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VW・T-ROC (2025年8月・欧州新型発表)

  輸入車が買いやすくなってきた 2019年に登場した初代T-ROCは、VWの期待通り欧州市場でSUV販売1位の座に到達した。日本市場では価格がネックとなっていたが、初代T-ROCのファイナルエディション「マイスター・ヴェルク」が販売中だ。現状で438万円のボトム価格を打ち破り、429万円〜でしかもシートヒーターが標準装備になっていてお得だ。VWもステランティスも日本市場では、価格競争力での生き残りを賭けていて、新型モデルはいずれも価格がしっかり抑え込まれていて、機能面やブランディングなど総合的に判断すれば、価格上昇が著しい日本車と比較して良い選択に思える。 2025年を目処に初代T-ROCの生産が終了される予定で、2026年から二代目に生産が切り替わる。MAZDA3の全長を僅かに縮めてCX-30を設計しているように、初代T-ROCもゴルフ7の全長を切り詰めたサイズになっていた。二代目T-ROCでは中国向け初代T-ROCと同じサイズに拡大されるようで、ゴルフ8よりも全長が長くなる。それでも4.3m程度なのでコンパクトだけど高速道路でしっかり走れるコンセプトは維持されそうだ。 トヨタ vs フォルクスワーゲン メルケル時代のVWは中国市場でシェアを伸ばし、欧州よりも東アジアの方が販売が多かったが、2025年は欧州で力強く復活し、欧州394万台、東アジア301万台で、「欧州メーカー」へと回帰している(台数はVWグループ全体)。欧州市場で攻勢を強めるHEVメーカー・トヨタの尖兵となっているのがカローラクロス、C-HRだが、これを迎撃するT-ROCとシュコダ・カミックは、トヨタのHEVが積極的にPRしない「グランドツーリング性能」および「走りの楽しさ」でユーザーに訴求している。 T-ROCにはトヨタのHEVが追従できない「2つの飛び道具」がある、1つは300ps級の性能を持つT-ROC・Rの設定で、アウディSQ2との共通設計で実現した。日本正規販売での価格は699万円で高価だが、高性能モデルは日本車でも相当に高くなっているので、同等のスペックの新車価格としては手頃である。トヨタも欧州市場を意識してレクサスLBXモリゾーRR(650万円)を導入して、HEVだけではない懐の深さを見せているが、「コンパクトSUV&ハイエンドスポーツ」というT-ROC・Rのコンセプトはトヨ...
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トヨタRAV4 (2025年12月FMC)

  30年で王座へ トヨタのRAV4がFMCで6代目となった。初代(1994年)と2代目(2000年)は、当時のカローラがベースで、今のヤリスクロスのサイズでしかなかった。3代目(2005年)と4代目(2013年・日本発売なし)では、カローラからアルファードまで幅広く統一規格化されたMCプラットフォームとなり、ショートボデー版が現行カローラクロスのサイズで、ロングボデー版が今のいわゆるミドルSUVのサイズとなった。2013年に日本向けハリアー(3代目)がMCプラットフォームとなり4代目RAV4に替わって販売された。 2018年登場の5代目(先代)からは、TNGAのKプラットフォームとなり、新設計のダイナミックフォースエンジン(日本2L、北米2.5L)も同時に投入され、大規模な刷新による新車効果でデビューから大人気となった。北米のSUVブームと重なり年間100万台を突破し、全車種で世界一の販売を誇る。そして新型となる6代目では、シャシー&エンジンの刷新もないので、日本仕様にも北米向け2.5L自然吸気が搭載されるなどの変更が期待されたが、予想を超える変化で中国仕様以外は全車HEV化された。 法規対応のFMCなのか!? 先代(5代目)は、日本以外にカナダ、中国、アメリカ、ロシアの5拠点で生産されていたが、新型は日本、カナダ、中国のみとなっていて、政情不安のロシアは予想通りだが、アメリカ・ケンタッキー州の工場は、日本向けに輸出できるモデルが割り当てられるのかもしれない。また先代では中国と日本で生産されていた2Lエンジンの非HEVモデルが日本から無くなったのも、2026年7月に迫る自動車サイバーセキュリティ法規制(日本)の猶予期間終了や、同じく2027年12月が期限のEUサイバー・レジリエンス法が関係してそうだ(欧州向けは日本生産)。 新型RAV4発表時に、車載ソフトウェアを統合管理する「アリーン」を初搭載することが発表された。従来のトヨタ車は1台のクルマの中で複数のOSによって分割制御されていたが、新興BEVメーカーで一般的に行われている統合管理するシステムを、HEVが主体のトヨタ車でも採用するということだ。条件付きハンズオフ自動運転で先行する日産、ホンダに対して、「アリーン」の採用で技術的に同程度あるいは優位に立つことができると思われる。将来的にはKINT...

