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2026年1月27日火曜日

トヨタRAV4 (2025年12月FMC)

 

30年で王座へ

トヨタのRAV4がFMCで6代目となった。初代(1994年)と2代目(2000年)は、当時のカローラがベースで、今のヤリスクロスのサイズでしかなかった。3代目(2005年)と4代目(2013年・日本発売なし)では、カローラからアルファードまで幅広く統一規格化されたMCプラットフォームとなり、ショートボデー版が現行カローラクロスのサイズで、ロングボデー版が今のいわゆるミドルSUVのサイズとなった。2013年に日本向けハリアー(3代目)がMCプラットフォームとなり4代目RAV4に替わって販売された。


2018年登場の5代目(先代)からは、TNGAのKプラットフォームとなり、新設計のダイナミックフォースエンジン(日本2L、北米2.5L)も同時に投入され、大規模な刷新による新車効果でデビューから大人気となった。北米のSUVブームと重なり年間100万台を突破し、全車種で世界一の販売を誇る。そして新型となる6代目では、シャシー&エンジンの刷新もないので、日本仕様にも北米向け2.5L自然吸気が搭載されるなどの変更が期待されたが、予想を超える変化で中国仕様以外は全車HEV化された。


法規対応のFMCなのか!?

先代(5代目)は、日本以外にカナダ、中国、アメリカ、ロシアの5拠点で生産されていたが、新型は日本、カナダ、中国のみとなっていて、政情不安のロシアは予想通りだが、アメリカ・ケンタッキー州の工場は、日本向けに輸出できるモデルが割り当てられるのかもしれない。また先代では中国と日本で生産されていた2Lエンジンの非HEVモデルが日本から無くなったのも、2026年7月に迫る自動車サイバーセキュリティ法規制(日本)の猶予期間終了や、同じく2027年12月が期限のEUサイバー・レジリエンス法が関係してそうだ(欧州向けは日本生産)。


新型RAV4発表時に、車載ソフトウェアを統合管理する「アリーン」を初搭載することが発表された。従来のトヨタ車は1台のクルマの中で複数のOSによって分割制御されていたが、新興BEVメーカーで一般的に行われている統合管理するシステムを、HEVが主体のトヨタ車でも採用するということだ。条件付きハンズオフ自動運転で先行する日産、ホンダに対して、「アリーン」の採用で技術的に同程度あるいは優位に立つことができると思われる。将来的にはKINTOで下取りしたアリーン車をロボタクシーに転用するなどの流通を考えているのかもしれない。



強気な価格

HEVが先に発表され、PHEVも予告されているが価格は未定だ。HEVはエクステリアが2種類あり、北米トヨタっぽいクールなイメチェン仕様が「標準車」で、先代の面影を残すコンサバ仕様が「アドベンチャー」となっている。乗り出し500万円越えで、ちょっと前のレクサスNXみたいな価格になっていて、さすがに販売台数は減るだろうが、フロントマスク部分だけとはいえ2パターンのデザインを作ってくるトヨタの「ユーザーが喜ぶクルマを作ろう」という心意気が素晴らしい(ハリアー廃止フラグか!?)。


現状では「アドベンチャー」の450万円が最廉価モデルとなる。一足先に発売された現行フォレスターのS:HEVは420万円〜の設定だが、スバルではこの10年で最大級の初期オーダー数を記録したらしい。フォレスターが縦置きでモード燃費18.8km/Lに留まるのに対して、RAV4は22.9km/Lなのが強気の価格設定の理由だろうか。トヨタのE-FOURの燃費に対して、スバルのシンメトリカルAWDの低重心エンジンと最適化されたミッションが自慢で、トヨタとスバルのクルマ作りの分岐が明確となっていて面白い。



初期は尖っていた

RAV4とフォレスターは現在のようなSUV全盛期(2015年頃)のかなり前から継続して生産されているシリーズだ。両車ともに初期モデルは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」の名に相応しいグレードが用意されていて、初代RAV4には2L自然吸気の3S-GEをヤマハがチューンして180psまで引き上げ、車重がわずか1180kgに抑えられたモデルがあった。フォレスターにも初代から4代目まで280psの2Lターボ(EJ20、FA20)が設定されていた。どちらも復活させたら人気になりそうだが、前述のようにRAV4はボデーサイズがもはや別物だ。


ハイオク指定で7〜9km/L程度となるカリカリのスポーツエンジンを、車重が嵩むSUVに搭載するグレードは、ガソリン価格が底なしに上がる環境で量産車としては商品力を失ってしまう。軽量なロードカーこそがスポーツカーであるべきとの信念を持つホンダとMAZDAが、ファミリーカー(ミニバンの代替)としてSUVを手掛けるようになり大きな成功(ヴェゼル & CX-5)を収める。SUVの先駆的存在だったRAV4やフォレスターが、それぞれ5代目となる先代モデルからホンダ、MAZDAの成功に乗っかる形で、現行のTHSによるミドルSUVとなった。



ミドルSUVの上位価格

生まれ変わったRAV4とフォレスターは、それぞれトヨタとスバルのグローバルでの最量販モデルとなっている。VWはティグアン、日産はローグ(エクストレイル)、ホンダはCR-V、MAZDAはCX-5で、北米市場に参入している日独のメジャー志向のメーカーは全て同じ傾向が見られる。よくカーメディアやユーチューバーが、「CX-5はMAZDAの生命線」とステレオタイプに表現するが、他のメーカーにおいても状況は似たようなものだ。


新型RAV4がデビューする前に、トヨタはクラウンのシリーズ大変革とグローバル展開を実行した。ブランドの威信を賭けたフラッグシップ大刷新という決断は、停滞する業界内でトヨタだけが唯一大きく「動ける」ことを示した。RAV4が属するミドルSUVは良くも悪くも横並びで販売シェアを大きく取っているが、その状況下でクラウンがミドルSUVより上の価格帯で、北米伝統のピックアップや、各国の政府需要も多いラダーフレーム(ランクル、トライトン)を除いて、10万台単位の個人向け販売を成功させるのはトヨタとはいえ至難の技だ。



クラウンと同等の設計

クラウンシリーズは、ミドルSUVでは現時点で採用例がない21インチのタイヤを使用して外観で差別化をし、全車HEV化でこれまで高級車が成し得なかった優秀な燃費性能が与えられ、静粛性、ソフトな乗り心地が作り込まれ、さらにHEVの弱点と言われてきたトランスミッションの改良も大幅に進んだ。ミドルSUV群の上位モデルを求める高所得層は、有名ブランドの記号的価値で動いてしまう。高価格帯モデルをユーザーの不満が出ないクルマを作れてしまうのは大衆ブランドではトヨタだけかもしれない。


刷新されたクラウンの後から、同じKプラットフォームを使う新型RAV4が出てくる。さすがにリアサスやミッションなど諸元表に示されるスペックでは差別化されるが、パラメータで出てこない静粛性や乗り心地の部分でRAV4へ技術が降りてくる。実際にトヨタが得意な〇〇%向上しましたが、今回のFMCでも多数発表されている。パワーユニットもクラウン(セダンを除く)の販売経験からHEVとPHEVのみの設定で可能だと判断したようだ。前述の通り北米もHEV、PHEVのみで、中国だけ2Lガソリンが継続する。



トヨタらしくない無敵な雰囲気

トヨタにとって絶対に失敗できないRAV4であるが、先代のように400万円以下の乗り出しに抑えたいユーザーには、HEVのカローラクロスが用意されていて、先代RAV4からクラウン、ランクル250、レクサスへステップアップするユーザーに決断を迫るように価格帯を上げてきた。とはいえ、先代からの乗り換えはHEVの場合はリセールも良いので、新型へと更新する場合でも追い金は200万円以下に収まるだろう。


乗り心地には好き嫌いがあるだろうけど、トヨタはすでにミドルSUVとその上位モデル向けの様々な機能をカタチにしている。先代RAV4では、ホンダのシャシー&エンジンを研究し、MAZDAのクルマ作りを会長の号令のもと分析した綿密な開発戦略によって世界一になった。非HEV車が無くなったとはいえ、大きな変更はないのだからトヨタの中では安心して選べるモデルだと言える。あまりの販売の強さゆえにがミドルSUV市場を破壊するかもしれないが・・・。


後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2026年1月27日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する 自動車 メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。


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トヨタ・RAV4 最善か無か マウンテンゴリラのカーライフ


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2026年版 間違いだらけのクルマ選び









2025年10月22日水曜日

トヨタ・アクア (2025年9月・大規模MC)



 

幸せなBセグ・カーライフ

休みの日に奥多摩や秩父周辺をドライブしていると、パワースポットを求めてだろうか、「練馬」「世田谷」「品川」「横浜」の「わ」ナンバーを多数見かける。若者が2〜3人で連れ立って乗ってくる定番のレンタカーはノートe-POWERとアクアが2大勢力のようだ。三峯神社、日原鍾乳洞などの首都圏の山間部に位置する名所へのアクセス道路は、対向車を処理する技術が必要な隘路もあるので、都心から往復200km近い行程を考えると燃費の良いコンパクトカーは向いている。


20歳そこそこの頃は、いつでも体調万全でパワースポットの霊言を感じることはなかった。しかし慢性的な病気と体力低下に悩まされる年になってみると、趣味として興じるサイクリングで得られる全能感と、ウイスキーと美食による解脱感とともに、ドライブ&パワースポットは仕事に疲れてモチベーションが低下した時の癒しの時間としてはコスト的にも手軽を実感している。奥多摩や秩父は有料道路なしの下道で行けるのも良い。



セグメント消滅の危機!?

アクアの最軽量グレードが1120kg、同じくノートが1230kgで、高速道路での安全性を考えると1200kg以上の車重が好ましいのでノートに適性がありそうだが、e-POWERの高速燃費が非常に悪いのが玉に瑕だ。ヤリス、フィット、MAZDA2、スイフトも揃って1200kgを下回る車重なので、軽自動車ほどではないが、Bセグの高速巡航はオススメできない。


初代アクアは「プリウスC」として投入されていたが、近年はBセグ車は北米市場で販売されなくなっている。東南アジアや南米などもBセグのSUVが急速に進んでいて、道路事情が良い日本と欧州に向けた設計になっている。たとえトヨタであってもヤリス、アクアの次期モデル以降の継続には慎重にならざるを得ない。経済基盤のある国なので、価格と性能のバランスが取れたモデルなら、そこそこ安定した売り上げは見込める。



大ヒット車の後継はツラい

初代アクアの大ヒットは13年ほど前だったが、現行(2代目)になってから売り上げは伸び悩んでいる。2012年から5年連続で国内20万台超えを達成したが、現在は7〜8万台程度に落ち着いている。そんな中で2代目アクアは、先日のビッグマイナーチェンジで、214万円だったボトム価格が、一気に248万円まで上昇した。初代と比べて売れなかったため、予定していた利益率を調整してきたのかもしれない。


先代モデルはコンパクトカーのデザインとしては傑作の部類に入るもので、デビューからのスマッシュヒットも納得である。しかし2代目アクアでは、コンパクトカーの本場である欧州のデザインを意識し過ぎた感があり、往年のイタリア車、フランス車の大衆モデルにありがちな全体のバランスが整っていない感じが出てしまっていた。デザインの好みは人それぞれではあるが、個人的にはレンタカーで乗るには良いけど、所有するクルマとしては敬遠したい。



トヨタの修正力

2021年の発売当初のモード燃費30km / L級のHEVが214万円はトヨタらしい魅力的な価格設定だ。しかし50万円ほど安い非HEVのヤリス、スイフト、MAZDA2の20km / Lでも十分な燃費ではある。さらに自動車税が大幅に優遇されている軽自動車もあるので、地方のクルマ社会で生活する高齢ユーザーにとっては、2代目アクアは負担感があって選びにくいのだろう。この10年で初代とは販売環境が大きく変わっている。


市場の変化を察知してすぐに方針を切り替える柔軟性がトヨタの強みなのだろう。5代目プリウスに寄せたデザインに変わり、前面はまるで別のクルマになった。エンジン車時代のデザインからBEV時代のデザインにアップデートされたが、米国市場に再投入されるのかもしれない。日本市場では248万円(Xグレード)への価格上昇によって、227万円のカローラ(Xグレード・HEV)と価格が逆転している。



クルマ好きのためのアクア!?

ヤリスとカローラの「ベーシックカー・ラインナップ」に対して、アクアとプリウスは「スペシャルティカー・ラインナップ」となっていて、様々な顧客ニーズに応えたいのだろう。なるべく安く250万円以下に抑えたい人もいれば、周囲に「このサイズで400万円以上もしたよ〜」と言いたい人もいるわけだ。


SUV全盛の時代になって久しいが、ロードカーだけでこれだけの車種を揃えるトヨタの真似は、日産、ホンダ、MAZDA、スバルには到底無理だ。ヤリスとプリウスは国際標準モデルだが、アクアは現状では日本市場メインであり、カローラは日本市場専用ボデーを採用している。ロードカーで走る喜びを追求するユーザー向けに「GRスポーツ」グレードが設定され所有欲を満たせる。


不可逆的な進化

初代アクアが登場した頃、デミオ、スイフト、ヴィッツ、フィットは100万円そこそこの価格で売られていた。非HEV車であっても18km/Lくらいのモード燃費を叩き出していたBセグにHEVを搭載する意味はないのだけど、国内生産車の販売価格を200万円以上に押し上げたいメーカー側の理屈によって強行された。フィットHEV、ノートe-POWER、デミオXDがオーバースペックのBセグ車として後に続いた。


追従できない三菱自動車はコルトを諦め、逆輸入のミラージュを導入したがほとんど売れなかった。スズキ・スイフトも大きく販売を落とし、スイフトスポーツが主体となるモデルに変わってしまった。付加価値を付けたBセグ車が、引退世代(団塊世代)のニーズにうまくマッチした。これを先導したトヨタのマーケティングはやはり日本でトップなのだろう。



トヨタ VS 日産 勝負の現場

Bセグ車のレベルが上がってしまった現状から、再び2010年の100万円そこそこの「必要十分」なBセグへの回帰も可能だが、トヨタ・ヤリス(2021年欧州COTY受賞)が抑えてしまっている。トルコのルノー工場で生産される三菱コルト(1.6L、1.0Lターボ&6AT、6MTなど)が日本に導入されても良さそうだけど、あくまでMT好きの意見に過ぎない。


世界のどこよりもハイスペックな日本のBセグ市場は、MCされた2代目アクアから、更なるスペシャルティカー路線を進むのかもしれない。ディーゼルを放棄したMAZDA2は、BEV化して出直すことになりそうだ。日産ノートオーラ、アクア、GRヤリス (ATが追加された) によるハイエンドBセグ競争は、次の10年でどんな局面を迎えていくのだろう。この3台をみる限りBセグ車の魅力が上がっていることは間違いない。



後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2025年10月22日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する自動車メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。



資本主義が人類最高の発明である:グローバル化と自由市場が私たちを救う理由









2025年6月14日土曜日

カローラ クロス (2025年5月MC)

 

