2018年2月26日月曜日

ジャガーEペース (2018 / 2月新規モデル) 「マツダB系はまだ滅びず」




もうSUVブームは去った!?
  日本でもよく売れるようになったC/Dセグメント級SUVにジャガーが乗り込んできました。250〜350万円のせめぎ合いとしているハリアー、エクストレイル、XV、CX5、アウトランダーの勢いに怯んだ輸入車勢が350万円以下の値付けを余儀なくされていて、X1やGLAといったプレミアムブランド車もプライドをかなぐり捨てて350万円程度の未使用車を送り込んでいます。そんな中で注目されたジャガーEペースのベース価格は450万円。同設計のディスカバリースポーツが440万円、レンジローバー・イヴォーグが500万円なので妥当です。

マツダBプラットフォーム
  使われているプラットフォームはかつて日本で一世風靡したファミリアでおなじみの「マツダB系」の末裔。80年代90年代を通じて日本でカルト的人気を誇っただけでなく、欧州では同設計を使ったフォード車が、4世代目のVWゴルフを完膚なきまでに叩き潰すという快挙を達成。その後円高に苦しんだマツダがコストの見直しを軸とした経営再建に取り組んだ結果、欧州を制覇した『B系』及び『G系』のプラットフォームの開発は放棄され、この2つの中間に位置する『スカイ系』をアクセラ(40万台)、CX5(40万台)、アテンザ(10万台)の3車種で共用して100万台規模のファミリーを形成しています。

実力は高いはず・・・
  マツダが放棄した『B系』は、その後も復活を目指すVOLVOの販売を支えたV40で人気を博し、業界にただならぬ衝撃を与えて、北米/欧州/中国に幅広くまたがる「SUVの大ブーム」のきっかけとなった、レンジローバー・イヴォーグにも使われます。『G系』はフュージョン/モンデオとして北米では、日本勢が独占していたミドルセダン市場に割り込む活躍を見せました。2014年頃には北米トップ10ランキングにも堂々入り、アコード、カムリと肩を並べていましたが、やはりこのプラットフォームはコストがかかりすぎるようですね。フォードの収益性には疑問が持たれ、後続のヒットモデルもなく株価は低迷しています。

進化は続けるべきだ!!
  欧州の業界にとっては、80年代から世界をリードしたホンダ、マツダ、三菱のFFプラットフォームを受け継いだモデルは、ちょっと乱暴な表現ですが『反則級に出来がよい』ので、それ以外のブランドは軒並み大苦戦を強いられています(オペル、フィアット、PSAなど)。バブル期のクレイジーな投資の産物である日本の自動車技術に勝てるはずないだろ。結果としてVW&アウディは、フォード(マツダ)の技術者を引き抜いて設計をパクリましたし、メルセデスのFFはM&Aで手に入れた三菱のものであり、BMWも同じくMINIを介してホンダの技術を手に入れました。そしてボルボ、ランドローバーはマツダ。

新旧MAZDAはどっちが優秀なのか!?
  FF化されてやや不評が伝えられるBMW・X1、そしてメルセデスGLAなど、日本で販売が好調なブランドには欠かせないジャンルとなりつつあるFFのC/DセグSUVは、長年の日本メーカーの研鑽による耐久性、パッケージングの良さに加えて、80~90年代に好評だった日本車の発展/完成形としてユーザーには不満が少なく魅力が大きいモデルが多いと思います。果たして「スカイ系」のマツダは、「B系」のルーツを持つXC40(新シャシー導入)、イヴォーグ、ディスコスポーツ、Eペースに対して優位性を持っているのか!?

マツダの利益構造が・・・
  日本メーカーの決算報告を見ると、増収の要因のほとんどが「為替差益」と「コスト削減」です。直近の2月のマツダ決算を見ても、その2つの要因が100%を『超える』貢献をしています。つまりマツダの「生産/販売」計画に設定された損益分岐を下回るくらい販売は不調だったけど、その『損』を取り返してさらに過去最高に並ぶくらいの利益を「為替差益」と「コスト削減」で生み出していると自己分析しているわけです。

日本市場にピッタリの真意は
  それに対して、販売レンジが明確に高いジャガー・ランドローバーのマツダ『B系』車は、同グループの利益のほとんどを稼ぎ出しています(CX5もマツダのほとんどの利益を稼いでいるけど)。『スカイ系』と違って300psのユニットにも対応している『B系』(MSアクセラ、フォーカスST/RSなどもある)。運動神経の良さはジャガーが先行して出したスタンド映像でも証明済み。やっぱりバブル期の日本車の設計ってすげーんだなー。



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2018年2月13日火曜日

シトロエンDS7 (2018 / 9月 日本導入) マルチ&225psプリンスのフル武装


欧州デザインはやっぱりスゴかった。
  SUVはまずオシャレでなければダメなのか!?・・・もうSUVならぬVUV(ヴィジュアル・ユーティリティ・ビークル)とかいう新ジャンルを作ってもいいかも(デフ・ロックって何?ってレベルなんだから)。その中でもBMW・X2がどうやら熱いらしい。私程度(素人レベル)の感性を持ったプロライター連中が口を揃えてこれは売れるんじゃないか!?って書いてるだけですけどね。BMWの新型車のエクステリアを見てこれほどテンションがアガるのはいつ以来のことか(i8以来かな・・・)。

