ジューク"NISMO"は「テンロクターボ」競争の始まり?

  1.6Lターボがどうやら新しいクオリティエンジンとして脚光を浴びているようだ。BMW・日産・スバル・三菱に加えてホンダもこのスペックが理想の小型エンジンと考えているようで、今後のCセグメントの世界戦略車に新型エンジンを搭載していくらしい。これだけのエンジンメーカーが挙って「テンロクターボ」を採用しているのだから、このスペックが今後メインストリームになっていくことは間違いないだろう。このクラスのトップランナーは自他ともに認めるVWグループだが、主力の1.4Lターボエンジンがやや非力なことから、追撃する各メーカーは性能面で優位に立てるエンジンとしてテンロクターボに自信を持っているようだ。

  ジュークターボは1.6Lターボで190馬力を発生させ、車重も1290kgに抑えられている。これが"NISMO"ヴァージョンになると200馬力で1400kgとなるので、加速性能はそれほどノーマルと変化していない。それでも元々、BMW製の1.6Lターボを大きく上回る出力を誇っていて、日産のターボ技術の高さはもうすでに十分に海外メーカーの脅威になっているようだ。ちょっと残念なのは、この日産の新しいエンジンを使うモデルがジュークだけになっていることだ。このエンジンをフェアレディZ34に載せて、車重を1300kg以下に抑え込めば、日産版のアウディTTみたいなクルマとしてとても魅力があると思う。

  日産としては、メルセデスの2Lターボを載せた新型フェアレディZを投入する予定だそうなので、それとは別にミドルクラスのスポーツセダンにこのジューク用の1.6Lターボを載せた世界戦略車を作ってほしいですね。ただどういうボディにするかというのは、悩みどころかもしれません。4.5m級のセダンまたは5ドアハッチバックというのは、急速に過去の遺物になってしまっている感があります・・・。3BOXカーは後席の居住性が飛躍的に向上しているのが最近のトレンドなので、その点で評価が高いシルフィをベースにすることもできますが、それでもルーフの高さが気になってしまいます(かっこよくない)。

   どのメーカーが「テンロクターボ」から大ヒット車を最初に出すのか?ボルボV40やメルセデス新型Aはいまいち決め手に欠くような気がします。300万出すならギャランフォルティス・ラリーアートの方がクルマとしての魅力も高いと考える人もいるでしょうし、デザインもどことなく平凡さが漂います。一方でジュークもスタイリングに癖があるので、「テンロクターボ」王者にはちょっと足りないですね。まだまだ各社ともにテンロクターボを使った魅力あるパッケージングに辿りついていないです。

  ただ今後に発売が予定されているなかで期待されているものもたくさんあります。三菱・スバル・ホンダの各社はスポーツハッチバックでガチンコ対決になるようです。ホンダは禁断のV-tecターボを出すとか・・・。メルセデスCLAにはAクラスの出力を上げたものが載りそうで、これはデザインから人気が出そうです。さらにマツダ/アルファロメオが共同で作るロードスター/スパイダーにも1.6Lターボエンジンが予想されています。さらに新たに作られるBMW2シリーズクーペもベースモデルは1.6Lターボとの噂です。とにかく同排気量で横並びでクルマの作り込みや仕上げで差がつくというのは面白いかもしれません。



↓こちらは1.6Lターボで180馬力です。トルクも含めややジュークのエンジンに劣るか・・・。

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