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BMW118i 「このクルマをどうする?BMWの分岐点?」

  BMWのフラッグシップモデル「7シリーズ」が新たにフルモデルチェンジしました。何が変わったの?というツッコミはさておき、もはやこのクルマは映画のヒーローが乗り回すようなワイルドな7シリーズからは遠く離れてしまった感があります。かつての7シリーズのようなBMWを象徴するドライバーズカーの地位は、今では「i8」が担っているようです(映画で使うならこのクルマだろうな・・・)。街中で見ていても週末に颯爽と走らせる非日常なラグジュアリーの「プライベートGTカー」として、「ベントレー・コンチネンタルGT」や「マセラティ・グランツーリズモ」のような使い方ができるBMWのモデルは「i8」か「6シリーズ」でしょうか・・・(6シリーズはメタボだ)。

  しかし街中でi8や6シリーズを見かけても何だかアツくなるものがない・・・そもそもBMWにこの種のクルマは望んでいない!!!という想いが沸々と渦巻いてないですか? 2000万円をクルマに使うことができるなら他のブランドから選びますから!というと失礼かもしれないですが、BMWには全ての自動車メーカーの範として、操安性などの技術の高さが光る身近なブランドであってほしいです。「身近」というのは、同クラスの日本車(レクサス以外)+100万円程度の価格に抑えてあるくらいでしょうか。その水準に収まった価格で登場した3シリーズのディーゼルは人気になりましたが、今回は1シリーズからもなかなか期待できそうなグレードが登場してきたようです。

  1シリーズ、3シリーズ、5シリーズ、7シリーズと大まかに分けて4種類に分けられているBMWのラインナップですが、日本での使い道で「長距離用」と「短距離用」に大別すると、困ったことにそれぞれにすんなりとハマるクルマがあまり見当たらないです。まず長距離用に関しては直4のディーゼルユニットが用意されているわけですが、これを5シリーズに使うにはやや非力で振動面でも物足りないですし、3シリーズに使うとしたら今度はエンジンではなくボディサイズ(4635mm)がツアラーとして物足りません。5ナンバーサイズの全長(4.7m以下)だと、居住性という点でどうも長距離用としての適性は低いです。3シリーズをベースにホイールベースを伸ばした「GT」というグレードがあって、このモデルだけが現行のBMWでは長距離車として適格だと思われます。

  一方で短距離を楽しむモデルとなると「Z4」あるいは「M235i」「M135i」なんですが、どれも価格が・・・快適装備が必要な長距離車よりも高く設定されています!これでは残念ながらお買い得感は皆無です(単なる趣味のクルマ!)。もっとシンプル(長距離車ほど装備はいらない!)でかつドライビングが楽しめるクルマが欲しいですね。そこでFRシャシーの1シリーズです。このクルマはボデーから用途を考えると、お買い物やお迎え用といった短距離のニーズしか想像できませんから、やはり余計なものを削ぎ落して(ナビも要らない!)シンプルに運転が楽しめるクルマにした方がいいです。とりあえず8速ATなんて重装備が不要!6ATあるいは6MTの方がエンジンとボデーの良さを感じるにはベターです。

  日本に入ってきているモデルはトヨタ車のようにバネレートを下げてフニャフニャな足で乗り心地を柔らかくしていますが、期待したいのはBMW本来の固めのアシでフットワークの良さとハンドリングの良さを感じられるモデルであってほしいです。1シリーズのメインユーザーには女性や老人が想定されているのでしょうか?・・・というステレオタイプで短絡的なマーケティングではダメですよ! 実際に街中で見ていると女性や老人の方が固いアシのクルマを平気で乗りこなしているケースが目立ちます。つまりフニャフニャのアシのコンパクトカーを好むのは、クルマの運転に興味がないオッサンだったりします(オッサンの女性&老人化!これがBMWマーケティングの肝か?)。

  オッサンなのにジュリエッタ(ゴルフ、アクセラ、インプレッサ、オーリス、V40、Aクラス、C4、DS4、308)!みたいなヤツが増えててキモい!!!!!!!!なんて個人的な嫌悪感はちょっと封印しておきましょう。Cセグ車全体に言えることですが、各ブランドがちょっとでも利益率を上げて売りたい!という下心見え見えの進化をした結果、非常にクルマの価値がわかりづらくなっています。メディアは激戦区だと煽っていますが、蓋を開けてみると・・・ゴルフとアクセラの低調な争いが続いています(ゴルフは輸入車にしては売れてますけど)。価格の割に所有してもあまりうれしくないクルマ達。とりあえず高級車の目立つけど低コストな装備を盛り込んでおこう!という姿勢がダメだなあ・・・。