BMWとDS
  そんな意欲作のX2に対して、日本発売で鉢合わせになりそうなタイミングではありますけども、一足先に限定モデルの日本導入が発表されたのがシトロエンDS7クロスバックです。先行限定モデルは589万円ですが、9月以降に導入される予定の標準モデルは、BMW・X2(6月頃発売)の価格を見極めた上で決定されるようで、500万円を下回る価格に収まりそうなので、価格でもX2とガチンコになりそうです。

ボルボを弾き飛ばす!?
  さらにボルボからもほぼ同じタイミングでXC40が出てきましたが、なかなかハイレベルな三つ巴の対決の行方は、価格次第でしょうけども、とにかく400万円を下回らないと、日本ではまともに売れそうに無い。しかしC-HRに300万円払う人がウジャウジャいるわけだから、400万円台なら売り方次第では成立するのかも。売れる売れないは別にして、C-HRやCX5といった「モード」デザインで世界の最先端だとか吹かしていたトヨタとマツダの肝いりデザインが、欧州メーカーに完敗しているっていう事実・・・。


BMWもすごいが、DSもかなりの力作
  X2、DS7クロスバックのどちらも4.5m級のスタイリッシュなSUVですけど、BMWとシトロエンDSが真剣勝負するなら、これまではブランド力のBMWと、前衛的なデザインのDSという構図でした。しかし今回はBMWによってシトロエンの得意技を封じられた格好に。しかしシトロエンDSの反撃もなかなか凄いです。フラッグシップを務めるDS7クロスバックは、これならば500万円払う人もかなりいるのでは無いか!?というくらいにしっかりと作り込まれたインテリアの「世界観」がとても素晴らしいです。

日本車では無い何かが示す心地よさ
  シトロエンDS5もそうでしたが、「スペースシップ」をイメージした内装はとても革新的で、既存のプレミアムブランドに対して『DS』の武器を示したものになってましたが、いよいよそのフラッグシップのイメージを引き継ぐべく投入されたDS7クロスバックの内装は、形容するのが難しいですけども、気品と個性が芸術的なレベルで融合したオートクチュールに限りなく近いラグジュアリーといったところでしょうか(は?)。これならばX2にも一矢報いることも可能。いやいや、わかっている人だけが密かに楽しむ秘密のSUVってのがあってもいいかも。

500万円でもOKじゃないか!?
  欧州のフラッグシップらしいアナログ時計が付いてくるダッシュボードは、トヨタやホンダの量販型SUVと比べても材質に大きな差があるようには思えないのだけども、造形が「フランス車」であることを主張してくる。日本車やドイツ車のコスト感覚だとまず省かれてしまうアナログ時計のような装備を当たり前のように入れて「手数」を商品力として新しいフランスのプレミアムを創造しようとしている。そしてシートのデザインも秀逸。

マルチリンク装備にエンジン性能アップ
  デザインに走ったBMWに対して、DS7クロスバックはドイツ車、日本車に負けない足回り&エンジンを用意して対抗してきました。PSAが使うLMP2プラットフォームを使うモデルは全てリアサスにトーションビームが仕込まれていましたが、このクルマはマルチリンクを使ってきました。DS5からの大きな変更点です。さらにガソリンターボに使われる1.6Lターボのプリンスエンジンが、なんと225ps/5500rpmまでスープアップされていて、ホンダもびっくりの高効率ガソリンターボが使われています。5000rpmがピークになっているBMWのB48ユニットよりも踏んで楽しいはず。

PSAグループの新世代戦略に期待
  PSAも頑張ってますね。このマルチリンクサスを使って、プジョー508やシトロエンC5の後継モデルも準備されているんでしょうね。225psのユニットならば往年のプジョー406のようなスポーツセダンも近々復活しそうです。走りを忘れた!!は語弊があるかもしれませんが、いまいちパッとしないBMWを目覚めさせるのは、案外PSAなのかもしれません。




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2018年2月6日火曜日

メルセデスAクラス(2018/未定 FMC) サイズアップでいよいよ北米上陸!?



ドイツメーカーだって頑張っている!!
  日本のカーメディアでは、「日本vsドイツ」みたいな大雑把な対比がされているが、同じドイツで メルセデスとVWでは開発のスタンスが180度違うと思う。どう違うのか!?簡単にいうと・・・いやいや簡単じゃないです。日本の独立系6メーカーのうちアメリカで独自シェアを十分に確保しているトヨタ、日産、ホンダ、スバルに対して、残りのスズキ、マツダはハッキリ言って「中国ありき」のビジネスモデルになっています。つまりドイツメーカーと同じです。

