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イヴォーグ・コンバーチブル 「新しい波が発生する予感!!!」

  今日のSUVの隆盛を築いた一台として知られるレンジローバー・イヴォーグ。2012年の発売と同時に大ヒットしましたが、400万円台からランドローバーが手に入るというお得感と、SUVのイメージを根底から覆すような気鋭の若手デザイナー(この成功でロバート=メルビルはマクラーレンのチーフデザイナーになる!)を登用したデザインは、今から考えてもコレは売れて当然ですね。発売から早くも3年が過ぎ、あまりの売れ行きの良さゆえか、やや強気な戦略を採り出したランドローバー・ジャパンは、度々グレード変更を行って価格を400万円台から600万円台まで引き上げてきました。

  しかし600万円台となるとライバル関係も一気に強力になります。その価格帯の新型SUVとしてポルシェからマカンのベースモデルが投入されて以来、あまりイヴォーグの話を聞かなくなったような気も・・・もはや旬は過ぎた?。いやいや!やはり縦置きエンジンのFRシャシーを使うマカンの魅力の前では商品力で苦しい!という厳しい意見もあるようですが、それでもこのイヴォーグはまだまだその魅力が色褪せてはいないです。ランドローバーの今後を背負っていくニュー・スターですし、まだ発売して3年ですが、知名度は高く、すでにイヴォーグは独自のブランド価値を築いています(ファンは多いですよ!)。

  改めて言うことでもないですが、ポルシェ、レクサス、ジープ、ランドローバーの4ブランドは、SUVへの取り組みが非常にマジメです。素人目で恐縮ですが、1つ1つのクルマに独特の魅力を持たせようという意識の高さが光ります。敬意を持って「プレミアムSUVのスーパー4」と呼ばせて頂きたいと思います。メルセデス、アウディ、BMW、ボルボといった日本市場にすっかり根付いている輸入ブランドのSUVが特に駄目ってことはないですけども、これらのブランドではわざわざSUVを選ぶ理由がないな〜・・と感じてしまします。SUVをナメているってことはないでしょうけど、ちょっとやる気が感じられないところが目に付きます・・・。見方を変えれば「日本風味」なんでしょうけど。

  私は東京都の西部に住んでいまして、家の前の通りを見ていてもメルセデス、アウディ、BMW、ボルボ、マツダ、スバル、ホンダといったメーカーのクルマの持っている雰囲気ってなんだか似たり寄ったりなんですよね。非常に洗練されてキレイなデザインなんですけども、それ以上に訴えてくるものがないです。なんだかむしろ存在感を消したいかのようで、結局ファミリーカーのバリエーションを増やしているだけ・・・開発者が抱える「タスク感」が満載のエクステリアは、時に見ていて残念な気分になります(カッコいいファミリーカーも結構なことですけどね・・・)。

  そんなところにラングラーやチェロキーがやってくると、SUVライフを楽しんでいる様子が存分に感じられていいなと思います。やっぱりSUVを持つことで得られる特別な感情が伴わないとSUVのデザインはダメだな・・・。ヴェゼルとかCX3とかデザインは隙がなく良くできていますが、クルマの属性をアピールする要素が見事にすっ飛んでしまっています。フィットとデミオにそれぞれクロスオーバー要素をマイルドに混ぜ込んだだけだ・・・と気がついた瞬間に、クルマへの愛情が冷めてしまいそうです(余計なお世話ですね)。

  イヴォーグもフォードグループが開発した(マツダが担当)シャシーを使ってつくられた、Cセグのクロスオーバー車に過ぎないのですけど、デザインは軍用車両にルーツを持つSUVらしく、武骨な実用美を中心としたキャラクターに徹したところがヒットのカギを握っていると思います。ジープの新型車も基本的には趣向は同じで、マツダやホンダのように軍用要素を意図的に抜いたと思われる「平和な日本的デザイン」との間にできる適度な距離感が、ジープやランドローバーといったブランドの人気にいい影響を及ぼしているんじゃないですかね。