トヨタ最強の成長株

日本市場のカローラ・シリーズは、「セダン」、「ツーリング(ワゴン)」、「スポーツ(ハッチバック)」、「クロス(SUV)」のグローバル4車種と5ナンバーの旧モデル国内専用2車種が設定されている。日本では「クロス」7000台 / 月、「ツーリング」3500台/ 月、「セダン」1000台 / 月、「スポーツ」1000台 / 月だそうで、確かにクロスとツーリングを見かける頻度が高い。4車種とも価格競争力は相当に高いけども、セダンやハッチバックは日本では人気がない。


これがアメリカ市場だと「ツーリング」以外の3車種、ドイツ市場だと「セダン」以外の3車種となる。日本の人気とはやや違っていて「スポーツ」と「クロス」の2車種がグローバルではシリーズの核となっている。北米市場では「スポーツ」にはHEVの設定がなく、「セダン」の非HEVモデルとともに、ブランドのボトム価格専用車として販売されているのに対して、「クロス」は2Lガソリン(169ps)と、他のシリーズにはない2LのHEV(196ps)の2ユニットが用意され、カローラシリーズの「主役」だ。



北米と欧州でもシェアを伸ばす

日本市場に「GRスポーツ」として導入されている2LのHEVは、北米市場では「クロス」の全HEVに搭載される。一方ドイツ市場では「スタイル」「ラウンジ」の上級仕様のみで採用される(ベースグレードは1.8LのHEV、非HEVはなし)。「クロス」のHEV車は、北米やドイツでは相互関税の影響もあってか450万円以上の価格で設定されている。日本市場のGRスポーツが389万円なので、まずは北米&ドイツに優先的に割り当てているのだろう。日本と同じく右ハンドルのイギリス市場では、なぜか「クロス」は導入されていない。


今回のビッグMCによってドイツ市場と同じく、日本市場でも全車HEV化が行われた。ガソリン車の廃止で平均単価は上昇し、販売面でも悪影響がありそうだが、「セダン」と「ツーリング」に関しては、すでに国内市場ではライバル不在の状況で、むしろガソリンモデルの割安感によって、トヨタの他のラインナップの価格設定に悪影響が出ていた。クラウンやハリアーなどの上位モデルとの価格差が開き過ぎたので是正したのだろう。



国内ではライバル不在

「スポーツ」のライバル車としては、MAZDA3ファストバックの1.5Lガソリンのお得なパッケージ「iセレクション」が230万円で設定されているが、HEVのカローラスポーツは248万円〜で、MAZDAと異なりトヨタではナビはオプション扱いで15万円ほど余計にかかる。それでも「スポーツ」の販売数は、元々から少ないので大勢に影響なしと考えたのだろう。いくら車格が同じとはいえ1.5Lのガソリン(MAZDA3)と、1.8LのHEV(カローラスポーツ)が同じ土俵というのも無理がある。


日本メーカーの国内向けCセグでは、MAZDA3セダン、インプレッサ、シビックに関しては、カローラとの価格競争はすでに諦めていて、走り・デザイン・質感といったクルマの価値で勝負している。カローラでのカーライフでは全く満足できないユーザーが一定数いて、これらのこだわり(車好き)ユーザーを3車で分け合っている。ワゴンに関しては、カローラツーリングの独壇場になっていて、ホンダもMAZDAもアメリカ市場で売れないワゴンの開発には興味を持てないようだ。



トヨタ VS ホンダ

ライバル不在でトヨタも頑張る必要がない「セダン」「スポーツ」「ツーリング」に対して、「クロス」は、現在の自動車業界の勢力構図に直結する「小型SUV」ということもあり、ホンダ・ヴェゼル、ホンダ・WR-V、MAZDA・CX-30、スバル・クロストレックなど各メーカーが最も勢力的に投資しているモデルとの際どい攻防は避けられない。日本市場で7000台 / 月のカローラクロスではあるが、同じく6000台 / 月のヴェゼルと3500台 / 月のWR-Vで対抗するホンダ勢に対して、やや劣勢という見方もできる。


ヴェゼルが好調に売れ続けているのに加えて、インドからの輸入にも関わらず3500台/ /月を売り上げてしまうWR-Vの大成功は、自動車業界全体に衝撃を与えている。適正価格であるならば、海外からの逆輸入でも十分に勝負ができてしまう。岩手県(トヨタ東日本)から、福岡県(トヨタ九州)まで、組み立て子会社を抱えて、日本の雇用を守ることを社是とするトヨタは、小型SUVの競争でホンダに遅れを取るわけにはいかない。



トヨタの仁義なきマーケティング

ホンダ陣営を切り崩すため、カローラ クロスにだけ特別にフロントマスクの変更などFMC級の大改良が施された。すでに国内生産のヴェゼルは、ボトムグレード(264万円)を除いて、全てHEV化を実現している。HEV比率は95%を超えるようだ。ヴェゼルのHEV最廉価グレードは288万円で、カローラ クロスのHEVは276万円なので、対ヴェゼルに関してはガソリン車を廃止しても大勢に影響はなさそうだ。


新たに投入されたインド生産のWR-Vは1.5L自然吸気(118ps)のみの設定で239万円〜となる。カローラ クロスでこの価格に張り合うのは無理があるので、カローラ ツーリングのHEVのスタート価格を249万円から235万円に引き下げる荒技でWR-Vよりも安い価格を実現している。さらにWR-Vより一回り小振りなボデーになるがヤリスクロスはガソリン車が190万円、HEVが229万円で、販売台数は4000台 / 月で、ユーザーをしっかり取り込んでいる。



利益率の改善

一方でカローラクロスも、賃上げ圧力が強まっている日本での生産を維持するためには単価を上げていく必要がある。生産を担当するトヨタ自動車東日本は、カローラ クロスは、ヤリス、ヤリスクロス、アクア、シエンタなどトヨタのラインナップの価格優位性を請け負う小型車の生産が多い。トヨタの国内生産拠点は他に直営4工場、トヨタ車体、トヨタ九州、ダイハツがあるが、トヨタ東日本とダイハツは利益率の低い車種を押し付けられている。トヨタ東日本にとってはカローラクロスの国内販売によっては、今後の死活問題となる。


元々はASEAN地域への戦略車として開発されたカローラクロスなので、日本とアメリカ以外に、タイ、中国、台湾、マレーシア、パキスタン、南アフリカ、ブラジルなど生産国は多岐に渡る。2021年に日本に導入され、ガソリンモデルは218万円という脅威の低価格で、あっという間に受注停止に追い込まれた。東南アジアからの輸入ではなく、日本生産を軌道に乗せるためのダインピング価格で話題作りを行い、IC不足を理由に3000台 / 月くらいに販売を抑えた。直近の半年ではそれが7000台 / 月となっているからトヨタの世論操縦は上手過ぎる。



ユーザーの囲い込みがエグい!!

HEVのみ276万円となったが、前期モデルのちょっと古くさいデザインは一新され、前期モデルを買った人や生産終了となったC-HRからの買い替え需要を掘り起こすのだろう。トヨタでは3年車検時での乗り換えのリセールはかなり良く、実際に売買した知人に聞いた金額であるが、カローラクロスもカローラツーリングも新車乗り出しから100万円も下がらないらしい。新たに導入された2L・HEVも単純にプリウスの販売不調でユニットが余ったという理由だけでなく、前期からの乗り換えを喚起するのにちょうど良い起爆剤なわけだ。


今時の新車販売は、徹底した理詰めの戦略でユーザーをごっそり獲得していくのだろうけど、カローラクロスの変貌ぶりは、トヨタのマーケティング戦略が他社を圧倒していることが、とてもよくわかる。北米市場では現地生産のカローラクロスの台頭で、日本から輸出していたC-HRとベンザ(ハリアー)の販売が終了した。相互関税の長期化によって、北米生産を行わないハリアーやC-HR(現行はトルコ生産のみ)の存在感は低下し、北米市場でも7万台 / 年を突破したカローラクロスがRAV4に続く第2のSUVとなっている。このクルマはどこまで成長していくのか!?今後の動向に注目したい。












2018年6月17日日曜日

トヨタ・クラウン(2018 年6月フルモデルチェンジ)


クラウン・リベンジ!!

  ここ数世代のクラウン開発の内側を描いたドキュメント本なんかが出たら是非に買って読んでみたいと思う。それくらいにモヤモヤしたものに包まれたまま終焉の時を迎えた現行モデル(14代目)でした。トヨタの経営が苦しい時期だったので、思い切った改革ができないまま、メーカーもファンもフラストレーションを貯めてきました。外野は言いたい放題だし、14代目よりも悲惨なドイツ車に乗ってる連中からもバカにされる始末・・・。


ゼロでスポーティに、そしてさらにスポーティに・・・なんか変

  2005年からのレクサスの日本導入が規定路線の中で、2003年に登場した12代目ゼロクラウンは、11代目までの国内専売の高級サルーン設計で、ひたすらに街中で「フワフワ」の乗り味を披露してきたクラウン、マーク2などのFRハイソカーを整理し、設計を一新して、グローバルで通用するFRサルーンへと転身しました。もちろんレクサスの日本・欧州展開を控えて、FRサルーンのベースシャシーとなるクラウンのシャシーを根本的に変える必要があったわけですが・・・。


島下泰久さんには鉄拳制裁があったのか!?

  13代目まではセルシオ(現レクサスLS)&マジェスタがクラウンの上のフラッグシップの座にありましたが、14代目のマジェスタは中国市場むけにロイヤルのボデーをストレッチした仕様にしか見えずに不人気に。さらにこの14代目クラウンは若造で生意気だけが取り柄の自動車ライター・島下泰久に著書(間違いだらけのクルマ選び)で「まっすぐ走らないクズ」とまで酷評される始末。実際はそんなことはあるはずもなく、島下氏の運転が下手過ぎるだけじゃないか!?という気がしないでもないが・・・。


奇形なボデーサイズだが・・・

  12/13代目と同じシャシーをそのまま使い回ししている14代目ですが、同じ2012年に登場した3代目アテンザが4860mmまでボデーを拡大することが判明した段階で、どうやら慌ててボデーサイズを変えたのでは!?と思われる『発売延期事件』がありました。2代目までのアテンザに対しては、マークXがほぼ同じサイズに設計するなどしてその名の通り「マーク」していたのですが、マツダの予想外の「マーク外し」で、13代目クラウンよりも全長、全幅が拡大した3代目アテンザに対して、14代目クラウンはEセグメントの格式を見せつけるべく設計変更がされたと思われます。


リーマンショックが生んだ名車ってことになるの!?

  当時はリーマンショックによって赤字を叩いていたため、トヨタにはクラウンを新設計する余裕がなかったこともあって、13代目のデザインもほぼそのまま流用。しかし何も変わらないのでは、乗り換え需要頼みのクラウンにとっては致命的であり、グリルデザインだけを大きくいじって差別化を図ったためにトータルデザインの『破綻』は、フラッグシップサルーンとしては致命的だったですね。運悪くアテンザがワールドデザインカーオブザイヤーのベスト3に選ばれて注目されたりしたので、クラウン開発の不手際が際立つ結果に。


トヨタとマツダのデザインの差

マツダのデザイナーによると、14代目クラウンと3代目アテンザのデザイン水準の根本的な違いには理由が3つあるそうで、1つ目はマツダが市場調査を廃止していて、試作車を一般ユーザーにみてもらって意見をフィードバックするという作業をやっていないこと。2つ目は長年スポーツカーを作り続けてきたマツダは、クレイモデラーのレベルが他社を圧倒していてデザイナーの仕事がしやすいこと。つまりトヨタはパソコン画面でデザインし、マツダはクレイモデルでデザインしている。そして3つ目はデザイナーの能力の絶対的な違い・・・なんだそうだ。


機は熟した

  島下泰久にディスられるのも仕方がないくらいに成り立ちが不自然過ぎた14代目のクラウンの設計の内幕はどーだったんですかね。色々と想像力を発揮してしまうところです。しかし世間に物笑いにされながらも、じっと辛抱したトヨタは、臥薪嘗胆が実り、いよいよ営業利益2兆円(マツダの売り上げに匹敵)の時代を迎えました。開発資金もたっぷり。その気になればイタリアの有名なカロッツァリアの1つや2つを丸ごと買うこともできる。


マツダの尻尾を掴む

  散々に恥をかかされたマツダに対しても、桁違いのカネを見せびらかして、グループ内に引き寄せて、ビジネスパートナーに収めてしまった(マツダの挑発的行為が実ったとも言える)。最近になってフォードが乗用車開発をやめてトラック&SUVに注力する方針を示しました。マツダが抜けた穴が全く埋められなかったようだ。北米進出を狙うマツダにとっては北米での販売チャンネルを手にいれる絶好のチャンスだったかもしれないが、トヨタとの北米共闘契約を今更に反故にすることもできないだろうし・・・。


予定通りのいいクルマ!?

「社長の熱意」「時間」「カネ」・・・いいクルマが生まれてくる全ての要素を満たしているここ数年のトヨタ。プリウスも発売を1年延期して、マツダが開発したアクセラHVの「ハイブリッドブレーキ」を完コピして「走りが劇的に良くなった」といった評価を得た。C-HR、カムリHVと新型モデルは続きましたが、これまでのハイブリッドが抱えていた「走り」においてネガティブな要素は、残るはCVTくらいになった。


欧州からのラブコールは来るのか!?

ハイブリッド、2Lターボ、さらに噂によると「GR」ブランドから3.5LのV6ツインターボによるスーパースポーツ版も出るらしい。460万円〜と言う価格帯ながら、すでにEクラスや5シリーズに完勝してしまうレベルに到達しているって話なので、14代目からの大幅値上げ(381万円→460万円)も、お買い得なクルマとして先代以上に売れるのだろうか!?ちなみに14代目は発売直後は月に5000台のペースで半年から1年売れ続け、末期になっても1000~2000台の水準は維持していました。とりあえず14代目と違ってちゃんと「高級車」に見えますね・・・。レヴォーグのように欧州市場からオファーが来るのか!?




