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2025年10月22日水曜日

トヨタ・アクア (2025年9月・大規模MC)



 

幸せなBセグ・カーライフ

休みの日に奥多摩や秩父周辺をドライブしていると、パワースポットを求めてだろうか、「練馬」「世田谷」「品川」「横浜」の「わ」ナンバーを多数見かける。若者が2〜3人で連れ立って乗ってくる定番のレンタカーはノートe-POWERとアクアが2大勢力のようだ。三峯神社、日原鍾乳洞などの首都圏の山間部に位置する名所へのアクセス道路は、対向車を処理する技術が必要な隘路もあるので、都心から往復200km近い行程を考えると燃費の良いコンパクトカーは向いている。


20歳そこそこの頃は、いつでも体調万全でパワースポットの霊言を感じることはなかった。しかし慢性的な病気と体力低下に悩まされる年になってみると、趣味として興じるサイクリングで得られる全能感と、ウイスキーと美食による解脱感とともに、ドライブ&パワースポットは仕事に疲れてモチベーションが低下した時の癒しの時間としてはコスト的にも手軽を実感している。奥多摩や秩父は有料道路なしの下道で行けるのも良い。



セグメント消滅の危機!?

アクアの最軽量グレードが1120kg、同じくノートが1230kgで、高速道路での安全性を考えると1200kg以上の車重が好ましいのでノートに適性がありそうだが、e-POWERの高速燃費が非常に悪いのが玉に瑕だ。ヤリス、フィット、MAZDA2、スイフトも揃って1200kgを下回る車重なので、軽自動車ほどではないが、Bセグの高速巡航はオススメできない。


初代アクアは「プリウスC」として投入されていたが、近年はBセグ車は北米市場で販売されなくなっている。東南アジアや南米などもBセグのSUVが急速に進んでいて、道路事情が良い日本と欧州に向けた設計になっている。たとえトヨタであってもヤリス、アクアの次期モデル以降の継続には慎重にならざるを得ない。経済基盤のある国なので、価格と性能のバランスが取れたモデルなら、そこそこ安定した売り上げは見込める。



大ヒット車の後継はツラい

初代アクアの大ヒットは13年ほど前だったが、現行(2代目)になってから売り上げは伸び悩んでいる。2012年から5年連続で国内20万台超えを達成したが、現在は7〜8万台程度に落ち着いている。そんな中で2代目アクアは、先日のビッグマイナーチェンジで、214万円だったボトム価格が、一気に248万円まで上昇した。初代と比べて売れなかったため、予定していた利益率を調整してきたのかもしれない。


先代モデルはコンパクトカーのデザインとしては傑作の部類に入るもので、デビューからのスマッシュヒットも納得である。しかし2代目アクアでは、コンパクトカーの本場である欧州のデザインを意識し過ぎた感があり、往年のイタリア車、フランス車の大衆モデルにありがちな全体のバランスが整っていない感じが出てしまっていた。デザインの好みは人それぞれではあるが、個人的にはレンタカーで乗るには良いけど、所有するクルマとしては敬遠したい。



トヨタの修正力

2021年の発売当初のモード燃費30km / L級のHEVが214万円はトヨタらしい魅力的な価格設定だ。しかし50万円ほど安い非HEVのヤリス、スイフト、MAZDA2の20km / Lでも十分な燃費ではある。さらに自動車税が大幅に優遇されている軽自動車もあるので、地方のクルマ社会で生活する高齢ユーザーにとっては、2代目アクアは負担感があって選びにくいのだろう。この10年で初代とは販売環境が大きく変わっている。


市場の変化を察知してすぐに方針を切り替える柔軟性がトヨタの強みなのだろう。5代目プリウスに寄せたデザインに変わり、前面はまるで別のクルマになった。エンジン車時代のデザインからBEV時代のデザインにアップデートされたが、米国市場に再投入されるのかもしれない。日本市場では248万円(Xグレード)への価格上昇によって、227万円のカローラ(Xグレード・HEV)と価格が逆転している。



クルマ好きのためのアクア!?

ヤリスとカローラの「ベーシックカー・ラインナップ」に対して、アクアとプリウスは「スペシャルティカー・ラインナップ」となっていて、様々な顧客ニーズに応えたいのだろう。なるべく安く250万円以下に抑えたい人もいれば、周囲に「このサイズで400万円以上もしたよ〜」と言いたい人もいるわけだ。


SUV全盛の時代になって久しいが、ロードカーだけでこれだけの車種を揃えるトヨタの真似は、日産、ホンダ、MAZDA、スバルには到底無理だ。ヤリスとプリウスは国際標準モデルだが、アクアは現状では日本市場メインであり、カローラは日本市場専用ボデーを採用している。ロードカーで走る喜びを追求するユーザー向けに「GRスポーツ」グレードが設定され所有欲を満たせる。


不可逆的な進化

初代アクアが登場した頃、デミオ、スイフト、ヴィッツ、フィットは100万円そこそこの価格で売られていた。非HEV車であっても18km/Lくらいのモード燃費を叩き出していたBセグにHEVを搭載する意味はないのだけど、国内生産車の販売価格を200万円以上に押し上げたいメーカー側の理屈によって強行された。フィットHEV、ノートe-POWER、デミオXDがオーバースペックのBセグ車として後に続いた。


追従できない三菱自動車はコルトを諦め、逆輸入のミラージュを導入したがほとんど売れなかった。スズキ・スイフトも大きく販売を落とし、スイフトスポーツが主体となるモデルに変わってしまった。付加価値を付けたBセグ車が、引退世代(団塊世代)のニーズにうまくマッチした。これを先導したトヨタのマーケティングはやはり日本でトップなのだろう。



トヨタ VS 日産 勝負の現場

Bセグ車のレベルが上がってしまった現状から、再び2010年の100万円そこそこの「必要十分」なBセグへの回帰も可能だが、トヨタ・ヤリス(2021年欧州COTY受賞)が抑えてしまっている。トルコのルノー工場で生産される三菱コルト(1.6L、1.0Lターボ&6AT、6MTなど)が日本に導入されても良さそうだけど、あくまでMT好きの意見に過ぎない。


世界のどこよりもハイスペックな日本のBセグ市場は、MCされた2代目アクアから、更なるスペシャルティカー路線を進むのかもしれない。ディーゼルを放棄したMAZDA2は、BEV化して出直すことになりそうだ。日産ノートオーラ、アクア、GRヤリス (ATが追加された) によるハイエンドBセグ競争は、次の10年でどんな局面を迎えていくのだろう。この3台をみる限りBセグ車の魅力が上がっていることは間違いない。



後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2025年10月22日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する自動車メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。



資本主義が人類最高の発明である:グローバル化と自由市場が私たちを救う理由









2016年6月13日月曜日

スズキの逆襲!!!スイフトスポーツの次期モデルにちょっと注目!!!

  もう何度となく書いてますけども、ぜんぜん飽きません!!! やっぱりこのクルマはいい!!! アクセルを踏んでステアリングをきって、もうそれだけで幸せ〜!!!と感じられるクルマの「最右翼」としてこれまでスイフトスポーツをずっと挙げてきました。あまりお金を使わないで運転が愉しいクルマが欲しい人には絶対的にオススメです!!!ちなみに現行のスイスポは、ボデーやシャシーの基本構造はノーマルのスイフトと同じでして、エンジンをスイフトの「1.2L自然吸気」から専用の「1.6L自然吸気」に変えただけ・・・ってエンジン変えたら別のクルマじゃん。

  え!?日本のコンパクトカーってこんなに気持ちよく走るのか〜!?これまでの評論家の話によると日本のコンパクトカーは全くコストかかってないから、輸入車とは全く別もので燃費しか誇るものがない!!!だなんて散々にバカにされてましたけど、このクルマからは全く感じないですけど!? 「何の補強もしてませーん!!!」でもコレは明らかに同クラスの輸入車の全てに勝てるくらいの乗り味になってますよ!!!ドイツの雑誌cでも現行のBセグで最良だとも言ってるし!!!(ドイツ誌はVWに手厳しいけど)。

  スズキの戦略だとは思いますが、エンジンだけを変えたすばらしいスペシャルグレードを作ることで、ベース車自体の魅力も見事に高めています。トヨタがアクアG'sでシャシーを徹底的にブラッシュアップしました!!!とCMで散々に植え付けるのとは全く別ですね。アクアG'sは「価格の意味を説明するため」にやっている・・・。こういうCMを流すってことはそれほどコストかかってないな・・・きっと。スズキの手法の方がずっと好感持てます。販売つなげるためには、あえて「エンジン以外は何も変えてない!」を強調するのがいいのかもしれないですね。

アクアG'sのCMです!!!おねーちゃんがかわいいです!!

  同じ日本車でもM社のクルマでも同じような芸当ができるのでしょうか?T社は・・・N社は・・・さてさて。スズキにはぜひこのお家芸を次のモデルでも継承してほしいのですが、先行報道によると次期スイスポには新たに1.4Lターボが用意されるんだとか・・・。それが本当ならば・・・あれ!?スズキに1.4Lとかあったっけ?ジムニーシエラは1.3Lだし。スズキのグローバル展開を調べると・・・ありました!「1373cc」の自然吸気がインド向けB/Cセグに使われてます。インドで使うNAエンジンにターボ載せて日本で売る!ってどっかのブランドの得意技じゃねーか(笑) 報道によるとスズキとモメているあのブランドです。

  インドスペックのベースエンジンだからといって、低品質か!?というわけでもないですけど、わざわざ300万円近く出してまでこれを使っているゴ◯フを選びたいとは思わないですね〜・・・(GTIにしておこう!!!)。スズキはこのブランドを徹底的に恨んでいるようで、1.4Lターボを積んだ新型スイスポを100万円台で売るんでしょうね・・・乗り比べたら!?あれ!!!スズキの方がいいぞ!!!ってなりますって!!!ハンドリングとペダルフィールで圧勝!!!

  いままでは1.6L自然吸気に軽いボデーだからスイスポが良くて当たり前!!!って雰囲気がありましたけども、今度は同じターボ同士ですからもう言い訳できないですよ。トヨタが売り出すまでは評論家のバカどもが散々に「欧州のターボは進んでいる!!!日本は完全に取り残された!!!」とかヒステリックに叫んでましたけども、今では誰も「欧州のターボがどーだ!!!」とか言う輩は居なくなりましたね〜・・・なんなんだこの節操の欠片もない変わり身の早さは!!!

  可哀相なのはそんな情報を鵜呑みにしてしまった情報◯者の人々で、しばしば私のブログにもやや気が触れたようなコメントがやってきます。「メルセデスやアウディの直4ターボはスゴいですよ!!!」・・・それ三菱のライセンスなんだけどな〜ってやんわり教えてあげますけどね。あんまりハエ(評論家)がウルサイのでトヨタが怒ってわざわざ「自家製」しました。やっぱりトヨタが本気で作れば「耐久性」「レスポンス」「出力」などなどぜんぶ上回ってきますね・・・評論家どもを一気に黙らせる!!! そしてなんで日産はスカイライン用の直4ターボを提携先のメルセデスから仕入れたのに、なぜトヨタはパートナーのBMWから調達しなかったのか? 

  これはどうやら日産に対する「当てつけ」もあるようですね。メルセデスもBMWも三菱直系の「直噴ターボ」なのに対してトヨタの直4は「直噴・ポート噴射併用」で環境への配慮を行っています。技術の日産とか言うくせには環境にまで頭が回ってないですよ〜!!!(笑) トヨタ&レクサスの高級車には直噴ターボなんて絶対にNGです!!!直噴ターボなんてマトモな大人が選ぶエンジンじゃないですよ!!!大丈夫〜!!!(オーリスは直噴ターボだけど)・・・クラウン&レクサスISの直4ターボは路上で遭遇した3er、5er、Cクラス、Eクラス、スカイラインに対して「オラオラ、汚い排ガスのクルマが前走ってんじゃねーぞ!!!道を開けろ!!!」と威圧してもOK〜!!!

  スズキにもぜひこのトヨタ方式を採用して、クソ汚い排ガスの欧州小型車を片っ端から駆逐してほしいですね。憎たらしいボロクソ・バーゲンをボコボコにするためにも、環境にはぜひともこだわってほしいところですが・・・。ちなみにバレーノに使われる予定のターボは残念ながら「直噴ターボ」なのですが、スズキには1.2L自然吸気にポート噴射を2wayで行う高効率エンジンがありますから、その気になれば(ボロクソをボコボコにするためだったら)やれないこともないとは思いますが・・・さてさて。




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2016年6月6日月曜日

ルノー・トゥインゴはまもなく日本上陸

  フランスの「半官半民」メーカーとして知られるルノー。もちろん日産の親会社としてもよく知られています。日本では「日産の寄生虫」とか、クルマを良く知らない連中からは悪口を言われてますが、メガーヌエステートGTやカングーなど「良質」な実用車には日本にもファンが多いです。欧州でもいろいろと日産と権利上の問題を起こしているようで、最近でも新たにルノーと日産の間で「取り決め」があったとか言われています。ルノーの経営上の介入があまりにも多過ぎることによるものだそうですが、日産にとってもこの10年で最もブレイクした市場は紛れも無く仏・英の両市場なので、ルノーの威光というのも大きいと思います。

  欧州でハッチバックを売ろうと思った日産に対してルノーが「邪魔すんな!」と反発&妨害したことがありました。そこで日産は潔くハッチバックを諦めてコンパクトSUVにシフトして、「ジューク」を発売したところ、これがフランスで見事に大ヒット!!!「人間万事・塞翁が馬」です。ルノーもすかさず同じプラットフォームで「キャプチャー」を作ってます(日産も先日の取り決めのあと欧州でパルサーの復活を宣言!)。欧州におけるコンパクトSUVブームは、フランス勢(ルノー・PSA)がVWグループ(VW、シュコダ、セアト)のシェアを取り返す起爆材になりました。2013年頃といえば、日本ではゴルフ7で連日VWの好調が伝えられてましたけど、フランスやロシアといった市場ではVWは昨年比80%という歴史的惨敗だったです。クロスポロには残念ながらまともなAWDが付かない・・・。

  日産が三菱を傘下に収めたことから、ルノー日産グループはいよいよVWもトヨタも追い抜かしての「世界ナンバー1」が視野に入っているみたいですね。トヨタもまだまだスバルを抱え込めばもう150万台は上乗せできるでしょうし、提携拡大中のBMW、マツダを含めた広域連合を一気に傘下に収めれば、一気に1500万台規模に到達するでしょうけど。スズキを飲み込むことに失敗したVWは、今後の成長力にはやや疑問です。それに対して1000万台突破が既に見込めるルノー日産には、さらに提携中のダイムラー(メルセデス)との合体という裏技もありそうです。

  日産とメルセデスの提携によりインフィニティ車はこれから順次ダイムラーの設計になっていくようです。そしてルノーとスマート(ダイムラー)の共同開発によって誕生したのが、ルノー・トゥインゴ/スマートフォーツーです。スマートは先代までは三菱との提携で設計されていましたが、メルセデスと三菱が犬猿の仲になり、新たにルノーをパートナーとして開発されました。ルノー・日産グループを仲介して再び「呉越同舟」となったメルセデスと三菱の間には何らかの提携はあるのでしょうか? そういえば昔は「デボネアAMG」とかあったな・・・。メルセデスが力を入れるSUVのプアーなAWDの代わりに三菱AWDを充当するなど、シナジー効果はいろいろとありそうですけどね・・・。話題作りならば、「ランエボAMG」VS「WRX・アルピナ」という出来ゲーム的な企画をカルロス=ゴーン氏とモリゾー氏がトップダウンで指示してくれれば盛り上がるんじゃないでしょうか?(GT-Rvsスープラも結構ですが)

  これからの時代は「コラボ」です!!!コラボしてファンを出し合って、しかもリスクは半分で、そして何よりも「お!?良さそう!」とクルマ好きの関心を呼び込めるような目新しい設計をガンガン盛り込むことが大事です。三菱がランエボ作り続けても、STIがWRXに魂を入れ続けても、やはりジリ貧です・・・。ビルシュタインだのブレンボだのサプライヤーとのコラボは作る側には都合がいいかもしれないですけど、街角チューナーから仕事を奪い、草の根レベルのクルマ文化を破壊しているとの批判もありますし、ライトユーザーを取り込もうとする浅はかさが滲みでてますよ!!!

