ビルシュタイン製ショックアブソーバーを使った足回り強化など、「重武装」のチューンが好評でした。一方で「Bスポーツ」には吸気系のメカチューンや足回りの設定変更は一切含まれていません。スバルとしては、メカチューンやサスの最適化などは、「デフォルト装備」なのでその必要はないということのようです。スバルは「Bスポーツ」以外に「Gグレード」「アイサイト」というグレードを設定していますが、「Bスポーツ」は外装、「Gスポーツ」は内装、「アイサイト」は安全装備をそれぞれ意図した「アイコン」として使いわけているようです。

  

2013年6月9日日曜日

6代目マセラティ・クワトロポルテ 「若返りなのか、大衆化なのか?」

  赤坂・六本木界隈で大人気のマセラティ・クワトロポルテがFMCを迎えた。このクルマは日本では完全にメルセデスSクラスやレクサスLSの上に位置する「最上級の中の最上級」のセダンと言っても過言ではない。ポルシェ・パナメーラやアストンマーティン・ラピードといったアクの強いデザイン(簡単に言うとダサい)のライバルと比べるまでもなく、圧倒的な存在感と妖艶な雰囲気で日本人の感性を直撃する「究極デザイン」で絶対的な優位性を持っている。そんな5代目(先代)の好調を引き継いで、間隔を開けずに今年始めのデトロイトショウで公開された。


  新型クワトロポルテはヘッドライトの形状が先代から大きく変更されていて表情が一新している。この変更はあからさまに現在の「スポーツセダン」の流行を掬い上げていて少々興ざめな感がある・・・、ハッキリ言ってしまうと「致命傷」というほどの大失敗だ。5代目(先代)のヘッドライトの形状はクワトロポルテのキャラクターの確立にとても貢献した良いデザインであった。クルマ自体はスポーティでありながら、ベントレーなどに肩を並べる優雅さも兼ね備えていた。それが6代目では大衆モデルで流行している「吊り目(細目)」に変更になってしまった。

  「スポーツセダン」における「吊り目」ヘッドライトの流行は、日本車にルーツがあると言われている。オリジナルを確実に特定することは難しいが、アウディの水平ヘッドライトが一世を風靡し、メルセデスやレクサスが「デカライト」を標準化するなかで、2006年に日産スカイライン(現行)に採用されて以降、マツダアテンザ(先代)、オペルインシグニア、ヒュンダイソナタとミドルサイズセダンにヒット車が続いた(いずれもブランド興隆の名デザイン)。2012年になってから、デザインの立ち後れが深刻になっていたBMW3シリーズがF30で追従した。ミドルサイズスポーツセダンの「雄」が採用するに至り、今では堂々の主流デザインへと登り詰めた感がある。現在にいたって「デカライト」は完全に衰退し、メルセデスとレクサスの旧モデルのデザインの劣化がばかりが目につく状況だ。

  マセラティはスポーツモデルの「グランツーリズモ」ですでに「吊り目」を導入していて、今回のFMCでクワトロポルテも同じような方向に移行したようだ。マセラティとしては、「格調」を重んじる正統セダンのイメージを脱ぎ捨てて、4枚ドアのスポーツモデル「4ドアクーペ」として新しいイメージを作りたいという意向なのだと感じる。この背景にはやはり「ラグジュアリーセダン」の流行の変化があると思う。現在では「組織の大ボス」を気取るような大型高級セダンは世代を問わず、人気が縮小しているようで、メルセデスも「マイバッハ」ブランドを終結させている。

  しかしこのマセラティの決断には、やや疑問を感じる。5代目(先代)クワトロポルテの大成功の裏には、このクルマしか持ち得ない「特別なステータス」の存在があったと思う。ベントレーのような格調のあるフロントとリアのヘッドライトを配していながらも、隠しきれないほどの「スポーティさ」や「セクシーさ」が滲み出てくるところがこのクルマの最大の「魅力」だった。そんな「世紀の傑作車」が、あっさりとコンセプトを変えてしまい、新型ではグランツーリズモを4ドアにしてユーティリティを良くしただけ、つまり「スパルタンさ」を減らしただけのクルマに収まってしまったことはとても残念に思う(それくらいの切り替えがブランドビジネスの肝なのかもしれないが・・・)。

