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2026年1月12日月曜日

ホンダCR-V e:HEV (2026年2月グレード追加)

 

トランプが日本市場を救う!?

2026年2月からホンダがCR-Vのe:HEV車を日本市場に投入する。生産はオハイオ州のイーストビレッジ工場で、第二次トランプ政権の強引な政策を受けて、ホンダが北米生産車の日本向け輸出に舵を切った。トヨタ(カムリ、ハイランダー、タンドラ)、日産(パトロール)にも同じような動きがあり、日本の自動車産業の基盤が何だか変わりそうな2026年である。


CR-Vだけでなくソニーと共同開発した新型BEVのアフィーラもオハイオ州の工場で生産され、2027年に日本に導入する予定だと報道されている。北米生産車を日本に持ってくる流れが定着すれば、ハンドル位置を変えるのは手間だろうけど、アキュラのインテグラやTLXも日本に導入して、ポルシェの718ケイマンやパナメーラみたいなステージで売ればいいと思う。ホンダのe:HEV化戦略には逆行するけど、これはスポーツモデルだ!!と宣言すればいい。10速ATの技術力を日本でも見せつけて欲しい。



外国製フラッグシップ集結

CR-V・e:HEVの導入で、これまでは日本市場では影が薄かったけど、e:HEVに最適化されたホンダの重量級ファミリーモデルへの注目が高まることが期待される。中国製オデッセイと、タイ製アコードにアメリカ製CR-Vが加わり、グローバルで評価されるホンダのグランドツアラーがもっと認知されそうではある。ホンダが誇るSUV、セダン、ミニバンの3つのフラッグシップというだけで、クルマに詳しい人ならば、とりあえず「間違いない完成度のクルマ」であることはすぐに察する。


北米市場にはパイロット(これも日本導入の噂あり)のような規格外サイズのSUVが用意されているとはいえ、ホンダのフラッグシップがプレリュードを含めe:HEVで日本市場に全て揃った。価格帯でトヨタのクラウンやアルファードを想定しているので小粒な印象になってしまうが、ポルシェやBMWを部分的かもしれないが走りの質感で越えていく醍醐味こそが、日本で最後発ながら一流メーカーへと成長を遂げたホンダの本来の姿だ。



ホンダの本来の評価

3代目の北米版オデッセイは「ピープルムーバーのBMW」として2008年頃に北米で大ヒットした。3列シートでフロントに寄ったドライバーズポジションながら、BMW5シリーズのような操縦性と安定感を誇る「オンリーワン」なクルマと評された。トヨタ車は車体が大きくなるほど操縦性や乗り味への言及はされなくなるが、ホンダ車は重量が増えるに応じて足回りの強化をしっかり行うため、トヨタ車に比べて価格がやや割高になる傾向がある。


BMWアルピナのように、車体を補強して重量が増えた分だけ、上のクラスのパーツを使って足し算で強化するクルマ作りを、セダン、ワゴンではなくて、ピープルムーバーでも妥協せずに行うホンダのクルマ作りは、ステップワゴンやフリードに根強いファンを生んでいる。SUVにもその思想は受け継がれていて、ヴェゼル、ZR-Vともに「走りの良さ」を理由に多くのユーザーが選んでいる。



フルスペックSUV

今回e:HEVで導入されるCR-Vは、車内の居住性を目的にSUV化されたヴェゼル、ZR-Vとは異なり、市販SUVでは最高クラスに位置する最低地上高210mmを実現している。ふざけたカーメディアがSUVレビューの際に、何の根拠もなく「悪路走破性」を語り、読者は勝手にジムニーが土手みたいなところを走るところを想像する。交通量の多い道路ではりりえないが、地方の道路では路面が裂けていたり、深さ10cmはありそうでタイヤが沈み込むような穴が空いていたりする。


最低地上高が140mm程度のロードカーだと、ガタガタの道を通過するのに、車体下部を傷つけないように神経を使うが、210mmのSUVに乗っているときは気にせずに通過できる。ヴェゼルのAWD車は170mm、ZR-Vが190mmで、フォレスター(220mm)、CX-5(210mm)、ジムニー(205mm)に比べるとSUVとしてフルスペックではなかった。機能性重視のホンダが、フォレスター、CX-5に匹敵する本格派SUVを日本に投入してきた。完全に成熟したSUV市場で、ユーザー側の認知も高まりそろそろまともに評価されるようになってもいいのでは。