 


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2018年6月5日火曜日

トヨタC-HRのMC 「スバル、マツダを圧倒した手際の良さ」



ベタだけど気合が入っていた

  2017年最大のヒット車だったトヨタC-HRに新グレードが追加されました。発売当初から割高な価格設定が指摘されていましたが、デザインのインパクトと、K沢先生に「ザックス!!」と言わせ続けた戦略が功を奏したのか売れに売れました。今も日本市場のSUVの販売のトップを快走。発売からの累計は日本市場だけで既に20万台で平均単価を考えれば6000億円の売り上げ。スバルやマツダが日本市場で稼ぐ1年分くらいってのがすごい。


トヨタの販売戦略

  プリウスのSUV版としての立ち位置なので、本来のプリウスの需要を確実に喰っているわけですが、同時に発売されている1.2Lターボのグレードは、今回のマイナーチェンジでFWDモデルが登場して一気に価格が下がるみたいです。『付加価値』バージョンで20万台あまりを売りさばいてからの、余裕を持っての廉価グレード投入は、発売1年後から値引き幅がどんどん大きくなる欧州車みたいな売り方です。マツダやスバルだと年次改良で価格は基本的に上がっていきますが、営業力に絶対の自信があるトヨタでは逆パターンになるようです。


局地戦に強いモデル

  営業力とかどーでもいいのですが、このC-HRの1.2Lターボは、なんだかフランスメーカーのPSAなどが社運をかけて作りそうな戦略車みたいな雰囲気があります。小洒落ていて個性的なボデーに、1.2Lターボのダウンサイジングユニットを積んでいる。トヨタもドイツ市場というよりは、フランス&イギリス市場を狙い撃ちにするのが当初からの予定だったのかも。アメリカ向けも全量輸出対応で4000台/月もあるのでそこそこ売れています。


トヨタのグローバル選抜チーム

  日本市場でトヨタというと、なかなか覚えきれないくらい車名があって、ポルテとかルーミーとかタンクとかよくわかんないクルマも結構ある。しかしグローバルでのトヨタは「主軸」モデルを選んで集中的に経営資源を投下していて、なぜか日本だけ発売されていないカローラセダンやRAV4だったり、カローラハッチバック(オーリス)、C-HR、プラド、プリウス、86、ハイラックスなどがほとんどの主要市場に投入されています。日本にもカローラセダンとRAV4の投入が計画されているようで、いよいよ日本市場もグローバルモデルへの置き換えがほぼ完了する見通しです。


トヨタのセンスの良さ

  トヨタがグローバルで売るモデルは、どれもキャラクターがハッキリしていて、ユーザーのマイカー・イメージを作りやすく工夫されています。「マイカー」っていうと昭和な香りがして古めかしい感じがするかもしれないが、今時のクルマ所有ってのはライフスタイルとの密接なイメージ共有が不可欠であり、昭和やバブルの残り香がただよう頃の「背伸び全開」のクルマ選びとは違っていて、例えばスポーツカーの86であっても、それは「プチリアイア世代」を意味したり、若年層の「修行時代」を意味したりするマイルドさが程よく織り込まれています。


トヨタは完全にVWの先を行っている

  タイやオーストラリア、アメリカをイメージしたライフスタイルならば、ハイラックスやRAV4、プラド所有がしっくりいくでしょうし、より都会的な洗練されたイメージを持っているのがプリウス、カローラ、C-HR。トヨタが展開する多くの国でこれらライフスタイルの共存が起こっていて、それらをリサーチしてグローバルモデルを緻密にデザインしています。そこに得意の技術を組み合わせて付加価値の高いモデルを作り、各市場でライバルを撃破する・・・やってることはVWがMQBで狙っている戦略そのままです。実際のところメディアの報道とは異なり、VWよりトヨタの方が一回り早く世界戦略を完成させていることがわかります。集約を完成させた結果の脅威的な利益率にそれが現れています。


C-HRは業界を刷新する破壊力

  このトヨタの「鉄壁」ラインナップを打ち破るには、トヨタを超える「ブランドイメージ」もしくは、「技術的アドバンテージ」のどちらかを武器に立ち向かうしかなさそう。マーケティングではおそらく勝ち目はないでしょうし。話は元に戻りますが、日本市場でスバルやマツダの1年分と同等の売り上げを出したC-HR。しかもスバルやマツダが最も得意とする中型車でそれをあっさりやってのけた・・・。しかもエンジンもシャシーも既存モデルの流用。主戦場でここまで鮮やかな仕事をされて、スバルやマツダにとっては顔に泥を塗られた格好です。


なぜXVは勝てないのか?

  ライバルとなる車格のスバルXVでは走行性能を担保する2Lガソリンモデルを中心に開発した。自然吸気ユニットとスバルがこだわるCVTのマッチングは洗練されているし、CセグSUVではまず負けることはないであろう上質な乗り味、ハンドリング、さらに最高レベルの衝突安全性を備えている。これだけ開発者がこだわっていて、よーいドン!!でほぼ同時期の発売で、C-HRに完敗って・・・。XVの設定はファンが考えるにスバルにしてはあまりに無難すぎたのかもしれない!?(これにFA20DITを積めというのか!?)




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2018年5月6日日曜日

トヨタ・新型カローラ・ハッチバック 『20年の集大成を見せてくれ!!』


カローラは誤解されている!?

  世界の頂点に立つトヨタ自動車。その中でも長い歴史を持つ「カローラ」という名称。日本市場のユーザーにはちょっと掴みにくいモデルですけども、ロサンゼルスで発表された新型カローラハッチバックは、今からほんの20年ほど前に次々と生まれたトヨタの新世代商品群の代表格であった「欧州カローラ」(日本名カローラランクス、ネッツアレックス)に端を発するシリーズです。ちなみに初代は18年前に免許を取って最初に乗ったクルマなので思い入れが相当にあります(その辺を割り引いて読んでください)。


万能ではないけど、ヘタレでもない

  初代から日本仕様のFFはリアサスがトーションビームだったので、平日朝の中央道を山梨方面に流れに沿って走るだけでも相当に怖かった思い出があります。追い越し車線に出るのもコツを掴むまではちょっと勇気が必要でした。当時は警察が裏金を作りまくっていたので、今ほど『罰金回収車』は稼働しておらず、クソ速い280psクラスのセダン、ワゴンが横を猛スピードですり抜けていた時代。190psのヤマハ製ユニットは素晴らしかったけど、2速で踏むといきなり直ドリに突入しそうな気配がプンプンしていて、免許取立てにはちょっと手に負えないモンスターでした。スペックは今度発売されるGRMNヴィッツと同等くらいで、車重は1100kgくらいだから怖くて当たり前ですが・・・。


ヘタレはNISSAN

  トヨタの新世代商品群は、21世紀のゼロクラウン、マークXより一足先に登場した世代で、中型車が多く、代表的なモデルは、カローラランクス(アレックス)、アルテッツァ、アベンシスそしてプリウス。その後ミニバンブームがやってきますが、この3車は生き残ったのに対して、セフィーロ(和田智)、プリメーラ(水野和敏)といった日産屈指の名車が敗れ去る結果に・・・。デザインは良かったけどエンジンで負けた!?


トヨタの中長期戦略は世界一だ

  トヨタも国内市場を寡占するために新世代商品群を用意したわけではなく、冷戦終結からの1993年のEU結成で本格的に活性化する欧州市場を狙った戦略車であることを当時は強調していました。欧州車を研究した跡が随所に見られるアルテッツァ、欧州カローラ、アベンシスはドイツなどでよく売れましたが、当時はプリウスに対する評価はさっぱりだったようです。今ではイタリアのタクシーといえばプリウスというほどポピュラーになってますけども。


トレンドのど真ん中に

  現行のオーリス(欧州カローラ)はあんまりカッコよくなかった(個人的な感想ですが)。シビックと並んでユーティリティを重視するのでデザインが難しいのだろう。マツダ・アクセラはユーティリティを多少犠牲にしてもデザインに走った結果、一部のカーメディアに「安物のくせに気取ってんじゃねー」と叩かれていたが、あのロングノーズ長の下にはスカイアクティブの肝になる4-2-1排気が収まっているという合理的な理由もあるのに、福野さんも西川さんも叩いていたな。同時期に出てきたAクラスにはその手の批判はなかったが・・・。


トヨタvs日産の・・・

  メガーヌがAクラス、アクセラ路線のロングノーズになって登場しましたが、トレードマークのアグレッシブなヘッドライトデザインが、新型カローラでも採用されているようです。パクリかもしれないですが、トヨタとしてはターゲットはゴルフではなくメガーヌだ!!とライバルを指名する意図もあったんじゃないかと思います。80年代、90年代はトヨタと日産が似たようなデザインのライバル車をお互いに開発して、他のメーカーを寄せ付けない人気を得ましたが、また再びトヨタvs日産の「マッチアップ戦略」が始まりそうな予感が・・・。


カローラとメガーヌの時代が来る!?

  日産の代理を務めるルノー・メガーヌは輸入車ですから、日本市場においてマクロで(新型カローラハッチバックを上回ることはないでしょうけど、ミクロの観点では、価格、性能、デザインなどの比較で引きつけるユーザーは出てくるのでは!? ミクロな現象が広まって突如としてマクロで観測されることも珍しくなくなった『ツイッター時代』。Cセグへの攻勢を強めるドイツのプレミアムブランド(真面目に良い車作れよ!!)も、アメリカや日本ではさっぱり売れなくなってきている。どっかのカーメディアがBMWが売れなくて新古車がたくさんある!!とネットで報じれば、そのコメント欄には5年前では考えられない光景が・・・みんな内心では思ってたんだね、BMWに定価通りの価値がないってことを。

ブレイドマスターは復活するのか!?

  カーメディアが歴史から抹殺しつつあるトヨタ車といえば、『トヨタ・ブレイド』。20年前に登場した初代カローラランクスの名称は1世代のみで終わり、次の世代ではオーリスとブレイドの2車種に分裂して存在。1.5L/1.8Lがオーリス、2.4L/3.5Lがブレイドに分けられました。ミニバン全盛の時代の上、トヨタにはアルテッツァ、セリカ、MR-Sなどスポーティな選択肢も多く、あまりメジャーな存在になれなかったけども、ゴルフR32を意識して、トヨタが本気でホットハッチを作った事実はもっと賞賛されるべきだと思うけど、カーメディアが描く『トヨタ像』とはイメージが乖離するせいかタブーにされている。

トヨタの新しい歴史を担う一台になりそうだ

  コアなカーエンスーに支持されてこそいるものの、名車ブレイドの無念さを、新型カローラハッチバックが少しは晴らしてくれるのではないか!?エスティマやアルファードで使われる横置き3.5Lエンジンは最大トルクの関係でトルコンATと組み合わされるが、車体剛性、足回りの質的向上など20年の進化をまざまざと見せつける1台になることを期待してます。

↓トヨタ版Vテックと言われる8000rpmレッドのカローラランクスZエアロ

ブログコメントで「ポロGTIに対抗できる日本車があるなら教えて!?」と言ってきたオッサンにコルトラリーアートと共に教えてやった。コメ欄で文句垂れてくる最近のオッサンは、かなりの確率でクルマのこと知らなねーんだよな・・・。一発レスですごすごと消えていく。

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2017年12月23日土曜日

トヨタ・ハイラックス(2017/9月日本導入)  愚民の妄想!?

クルマ=プリウスで決まりかけてた常識を覆す!?

  日本メーカーが一番たくさん生産しているクルマといえば、様々な地域で生産されるカローラやシビックなんですけども、国内生産が最も多いクルマは? 月度によって変化しますが、年間40万台超を実現しているのはプリウスとランクル。

  日本のヘビー過ぎる交通量にはHVは最強ツールなので、プリウスは単純に日本で売れるから多くて、全盛期のプリウスならば日本市場だけで年間40万台くらい売る勢いでした。渋滞が大っ嫌いで日中にクルマで出かけることなんてほぼ無い人にとっては、HVなんて正直どーでもいい。マツダがアクセラにHVを設定しても全然売れないのは当たり前!?だって走りが好きな奴と渋滞がない田舎モノしか買わないからさ。

  プリウスか?ゴルフか?の議論は完全に不毛でしたね。『走りの愉しさを捨てたHV』と『燃費詐欺のダウンサイジングターボ』どっちもクルマ音痴しか買わねーって。一時期は日本車で一番売れてるのがプリウスで輸入車が一番売れているのがゴルフだった。今更だけども日本人のマジョリティはクルマ音痴!?

かなりゾッコン・モードの人が多いようだ・・・

  プリウスとゴルフの「微々たる」誤差(どっちも儲け重視型だろ)を専門家が熱くなって語っている日本市場に、トヨタがピックアップトラックを持ってきました。いきなりなんなのー!!どういう風の吹きまわし!?・・・ハリアーに乗ってるユーザーから「飽きた!!もっと本格的なヤツが欲しい!!」とかわがままを言われたのか!? 確かにハリアーはアメ車テイスト漂うエクステリアしているけども、純然たる国内専用車ですからね。テイストがコルベットや911に似ているけど国内専売!!なんて珍車はさすがに無かったはず。

  3年も乗っていれば色々気がつくクルマではあると思います。色々と無理してプライシングしているクルマですし、ハリアーって値段の割に普通。エクストレイルかアウトランダーで良くないか!?って。もしくはハリアーの燃費が気に入らないという可能性も。ディーゼルのCX5を無視(マツダは絶対嫌だー!!)して、直4の自然吸気ガソリン車を買ったものの、CVTで引っ張っても10km/Lがやっとくらい。

  トヨタ自慢のハリアー・ハイブリッドはカムリ/クラウン用の上級版ユニット。ぼったくり設定というわけではないけども、AWDのみの設定でハイブリッドユニットとAWDのセットオプションで、基準車よりも約100万円高い。レクサスNXと価格が被ってるし・・・。




カムリよりもハイラックスで目覚める!?

  タイ製造のハイラックスですが、国沢光宏さん、島下泰久さんが「たぶん買う!!」みたいなこと言ってました。クルマ買うときのインスピレーションってこんな感じですよねー。このお二人が該当するわけではないですが、なかなかクルマ購入に踏ん切りがつかないタイプの人々を、あっさりと「撃ち抜く」インパクトがありそうです。

  特にカムリHVやシビックでも納得しなかった層には尚更にハマるのでは!? シビックはどうやらほぼMT需要がヒットを支えているようで、トヨタ(とスバル)が86の4ドア版をなかなか作らないので、潜在ユーザーがかなりあったみたいです。200ps近いユニットにMTを組み合わせるのがミソ。オーリスのMTは売れてねーし。

クルマ文化が変わり、働き方も変わる!?

  プロのライターが「即決」で欲しい!!って言ってしまうくらいだから、現行の日本車も輸入車も誰も言わないけど、実は相当につまらなかったのかなー。確かにアウディTTやポルシェ718ケイマンをコロがしてもな・・・10年ちょっと前に廃止された最終形セリカの2ZZ-GE車を探した方が絶対楽しいと思う。あるいはインテRとかさ。カーメディアの連中もドイツメーカーが作るどーでもいいスポーツカーを必死で褒めるけど、内心では「いらねー」って絶対思ってるよ。そしてハイラックスを前に本音が出た・・・。

  さてプリウスと並んで国内最大の生産規模を誇るランクルシリーズ。オードリー(芸人)の若林氏が「動く仮眠室」として使っているらしい。家になかなか帰れないくらい忙しい人にはかなりメリットがあるようです。荷物をたくさん積んで、横になれるスペースを確保してってなると、ハイエースが最強って気がしますが、さすがに業務色が強すぎて気分が盛り上がらないだろうし、ずっと荷物を乗せておくことを考えると、シャシーが強固で変形に強いラダーフレームの方が向いてる。そうなるとランクル、プラド、ハイラックスですねー。

ハイラックスは600年前のダイナミックな日本を蘇らせる!?

