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フォード・フォーカス 「躾けのいいクルマとは?」

  298万円に設定された「メルセデスA180」と「BMW118i」という2つのモデルが、名門ブランドのすそ野を広げるために日本に投入されてからしばらく経ちます。やはりどちらもオプションを最小限にしか付けない「プレーン仕様」での注文がかなり多いようで、やっぱり日本人はブランド好きなんですね。 さてBMWがこのクラスの常識を破るかのように、新たに直3ターボを搭載してきたので、今後は何だか怪しげな輸入車Cセグが増加するのでは?と危惧していますが、どうやらこの「118i」は予想外の評価を獲得しているようです。・・・某有名評論家の連載では、まさかの「全BMWの存在をあざ笑うかのような傑作」と評されてました。それにしても3気筒ゆえのバイアスってのがあるのかな?

  昨今のCセグはボデーの大型化、あるいはワゴンボデーの導入などで「ツアラー化」が急速に進んでいて、ひと昔前の手軽な「スモールカー」のイメージから、よりコンフォートで長距離にも耐えられる「ミドルサイズカー」へと立ち位置が変わりつつあるようです。ホイールベースが2700mmに達したCセグは、もはや1クラス上のC/Dセグと呼んで区別すべきではないかという気がします。いずれも2700mmとなったメルセデスAクラス、マツダアクセラ、日産シルフィの3台は、他のモデルよりもいくぶん居住性がいいです。ホイールベースの拡大によって、クルマの安定感や静音性にも一定の効果が期待できます。ちなみにゴルフ/アウディA3やジュリエッタなどは2635mmとなっています。

  ゴルフ、メガーヌ、プジョー308などワゴンボデーも定番グレードになっている欧州Cセグは、ハッチバックが2620~2650mmくらいで、ワゴンが2700mmといったところでシャシーをつくり分けて用途に合わせて適性化しています。逆転の発想で、ワゴンサイズのゆとりのあるシャシーに、デザイン重視のハッチバックボデーを被せたのがAクラスとアクセラで、高級なセダンボデーを取り付けたのがシルフィとCLAです。マツダとメルセデスの近年の成功のポイントはコレではないか?と思います。そしてちょっと異色なのがスバルで、ハッチバックのインプレッサとセダンのG4は2645mmを使い、ワゴンボデーとなったレヴォーグとセダンのWRX S4は2650mmとなっていて、作り分けているのにほとんど変化なしです。スバルは何を意図したのでしょうか?

  一般的にCセグをナメている自動車評論家ほど、Cセグ車の評論という仕事に際して、やっつけ気味に「輸入車>国産車」の図式を持ち込んできます。インプレッサやアクセラに乗ってなかなか満足な走りだったのに、輸入車の方がまだまだずっと走りがいいと言われると、それはまじですか!?と興味本位で2013〜2014年にかけてはあちこち乗りにいきましたよ・・・。まずはカーメディアがちょっと怪しいくらいに大絶賛していた「VWゴルフ」です。いざ乗ってみると・・・いや〜カーメディアは全然嘘なんてついてなかった!このクルマはやっぱりとってもいいですね!とりあえず気に入りましたよ!それで一体いくらなんですか?とおもむろに訊くと、なんと貰った見積もりが乗り出しで460万円だってさ・・・え?なんでこんなに高いの〜?(「GTI」という特別なモデルらしいです・・・内装は安っぽかったけど)

  続いては販売が絶好調の「メルセデスAクラス」。乗り込んですぐに感じるのが、内装がとってもいいですね!さすがはベンツ!これだったら長時間乗ってても包まれ感があって心地良いですよ!きっと。しかし走り出すとアレレ・・・というくらいにアクセルフィールが悪い。ハンドリングもややチグハグ。まだまだ出来たばかりの新型Aクラスだからサジ加減がわからないのかな?そのうちに改良されるのを待つとしても、エンジンもなんら印象には残らない・・・これが黒子に徹するメルセデスエンジンか?まあどこ走っても過不足ない加速感があってスペックはちょうどいいかも。さてこのクルマのお値段は?と訊くと、特別に値引きを入れてちょうど500万円でいいですよ!だってさ・・・え?本体価格200万円台って聞いたんですけどどういう事ですか!説明してください!・・・どうやらこのクルマも「A250シュボルト」という特別なモデルらしいです。

  さてついでにBMWも行ってみました・・・。やはりCセグの1シリーズに乗ってみます。いやあ!これはさすがに私にだってわかりますよ!4気筒のフィールじゃないです!これはいいエンジン積んだ上級モデルでしょ!600万円くらいするやつじゃないんですか? と知ったかぶりをかましたところ・・・なんと!確かに6気筒のモデル(M135iというらしい)ですけど、お客様には特別に400万円でいいですよ!というスペシャルオファーに思わずぶったまげました。ええ〜!これはどういうカラクリなの〜?この価格は試乗車落ちの新古車のものなの?いえいえディーラー在庫ですけどれっきとした新車ですよ!だってさ・・・。みなさんこんなえげつない値引きを仕掛けてくるBMWディーラーを信じられますか?オイシイ話には絶対に裏がありますよ!!!あまりに怖くなって急いで帰ってきました(買わされそうな勢いなので)。あまりにビックリしたので乗り味をあんまり覚えてないな。鼻先が重いってこともなかったような・・・。