スバルファンの批判を弾き返す

街中ではフルエアロを組んで、エスティマみたいなボデーになったハリアーをたまに見かける。195mmの地上高がさらに下げられてカローラクロス(160mm)みたいな、SUVなのに床下をぶつけないか気にしなければいけないクルマになっていて、失礼だけど「頭が悪いチューニング」だと思う。トヨタSUVに乗る人の認識はおそらく、RAV4(195mm)が悪路走破性高く、CX-5(210mm)が低いとカーメディアによって洗脳されているのだろう。


クロストレックやレイバックも200mm以上の地上高を確保するスバルのファンからすれば、CX-3(160mm)、CX-30(175mm)、CX-60(175mm)のような、居住性確保が目的のSUVも多く出しているMAZDAはポリシーが低いかもしれない。それゆえにCX-5はMAZDAにとってブランド価値を維持する重要なモデルだ。同じ理由でホンダのSUVもスバルユーザーに鼻で笑われていた部分もあったのだけど、今回のCR-Vの再登場で意味合いが変わってくる。



日本メーカーと有名ブランド

都市部ではポルシェ、BMW、ランドローバーといった高級SUVブランドが人気だ。2000万円くらいするフラッグシップのモデルとCR-Vを比較するのは流石に無茶だけど、これらのブランドの1000万円を下回るくらいに位置するマカン、X3、ディフェンダーが相手ならば好敵手になる。MAZDAは縦置き直6の後輪駆動に憧れて過ぎてCX-60を作ってしまったが、実際のところ横置き直4ベースのCR-Vでもe:HEV技術の恩恵で、動力性能、燃費、静粛性、操縦性、安定性どのパラメータでも引けを取らない。


1990年代に英国ローバーを支え、英国工場を建ててOEM車の導入して名門を復興させたのがホンダだ。販売が回復したローバーをM&Aで手に入れたのがBMWで、その際のランドローバーの設計がX3などの設計につながっている。横置きとなったX1のベースもMINIの技術の活用で、やはりホンダの横置き設計が取り入れられている。さらにレンジローバー・イヴォークのシャシーはMAZDAがフォード時代に開発したものが採用されている。輸入ブランドのSUVがレベルが低いというわけではなく、ホンダやMAZDAの技術は世界最高レベルにあるということだ。



MAZDA天下の時代は終わる!?

MT車だったらトヨタ、日産、ホンダ、MAZDA、スズキ、ポルシェ、BMWどこのブランドでも楽しいが、2ペダルのオートマティックで選ぶとすれば個人的な意見で恐縮だがMAZDA1択だ。長時間走っても退屈しないダイレクトな操縦性にこだわるMAZDAが絶対的に正解だと思っている。しかしプレリュードに続いてe:HEVのCR-Vは、MAZDA以外で選びたくなる2ペダルが出てきた。自然吸気エンジンに熟成ATを組み合わせたMAZDAがこれまで乗り味で優位だったのはある意味で当然であるが、この格差を埋めるべくホンダも(トヨタも)HEV用ミッションの改良に努力してきた。


CR-Vのe:HEVは、クルマに煩いMAZDA、スバル、そして輸入SUVユーザーからもホンダブランドの中で特別に注目を浴びるクルマだと断言できる。本体価格500万円オーバー&北米生産ゆえにミドルSUV販売のトップに立つのは難しいだろうけど、このクルマの潜在ユーザーはホンダが抱えるN-BOX、ヴェゼルからのステップアップ・ユーザーというよりは、これまでホンダ車に乗っていなかった層に多いのではないかと思う。アウトランダーやエクストレイルを積極的に選ぶ層(トヨタNG派)の比較候補にも断然上がるだろう。



後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2026年1月12日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する 自動車 メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。



日本人の知らないHONDA


ホンダ タイプR ヘリテージ





ホンダCR-V・e:HEVは「オンリーワン」なのか?(マウンテンゴリラのカーライフ)


ホンダCR-VアメリカンSUV日本上陸(CARDRIVEGOGOエリア9)



ホンダCR-V・e:HEV (CARDRIVEGOGOまとめブログ) 


2025年8月28日木曜日

ホンダ・プレリュード (2025年8月・情報公開)

3ドアクーペ

北米市場で販売されていたシビック・クーペの後継モデルが、新たに「プレリュード」に車名変更を機に日本市場にも投入されることになった。2016年で販売を終了したCR-Zが中古車市場でカルト的人気で乗り継がれていたことで、メーカー側も久々に3ドア車の国内発売を決めたようだ。学生でも購入できる廉価な中古CR-Zで、クルマの魅力にどっぷりハマった若者が、就職して給料も上がってきたタイミングであり、決して裕福なシニア専用マーケティングというわけではなさそうだ。


