2015年11月19日木曜日

三菱アウトランダー 「収まるクルマとして定着するか?」

  三菱・アウトランダーPHEVは、最近次々と日本上陸を果たしている欧州車のPHV化の機先を制した形でイギリスなどでは、プラグイン車のベストセラーになっているようです。ヨーロッパで売れた(絶賛された!)日本車というだけで、だいぶ「カッコ良く」見えてしまう度に、悲しい輸入車コンプレックスを自覚しますね。欧州では他にもジュークとエクストレイルの2台の日産車がよく売れていて、三菱&マツダが誇った「欧州販売神話」はだいぶ薄まったものになっているようですが、かの地ではトヨタ/レクサスが苦戦中、ホンダが大幅減に追い込まれていて、日産、マツダ、三菱の「走り」と「デザイン」を兼ね備えた「本格派」?と呼べるクルマが、まだまだ売れるのが欧州市場みたいです(日本に入ってくる安い欧州車はちっとも本格派じゃないですけど・・・)。

  「収まるクルマ」ってのは、ラゲッジが豊富という意味ではなく、乗っていて風格が感じられて落ち着いた雰囲気が出せる「車格」のクルマという意味です。単にデカければいい!というわけではないですけども、一般にデカいクルマの方が自然とそれ相応に「収まる」のは確かです。「グランドチェロキー」「ティアナ」「アルファード」などなど・・・価格は高級車としては比較的手頃なのですが、とりあえずしっかりと「収まって」います。しかしヘビー級のサイズと重量のボデーでは、パワートレーンがショボいと、動かなくなってしまって、ハリボテ感が出ちゃうとダメですね・・・。

  性能と環境のバランスが良くより使い勝手がいいサイズで、しっかりと「収まる」クルマを作れるか? これが今の日本と欧州を制するクルマ作りの最大のポイントになっています。しかしこれは、どんなブランドにとっても至難の技であることは同じで、結局のところ他を圧倒するほどの情熱が注ぎ込まれ、その良さが自然とユーザーに伝わり、さらに新たな流行(ブーム)を牽引するくらいの話題性が要求されます・・・なんだか書いててこっちが恥ずかしくなる形容がずらずらと並んでしまいました。ただこの三菱アウトランダーもまたこの「表現」に相応しいポジションへと登り詰めつつある「選ばれたクルマ」だと思うのです。今回のマイナーチェンジでは、内装に関してかなり思い切って改めたとのことですが、これはおそらくトヨタ・ハリアーを研究してのことでしょうか・・・三菱もこのクルマに手応えを感じているようです。

  このクラス(アウトランダー、ハリアー、エクストレイル、CX5)のSUVは、4車ともにインテリアがセンスよくまとまっていて、上質な空間作りという点では、各ブランドのセダンよりも居住性に優れているのでは?とすら感じます。しかも4車がお互いにシェアを争う!というニュアンスは当事者のメーカーにこそあるでしょうけど、クルマが売れない時代において、新たな需要を生み出している!(買う気にさせている!)ように見えます。プリウスに乗っていた人がいよいよ飽きた、あるいはアクアやフィットの狭さに辟易していた層が乗り換えている姿がなんとなく想像できます。

  いろいろなディーラーで聞く話では、今の時代はクラスが全然違う乗り換えなんて当たり前にあるようです(アルトが売れてメルセデスEを下取りしましたなんて話も)。若い頃にアシがフニャフニャのコンパクトカーに乗っていた人が、お金がいくらか手に入るとスピード出しても安定する高級セダンが欲しくなるように、小さいクルマにウンザリしてデカいクルマを買う時代とも言えます。ディーラーとのつながりもビジネスライクになりつつある御時世ですかrあ、大衆ブランドもプレミアムブランドも関係なく、気に入ったらすぐにクラスを越えてでも乗り換え!ってのが多いのではないかと思います。(HVの有無で別のクラスでも価格は同じなんてザラですし)

  しかし三菱自動車のイメージは一体いつになったら回復するのでしょうか?街中で見かける三菱車はやっぱり現象傾向で、たまに見かけたら三菱系企業にお勤めかな?と漠然と想像してしまう時代がかれこれ10年以上も続いちゃってます。少なくとも私はあまりネガティブな意識はないですし、三菱が本気でイイ車を作ってくれるならば喜んで検討したいと思ってますが、ギャランフォルティス・ラリーアートが廃止され、ランエボが終焉し・・・と少々テンションが下がるニュースが多いのが残念です。元々欧州志向のブランドということもあって、パジェロのガソリン以外はディーゼルもガソリンも4気筒に統一されています。日産と協業で作る軽自動車と、東南アジアで合弁で作っているミラージュを除くと、現行の三菱はSUVとミニバンがそれぞれ大・中・小の3段階というとてもわかりやすいラインナップになっています。(パジェロ、アウトランダー、RVR、デリカD5、D3、D2の6台です)