  グランツーリズモは全長5m近いフルサイズボディを2ドアながら決して間延びさせずに、側面およびリアデザインを造形しきった「快作」だ。その芸術的といえる側面をわざわざ4枚ドアにしてしまうのはもったいない限りだ(同じことがBMW6にも言えるが・・・)。側面のデザインが全くもって下手くそなメルセデスが、その解決策としてCLSを導入したことは、確かに「画期的」だったのかもしれないが、いくらそのCLSがヒットしたからといっても、マセラティが安易に追従するのは「愚か」に思えてしまう。メルセデスCLSにしても、登場からはや6年が経ち、今となっては下品なまでに「斜度」を組み込んだサイドデザインが「うっとおしい」以外の何者でもない(私に見る目が無いのか?)。CLSを得意げに乗り回している人を見かけるが、ハッキリ言って「私はセンスないです」と自ら申告しているようなものだと思う。6代目クワトロポルテもまったくもってこの路線を踏襲しているように感じるのだが・・・。(もちろん買う人の自由だ)


2013年6月5日水曜日

スバルWRX STI 「さらなる低価格化で入門車にまで敷居が下がるのか?」

  スバルが今年に予定している「WRX STI」のFMCで、いよいよ1.6Lターボを設定して200万円台後半のスポーツモデルに参入する見込みだ。スバルはすでにトヨタと共同で開発したBRZを200万円台で展開していて、同価格帯のスポーツモデルの追加によって、「日本のスポーツブランド」の主役の座を狙っている。

  長らく、日本車の「低価格4シータースポーツ」という免許取り立ての若者を魅了しそうなクルマは、各社のラインナップから消えてしまっている。いずれ復活すると言われ続けながらも、シルビアやプレリュードの復活はいまだ実現しておらず、昨年そんな「欲求不満」の市場に「86/BRZ」が投入されて、当然ながら快調なヒットを飛ばした。もちろん新設計のスポーツカーを作って売り、たとえ86くらいヒットしたとしても、その利益はたかが知れている。それでも、「クルマを初めて買う層」にアピールできるのであれば、ある程度のリスクを侵しても参入するメリットは十分にあると思う。各社の戦略もここにきてだいぶ変化して来たように思う。

  スバルはBRZの成功に味をしめて、早くも低価格スポーツ第二弾として「WRX」に廉価グレードを投入することで、200万円台の「WRX」を若者が買う「人生最初のクルマ」として選んでもらおうという意図が感じられる。この「WRX」のベース車となる2012年モデルのインプレッサは、先代モデルに比べて、外装&内装で大幅な良化が図られデビュー当初から好評を博してきたモデルということで、スバルの鼻息もかなり荒いようだ。

  実際にハッチバックの「インプレッサスポーツ」は世界中のライバルと比べてもまったく遜色ないだけのスタイルを誇り、内装も欧州のプレミアムハッチバックとほとんど変わらないほどの出来になっている。ベース車のレベルの高さが従来の「WRX」とはハッキリと違うので、従来の400万円近くするクルマなのに内装が非常に安っぽいという「ネガティブ」な評価(究極の欠点)はかなり改善されるのではないかと期待できる。

  さらに従来の「WRX」は極限までターボ過給を施していて、2Lターボで燃費は10km/Lに届かない程度の「極悪燃費車」であった。これは3.7Lのスカイラインなどとカタログ上では同水準の数字だ。3.5~3.7Lの大排気量のセダンがことごとくハイブリッドモデルに軸足を移しているので、スポーツスペシャルモデルであっても、やはり「低燃費」のグレードを作る必要があったようだ。結果として、15km/L以上の良好な燃費となり、2LのNA車と同水準程度ならば、長距離のドライブカー(GTカー)としての性能も飛躍的に高まったといえる。ベースのインプレッサの2Lモデルならばカタログ燃費で18km/L程度の実力があるが、加速などの性能面でスポーツ走行への要求には不十分と見られてしまうようで、「1.6Lターボ」はベース車と2Lターボ車との大きな隔たりを埋める絶好のモデルだ。

