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2014年3月26日水曜日

日産ティアナ 「デザインに何の意図を感じる?」

  東京MSで新型ティアナを見た時の印象は「地味」だなってくらいだったのですが、あれから3ヶ月が過ぎていろいろなメディア評を読んで、いろいろ思い違いをしている点も判明して、さらにあれこれ考えています。このクルマは相当に奥が深いのではないか?とすら思い始めています。

  まずあっさりと騙されてしまうのが、それほどやる気を感じないエクステリアです。大概の人(私も)は、日本に「インフィニティ」を導入する布石として、「日産」とは別のブランドなのだと周知するためのインフィニティQ50(新型スカイライン)との差別化を図ったと考えるのが自然なほど。ただそこで思考停止してしまっては日産の思うツボな気が・・・。

  あまりにも多くの事が変化してしまっているインフィニティQ50。日産はそれほど積極的にアピールしている感じもなく、独特の上から目線というか「分かるヤツだけ買えばいい」的なニヒルな姿勢。こういう売り方されると何となく納得してしまう。日産は世界最高水準のメーカーでインフィニティQ50はとんでもないポテンシャルを秘めた「スーパーセダン」なのだと。だけどもそのスーパーセダンとやらは本当に「パーフェクト」なのか?

  日産が北米インフィニティチャンネルで売り出したV6搭載スカイライン(V35、V36)は、プレミアムセダンとして直6ターボのBMW3を狙い撃ちすべく、3.7LのNA(333ps)に載せ変えて覇権を握りました。快進撃にVC36スカイラインクーペをパクったヒュンダイのジェネシスクーペが登場するほどでした。欧州の排ガス規制と戦いながらのBMWに対し、グローバル販売で5倍以上の日産が、開発費にものを言わせてパワーで押し切る・・・。なんかあまりカッコ良くないですよね。今回の新型も明らかにスペック重視。

  一方で日産ブランドから発売しているアルティマ(ティアナ)は、先行する日本車セダンのアコード、カムリを追従すべく、3代目(初代ティアナ)からボディサイズを拡大し、日本車による3つ巴に持ち込むべく追い上げを掛けます。2002年に日本車で初めて北米カー・オブ・ザ・イヤーに輝くなど、着実にアコード、カムリとの距離を詰め、5代目(新型ティアナ)でとうとう月販でアコード、カムリを超える月もでるなど完全に射程圏内に。

  トヨタ・ホンダ・日産の三つ巴といえば、日本でのミニバン競争。今では完全にセレナが頂点に立ちました。スカイラインやエルグランドみたいにハイパワーと迫力で押し込む展開が好きそうな日産ですが、実は排気量がライバルと横一線といった「レギュレーション」がある戦いがとても強い。スカイラインみたいなハイテクもいいですが、クルマ作りを極めた日産を深く味わうならばティアナじゃないの?という気がするんですよね。

  まあ細かいことを言えば・・・いろいろあります。気になる点といえば、中国で生産されている仕様がベースにされていることで、もちろん生産は日本の工場ですが、福岡県で行っているので部品の多くは中国からの調達なんだろうという予想が付きます。気にする人とそうでない人では大きく反応が分かれるとは思いますが・・・。

  逆に良い点はしっかりストロングポイントを作ってくれているところです。初代から好評な「助手席オットマンシート」はスカイラインもレクサス車の大半も装備できないプレミアムな設備です。もちろん高速走行中にフルフラットなんてしていたら危険極まりないですけど、フットレストだけなら走行中でも使えますし、当然に喜んでもらえます。乗り心地&静粛性も設計上スカイラインよりいいくらいだと予想されます。なんだかんだでVWゴルフ的にちやほやされてもいいクルマじゃ・・・。



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2014年1月27日月曜日

日産ティアナ「"ゴリ押し"セダン・・・」

  トップダウンで主力モデルのデザイン改革に取り組むトヨタ。世界最先端のデザインセンスを自認しつつあるマツダ。どちらも日本で製造することと、日本車として世界を制するという大義名分に大きく酔いつつあるようですが、確実に日本のクルマ好きに対して求心力を強めています。一方でNSXのホンダとGT-Rの日産は独自のポリシーを保ちつつも、一般モデルレベルでの「迎合」には冷ややかな考えがあるようです。

  日産とホンダが今後の成長へ向けて狙うのは世界の頂点であり、1000万円クラスのスーパーカーやラグジュアリーセダンを世界の富裕層に売り込む戦略。一方で400万円台の上級車を売り込むトヨタやマツダは未だに「1億総中流」という日本のかつての姿を追いかけているようです。どちらが正しいとは一概には言えませんが、日本人の多くは無意識の内にトヨタやマツダを支持する傾向でしょうか。日産やホンダが想定するよりグローバルな社会での富裕層を自認する自信家には、トヨタやマツダは野暮ったく感じるのかもしれません。

  日産はGT-Rにスーパーカーとラグジュアリーカーの2つの顔を与え、ホンダは次期NSXと次期レジェンドに2つの役割を分担させるべく開発に取り組んでいます。そんな中この両社から出された中型サルーンのティアナとアコードはどこか華がないと感じます。ライバルに比定されるアテンザやクラウンと比べると、明らかに設計段階でモチベーションが違っているのが分かります。去年発表されたアコードにはホンダの他の新型モデルに見られるような「日本の客に買わせる!」といった意思があまり感じられませんでした。