ホンダCR-V e:HEV (2026年2月グレード追加)

  トランプが日本市場を救う!? 2026年2月からホンダがCR-Vのe:HEV車を日本市場に投入する。生産はオハイオ州のイーストビレッジ工場で、第二次トランプ政権の強引な政策を受けて、ホンダが北米生産車の日本向け輸出に舵を切った。トヨタ(カムリ、ハイランダー、タンドラ)、日産(パトロール)にも同じような動きがあり、日本の自動車産業の基盤が何だか変わりそうな2026年である。 CR-Vだけでなくソニーと共同開発した新型BEVのアフィーラもオハイオ州の工場で生産され、2027年に日本に導入する予定だと報道されている。北米生産車を日本に持ってくる流れが定着すれば、ハンドル位置を変えるのは手間だろうけど、アキュラのインテグラやTLXも日本に導入して、ポルシェの718ケイマンやパナメーラみたいなステージで売ればいいと思う。ホンダのe:HEV化戦略には逆行するけど、これはスポーツモデルだ!!と宣言すればいい。10速ATの技術力を日本でも見せつけて欲しい。 外国製フラッグシップ集結 CR-V・e:HEVの導入で、これまでは日本市場では影が薄かったけど、e:HEVに最適化されたホンダの重量級ファミリーモデルへの注目が高まることが期待される。中国製オデッセイと、タイ製アコードにアメリカ製CR-Vが加わり、グローバルで評価されるホンダのグランドツアラーがもっと認知されそうではある。ホンダが誇るSUV、セダン、ミニバンの3つのフラッグシップというだけで、クルマに詳しい人ならば、とりあえず「間違いない完成度のクルマ」であることはすぐに察する。 北米市場にはパイロット(これも日本導入の噂あり)のような規格外サイズのSUVが用意されているとはいえ、ホンダのフラッグシップがプレリュードを含めe:HEVで日本市場に全て揃った。価格帯でトヨタのクラウンやアルファードを想定しているので小粒な印象になってしまうが、ポルシェやBMWを部分的かもしれないが走りの質感で越えていく醍醐味こそが、日本で最後発ながら一流メーカーへと成長を遂げたホンダの本来の姿だ。 ホンダの本来の評価 3代目の北米版オデッセイは「ピープルムーバーのBMW」として2008年頃に北米で大ヒットした。3列シートでフロントに寄ったドライバーズポジションながら、BMW5シリーズのような操縦性と安定感を誇る「オンリーワ...

トヨタ・アクア (2025年9月・大規模MC)

