スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

2月, 2014の投稿を表示しています

VWゴルフR 「ベストゴルフはどれだ?」「・・・」

   VWゴルフの多彩なグレードを紹介する企画はクルマ雑誌の王道コンテンツの1つ。この1年だけでも何度お目にかかったことか。内容も覚えていないくらいの薄ら寒い記事ばかり、つまり歯の浮くようなステレオタイプな褒め言葉を散りばめてくる。タイトルで「ベストゴルフを探せ」を書いているが、そもそもVWはこの「ゴルフR」を最高グレードとして仕立てているのに、日本人ライターがそれを無視して「GTIがベスト」みたいなこと言ってていいのか・・・。   70歳くらいの大御所ライターは、なぜかVWとゴルフをこよなく愛する人が多い。代表的な人が徳大寺有恒さんと岡崎宏司さんだ。僭越ながらこのお二人の著作を紐解くと、1950年代後半にビートルに出会い、それぞれゴルフⅠとゴルフⅡGTIに人生最大の感銘を得たとハッキリ書いてある。1950年代の国産車は乗っているだけで気分が悪くなるほどで、ビートルなどの輸入車が飛び抜けた乗り心地を誇っていたらしい。少年の頃にビートルこそが至高という環境で育ち、70年代の活力みなぎる30代にゴルフに感銘を受ければ、お二方にとってはVWは別格の存在になるだろう。近所の70歳くらいの高齢者ドライバーは相当な割合でゴルフを選んでいるがこれはとても納得できる話だ。親戚の大叔母さんもVWに乗ってみたいと言っている。   ちょっと話がそれましたが、大御所ライターが挙って大のVW好きなのだから、その弟子にあたるライター達もVWに対して迂闊なことは書けないのでは・・・というのが私の推測です。自動車ライターは徒弟制度が今もあるようで、有名ライターとのコネクションがあって初めて仕事が舞い込み、日本COTYの審査員に選ばれたりする。最年少の島下泰久さんは徳大寺さんの弟子で名シリーズ「間違いだらけのクルマ選び」の主筆を引き継いでいる。岡崎宏司さんは「Car and driver」の中心的ライターのようで、この雑誌に寄稿するライターの人事権をある程度握っているのではないかというくらい、岡崎コーナーの扱いは別格だ。・・・おそらくこれが世の中の「メディアが過度にゴルフを絶賛する」現象の正体では?   さて話をゴルフRに戻すと、大抵はどのゴルフのグレード特集でもゴルフRについて詳述することはなく、中には完全に存在を無視しているものもある。せいぜい隅っこの方にこういうグレードもありますよ...

ルノー・キャプチャー 「人間工学とデザインの結晶」

   2代目日産ノートが発売されて早くも1年半が経過しました。このクルマはアクアに対して大きな脅威にはなれなかったようですが、ヴィッツや同ブランドのマーチ、そして同時期に発売された三菱ミラージュを完全に押さえ込んで、予想外の健闘を果たしたと思います。去年フィットが発売してからやや押され気味になっていますが、同クラスでは高価な価格設定にも関わらず良く売れたと思います。   国内生産でも採算が取れる水準まで付加価値を与えた設計が全て良い方向に転がりました。4100mmまで伸ばした全長はゴルフに近い水準なのですが、コンパクトカーといえどもある程度の距離を乗るならば、これくらいのスペースが欲しいなというサイズです。若い頃、トヨタのカローラランクスに乗っていましたが、そのクルマがちょうどこの長さでした。当時は5時間ぶっ続けで走ったりも良くしていましたが、居住性もなんとか耐えられるレベルでした。1泊2日でドライブ旅行に出掛けて総行程700~800kmも走ると、帰宅した翌日はさすがにクルマに乗りたくないとは思いましたが・・・。     チョイ乗りするだけのクルマならば軽自動車で十分。ヴィッツ、アクア、デミオ、フィット、マーチだと長距離はちょっと荷が重い。動力性能なら特に問題ないけど居住性が必要最小限という設計が辛いです。「せめてゴルフのサイズになれば・・・」という計算がノートの基本設計にはあったはずです。マーチ(マイクラ)に150mmのゆとりを付けるというアイディアと、日産がエコ過給を真剣に考えて作った新開発エンジンがクルマに詳しい層にも相当に刺さったようです。ノート用1.2L+SC(直3)はへそ曲がりの理論家で知られる某ジャーナリストが最強のエコユニットだとお墨付きを与えていたのでまあ間違いないのでしょう。   ちょっとややこしいのですが、日産ルノーグループが欧州で展開する1.2ターボは直4でノートのものとは違います。日本では過剰気味な燃費競争に参入するために1.2L+SC。1.2Lターボではとても勝負になりません。ただし欧州の高速巡航においては1.2Lターボが合っていて、欧州で1.2Lを展開するVWとプジョーの直4ターボよりもボア径が広くもっとも高出力です。日本に上陸していないオペルには日産よりもショートストロークの1.2Lが存在しますが、ターボ加給ユニットが設定...