  危機感持っているメーカーはもうとっくに「コラボ」やってます。トンガったクルマを作るときの経営リスクは限りなく高くなりますし、あのポルシェだってVWの支援なくては存続が難しいと言われています(利益率ナンバー1ですけど)。具体的な例としては、「トヨタ86/スバルBRZ」「マツダロードスター/フィアット124スパイダー」そして「スマート/ルノー・トゥインゴ」でしょうか。比較的に誰にでも手が届く範囲で「個性的」な設計のクルマを作るなら、もうこの方法しかないのかもしれません。ユーザーにカスタマイズの楽しみを残しつつ個性的な設計のクルマを売る!!!そしてペイさせる!!!とっても優れた手法だと思います。どうしても単独で作るとなると「ホンダNSX」や「フォードGT」など富裕層向けのクルマになってしまうみたいです。

  もっともっといろいろな「コラボ」があれば、クルマの可能性が広がっていくと思うので、このルノー・トゥインゴにはぜひぜひ日本でも結果を残して頂きたいものです!!!確かにライバルとなる日本車コンパクトはいろいろな意味で手強いですけども、それゆえにRRという変わった設計で乗り込んでくることで、ユーザーの目先を大きく変えることもできるでしょう。先行するスマートが209万円〜なので、ルノートゥインゴはおそらく180万円くらいに収まるのではないかと思いますが・・・。福野礼一郎氏の連載「比較三原則」ではスマートがVWup!を圧倒してましたね。ただし福野氏云く、スマートもup!もそれぞれ素晴らしく「現代小型車の両雄」だとも。

  そんな定評のあるスマートの設計に、ヴァン・デン・アッカー氏監修のコンテンポラリーなポップアート的デザインをまとうトゥインゴですから・・・ひょっとしたら、パッソもフィットもイグニスもデミオもみんなまとめて捲るくらいに人気に火が付く可能性もあります!!!少なくとも国産車と十分に競争できるクルマにはなると思います。唯一の不安材料はルノーのディーラー網が・・・もう日産ディーラーで売ってしまえ!!!

ルノー・トゥインゴの動画(NISMOみたいなカラーリングも登場!)

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2016年4月26日火曜日

トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーン 「某英国車/独国車に似てる?」

  デザインが!というより、メインカラーをグリーン(ダークエメラルドマイカ)にしたことからちょっとした物議を醸しました・・・さすがトヨタの炎上商法。そして予想を越える「パクリ!パクリ!」の大合唱が本格的な批判へと変わる直前という絶妙なタイミングで、そんな声を打ち消すかのように某自動車メーカーのスキャンダルが明らかになりました(変な陰謀論をでっち上げるな!)。

  トヨタ・パッソはダイハツが中心になって開発したクルマですが、ダイハツは元々欧州市場でも存在感を放っているメーカーですから、その設計もグローバルAセグメント車としてしっかりとトレンドを押えつつ、日本のユーザー向けにも十分に訴求できるパッケージになっていると思います。いわゆる世界でも最も畏敬の念をもたれている「日本式コンパクト」の王道ですね。もちろんステータスもバッチリで、そもままバッジを付け変えればフィアットブランドでもVWブランドでも十分に通用するくらいに隙がないとても良いデザインです。

  さすがはトヨタの拡販車種というべきか、グレード分けが細かくて多過ぎてどれが一番安くてどれが一番高いのかがちょっとよくわからないです。基本的にはX→X"S"→X"Lパケ"→X"Lパケ・S"→X"Gパケ"と5段階もあって、それぞれに2WDと4WDがあって、さらにデザイン違いの「モーダ」「モーダ・S」「モーダ・Gパケ」があって・・・。モーダに関してはルーフの塗り分けを含めるとカラーバリエーションが18種類もある!!!100万円そこそこの価格設定なのですが、これだけ選べるならばほぼオーダーメイドの感覚です。

  トヨタのHPをじっくり見てみると、採用されている新技術があれこれと片っ端から書いてあります。ちょっとビックリですが、フロントのフェンダー周りのパネルとテールゲートはなんと!!!樹脂製なんだそうです。ダイハツと言えば、外板パネルを交換出来るという新機軸を投入したコペンが思い浮かびますが、トヨタ傘下の小型車メーカーとして軽量化ならどこにも負けない技術があるのだと思います。プリウスの為に湯水のように資金を注入して築き上げた軽量化技術(HVなのにガソリン車より軽いって!?)をこのパッソでも使って、さらにBMWにも売る・・・さすがはトヨタ!!!商売上手です。

  小型車の内装デザインも、各社がここ数年でさんざんに競ってきたので、センス抜群ですね・・・。これだけの量販モデルだと、中古車も相当な数があるわけですが、なんといっても故障しませんから、中古車の引きも多くて価格は割と高め。そしてセンスに敏感な女性ならば、内装がちょっと古臭い80万円の中古車よりも、改良に改良を重ねた最新型の方がいい!だって120万円くらいですから!!!新車で600万円する高級車は、新陳代謝が遅くて中古で200万円で買った方が断然にお得感がありますけど、小型車市場は新車がどんどん売れる仕組みが出来てます。

  個人的にこのクルマは好きですね。「コンパクトに徹しろ!」という姿勢が上手く現れていると思います。最近のAセグBセグは少々オーバースペック気味なモデルばかりがもて囃される風潮があって、それがあまり好きじゃないです。例えばマツダのデミオ・・・。明らかに車体から「高速道路はご遠慮ください!」といった感じですが、そこにディーゼルを載せて高速燃費を主張してますが、ちょっとどうか?と思いますね。高速道路が怖いといっている層のほとんどが小型車ユーザーですからね・・・。

  私も免許取りたての頃に乗っていたトーションビームの5ナンバー車は、雨天の高速道路ではもの凄く怖かったです。新潟ー富山の県境にある親不知付近の北陸自動車道で集中豪雨に遭遇しまして、50km/h規制がかかっているのに、大型トラックが90km/hでバンバン行き交うわけですよ。とりあえず後ろから突っ込まれたら一貫の終わりですから、ハザードを付けながら次のICまで必死で走りましたよ。「後ろからつっこまれたら終わり」ってのは、後ろからピストルと突きつけられながら運転しているみたいなものです。この旅行以降は一度もコンパクトハッチバックで高速道路を走ったことはないですね。

  だから・・・スイフトに1.6Lエンジン載せて高速でも走りやすくしたり、ポロに1.8Lエンジン載せたりするのは、サーキットで使うでも無い限りは完全にオーバースペックだと思うのです(存在を否定はしませんけど)。コンパクトカーの本来の機能の範疇(買い物&送迎)ならば、1L&CVTがおそらくベストで、HVも不要では?という気もします。

  ・・・しかしそんな機能性抜群の日本のコンパクトカーが「日本車の顔」になっていて、輸入車好きの批判の矢面に立たされたりしてます。BMWやアウディといいたドイツのアウトバーン・ツアラーの相手にするならさ、コンパクトカーじゃなくて、スカイライン、アテンザ、レクサスIS、マークX、オデッセイ、プレマシー辺りと比較してくれねーかな? クルマ雑誌の記事とか読みながらいつもそう思いますね。メーカーもユーザーも非常に「まとも」なんですけどね。一部のライターとクルマ好きが自分達の都合がいいように全てを曲解してしまって話をややこしくしていることに気がついてくれ〜・・・!!!



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2015年11月18日水曜日

フォード・フォーカス 「躾けのいいクルマとは?」

  298万円に設定された「メルセデスA180」と「BMW118i」という2つのモデルが、名門ブランドのすそ野を広げるために日本に投入されてからしばらく経ちます。やはりどちらもオプションを最小限にしか付けない「プレーン仕様」での注文がかなり多いようで、やっぱり日本人はブランド好きなんですね。 さてBMWがこのクラスの常識を破るかのように、新たに直3ターボを搭載してきたので、今後は何だか怪しげな輸入車Cセグが増加するのでは?と危惧していますが、どうやらこの「118i」は予想外の評価を獲得しているようです。・・・某有名評論家の連載では、まさかの「全BMWの存在をあざ笑うかのような傑作」と評されてました。それにしても3気筒ゆえのバイアスってのがあるのかな?

  昨今のCセグはボデーの大型化、あるいはワゴンボデーの導入などで「ツアラー化」が急速に進んでいて、ひと昔前の手軽な「スモールカー」のイメージから、よりコンフォートで長距離にも耐えられる「ミドルサイズカー」へと立ち位置が変わりつつあるようです。ホイールベースが2700mmに達したCセグは、もはや1クラス上のC/Dセグと呼んで区別すべきではないかという気がします。いずれも2700mmとなったメルセデスAクラス、マツダアクセラ、日産シルフィの3台は、他のモデルよりもいくぶん居住性がいいです。ホイールベースの拡大によって、クルマの安定感や静音性にも一定の効果が期待できます。ちなみにゴルフ/アウディA3やジュリエッタなどは2635mmとなっています。

  ゴルフ、メガーヌ、プジョー308などワゴンボデーも定番グレードになっている欧州Cセグは、ハッチバックが2620~2650mmくらいで、ワゴンが2700mmといったところでシャシーをつくり分けて用途に合わせて適性化しています。逆転の発想で、ワゴンサイズのゆとりのあるシャシーに、デザイン重視のハッチバックボデーを被せたのがAクラスとアクセラで、高級なセダンボデーを取り付けたのがシルフィとCLAです。マツダとメルセデスの近年の成功のポイントはコレではないか?と思います。そしてちょっと異色なのがスバルで、ハッチバックのインプレッサとセダンのG4は2645mmを使い、ワゴンボデーとなったレヴォーグとセダンのWRX S4は2650mmとなっていて、作り分けているのにほとんど変化なしです。スバルは何を意図したのでしょうか?

  一般的にCセグをナメている自動車評論家ほど、Cセグ車の評論という仕事に際して、やっつけ気味に「輸入車>国産車」の図式を持ち込んできます。インプレッサやアクセラに乗ってなかなか満足な走りだったのに、輸入車の方がまだまだずっと走りがいいと言われると、それはまじですか!?と興味本位で2013〜2014年にかけてはあちこち乗りにいきましたよ・・・。まずはカーメディアがちょっと怪しいくらいに大絶賛していた「VWゴルフ」です。いざ乗ってみると・・・いや〜カーメディアは全然嘘なんてついてなかった!このクルマはやっぱりとってもいいですね!とりあえず気に入りましたよ!それで一体いくらなんですか?とおもむろに訊くと、なんと貰った見積もりが乗り出しで460万円だってさ・・・え?なんでこんなに高いの〜?(「GTI」という特別なモデルらしいです・・・内装は安っぽかったけど)

  続いては販売が絶好調の「メルセデスAクラス」。乗り込んですぐに感じるのが、内装がとってもいいですね!さすがはベンツ!これだったら長時間乗ってても包まれ感があって心地良いですよ!きっと。しかし走り出すとアレレ・・・というくらいにアクセルフィールが悪い。ハンドリングもややチグハグ。まだまだ出来たばかりの新型Aクラスだからサジ加減がわからないのかな?そのうちに改良されるのを待つとしても、エンジンもなんら印象には残らない・・・これが黒子に徹するメルセデスエンジンか?まあどこ走っても過不足ない加速感があってスペックはちょうどいいかも。さてこのクルマのお値段は?と訊くと、特別に値引きを入れてちょうど500万円でいいですよ!だってさ・・・え?本体価格200万円台って聞いたんですけどどういう事ですか!説明してください!・・・どうやらこのクルマも「A250シュボルト」という特別なモデルらしいです。

  さてついでにBMWも行ってみました・・・。やはりCセグの1シリーズに乗ってみます。いやあ!これはさすがに私にだってわかりますよ!4気筒のフィールじゃないです!これはいいエンジン積んだ上級モデルでしょ!600万円くらいするやつじゃないんですか? と知ったかぶりをかましたところ・・・なんと!確かに6気筒のモデル(M135iというらしい)ですけど、お客様には特別に400万円でいいですよ!というスペシャルオファーに思わずぶったまげました。ええ〜!これはどういうカラクリなの〜?この価格は試乗車落ちの新古車のものなの?いえいえディーラー在庫ですけどれっきとした新車ですよ!だってさ・・・。みなさんこんなえげつない値引きを仕掛けてくるBMWディーラーを信じられますか?オイシイ話には絶対に裏がありますよ!!!あまりに怖くなって急いで帰ってきました(買わされそうな勢いなので)。あまりにビックリしたので乗り味をあんまり覚えてないな。鼻先が重いってこともなかったような・・・。

  他にもボルボやアルファロメオなど試したのですが、総じて言えることはCセグ車は完成度が高いのは当たり前で、あとはクルマが持つ固有のクセがどれだけ印象に引っ掛かるかの勝負なんじゃないの?ってことです。クルマ雑誌はやたらと優劣を付けたがりますが、ハッキリ言ってそんなのは不毛で、あくまで優劣は個人の趣味のレベルだと思います。人によってはAクラスが最低!というでしょうし、また別の人はジュリエッタが最低!だと言い放つでしょう。でもAクラスの内装はかなり良かったですよ。居心地良かったな〜。それにジュリエッタもいいじゃないですか!正真正銘のイタリア製というだけで満足ですね。南アフリカ製(BMW)とかタイ製(フォード)とかポーランド製(メルセデス)とかメキシコ製(VW)とかこのクラスには勢揃いしてますけど、やっぱりイタリア製か日本製がいいなあ〜。

  さてタイで製造されているフォード・フォーカスが本稿の主題だったんですけど、3代目フォーカスの後期モデルがいつの間にやら日本でも販売されはじめました。Cセグは「どれだけ心に刺さるか?」で選ぼう!なんて調子のいいこと言ってしまいましたが、全ブランドに横断的に技術の新陳代謝が遅めなようで、言うなればドングリの背比べで「ぬるま湯」なのかも?といった冷めた見方もしてしまいます。冒頭の某有名評論家の「118i傑作」発言のウラにも、このクラスを震撼させるようなビッグバンが欲しいという気持ちの表れなんじゃないですかね。

  いよいよ日本市場にもあらゆるスペックのフォードの「エコブースト」エンジンが導入されてきました。「フィエスタ」、「クーガ」、「マスタング」ときていよいよ主力のフォーカスです。4車ともに日本価格がボッタクリ気味なのが気になりますが、経営危機から脱してフォードが新たに作り上げた「新しいパラダイム」の製品群はやはり興味がそそられます。何といっても現在のフォードのSEOは、あのマーク=フィールズです!誰だよ!という人の為に説明すると、マツダが初代アテンザとか初代アクセラとかRX8とか作っていたころに社長やっていて、日本ではFD3Sを常に愛用していたというアメリカ版のモリゾー社長(トヨタ)みたいな人です。新型マスタングの超絶デザインを見て、やっぱりマーク=フィールズだな・・・とため息出ましたよ!

  マーク=フィールズがトップになってからフェイスリフトが行われた3代目フォーカスの後期モデルですが、これもシャープでカッコいいですね。初代アクセラの繊細なデザインを思い出します(まだその辺を結構走ってますけど)。「モリゾー社長vsマークCEO」というカーガイなトップ対決でトヨタ&レクサスとタイマンが張れるくらいにフォードのラインナップはこれからもっと期待できそうです。すでに発売されているものでは、「クーガvsハリアー」「マスタングvs86」「フュージョンvsクラウンアスリートT」・・・なかなかいい勝負してますよね。「フォードGTvsレクサスRC-F」というGT3車対決もまもなく実現しそうです。フュージョンとフォードGTも日本導入を!