プレリュード、シティ、シビック、アコードクーペ、NSX、レジェンドクーペ、CR-X、ビート、インテグラ、シビッククーペ、S2000、CR-Z、S660・・・過去のホンダの2ドア&3ドア車はいずれも「名車」ばかりで、ホンダらしい徹底した作り込みが目立つ。これがホンダ四輪の歴史そのものだと言っても過言ではない。新型プレリュードが3ドアで新設計されたのは、この遺産を引き継いでホンダのブランド価値を示すために他ならない。ホンダの2ドア&3ドアはとりあえず買っておいて損はないと考えるユーザーも少なくないだろう。


低燃費ツアラー

CR-ZはMTとCVTが用意されたが全車ハイブリッドで、モード燃費は20km/Lを超えていた。現状では中古車の車両価格は50万円ほどで、17km/Lくらいの実燃費で走ってくれるなら、とてもお財布に優しい。今年から好きに走っても17km/L(ハイオク)は余裕で越えるMT車に乗っているが、毎週のように200〜300kmのドライブに出掛けてしまうほど、ガソリン代の負担感はない。Bセグのコンパクトカーだけども、今のところ稼働率は非常に高くて予想以上に満足している。



MTが選べるICEだとBセグの燃費が群を抜いている。MTを断念してHEVならば同等の燃費をCセグ以上のツアラーで実現している。走りに定評があるシビックHEVのカーライフも、400万円を越える本体価格を支払ってしまえば、燃費の経済性と高額負担バイアスの相乗効果もあって市販車最高レベルの「買ってよかった」体験ができると思う。東京から関東地方の全域に行ける往復300〜400kmの長距離ドライブでも、17km/L、1L=170円で計算すると4000円以下で済む。



プリウスが辿り着けない領域 (価格)

外観が現行のプリウスに似ていて、車に興味がない一般人には見分けが付かないレベルかもしれない。大きな見分けるポイントはドアの枚数と、洗練されたリアデザイン。さらに真横から見るとドラポジが「センター乗り」になっているのがプレリュードで、「前乗り気味」なのがプリウス。ドラポジはシビックとの大きな違いにもなっている。プリウス、シビックHEV、プレリュードで選ぶなら、プレリュードが特別な存在になっている。


価格は正式発表されていないが、プリウスHEVの最上級グレード(Z・AWD)が392万円なのに対して、プレリュードのベースグレードは618万円になるらしい。MAZDA2の頂上(250万円)と、CX-80のボトム(394万円)でも150万円程度の価格差しかないのに、会社が違うとはいえ200万円以上の格差は、プレリュードの価値が見極められる賢いユーザーにしか理解されないだろう。あまり適当なことは言えないが、余程の問題でも起きない限りは、とりあえずはリセールで100万円以上は価格差が縮まるだろうが・・・。


クラウンスポーツも喰う

618万円という価格は、クラウンスポーツ590万円(HEV)を追い越してしまう。ホンダの価格設定は最初からクラウンスポーツをターゲットに進められていたのかもしれない。MAZDAや日産だったら、ターゲットより安く価格設定するのだけども、それは四輪メーカー同士の感覚である。二輪屋のホンダにとっては、エンジンもまともに作れない四輪メーカーと同等の価格設定など最初から考えていない。フィットもヴェゼルもトヨタの同型と比較すればやや割高である。


シビックtypeRが割安過ぎてプレ値が付いてしまったのだから、ユーザーからの信頼を回復するためにも価格設定には慎重になるのだろう。HEVを普遍的価値を持つ本格スポーツツアラーへと昇華させるというホンダの意志は誇り高く、他社の価格設定など最初から考慮していないのかもしれない。二代目NSXでHEVのスーパーカーを作り上げた実績があり、その技術や知見をより汎用的なモデルへ応用しているのだから、HEVツアラーとして現状ではオンリーワンの価値を持つ。


BMW・M235iも喰う

今年フルモデルチェンジを果たしたBMWのM235i (2シリーズグランクーペ) 734万円とおなじ土俵に上がった。2L直4ターボ (300ps)  を横置きに積むAWD車で、日本市場価格ではシビックtypeRと同等のスペックに、BMW・Mの格式が追加されていて適正価格に感じる。しかしプレリュードの登場は、このホンダ vs BMWの伝統的対峙に横槍を入れた。常用域は電動で走るシステムなので、BEVスペックのトルクで発進でき総合出力200ps程度であっても、シビックtypeRに匹敵する洗練された加速が可能だ。


次期シビックtypeRは現行のピュアICEのままでは登場しないことが予想され、ハイエンドなドライビングを提供する役割はプレリュードが使うHEVシステムへと移る。BMW版のシビックtypeRと言えるM235iは、横置き&直4のためモード燃費がICEのMの中で最高の12.6km/Lであるが、プレリュードのベースとなるシビックHEVは24.2km/Lである。ボデーは3ドアで剛性も高くなり、軽量化もしている可能性がある。BMWの本来の魅力であったスペシャルティカー的カスタムをホンダが仕掛けてきた。


A45AMGから乗り換え!?