  1泊5000円くらいが相場になっている日本各地のビジネスホテルに1ヶ月滞在すると電気・水道など使い放題で15万円くらいで済みます。都内で12万円くらいの家賃払って、3万円の駐車場借りて、光熱費まで負担することを考えると・・・夢のホテル生活も全然アリじゃないか!!それくらい大都市の生活コストは高い。利権に関するコストは特に高い・・・地代、光熱費、電話プロバイダー、そしてNHK。毎月払っていると搾取されている自分を感じて気分が悪い。

  さっさと今の部屋を引き払って、ハイラックスを買って郊外にトランクルームと駐車場を借りる(合わせて1万以内でOK)。日常に必要なものはトノカバーをつけたラゲッジに積んでおく。仕事は・・・①フリー記者 ②各地で買い付けた珍品をアマゾンで販売 ③飲食店の買い付け代行 ④農家の販売代行 などなど。AIでは簡単にできないことを選んでやればいいのでは!?夏の山形でキングデラウェアを仕入れて東京に下ろすとかさ・・・。

  そのうち列島を「ハイラックス・ビジネス軍団」なるものが包みこんで、世の中が変わったら面白そうだ。みんな部屋を引き払うから家賃は下がり続ける。アベノミクスはデフレを抑えこむためにさらなる金融緩和。家賃は下がるけど、消費者物価指数は堅調で、野菜の価格は今よりももっと上がる。悲鳴をあげる飲食店からの依頼が舞い込んで買い付けビジネスも盛んになる!?

  『AI!!ビットコイン!!』と意味不明に騒ぐ奴らの目が醒めるといいですけども。AIに奪われるような仕事や、仮想通貨の類は、バ○が寄り集まって窮屈に過ごす都市部が生み出さざるを得ない「社会のウ○コ」みたいなもの。内閣官房長官が「あんなものはー」とか言ってるけども、あれはアベノミクスの副産物だろ(笑)。そんな無駄なことに人生を使いたくない人はハイラックスを買って、「車借」にでもなって600年前の人々が感じた『実体経済』の面白さを感じてみるのもいいかもしれないですねー。アフリカの一部地域ではこのクルマを使って『戦争ゴッコ』もするらしい。(ご決断は自己責任で行ってください)





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2017年7月12日水曜日

トヨタ・カムリHV 「セダン復権に異議あり!!」

  「セダンを復活させる」とトヨタが何やら息巻いています。それじゃあこのクルマが売れなかったらセダンは『完全終了』になるのかな!? ちょっと辛辣かもしれないですが、年配のセダンが好きなユーザーに共感してもらおう!!という、これまで通りの「口だけ」で終わりモード!?具体的には何かを仕掛けた痕が見られないのですが・・・。ちょっとアクの強いエクステリアはともかく、カラー7色の設定がどうも渋すぎる気が。若者目線で小綺麗に選ぶなら「ホワイト」「シルバー」の2通り。あとはもうシルバー向けだな・・・。

  まあカローラ店とトヨペット店の併売になって競争が激化するから値引きも頑張ってくれるんじゃないですかね!? 販売目標も2400台/月とかなり強気なので、それなりに勝算があるのだとは思うのですけども、果たしてこのクルマがスバル・レヴォーグ並みの大成功を収めることができるのか!?

  まだ試乗はできないのですけども、トヨタが掲げる「数字」の根拠はどこにあるんだろう!?そもそも一定数の乗り換え需要以外に、他からユーザーを引っ張ってくる要素があるのだろうか!? SUVがブラックホールのようにユーザーを吸い込んでいる中で、やがてその流行もパンクするだろうという目論見なんですかね。クルマ雑誌もしばしば「セダンの復権!!」とか偉そうに題して特集を組んでいますけども、書いている輩の興味はすでにスーパースポーツとかに偏っているせいか、気の利いた応援メッセージがなかなか出てこないです。セダンの良さを伝えられるライターがいないんじゃない!?読んでいてとにかく「セダン愛」を感じないのですよ。

  去年から今年にかけて、メルセデスEクラスとBMW5シリーズというセダンの二大スターが相次いでFMCしました。どちらも率直に『美しくなった』と感じますし、先代に比べればパワートレーンの選択肢も格段に増えました。あとはアメリカ並みに4万5000ドルくらいのリアルな価格で販売してくれれば・・・と思った人は、あと2年くらい待てば買えるチャンスもあるでしょう。実際にアテンザの最上級モデルやスカイラインに400万円以上使うくらいなら、2年待ったらいいと思います。

  Eクラスは足回りなどを大きくバージョンアップさせ、5シリーズはそれほど高価ではない価格帯でPHVを導入してきました。販売台数が右肩さがりだったメルセデス&BMWのEセグを立て直すのに十分な『配慮』をしています!!これだけやったならば堂々と『セダン復権』を宣言してもいいんじゃないか!?とは思うのですが、両陣営共に日本市場の購買力を完全に見くびっているようで、どちらもなんとも控えめな対応です。さびしーな。

  それに引き換え、新型カムリとはなんなのか!?TNGAを導入した!!はわかるんですが、このシャシーの性能を示すクルマは、現段階ではプリウスとC-HRだけなので、先代プリウスよりは良くなった!!SUVとしては立派なシャシー!!という一定の評価にはもちろん同意しますけども、D/Eセグクラスの『セダン』でその性能を存分に活躍できるのでしょうか!?案外に自信があって、この辺が2400台の根拠だったりするのかも。

  TNGAと同じような規格だと思われる「MQB」を使ったVWパサートは一定の成果は出したと思います。ただしこのクルマがセダンとして「有力な選択肢」にはなれなかったです。価格の割にレクサスや日産のセダンに勝てる要素は非常に乏しいかったです。Rラインの2Lターボモデルが500万円はちょっと高いですが、サイズとスペックに関してはこのグレードならば異論はないところですが・・・。

  個人的にセダンは大好きなんです。なんで好きか!?まずは年老いた母親や家族が喜んでくれるから!!「親孝行したい人」が選ぶべきクルマがセダンだと思います。それでいて冠婚葬祭&仕事、旅行など、どこに乗って行っても「品格」が保てる(使える!!)。他のジャンルのクルマよりも「衝突安全性に優れる」ので、どこを走っていても安全。ちょっと過激な言い分ですけども、セダンに乗る奴だけは、『他のジャンルのクルマを選ぶ奴の愚かさを嗤う』ことができる。軽自動車、コンパクトカー、プチバン、SUV、ミニバンで高速道路を走るのは、本当は相当に危険なんですけど!!メーカーに配慮するあまりカーメディアでもそういった情報を意図的に発信するのは御法度になっています。

  ユーザーとメーカーの情報の非対称性を改善するならば、「燃費」と並んで「クルマの適性」についてもしっかりとした情報が与えられていいと思います。例えば2Lに満たないエンジンで高速道路を走ってはダメ!!とか。そういう不都合な情報が出せない現状が続けば、「絶対正義のクルマが売れない市場」にもなるって!!生産している全モデルが高速道路に適しているメーカーなんて現状ではスバルだけです。そんなスバルも販売店ではダイハツOEMのモデルも売っているので、「このクルマで高速道路は無理ですよ!!」とは書かない。高速バスのフロントウインドーに突っ込んだデミオのように、軽く吹っ飛ぶクルマはまずいって思うんですけど・・・。

  まるでユーザーの「嗜好の変化」がセダン不調の唯一無二の原因であるかのように、無責任に「セダンの復権」を主張するトヨタの姿勢にいささか疑問を感じます。そもそもトヨタが儲け重視で、ユーザーに対してクルマの選択の基準を曖昧にしてきたことで、ユーザーはセダンを買うことの意義を見失ったんじゃないの!? 本当に良心があるならば、「高速道路走行への適性」などの際どい情報をはっきりと示してもいいんじゃないの!?でもそんなことしたらすぐにレンタカー業界からそっぽ向かれるでしょうけどね。

  『新型カムリHV330万円〜。トヨタのラインナップの中で最もリーズナブルな価格で、高速道路を思う存分に安全に走れるクルマです!!』・・・もしトヨタが本気でセダンの復権を唱える!!あの宣言に嘘は無い!!というならば、これくらいのことを思い切って切り出してもいいんじゃ無いの!?ただしトヨタ1社でやるなら『自爆行為』かもしれないですが・・・。

↓BMWがPHVを次々ラインナップする中で「カムリHV」のままで出てきて「セダンの復権」ってなんか違くないですか!?




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↓アンリミティッド(読み放題)にも対応してます!!ぜひ読んでください!!

2016年12月13日火曜日

トヨタ・マークX Dセグの珍車が8年目に脚光を浴びる!?

  トヨタ・マークXが何やら新展開を迎えています。プレミオ/アリオンに引き続き、突然のアナウンスとともに、大胆なフェイスリフトが行われました。あまりの変貌ぶりに前の顔の面影はほとんど無くなりましたね。しかも最近のトヨタに有りがちなアバンギャルド顔でもなく、とてもナチュラルな仕上がりで好印象です。

  現行モデルは2009年デビューの2代目ですが、不幸にもリーマンショックの嵐の中での船出となり、さらに東日本大震災の混乱に見舞われて全く脚光を浴びることなくモデルの前半を過ごしました。あまりの不調に2012年頃には「次のマークXはFF化してカムリと兄弟車になる」という怪情報すら流れていましたっけ。特にベストカーは堂々と「次のマークXはFFで1.4Lターボを搭載する」みたいな情報をどうやら意図的に流していました。K沢やI川やらどっかのメーカーの工作員が執筆陣として複数入り込んでいますから、普段からやたらとガセネタが多い雑誌ではありますけど。もしかしたら当時はトヨタの幹部もそう考えていたのかもしれませんが・・・。

  初代マークXでも同じことがいえますが、デビューからしばらくの2代目マークXは、このクルマの独特の立ち位置のせいもあって、実際に乗ってみても大きく訴えてくるものが無かったのも事実です。初代がデビューした2004年頃には、ミニバンやSUVに圧されて日本メーカーのDセグセダンはすでに日本市場には居場所がありませんでした。当然のことながらV35スカイラインもGGアテンザも最初からグローバルカー市場で頂点を目指す!!という方針のもと設計されました。

  トヨタはいち早くアルテッツァ(1998年デビュー・レクサスIS)を海外市場向けに送り込んでおり、その後に企画されたマークXは国内専売モデルとして、「走り」よりも「居住性」などの日本的な価値観に基づいて設計されていました。開発年度が違うということもあってか、アルテッツァとマークXを兄弟車にするという発想はなかったようで、直6・直4のアルテッツァに対して静粛性重視のV6を使うマークXという明確に違う立ち位置でした。

  アルテッツァは英国カーメディアにも「打倒E46を掲げる日本からの刺客」と破格の好評価で迎えられました。1998年当時に欧州市場で最もブランド力を持っていた日本のセダンは、欧州向けホンダ・アコードで、規格外のVテックによる戦闘力はアルファロメオやアウディの技術者魂に火を着けたと言われています。アルテッツァの襲来に続いて、日産が欧州にもその名を轟かしていた伝説のスカイラインGT-R(R34)がイギリスでの正規販売を開始し、2002年には初代アテンザが欧州で破格の大ヒットを遂げました。

  欧州で俄に高まった「日本VS欧州連合」によるDセグ対決ですが、元々は1990年にバブル期の過剰投資そのままに水野和敏氏(主査)&前澤義雄氏(デザイン)の超強力タッグによって作られたP10プリメーラが、BMW、プジョー、アルファロメオなどの欧州GTカーブランドに大恥をかかせるような大ブレークをしたことから始まります。その後に欧州の威信を賭けてBMW3erの歴代最高傑作として名高い「E46」や、映画「TAXI」でも大活躍のプジョー史上最高の「406」そしてアルファロメオ史上最高の「アルファ156」など、デザインも走りも極限まで洗練されたDセグが対抗モデルとして作られます。

  世界の多くのブランドでDセグが圧倒的に高性能なのは・・・水野さんのおかげなんですね。ただしマークXに関しては全くその流れには乗っておらず、国内専売のまま無菌状態で「培養」されてきました。この開発の過程がクルマ好きからマークXが全く相手にされない決定的な理由なのだと思います。しかし時代は流れてDセグセダンのトレンドは「スポーティ」から「エコ&ラグジュアリー」へと180度変わります。

  ホンダは欧州向けアコードおよび「ユーロR」を廃止し、アキュラ向けの北米ラグジュアリー路線へとシフトさせボデーサイズはEセグ並みに拡大しています。北米の雄ホンダに追従するようにアテンザやスカイラインもボデーが拡大する傾向にありハンドリングのキレはかつての「スポーティ」セダンのような凄みは無くなりました(デカ過ぎ)。そして欧州勢も同様にBMW3erはE46⇒E90⇒F30とメタボの一途を辿り、プジョーも406⇒407⇒508の変遷の中で存在感が一気に無くなってしまいました。もうそっとしておくしかないですね・・・。

  その後も陽の目を見ることもないままに販売が継続されていたマークXですが、8年目にして大胆なフェイスリフトが行われました。このままモデル廃止かと思われましたが、トヨタの優秀なマーケティング部門はこのクルマにまだまだ可能性が残されていると判断したようです。BMWもマツダも新型シャシーを投入した現行モデルでの評判が芳しくない。たまたま「水野さんのトレンド」に乗っかってE46もGGアテンザも売れたけど、現行のF30やGJアテンザは完全に「道」を見失っている。今がチャンス!!といったところでしょうか。

  「BMW318i (409万円)」「アテンザXD・Lパケ (377万円)」「マークX350RDS (385万円)」のステップAT使用の3台を比べると、レザーシートが標準装備でサイズも一回り大きくてキャビンスペースも広々していて、さらに燃費もいいアテンザが最もお買い得に見えます。一方でBMWの売りは最小ボデー&1400kg台の軽量による取り回しの良さ、後席に十分に座れるレイアウトの巧みさ、それから「BMWですよ!!」と主張できるステータス性。これはこれでツボをしっかりと抑えた商品性を持ってますね。そしてマークXは318psの圧倒的な性能と、エンジン起因の静粛性の高さ。BMWやマツダには無い豊富なオプション&パーツ。

  実際に「マークX350RSD」で欲しいオプションを遠慮なく選んで見積もってみたら支払い総額は487万円になりました。レザーシート、ムーンルーフはもちろんで、さらに6wayのサウンドシステム。ウエイティングランプとLED華飾ランプと特別な室内灯。ナビ&リアビューカメラ、ドラレコにETC。さらにトヨタのスゴいところは、フロントシートの背もたれを後ろに倒すとフラットな空間ができる「車内泊」仕様。この装備に関してはトヨタらしいユーザーをよく研究したマーケティングだなーと感心しますね(具体的な使い道には言及しませんけど)。

  いまどき3.5LのV6でハイオク7km/L程度の燃費ではお話にならない!!のはその通りなんですけども、多くの日本市場のセダンがHV化やディーゼル化へ一気に動いてしまった結果、立派な体躯に見合わないほどラゲッジが狭かったり、CVT化によるセダンらしからぬヌルいフィールだったり、ディーゼル音による高級セダンイメージの崩壊など、混乱を極めているといってもいいかもしれません。やっぱり高級車なら6気筒の自然吸気だろ!!と再び回帰を考えるユーザーの前に提示されている価格は日産&レクサス700万円〜、BMW&メルセデス800万円〜という全く売る気がないような設定・・・。

  そんな中でオプション満載でも乗り出し500万円以下で済む3.5L自然吸気のセダンってとても貴重な存在だと思うんですよ。ちょっと前にG'sモデルが発売になるなど、トヨタが考えるスポーティセダンとして新たな商品価値が付加されて、8年目にしてさらに進化しようとしている2代目マークX。高級セダンのFR機構としては断トツで世界最高の静粛性を誇るトヨタの「本質」が手軽な価格で味わえるのも素晴らしいです。レクサスやクラウンで使われる8ATではなくて、スポーティに振った6ATを使い続けるところも好意的に受け止めたいです。覚悟がある方にはぜひオススメしたいクルマです。