  世界的なビッグネームなのに、日本ではいまいち馴染みが薄いフォード車なので、あれこれ書いてみましたが、本題は「フォーカスvsオーリスT」ですね。価格はどちらも本体がやく300万円。エンジンのポテンシャルで上回るのがフォーカスで、内装などトヨタ得意のコモディティで勝負しているのがオーリスTなので、対立軸が完全にズレてしまってますね・・・。フォーカスのシャシーはマツダが設計したもので、ハンドリングもマツダと共同開発しています。先代アクセラの設計を大筋で使いつつも、フォードのエコブーストと欧州フォード車らしいDCT装備です(訂正!トルコンATに変更だそうです)。

  これだけでも300万円くらいの価値は出てきそうですが、さらに欲しくなる話を付け加えると、先日発売された「営業バンが高速道路をぶっとばせる理由」という本で、國政久郎という足回りの専門家が、ノーマルで非常によく躾けられているクルマとして、「ジープチェロキー」と「フォーカス」を挙げてました。日本車やドイツ車を差し置いて、アメリカ車こそが基本がしっかり出来たクルマだ!といわれても俄には信じ難いのですが、この人はNBロードスターの足回りを徹底的に改善して乗っているようなので、マツダっぽい躾けがお気に入りなのかもしれません。まあ参考までに。

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2015年11月2日月曜日

BMW118i 「このクルマをどうする?BMWの分岐点?」

  BMWのフラッグシップモデル「7シリーズ」が新たにフルモデルチェンジしました。何が変わったの?というツッコミはさておき、もはやこのクルマは映画のヒーローが乗り回すようなワイルドな7シリーズからは遠く離れてしまった感があります。かつての7シリーズのようなBMWを象徴するドライバーズカーの地位は、今では「i8」が担っているようです(映画で使うならこのクルマだろうな・・・)。街中で見ていても週末に颯爽と走らせる非日常なラグジュアリーの「プライベートGTカー」として、「ベントレー・コンチネンタルGT」や「マセラティ・グランツーリズモ」のような使い方ができるBMWのモデルは「i8」か「6シリーズ」でしょうか・・・(6シリーズはメタボだ)。

  しかし街中でi8や6シリーズを見かけても何だかアツくなるものがない・・・そもそもBMWにこの種のクルマは望んでいない!!!という想いが沸々と渦巻いてないですか? 2000万円をクルマに使うことができるなら他のブランドから選びますから!というと失礼かもしれないですが、BMWには全ての自動車メーカーの範として、操安性などの技術の高さが光る身近なブランドであってほしいです。「身近」というのは、同クラスの日本車(レクサス以外)+100万円程度の価格に抑えてあるくらいでしょうか。その水準に収まった価格で登場した3シリーズのディーゼルは人気になりましたが、今回は1シリーズからもなかなか期待できそうなグレードが登場してきたようです。

  1シリーズ、3シリーズ、5シリーズ、7シリーズと大まかに分けて4種類に分けられているBMWのラインナップですが、日本での使い道で「長距離用」と「短距離用」に大別すると、困ったことにそれぞれにすんなりとハマるクルマがあまり見当たらないです。まず長距離用に関しては直4のディーゼルユニットが用意されているわけですが、これを5シリーズに使うにはやや非力で振動面でも物足りないですし、3シリーズに使うとしたら今度はエンジンではなくボディサイズ(4635mm)がツアラーとして物足りません。5ナンバーサイズの全長(4.7m以下)だと、居住性という点でどうも長距離用としての適性は低いです。3シリーズをベースにホイールベースを伸ばした「GT」というグレードがあって、このモデルだけが現行のBMWでは長距離車として適格だと思われます。

  一方で短距離を楽しむモデルとなると「Z4」あるいは「M235i」「M135i」なんですが、どれも価格が・・・快適装備が必要な長距離車よりも高く設定されています!これでは残念ながらお買い得感は皆無です(単なる趣味のクルマ!)。もっとシンプル(長距離車ほど装備はいらない!)でかつドライビングが楽しめるクルマが欲しいですね。そこでFRシャシーの1シリーズです。このクルマはボデーから用途を考えると、お買い物やお迎え用といった短距離のニーズしか想像できませんから、やはり余計なものを削ぎ落して(ナビも要らない!)シンプルに運転が楽しめるクルマにした方がいいです。とりあえず8速ATなんて重装備が不要!6ATあるいは6MTの方がエンジンとボデーの良さを感じるにはベターです。

  日本に入ってきているモデルはトヨタ車のようにバネレートを下げてフニャフニャな足で乗り心地を柔らかくしていますが、期待したいのはBMW本来の固めのアシでフットワークの良さとハンドリングの良さを感じられるモデルであってほしいです。1シリーズのメインユーザーには女性や老人が想定されているのでしょうか?・・・というステレオタイプで短絡的なマーケティングではダメですよ! 実際に街中で見ていると女性や老人の方が固いアシのクルマを平気で乗りこなしているケースが目立ちます。つまりフニャフニャのアシのコンパクトカーを好むのは、クルマの運転に興味がないオッサンだったりします(オッサンの女性&老人化!これがBMWマーケティングの肝か?)。

  オッサンなのにジュリエッタ(ゴルフ、アクセラ、インプレッサ、オーリス、V40、Aクラス、C4、DS4、308)!みたいなヤツが増えててキモい!!!!!!!!なんて個人的な嫌悪感はちょっと封印しておきましょう。Cセグ車全体に言えることですが、各ブランドがちょっとでも利益率を上げて売りたい!という下心見え見えの進化をした結果、非常にクルマの価値がわかりづらくなっています。メディアは激戦区だと煽っていますが、蓋を開けてみると・・・ゴルフとアクセラの低調な争いが続いています(ゴルフは輸入車にしては売れてますけど)。価格の割に所有してもあまりうれしくないクルマ達。とりあえず高級車の目立つけど低コストな装備を盛り込んでおこう!という姿勢がダメだなあ・・・。

  「もっと素のモデルがあってもいいのでは?」とはいろいろな人が言ってますが、さらに所有欲を減退させるかのようなガリガリでヘルシーなダウンサイジングばかりが先行していては、「美味しい」乗り味なんて期待できません。他の装備カットしてでも、インプレッサのボデーにレヴォーグのユニットのターボユニットを載せてしまおう!みたいな「色気」があのスバルですら出てこない(やっと過給HVが出ましたけど)。そんな痒い所にまったく手が届かなくなった日本のCセグ市場に一石を投じたのが・・・フォードの新型フォーカスでしょうか。1.5L直4エコブースト(180ps)というフォード自慢のユニットがいよいよ日本でも発売されますが、これぞインプレッサのボデーにレヴォーグのエンジン!(=ボルボV40)

  このフォードのエコブースト・エンジンがFRシャシーの1シリーズに載ったらさぞかし楽しいだろうな・・・。ホンダも新型シビック(typeRではないモデル)に、これと同等の1.5Lターボを用意しているようで、BMWも対抗するためには同じようなスペックの1.5Lエンジンが必要になるとは思いますが、フォードとホンダに比べたらBMWなんて「中小企業」ですから体力勝負ではちょっと分が悪いようです。それでもフォーカスよりも安く買える「118i」に積まれている1.5L直3ターボ(136ps)も、これはこれで素朴でいいと思います。欲を言えば1シリーズのボディとシャシーを軽量化して、1300kgくらいに収めてくれればさらにいいのですが・・・(ミニ・クーパーに乗ってろ!とか言われそう)。

  単純に「速さ」を追求するならば、さらに小さいサイズ(Bセグ)のフィットRSやスイフトスポーツがあるわけですが、1シリーズのようなCセグならば、5ナンバーよりも一回り広いトレッドが使えるので、後輪に配備されたマルチリンクから粘りと安心感のあるハンドリングによって、高速域での走りの安心感が大きく変わってきます。高速をオラオラで走ったときに、怖いのがBセグで怖くないのがCセグ?なので、気ままに自動車専用道路走ったりするならやっぱりCセグがいいですね。もっともマルチリンクのリアでは走りがつまらない!というラディカルな意見もありますけど。

  BMWにそのつもりがあるかどうかわかりませんが、まだまだ1シリーズは改良の余地が多い、いやまだ何も始まっていない「原石」のようなモデルに思います。このまま安易にミニを共通化(FF化)を図っていくのか?それともBMWブランドの命運を握るモデルとして独自路線を保つのか? 「カローラ」が例としてふさわしいのかわかりませんが、1シリーズもカローラのように経済的負担をあまり感じずに、「ブランド」といった曖昧で「剥げやすい」付加価値(Cセグでは意味ない)ではなく、扱いやすさという「道具感」の良さで勝負してほしいです!!!とりあえず今回は円安局面にも関わらず再び200万円台に突入したということで、そんな「望ましいBMW」が今後展開されそうな予感もあります。

  「カローラなんて安物!」・・・そう思っているのは日本人だけですね。確かにクラウンやフーガといった高級車と比べれば「安物」かもしれないですけど、Cセグ同士で冷静に比べたら・・・シャシー・足回り・インテリア装備の使いやすさ!どれをとってもやはり超一流です。アクセラ、インプレッサ、ゴルフといったこのクラスの猛者と比べても、全然負けてない!(好みの問題はあるでしょうけど)。

  先代までのカローラの中古車だったり、北米カローラのシャシーにプリウスのユニット載せたレクサスCT200hに乗ればその実力はよくわかります。現行のカローラはBセグ化してしまいましたけど、それでもゴルフと比べて「負けている!」という印象はありません。あらゆる路面で乗り心地を下げずに走るという意味ではカローラは今でもゴルフを上回っています(もちろんアクセラもインプレッサも)。

  1シリーズもクラス内での評価はかなり微妙です。ゴルフやアクセラのユーザーから1シリーズがちょっと馬鹿にされるのは、Cセグのスタンダードである「カローラ」的なお約束が守られていない部分が大きく、やはり完成度の低さがあれこれ目立ってしまうからです。しかしトヨタとBMWが今後一緒になってCセグ車を開発すれば、クラスの頂点を狙える1シリーズなど・・・いろいろ期待できそうですね。

  軽量化という大きなメリットがありますから、1シリーズもいっそのことFF化してしまえばいいと思います。ちなみに現行カローラは1.5Lモデルに5MT車があって、これがマツダもスズキもびっくりなほどに、軽量化もしっかりできています(ヴィッツのMTモデルと車重差はほとんどない!)。ここに1シリーズにとっての大切なヒントがあるような気がしてなりません。まずは軽量化とMTの日本導入から頑張ってほしいですね。


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2015年9月25日金曜日

ルノー・メガーヌ・ゼン 「価格高騰の日本市場に商機あり!!!」

  ルノーは日本の自動車産業の宝だった日産をまんまと抱え込んだフランスの半官半民メーカーです。そんなわけだから、ある程度は日本の自動車供給についても責任を持ってもらいたいものですね・・・なんて場末の酒場で交わされる自動車好きの談笑は、フランス本国まで届いているのでしょうか。日本における日産のラインナップは見るからに貧弱で、日産系列のショールームはどこか枯れ果てそうな雰囲気すら感じます。ネッツもマツダも連日の盛況、スバルもホンダカーズも新型モデルがずらりと並び、納車待ちの新車が次々と降ろされてきます。しかし近所の日産には・・・店舗正面の一番良いところに売れ残った?ノートNISMOがずっと置かれています。今日見たら決算で25万円引!と新しい表示が・・・。

  500万円以上する高級セダン(スカイライン、フーガ、シーマ)は価格がネックになってそれほど売れないかもしれないですが、その下の価格帯を受け持つティアナとシルフィがそれ以上に不人気みたいですね・・・。北米で話題になっている、かなりカッコいいFFのセダンは日本でも十分に人気出そうなデザインですけど、北米生産車は日本に持ってこないというルールのようです。

  日産の市販車は福岡(苅田)・横浜(追浜)・栃木の国内3拠点で車種ごとに分けていて、中型・大型のモデルに関してはFFは福岡(中国向け)、FRは栃木(北米向け)に集約されています。中国向けのFF車と北米向けのFR車(北米向けFFは現地生産)とハッキリ色分けされてしまっては、今さらに新型スポーツカーなんて一体どこで作るの?ってことになります。未だに根強いシルビア復活待望論ですが、生産ラインの確保という非常に大きな難問に阻まれているのがわかります。現状ではライン設備の全面更新でもなければ軽量スポーツを作る設備は無いでしょうし、どれだけ販売が伸びるか未知数のスポーツカーの為にライン改造の投資はできないといったところのようです。

  今や年間800万台を売り上げていて、トヨタ・VW・GMの3強に迫る勢いのルノー日産ですが、グローバルでの販売チャンネル展開は至って地味です。それでも成長を続けているからいいのでは?という意見もあるでしょうけど、グローバルなプレミアムブランドへ成長させよう!という気概がイマイチ感じられないインフィニティ・ブランドは、メルセデスの「裏ブランド」として共通設計車がどんどん増えていくことになりそうです。もしかしたらいずれはメルセデスをグループに迎え入れる算段となっていて、そのポジションを開けて待っているのかもしれません。とりあえず年内にもメルセデスAクラスを使ったインフィニティブランド車(Q30)が予定されているようです。

  さて親会社のルノーですが、日本市場でのフラッグシップになるCセグの「メガーヌ」にベースモデルの「ゼン」が誕生しました。グレード名の由来は「禅」だそうですよ!だったら日本でのグレード名は「めがーぬ・禅」にしてはどうでしょうか!?ちょっと文字の雰囲気が微妙なのでやっぱり「メガーヌ・禅」ですね。漢字を使うと中国車と間違えられる!? 特筆すべきは1.2Lターボで250万円という本体価格で、トヨタ・オーリスやVWゴルフの同排気量のグレードよりも安く設定されています(後だしジャンケンですが)。

  このクラスもすっかりプレミアムブランドが幅を利かせていて、大衆向けブランド車は国産・輸入ともにあまり多くないです。プジョー308(1.2Lターボ)や新しくなったフォード・フォーカス(1.5Lターボ)あたりがメガーヌ・ゼンの比較対象ですが、どちらも本体価格はおよそ300万円とやる気を感じられない価格になっています。メガーヌの1.2Lターボはスペック的にはアクセラやインプレッサの1.5L車と2.0L車のちょうど中間くらいです。オーリスの1.8Lと同じくらいでしょうか? 

  日本車とガチで価格競争できる輸入車がいよいよ登場しました!と大きく宣伝して上げたい気分ですが、ちょっとカラクリがあって250万円の価格で揃えると、豪華装備が標準となるアクセラ2.0LのLパケだったり、インプレッサHVだったり、インプレッサ2.0Sアイサイトだったり、オーリス1.2Tも高級インパネが組み込まれています。それにひきかえルノー・ゼンはまさにノーマルのメガーヌであり、内装もフランスの大衆車といった素の状態です。エクステリアに関してはルノーが気合いを入れて刷新したので、センスが光りますが、インテリアはちょっと前の日本車(スバルやホンダ?)のデジャブが浮かびます。今や日本メーカーのCセグの内装は女性ウケ(奥様ウケ)を狙って上品に作られてますから、まともに比べると、ややメガーヌは分が悪いですね・・・。

  1クラス下のルーテシアが200万円くらいから展開されていて、プレミアムCセグのAクラスと1シリーズがどちらも「298万円」で争っていますから(ボルボやアウディはもっと高く、レクサスはさらに高い!)、Cセグ車の価格競争の幅はかなり限定的なものになってしまいます。とりあえず本体価格を250万円に固定して、そこにどれだけの装備を積み込むか?が今後の勝敗を分けるポイントになってきます。スバルは競争激化を見越して、1.5Lのインプレッサにもアイサイトを装備したグレードを置きました。アイサイトと全く同じカメラを使ったスズキが小型車に自動ブレーキと付けはじめたので、いよいよ足元に火が付いたといえますが・・・。

  メガーヌにはすでに「ルノースポール」「220GT」「GTライン」の3グレードが設定されていますが、いずれも足回りやシートなどスポーツチューンを考えたグレードになっていて、「高級感」を演出できる設定はありません。「我々はプレミアムブランドではありません!」といった割り切りが、確かにルノーの魅力ではありますが、軽自動車から高級車まで商用車を除くあらゆるサイズのクルマの設計に「上質さ」が盛り込まれる日本市場のトレンドを考えた「笑顔になれる」スモールカーをこの「ゼン」で地道に追求していくこと(値上げはNG)で、閉鎖的といわれる日本市場の扉が開くのではという気がします。今後の展開に期待したいです。


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↓ルノー製のチャリをメガーヌ・ゼンのルーフ上やリアに積載して、観光道路を走れば欧州を旅する気分になれそう!