国内市場でCセグのハイエンドカーとして君臨するのはメルセデスのA45AMGで、2013年の登場以来、街中でよく見かける。M235iがBMW版シビックtyoeRなら、A45AMGはメルセデス版ランエボである。現行のA45AMGは421psまでチューンアップされ、940万円まで価格が上昇していて買いにくくなっているが、代わりに306psのA35MAGが765万円で設定されていて、最近ではこちらをよく見かける。


直4の横置きは手頃な大衆車のイメージが強いが、国内で走らせるのに都合が良いサイズ感と満足できる走行性能に加えて、ブランディングにふさわしい内装まで備えている。実際に10年以上にわたって売れ続けてきたわけで、A45AMGやA35AMGは、プレリュードの国内投入を実現させた「影の功労車」と言ってもいいかもしれない。


シビックHEVが売れる

残クレやリースなど様々な購入方法が広がっているため、613万円という価格が一般ユーザーの家計に負担をかけるのかわかりにくい。2000年代に国内のBMWディーラーで残クレが始まり、E90系BMW3シリーズが大ヒットし、2007年の国内BMW販売は過去最高を記録した。残クレの広がりによって輸入車価格の上昇が始まり、その波が2020年代には日本メーカーにも及んできた。クルマだけでなく、住宅、米、宿泊など需要が高いものは次々と「金融」に価格が釣り上げられていく。


20年前に残クレを始めたBMWは、今はその後遺症に苦しんでいる。価格が急騰しているアルファードやランクルも10年後には同じような状況だろうが、その頃には自動車のカタチは変わったものになっているだろう。ユーザーは資本主義の弊害に気づき始めている。シビックやCX-60といった高性能だけど控えめな価格設定のクルマが堅実に売れるようになっている。プレリュードの価格は絶妙なサジ加減なのだろうけど、シビックHEVの上級グレード430万円がとても魅力的な価格設定に見えてくる。



後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2025年8月28日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する自動車メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。




ホンダプレリュード&インテグラがいた時代


タカラトミー(TAKARA TOMY) トミカ No.10 ホンダ プレリュード ミニカー


タカラトミー(TAKARA TOMY) トミカ ホンダ シビック TYPE R トミカ55周年記念仕様




2018年11月29日木曜日

ホンダ・インサイト EX-BLACKは362万円

本気のサルーン復活論!!
本体価格350万円といえば、アテンザ25S・Lパケ、カムリG/WSのほか、BMWやメルセデスのDセグメントの実勢価格がこの辺に集中する。プリウスの『Aプレミアム』が320万円だから、それ以上にハッキリと車格や高級感が主張できるサルーンモデルに許された価格帯。ホンダが打倒プリウスに送り込んできたインサイトEX(上級グレード)が324万円で、まさにターゲットとガチンコ。さらにレザーに専用インテリア、専用ホイール、外装のクローム仕上げを施して「本気」を見せたEX-BLACK・STYLEが362万円。黙ってこれ一択!?これはとても妙味があるサルーンが登場してきた。


欧州車を蹴散らすだろうな・・・
ライバルはプリウスだけでなく、メルセデスCLA(404万円〜)、アウディA3セダン(314万円〜)、新型プジョー508(417万円〜)など射程圏内にはお買い得に見える欧州車モデルがひしめいているのだけど、輸入車に乗る見栄っ張りな人々(決して見栄を張ることは悪いとは思いません!!)をあまり前のめりにはさせない「おとなしい」モデルが多い。プジョーよりもアウディやメルセデスの方が安いってのもちょっとよくわからない。新型3シリーズ発売を目前に控えるBMWにとっては、非常に厄介なクルマかも。ホンダってのがメンドーだ。