  しかも総額で300万円を少し超えるくらいで買えるというのも魅力的だ。従来の2Lターボはスポーツ志向が強く、欧州のスポーツカーを凌ぐ動力性能の割に400万円で買える価格設定は「安い」といえるものだった。しかしMBやBMWのライバル車は性能こそ劣るが300万円の価格設定をしていて、インプレッサの「盲点」を付くかたちになっていた。今回投入される「1.6Lターボ」というスペックは明らかに、欧州の「プレミアムハッチバック」への対抗の意図してのものだろう。内外装のデザイン・動力性能・燃費・価格どれをとっても、他社のライバルモデルに劣ることはない素晴らしいグレードが設定された。従来の「スポーツフラッグシップ」としてのWRXの役割ではなく、「スバル車」の素晴らしさを手軽に味わえる「入門車」として、スバルのクオリティカー戦術の中枢を担っていく定番車に成長していきそうだ。


2013年6月3日月曜日

ホンダ・アコード 「トヨタを意識し過ぎているような・・・」

  とうとう新型アコードが今月発売されます。このところの日本車のセダンの「過剰」と言えるほどのデザイン重視のトレンドは、今のところはとても歓迎で、スバルなどにも追従の動きがあります。しかし非凡なデザイン力を持つはずの「ホンダ」は完全にこのトレンドから距離を置いています。まるで「我が道を行く」かの如くで、新型アコードのデザインは北米モデルから特に「フェイスリフト」も行われず、やや盛り上がりに欠ける印象です。国内のカーメディアも言外に期待はずれの「不満さ」を示すような取り扱いが多いように感じます。

  アメリカではもう既に発売されていて、かなりの「大ヒット」でセダン売上1位を快走しています(カムリを完全に上回っている)。ホンダとしてはいくぶん余裕があるようで、ガソリンエンジンのモデルについては、乗り味が良くなって「アコード復活」と好意的なレビューを多く見かけます。

  日本ではガソリンエンジンのモデルは発売されず、カタログ燃費「30km/L」を誇るHVモデルのみの展開になるようです。この「売り方」がトヨタ・カムリHVの成功をそのまま「コピー」しているかのようで、新型車としての新鮮味のなさが、メディアの「失望感」を誘っているようです。ホンダはこれまで何度となくトヨタにヒット車を「コピー」されて煮え湯を飲まされてきていました。それでも結局のところ「営業力」には決定的な差がある上、トヨタの圧倒的な支持率はいかんともし難く、ホンダ自らトヨタと同じ路線に飛び込んで行くこと自体に疑問すら残ります。

  「カムリHV」は日本専用のフェイスリフトを施して、日本人好みのスタイルに作り直す工夫が行われていて、「燃費」と「デザイン」が両立したなかなか素晴らしいセダンになりました。アコードに関してもフェイスリフトは必須だと思っていたので、あまりのホンダの「やる気の無さ」っぷりにちょっと唖然とします。

  しかし、マツダやトヨタのライバルセダンが大きく「デザイン」を換えてきていて、ユーザーがデザインに敏感になっている時期になので、新しいデザインを必死に模索して動いて(デザイン変更をしても)も「上手く行かないだろう」という読みもあると思います。このタイミング(発売開始時)で下手な「フェイスリフト」を敢行しても、アテンザやレクサスISの好感度が高い中で何をやってみても無駄だろうし、ただいたずらにホンダのデザインの「威光」を落とす結果にしかならないでしょう。

  そこで、ユーザーの目先を変えるために注目したのが「燃費」のようです。カタログ燃費ではクラウンHVやレクサスIS300hを大きく凌ぐ数字を打ち出していて、低燃費を強く求める人の需要は当然に満たすと思われます。人気絶頂のマツダやトヨタの「デザイン」であろうとも、当然ながら次第に飽きられてくると思います。その中で違うテイストの「アコード」が相対的に注目されて、初動こそは苦戦するかもしれませんが、じわじわと売上を伸ばす可能性も高いです。また「クラス最高の燃費」が売りなので、今後10年は競争力のあるクルマと言えます(「燃費」のいいクルマは廃止されないので、現行のセダンでは一番長く生き残れるはず)。

  また「ホンダ」としては来年発売される「新型レジェンド」のプロモーションの一環として、この1年で上級セダンで「世界最高の燃費」を出せるホンダブランドのイメージを確立して全世界に浸透させる狙いもあるのかもしれません。