  

  

  

  

2015年6月28日日曜日

VWゴルフR420 「これはカーメディアにウケが良さそうだ」

  毎月のようにクルマ雑誌に躍る「◯◯◯おまえもか!」という文字に少々ウンザリです。最近の例でいうと「ジャガーおまえもか!」「マセラティおまえもか!」「ベントレーおまえもか!」「ランボルギーニおまえもか!」そして「アルファロメオおまえもか!」・・・。これらの各ブランドは近々プレミアムSUVを導入するそうですが、「おまえもか!」ってことは不満タラタラなんですね・・・絶対にSUVが嫌いとは書けないでしょうけど、気持ちがこもってます(笑)。そんなクルマ雑誌のライター達も「BMW X5」や「ポルシェカイエン」のレビューとなると、歯の浮きそうなおべんちゃらを散々に使っていて・・・。

  これもカーメディアに生きるものの宿命とはいえ、本心とは全く違うことを延々と書かなくてはならないのはツライと思いますね。SUVが好きではない(というか嫌いな)のに、新型車はどこもかしこもSUVばかり・・・。しかもメーカーの鼻息は異様に荒く、下手なことが書けないですし、全くアガらないテンションを押し隠して書かなければ次の仕事はない。出版不況が吹き荒むなかでイヤイヤな苦行が、これからも続くのかと思うともう気分はヘロヘロじゃないかと思います。できることならユーザーの好みが突如劇的に変わってSUVブームが一気に下火になってくれないかな? そしてそんな風潮を作ってくれるスゴいクルマが出てこないかな〜・・・なんて待望する雰囲気をクルマ雑誌のあちこちから感じますね・・・。

  そんな憂鬱な毎日を過ごしているであろうカーライターの気分が、少しは晴れそうなモデルが、意外や意外のVWから登場したようで、秋にも日本に導入されることが決まっているそうです。VWと言えば堅実な作りの「ゴルフ」と、レトロな復刻モデルになる「ザビートル」など、日本のユーザーの心を掴むクルマをラインナップしているなかなか素晴らしいブランドです。しかし正直に言いますと私はVWがあまり好きではないです。このブランドが日本でも高い支持を集める理由は、他でもないトヨタやホンダに迫るレベルで相応に合理的なクルマの設計をしているからだと思うからです。「トヨタ=ホンダ=VW」という意味でVWは称賛に値しますが、私はトヨタやホンダを買わないのと同じ理由でVWにも距離を感じています。

  私たちは日本車に囲まれて生活していてそれが当たり前になっていて、トヨタやホンダのスゴさがメディアで正当に評価されることを目にする機会もないです。しかし世界の自動車メーカーと比べてもこの2社の合理的なクルマ作りは、圧倒的な地位にあることも十分にわかります。トヨタやホンダがアメリカだけでなく、欧州でもかなりの信頼と羨望を受けているブランドだという話はたくさん聞いたことがありますが、ちょうど同じように合理的なVWが、逆に日本でチヤホヤされるのと同じ構図なのだと思います(ドイツではVWは普通のクルマ)。

  もちろんトヨタ、ホンダ、VWが同じようなクルマを作っているという話ではないです。しかしこの3社はどんな困難な経済情勢に巻き込まれても、政府や他社の支援など必要とせずに独自の体力だけで生き抜いてきた数少ない自動車工業の雄であり、この3社の逞しい背中を見てBMWグループやダイムラーグループも合理性を取り入れたクルマ作りに軸足を移しています。そしてどこぞの自動車グループの傘下にある高級ブランドでも現実的なSUV作りが広がっているわけです。

  しかし行き過ぎた合理性は、大きくクルマの魅力を削ぐ結果となり、トヨタもホンダも慌てて「86」「RC-F」「S660」「シビックtypeR」「新型NSX」といったモデルを投入してきました。少しも揺るがない頑強な合理性を持つ強いメーカーが、改めて世界のクルマ好きへメッセージを発信することで、私達はこれからも長く楽しいクルマを選ぶことができるんだ!と少々ホッとするところがあります。某国産メーカーが突如3ローター&ターボの超絶スーパースポーツを1000万円で発売したら、このメーカーは全く懲りないな・・・と呆れてしまいますし、ロータスやマクラーレン、ケーニッグセグが10年後も存続していると信じる気持ちにはなれないです(ボルボもジャガー=ランドローバーもアストンマーティンも!)。

   トヨタやホンダと同じ「合理主義」を社是とするVWも同じ世界に生きているわけですから、当然というべきかクルマ好きへのメッセージのこもったモデルを作ってきました。「VWゴルフR420」は、2Lターボを420psまで引き上げてその出力に耐えられる構造で横置きエンジン用のミッション(7DCT)をわざわざ新造して市販化に漕ぎ着けたようです。「直4ターボの横置き」「AWD」というとすぐに「ランエボ」が思い浮かびますが、ちょうどランエボ終焉の時期に登場したこともなんかの因縁を感じます。もしかしたら細部で使われる機構のライセンスに関する契約が三菱とVWで締結されているのでは?と・・・。

  さてクルマ雑誌にウケが良いと思われるこの「ゴルフR420」ですが、やはり一斉にかなりのハイテンションで報じられています。そしてどこもかしこも、「日本にはこういうクルマがほとんど無くなってしまった・・・」なんて付け加えて書かれています。MSアクセラやシビックtypeR、ブレイド(トヨタ)などいまでも街中でしばしば見られるモデルの販売が、現在はされていないことを悲しむと同時に、日本のお家芸までもドイツメーカーに持っていかれたことに対する不満もあるようです。しかしいつまでも「ドイツvs日本」なんて構図というのもナンセンスですし、そもそもドイツの得意技って何?って話です。メルセデスAMG「GT」なんて見るからにアメ車的な設計ですし、BMW i8なんて何らブランドのポリシーを反映できていない。アウディR8はもはや・・・ですし。ポルシェ911はドイツ車で括られる前に「911」なわけで・・・。

  もしVWがランエボの骨を拾っているならば・・・まあそれは結構なことだと思います。三菱にとってVWなどのドイツメーカーはターボチャージャーの納入先で大切なお得意様です。三菱自を破滅へと追いやったのは、もちろん自らの脇の甘さもありますが、マスコミに過剰なまでの三菱叩きをさせた謎の「巨大勢力」の存在があったのではないか・・・という陰謀論も囁かれます。しかしもはや信じられないかもしれませんが、ドイツでの品質信頼度における上位3ブランドは、ポルシェ、三菱、マツダです。日本では三菱のリコール隠しというモラルハザードが声高に叫ばれましたが、三菱と同じような状況は他のメーカーにも相応に起きているのに、三菱ばかりが日本中で知られるくらいまで繰り返し報道されました。同じ時期に故障を原因とした死亡事故はトヨタにおいてもホンダにおいても実際は三菱以上に発生しているわけです。

  なぜトヨタやホンダは追求されないのか?という声は当時からもありました。そして三菱が「生け贄」になってくれたおかげで、日本メーカーの多くがコンプライアンスを改めて連日のようにリコールを出すようになりました。「最近のホンダはなんかリコールが多くない?」なんてニューモデルマガジンXでも散々に書かれていましたが、それはね・・・三菱が生け贄になったからだよ!という側面もあるはずです。そんな三菱の「怨念」をも背負ったVWが、トヨタやホンダそして、三菱を完全に喰いものにしたメルセデスに対して制裁を加える!はちょっと言い過ぎかもしれませんが、なんとも興味深い話です。トヨタ&レクサスの全てのモデルよりも、ホンダの新型「シビックtypeR」よりも、そして「メルセデスAMG・A45」よりも速い超絶マシン「ゴルフR420」が日本に降り立つのを楽しみにしたいと思います。

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2015年6月3日水曜日

BMW1シリーズ・MC 「外見はゴルフ、中身はポルシェ・ケイマン!」

  俗に「羊の皮を被った狼」と形容される高性能車は、日本では今も昔も根強く好まれていると思います。ホンダやマツダなど西日本に本拠があるメーカーはやたらと派手な高性能車を作る傾向にある一方で、東日本のメーカーはスバル・三菱・日産には地味なエクステリアで高性能!というモデルを作ってきました。歴代のエボやインプのように巨大なリアスポイラーが付いていても「羊の皮を被った」になるのかよくわかりませんが、富士重工や三菱のファンは、ある種の哲学を全うしてきたこれらのブランドに深い愛着を持ち続けてきました。見た目はごくごく一般的なスモールカー(Cセグ車)なのだけれども、エンジン出力は300ps以上でその走りはCセグサイズのスポーツカーの頂点を極めるポルシェ・ケイマン/ボクスターをも凌ぐ・・・そんなクルマへの憧れは今もなお続いています。

  スバルや三菱は「300psのスモールカー」という設計を成立させるためにAWDが必須という結論ありきで開発を進めてきました。誤解を恐れずに「日本発」と表現してしまいますが、どちらもその人気は国内にとどまらず、WRCでの活躍を背景に自動車先進国が集まる欧州でも高い評価を受けました。そもそもバブル期に作られた日本のスポーツカーは軒並み絶賛され、ホンダNSX、S2000、インテグラtypeR、シビックtypeR、マツダRX-7、トヨタMR-S、日産240SX、スカイラインGT-Rなど全方向的に活躍モデルがありました。その中でも欧州メーカーには技術面でなかなか真似できなものが、エボとインプの「AWD&ターボ」というストリートで圧倒的な戦闘力を発揮するタイプでした。

  「インプレッサSTI」と「ランエボ」に対抗できるだけのAWDシステムを使ってスポーティに仕上げた欧州ブランドは2001年の段階ではアウディだけで、それもDセグのA4アバントをベースとした1800mmというワイド仕様で、余裕のあるシャシーを使って6気筒エンジンを使うというものでした。単純にV6ターボで380psというスペックは当時は欧州にも正規輸入が行われていたスカイラインGT-Rに匹敵するかなり強烈な直線番長モデルでした。たしかに見た目はただのワゴンでまさに「羊の皮を被った狼」でしたが、日本での販売価格はおよそ1000万円にもなっていて、これはインプやエボの3倍近い価格ですから、「羊」じゃなくて「シマウマ」くらいだと思います。しかしこのアウディ「RS4アバント」から日本式(エボ&インプ)を模した高性能スモールカー(ジャパンスポーツとか名付けたい!)の開発が欧州メーカーの間でも盛んになり、さらにターボ技術が欧州車の間で広まったこともあり、アウディ以外のメーカーからも次々と発売されるようになりました。

  スバルと三菱が大切に育ててきた「羊の皮を被った狼」的なジャンルですが、残念なことに現在では完全に欧州メーカーに乗っ取られてしまった感があります。今ではこのジャンルを代表するモデルとして語られるのは、「ゴルフR」「メルセデスA45AMG」といった富士重工&三菱を踏襲したAWDタイプのものと、FRシャシーを生かしたBMWの「M135i」がそれぞれに妙味がある価格で販売されています。RS4アバントが1000万円した時代から10年以上が経過して、今ではゴルフRやM135iならば600万円前後まで乗り出し価格が下がっています。これを安いと見るか高いと見るかは意見が分かれるところでしょうけど。

  0-100km/hの加速が公式で4.9秒にまで引き上げられた、ビッグマイナー後の「M135i」の狙いはいよいよ、ちょっと大げさかもしれないですが、「ポルシェを猟るハッチバック」への大いなる脱皮にあるようです。今回は200万円台まで本体価格を下げたベースグレードを投入し、若年層の取り込みを図っているようで、ハイスペックなトップグレードを広告塔にして、ベースモデルを大ヒットさせるという戦略は、バブル期のシビックや日産パルサーを彷彿させます(といってもドイツブランドの定番の戦略になりつつありますが・・・)。

  BMWが日本の若者の関心を再びクルマへと向けるような展開をしている?かどうかはわかりませんが、BMWが作ればEVもディーゼルも注目されるようになってその力をまざまざと見せつけたのは間違いないです。相変わらずの偉大なブランド力と熱心なファンを維持する理由は、下世話なプロモーションではなく、クルマ作りにおいて常に高いアベレージを達成してくる姿勢は今も素晴らしいと思います。日産、ホンダ、マツダといった技術自慢の日本メーカーが続々とBMWのモデルを名指しでベンチマークしてきます。日本メーカーの技術力を前面に打ち出した「飛び道具」主義に対して、BMWがやや劣勢に見えることもあるのですが、雑誌の企画などで複数のメーカーのモデルを乗り比べて、なんだかんだで総合的に高得点を獲るのがBMW車だったりします。これって結構素晴らしいことじゃないですか。

  日産もマツダもホンダも国内市場では大きな影響力が発揮できないポジションに甘んじています。いずれも新興国向けモデルの拡充を図って将来の基盤を作ろうとしていますが、日本でおなじみの中型モデルは日本でも欧州でも大きな進展は見込めず、次世代の展開は全く見えてこない状況です。付加価値の高い中型車が生き残るためには、主要市場で「BMWに勝つ」ことが必須で、どうしても「飛び道具」を頼みにした開発になってしまう実情があります。しばしば日本メーカーの継続性の無さがBMWのようなブランド構築を阻害していると言われます。確かに日産の直6は消え、ホンダの自然吸気Vテックもマツダのロータリーも完全に引退モードになっています。

  BMWもまたVWグループによって本国ドイツから追い出され気味であり、自慢のマルチシリンダーを引っさげて「最後の楽園」である北米で確固たる地盤を確保しようと奮闘しています。VWゴルフが全く相手にされていないように、欧州のクルマ文化が全く通用しない中で、BMWらしさで独自の市場を築こうとする「攻めの姿勢」を日産、ホンダ、マツダも見習ってほしいものです。たしかにアメリカでは、日本流の「羊の皮を被った狼」は全く人気がないようで、1シリーズそのものがラインナップすらされていません。しかしBMWが日本の為にわざわざ右ハンドルで作ってくれている、しかも日本車への深いリスペクトが感じられるこのモデルを、マイナーチェンジでさらに大きく進化させたBMWに、日本の自動車ファンとして最敬礼の気持ちでいっぱいです。ぜひ皆様も一度お試しください。

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2014年12月17日水曜日

BMW2シリーズ・アクティブツアラー 「酷評を跳ね返すくらい売れるといいですね・・・」

  BMWに匹敵する「走りのミニバン」として90年代に登場し、長らく個性を発揮してきたホンダ・オデッセイが昨年のFMCですっかり様変わりしてしまいました。広くて快適なキャビンに移行して見るからに重心は高くなり、両サイドがヒンジドアからスライドドアへと変わってしまっては、ボディ剛性でBMWを追従することももはや出来なくなり、変わり果てた新型オデッセイは「国内専用ミニバン」の王道デザインにしか見えないです。見た目だけでなく足回りなども大幅に変更になり、ミニバンらしからぬハンドリングを支えていた4輪ダブルウィッシュボーンはあっさりと廃止され、トヨタ流のトーションビームへと変わっています。しかしホンダに言わせれば、現在では国内専用ミニバンのパッケージの良さが欧州でも受け入れられつつあり、旧型オデッセイのようなクルマが高速安定性を誇れる場所は、欧州であってもかなり少なくなってきているのが現状のようです。

  そんなホンダの方針転換をしっかりと裏付けるようなクルマが、BMWから発売されました。BMWは今後1シリーズなどでもFF車を展開するようですが、その第一弾となるのがこの「2シリーズ・アクティブツアラー」だそうです。傘下のミニと共通のシャシーを使うのならミニ・ブランドで良いじゃん!という気もちょっとします。これまで比較的ストイックに走りのセダン/ワゴン/ハッチバックを作ってきたBMWですが、従来のラインナップが欧州・日本・北米の成熟市場でハッキリと伸び悩みを見せていて、ライバルのメルセデスやアウディの商品力に遅れをとっているという指摘もされています。そんな評価を受けていよいよブランドのテコ入れを図る時期に差し掛かっていて、その骨子となるのが今回のFFモデルの導入だそうです。ちょっと恣意的な見方ですが、「走り」だけがクルマの価値ではないと気がついた不器用なBMWが、甲斐甲斐しく見た目にも「温もり」が伝わってくるファミリーカーを作りました!といったなんだか微笑ましい感じがするのは私だけでしょうか・・・。

  やはり素直に好感が持てるのが「温もり」ですね。メルセデス・アウディ・レクサスと揃っての最近のラインナップは、ハッチバックやミニSUVといった低価格で「ファミリーカー」用途に振ったクルマを、かなり無理矢理に「スポーティカー」として売ろうとする戦略が主流になっています。スポーティというスパイスを過剰気味に振り掛けられたそのテイストは、化学調味料で作られたイヤな辛さの激辛カレーのような「安っぽさ」と「嘘くささ」を感じてしまいます。その一方で今回のBMWはクルマの使用目的をハッキリさせたクルマ作りに徹しているのがとても良いです。この2シリーズ・アクティブツアラーだけでなく、M235iのような「スリリングなクーペ」と650iのような「優雅なクーペ」を高いレベルで作り分ける実力を持つブランドですから、その作り込まれる方向性に関しては他のブランドよりもはるかに研ぎ澄まされたものがあります。