MAZDA型とスズキ型
  世界で2位、3位を占める中国&日本市場の基盤に加えて、アメリカ市場で勝負をかけているのがマツダで、世界4位となったインド市場に注力しているのがスズキです。当然ながらドイツメーカーの経営も、「スズキ型」か「マツダ型」に分かれますが、スズキ型に当てはまるのがVWであり、マツダ型になるのがメルセデスです。やや短絡的な予測ですが、ゴルフやポロは次期モデルでスズキ・スイフトのようなクルマへと、そしてメルセデスAクラスは、MAZDA3(アクセラ)へと収束していくことが予想されます。


中国、インド、北米のどこを獲るか!?
  今年発売が予想されるVWポロとメルセデスAクラスがすでに基本データが公開されていますが、ほぼほぼ想定通りのサイズアップを遂げていました。新型ポロは『ルノー・ルーテシア』を、新型Aクラスは『シビック』を追っているとも解釈できますが、ルノーの小型車開発を支えているのは日産であり、シビックはもちろんホンダ、この2つの大手日本メーカーは、先ほども述べましたがアメリカで独自のシェアを確保していて「中国がなくても成立する」メーカーだと言えます。ドイツメーカーはとりあえず中国で売れないと話にならないので、日本のビッグ3を安易に真似するのはリスクが大きいかも。

スズキ型に未来はない・・・
  特にVWブランド車は2017年のグローバル販売623万台のうち、半数の300万台を中国で売りあげています。半分を中国で作って中国で売っているのだからもう中国メーカーと称してもいい気がするんですけども・・・。フランスメーカーもアメリカでは勝負すらできない(販売していない)ですから、現状は完全に中国頼みになっていて、やはりVWと同じように「スズキ型」ビジネスモデルを模索しています。当面VWグループはトヨタを超える販売台数を記録するでしょうけども、そもそも「スズキ型」ビジネスの今後の展望は全く無いと思います。遅かれ早かれ新興国メーカーに飲み込まれる運命。いやフォードのように時期がきたら生産設備をまとめて・・・する戦略でしょうけど。

MAZDA型は内燃機関の最終戦争へ
  そんな出口戦略を見据えた「スズキ型」ビジネスモデルと違って、果てしない地獄で戦うのが大好き!!というドMなメーカーが選ぶのが「マツダ型」ビジネスモデルです。とりあえず当面は世界のメディアが「EVシフト」を大合唱する極限状態の中で、アメリカ向けに高性能な新型「エンジン」を開発し続ける覚悟が求められます。そしてそこで待ち受けるのは、日本や欧州とは勝手の違う、北米流の燃費よりもエモーショナルを追求している「地場産業」的なアメリカメーカーと、市場を支配する「世界のトヨタ」「世界のエンジン屋・ホンダ」「圧縮比可変の日産」・・・。これはほとんどの中堅規模のメーカーには絶望的な状況ですが、どうやらMAZDAとメルセデスはやる気のようで、すでに戦略的な内燃機関用のテクノロジーを公開しています。

ドイツメーカーだってエンジンを進化させる
  MAZDAのSPCCIはすでに世界に知られるところになりましたが、これに対してメルセデスの次世代技術は「電動チャージャー内蔵ユニット」というものらしいです。エンジン内にモーターを仕込み内燃機関の弱点を補強する「電動アシストユニット」。さてさて従来のマイルドHVよりもどれだけのブレークスルーがあるのかはわからないですが、ガソリンターボの欠点に対して決して誤魔化さずに、再び世界の頂点で戦えるユニットへとダイナミックに進化させようという明確な意図はあるようです。

メルセデスが日産とホンダの間を押し通る!?
  メルセデスの現在の北米戦略は非常に好調でほぼ10位が定位置になりつつあります、ここ数年抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げていたBMW(11位)やMAZDA(12位)を徐々に引き離しつつあります。メルセデスがアメリカで量販が見込める車種を新たに投入して、それがスマッシュヒットしたならば、いよいよVW(9位)やスバル(8位)も射程に入って栄光の「8位」(アメリカは米3日3韓1の7大グループが支配)が見えてきます。

横置きエンジンにも同様の改良が及ぶのか!?
  その戦略モデルになるのではないか!?と思われるのが新型Aクラスです。先代モデルよりも120mm拡大したボデーは、いよいよMAZDA3(アクセラ)と同じサイズになりました。現在のところ、北米市場には横置きのメルセデス車は、CLA250とCLA45AMG(どちらもAWD)のみですが、新しい電動チャージャーユニットが横置きにも配備されるならば、一気にアメリカ市場で大ブレークする可能性もありそう。

日産、MAZDA、メルセデスのエンジン三つ巴の時代が来る!?
  MAZDAや日産といった化け物級のエンジンメーカーに対して伝統のメルセデスがどこまで互角に戦えるのか!?SPCCIのMAZDAと、圧縮比可変ユニットの日産は、完全なる飛び道具ですが、よりわかりやすい技術を組み合わせて、高性能なユニットを作ろうとするメルセデスの電動スーパーチャージャーの方が信頼性という意味では上かもしれません。果たして日産やMAZDAの技術がどれだけ効果的なのかはわからないですけども、メルセデスは既存技術のベースアップなので確実に性能を上げて来るでしょう。5年後のアメリカ市場、日本市場はどうなっているのでしょうか!?




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