  他にもボルボやアルファロメオなど試したのですが、総じて言えることはCセグ車は完成度が高いのは当たり前で、あとはクルマが持つ固有のクセがどれだけ印象に引っ掛かるかの勝負なんじゃないの?ってことです。クルマ雑誌はやたらと優劣を付けたがりますが、ハッキリ言ってそんなのは不毛で、あくまで優劣は個人の趣味のレベルだと思います。人によってはAクラスが最低!というでしょうし、また別の人はジュリエッタが最低!だと言い放つでしょう。でもAクラスの内装はかなり良かったですよ。居心地良かったな〜。それにジュリエッタもいいじゃないですか!正真正銘のイタリア製というだけで満足ですね。南アフリカ製(BMW)とかタイ製(フォード)とかポーランド製(メルセデス)とかメキシコ製(VW)とかこのクラスには勢揃いしてますけど、やっぱりイタリア製か日本製がいいなあ〜。

  さてタイで製造されているフォード・フォーカスが本稿の主題だったんですけど、3代目フォーカスの後期モデルがいつの間にやら日本でも販売されはじめました。Cセグは「どれだけ心に刺さるか?」で選ぼう!なんて調子のいいこと言ってしまいましたが、全ブランドに横断的に技術の新陳代謝が遅めなようで、言うなればドングリの背比べで「ぬるま湯」なのかも?といった冷めた見方もしてしまいます。冒頭の某有名評論家の「118i傑作」発言のウラにも、このクラスを震撼させるようなビッグバンが欲しいという気持ちの表れなんじゃないですかね。

  いよいよ日本市場にもあらゆるスペックのフォードの「エコブースト」エンジンが導入されてきました。「フィエスタ」、「クーガ」、「マスタング」ときていよいよ主力のフォーカスです。4車ともに日本価格がボッタクリ気味なのが気になりますが、経営危機から脱してフォードが新たに作り上げた「新しいパラダイム」の製品群はやはり興味がそそられます。何といっても現在のフォードのSEOは、あのマーク=フィールズです!誰だよ!という人の為に説明すると、マツダが初代アテンザとか初代アクセラとかRX8とか作っていたころに社長やっていて、日本ではFD3Sを常に愛用していたというアメリカ版のモリゾー社長(トヨタ)みたいな人です。新型マスタングの超絶デザインを見て、やっぱりマーク=フィールズだな・・・とため息出ましたよ!

  マーク=フィールズがトップになってからフェイスリフトが行われた3代目フォーカスの後期モデルですが、これもシャープでカッコいいですね。初代アクセラの繊細なデザインを思い出します(まだその辺を結構走ってますけど)。「モリゾー社長vsマークCEO」というカーガイなトップ対決でトヨタ&レクサスとタイマンが張れるくらいにフォードのラインナップはこれからもっと期待できそうです。すでに発売されているものでは、「クーガvsハリアー」「マスタングvs86」「フュージョンvsクラウンアスリートT」・・・なかなかいい勝負してますよね。「フォードGTvsレクサスRC-F」というGT3車対決もまもなく実現しそうです。フュージョンとフォードGTも日本導入を!

  世界的なビッグネームなのに、日本ではいまいち馴染みが薄いフォード車なので、あれこれ書いてみましたが、本題は「フォーカスvsオーリスT」ですね。価格はどちらも本体がやく300万円。エンジンのポテンシャルで上回るのがフォーカスで、内装などトヨタ得意のコモディティで勝負しているのがオーリスTなので、対立軸が完全にズレてしまってますね・・・。フォーカスのシャシーはマツダが設計したもので、ハンドリングもマツダと共同開発しています。先代アクセラの設計を大筋で使いつつも、フォードのエコブーストと欧州フォード車らしいDCT装備です(訂正!トルコンATに変更だそうです)。

  これだけでも300万円くらいの価値は出てきそうですが、さらに欲しくなる話を付け加えると、先日発売された「営業バンが高速道路をぶっとばせる理由」という本で、國政久郎という足回りの専門家が、ノーマルで非常によく躾けられているクルマとして、「ジープチェロキー」と「フォーカス」を挙げてました。日本車やドイツ車を差し置いて、アメリカ車こそが基本がしっかり出来たクルマだ!といわれても俄には信じ難いのですが、この人はNBロードスターの足回りを徹底的に改善して乗っているようなので、マツダっぽい躾けがお気に入りなのかもしれません。まあ参考までに。

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コメント

  1. フォーカス13モデルのオーナーです。
    エコブースとの15モデルフォーカスはトルコンATですね。
    15モデルはミッションとブレーキのフィールが穏やかになっていました。

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    返信
    1. コメントありがとうございます

      DCT→トルコンなら穏やかなのは仕方ないですが、
      ブレーキも穏やかですか・・・マツダ車の仕様とややシンクロしてますね。

      削除
  2. フィエスタの話ですが、現行フィエスタに試乗したマツダの役員がその走りの良さに驚いて
    デビュー前の現行デミオの開発陣に檄を飛ばしていたという雑誌の記事がありました。
    現行フィエスタのマツダ主導旧型プラットフォームの改良版に現行デミオの
    新規プラットフォームは負けられない!ということらしいです。

    この現行フォーカスもプラットフォームはマツダと共用していますが、違いは結構あるのかも
    しれませんね。

    返信削除
    返信
    1. フィエスタが日本に入ったときの雑誌記事は
      どこも相当に吹かしててヤバかったですね!
      ランフラットのDセグより乗り心地がいい!
      とか書いてあったのを覚えてます。

      フォーカスと先代アクセラは車重が70kgも違ってましたね。
      看板グレードの「ST」を考慮して骨太なフォーカスと、
      パワーにシャシーが負けていたMSアクセラ
      設計理念にはやはり違いがあったと思います。

      削除

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