  このスーパーブランド・BMWによって研ぎ澄まされた「ファミリーカー」は、パッケージ効率世界一を誇る日本の「ファミリーカー」と比べて一体どうなのでしょうか? まあとりあえずまともに比較する必要はないでしょう。プレミアムブランドですから、価格面では日本車とは比較するものではないですし、好きな人が惚れ込んで買うクルマという意味ではBMWの他のモデルと同じです。とりあえずウィッシュ・ストリーム・プレマシーといったクラスのミニバンに十分納得しているユーザーを取込むのはまず無理でしょう。主なターゲットは国産ブランドを「下」に見ている40歳代あたりだと思われます。変なプライドがある為に、国産車を避けてまったくオススメできないほど狭っ苦しいVWのトゥーランのようなクルマに無理して乗っている層がターゲットなんだと思います。彼らはなぜトゥーランを選ぶのか?と言われたらウィッシュ・ストリーム・プレマシーは貧乏くさくて絶対イヤだとか言いそうです。VWの低排気量の直噴ターボはNOxの排出量が非常に高い(トヨタの同型の50倍)ので、子育てには絶対にNGなクルマだと思うのですが・・・。

  そんなセレブ気どりな子育てユーザーがトゥーランから、BMW2シリーズアクティブツアラーにしたところで、BMWも悪名高い「直噴ターボ」ですから、NOxの排出に関してはまったくもって50歩100歩です。しかし、だからといって日本車のミニバンに徐々に増えて来たHVを安易に選ぶのも考えもので、これは全くの未確認情報ですが子供によってはHVの発する電磁波で気分が悪くなるというケースが、大人よりもかなり高い確率で起きるようです。結局はウィッシュ・ストリーム・プレマシーやソリオなどの小型ミニバンが使っているNAのガソリンエンジン車が子育てには一番良いということになりそうです。

  まあ日本の価値観でBMWやVWのファミリーカーにケチを付けられてもメーカーもいい迷惑でしかないのですけど・・・。それにしてもドイツのBMWサイトを見ると、この「2シリーズAT」では見事に可愛らしい小さな子供がいるファミリーがモデルが幸せそうに描かれています。なんとも良い写真だなと思っていたら、どうしたことか日本向けのBMWサイトでは同じヴィジュアルは使われていません。その代わりにこのクルマは老人や女性のシングルライフのお供に!といったイメージを喚起するものが多く使われていて、全く子供は出てきません。BMWジャパンの経験によると日本の子育て世代は新車でBMWを買ったりなんて滅多にしないので、せいぜいセレブな老人や女性が使うことを想定したクルマといった位置づけになっているようです。ドイツのサイトで描かれているような幸せそうなファミリーでの風景を見せつければ、ちょっとドリーミーな共働きの子育てカップルにはそこそこ響く気がするのですが・・・日本人なんて結局は感激してその気になってしまえばすぐにお金を使いますし。

  先日「2015年版・間違いだらけのクルマ選び」が発売されました。今ではすっかり主筆となった島下泰久さんがこの「2シリーズAT」にどのような評価を下すのかが、今回の最大の注目点でした。いやー完全にスイッチ入ってましたね・・・たとえBMWが相手だって容赦なくコレくらい言えちゃうもんね!というくらいに、BMWの確信犯に対して烈火の如く怒っています。そういえばこの方も40代でしたね。こういう風に「似非BMW」と受け止められてしまうとちょっと辛いですね。そんなに言うならばF30(3シリーズ)もF20(1シリーズ)も「似非BMWだ!」でいいんじゃないですか?どう好意的に見てもコロナかブルーバードのBMW版ですか?としか言いようがない・・・。しかもデザインは日本車よりも地味だし。

  F30やF20に比べれば、2シリーズAT(F45というらしい・・・)の方が健全じゃないですか? F30やF20は「シャレBMW」ではなく「ガチBMW」として乗っている人が多いようです。失礼ですが、見かける度に320iの所帯染みた薄っぺらい乗り味を思い出して冷ややかな気分になっちゃうんですよね。ニュルニュルと加速するZF8速ATはCVT並みのフィーリングの気持ち悪さしか感じないですし、なんだか急激なペダル操作をしたらすぐに不具合で出てきそうなヘンな恐怖感がつきまといます。大層に8速も付いちゃってますけど、肝心のエンジンには「上のゾーン」がまるっきり欠如してますからね。これで500万円って・・・冗談とか抜きで「アホか?」。ちょっと余計なことを言ってしまいました。この2シリーズATで幸せなファミリーが増えるといいですね。

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2014年11月14日金曜日

ミニ・クーパーS 「残念ですが・・・ただの足し算でしかないです」

  毎度毎度上から目線で恐縮です。BセグのボディにBMW320iの2Lターボを横置きしたら、どんなに楽しいクルマが出来る? クルマ好きならば無条件で支持してしまうほど、ワクワクするコンセプトなのは確かです。しかし冷静に考えてみると、スズキがスイフトにキザシ用の2.4L直4を積んだらどうなるか?と同じことだったりします。スズキに置き換えるとなんだか気乗りがしない・・・なんてことはないですけども、とりあえずスズキには別のことを期待したい次第です。ほんの数年前まで4mそこそこのハッチバックに3.5LのV6エンジンを搭載するという過激なコンセプトのクルマがトヨタから発売されていました。その頃は完全に無視していたくせに、今になってレクサスCTに2.5LのHVを積め!とか言ってる評論家もいたりして・・・人の事は言えませんが無責任極まるクルマ好きが多すぎですね。

  軽さが身上のトヨタやスズキがこんな企画をやるならば、「大丈夫か?」という老婆心が先走ってしまいますが、車重バランスこそを「社是」とするBMWが作るならば、やや過剰気味に期待してしまいます。BMW傘下になって3代目になるミニですが、これまでの1.6Lを使った設計から全面的に見直しを図りました。世界的にも成功例が少ない1.6Lの直4エンジンを遂に放棄し、別に日本の税制に配慮したわけではないでしょうが、1.5L(直3)と2L(直4)の二本立て組み替えてきました。ちなみにベースモデルの「ワン」には1.2L(直3)が使われています。そこで遂に実現したのが、4mに満たないミニの極小ボディにBMW320iの2Lターボを横置きにしたモデルです。BMW本体でも聖域無きダウンサイジングの嵐が吹き荒れるなかで「クーパーS」に関しては、1.6Lターボから2Lターボへ排気量が格上げされました。おーこれは乗るしかない!と思い立ちミニディーラーにお邪魔してきました。

  これまでもミニの個性的なデザインや、なかなかツボを押えた内装などには興味はあったのですが、例の1.6Lターボエンジンに対しての評価(燃費悪い・ウルサイ・パワー不足)が極めて低かったので、失礼ですが全く眼中には全くないクルマでした。そんな失礼極まる口上は決して営業マンにぶつけたりはしないですが、とりあえず「2Lが出たので来ました!」くらいはアピールしておきました。ミニの営業マンからしてみたら、そんなことはまだまだ言われ慣れてない様子で、「はあ・・・そうですか」といまいち要領を得ていない受け答えでした。「他に検討されているクルマはありますか?」と訊かれたので、「ゴルフGTIです!」と間髪入れずに返答すると、どういう切り口でクーパーSの優越性を語るか楽しみでしたが、デザインについて「ミニはオシャレで、ゴルフは汎用」といった当たり前の説明が・・・。まだまだ販売の現場は「ミニ&2Lターボ」が巻き起こしつつある反響に追いつけていないようです。

  マツダがデミオで目一杯勝負していることからも分りますが、BMWにとってもミニでしっかりと競争力を確保するのはグループ全体にとっての至上命題のはずです。巨大なVWグループの尖兵となっているアウディからは、VWポロ・ベースのアウディA1を戦略モデルと位置づけて、いよいよラインアップの大幅な増強が待ったなしで行われる見通しです。BMWはドイツ本国でアウディにあっさりと追い抜かれるという屈辱を味わっていて、VWグループに対しての警戒心はどのメーカーよりも高いはずです。アウディがすすめる「コンパクトカー&ラグジュアリー」戦略に対し、BMWとしては全力で妨害しようとしている意気込みを、今回のミニのFMCからひしひしと感じられます。

  インパネの真ん中に大径のアナログ速度計を配した、先代までの独特のインテリアを支持するファンも多いようですが、クーパーSではその部分にナビが標準装備で収まっています。BMWと同じく、コンソールに据え付けられたクオリティの高い入力装置を使うタイプのナビが使われています。このナビシステムはBMWが常々誇っている優良な機能美のイメージを最も見事に体現していて、メルセデスやレクサスのものよりもかなり使い易くできています。余談ですが"マツコネ"と同次元の幼稚さを誇るアウディの純正ナビなど全く相手になりません。スマホの方が使えるとか言われるほどに、情けない純正ナビが高級ブランドにも溢れているようですが、クーパーS標準ナビはコンパクトカーに装備されるものとしては最強だと思われます。内装に関しては先代よりも空間をトータルでデザインしていて、ドアトリムやインパネのカーボン調パネルなど存在感あるパーツが各所に散りばめられて、メルセデスAクラスにも負けないくらいの「コンパクトカー&ラグジュアリー」が貫かれています。

  さらにホイールベースの拡大も大きな変更点となっていて、これは最近に追加された5ドアモデルを想定したものと思われがちですが、どうやらFFなのにフロントオーバーハングがほとんどないスタイルにすることで、運転席・助手席の足元スペースが広くとることに腐心したようです。高速道路でも静かな「2Lターボ」、そして使い易い「ナビ」、くつろげる「前席のスペース」と様々な要素が揃ってきました。これはいよいよ街乗りコンパクトカーながらも、長距離ツアラーとしての実力も併せ持つこれまでに無い「スーパーコンパクトカー」の創造をBMWは意図していると思いますが・・・いざ走ってみると残念ながら、あっさりと期待を裏切ってしまう「粗」が見えてしまいました。

  さてクーパーS試乗ですが、私と連れと営業マンの3人が乗ってもターボ不要なほどに余裕のある2Lエンジンは、エコ走行を強要する「グリーンモード」でも発進加速にストレスが無いほどです。どこまで回してもヘタることなく、同じエンジンの3シリーズよりも200kgも軽い1270kgに加えて、FFらしい食い付くトラクションもダイレクト感があってとても良いです。なるほど!ここまでFFで仕上がったならば「2シリーズ・アクティブツアラー」もかなり期待できそうです。しかし・・・ふと我に返ります。こんな平穏無事なドライブフィールを求めてわざわざミニ・ディーラーにやってきたのではなく、BMWのノウハウを全て注ぎ込んだスポーティな乗り味こそがこの「クーパーS」の本当の価値ではないか・・・。全開のアクセルでも笑顔でステアリングを操作できるような"地を這う"走りができるはず。

  ということで信号を一つ超えた所ですぐに「スポーツモード」に切り替えて、見通しの良い直線でアクセルオン!・・・繰り返しますが直線区間です。当然にハッキリと向上したアクセルフィールが機敏に反応して、小振りな車体がピリっと動きます。ところが加速が始まって2~3秒程度で早くも足元から、キュルキュルとホイールスピンの音が・・・。いくらBMWでも物理的限界は超えられないことはよくわかっていますが、こちらも予想外なほどに無策だったのには驚きです。ステアリングを切った状態からの発進時ならまだしも、直線でスピードにのったタイミングで発生するなんて、改造車もどきのヴィッツ・ターボみたいです。高速道路での使用を推奨するようなコンセプトのクルマがこんな作りでいいのか?というBMWグループの姿勢に疑問が残りました。そういえば日本に導入された2シリーズアクティブツアラーは2Lモデルは全てAWDになってましたね。BMW本体では絶対に起こってはいけないことなのだと思います。

  
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2014年9月12日金曜日

マツダ・デミオ 「ディーゼルの最大のメリットは・・・」

  新型デミオの価格が発表されました。先代に比べて飛躍的に内外装に高級感が漂っていますが、ベースモデルは135万円に抑えられています。とりあえず先代のスカイアクティブ車よりも安いですから、マツダとしてはかなり頑張った価格になっています。しかしもはやデミオは安さで選ぶクルマではなく、今のマツダの勢いであるとか、創造性・先進性を存分に体感したいならば、176万円の上級グレード「13S・Lパッケージ」を勧めたいです。ディーラーから送られてきたパンフレットにも、まるでプレミアムブランドが新たにコンパクトカーを作りました!といったスタンスでこの「Lパケ」が一番大きく宣伝されていました。レクサスなみのインテリアと安全装備が標準でついてくるわけですが、マツダのちょっと目立つ外装とのバランス・兼ね合いを考えると、Lパケがしっくり来るようです。

  デミオが「高級車」と認知されるのは簡単ではないかもしれませんが、「高級車」には必ず外から見ている人に「快適そうだな〜」と感じさせるオーラがあって、今回のデミオにはそれに近い雰囲気が備わっていると言えます。先代までのデミオにはそういう要素はあまり考慮されていなかったですし、メインユーザーからもその手の期待もされませんでした。これまで「ゼロ」だったところに、突然にクラス最高峰の"高級車要素"を添加したことで、アテンザ・アクセラのFMCと違いデミオは先代と基本設計が変わっていないにも関わらず、その進化の振り幅がとても大きく感じます。極論すると、もし新型デミオを買うならば高級感を周囲に十分に感じられるグレードにしておかないと、このクルマの美味しい所をみすみす逃してしまうと言えます。

  フィットやヴィッツ/アクアに比べてノーズが長いという点だけでも、設計のゆとりを感じます。このスタイルはエンジンと乗員との距離もわずかながらも離れていて、そこに防音材を詰め込んでありそうな雰囲気は出ます(実際は乗らないと解らないですが・・・)。BMWミニや現行のVWゴルフ/ポロそしてメルセデスAクラスにも言えることですが、ノーズを張り出すことが素直に高級感の表現になっているのは確かです。ドイツメーカー車が日本で人気なのは、ストレートに「ゆとりある生活」を表現できるクルマとしての有用性が評価されたものと言えるかもしれません。実際の乗り心地・静音性はともかく、見た目とパワフルな走行感からクルマの上質感が醸し出されています。

  そんなドイツ車的な「豊かさ」の演出から、今回の新型デミオは謙虚に学んだ部分が大きいようです。内外装の演出もさることながら、スムーズさと適度なトルク感を備えたガソリンNAのエンジンにBMWミニに匹敵するトルコン6ATを使ったベースモデルのパッケージからは、おそらくクラスを"独走"するであろうジェントルな乗り味がイメージできます。パワーユニットにおいてクラスの常識を超えてここまで贅沢な設計をされては、VW・アウディ・BMWミニといったこれまでの先端モデルも「スムーズ」「静粛」という点においてはデミオには勝てないのではないかと思われます。小排気量ターボやDCT、CVTの排除は小型車の合理性をある程度犠牲にしつつも、最高の乗り味を目指したものと言えます。

  このガソリンモデルだけでも「世界一」を目指すマツダの心意気が感じられますが、このモデルが霞んでしまうほどに注目を浴びているのが、1.5Lディーゼルターボを使った「新感覚Bセグ」によるアプローチです。欧州でもBセグでのディーゼルの採用は珍しいようで、登場がかなり前からアナウンスされていたデミオXDですが、この「飛び道具」グレードは試乗会に参加したジャーナリストを次々と"ノックダウン"するほどに斬新で、購入を即決したジャーナリストが複数いたようです(マツダがプレゼントした?)。

  新型デミオのライバルモデルとして、いよいよガチンコになってきたBMWミニも、デミオ発売に先駆けてディーゼル搭載モデルを340万円で発売しました。しかしおよそ半額の178万円に抑えたデミオXDとの価格差はかなり大きいので、「ディーゼル戦争」といったような過当競争にはならないと思います。実際のところ250万円程度までミニがディーゼルの価格を下げない限りは、デミオXDとの競合はおろか日本市場で大きな爪痕を残すことはほぼ無いと言えそうです。

  欧州でもあまり類を見ないというBセグディーゼルの存在意義は、軽油が安い日本独特の需要と考えられています。クラスで圧倒的な主導権を持ち続けるアクア、フィットHVと同等に経済的で、走行性能が高く乗っていて楽しいという点で、マツダディーラーもHV勢への反撃の切り札として期待を一身に集めているようです。このデミオXDが持つ本当の価値は「経済性」や「ファン・トゥ・ドライブ」ではなく(だけではなく)、従来のBセグにとって頭痛のタネだった高速道路での劣悪な車内騒音を軽減、つまり「快適性」にあると思います。

