2014年2月6日木曜日

アウディA3セダン 「1990年代!質実剛健アウディの復活?」

  仕事が休みだったので、群馬の雪道を目一杯堪能したあと、東京に帰ってきました。雪道でスリップしないようなアクセルの踏み方を一日中していたせいで、東京の幹線道路の忙しないスタートダッシュがやたらと危険に感じてしまいます。気温が低いのでホイールハウスの中では氷塊がまだ融けず、いつ氷片が落ちてくるかと心配していると、隣りのクルマと加速対決なんて気分にもなれません。

  そういう日に限って、やたらと好戦的なクルマが現れ、気がつけば「日産シルフィ」と「ホンダインテグラ」の新旧Cセグ3BOXがゼロ発進バトルを繰り広げ、「プリウス」が後ろから追従するというシブいカーチェイスに巻き込まれてしまいました。タイプRでないインテグラは車高があり、サイズはシルフィとほぼ同じに見えます。両者ともなかなか鋭い出足を繰り出していて、おそらく仕事帰りなんでしょうけど運転でストレス解消?もしくはゲーム感覚?なんでしょうか。

  Cセグセダンというジャンルは1997年のプリウスの登場以降、日本ではとても売りにくいクルマになっているようで、各社とも開発に力が入っておらず全体的に地味な存在になっています。しかし街で元気に走っているクルマの多くがこのサイズであることもまた事実で、クルマや運転の好きな人の間ではこのクラスに「納得」の一台を!という声が多いように思います。今でもシビックセダンを楽しそうに乗っている人を見かけますし、ハッチバックではなくぜひ「セダン」でという主張も強く感じます。

  機動性(軽快さ・燃費)や操縦性(取り回しの良さ)に加えてハッチバックには希薄な「シブさ」(重厚感・フォーマル)が、Cセグセダンが好きな人にとっても主な評価のポイントだと思います。ハッチバックや大きなセダンと違って下品な改造のベース車にされる心配もほぼなく、それほどたくさん売れないので安心して10年くらいは楽勝で乗れてしまうのが最大の魅力でしょうか。このクラスのデザインは各メーカーもそれなりに頑張っていて、先述のインテグラもまだまだ十分に通用するデザインです。

  それでも日本メーカーの各モデルはまだまだこのクラス持つポテンシャルを生かし切れていないのではないか?と思うところも多々あります。開発者やオーナーに多少は失礼もあるかもしれませんが、スバル・インプレッサG4は「デザインが軽い」、日産シルフィは「ドラムブレーキ&トーションビーム」、マツダアクセラ「ディーゼル&2Lガソリンなし」、トヨタプレミオ「ドライブフィールが希薄」などなど・・・。マツダはともかく他の3社はまだまだ本気にはほど遠いか。

  アウディが日本でも発売を開始したA3セダン。どうも日本のCセグセダン勢よりもはるかにツボを心得た「シブさ」を発揮しているようです。アウディのセダンはもともと日本人の感性に響く湿っぽさを持っていたわけですが、日本ジャストサイズと形容されるこのA3セダンにはA4やA6とはひと味違う輝きがあります。2000年頃から日本に持ち込まれる輸入車は「個性=日本車の否定」を前面に打ち出したモデルが好まれるようになりました。本来は大衆車として魅力を発揮していたBMW3が、なぜか高級車としてちやほやされるようになり、オーナーもその気になって乗るようになりクルマの魅力は失われました。「シブかった」BMW3が一気に「チャラく」なったわけです。

  アウディA4やA6もまた同じような路線を辿りました。90年代には武骨なアウディだったはずが、気がつけば立派に見せるために水増ししたボディが痛々しいだけの「チャラい」クルマに成り果てました。ブランドの最盛期はスタイリッシュで近未来的な存在だったことも否定はしませんが、ガソリンエンジン車そのものがもはや「近未来的存在」でなくなった今では、ブランドにリアリティがないのです。ちょうど子供向けアニメの中に登場する「かっこいいクルマ」の絵を、そのまま実物化したくらいのバカっぽさすら感じてしまいます。

  しかしこのA3セダンは、見事にアウディが日本で陥っていた「リアリティ亡きブランド」の姿を大きく転換するほどに革新的な存在だと思うのです。まだアウディ自体が日本で広く認知される前、約20年くらい前のブランドイメージを見事に復活させています。まだアウディが今のアルファロメオのような硬派なイメージを発信していた時代のクルマが蘇ったかのような興奮を覚えます。アルファ156という大ヒットしたセダンがかつてありましたが、このA3セダンにはどことなく似た存在感があります。

  一足早くマツダがアクセラセダンを発売しましたが、果たしてマツダにアルファ156の「残像」を引き継ぐクルマを作る!という意識があったのか? おそらくそこまでは考えていなかったのではないかという気がします。プリメーラやアルテッツァに今も大事に乗っている人々にとって、アクセラセダンはどれほど期待に応えたものだったのでしょうか? そしてアウディA3セダンは日本でもカルト的人気を博したアルファ156を引き継ぐ存在となっているのでしょうか? 「シブさ」という評価基準ではアクセラよりもアウディA3セダンの方がより大人の魅力をまとった良いクルマかなという気がします。

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