  幸せなBセグ・カーライフ 休みの日に奥多摩や秩父周辺をドライブしていると、パワースポットを求めてだろうか、「練馬」「世田谷」「品川」「横浜」の「わ」ナンバーを多数見かける。若者が2〜3人で連れ立って乗ってくる定番のレンタカーはノートe-POWERとアクアが2大勢力のようだ。三峯神社、日原鍾乳洞などの首都圏の山間部に位置する名所へのアクセス道路は、対向車を処理する技術が必要な隘路もあるので、都心から往復200km近い行程を考えると燃費の良いコンパクトカーは向いている。 20歳そこそこの頃は、いつでも体調万全でパワースポットの霊言を感じることはなかった。しかし慢性的な病気と体力低下に悩まされる年になってみると、趣味として興じるサイクリングで得られる全能感と、ウイスキーと美食による解脱感とともに、ドライブ&パワースポットは仕事に疲れてモチベーションが低下した時の癒しの時間としてはコスト的にも手軽を実感している。奥多摩や秩父は有料道路なしの下道で行けるのも良い。 セグメント消滅の危機!? アクアの最軽量グレードが1120kg、同じくノートが1230kgで、高速道路での安全性を考えると1200kg以上の車重が好ましいのでノートに適性がありそうだが、e-POWERの高速燃費が非常に悪いのが玉に瑕だ。ヤリス、フィット、MAZDA2、スイフトも揃って1200kgを下回る車重なので、軽自動車ほどではないが、Bセグの高速巡航はオススメできない。 初代アクアは「プリウスC」として投入されていたが、近年はBセグ車は北米市場で販売されなくなっている。東南アジアや南米などもBセグのSUVが急速に進んでいて、道路事情が良い日本と欧州に向けた設計になっている。たとえトヨタであってもヤリス、アクアの次期モデル以降の継続には慎重にならざるを得ない。経済基盤のある国なので、価格と性能のバランスが取れたモデルなら、そこそこ安定した売り上げは見込める。 大ヒット車の後継はツラい 初代アクアの大ヒットは13年ほど前だったが、現行(2代目)になってから売り上げは伸び悩んでいる。2012年から5年連続で国内20万台超えを達成したが、現在は7〜8万台程度に落ち着いている。そんな中で2代目アクアは、先日のビッグマイナーチェンジで、214万円だったボトム価格が、一気に248万円まで...

BMW3シリーズ (2025年9月・50周年記念車)

  経済成長 石破首相の号令のもと、盛んに賃上げが叫ばれていて最高賃金も最低賃金も順調に上昇しているらしい。2010年代の中国で強烈な経済成長を支えてきたギグワーカーのマッチングアプリが、日本でも本格的に普及し始めた。東京ではタクシー、運送、配達で月収60万円稼げるようになり、家賃&駐車場も20万円が相場になってきている。この10年でBMW3シリーズの価格も500万円から700万円まで一気に上昇したが、ダイナミックな賃上げ&インフレの時代を象徴している。 50年で7世代の歴史を誇るBMW3シリーズは、大人気だった4代目(E90系)の頃に300万円台だったこともあり、現行(G20系)の価格設定はかなり市場の反感を買っている。E90系の頃はMAZDAデミオが98万円で販売されていて、それが現行のMAZDA2では170万円くらいまで上がっているのだから、インフレ率はBMWもMAZDAもほぼ同じだ。BMW車両も、MAZDA車の部品も円安の影響を受ける。 インフレが既存シリーズを破壊 3シリーズに限らず、VWゴルフ、メルセデスCクラス、トヨタクラウン、日産スカイライン、ホンダ・シビックなど50年にわたって車名が続くモデルは、車両価格の高騰で販売が難しくなっている。フェラーリやランボルギーニのように、FMCの度に車名を変えてしまった方が販売側は助かるかもしれない。唯一の例外と言えるトヨタ・カローラは徹底した低価格で人気だったが、HEVのみとなった今後はどうなるだろうか・・・・。 日本のBMWファンが直6を神格化してしまった。日本向け正規品だと5シリーズ(M5を除く)からは直6が廃止されたが、3シリーズにはM340iがギリギリ1000万円を下回る価格で設定されている。367psを快適に扱うためにXdrive (AWD) となっているようだが、ドイツ車のAWDは100万円以上割高になるのだから、もう少しデチューンしてFR版で200万円くらい安い価格設定があっても良さそうだ。 使いやすいグレード 雨や雪が多い日本では、各社がAWD技術を競って開発し、日本車ならばAWD化で20〜40万円程度しか価格差が出ない。スイスの一部の豪雪地域ではスバル車が異常な人気を誇るなど、AWD技術に関しては日本メーカーが欧州市場でも高く評価されている。ドイツメーカー...