スカイラインHV 「日産の飛躍・・・このクルマで主導権を!」

  日産が上級グレードに搭載しているVQ37DE。一般的な仕様ではNA3.7Lで333psを絞り出す世界最強のV6NAエンジンで、日産はこれを車重1500kgのフェアレディから3000kgの救急車に至るまで採用している(救急車の燃費が気になる)。スカイライン、フーガ、シーマ、三菱にOEMしている分、エルグランドでの需要をかき集めても日本ではまったく採算が取れるレベルのエンジンではないのだが、このエンジンこそが北米で日本車技術の象徴として讃えられているのだとか・・・ちょっと皮肉だ。   日産はいよいよ日本国内でもV37スカイライン(インフィニティQ50)の発売を始めたが、それに先立ち作られたCMの謳い文句がスゴい。 「なぜ?ありきたりなプレミアムカーを選ぶのか?みんなが乗るから。定番だから。そんなプレミアムはもうたくさんだ。日産が世界で培ってきた圧倒的技術力が、今解き放たれる。」 商品の宣伝の基本は「ストーリー性」であり「共感力」なわけですが、いや〜素晴らしいキャッチコピーですな。自動車産業に対して感じているある種の不信感を当事者として堂々と認めた上で、このクルマはスゴいんだ!と訴えかけるメッセージに思わず惹き込まれてしまう。   余計なお世話かもしれないが、このCMを見ていて気になることがある。世界の自動車技術は日進月歩で、最近では自動ブレーキや追従クルーズコントロールが当たり前になり、まもなく自動運転も可能になるようだが、このCMで日産が訴えている「技術力」とはそういうものではない。このことが一般の視聴者に正確に伝わっているかが気になって仕方がない。自動運転はともかく自動ブレーキはまもなく全てのメーカーの全ての車種で採用されるであろうタイプの技術だ。瞬く間に広まったATやABSといった技術と同じといってもいい。   このCMで日産が主張する「技術力」は、他のメーカーにも広まりスタンダードになることが想像しにくいものだ。他の多くのメーカーが採用を前提に真剣に研究しないような技術をことごとく実用化し、一度に複数詰め込んで新型車を作ってしまったわけだ。これは自動車産業においては近年まれな歴史的事件だ。繰り返しになるが、今回スカイラインに盛り込まれた新技術のほとんどが、すぐに他社が真似できるレベルのものではなく、おそらく追従しようとするメー...

スバル・レヴォーグ 「上から目線メーカーの放胆な1台きた」

   初めに断っておきますが、スバルの関係者に個人的な恨みなどは一切ありません。スバルには今後もさらなるグローバルでの活躍を期待したいですし、北米の7強(米3日3韓1)を追い越すくらいの「歴史的快挙」をぶちあげてほしいです。「ボクサーがビッグ3をノックアウト」なんて感じで・・・。何と言ってもコンパクトカーやHVをバラまいて掴み取った全米8位じゃないですから価値があります。シェールガス革命の進む先で輝いていたのがまさかの「プレアデス星団」だったわけです。   日本でももちろん売れています。スバルの中型車が次の世代のクルマとして受け入れられたのには理由があります。それはスバルが日本で一番難しい「クルマ言語」を話す連中に、熱狂的に支持されているからでしょう。彼らが駆使する言語は非常に難解で他のメーカーのユーザーにはまず理解できません。例えばスバルがトヨタに委任されて完成させた86/BRZというFRのスポーツカーがありますが、このクルマになぜターボを用意しないのか?という誰もが知りたい理由にプロのジャーナリストで答えている人をほとんど知りませんが、知り合いのスバル言語の使い手はさらっと教えてくれました。   あんまり難しかったのでよくわからなかったのですが、なぜレガシィが1505mmも車高があって高いのか?という謎と同じ理由でした。ボクサーターボで十分に出力を発揮するには下方排気の為に車高を確保しないといけないそうなので、レガシィは車高が他のセダンより高く、BRZは車高が低いからターボ化できないと言っていました。厳密に言うとターボ化できるけど、本来のコンセプトは大きく崩れ専用設計シャシーの価値がなくなるのだとか。   DITエンジン(ボクサーターボの総称)そのものに構造的欠陥が?という声はとりあえず置いておいて、そこまで緻密に考えてクルマは作るものという姿勢が、スバルに関しては生産する全ラインナップに貫かれています。そしてそれこそがスバリストが他のメーカーを下に見る根拠なんだとか。もちろん日本には日産というもう一つの独自のドグマでクルマを作り続ける「変態メーカー」があります。しかしこちらは世界の5大メーカーの1つですから、全ラインナップで「スバルごっご」をやるわけにはいきません。上級モデルの一部の車種限定ではありますが、作っている人々はとんでもないエゴを剥き出し...