2016年11月1日火曜日

トヨタCH-R 「クルマ選びのマインドが崩壊!?」

  2012〜2013年にかけては、比較的に幅広いブランドのクルマが日本市場で売れた時期でした。今では目も当てられない三菱も2代目アウトランダーがPHEVとして登場しスマッシュヒットしていました。7代目ゴルフに注目が集まるなかで、ライバルメーカーも奮闘しメルセデスAクラスやボルボV40も予想以上の売り上げを記録しました。マツダは不死鳥のように甦り、スバルは真っ先に自動ブレーキという金鉱を掘り当ててました。そしてトヨタは86を見事にヒットさせています。

  そして2017〜2018年にかけては一大乗り換えキャンペーンに突入します。5年で乗り換えるなんて贅沢な気がしますけども、今では延長の新車保証や残価設定ローンも5年が定番になってますから、それなりの数のオーナーが乗り換えをするのは確かだと思われます。それを待ち構えるかのようにスバル・新型インプレッサ、ホンダ・シビックの日本復活?、マツダ・ロードスターRF、BMW・直3になった3er「318i」、VWは2Lターボの本格仕様のパサート。なかなかの自信作が出揃ってきた印象があります。そんな中でトヨタの大本命はC−HRというCセグのクロスオーバー。ライバル各社ではとっくに出そろった感がある「コンパクトSUV」に満を持して最大手が乗りだします。

  話題になっているのは「ザックス製ダンパー」の採用・・・いよいよトヨタもサプライヤーのネームバリューで勝負するようになったのか〜。 それともドイツのサプライヤーをクレジットに入れておけば、無闇やたらと乗り心地を叩かれたりすることはないだろう!というカーメディアを軽くあしらう高等戦術かも? (早くもK沢さんが喰いついてました)。

  現行のスバルWRXがデビューしてグレードによってビルシュタイン製とKYB製が選べるようになりましたけど、たしかにこのクルマの乗り心地に関してカーメディアは何も苦言を言わなかったような・・・。実際にWRX・S4の乗り味はビルもKYBのどちらを選んだところでお世辞にも高級な乗り味ではなかったのですが、カーメディアは封殺していました。特に乗り心地を考えると上級グレードの「ビルシュタイン」にわざわざ追加料金を出す気はさらさら起きません。それでもBMWのE90系Mスポほど突き上げが酷いということではないですけど。

  最近のトヨタはそのポテンシャルを十分に発揮していると言うべきか、何を作らせても予想より良い仕上がりであることが多いです。新開発の直4ターボ(1.2Lと2.0L)は絶妙なところに着地しましたし、新プラットフォームのTNGAも評判は上々でカーメディアをほぼ沈黙させるという快挙を達成しました。何も言えないカーメディアがダメダメなだけかもしれないです。トヨタが本気出せばザックスなんて不要なんじゃないですかね。ちなみにザックスはVWグループが採用して高い評価を得ていますが、他のメーカーでも質の良いダンパーはいくらでもありますし・・・。

  トヨタにとってはいつものことですけども、C-HRを設計するにあたって、他メーカーのSUVを徹底的に分解して、そこから何を読みとったきたのか? これだけ全世界から広く受容されるようになったコンパクトSUVのジューク、ヴェゼル、CX3、XV、X1、2008、キャプチャーなどに対しても相当レベルの決定的な弱点を見つけているはずです。トヨタがBMW・X1と同じものを作ったらカーメディアからどれだけ酷評されるのか(笑)。などなど。

  SUVは「趣味のクルマ」なのか?それとも「国民車」なのか? 「趣味のクルマ」といえばまずは専用設計のスポーツカー(86、ロードスター、ポルシェ911/718など)が思いつきますが、高性能改造車(アウディRS5、BMW・M4、GT-Rなど)であったり、高級セダンや、ラダーフレームを使った本格SUVなども、一般的な用途で使われるクルマとは立ち位置が違っていて、今では専ら好きな人が買うタイプのクルマになっています。かつてのミニバンブームのような賑わいを見せているSUVは果たして「趣味車」と言えるのか?

  スズキが少し前に発売した「イグニス」は超軽量設計(850kg)など、旧車好きには堪らない要素を持っていて、1.2L自然吸気(スズキの誇る名エンジン)に5kg・mほどトルクを増幅できるモーターを積んだHVという気の利いた走り優先のパッケージは「ホットハッチ」として需要されるはずでしたが、価格があまりにリーズナブル過ぎたのか、それともスポーティ派によるハイブリッドへの偏見がまだまだ根強いのか、あるいはCVTが残念なのか?なかなか思うような結果は出ていません。「5MT」を積んでくれば、立派に「趣味のクルマ」なんですけども・・・。

  6MTを用意する「マツダCX3」や、190psのターボを用意する「日産ジューク」には、マツダや日産のスポーツカーを愛するファンへ向けた意識の高さを感じます。この2台は日本でも発売されるようになった「top gear」を見ていても欧州の「趣味的」カーメディア人からの評価は非常に高いです。欧州ではGT-Rのユニットを積んだ「ジュークR」が限定販売されたり、「CX3にはロードスターの血脈を感じる!」と英国人ライターは絶賛していました。

  欧州で評価が高い・・・だから何なんだ? 「ヴェゼルHV」や「スバルXV-HV」に関してもアクセルを踏んで楽しくなる仕掛けはあって、コンパクトで200万円そこそこの価格なのに、アクセルオンすれば単なる「国民車」とは別次元の加速性能が発揮され、その「体感」はゴルフGTI(400万円)やメルセデスA250シュボルト(500万円)の「S」モードでアクセル全開したくらいの高揚感は十分です。いずれもディーゼル、ターボ、ハイブリッドによるトルク増幅を使った子ども騙しと言えるかもしれませんが、そもそも日本に入ってきている欧州車のほとんどがこの手法を使っています。ただし出足の軽快さこそあるものの、中高速の加速になると、2Lエンジンを搭載したGTIやA250のシャープな伸びには及びませんけど・・・。

  果たしてトヨタは「スポーティSUVのアヤ」を今回はC-HRでどのように解釈してきたのでしょうか?これがトヨタCH-Rの本質的な評価基準になると思います。トヨタの近年のヒット作はアルファードやハリアーなど、「高級ピープルムーバー」路線が多く、その成功に引っ張られ過ぎると案外「あれれ?」なクルマになったりするんじゃないか?という危惧もあります。ただし「トヨタ86」あるいは「レクサスRC-F」など、世界基準(ワールドクラス)のスポーツカーやGTカーを作ってきた見識が発揮されれば、SUVに対しての警戒感をまだ持っている保守的なクルマ好きに、SUVとは何か?への新たなる答えを用意してくれるかもしれません。




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2016年4月26日火曜日

トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーン 「某英国車/独国車に似てる?」

  デザインが!というより、メインカラーをグリーン(ダークエメラルドマイカ)にしたことからちょっとした物議を醸しました・・・さすがトヨタの炎上商法。そして予想を越える「パクリ!パクリ!」の大合唱が本格的な批判へと変わる直前という絶妙なタイミングで、そんな声を打ち消すかのように某自動車メーカーのスキャンダルが明らかになりました(変な陰謀論をでっち上げるな!)。

  トヨタ・パッソはダイハツが中心になって開発したクルマですが、ダイハツは元々欧州市場でも存在感を放っているメーカーですから、その設計もグローバルAセグメント車としてしっかりとトレンドを押えつつ、日本のユーザー向けにも十分に訴求できるパッケージになっていると思います。いわゆる世界でも最も畏敬の念をもたれている「日本式コンパクト」の王道ですね。もちろんステータスもバッチリで、そもままバッジを付け変えればフィアットブランドでもVWブランドでも十分に通用するくらいに隙がないとても良いデザインです。

  さすがはトヨタの拡販車種というべきか、グレード分けが細かくて多過ぎてどれが一番安くてどれが一番高いのかがちょっとよくわからないです。基本的にはX→X"S"→X"Lパケ"→X"Lパケ・S"→X"Gパケ"と5段階もあって、それぞれに2WDと4WDがあって、さらにデザイン違いの「モーダ」「モーダ・S」「モーダ・Gパケ」があって・・・。モーダに関してはルーフの塗り分けを含めるとカラーバリエーションが18種類もある!!!100万円そこそこの価格設定なのですが、これだけ選べるならばほぼオーダーメイドの感覚です。

  トヨタのHPをじっくり見てみると、採用されている新技術があれこれと片っ端から書いてあります。ちょっとビックリですが、フロントのフェンダー周りのパネルとテールゲートはなんと!!!樹脂製なんだそうです。ダイハツと言えば、外板パネルを交換出来るという新機軸を投入したコペンが思い浮かびますが、トヨタ傘下の小型車メーカーとして軽量化ならどこにも負けない技術があるのだと思います。プリウスの為に湯水のように資金を注入して築き上げた軽量化技術(HVなのにガソリン車より軽いって!?)をこのパッソでも使って、さらにBMWにも売る・・・さすがはトヨタ!!!商売上手です。

  小型車の内装デザインも、各社がここ数年でさんざんに競ってきたので、センス抜群ですね・・・。これだけの量販モデルだと、中古車も相当な数があるわけですが、なんといっても故障しませんから、中古車の引きも多くて価格は割と高め。そしてセンスに敏感な女性ならば、内装がちょっと古臭い80万円の中古車よりも、改良に改良を重ねた最新型の方がいい!だって120万円くらいですから!!!新車で600万円する高級車は、新陳代謝が遅くて中古で200万円で買った方が断然にお得感がありますけど、小型車市場は新車がどんどん売れる仕組みが出来てます。

  個人的にこのクルマは好きですね。「コンパクトに徹しろ!」という姿勢が上手く現れていると思います。最近のAセグBセグは少々オーバースペック気味なモデルばかりがもて囃される風潮があって、それがあまり好きじゃないです。例えばマツダのデミオ・・・。明らかに車体から「高速道路はご遠慮ください!」といった感じですが、そこにディーゼルを載せて高速燃費を主張してますが、ちょっとどうか?と思いますね。高速道路が怖いといっている層のほとんどが小型車ユーザーですからね・・・。

  私も免許取りたての頃に乗っていたトーションビームの5ナンバー車は、雨天の高速道路ではもの凄く怖かったです。新潟ー富山の県境にある親不知付近の北陸自動車道で集中豪雨に遭遇しまして、50km/h規制がかかっているのに、大型トラックが90km/hでバンバン行き交うわけですよ。とりあえず後ろから突っ込まれたら一貫の終わりですから、ハザードを付けながら次のICまで必死で走りましたよ。「後ろからつっこまれたら終わり」ってのは、後ろからピストルと突きつけられながら運転しているみたいなものです。この旅行以降は一度もコンパクトハッチバックで高速道路を走ったことはないですね。

  だから・・・スイフトに1.6Lエンジン載せて高速でも走りやすくしたり、ポロに1.8Lエンジン載せたりするのは、サーキットで使うでも無い限りは完全にオーバースペックだと思うのです(存在を否定はしませんけど)。コンパクトカーの本来の機能の範疇(買い物&送迎)ならば、1L&CVTがおそらくベストで、HVも不要では?という気もします。

  ・・・しかしそんな機能性抜群の日本のコンパクトカーが「日本車の顔」になっていて、輸入車好きの批判の矢面に立たされたりしてます。BMWやアウディといいたドイツのアウトバーン・ツアラーの相手にするならさ、コンパクトカーじゃなくて、スカイライン、アテンザ、レクサスIS、マークX、オデッセイ、プレマシー辺りと比較してくれねーかな? クルマ雑誌の記事とか読みながらいつもそう思いますね。メーカーもユーザーも非常に「まとも」なんですけどね。一部のライターとクルマ好きが自分達の都合がいいように全てを曲解してしまって話をややこしくしていることに気がついてくれ〜・・・!!!



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2016年1月19日火曜日

トヨタ・プリウス 「買わない理由が減りつつある!」

  「近頃の若いヤツは平気でプリウスを買うからな、俺の若い頃はさ・・・」といったクルマ好きのオッサンの定番のセリフが、いよいよ通用しなくなる日がやってきた!? 新型プリウスが想像していたよりもずっといいですね

  試乗の時の「ファーストインプレッション」は実際に買うかどうかにおいて非常に大事です(私にとっては)。といっても外観デザインがどうということではなくて、実際に運転席に座ってドアを閉めた瞬間のフィーリング(空気感)です。このフィールって開発設計者のこだわりがもっとも出るところだと思うのですよ、ここでいいフィールが得られないクルマは、言葉が悪いですけど、「投げやり」に作られていると思います。そしてこのフィールが「いい」クルマってやっぱりハズレが無いんですよ(断言します)。エンジン掛けなくても、このフィーリングだけでだいたいクルマの出来がわかる! 今乗っているクルマもエンジン掛ける前に「これ買おう!」って決めてましたから! 