  「日本市場にCセグはいらねぇ!」とばかりにギャランフォルティスを廃止・・・どうやら日産、ホンダと同じ方針みたいです。たしかに三菱系列の一部上場にお勤めの人にとってはこのクラス(Cセグハッチバック)はあまり魅力を感じないのかも知れません。とりあえずRVR(CX3やヴェゼルサイズのSUV)があれば、ギャランフォルティスの穴は十分に補えるはずです。

  フルサイズのミニバン・「デリカD5」は、アルファードやエルグランドに匹敵する存在感が溢れる個性的なスタイリングで街中でも良く目立ちます(デカいです!)。ミニバンにクリーンディーゼルを使うという非常に画期的なパッケージが採用されているのですけども、マツダのようなディーゼル搭載車の宣伝(ブランディング)はあまりしてこなかったので、今でも知名度はほとんどありません。「D3」はセレナやヴォクシーと同等のミニバンですが、ちょっと冴えないので、これは日産からセレナのOEMに置き換えても良くないか?という気もします。「D2」はホンダとトヨタが凌ぎを削っているプチバンです、D3よりはしっかりしたデザインですので、パジェロユーザー向けのセカンドカーにちょうどいい感じです。・・・とりあえずどのクルマも市場のニーズをしっかり掴んだ良い設計で開発者はしっかり仕事しているのですけど、「評判」を落としたメーカーの運命は過酷です。

  一部上場企業にお勤めのアッパーなサラリーマンの生活!といってもイメージは千差万別ですけど、「身の丈に合った良いクルマ」として選ばれる質感のクルマ(背伸びしてないけど、全然安っぽくもない!)を作るメーカーへと、半ば強制的に歩む運命にあった三菱ですが、見事に少数精鋭で粒ぞろいなラインナップになりました! さすがにそろそろ風向きが変わるのではないか?という気もします。社会インフラとして「ランエボ」やCセグハッチバックはもはや「オワコン」と言い放ち、欧州ブランドも真っ青になるくらいの合理主義を自ら吹かしまくってます! 計算づくなのかわかりませんが、改革の大胆さから来る「最大瞬間風速」はホンダやマツダの勢いをも越えているんじゃないですかね。

  一人のバカなクルマ好きとして今の三菱を見ていると、「ランエボを終わらせちゃうのか〜・・・」という残念な思いだけで、このメーカーを勝手に末期症状だと判断してしまいがちですが、ホンダやマツダよりもストイックに日本市場を研究して、現代人のライフスタイルに適ったラインナップを築いています。「デリカD5」も「アウトランダー」もとてもナチュラルなデザインで好感度高いですし、素直で高級感溢れる佇まいがなんとも目を惹きますね。最近巷に溢れてきている「お手軽」なメルセデスやBMWなんかよりもよっぽど上品なクルマに見えます。例えば「2シリーズグランドツアラー」と「デリカD5」のインテリア・エクステリアなんて比べるまでもないくらいです・・・。

  トヨタが突然にラインナップを厳選して、「ランクル、ハリアー、C-HR(東京MSのコンセプト)、アルファード、ヴォクシー、シエンタ」の6車種だけに絞ったとしたら、・・・あれれ、これは案外誰も困らないのでは? これにあと追加するとしたら、ミラージュに相当する「コンパクト枠」としてアクアを残しておくくらいで十分では? 86はほしいな!・・・スバルで買えばいいじゃん。マークXやクラウンは?・・・もうレクサスでいいじゃん(三菱も日産からシーマとフーガをOEMしてます)。「ヴィッツ」や「bB」はダイハツのキャストとウェイクで代用できるし、軽自動車の規格がちょっと変わればすぐに同等以上のものが作れるはずです(ヴィッツもbBもいまやダイハツ主導で作ってるくらいです)。

  三菱には頑張ってほしいですけども、主力の6車に競合するトヨタ車はどれも強敵ぞろいなので、まだまだイバラの道は続きそうです。それでもトヨタやホンダの若者に迎合したようなクダけたデザインはイヤだ!という人も一定割合はいるでしょうから、堅実な三菱デザインが選ばれる余地はありそうです。なによりトヨタがなかなか普及に本腰が入れられないPHVで先行している「アウトランダーPHEV」は三菱復活の旗印になる可能性を秘めています。何年か後に「ランエボやめて大正解だった!」というカーメディアが仰天するような結論が下される日がやってくるかのかな〜?


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