  「もっと素のモデルがあってもいいのでは?」とはいろいろな人が言ってますが、さらに所有欲を減退させるかのようなガリガリでヘルシーなダウンサイジングばかりが先行していては、「美味しい」乗り味なんて期待できません。他の装備カットしてでも、インプレッサのボデーにレヴォーグのユニットのターボユニットを載せてしまおう!みたいな「色気」があのスバルですら出てこない(やっと過給HVが出ましたけど)。そんな痒い所にまったく手が届かなくなった日本のCセグ市場に一石を投じたのが・・・フォードの新型フォーカスでしょうか。1.5L直4エコブースト(180ps)というフォード自慢のユニットがいよいよ日本でも発売されますが、これぞインプレッサのボデーにレヴォーグのエンジン!(=ボルボV40)

  このフォードのエコブースト・エンジンがFRシャシーの1シリーズに載ったらさぞかし楽しいだろうな・・・。ホンダも新型シビック(typeRではないモデル)に、これと同等の1.5Lターボを用意しているようで、BMWも対抗するためには同じようなスペックの1.5Lエンジンが必要になるとは思いますが、フォードとホンダに比べたらBMWなんて「中小企業」ですから体力勝負ではちょっと分が悪いようです。それでもフォーカスよりも安く買える「118i」に積まれている1.5L直3ターボ(136ps)も、これはこれで素朴でいいと思います。欲を言えば1シリーズのボディとシャシーを軽量化して、1300kgくらいに収めてくれればさらにいいのですが・・・(ミニ・クーパーに乗ってろ!とか言われそう)。

  単純に「速さ」を追求するならば、さらに小さいサイズ(Bセグ)のフィットRSやスイフトスポーツがあるわけですが、1シリーズのようなCセグならば、5ナンバーよりも一回り広いトレッドが使えるので、後輪に配備されたマルチリンクから粘りと安心感のあるハンドリングによって、高速域での走りの安心感が大きく変わってきます。高速をオラオラで走ったときに、怖いのがBセグで怖くないのがCセグ?なので、気ままに自動車専用道路走ったりするならやっぱりCセグがいいですね。もっともマルチリンクのリアでは走りがつまらない!というラディカルな意見もありますけど。

  BMWにそのつもりがあるかどうかわかりませんが、まだまだ1シリーズは改良の余地が多い、いやまだ何も始まっていない「原石」のようなモデルに思います。このまま安易にミニを共通化(FF化)を図っていくのか?それともBMWブランドの命運を握るモデルとして独自路線を保つのか? 「カローラ」が例としてふさわしいのかわかりませんが、1シリーズもカローラのように経済的負担をあまり感じずに、「ブランド」といった曖昧で「剥げやすい」付加価値(Cセグでは意味ない)ではなく、扱いやすさという「道具感」の良さで勝負してほしいです!!!とりあえず今回は円安局面にも関わらず再び200万円台に突入したということで、そんな「望ましいBMW」が今後展開されそうな予感もあります。

  「カローラなんて安物!」・・・そう思っているのは日本人だけですね。確かにクラウンやフーガといった高級車と比べれば「安物」かもしれないですけど、Cセグ同士で冷静に比べたら・・・シャシー・足回り・インテリア装備の使いやすさ!どれをとってもやはり超一流です。アクセラ、インプレッサ、ゴルフといったこのクラスの猛者と比べても、全然負けてない!(好みの問題はあるでしょうけど)。

  先代までのカローラの中古車だったり、北米カローラのシャシーにプリウスのユニット載せたレクサスCT200hに乗ればその実力はよくわかります。現行のカローラはBセグ化してしまいましたけど、それでもゴルフと比べて「負けている!」という印象はありません。あらゆる路面で乗り心地を下げずに走るという意味ではカローラは今でもゴルフを上回っています(もちろんアクセラもインプレッサも)。

  1シリーズもクラス内での評価はかなり微妙です。ゴルフやアクセラのユーザーから1シリーズがちょっと馬鹿にされるのは、Cセグのスタンダードである「カローラ」的なお約束が守られていない部分が大きく、やはり完成度の低さがあれこれ目立ってしまうからです。しかしトヨタとBMWが今後一緒になってCセグ車を開発すれば、クラスの頂点を狙える1シリーズなど・・・いろいろ期待できそうですね。

  軽量化という大きなメリットがありますから、1シリーズもいっそのことFF化してしまえばいいと思います。ちなみに現行カローラは1.5Lモデルに5MT車があって、これがマツダもスズキもびっくりなほどに、軽量化もしっかりできています(ヴィッツのMTモデルと車重差はほとんどない!)。ここに1シリーズにとっての大切なヒントがあるような気がしてなりません。まずは軽量化とMTの日本導入から頑張ってほしいですね。


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