  そしてまさかのまさかですけども新型プリウスの「フィール」がすこぶるいいわけですよ! これにはビックリ! 過去に乗ったトヨタ&レクサスのクルマからは想像できないくらいにいい。さらに言うとVWゴルフ、メルセデスCクラス、BMW3シリーズ、スバルWRX S4といった多くの人気モデルにも決して劣ってないですよ。現行モデルでプリウスよりもいい味出していたクルマって何かあったかな?ってくらいです。スカイラインとマスタングとボルボS60/V60と・・・あとはアテンザ?それとジャガーXEもあるかな。とにかく数えるほどです。

  ここ数年の内に「86」やら「レクサスRC」やらを手掛けて、なかなかの評価を獲得してきたトヨタですが、これら一連の2ドア車の発売によって、「その気になればどんなクルマだって作れる」ということを改めて証明してきました。その流れに乗ったかのように、このプリウスの設計も「0から」やり直した!と自ら豪語していて、ものの見事にBMWみたいな乗り心地になってますね(またパクリかい?) 。・・・プリウスの従来のイメージからは全く予想外しなかったことが、現実に起こってしまっているんじゃないか? なんて軽くショックを受けた次第です。とりあえずプレミオに乗ってる実家のお袋には絶対に勧めておきたい1台になってました。おそらくVWやBMWから乗り換えても違和感ないですよ。

  例えば今時珍しいピラーレスドアを使うトヨタ86のドアは、機密性を上げる為にドアが閉まった際にウインドーが「ずしん」と動きます。もちろん車体剛性が高くてゆがみにくいボディがあって、ドアが締まる角度がズレないだけの十分な剛性をヒンジに持たせていたりとか、あれこれ「巧みの技」と表現すべきギミックが組み込まれています。これってBMW7シリーズだったりホンダ・レジェンドくらいの最先端満載の高級モデルにちょこんと付いている、非常に価値の高い技術だと思います(なんで同時期に開発されたレクサスISのドアは凡庸なのか・・・理解に苦しみますが)。

  それと同じように、ドアだけで他のモデルと(ある程度は)差別化できるギミックがプリウスにも付いてますね。もちろん86と同じようなピラーレス専用の機構とはまるっきり違いますが、とりあえず感心します。もちろん「プリウス」に対する当初の期待度が低かったというのもありますけども、やはりレクサスIS(F30BMW3シリに似てる)の軽くてパタパタしているドアよりもずっと好感が持てる作りになっています。レクサスIS=女性向け プリウス=男性向けといった作り分けが意図されているのかな。

  誰の目にも明らかですが、トヨタのほとんどのラインナップにHVが設定されるようになって、プリウスの「存在意義」が重要になる局面ではあります。ミニバン、コンパクト、SUV、セダン、ワゴンに至るまで揃っている中で、リッター40km越え!の「最適化されたHV」というだけで訴求できるほど市場はプリウスにとって甘くはないはずです。トヨタも自然とプリウスに何らかのキャラクターを持たせようと動いたようですが、その答えが・・・現在のトヨタには無い(印象が薄い)ジャンルを目指すということだったのだと思います。単純に言ってしまうと、トヨタのラインナップは国内専用車が多いわけですから、グローバルで競争力があるクルマに仕上げれば個性は出せるということになります。

  日本やアメリカではすでにプリウスは広く認知されていますが、欧州ではその知名度はイマイチです。そこでトヨタは「TNGA」という新しい開発規格をプリウスに採用しました。これは欧州で人気が高いVWやPSA、マツダが相次いで投入してきた設計方法に似ていて、ブランド内のほとんどを網羅する汎用性の高いシャシーを開発することで、各部の作り込みにボリューム(ブランド全量)を持たせて、全体の質感を向上させるのが狙いと言われています。実際にこの規格で作られたゴルフやプジョー308、アクセラなどは、いずれも欧州市場を代表するクルマとして高い評価を受けています。

  VW、PSA、マツダがそれぞれにグループの開発資金と人員を大量に投入して、ブランドの根幹として20年使えるシャシーを作ってしまおうというビジョンを掲げているだけあって、Cセグ(スモールカー)に有りがちな、気密性の低いキャビンだったり、車体の安っぽさからくるがたつきによってフラットさが失われたり、などといった欠点がかなり覆われている印象が得られます。タイヤとダンパーの組み合わせからくる乗り心地(固さ)に関しては、いろいろ意見があるようですが、とりあえず間違いなくクルマの総合力は上がっています。

  トヨタが「TNGA」を構想する中で、VWやマツダなどかなりの台数を分解してきた結果なのでしょうか? 新型プリウスは見事なまでにドアやシートの質感がこの両ブランドにかなり近似してきました。それってつまり「アクセラHV」じゃん・・・しかし、トヨタの特徴であるインテリアの空間の作り方などは健在ですし(アクセラは圧迫感が)、日本の凹凸が少ない道路で心地良く走る「やわらかい」乗り味もまた、マツダとはだいぶ違う趣きがあります。どっちが好きかって? 実はアクセラの乗り心地は個人的には全くいいとは思っていません。どこかアテンザからの「引き算」を感じてしまう点も寂しい限りです。現状では新型プリウスの方がいいと思います。

  くどくどと「初期衝動」のままに新型プリウスについて書いてみました。トヨタのクルマ作りの大きなターニングポイントになる!という触れ込みは間違ってないと思いますし、他のメーカーからしてみたら「破壊的」「衝撃」「大ボス登場!」だと頭を抱えてしまうようなクルマかもしれません。プリウス乗ってみて欲しくなったのは初めてですし、もし縁があれば購入することもありそうな予感がします。今後もこのクルマについて注意深く見守っていきたいと思います。


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2015年11月14日土曜日

トヨタ・クラウンアスリート 「ここから何か始まるのか?それとも終焉の時か?」

  自動車評論家の福野礼一郎さんの書籍はいつ読んでも面白いです(賞味期限無し)。だいたい発売直後に購入してざっと読むのですが、その段階では読み手(私)にはまだ発表されて間もない新型車へのイメージなんて全くできてないですから、ニュアンスがわからない表現もあれこれ出てきます。そのままほっぽらかした本を1〜2年寝かしてから読むと、出てくるクルマに試乗したり見かけたりするようになってイメージが固まってきているので、改めて福野さんの文章が楽しめたりします。

  2年ほど前に出版された「福野礼一郎・クルマ論評2014」という傑作がありまして、これをほぼ1年ぶりくらいに開いて見ると・・・改めてこの評論家の素晴らしい視点がいくつも発見されて、初めて読んだときよりもむしろ興奮できます。特に「トヨタクラウン」と「クライスラー300」を比べる一節が良かった!!!2年前はなんとも思わなかったのに、今読んでみると妙にリアリティがあります! もちろん2年前の本ですから、クラウンはフルモデルチェンジ直後で、クライスラー300は先代バージョンということになります。

  福野さんのクセ?あるいは意図的なのかもしれないですが、高級輸入車で幅広く使われるようになったZF社製の8速AT(通称8HP)のミッションをそこいら中の連載で「神!」「神!」「神!」と表現しています。・・・ということは8HPを装備しているクライスラー300が優位か?というと、そうでもなくクラウンアスリートの3.5Lモデルに採用されているアイシンAWの8速ATの方が、滑らかでショックも少ない!とはっきり断言しています。エ?エ?エ?「神」ってどういう事?・・・と読者を煙に巻いてくれます。なんとも便利な表現ですね。福野ワールドの「神」ということならオールOK?

  BMWとレクサス(FRガソリンモデル)のどちらにも乗ったことがある人ならわかると思いますが、「ZF」も「アイシンAW」も結局のところどっちもどっちな印象でしかないですし、あのミッションが付いているからそのクルマが素晴らしい!という結論にはならないです。しかし2000年頃のBMWやトヨタの中古車に付いてまわったミッションの段付き感を考えれば、それから開放されて、福野さんが「神」といいたくなるほどの「高ぶり」もなんとなくわかります。この段付き感さえ消えてくれればこのクルマを心から愛せるのにな・・・という過去のほろ苦い経験なんでしょうね。福野さんはおそらく「常にクルマに寄り添う」非常にやさしい心の持ち主なんだと思います。

  さてそんな「クラウン&クライスラー300」の評論で、印象に残ったのが「新しいクラウンは改造車的だ」という表現です。余計な説明などないのでその真意は不明です。もしかしたら言外にクラウンの基本設計の古さを示唆したのかもしれないですし、伝統のフラッグシップに注がれるトヨタの情熱を指しているのかもしれない、それともトヨタ車にしては感動的なほどに「手数」が多いという意味でしょうか?

  「改造車的クラウン」・・・なんだかこのクルマの抱える現実を打破できそうなミラクルな響きがします。ハイブリッドを業界のスタンダードへと押し上げることに心血を注いできた、1997年からの約15年間においてトヨタはクルマ好きの期待に報いることがほとんどできませんでした。これはモリゾー社長みずから公式の会見で述べた所感であり、その反省を生かして「86」「RC-F」を作ったとも言っています。確かにこの2台は、真剣にクルマ選びをすればするほどに、重要な選択肢であると認識させられますね・・・。どちらも文句なしにクルマ好きに愛されるモデルです。

  トヨタが「86」や「RC-F」よりもさらに手数をかけて、クラフトマンシップを誇示するべきクルマが「クラウン」だと思います。このクルマにとって少々悲劇なのは、セルシオ(レクサスLS)を派生させるなど国内外のメーカーに絶えず刺激を与えてきた「クラウン一族」の直系でありながら、国内市場では7割以上がハイブリッドで選ばれていることです(電気式CVTは・・・)。今や「BMW」「マセラティ」「キャデラック」「ジャガー」といった名だたるラグジュアリー・メーカーの主力を担うEセグセダンは明らかにクラウンの乗り味を志向しているのに、国内ユーザーはそんな「亜流」のフォロワーばかりに興味振々で、クラウンを買うユーザーは何も考えずにハイブリッドを買う・・・確かにトヨタのマーケティングが仕掛けたシナリオなのかもしれないですが、これはあまりにも切ない光景です・・・。

  さて現行モデルに使われるシャシーは2代前のデビュー時に更新され12年がすでに経過しています。日産のスカイラインも同じく3代に渡ってシャシーが使われていますが、なにやら次のモデルはメルセデスのものを使うことになるのだとか・・・。クラウンのシャシーも引退が既定路線ですが、次はいよいよ燃料電池車になってしまうのか? クラウンと共通の設計を使っていたレクサスGSは現行モデルから新型シャシーに変わりました。こちらは「全世界プレミアム展開」を狙って、ドイツ車を越える水準の高い剛性を誇るシャシーを作ってきました。

  BMWはクラウンを目指し、クラウン派生のレクサスはBMWを目指す・・・といったねじれた関係は、これまでもトヨタと日産、BMWとメルセデスなどでしばしば起こって現象ではあります。しかしその先に待っていた結末は必ずしもお互いを高めあって最高のものができたというのではなく、なんだか味の薄いクルマに結実して評判を落とすケースの方が多かった気がします。例に漏れずに・・・といったら失礼かもしれないですが、ドイツ車を超越した新型シャシーが投入されたレクサスGSやISは、本当に歴代トヨタのどれよりも素晴らしいクルマだったでしょうか?

  果たして次世代のクラウンはどうなってしまうのか? レクサスのシャシーを流用して「能書スペック」を備えたグローバル・セダンになってしまうのでしょうか、それともミライを高級車調にしたプレミアムFCVに生まれ変わるのでしょうか? それとも・・・モリゾー社長の英断で、「トヨタのクラフトマンシップ」を誇るノスタルジックな「永遠のクラウン」を描くのでしょうか。福野さんが2年前にふと言い出した「改造車的クラウン」・・・果たしてこのフレーズがトヨタのインスピレーションになったかわかりませんが、クラウンに新たに2L直4ターボ搭載の「改造車的グレード」が追加されました。先に登場したレクサスISの2L直4ターボ(245ps)よりややデチューンして235psとなったエンジン・・・なかなか芸が細かいです。

  「86」の2L自然吸気で200ps出しているので、輸入車のように2Lターボで180psといったパワーの出し惜しみなんてことはできません。ターボチャージャーの設定による「出力の量り売り」なんて下劣なやり方は日本メーカーには絶対に真似してほしくないですね。そんなゴミみたいな商売に血道を挙げているから、排気ガスを意図的に操作するなんて下劣な手段を厭わなくなるのかな? 

  日本車でもっとも長い歴史を誇る「クラウン」。ぜひ憧れのクルマとして長く残してもらいたいです。幸い?なことに中小企業の社長さんのクルマという役割は、レクサスやアルファードへと分散しているようです。400万円は若者が乗るには高嶺の花ですけれども、頑張って働いて乗ってやる!と思わせてくれるクルマへと、脱皮するのも「86」や「RC-F」を手掛けるトヨタであればそれほど難しいことではないと思います。スバルのアイコンが「WRX」であるように、「クラウン」をトヨタのアイコンに位置づけて、トヨタグループのネットワークをフル動員して、スバルSTIのS207のような「コンセプトカー」を発売するモデルに位置づけてみるなんてどうでしょうか?

  例えば・・・
最近提携したマツダからディーゼルを調達して積んでみる。

一緒にMTも導入して装備してみる。

スバルのHVシステムをトヨタが取り入れて「走りのクラウンHV」をつくる。

ついでにSTIのチューンによって足回り(ビルシュタ)とブレーキ(ブレンボ)を強化した「クラウンアスリートSTI」をつくる。

提携先のBMWにお願いして「クラウンアスリートM」をつくる。エンジンはもちろん直6。

アルピナにチューニングをしてもらって「アルピナ・クラウン・ビターボ」をつくる。やっぱりエンジンは直6。

提携しているロータスに納入している3.5Lスーパーチャージャー(406ps)を積んだ「クラウン+M」をつくる。


まあなんでもいいですけども、「VIPカー」という日本発信のクルマ文化がアメリカを席巻している!クラウン派生のドリ車「チェイサー」が東南アジアで人気!などなど、長い間国内専売だったはずのクラウンの魅力は、勝手に世界に羽ばたいていっているわけで、これらを見る限りではこのクルマの将来をトヨタが悲観する必要なんてないと思います。おそらく福野さんもクラウンのそういう素晴らしい側面をちゃんと見据えた上で「改造車的クラウン」という新しいキャッチコピーを打ち出してくれたのではないでしょうか?

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2015年11月4日水曜日

トヨタS-FR 「ヨタハチを知らずに僕らは生まれた」

 なんで黄色なのだろう・・・ スポーツカーだから それとも小さいから あるいはその両方だから? 

  そういう事を考えはじめちゃうと、なかなか冷静にクルマの価値が掴めなくなりがちです。某雑誌では市販化を諦めたと報じられていながらも、東京MSに出品されている「トヨタS-FR」に対して「あまり好意的になれないな・・・そんなバカな?トヨタは頑張ってのに」なんてヘンな葛藤に悩まされていませんか? でも思い返せば86のコンセプトが登場したときも同じような想いだったですけども、ご存知のように86は今や日本のクルマ文化の「現行車種代表」という重要な地位を占める存在になりました!

  ちょっと皮肉ですが、86って休日の峠に行ってもあまり見かけないです。もちろん全くいないということは無いですが、トヨタがさかんにプロモーションしているような使い方は実際にはあまりされていないような気がします。しかしそれに変わって路地裏の生活道路では早朝・日中・深夜問わずにしばしば見かけます。仕事帰りに駅からとぼとぼと歩いていると、雑然とした通りに不思議なほどマッチしています。これほどに駅前が似合うスポーツカーもないような・・・。スープラでもロードスターでも多少は違和感ありますし、NSXとかGT-Rとか停まってたら「なんだ?なんだ?」ってなりますけど、86は普段着のクルマとしての要素があります。

  別にスポーツカーとしてのオーラが無い!と馬鹿にするつもりはこれっぽっちもありません。夜道を流れてくる自動車の中でもやはりスポーツカーらしくルーフラインが非常に美しいですし、前後にアウディやらBMWやらが走っていることも多いですが、86が完全にスタイリングで勝っているのがよくわかります。「徘徊用」とか書いちゃうと誤解されるかもしれないですが、平日の深夜23時〜26時くらいの寝静まった道路をあても無く走るのがちょっとした日課(週に1~2回ですけど)になっていまして、同じような趣味の人を東京西部の五日市街道・所沢街道などでちらほら見かけますが、最近になって86が増えたような・・・。

  片側2車線の新青梅街道や甲州街道だと、しばしば輩なクルマが競りかけてきて、それはそれで楽しいのですが、だいたいは翌日の朝からの大事な仕事のプレッシャーに押しつぶされそうで落ち着かない夜は、アルコールを飲むわけにもいかず、気持ちを誤魔化すために走るので、信号も少なく交通量少なめ(トラック&タクシー少なめ)なマイナー道路の方が気分良く走れます。結構同じような趣味の人がいるようで、乗っているクルマも自分の好みが多いですね!