  コンパクトカーに使われる小排気量ガソリンエンジン(1.5L以下)は、60km/h前後からの加速時にトルクの落ち込みを補うために5000rpmを超える回転が要求されるので、中央高速などの山岳路線では登り坂で速度の低下が解っていても防げない部分があります。それと同時に車内には強烈なエンジン音が響きわたり、会話もまったく出来ないほどの騒音に包まれます。アクアやフィットHVは高速で走り続けるとモーターが停止して重くなったボディをさらに出力の低いエンジンで引っ張ることになるので、通常のガソリンモデルよりも燃費が悪化することもあります。とにかくブレーキを踏んで回生させない限りはHV車のメリットなんて皆無と言えます。

  BセグではVW、プジョー、ミニからそれぞれ200ps程度を出力する高性能モデルが300万円前後で発売されていますが、これらは全くの趣味のクルマというわけではなく、高速利用の頻度が高いユーザーにとってはかなり有意義な選択肢になっています。日産ジュークにも1.6Lターボの設定がありますが、同じ意味合いでの需要が見込まれていて、このエンジンをマーチやキューブにも拡大すべきかなという気がします。

  高速道路を快適に走れるBセグの価格帯を一気に引き下げた!という意味でデミオXDは大きな意味を持つクルマといえます。40km/h程度で一般道を走るだけならば、ガソリンの1.3Lの方が騒音も少なく快適ですが、登り坂や高速でガソリンエンジンの回転数が上がると、低回転でも走れるディーゼルの方がむしろ静かになります。もちろん高速道路で要求される追い越し加速においても、ガソリンモデルでは不十分な点も見られますが、ディーゼルならば問題ない走行性能を持っています。マツダもこの点をかなり意識しているようで、中間加速や高速安定性にもかなり意識した設計を行っていると開発者のコメントにも述べられていました。

  街乗り専用車ならば「ガソリン1.3Lモデル」、高速利用を考えるならば「ディーゼル」とたった2種類のパワーユニットですが、かなり効率的にキャラ分けができています。200万円以下に収まっている価格帯を考えると、値段を気にせずに用途ですんなりグレードが決められる点も、変なモヤモヤ感がなく納得したクルマ選びをする上でとても重要です。トヨタやホンダのコンパクトカーでもHVありきな大雑把な戦略と比べると、私のようなマツダ好きでなくてもとても好感がもてるのではないでしょうか。


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2014年8月28日木曜日

VWポロ 「ミニとデミオでこのクラスは盛り上がる!?」

  VWのBセグを担当する「ポロ」が新しくなったそうです。ゴルフもそうですがVWの最近のFMCは、デザインの変更点が素人にはほとんど分らないので、メディアも「フルモデルチャンジ!」といった威勢のいいコピーが使いづらいようでメディア泣かせなメーカーだなと感じます(どうやらマイナーチェンジだそうですが・・・)。VWぐらいの超グローバルメーカーになると、日本という辺境の中規模市場で「消費税増税」があって販売は逆風であることなど、全く歯牙にもかけないようです。これでは先代モデルのユーザーが最新モデルにこだわって乗り換えを検討することも減るでしょうし、VWジャパンのあの髪型に特徴がある社長にしても頭が痛いところかもしれません。

  全長4mに収まるサイズのコンパクトカーを指す「Bセグメント」は、各メーカーの創造性に満ちた技術開発によって、現在ではCセグとそれほど変わりないくらいの居住性を確保できているように感じます。あまりテキトーな事を言うべきではないですが、Bセグに対してCセグのアドバンテージとは一体どれほどのものなのか?と訊かれると、決定的なもの(説得力があるもの)は何もないようにすら感じます。サーキットで驚異的なタイムを出したいならば、Cセグの方が全般的に有利ですけどね。Cセグも十分に狭いので後席を使わないで2人乗りと割り切れば、むしろBセグの方が車両感覚が掴みやすく、軽量でハンドリングも良くそのうえ小型のエンジンでも快適に加速するといったアドバンテージがあれこれ思いつきます。

  あくまで考察の域を出ないですが、一般的にCセグよりもBセグの方が本質的に優れたクルマが多いと感じるのには一応理由があります。まず1つ目はゴルフ、シビック、ファミリアといった80年代に一世を風靡したCセグハッチバックを小型車の一つの頂点と捉えると、そのバブル期の快楽的な設計によって導かれたサイズ・車重そして100ps程度の出力が、そっくりそのまま現在のBセグに当てはまっていて、当時蓄積されたデータが十分に運用されているというのがあると思います。昨今の省エネ志向とミニバンのようなスペース志向を持った現在のCセグはベースモデルでは重さや非力さを感じますし、逆にゴルフGTIのような高性能モデルではサイズと車重がややヘビーで公道よりもサーキットを視野に入れたスタンスなので、サーキットに全く行かないユーザーには甚だ不満に感じてしまいます。

  2つ目は、Bセグを鍛えてきた小型車専門メーカーの技術力です。2000年代に入りHVやEVなどの新たなパワートレインへとトヨタや日産は舵を取りましたが、その一方で既存の小型車技術は新興市場の広がりとともに熟成を続けました、その中でVWグループ、ホンダ、スズキは力強く成長を続け、もの凄いスピードで業界再編が進む中で、いずれも世界トップ10の自動車グループへと成長しました。単体でトップ10入りしているホンダやスズキの存在はまさに「ミラクル」と言えます。さらに他のトップ10も同様でヒュンダイグループの欧州での躍進も小型車の成功(それとFTA)無くしては絶対にあり得ないことでした。また欧州での販売が激減している「フィアット=クライスラー」や「PSAグループ(プジョー、シトロエン)」が現在もベスト10に留まっていられるのも、小型車部門による踏ん張りがあるからです。逆に小型車とは無縁だったブランド(MG、サーブ、サターン、ハマーなど)は経営が行き詰まるとあっけなく廃止されました。

  トヨタ、日産、メルセデス、BMWといった高級車に定評があるメーカーばかりに目が行ってしまいますが、ブランディングに熱心なこれらのメーカーは絶えず、技術で勝負する小型車メーカー(あるいはバイクメーカー)と協調関係にありその技術を自ブランドへせっせと吸収し続けています。スズキ・ワゴンRに使われてきたコラムシフトが、最新のメルセデスの大部分で採用されたり・・・というのは冗談ですが、直4のEGRの研究などはバイクも作ってるスズキとホンダの独壇場だったりするわけです。某雑誌の記事にBMWの3気筒ターボ積んだ新型ミニが、走りを見る限りはスイフトの足元にも及ばないと書かれていましたが、スズキの1.2Lエンジンは他社を圧倒するレベルにあるのだとか。

  それにしてもBMWがダウンサイジングと効率運用の切り札として、開発した1.5L3気筒エンジンの評判が悪いようです。もちろん重量がある中型車向けに作られた2Lや1.6Lの4気筒を無理矢理Bセグに転用するよりは、キビキビと走るので理にかなっているようですが、小型車を専門に作ってきたメーカーのエンジンに比べるとお世辞にも良いと言えないです。もちろん「BMWらしさ」に尺度を置くならば、絶対的に正義なんですけど、純粋にコンパクトカーの完成度として見るならば、スイフトに大差をつけられてしまいます。まああくまでミニは「プレミアムコンパクト」であってスズキとは方向性が違うと言い張るならば、一定の評価はできるでしょうけど。BMWの考える小型車の理想を実験者が理解できていないのかもしれませんが、なんだかんだでちょっとでも豪華に大きくしようとする「新型ミニ」の方向性は今後どう受け入れられるのでしょうか?

  Cセグで満足という人には、あまりBセグの需要がわかりづらいかもしれませんが、Dセグに乗っていて「Cセグはちょっとな・・・」と不満を募らせている私と同じ考えの人にとっては、Bセグはカーライフの「ソリューション」として評価すべき点がたくさんありますし、それと同時にDセグとは別の意味でのクルマの本質を追求できるセグメントとして輝いて見えるんじゃないかと思います。コンパクトなクルマを想像する時に「オーリスよりもヴィッツ!」であったり「アクセラよりもデミオ!」と自然に感じてしまったりしませんか?Bセグにより豊かなカーライフの匂いを感じてしまうのです。それでもふと我に返って、Bセグ車一般に対しての懸念も湧いてきます、個人的には「長時間ドライブ」と「衝突安全性」の2点がとても気になります。

  たとえセカンドカーだとしても、燃費が嵩みがちなファーストカーを補完する働きを期待するならば、100~300km程度の中距離ドライブに耐えられる仕様を求めたいと思います。若い頃に乗っていたB/Cセグのカローラランクスは3時間を超えたあたりから体が痛くなることが多く、東京からだとせいぜい長野県くらいまでが楽しくドライブできる範囲でした。座席の調整幅の少なさと、フットスペースの絶対的な狭さは悩みのタネで、さらにシートの小ささややわらかさなどもあって長時間ドライブを視野に入れていない設計と言えるかもしれません。さらにひと昔前の国産コンパクトは残念ながら騒音でも体力を消耗していたように思います。扇風機が音を立てる部屋に長時間いると何となく疲れを感じますが、高速道路で唸りを上げる1.5Lエンジンを5ナンバーサイズの車内で3時間も聞かされると耳鳴りがしてなんだかぐったりした気分になったものでした。これらの複合的な「疲労」の要因をメーカーが戦略的にどれだけ取り除いてくれるかが、個人的には今後のBセグ選びのポイントかなと思います。

  VWポロは衝突安全性への評価も非常に高く、さらに静音設計や長時間運転に配慮したコクピットの設計においても高い水準にあると言われています。残念ながら長時間運転したことがないので何とも言えませんが、ある程度信頼できる情報筋からも好感触と評価されているので、少なくともカローラランクスよりは楽に運転できるだろうと思います。おそらくポロこそが、現状でのBセグの頂点であろうと思われます。また同じVWにはザ・ビートルという別のBセグモデルもあって、MQB設計であることを踏まえればどちらも同じくらいの機能性を有していると考えられます。

  さて今回のポロは1.2Lターボをデチューンし、同排気量のゴルフとは出力特性が違う90psの燃費重視のものへと変更してきました。JC08モードで22.2km/Lだそうです。さてこのポロの水準に迫るBセグと目されているのが「ミニ」と「デミオ」でしょうか。まずは既に発売されている「ミニ」ですが、先ほども述べましたが「プレミアムコンパクト」という路線を明確にするために1200kgというBセグの平均を大きく上回るヘビーな車重が特徴です。もちろん重くなった分だけ制音にも効果はあるのでしょうが、実は別の問題が指摘されていて日本仕様に全車標準装備されるのが韓国製のランフラットタイヤで、これが乗り心地と制音を台無しにするほどに酷いと言われています。とりあえず仕様変更まで待つしかなさそうです。

  もう1台の「デミオ」ですが、こちらも1.5Lガソリン車の廃止が伝えられていて、高速道路で悲鳴を上げるであろう「1.3L直4ガソリン」と一般にガソリンよりもウルサイと言われているディーゼル(1.5Lターボ)の2本立てになる模様です。これでは先代モデルからの改善はとりあえずなさそうですが、もしかしたらディーゼルモデルにはいくらか期待できるかもしれません。昨年発売されたアクセラは残念ながら静粛性のテストにおいてゴルフの前に敗北を喫したのですが、2.2Lディーゼルを積んだモデルは、100km/h走行時にゴルフの全モデルよりも静かだったというデータがありました。排気量の余裕と回転数の低さそしてディーゼルの桁外れのトルクによる恩恵なのですが、デミオのディーゼルもポロを10kg・m程度上回るトルクを持ってますので、同じような逆転現象が起こる可能性があります。

  「ポロ」と「デミオ」そして仕様変更を前提とした「ミニ」の3台、あとポロの上級モデルである「アウディA1」の4台のつば迫り合いはBセグの新たな可能性を見せてくれそうです。スイフトとフィットは内装の質感がいくらか向上して、高速道路での走行を見据えた設計のグレードが出てくれば、十分候補になりうるのですが、どうやらホンダもスズキもHVでの「非高速走行」モデルを想定してしまっているようです。そういえばどちらも欧州市場ではやや影が薄くなってきた感がありますね。経営戦略的には欧州無視は妥当な判断かもしれませんが、それでもコンパクトカーのさらなる進化と今後に期待したいと思います。


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2014年8月12日火曜日

マツダ・デミオ 「冷静さが必要だけど、ひょっとしたら・・・」

  マツダは個人的に一番好きなメーカーで現在もマツダ車に乗っています。このメーカーの魅力を、誤解を恐れずに一言で言うならば「大人になりきれないクルマが作れる!」ことだと思います。マツダのラインナップを過去のものから現行のものまで俯瞰すると、最もガキっぽい一般車メーカーはマツダだと断言できます。同じような系統のライパルとしてBMWやプジョーがいますがそれよりもさらに「ガキ仕様」ですね・・・。トヨタの開発者がコンセプト「タケリ」からほぼそのまま現行アテンザのデザインになったのを見て「マツダは完全に頭がオカシイ」みたいなことを言ったとか言わないとか。

  いくら大手メーカーから「変態」扱いされようとも、世界で「一番尖っている」のはとても価値があることですし、日本メーカーの誇りといえます。マツダが倒産したらもうクルマ買うの止めようかな・・・と私と同じように考える人も相当いると思います。そんな熱狂的な支持を受ける反面、新型モデルにかかる期待もハンパないものになっていて、下手なデザインで登場し「これはとてもマツダではない!」とフルボッコにされるモデルもいつかは出てくるでしょう。そんな中でCX5、アテンザ、アクセラと見事に期待に応え続けたマツダの「集中力」はやはり凄いなと思いますす、そして今回登場した新型デミオもマツダ自ら「確信のドヤ顔」を発表前から繰り出していて、某雑誌には「4打席連続ホームラン」なんて書かれてました。

  最近「復刊」を果たした「CAR STYLING」(三栄書房)の復活第一号では、表紙に堂々の「~Truth of the DEMIO Soul of Motion~新型デミオと鼓動デザイン」の太文字が躍っていていました。復刊第一号なので注目度もそこそこ高いでしょうけど、デミオ(もしくはマツダ)だけで本体価格2000円もする雑誌を売ろうという企画も大胆なもので、私のような熱狂的マツダ信者が次々と買わされていくんだろうな、なんて思いつつ買いましたよ・・・。

  最近のマツダはデザインに至る「過程」すらもブランドの一部として扱っているようで、他のメーカーでは滅多にないことですが、アニメの絵コンテのような鉛筆書段階のデザインを意図的に「放出」しています。アニメなど日本が高い国際競争力を持っている「知的産物」によるコンテンツを総称して「クール=ジャパン」と言うそうですが、マツダの戦略はこの政府主導の「日本的価値の発信」にとても良く合致しているようです。歴史的に日本政府が大っ嫌いなトヨタやホンダといった大手はそんなものに協力する気はさらさらないといったところかもしれませんが・・・。

  さて新型デミオですが、シートを始め「白」が基調になっているLパッケージ仕様の内装が公開され、クラスを超える圧倒的な質感がとても話題になっています。まだ実物に触れて見たわけではないので何とも言えないですが、とりあえず「新しいマテリアル」で作られているのは確実なようです。あまり安易なことは言えないですが、男性用スーツの素材といったら「ブリティシュ・ウール」の品質保証ワッペンタグが内側に付いたものが喜ばれたりします。しかしデザイン性はそれとは全く別物であり、いくら質感が伴っていてもデザインが完全に時代遅れのものは喜ばれません。

  現在では「質感」以上に「デザイン」が優先される時代になりつつあります。デザインを最優先に考えたときに、たとえ極細の上質なウールを使うよりも、ポリエステルなどの化学繊維の方が品質の安定感なども含めて高いレベルに立つようになってきたようです。もちろん「化繊のスーツなんて・・・」という保守的な考えのユーザーもたくさんおられるので、一気に拡大するのは難しいかもしれませんが、グッチやコムサ=メンといったやや前衛的なブランドでは徐々に導入が進んでいます。

  私も試しに3年ほど前に一着購入してみたのですが、これが予想以上に強靭でほころびも少なく、いまでも十分な光沢を放っていてとても満足しています(大幅値引で5万円ジャストくらいでゲットしました!)。今回のデミオ"Lパッケージ"の内装もどことなく、この「化繊スーツ」の良いイメージがダブります。100万円台半ばで買えるクルマなので大きな期待をせずに買ってみたら、予想以上に安定した質感で大満足の「逸品」になるかもしれません。いや・・・マツダならやってくれるはず「Lパッケージにハズレはない!」というくらいの気合で素材の選定してきているハズです。最近ではマツダの試乗車はことごとくLパケになっているようなので、ぜひデミオに乗って確かめてみたいと思います。