  フィットやオデッセイ、ヴェゼルといった野心的な新型モデルからみてもアコードの「低温」っぷりは際立っています。当然ながら営業現場のホンダカーズでは不満が次々と噴出したとか・・・。もちろんこのアコードはホンダが新たに中型セダン用に開発したHVシステムが搭載され、その乗り味の良さは専門家の間でも高く評価されたのにも関わらず、外装デザインが醸し出す「やる気のなさ」がクルマの魅力を大きく損ねている。その上価格も・・・。

  さて北米でアコード、カムリに次ぐ3番手に位置する中型セダン・ティアナ(アルティマ)も当初はライバルと同じくHV専用で日本市場に登場すると言われていました。しかし日産の直4ハイブリッドはセレナに使われる2Lの非力なもので、カムリやアコードに対抗するのは難しいという判断があったようで、北米・中国と同じ2.5L直4エンジンでの登場になりました。北米デビューからすでに1年半が経過しているので、さすがにそのままではアピールできないので、日本発売に合わせて後輪サスを新たに開発したようですが、「3シリーズやCクラスよりも格段に高い安定性」という謳い文句には失笑してしまいました。FFのティアナがFRの同サイズセダンよりも安定性が高いのは当たり前だろと思うのですが・・・。

  確かに間違ったことは言っていませんが、無知なユーザーを騙す「詐欺的」な広告コピーの匂いがします。同時にステマとしても機能しているようで、3シリーズのライバルであることを同時に意識の中に植え付けようとしていますが、F30(現行3シリーズ)が狙っているコンセプトに対して、ティアナはどれほどの対抗できているのでしょうか? むしろライバル関係とブチ挙げることに無理がある気がします。先代までは静粛性に配慮してFFながらV6エンジンを搭載していて、お世辞にもハンドリングマシンとは表現できませんでしたが、直4に代わり車体重量も軽くなり、ハンドリングを強調するようになりました。

  しかしスポーツセダンにしては鈍重なデザインがどうも頂けません。ディーゼルターボや直4HVで武装し、説得力のあるデザインで固めたマツダやトヨタに対抗するにはあまりにもやる気がないデザインです。当然ながらBMWに比肩するとは到底思えません・・・。それでも老獪なコピーで売り込もうとする日産のブランドとしての姿勢にややがっかりしてしまいます。おそらくシルフィの二の舞になるのではないでしょうか・・・。

2013年2月5日火曜日

新型ティアナが日本のセダンを変えるのか?

  ホンダ・インスパイアの日本撤退があったり、マツダ・アテンザのブレイクがあったりと、ミドルサイズのFFセダンを巡る環境はとても流動的だ。未だに根強いFFへの「偏見」もあるような気もするし、一方でFRよりも雪道を走行しやすいという決定的な長所もある。アメリカではミドルサイズ以上のセダンもFF車の方が圧倒的に売れる。3.7LのV6エンジン積んでいるFFなんて日本では、ハンドルがかったるくて売れないようだが、アメリカではよく売れるらしい。おそらくアメリカがとても広くて、山が少なくてカーブが少ないからでしょうか。

  今度FMCを迎えるティアナの歴代モデルは日産のセダンの中では最も革新的でした。フーガやスカイラインといったFRの高級モデルに対し、FFの高級車の販売は苦しいだろうという開発側の危機意識がよく表れていました。その結果、FRよりも広い車内空間を上手く使い、当時はレクサスにもなかった助手席のオットマン(飛行機のビジネスクラスのようなリクライニング)オプションが設定されたりしました。日産はこのティアナで、トヨタが上手くできなかったアメリカ向けセダン(カムリ・ウィンダム)の日本導入をあっさり成功させわけです。

  このクルマは頭の固いカーメディアからは不人気車の烙印を押されているが、ラグジュアリーという概念を日本のセダンに植え付け、クラウンやレクサスの装備を飛躍的に向上させた画期的な存在でした。実際このクルマのオーナーの満足度は非常に高いものがあります。サイズが大きくてもFFでもティアナが良かったと思って買ったお客さんのこのクルマへの愛情はとても深くなるのは当然なことです。日本に合ったサイズでFRで作られている現行スカイラインよりも販売が好調なくらいです。アテンザやカムリHVが大型化しFFのままで現在、日本でヒットしているのはこのティアナの存在があったからだと思います。

  さて今年発売されるティアナはHVが間に合うのか来年になるのかまだ不明らしいです。これも日産の戦略でライバルが多い現在の状況でHVを出すのではなく、レクサスISのカタログ燃費が出た後で、ゆっくり調整し直してから出した方が得策と考えているようです。先代のティアナユーザーからの乗り換え需要もまだまだ先なので、フーガのようにHVを後から追加して話題を集める作戦になりそうです。

  日産の新型デザイン(ティアナ・スカイライン)はマツダやトヨタのような「キャッチー」な方向へ転換するのではなく、完全に逆の方向を向いている。良く言えば上質、悪く言えば古臭いデザインになっています。この逆張り戦術がどうなるかは、販売が始まらないとなんとも言えないです。ただこのデザインが現在の北米の主流であり、その市場で影響力を強めているヒュンダイの上級セダンと共通点も多い気がします。さらに日産は韓国市場にもこのクラスのセダンを投入してるので、北米・中国・韓国での戦略に重点を置いているようです。逆にいうとトヨタの新型クラウンのデザイン変更はヒュンダイ車よりもさらに「アヴァンギャルド」に振れてしまっているということになりますね・・・。

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