  「アルテッツァ」「シルビア」「スカイライン(32〜34)」「スカイライン(35、36)」「オデッセイ」「マークX」「レガシィB4」「インプレッサSTI」「チェイサー」「スープラ」などなど・・・。「非VIPオールスター」というべき陣容で、ドライバーズカーとしての本質が伴った国産車を愛好する人はまだまだこんなに多いのか?というのを実感できます。小一時間程度、いつものコースを徘徊すると軽く10台くらいはこういったクルマに出会えて、不思議と幸せな気分になります。

  今では86/BRZがそんな「非VIP」組の屋台骨を背負う存在になりつつあると思います・・・デビューした時点では全く仲間意識はなかったですけど(笑)。やや控えめなディテールは、デビューから3年経った今の方が冴えて見えます! ロードスターのようにシートに縛り付けられて、タイトな空間の中でガチのアクセルワークが強要される「マシン」ではなく、よりゆったりとした乗り方が許容されそうな、ややゆとりのあるボディサイズも、「徘徊用」ならばぜんぜんアリだと思います!

  夜のストリートですから、時には無法者とは言わないまでも、好奇心いっぱいのクルマ好きが興味本位でアクセル踏んできます。そんな時に変に気を揉まなくていいくらいの性能は「徘徊」用のクルマには備えておきたいです。軽自動車で徘徊しているときに絡まれると、蛇に睨まれた蛙のような気分であまり嬉しいものではないです。学生時代に友人の軽自動車でよく深夜ドライブしてましたが、当時はローリング族なんて言葉もあったスポーツカーブームの時代で、そういうクルマに後ろにつかれると運転している友人は相当に焦ってました。今の軽ターボなら出足の良さでそこそこ応戦できそうですが、信号間隔が長い道路ではやはり餌食になってしまいます。

  先日見かけた、ヘッドライトを機敏にフリフリして、スポーティな旋回をしていた対向車が、S660だったときはちょっとした衝撃でした。ミッドシップってやっぱりすっごいな!峠ならば輩なクルマを寄せ付けない走りができそうです。しかし登り坂だと軽自動車の限界が露呈するでしょうが・・・。やはり普通車規格にして自然吸気Vテックが欲しいですね(S2000後継)。・・・ってことで「トヨタS-FR」はすでに潜在的なニーズが相当にあるのでは?と思っています。

  話をまとめると、「86」はデビュー時の印象はイマイチでしたが、見事に「徘徊用」という日本で最も重要なポジションに収まってくれました!何だかんだ言ってもアルテッツァやシルビアの穴を見事に埋めてくれた!と言っていいのではないでしょうか? それに対して「S-FR」はより経済的な負担を少なくしつつも、満足できる走行性能を手に入れる!という意味で、デビュー時の86よりもメリットはハッキリしていると思います。「安っぽさ」・・・いまどきの日本車はそこに一番神経使ってますから、まあトヨタが抜かることはないと思います。86のインテリアはポルシェやロータスとほぼ互角ですし、それこそマセラティやアストンマーティンなんかと比べない限りは大丈夫かと。

  使い道もかなり明確です!誰だってクルマ好きならば、月に1回くらいは「MTのコンパクトカーでも買ってみようかな?」という想いが頭を過りますよね。ヴィッツかフィットかな、それともちょっとベタだけどデミオかスイフト?いやいやちょっと奮発してCR-Zかな、しかし乗り出しが300万円!はちょっと高いな、中古でいいな・・・げげ、CR-ZのMT車の中古価格は結構ヤバい!5万キロでも軽く200万円オーバー・・・。よし欧州車だ!DS3スポーツシックなら・・・当たり前ですがやっぱり中古で200万円。車両価格だけならタマ数が圧倒的な中古のロードスターなんでしょうけど、車庫が必要になってくるのが痛い。それに格安の中古欧州コンパクト&MT(フィアットやアルファの絶版モデル)は故障が怖すぎです!

  こんな悩み?を抱えて日々過ごしている我々に、安全・安心・低コストに加えて、高品質・好デザインまでも持ち味になってきた「世界のトヨタ」が、乗り出し200万円でFRでMTのスポーツカーを作ってくれる!とっても「ウェルカム」な話じゃないですか!!! トヨタは市販化に及び腰になっているみたいですが、これはトヨタの生産技術の本当の素晴らしさを伝える切り札的なモデルになれると思いますけどね。信頼性と日本市場への知見の高さがあるからこそ、トヨタのスポーツカーを選びたい!(トミーカイラZZではちょっと・・・)という声に応えてこその「ナンバー1・メーカー」じゃないでしょうか?


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2015年4月27日月曜日

トヨタ86 「2015年モデルが登場!このクルマの進化は想像よりも早い!」

  トヨタ86の2015年モデル版のマイナーチェンジが発表されました。このクルマは2012年の春にセンセーショナルなデビューをしたときに、我ながらミーハーだなと思いつつも乗りに行きました。その時は「カスタム用のベース車です!」みたいな立場が強調されていて、ノーマル状態では当然なんでしょうが、やや「うす味」だなという「あまり良くない」印象を受けました。専用設計スポーツカーと聞いて、かなり期待していたハンドリングに関してもクラウンやマークXと比べてそれほど大きなアドバンテージは感じませんでした。

  その後2014年春に大々的に行われたビッグMCの時は、改めて家から15分ほどのところにあるエリア86に行って乗ってきました。今度はなんとビックリで、これが同じクルマか!?は大げさかもしれませんが、以前とは全く違うくらいの感銘を受けました。ちょっと偉そうなことを言うと、「クルマとしての『芯』ができた」という印象で、具体的に言うと2速で踏み込んだとき(試乗に行くとサービスマンが必ずやらせる?)のクルマのコントロール性が飛躍的に向上していて、旋回からのトラクション回復もワンテンポ以上早くなっていました(オマエの慣れだろ!というツッコミもありそうですが・・・)。恥ずかしくらいに安易な言葉で表現すると、「車体剛性が上がって全速度域において過度な入力に対してもかなり余裕がでた!」といったところでしょうか。結論として2014年のMC以降に関してはトヨタ86はかなり「買い」なモデルといって良いですし、しばらくの間はマツダ・ロードスター一択となっていた300万円クラスのスポーツに貴重な選択肢ができたと言えます。

  正直言ってトヨタは一旦デビューさせるとその後は「ほったらかし」で営業力頼みのメーカーだと思っていましたが、スバルのプロダクトとはいえトヨタ企画のモデルとしては予想以上の「修正力」を発揮してくれました。それと同時にこの先はどうなるのだろう?と・・ド素人の私には全く予測がつかないわけですけど、なんだか楽しみなクルマが増えたな!といったところです。もしかしたら近い将来、無性にスポーツカーが欲しくなったら、ボクスターの中古など見向きもせずに新車で86を買うのかな?という予感すらあります。ボクスターのオーナー様からしたら「オマエふざけんなよ(笑)」とか言われてしまうかもしれないですが、「クルマの操縦性」というスポーツカーの根元的な要素において結構いい勝負しているんじゃないかと・・・。

  86は旋回性能を、BRZは直進安定性を重視する方向に躾られているらしいのですが、ステアリング・ペダル・シフトそれぞれに置いて非常に操作の幅が広いクルマです。それこそマツダ・ロードスターと双璧を成すくらいに「次のコーナーはどんな走り方をしてみようかな・・・」というイメージが連続的に湧いてきます。そして信号に引っ掛かってそれが中断してしまうと、軽く怒りを覚えるくらいになんとも心地よいドライブが出来ます。こんなに楽しいクルマに「ターボを付けろ!」とか言う人は野暮だと思いますよ。直線番長が欲しいならドイツ車が間違いないです。M135iとかいいんじゃないですか?アシも動きますし、車体も粘りますから、高速道路の継ぎ目を通過したときの所作は抜群です。けど・・・。

  ボクスターももちろんNAエンジンなんですけど、ドイツらしい安全第一でハンドリングを抑制する方向なので、86やロードスターほどの自由さは感じられないです。オープンモデルなのでこれでいいのかもしれないですが、2.7Lのベースモデルに乗る限りではポルシェらしいグイグイくる加速ってのはあまり感じられません。直進安定性においてもポルシェだからと思って想定していると、あれれ・・・ってくらいです。旋回性能重視とされる86の方が前を向いたときの糸を引くようなリニアな加速感があります。ハッキリ言ってしまうとボクスターよりも86の方が、「楽しむ」という直感的な要素においてかなり上手く作られていて、「乗り方がいろいろあること」がスポーツカーの最大のポイントだとするならば、「86>ボクスター」という結論でもいいと思います。

  86の何がそんなに凄いのか?というと、タイヤをグリップさせるかスライドさせるかの自由度が高い!という点に尽きます。そんな「滑る」クルマがこのご時世に許されるのか?と思う人もいるかもしれませんが、スリルというよりもコントロール出来る範囲でのスライドなのですぐに慣れますし、よほどのオーバースピードでなければ危険ということはまずないですし、ペダルコントロールの楽しさがとても体感しやすいのは間違いないです。トヨタも発売当初からドリフトマシンとしての性能をアピールしてましたが、まったくその通りで、BMWなどのダイレクトなハンドリングを得意としているメーカーのクルマに長く乗っているならば、場所さえ許せば簡単に振り回せます。BMWだとギリギリ粘ってしまうレベルのアグレッシブなハンドリングを繰り出すと、なんともいい塩梅にスライドします(最初はちょっと焦りますが・・・)。

  さらにステアリングのずっしりとした質感も、やはりクルマを操るフィールを重視する人にとっては大きな魅力です。「86ってどうなのよ?」「300万円そこそこで大したスポーツカーなんてできないでしょ?」みたいな意見もあるかもしれないですが、「個性」という意味では十分過ぎる魅力を持っています。スバルとしては皮肉なことですが、次世代の2枚看板として想定しているであろう「WRX S4」と「レヴォーグ」なんかよりも断然に楽しいクルマに成長してしまった!という嬉しい誤算なんじゃないでしょうか?

  あとボクスター及びポルシェの名誉の為に言っておくと、乗り方のバリエーションこそ少ないものの、「加速・旋回・制動」というドイツの乗用車が特に意識する3つの基本性能においては、決して86に負けるものではないです。そしてボクスターはあくまで、1989年にデビューして世界で大ヒットしたマツダ・ロードスターのアイディアを元にポルシェが構築したクルマであり、ファッショナブルなオープン2シーターで、市街地から高速道路までこなすオールラウンドなラグジュアリー・スペシャルティカーとしての完成度は非常に高いです。特にロードスターのフォロワーとして本家を凌ぐのではないか?と思われる「制動力」は素晴らしいです。86のブレーキングはどうもスバルのAWDスポーツみたいなフィールで、マツダやポルシェの感覚で踏むと制動距離が結構多くなってしまいます。効き始めの部分がかなりゆるい印象です・・・。2015年モデルの86はその辺の進化があるのか?ぜひ乗りに行ってみたいと思います。


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2014年7月14日月曜日

トヨタ・新型スープラ 「高級スポーツカーとは一体何?」

  スープラ復活!というニュースがいよいよトヨタからリークされたみたいです。もちろんやる気満々のトヨタをぜひ応援したいですし、BMWとタッグを組むというアイディアもとても良いものですね。スープラを名乗るならとりあえずはBMWが投入した最新の3L直6ツインターボが載ってくるだろうと誰でも想像しそうなところですが、どうやらそういった王道のスペックではなくて、マイルド路線の「変化球」になるようです。

  同時期に発売されるホンダNSXへの対抗モデルという位置づけもあるかもしれませんが、トヨタは幅広い価格帯を設定するためにコストが抑えられる「2Lターボ」と高出力・好燃費を実現した「2.5Lターボ&HV」という新開発エンジンを搭載する見通しだそうです。普段は新型ユニットの開発には慎重な姿勢を見せるトヨタが、「ターボ&HV」を無理やりに仕込んでくるあたりに「イメージ戦略」における神経戦が伺えます。かなり前から3.5LのV6ターボ&HVで登場すると告知されている次期NSXに対して「ターボ&HV」なんてトヨタでも簡単につくれますよ!とばかりにホンダの一人勝ちを防ぐ狙いがあるようです。そして自動車評論家に安易に否定させない為の戦略として「BMW」のクレジットを入れる・・・なんと完璧な戦略!

  トヨタと組むことを決めてからのBMWはやたらと「サスティナビリティ」を連呼するようになった印象です。ドイツでは一般に「環境志向」の意識は高いと言われていますが、旧態依然な自動車業界に関しては、VW、メルセデス、BMWともにまだまだ「方向性」を示した段階に過ぎません。日本の「アホ〜」なクルマ雑誌はやたらと「ドイツは日本の数歩先を行っている」と言いたがります。しかし「環境」に関してはドイツメーカーはまだ「旗」を掲げただけで、それを高いレベルで実践しているのが日本で販売される日本車くらいなのだから、日本の自動車産業の先進性をもっと誇るべきだと思うのですけど、なぜか彼らの合い言葉は「日本はオクレテル」「早くターボ化しろ」・・・です。

  最近では欧州でも高級EVを作る「テスラ」が急速にシェアを拡大しています。VWグループもポルシェ・パナメーラーSをPHV(Eハイブリッド)にして、「環境」イメージの拡大に務めています。ただ欧州メーカーの「環境」戦略は、日本やアメリカと比べて一般ユーザーのコンセンサスを得られていない部分もあるようで、自動車というインフラそのものを否定する動きがドイツでもかなり目立っています。過去10年間で新車販売が4割減というドイツは、10年前とほぼ同水準まで回復した日本と比べると「クルマ離れ」の加速度が大きく違います。これにはやはりトヨタ、ホンダをはじめとした日本メーカーの本気度がクルマの存在意義を変えつつあるからと言ってもいいかもしれません。なぜ自動車評論家は彼らの仕事を残すのに貢献してくれる日本メーカーを叩くのでしょうか?