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2014年7月1日火曜日

BMWミニ・ミニクーパーS 「"小さな高級車"計画爆走中」

  どこのディーラーに行っても、最高に「スポーティ」なのはBセグと言われたりします。ネッツトヨタ多摩に行けば「86もいいですけどヴィッツRSもかなりのものですよ!」と言うし、日産プリンス西東京に行けば「スカイラインもいいですけど、マーチNISMOも楽しめます!」と言うし、関東マツダに行けば「アクセラXDよりもデミオスポルトの方が楽しいかも!」と言ってます。ホンダカーズ東京中央は「シビックtypeRよりもフィットRS!」とは言わないみたいですが・・・。

  ホンダはともかくそんなに挙ってオススメするなら、もっと「欲しい!」と思わせるBセグスポーツ作ってくれと言いたいですね。「G's」や「NISMO」って名乗ればいいってもんじゃないです。大変失礼ですが、MCした新しいヴィッツRS-G'sのデザインはなんだか寒イボが出てきそうな違和感がありありです。ただしこのクラスで納得できるモデルが出て来たならば、軽自動車買おうとしている知り合いに片っ端から全力でオススメしてあげたいと思います。アテンザやスカイラインはいくらいいクルマだからといっても、サイズや価格などいろいろ制約がありますから、そんなに安易にオススメできないですけど、Bセグならば母親や親戚のオバさんの買い換え時にいくらでも話できますし。しかし現行モデルでは残念ながら、デミオ、スイフト、フィットでもあまり気が進まないレベルです。なんだかんだでカローラHVがベストかな・・・。

  そんな日本車勢を尻目に、約3.8mの小型ボディに、BMW320iの直4ターボを横置きにしたエンジンを搭載するという「王道ハッチバック」をやってくれていたのが先代の「ミニクーパーS」でした。ゴルフGTIよりもかなり軽量でかつ価格も安く、ポロGTIよりもパワルフな設計で「相対評価」が大好きな日本のオッサン達の間でもそこそこ人気です。休日にショッピングモールでも行けば、同じ区画に2台3台と「cooper S」のロゴを見かけることも珍しくないです。確かに「クーパー」と「クーパーS」の性能差がかなり大きいです。300万円をちょっとの価格なのに、450万円くらいする320iと同じエンジンという「クーパーS」の方がお得感すらありました。

  ただしこの2代目ミニはマルチリンクを装備しているにも関わらず、乗り心地がやや固くてお世辞にも良くはなかったのが残念でした。やはりホイールベースが短いクルマは足を固めると跳ねてしまいます。クルマのキャラとして全てが受け止められるならばいいのでしょうが、あまりにもターゲットが狭いクルマだなという印象で、とても失礼極まりないことですが、日本の小金持ちのオッサン達が、英国の労働階級のクルマとしての歴史を持つクルマを、高級車と勘違いしてるのか?有り難がって乗っている様はみっともないとすら思いました。これまでブログでは頑として取り上げなかったのは、そういう人々への「軽蔑の念」があったからというのもありました。

  しかしわずか数年ですが時代は流れ、何だかミニを取り巻く環境もだいぶ変わってきたように感じます。いまやVW・ポロもプジョー・208もルノー・ルーテシアも日本車のように「ストローク」をドライバーに感じさせて、乗り心地よくする方向に味付けをするようになり、「プジョーに猫足が戻った!」とか、「フォード・フィエスタはメルセデスEクラスより乗り心地が良い」みたいなことをプロのライターのみなさんが言っておられます。沢村さんの解説によると柔らかいサスを使ってバンプストップを多めにして底付きのショックも軽減して・・・といった仕組みみたいです。車幅が限られていてさらに車重も軽くなっていて、それほどスペースが無くてストローク量も確保できない小型車でも柔らかいバネ(新素材?)を使っても大丈夫になっているみたいです。さらに最近のクルマは歩行者保護の為にボンネットが高いですし・・・。

  それでも3代目になったミニはまたまた頑固なまでに固いアシなんだそうです。BMWって一体何なんだ?1・3シリーズでもフニャフニャのアシを使い始めたので、てっきりミニもそうなるのかと思いきや、なんとまさかの「逆張り」! でも・・・これは個人的にとても好感が持てます。「Bセグはスポーティを追求した先に価値が生まれる」という「正義の自動車メーカー」だけが掲げる理念を、BMWも見失うことなくしっかり踏襲していたわけです。安易に「ストローク」に逃げれば、小型車のハンドリングはどんどんシャープさを失い、その果てに沢村さんにボロクソに言われるプジョー208のような「アクセルオンで左に曲る」鈍臭いクルマが出来上がります。マツダ、スズキ、BMWはそれを良しとしないようです。

  日本には欧州で1、2を争うハンドリング・マシンである「スイフト」と「デミオ」があって150万円で世界最上級のBセグが買えます。VWポロはまだしもプジョー208のような不完全なクルマを、洗練された日本市場で売るなんて、完全に情報弱者を喰いものにする「ブランド詐欺」とみたいなものですし、208なんて199万円でも高いくらいです・・・。日本のユーザーが納得できる輸入車Bセグの姿とは、やはり小手先のギミックではなく、「乗って楽しい!」と感じさせるクルマの本質を磨いて、「スイフト」「デミオ」の二枚看板を正攻法で突破してくるくらいの気迫が備わっているか?じゃないですかね。

  さて「ハンドリングを妥協させない」ポリシーを貫いたBMWミニの秘策はというと、全長・全幅とも拡大してBセグのライバルを差し置いての「5ナンバー枠からの離脱」でした。この設計変更は居住性の向上とともに、従来のBセグ全体の弱点と言える「安っぽい乗り味」から一人だけ脱却するのに成功したようです。全幅を拡大すれば、結果的にクラス随一の安定感となりますが、それがそのまま「なかなかな高級な乗り味」につながっているみたいです。もともとBMWミニは「スイフト」や「デミオ」のようなキレキレのハンドリングというわけではなく、アンダーを抑えたニュートラルでリニアなBMW的ハンドリングが持ち味なので、これにさらに「重厚感」が加われば、それは多くの人に「高級感」と感じるはずです。

  マツダのスカイアクティブ車は従来のキレキレから「重厚感」へ特性を変えてきていますが、乗ってみると「アクセル・シフト・ハンドル」から伝わるトータルのダイレクト感が、これまでのマツダ車とはまた違う「感動」で不思議とキレキレよりも高級感を感じます。キレキレではないんですけど、緩い感じとはまた違うドライビングフィールの奥深さがある!といったところでしょうか。ハンドルもアクセルもだいぶ緩い、実家のプレミオからは贅肉感しか感じないんですが・・・。BMWミニからマツダの話に急に変わってしまいましたが、この「3代目ミニ」と「新型デミオ」が今後進むであろう「Bセグ車の高級化」というパラダイムを一気に加速させるのではないかという予感がします。

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2014年6月9日月曜日

プジョー308 「欧州COTY・スタイルは没個性・だけど・・・」

  「プジョー308」と車名は先代と同じままなのですが、完全なるFMCでプラットフォームもPSA版の「MQB」として話題になっている「EMP2」というPSAのほぼ全車をカバーする新開発のものになりました。「MQB」をさらに上回る140kgの軽量化と報じられているが、先代の1370kgが今回は1090kgという「公称値」を見るとあれ?140kgどころじゃない?気がするのですが・・・。これにはカラクリがあって、日本仕様は1.6Lターボエンジンのみの設定で1370kgですが、今回は1.2Lターボしかも3気筒になってエンジンの軽量化もさらにすすんでいます。さらに日本仕様には快適装備のための電装系が追加されてもっと重くなるので、最終的には1230kgくらいになるのかもしれません。

  ちなみに「日本版」VWゴルフの1.2Lターボは最廉価グレード・トレンドラインで1240kgですから、ほぼ同じくらいの水準に落ち着くことになりそうです。これじゃつまらん!と思ってしまいますが、プジョーが仕掛けてきているのは、どうやらエンジンのようです。カタログ数値をみれば一目瞭然なのですが、最大馬力/最大トルクがVWの1.2Lターボと同じ排気量とは思えないほどパワフルです。VWが105ps/175Nmですが、プジョー(PSA)のものは130ps/230Nmとなっています。しかも燃費がゴルフ1.2Lターボが21.0kg/Lなのに対し308は21.7kg/Lとまあ「後だしジャンケン」のメリットをしっかりと生かしています。

  この数値を見て「プジョー圧勝!」と喝采したいファンの人も少なくないと思います。馬力差をみると、ちょうど日本におけるトヨタの1.5Lエンジンに対して、パワフルで評価が高いホンダやマツダの1.5Lエンジンのようなポジションを占めているといってもいいかもしれません。もちろんトヨタやVWも境最大規模の量産メーカーとして、一定の品質やコストにおける基準に基づいて生産が行われているので、単純にパフォーマンスだけで比べられるものではないですが、トヨターホンダ・マツダの力関係の欧州版といってもいいかもしれません。

  プジョーは「欧州のホンダ」ということになるわけですが、ホンダがトヨタに対して仕掛ける切り口が、そのままプジョーによるVWへの攻勢のポイントになっている類似点としては、「スペック優先主義」が挙げられるでしょうか。ただしホンダユーザーはともかく、フィットによるヴィッツやカローラに対しての「スペック上の優越性」は、トヨタによるHV戦略という厚い壁に阻まれて、一般レベルではほとんど認知されていないのが現状です。去年鳴りもの入りで投入された新型フィットもリコール騒動が収まらず、ホンダが自ら仕掛ける軽自動車の攻勢に対して、普通車シェア回復の起爆剤には成り切れなかった感があります。

  「高温多湿」「ストップ&ゴー地獄」で過酷な使用環境として知られる日本。最近は徐々に下がってはいるものの、「90%」という他国では例を見ない高い国産比率の一因は、この環境だと言ってもいいでしょう。「輸入車に乗るヤツはアホ」みたいな意見が当たり前のように語られ、「どうせ私は馬鹿ですから!」と居直るくらいの度胸が無ければ、輸入車オーナーなんてとても務まりません。しかし最近ではホンダもマツダも普通車はほとんどがグローバル車ですから、「ホンダ(マツダ)に乗るヤツはアホ」と言われる時代がいつやってくるともわかりません。もちろん両社には日本で長年クルマを作ってきたノウハウがあるので、かなりの部分でリスクはヘッジできるでしょうが・・・。

  トヨタやVWが控えめなスペックでクルマを設計する理由は、おそらく1000万台メーカーとしてのリスク管理が何よりも優先されるからです。必要以上に馬力を出せばエンジンはそれだけ脆弱になるし、燃費を伸ばし過ぎても同じことが言えます。そして何より新設計エンジンの投入には二の足を踏みます。ヤマハに作らせたり、フォードの人員を引っ張ってきてその模倣を行うといった手法が「石橋を叩いて渡る」という社是につながります。ホンダやマツダといった中堅が、この2大メーカーグループを出しぬこうとするとどうなるか? ホンダがトヨタやVWに見せつけるように導入した、「HVのモータートルクでDCTを滑らかに動かして、MTと同じ伝達効率でCVTを上回るという」アイディアには思わぬ落とし穴があったわけです。しかし中堅はリスクを取らなければ未来は・・・ということです。

  ちょっと横道それましたが、いまや中堅の上位にまでシェアを下げてしまったPSAにとってもリスクはヘッジすべきか取るべきかの舵取りが難しくなっています。そしてこの新型の「308」もその両方の要素が入ったPSAの苦悩が伝わってくるクルマに仕上がっています。2014年の欧州COTYを圧勝と言える得点差で受賞したことからも、「欧州ブランドの期待の星」として、フォードに圧迫されつつある欧州主要市場で弱体化が指摘されるVWに変わる役割を求められているのがわかります。全世界注目のライバル車・アクセラ、そしてシュコダ版「ゴルフ」であるオクタビアに大差を付けたという事実は、このクルマがただの新型車ではないことが伺えます。

  このクルマのポイントは、簡単に言ってしまえば1.2Lターボという効率重視でトヨタやVWよりも踏み込んだ設計でリスクを取ったエンジンを採用しつつ、仮想ライバルであるVWグループのゴルフ・オクタビア・A3が欧州メーカー製DCTを使うところで、日本のアイシンAW製の6速ATを標準で持ち込んでいることです。フェラーリ、ポルシェ、GT-R、ランエボで高性能DCTが相次いで採用されたことで、DCTのイメージは2007年頃に大幅に良くなりましたが、変速ショックが大きいために小排気量エンジンでは耐久性に問題が出るという指摘があります。また20年前に日本やアメリカで急速にトルコン式ATが普及した理由もトルクコンバーターがエンジンへのショックを最大限にいたわってくれるという、隠れたメリットが大きいと言われています。

  1.6Lから1.2Lへのさらなるダウンサイジングを果たし、そこにVWとは違うトルコンATを乗せたことは大きな意味があるように思います。欧州の道路環境も都市周辺部では日本と同じで「ストップ&ゴー」とまではいかないほどに「低速区間」が増えたことで、DCTよりもトルコンAT・CVTの優越性がはっきりしていて、そのトレンドを踏み外したVWが伸び悩み、そこを改善したPSAが復権していくのでは?という予感があります。そのためにも「復活の旗印」となるヒット車が必要になるでしょうが、この新型「308」が担っていくかもしれません。

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2014年4月28日月曜日

新型シビックtypeR 「考え方を変える必要がある!・・・ユーザーが」

  ホンダが何やら自信満々に開発を宣言している「NSX」じゃなくて・・・「シビックtypeR」。メルセデスに例えると、ブランドの「象徴」SLSの後継車として開発されている「メルセデスAMG・GT」と同じポジションが「NSX」だとしたら、一般人に手が届くレベルに設定されている「A45AMG」と同等に位置するのが、この「シビックtypeR」になります。まあそういう視点でこのクルマを見るならばかなり納得がいく部分も多いのではないでしょうか。

  今回のtypeRは、なんとターボが付きます!このインパクトがどうも強すぎるようで、従来のtypeRファン、いわゆる「原理主義者」を中心に激しい逆風を受ける羽目になっていいるようです。ホンダの主張をどれほどの人は真摯に受け止めているのか分りませんが、もはや自動車雑誌の誌面からも「嘲笑」が聞こえてきそうな論調で報道がされている気が・・・。確かにアウディTT-RSとメルセデスA45AMGが「2Lターボ」というフィールドで激しく「出力合戦」を繰り広げていて、さらに「2Lターボ&FF」というジャンルでもルノー・メガーヌRSとフォード・フォーカスSTが「FF最速」の座をかけて争っている中に、ホンダがノコノコと「2Lターボ」に参入してきたと見られても仕方がないですが・・・。

  そして従来のtypeRユーザーからしてみたら「Vテックは究極の高回転エンジン」であり「ターボ化」とはエンジンの特性において全くベクトルが違う!という本質的な意見も当然あります。それでもホンダは「Vテック」という名称を使い続けるわけですから、これはもはや自ら批判を煽っていると言ってもいいかもしれません。もちろん「可変バルブタイミング」機構を使っていれば「VTEC」ですし、三菱やスバルのようにターボとの組み合わせで使われることもあるわけで、名称自体は何の問題もないのでしょうけど、ホンダはここまでNAにこだわってブランディングしてきたわけですから、いまさら方針展開されてもファンは当然に戸惑いますし、今までの「Vテック」は何だったのか?となりますよね。

  さて冷静にホンダが技術系雑誌に提供している、「ターボエンジン」展開に付随する技術的な説明をじっくり読んでみると、前提として「HVおよびディーゼルが経済的に普及しない地域」(所得が低い地域?)をターゲットとしたターボ車マーケティングの一環と位置づけています。これらの地域でシェアを伸ばしつつあるフォードとVWを追従するための戦略、つまり「パクリ(模倣)」です。VWに比べてエンジン技術における進化が目覚ましいフォードのターボ戦略に完全に感化されたようで、「1.0L・1.5L・2.0L」の三段階に作り分けるところもそのまま「パクって」ます。

  typeR向けの「2.0Lターボ」は3.5Lクラスのエンジンを置き換えるとされていて、ホンダのラインナップだと「北米アコード(上級モデル)」と「レジェンド」に将来的にこのエンジンが使われるようです。ちなみに「アコード(ベースモデル)」には1.5Lターボが2.4L直4を置き換えるみたいです。つまり従来の2LのNAで200ps前後だったtypeRとはクルマのコンセプトが大きく変わるということになります。