BMW4グランクーペ 「このブランドに不可能はないようだ・・・」

  1年近く前からその登場が予想されていた「4シリーズグランクーペ」。とうとうデビューしてしまいました。それにしてもBMWはブレないですね。トップグレード(7シリーズ)はセダンのみでOKだけど、下位グレードはとりあえず徹底的に数を揃えて感性にあったボディタイプのものに乗ってもらうという戦略は、他のメーカーにはなかなか出来そうで出来ないです。セダン、ワゴン、クーペ、クロスオーバー、SUVそして4ドアクーペですか・・・。   4ドアクーペはハッチバックタイプになっていて、一番近いボディ形状はクロスオーバー(3シリーズGT)なんですね。先代のマツダアテンザに設定されていた「5ドアスポーツハッチバック」と大きく括れば同じです。このスタイルが「若者向け」というのは安易でしょうが、こういう個性的なボディ形状を今回のアテンザのFMCで選択肢から外したマツダはやはりそれなりに断罪されるべきという気がします。マツダの台所事情が限界に近いのは判りますが、BMWもグローバルの販売台数はマツダとほぼ同数なわけで、高収益体質と言われていますが、折からの欧州不況&クルマ離れが直撃しているのもマツダと一緒・・・。どっちかユーザーのことを真剣に考えたメーカーと言えるのか?   BMWより性能のいいDエンジン!は見事でしたけども、マツダにももっと選ぶ楽しさで魅せてほしいですね。もちろん地に足がついた経営も大切でしょうけど・・・。もちろんやたらと新しいボディタイプを律儀に増やすBMWもちょっと心配ですね。BMWの破綻とかアジア資本へ売却とかあまり見たくないです。BMWが大きな失速を免れているのは、東アジア市場がとてもこのブランドに好意的だという分析もあるので、現実にこの地域からのM&A案件も水面下では激しく起こっていそうです。   この4シリーズは2ドアも4ドアも総じて「普通のクルマ」という印象が強いです。以前に他のブログで「320iは最大トルクがせいぜい25kg・mなので普通のクルマ」と書いたら、訳のわからない批判コメントを頂いたことがありました。500万円出すならV8のマスタングみたいな「普通じゃないクルマ」が買えるのにという主旨で記事を書いたのですが、文章力が無さ過ぎたせいか、「BMWはいいクルマです!トルクや馬力だけで判断してはいけません」って・・・。別に「悪いクル...

アウディA3セダン 「1990年代!質実剛健アウディの復活?」

   仕事が休みだったので、群馬の雪道を目一杯堪能したあと、東京に帰ってきました。雪道でスリップしないようなアクセルの踏み方を一日中していたせいで、東京の幹線道路の忙しないスタートダッシュがやたらと危険に感じてしまいます。気温が低いのでホイールハウスの中では氷塊がまだ融けず、いつ氷片が落ちてくるかと心配していると、隣りのクルマと加速対決なんて気分にもなれません。   そういう日に限って、やたらと好戦的なクルマが現れ、気がつけば「日産シルフィ」と「ホンダインテグラ」の新旧Cセグ3BOXがゼロ発進バトルを繰り広げ、「プリウス」が後ろから追従するというシブいカーチェイスに巻き込まれてしまいました。タイプRでないインテグラは車高があり、サイズはシルフィとほぼ同じに見えます。両者ともなかなか鋭い出足を繰り出していて、おそらく仕事帰りなんでしょうけど運転でストレス解消?もしくはゲーム感覚?なんでしょうか。   Cセグセダンというジャンルは1997年のプリウスの登場以降、日本ではとても売りにくいクルマになっているようで、各社とも開発に力が入っておらず全体的に地味な存在になっています。しかし街で元気に走っているクルマの多くがこのサイズであることもまた事実で、クルマや運転の好きな人の間ではこのクラスに「納得」の一台を!という声が多いように思います。今でもシビックセダンを楽しそうに乗っている人を見かけますし、ハッチバックではなくぜひ「セダン」でという主張も強く感じます。   機動性(軽快さ・燃費)や操縦性(取り回しの良さ)に加えてハッチバックには希薄な「シブさ」(重厚感・フォーマル)が、Cセグセダンが好きな人にとっても主な評価のポイントだと思います。ハッチバックや大きなセダンと違って下品な改造のベース車にされる心配もほぼなく、それほどたくさん売れないので安心して10年くらいは楽勝で乗れてしまうのが最大の魅力でしょうか。このクラスのデザインは各メーカーもそれなりに頑張っていて、先述のインテグラもまだまだ十分に通用するデザインです。   それでも日本メーカーの各モデルはまだまだこのクラス持つポテンシャルを生かし切れていないのではないか?と思うところも多々あります。開発者やオーナーに多少は失礼もあるかもしれませんが、スバル・インプレッサG4は「デザインが軽い」、日産シルフィは...