  自動車雑誌に散々にネガティブキャンペーンを張られながらも、突き進んできた日本の「サスティナビリティ」がいよいよ、自動車雑誌の"本丸"と言えるBMWをも巻き込みつつある中で、自動車評論家のみなさまはどのような態度をとっていくのかが注目されます。直4や直3を突きつけられても「これはBMWではない!」と言えなかったメディアですから、トヨタの思惑通りに「BMWが味付けをするとやはり全然違う!」みたいな茶番を「繰り返す」のでしょうか(トヨタとしては自爆の印象もありますが)。マツダ・アクセラHVの「加速が滑らかさ」への絶賛記事を見て、現行プリウスユーザーは「もうプリウスだってだいぶ進化してるから!」と不快感すらあったかもしれません。

  トヨタの真の狙いは「HVのパイオニア」として、VWグループやホンダに引けをとらない「HVスポーツ」を出して、ライバルよりも確実に注目を集めることでしょう。「ポルシェ918」は一般人にはまったくリアリティがないクルマですし、おそらく新型NSXも同様の路線を取ると思われます。その一方で新型スープラは「手の届く」価格設定に落とし込んで、人気爆発を狙うという現実路線のようです。BMW Z4の路線を踏襲するなら600万円〜の価格設定でまあ「高値の花」ではあります。日産GT-Rを先例として挙げると・・・日産ファンから「ポルシェを本気にさせたGT-Rは別次元!」と大クレームが起こりそうですね。

  この新型スープラ開発を報じていた一般メディアで、「高級スポーツカーの開発に定評があるBMWと・・・」みたいな紹介がされていたのにはやや違和感を感じました。もちろん一般の読者に理解できる表現を使うことが大切なのはわかりますが、10年以上も「名車」と形容できるようなクルマを輩出できずに迷走を続けている現状を考えると「皮肉」にすら受け取れます。そもそもこのブランドは「スポーツカー」という概念を限界まで薄めて、単なるメーカーの「合同公開テスト」と化してしまったドイツの「DTM」という「泥舟」に乗っているだけの「哀愁」すら感じます。スポーツカーとは本来は個性の塊みたいなものですが、DTMもスーパーGTも「レギュレーション」を見るだけでウンザリするんですよね。今のF1を「つまらない」と感じる人も多いですが、ツーリングカーレースはもっと「つまらない」です。

  沢村慎太朗さんに言わせれば、フェラーリ・ベルリネッタも「もはや・・・」らしいですが、それでもフェラーリやポルシェが放つ個性に比べれば、BMWはもはや新興国生産が主体の量販車ブランドでしかないです。このブランドが今でも日本人の頭の中ではスポーツカーのアイコンになっているのか?と誤解されかねない記事を平気で大手メディアが発信することで、「日本人は全く本質がわかってない」とバカにされるんでしょうね。


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2013年9月24日火曜日

クラウン・マジェスタ「これでいいのか? 落としどころが・・・」

  「非レクサス派」という人は調査をすれば結構多いと思います。特に国産のライバルメーカーの愛好者の中には、かなりの割合でレクサスと聞くだけで、やたらとムキになって否定する人がいます。かくいう私も現行GSが登場するまでは、レクサスの存在を1ミリも認められないタイプの人間でした。失礼を承知で言いますが、ネットにレクサスの良さを熱弁する人がいたら、「こいつ大丈夫か?」と思いつつ、最凶にセンスのかけらもないブサイクな人間像が頭の中に自動的に浮かんできたものでした。

  今でもLSと現行GS・現行ISしか認めていないのですが、レクサス=アレルギーはだいぶ無くなってきて、近頃では買ってもいいかなと思うことすらあります。情けないですが、自分みたいにポリシーの欠片もない人間などは、レクサスがちょっと本気を出しただけで、あっさりと許せてしまったりします。しかしまだまだレクサスに対して厳しい意見をお持ちの方も多いようですね・・・。

  最近のクルマの良さは認めるけど、レクサスオーナーの仲間入りだけは絶対に嫌だという人の気持ちは、なんとなく分からないでもないです。東京でレクサス乗ってる人は、関西人か地方出身か中国人だという「都市伝説」があるくらいなので、分別ある人なら意図的に購入は控えようとする結果、国内でのレクサス苦戦の一因になっているようです。実際に東京のショッピングモールでレクサスのドアが開くと、大抵は標準語でない会話が聞こえてくることが多かったりします。中国語だったりすることも実に多いです。まあ、なんというメチャクチャな偏見だとも思うのですが・・・。

  レクサスオーナーには絶対になりたくないけど、V8でエアサスの高級セダンに乗りたい人は、これからはどうしたらいいのでしょうか? トヨタの非情なまでのモデル刷新でトヨタブランドの最上級であるクラウン・マジェスタからとうとうV8モデルが消えてしまいました。いくらレクサスがあるとはいえ、本体ブランドのフラッグシップ車なのだから、幾つかのパワートレーンを用意するのが自然であり、当然V8モデルも残すべきじゃないか?と思ってしまいます。マジェスタはあくまでクラウン・ロイヤルの1グレードという位置づけなのでしょうか?

  この高級車ユーザーに対する非情な仕打ちは、社長号令の元「魅力あるブランド」へと脱皮を図っているトヨタ・グループにあって、看過できない「不祥事」じゃないかと思います。国内市場の一般向けモデルで唯一V8搭載車を販売しているトヨタグループが、販売チャンネルを制限するということは、国産V8モデルの希望者は全員あの日本車離れしたスピンドル・グリルを受け入れなくてはいけないのでしょうか?

  先代マジェスタのような日本情緒溢れる高級車が好みの人が乗り換えを考えたとき、V8エンジンにこだわって探すと、もはや良い雰囲気のあるクルマには巡り遭えないかもしれません。日本車離れした派手なスピンドルグリル顔のLSを含めて、V8セダンはパナメーラ、クワトロポルテ・ジャガーXJいずれも北米を意識した「大陸系」デザインへと無個性に収束していて、敢えて言えばSクラスや7シリーズ辺りが先代マジェスタのイメージにやや近いかなといったところです。いっそのこと12気筒のベントレー・コンチネンタル・フライングスパーのほうが、外国ブランドの最新デザインにも関わらず、先代マジェスタユーザーの感性に合っている気がします。

  SAIとかレクサスISとか「末端」のグレードならどんどんカッコ良くすればいいと思いますが、1000万円近いフラッグシップのコンセプトがコロっと変わってしまうのはやはりどうかと思います。LSのデザインはアヴァンギャルドになり、新型マジェスタはかなりスケールダウンしてフーガHVの対抗モデルみたくなってしまいました。エアサスも廃止され、なぜかブレーキだけは高級仕様のままというチグハグな足回りを考えても、610万円〜という価格も妥当ではありますが、まったく「欲しい」というモチベーションが起こらないです。先代のマジェスタは相当にお買い得だと思えたのですが・・・。



↓マジェスタはB'zが流れてるイメージかも・・・

2013年9月1日日曜日

トヨタSAIマイナーチェンジ 「ひそかな自信作では?」

  モリゾー社長の号令のもとトヨタの改革が進んでいます。去年のオーリス、カローラ、クラウンのFMCではまだまだ現場が付いていきていないバタバタした印象でしたが、今年になって期待のレクサスISを発表して、文句なしのDセグ最高水準の評判を勝ち得た勢いそのままに、同クラスのHV専用セダンSAIのマイナーチェンジがこれまたなかなか意欲的で好印象ですね。

  去年の後半からセダンをめぐる環境はかなり好転しています。新型アテンザの成功に引きずられるようにレガシィとマークXの販売台数も再上昇しています。乗り出し価格で400万円近くになるアテンザの価格上昇を受け、したたかなトヨタは一応以前から設定しているマークX”G’s”のプロモーションを強化して、高性能な3.5L搭載で420万円〜という絶妙な価格設定でアテンザを牽制しています。

  このマークX"G's"は一部で不評な「Xマーク」を外すという大英断が施されています。外観はFRスポーツの名車S15シルビアを一回り大きくしたようなスタイルで、トヨタらしからぬキャッチーなデザインになっていて、アテンザなどの新型車にも十分対抗できる目新しさがあります。さらにトヨタの3.5LエンジンはDセグにはパワフル過ぎる性能で、走りでもアテンザディーゼルを上回る爆発的な加速力を誇ります。つまり燃費以外(=走りの楽しさ)はアテンザにまったく負けていません。

  さらに質感と低燃費で勝負してきたアコードHVやメルセデスCLAに対抗して、今回はSAIに強烈なMCを施してきました。従来のSAIの弱点であったスタイリングが格段に向上していて、アコードやCLAに全くひけをとらない洗練されたものになっていて素直にビックです。あくまで推測ですがトヨタはこのSAIを特にCLAにぶつけてきたような気がします。わざわざナビをオプションにしてCLA180を下回る価格へと改訂し、もともと評判が良かった内装をさらにブラッシュアップして、決してメルセデスの後塵を拝することがない水準へと引き上げています。燃費・加速・足回りなどの基本性能もCLA180をきっちり上回っていて、トヨタとしては国内市場は絶対に譲らないという強い意志が感じられます。メルセデスが今後CLAにハイブリッドを持ち込んで400万円くらいで出しても負けないほどの完成度を誇っていると思います。

  SAIのコクピットを見れば、トヨタがこのクルマに懸けた想いを感じることができます。トヨタがここまで作り込んだ造形を見せるのは、兄弟車のレクサスHSを除くと1993年デビューの80系スープラが思いつくくらいです。80系スープラはリトラクタブルライトが廃止になり、やや中性的でマイルドな表情に変わりましたが、トヨタ渾身の3Lツインターボ(2JZ-GTE)と造形に優れた「スペシャル」なコクピットで人気を博しました。もちろん当時はGT-Rという世界的なスーパースポーツカーをライバルにしていたということもあってのコスト度外視の入魂だったようですが・・・。

  そんな歴史的名車にインスパイアされたかのような設計のコクピットを持つSAI/レクサスHSですが、冴えない外装と旧型ハイブリッドのせいもあってターゲットの高齢者にもまったく訴求しない残念なクルマとしてラインナップの片隅に放置されていました。HSの北米販売中止を受けてモデル消滅も止むなしと思っていましたが、トヨタの優秀なマーケティングは「大規模マイナーチェンジ」という判断を下してきました。

  クラウンやISではライバルと比べて価格が高くて(高いことに意味があるので仕方がないですが・・・)、十分に浸透しないと踏んで300万円台で収まるハイブリッドのDセグセダンを残すのはある意味当然の選択ではあります。BMW3とメルセデスCを総合的に出し抜いたレクサスIS、アテンザのスポーティユーザーに訴求するマークX"G's"3.5L、そしてアコードHV、メルセデスCLAとアテンザのエコユーザーへの需要を取込むSAI。強力な3モデルに加えて従来のトヨタユーザーをきっちり掴まえる新型クラウンとトヨタ陣営の強力なラインナップが揃った感があります。

  残るはアウディA4クワトロを叩くために、徹底的に外装をブラッシュアップしているという噂の新型レガシィを投入し、新たに参入するBMW4とインフィニティQ50クーペに対してレクサスRC(ISクーペ)をぶつける総力戦が展開されるようです。日産とトヨタのクーペ対決はお互いに厳重に情報管理を行っていて、特に日産はセダンとはまったく趣向の違うパネルデザインを見せると海外メディアに幹部が強弁しているようです。先に公表されているBMW4シリーズが霞んでしまうほどのスタイリッシュな対決が来年には見られそうです。

  

  

  

2013年3月18日月曜日

新型クラウンにドイツ的な期待は不粋か・・・

  正直にいうとクラウンに「新鮮さ」みたいなものは最初からまったくといっていいほどに期待していない。それなのに、なぜか「クラウンが変われば日本車が変わる」という幻想を抱いてしまうことに矛盾を感じてしまいます。改めて考えると、まったく建設的ではない感情をぶつけているだけな気すらします。そもそもなにを基準にクラウンに不満なのかもはっきり分かりません・・・。そこのところをはっきりさせてあげないと、キャリアを懸けてクルマ作っている開発者も報われないですよね。

  2代前の「ゼロクラウン」はドイツ車を彷彿させるスポーティセダンとして好評でした。日本市場で人気だったFRのドイツ車と肩を並べる乗り味と高級車としてのコストパフォーマンスからすれば当然のヒットだったと思います。しかしゼロクラウンが必死で追いかけたはずのメルセデスEやBMW5の現在位置は、もはやクラウンが目指すものでは無くなっているのかなと思います。いま日本メーカーがベンツEやBMW5にそっくりのクルマを作ったとしても見向きもされないと思います。先代のレクサスGSや現行の日産フーガが発売されても酷評しかされないでしょう。実際にBMW5は現行のアウディA6に販売面で追い抜かされています。

  いまクラウンにとっては指標となるクルマは見当たりません(クラウン以上にウケているFRの大型セダンがない)。グリルデザインという意味ではアウディをベンチマークしたかもしれませんが・・・。アウディが人気なのはデザイン面でメルセデスやBMWより優位に立っていて、しかも4WDの安定感がFRの乗り味より魅力があると考える風潮になったからでしょうか。ボルボの開発者も直4しか使わないならFRの選択はないと答えているように、V8を載せるアメリカンセダンでも無い限りは、4WDかFFを使うのがセオリーなのだと思います。この辺がクラウンにとっては存在意義が問われる展開になってはいるのですが、それでもメルセデスEやBMW5よりは確かな進歩でクラス最高のバリュー感を打ち出しているのだから素直に評価されていいのではないでしょうか。

  進化をやめた?ドイツFR(新型ベンツEがヒットしたらごめんなさい)に比べれば、賛否両論を浴びながらも前進するクラウンは本当に素晴らしいと思います。プリウスみたいな近未来デザインのクルマが街に溢れ、世界一の高齢社会だというのにスポーツカーがバカ売れするのだから(GMやVWがつくらないスポーツカーをトヨタは作った)、世界で1番セダンのデザインにとって厳しい市場が日本です。BMW3クーペ(E92)をこの前見かけましたが、悪いクルマとは思いませんが、とても500万円するクルマには感じられなかったです(BMWは6以外興味ないという人は結構多いのでは?)。もはや日本人のクルマの「イディア」的イメージは、かなりテキトーなものになっていたりするのかなという気がします。そういう訳分かんない要望(私も含めて)で溢れ帰ったカオスな市場を相手にしなきゃいけない開発者も大変な仕事だなと改めて思いますね。

↓CG読者はアウディにハマる人が多そうです。Car and Driver読者はBMWかポルシェに乗ってそうです。Best Car読者がクラウンかな・・・。



2013年3月12日火曜日

トヨタ86コンバーティブル

  86のコンバーティブルが発表されましたが、意外や意外にオープンのスタイルがとても似合っていて、これまたヒットの予感がします。メルセデスSLKのMT仕様が500万円を切る価格(本体)で発売されますが、この86なら高く見積もっても100万円以上は安くなるので、メルセデスの出鼻をくじく強烈な一発になりそうです。さらに新型ISにリトラクタブルハードトップ(RHT)仕様を設定すれば、さらに強力なラインナップになります。

  また4シーターのコンバーティブルを用意したことはとても素晴らしいですね。VWのイオスやゴルフコンバーティブルなど4シーターオープンがマツダロードスターよりもニーズを掴んでいた部分もありました(イオスは販売不振でモデル打ち切りになりましたが・・・)。また3代目ロードスターもVWのオープンもそうですが、デザイン的にやや不興なところがあって、いまいち購入に踏み切れない人も多かったのではないでしょうか。

  そんな「不完全」なオープンカー市場に「4シーターでかっこいい」というごくごく当たり前の装備のクルマ(86オープン)が出てきて順当に売れそうです。小型オープンスポーツとしてマツダのロードスターはギネスブックに載るほど世界中で売れに売れました。来年にはアルファロメオのスパイダーと共通仕様の4代目が登場するようですが、2シーターに固執する模様でちょっとがっかりです。

  オープンカーもまた、バランスを決めるのがとても難しいクルマのようで、運動性能を中心に考えると2シーターでショートデッキのスタイルになるようです。しかしよりクルマに魅力があるのは4シーターになって来てるのかなと思います。さらにソフトトップにするかハードトップ(RHT)にするかも悩ましい問題です。やはり運動性能を考えるとソフトトップで、ハードトップモデルは車重のバランスが変化して走りにくかったり、車重が増えすぎてスポーツカーとしてのパフォーマンスに不満が残るなどがあるようです。レクサスISのRHTなどが不評です。ただ安全面を考えるとRHTの方が安心という人も多かったりで、結局はどれも「帯に短し、たすきに長し」の状況でスポーツカーにとっては悩ましい展開なのかもしれません。


↓オープンカーはどれも難点があると思ってしまうと、まったく手がでません。とりあえず一回は乗ってみてから考えなきゃなと思います。86のオープンはお手頃価格なら試してみたいですね。




  

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