ホンダ・プレリュード (2025年8月・情報公開)

3ドアクーペ 北米市場で販売されていたシビック・クーペの後継モデルが、新たに「プレリュード」に車名変更を機に日本市場にも投入されることになった。2016年で販売を終了したCR-Zが中古車市場でカルト的人気で乗り継がれていたことで、メーカー側も久々に3ドア車の国内発売を決めたようだ。学生でも購入できる廉価な中古CR-Zで、クルマの魅力にどっぷりハマった若者が、就職して給料も上がってきたタイミングであり、決して裕福なシニア専用マーケティングというわけではなさそうだ。 プレリュード、シティ、シビック、アコードクーペ、NSX、レジェンドクーペ、CR-X、ビート、インテグラ、シビッククーペ、S2000、CR-Z、S660・・・過去のホンダの2ドア&3ドア車はいずれも「名車」ばかりで、ホンダらしい徹底した作り込みが目立つ。これがホンダ四輪の歴史そのものだと言っても過言ではない。新型プレリュードが3ドアで新設計されたのは、この遺産を引き継いでホンダのブランド価値を示すために他ならない。ホンダの2ドア&3ドアはとりあえず買っておいて損はないと考えるユーザーも少なくないだろう。 低燃費ツアラー CR-ZはMTとCVTが用意されたが全車ハイブリッドで、モード燃費は20km/Lを超えていた。現状では中古車の車両価格は50万円ほどで、17km/Lくらいの実燃費で走ってくれるなら、とてもお財布に優しい。今年から好きに走っても17km/L(ハイオク)は余裕で越えるMT車に乗っているが、毎週のように200〜300kmのドライブに出掛けてしまうほど、ガソリン代の負担感はない。Bセグのコンパクトカーだけども、今のところ稼働率は非常に高くて予想以上に満足している。 MTが選べるICEだとBセグの燃費が群を抜いている。MTを断念してHEVならば同等の燃費をCセグ以上のツアラーで実現している。走りに定評があるシビックHEVのカーライフも、400万円を越える本体価格を支払ってしまえば、燃費の経済性と高額負担バイアスの相乗効果もあって市販車最高レベルの「買ってよかった」体験ができると思う。東京から関東地方の全域に行ける往復300〜400kmの長距離ドライブでも、17km/L、1L=170円で計算すると4000円以下で済む。 プリウスが辿り着けない領域 (価格) 外観が現行のプリ...

MAZDA・CX-5 (2025年7月・新型公開)

  スバル・フォレスターが人気で焦った!? MAZDAが欧州市場向けの新型CX-5を発表した。CX-60、70、80、90の新型4車種を一括企画で開発して順次投入して以来のMAZDAの自社開発の新型モデルということで、注目度は非常に高い。新型フォレスターが2023年11月に北米市場向けで発表された時は、日本ではカーメディアやYouTubeがこぞって紹介することはほとんどなかったのとは対照的である。注目度が高く動画で再生回数が多く稼げるMAZDAの新型車ということで、自動車系ユーチューバーにとっては追い風が吹いている!? 海外発表時はほとんど取り上げられなかったスバル・フォレスターであったが、1年半経過して日本発売となり、本体価格も大きく400万円越えしたにも関わらず日本市場でスマッシュヒットを遂げた。先代フォレスターは地味ながらもモデル末期になって海外市場での人気でリセールが急騰したり、海外メディアの「ムース・テスト」で好成績 (ポルシェ・マカンを圧倒) を収めたこともあって、コアなユーザーからの熱い支持を得ているようだ。さらに「ミドルSUV=高級車」という価値観の変化もあって幅広い年代から受注を得ているようだ。 ディーゼル廃止 すでにわかっていたことだけども、新型CX-5では2.2Lディーゼルエンジンが採用されない。欧州の排ガス規制に合わせるため、すでに欧州向けMAZDA3、CX-30も「2.5L・MHEV」への換装が完了している。今回発表された欧州向けにも同じユニットが搭載される。2.5L自然吸気を141hpにデチューンさせている。CX-60ほかの大型4モデルでは、新設計のシャシー、エンジン、ミッションが一度に投入され、MAZDAの「革新」モデルであったが、今回はシャシー、エンジン、ミッションは既存のもので、MAZDAの「伝統」「コンサバ」なモデルである。 2015年のNDロードスターでは、初代NA(1989年)への回帰を宣言したり、現在もロータリー駆動のスポーツカーの復活をほのめかすMAZDAは、トヨタや日産など他の日本メーカーとは逆のベクトルを持つ稀有なブランドだ。BMW、ポルシェ、フェラーリなど、ファンから「原点回帰」を求める声が上がる欧州の名門ブランドに近い存在だと言える。CX-60の登場よりも、CX-5の「コンサバ」なFMCの方にワクワクして...