  ちょうどトヨタがオーリスのボディにクラウン(上級モデル)の3.5LのV6エンジンを積んだクルマを想像してもらえばいいと思います。考えるだけでもワクワクするクルマなんですが、そんなバランスの悪いクルマは誰も作らないだろ!って感想が聞こえてきそうです。が・・・しかし、ついこの前までトヨタは「ブレイド・マスターG」というオーリスとほぼ同じボディに3.5Lの2GR-FEを押し込んだクルマを売ってました。しかも本体価格はたったの330万円!残念なことに6ATのみの設定でしたが。もしこのクルマにMT仕様があったなら・・・とクルマ好きなら誰でも想像しちゃいますよね。

  そうです!この新型typeRこそが!ホンダが「トヨタ・VW(ゴルフR)・アウディ・メルセデスどいつもこいつも"楽しいクルマ"が解ってない・・・」と嘆きつつも、上から目線で投入する「革新的」なCセグを超越したスポーツカーです。そういうの(300ps&MT)だったら既にメガーヌR.S.があるじゃん!という指摘もあるわけですが、「日産ルノーこそが正しい!」からそのシーンを盛り上げていこう!とわざわざNAエンジンを放り出してまで、typeRをメガーヌR.S.のライバルに仕立て上げたわけです。

  ホンダとしてはかつてのライバルだったアルファロメオが、いつの間にか「4C」という軽量スポーツカーを出し、「ロータス」とライバル関係になり「新たな恋」を燃え上がらせているのに驚いたのかもしれません。やはりライバルがいないと、とてもじゃないですがスポーツカーが売ることができない時代です。それに世界中のどこを探してもtypeRの高回転NAに勝負を挑んできてくれるスポーツメーカーなんていませんし、今後も現れないでしょうし・・・(MのRタリーに僅かな期待はあるけど)。


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2014年3月31日月曜日

フォード・フィエスタ 「エコブーストを日本で!という熱意」

  どのくらい本気なのかわからないのですが、フォードが欧州で展開しているコンパクト(Bセグ)を日本で再発売しました。まあとりあえず「ツッコミどころが満載」のクルマで、結論の早い日本市場ではどうやら「フロントアウト(却下!)」が濃厚な気配があります。ただ個人的な意見としては、これだけ「個性的」な小型車はぜひ長く日本市場で売り続けられてほしいなと思ったりします。購入の可能性はそれほど高くはないですが、ゼロでもないので。

  さて「フォード・フィエスタ」のツッコミどころを幾つか挙げてみましょう。まず1Lターボ(エコブーズト)で「229万円」というなかなか受け入れ難い価格設定。マークXやレガシィが買える!なんて余計なことは言う必要はないでしょうけど、とりあえずメーカーのやる気(売る気)を疑うレベルではあります。そもそもフォードブランドには馴染みが薄いという若い世代にとっては、価格はともかくとしても、いきなりこのクルマに踏み込むのはハードルが高過ぎます。欧州フォードという日本での実績も乏しいメーカーのクルマですから、イメージを膨らませて高いテンションでディーラーに乗り込む人なんて、単なるクルママニアに過ぎず、市場としては無視して考えるレベルです。

  そして、この1〜2年日本市場のこのセグメントで活躍している輸入車といえば、プジョーやシトロエン、ルノーといったフランス勢が目立ちます。プジョー208、シトロエンDS3、ルノールーテシアの3者は高いレベルでデザインを争っていて、これらに注目するいわゆる「オシャレ」に重きを置くユーザー達の眼はとても肥えてきています。そこにやや武骨な「フィエスタ」が並ぶと、残念ながら「なんか違うな〜・・・」という率直な感想が出て来るのも無理はないです。

  さらに最近のフランス勢はこれまであまり良い評判を得られなかったエンジン&ATを一新していて、デザインだけでなくクルマ全体としての良いもの感を出しています。ルノーは同グループの日産のエンジンを、PSA(プジョー=シトロエン)は提携相手のBMW製のエンジンを使っています。北米で火花を散らす「日産 vs BMW」の代理戦争が「小型フランス車」というマニアックなジャンルへも飛び火しています。

  さらに「Bセグ」といったら本来は日本車が最も実力を発揮する分野。やや没個性で面白みがないヴィッツとマーチはともかく、「フィット」「スイフト」「デミオ」の"三大"日本車Bセグが国内市場にはひしめいています。ホンダの神髄と言える「フィット」。GMとVWの2つの巨大グループの小型車に技術が供与されたスズキの看板「スイフト」。そしてフォードに技術提供されたマツダの大ヒットコンパクト「デミオ」。どれも世界のBセグの先駆的存在。このフィエスタもデミオの設計をベースに作られているわけです。

  まあいきなりフィエスタが入ってきて、スマッシュヒットを飛ばせるほど甘い市場ではないです。ゴルフであれだけ実績があったVWですら、わずか149万円のup!が思ったほど売れませんでした。まあちょっと考えればフィエスタの日本での前途はとても悲観的なものなんですが、盤石に見える日本市場のBセグも「変わり映えがしない」という退屈感があるのもまた事実です。売上上位のアクア、フィット、ノートを見ても「真面目に作り過ぎ」ている気もしないでもないです。いまいちプライベートカーとしての魅力が薄い。

  日本市場ばかり見ていると、Bセグに「燃費」と「パッケージング効率」以外は求めてはいけないといった脅迫観念すら浮かんできます。「アクアにオープンカー?そんなものはいらねぇ」で切り捨てられて、それが「常識」となっているわけですが、そんな時ふと、オペルの「アダム」というBセグ車なんかが新鮮に見えてくるわけです。このフィエスタに関しても同様で、「このクルマは楽しそうかも?」という気がふつふつと湧いてきます。聞こえてくる情報は欧州クラスナンバー1の実績と、上のクラスを凌駕するハンドリング性能・・・。なんだかアクア、フィット、ノートの現実を突き破る突風となることを期待したくなりませんか?

  フォードというメーカーは、同じアメリカのGMと比べると中型/小型車を納得いくな価格で提供するスタイル。言うならばアメリカ版のスバル/マツダ。もちろん規模は断然に大きいですけど。基本的には同じクラスの中では一番のクルマを目指して設計するのがポリシーです。たとえ馴染みがなくてもマツダと共同で開発したコンポーネンツも多数あり、評論家によっては日本車に近い乗り味と評する人も!(だってマツダ車と同じだもの)。

  確かにデミオ1.5Lスポルトと比べると割高な印象は拭えませんが、日本中で見られるデミオと、おそらくほとんど出会わないレベルでしか出回らないフィエスタでは、所有する満足感もだいぶ変わってきます。約60万円の価格差がありますが、自動ブレーキまで標準であることや、内装の質感やシートの良さでデミオをかなり(いくらか)上回っていることを考えれば、それほど無謀な買い物ではないと思います。デミオのコスパが良すぎる(日本車トップレベル)。

  小さなクルマはどうしても「女性向け」の印象があり、男性にとってはやや心理的負担を感じるようですが、もはや「男性向け」「女性向け」というのはナンセンスで、アメリカではフォード・マスタングコンバーチブルのメインユーザーは女性だと言われています。こうなってくると「女性向け」ではないクルマなんて無いといってもいいくらいです。マスタングコンバーチブルなんて全車8気筒エンジンなわけですから・・・。




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2014年3月13日木曜日

VW・ザ・ビートルターボ 「日本車にはない◯◯」

  どうしても捨てきれないクルマへの先入観というのは誰にでも多少はあると思います。特に小型車への「偏見」というのは根深いものがあって、あまり語らないようにはしていました。それが最近になってデカいクルマというのも大して褒められたものじゃないなという思いが湧いてきて、「いいクルマ」ってなんだろうと自問自答の日々を悶々と過ごすうちに、思いついた結論が「やりたいことがやれるクルマ」。

  東京に住んでいるとなんとなく選んでしまうのが、やや大きめのクルマです。まあ主な用途が行楽・デートですから、簡素なスポーツカーでは役不足すぎなんですよね。しかも休日の日中にでも出掛けようものなら、ストレス満載の渋滞に見舞われます。小排気量やダウンサイジングターボの小型車だと出足だけでイライラしてしまうのでもう最悪です。あと車内に缶詰にされるので、居住空間が確保されていてシートがゆったりしていて、周囲の騒音が入ってこない高い防音性が何よりも有り難く感じます。


  まあとにかく全てがマッドネスなんですね。いくら快適でもさすがに時間がもったいないので、休日ドライブはもっぱら早朝or深夜を好むようになりますし、日中の東京湾アクアラインなんて通行料のムダでしかない混みっぷりにウンザリします。走るところも山間部が圧倒的に多くなりました。そうなるとまあ絶対に「大きめのクルマ」じゃなくても良い事に気がつきます。それに人里離れた山間部にデカいセダンで乗り込むのもなんだか不粋な気が・・・。新型アテンザとか新型スカイラインとかやたらと大きくて気が引けます。

  かといって日本車のCセグは・・・ちょっと大衆車であることを意識し過ぎていて、所有する楽しみだとか、クルマとしての「荒々しさ」みたいな魅力がやや希薄です。WRX STIやMSアクセラはなんだかスポーツ的な「ガチ」感と色気の無さが致命的・・・。もちろん何かと話題の欧州Cセグなんかもっと最悪でお金のムダとしか思わないです。まあ全部のクルマに乗ったわけではありませんが、日本の都市のマッドネスにやられた「心」の隙間を埋めてくれるクルマは案外少ないものです。

  前置きが長〜くなってしまいましが、「クルマとしての存在感」「満足できるスペック」そしてなにより「ドライブを楽しめる」これらを満たしたクルマの1つとして浮上するのが、VWが去年の終わりに発売した「ザ・ビートル・ターボ」です。やはり「満足できるスペック」をしっかり満たすならば、レヴォーグの1.6Lターボなどよりも、ゴルフGTIから移植された2.0Lターボです。なんだかんだ言ってもVWのユニットでクルマ文化が成熟した市場の全てで納得の評価を得ているのは、このエンジンとそれ以上の排気量のものなんですよね。

  平坦路を無限ループするだけのクルマならば、どんなエンジン積んでてもいいと思うのですけど、やはりクルマで大きく行動半径を拡げたい人にとっては2Lというのは譲れないライン。いままでこのザ・ビートルの2ドアの個性的なボディに興味があってもエンジンが・・・という淋しい結末だったワケですが、VWが「遊び心」でこのクルマを作ってくれたことに1人のクルマ好きとして素直に「感激」します。ちょっと乱暴な言い方すると、このクルマ見て何も感じない人はちょっとオカシイのでは?

  ゴルフGTIよりも軽いボディにそのままエンジンを載っけてしまう「遊び心」。近頃の欧州ではGTRのエンジンを載せた〇〇というのが次々に登場しているようですが、1000万円こえちゃったら「遊び」感覚じゃ乗れないです。GTIよりも安い価格に抑えるところが「肝」ですね。アクセラXDもこれと同じかと思いましたが、「セット商法」で単価を無理矢理引き上げるところがイマイチでした。日本メーカーにはそもそも「趣味性の高い」エンジンが多くありませんし、新型スカイラインのHVをシルフィに積んでも何も面白くないですよね・・・。そういう見方をしていけば、このザ・ビートル・ターボはとても価値のある存在と言えるでしょう。



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2014年3月6日木曜日

アクセラXD 「マツダ・ラグジュアリー・ホットハッチ・スペシャル」

  もはやアクセラは「ファミリア」ではないですよ!というのがマツダの最大のメッセージですかね。先代と比べて一番スポイルされたのが「ファミリーカー」としての適正のようで、明らかに独身の男性・女性をメインターゲットにしたクルマになっています。いまさらCセグハッチバックでいくら頑張ってもトヨタの好パッケージのファミリーカー(ラクティスやシエンタ)には勝てませんからね・・・。

  そのマツダの意図はしっかりと暗黙の了解の中で多くの評論家に伝わっているようで、試乗した誰もがハッキリと感じる「狭い」という感想を表立って批判の材料にするケースはほとんどなかったです。まあ某雑誌で行われている「喜怒哀楽」というコーナーには、ゴルフとアクセラの対比を強調しておきながら、アクセラだけにファミリーカーの足枷を履かせたカス評論家が登場しましたが・・・。ヤツらの満点評価のゴルフ7と同じ車幅になっただけなのに、「これ以上大きくなったらあかんで!(松下宏)」って・・・。

  それでも新型アクセラはマツダの「リアリティ」を全身に感じる、なかなか鬼気迫る傑作車に仕上がりました。ベースグレードの1.5LのNAと聞けばファミリーカー専用のイメージすら湧きますが、評論家のレビューの沸点がこのグレードのMT車に集中。特に「ファミリア」とか言い出さない比較的若い評論家が次々と絶賛していてマツダの戦略はもの凄い精度で的を得ているのが解ります。

  見事に1.5Lのイメージを大きく変えつつも、2LもHVも独自の価値観をもったクルマへ味付けをし、さらに2LにMTを追加してまるで欧州市場のブランドのような細やかなグレード分けを日本に持ち込んでいます。BMWのドイツのラインナップとスペック表を見るのは本当に飽きないですよ。ガソリンもディーゼルもたくさん種類があって、「予算に応じてどれでも選べます」ですからね。日本のBMWでは味わえない魅力を感じます。マツダは今回、そういう商習慣を部分的ながらも日本に持ち込んで、クルマファンに訴えようとしてますね。

  その「欧州型」戦略の目玉となったのが年明けに試乗が始まったアクセラXD。なかなか誤解されやすいクルマだから、マツダとしてはしっかりと「298.2万円」というハードルを用意して「よく考えてください」と親切に言ってくれています。現実はアテンザXDとの価格差を少なくする狙いがあるようですが、ナビやルーフなどを標準装備しているので、実際の本体価格は250万円程度で適正価格と言えます。

  ただ現実問題として、ディーゼルにはイメージと現実に相当な溝があることも確かです。アテンザXDもそうですが、実に様々なことを押し付けてきます。つまり「妥協しろ」の連続なんですよね。たしかに40kg・mというトルクは魅力かもしれないですけど、同時にそれはミッションやタイヤ、ボディに不必要なまでの負荷をかけることになりますから、クルマ自体の消耗がもの凄いスピードで進行することを意味します。

  マツダは日本車メーカーのはしくれですから、ディーゼル車の負荷に耐えるための高剛性化が施されていますが、エンジンの重量増分も合わせれば今回のアクセラの魅力と言われる「軽快感」は相当に失われます。今や一般車レベルで最高レベルの剛性を誇る日産、ホンダ、スバル、マツダの4社でも不必要なディーゼルやターボ化はしないのに、平気で「低速トルク」とか謳っている欧州車なんて乗る気はまったく起きませんね・・・。せめてVWくらい車体に手を入れてから日本に持ってきてと言いたい。

  アテンザXDの時は試乗前のアイドリング状態ですでに買う気が失せてしまいました。ユーザーを否定するつもりはありませんが、私の中で高級サルーン路線に舵を切ったアテンザがこれでいいのか?という葛藤がありました。ガソリンモデルは、乗り込んでドアを閉めるだけで「これ欲しい!」と思えるクルマだったはずなのに、ディーゼルに変わっただけでその姿が豹変してしまいます。経済性を重要視するならば「デミオ」に乗ればいいわけですし、あの「加速」に対する憧れをあまり持たない人にとっては「何コレ?」です。

  じゃあアクセラXDになってどうなの?と言われると、クルマのイメージがアテンザよりもスポーティなので、確実に抵抗感は減ります。あくまで私の偏狭なイメージでは、アクセラXDが「絶対正義」だと言い切ります。マツダのディーゼルは確かに他社よりも静音設計に優れ、なんとか日本社会の好む「静寂」に耐えられるクルマにしようという努力は解るのですが、歩行者が多く歩くような場所で乗りたいとは思いません。

  余談ですが、BMW320dのアイドリングストップは本当に酷いです。一度近くで「ばきゅーん」とやられてからとてつもなく嫌いになりました。スカした顔して乗ってるドライバーは周りの歩行者のイライラを感じているのでしょうか?「うるせ〜な」って、怖いお兄さんにドア蹴られるレベルですよ。所詮はドイツ・バイエルンの田舎メーカーの発想なんて・・・。


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