  とはいえ600万円台のマカンと、それよりも安いジープの攻勢の前に、イヴォーグの存在感が以前よりも薄まっているのも事実で、ランドローバーは同グループのジャガーからFペースというSUVを発売してマカンと対峙する構えを見せています。マカンのつかみ所の無いお行儀の良いデザインといい、そのマカンとガチンコになるジャガーFペースといい、なんだか日本人の保守的な感性に訴えるような「ぬるさ」を感じますね。その一方でやはりランドローバーの本流は決して流行に流されることなく、常にゴリゴリのSUVデザインでなければ!という注文通りと言える「イヴォーグ」の派生モデルを作ってきました。

  「イヴォーグ・コンバーティブル」は現行の日本市場にありそうで無かったオープンSUVで、なんと来年に日本での販売も決定しているようです。日産がアメリカで発売していたムラーノ(2代目)のオープンを日本で売ったら人気になるのでは?と以前から思っていたのですが、どうやらランドローバーが先に販売することになりそうです。「ムラーノ・クロスカブリオレ」を軽井沢や箱根で休日に走らせたなら・・・あれこれ想像すると、これこそが「SUV貴族趣味」といった楽しみ方ができそうです。そしてついに!ランドローバーからそれが楽しめるクルマが出てきた!

  日本メーカーが発売しようともしなかったボデータイプですから、ちょっと想像するだけで当然にさまざまな制約がでてきます。どう考えても現実にはあくまでセカンドカーとして使うのがせいぜいなところでしょう。ソフトトップですからガレージも必要ですし、軽井沢などの観光地で乗るためにも、そういったオシャレな場所に別荘(隠れ家)を所有する必要があるかもしれません。時間的にもコスト的にも様々な制約に悩むサラリーマンにとっては、あれこれと想像するのが精一杯なところで実際に所有となると、日産GT-Rやポルシェ911を買うよりもずっとハードルが高いかもしれません。

  それでも「ジムニーだとちょっとイメージと違うんだよね・・・」というロマン溢れるアウトドア・ライフを夢想する人々(単にこだわりが強い)にとっては、自分の夢に近づいた一台なんじゃないかと思います。ハードルの高さに尻込みして凡百な人生を送るなんてまっぴら!という「突き抜け派」にとっては、イメージを具体化してくれるクルマだと思います。オープンカーが欲しいけど、スポーツカーだと結構ありふれていてあまりテンションが上がらず、ゆっくりと風景を楽しむならばもっと車高が高い方がいいな・・・と「当たり前のことを当たり前」に感じていた人にとってもピッタリの一台じゃないでしょうか。まだまだクルマの可能性はたくさん残されてますね・・・。

  レクサスやポルシェは、洒脱なラグジュアリーカーのブランドとしての地位を欲しているにもかかわらず、こういう個性的なクルマを率先して作る勇気は持ってないです。トヨタやVWといった安定志向のメーカーグループに属していると、出世競争への影響を恐れて企画段階で無謀な冒険をしなくなるのだと思います。ランドローバーやマツダ、スバルといった綱渡りなメーカーから新しいトレンドが発信されることの方が多いです。この「イヴォーグ・コンバーチブル」も反響次第では、レクサスやポルシェからすぐさま対抗モデルを導入してくるかもしれません。そして同じくパクるのが大好きなメルセデスやBMWのラインナップにもすぐに波及するでしょう。

  いまはもしかしたら1989年のユーノス(マツダ)・ロードスターの発売前夜と同じ状況なのかもしれません。相変わらず世界有数の購買能力を持っている日本のセレブ連中が、この「イヴォーグ・コンバーチブル」に注目したら・・・、一気に大挙して今乗っている「カイエン」を売りはじめるかもしれません!近頃ではめっきり街中でオーラを発信できなくなった「カイエン」に既に飽き飽きしているけど、乗り換えを決断させてくれるくらいに決定的な次世代プレミアムSUVが無かったのも事実です。BMWはi3やi8といったどうしようもなく使いにくいモデルなんかを開発する前に、冴えた次世代デザインをまとったEV方式の新型ラグジュアリーSUVを開発していれば、一気に主導権が握れたんじゃないか? それくらいにカイエンを売りたいセレブは多いと思いますよ!


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