日本で売れるミドルサルーンの条件
とりあえず新車から10年くらいは「上質なまま」で乗り続けられるモデルが好まれる。先代プリウスが大ブレークしてミドルサルーン市場には暗雲が立ち込め続けているけども、輸入ブランドが絶対ではない!!という認識も広がりつつあり、日本市場のトレンドはかなり変わってきている。10年くらいは余裕で乗り続けられる「メンテナンスコスト」。それからどんな場所でも気軽に出かけていける「サイズ感」。そして同じ10年をずっと一定の「ステータス」を保ち続けるだけの「品格」が揃っていれば、そこそこファンは増えるようだ。


売れたサルーンの特徴
この3つの条件を満たした具体的な成功例としては「プリウス」「レヴォーグ」「シビック」「Cクラス」「CLA」などが挙げられる。逆に「サイズ感」で敬遠されたのが「ティアナ」「アテンザ」。価格面でやや折り合わなかったのが「スカイライン」「アコード」あるいは「プリウスPHV」。そしてやや「品格」不足だったのが「プジョー508(現行)」「WRX」「マークX」「インプレッサ」「アクセラ」「ジェイド」といったところか。


セダン/ワゴンを売るのは難しい
もちろんクルマへの考え方や価値観は人それぞれ違うのだけども、日本市場で300万円前後かそれ以上の価格帯の3BOXサルーン/ワゴンの売れ行きを客観的に判断すると、「コスト」(価格/経済性)、「サイズ感」、「ステータス」の3項目での大まかな『ストライクゾーン』が見えてくる。何かと話題を振りまいているMAZDAは実際のところはSUV以外ではとことんスベり倒しているし(Lパケはそこそこ売れた)、長期的なシェア拡大で好調が伝えられるフランス勢もシビアなこの市場では全く足跡を残せていない。


完全に狙っている!!
362万円でフル装備の最上級グレード『インサイトEX-BLACK・STYLE』はこの3つのフィルターを、マーケティング段階で相当に意識してきたように思う。まさにど真ん中を一点突破することだけに集中している。兄弟車のシビックがそこそこの成功を納めているけども、インテリアの質感と経済性、そしてホンダ自慢の2モーターi-MMDがもたらす静粛性の分だけ、本体価格がアップしているがむしろ割安感すらあるし、エクステリアデザインもシビックとは別路線のコンサバで落ち着いたものになったことにも好感が持てる。


4ドアクーペ(カリーナEDスタイル)でホンダが頭角!?
スタイルがとてもいい。アウディA5スポーツバックやBMW4シリーズグランクーペとほぼ同等のサイズ感。こんな4ドアクーペが国内メーカーからも出て来ないかな!?若干ミーハーな感じもするけどそんな意識高い系ユーザーをターゲットにすべく、インテリア、エクステリア共に素材にこだわった作り込みがされているようだ。CR-Vやアコードのように北米で巨大なセールスを持っていて、ついでに日本にも投入されている類のホンダ車とは全くアプローチが違っていて、ヴェゼル、フリード、N-BOXといったモデルでその能力を遺憾なく発揮しているホンダのマーケティング能力の高さを示すサルーンモデルに成長すると思う。


欠点はないのか!?
気になる点(欠点?)は・・・結構たくさんある。スタイルが七難隠す!?じゃないかもしれないけど、冷静に考えればEX-BLACK・STYLEの362万円は、とりあえずアテンザ25S・Lパケ(354万円)よりも高い。4700mm以下でサルーンを探している人にとってはどーでもいいことだけど。アテンザLパケはフロントシートはレザー/パワーシート/ヒーターは当然で、さらに『ベンチレーター』まで付いている。リアシートにも『ヒーター』とバックウインドーには『サンシェード』が付く。マツダのコスパが良すぎるだけなんだけども。


HVの欠点もある
ただし10km/Lがやっとの2.5L自然吸気ガソリンに対して市街地でも17〜20km/Lくらいは出せるであろうi-MMDのインサイトの魅力は大きい。アコードはモーターのトルク感でゆとりの走りを演出していたけども、ユニットにパワーがあるCVTは割とトルコンATの乗り味に近い。乗り味に関しては心配はないのだけども、アコードHVは長距離ドライバーにとってはあまり嬉しくない瑕疵を抱えていた。アテンザなどのエンジン車はだいたい90km/h前後の定速走行に燃費の目玉がやってくるが、i-MMDを使うアコードHVの燃費は60km/h前後でベストを計測する。つまり高速道路での移動に関してはマツダのガソリン&ディーゼルモデルに遅れをとる可能性が高い。


まだ不確定な要素が・・・
やはり乗ってから決めるべきではあると思う。1.5Lユニットはどのようなマナーを持っているのか検分。あるいはサルーンに欠かせない静粛性だったり、ホンダの低床設計ゆえにカリーナEDスタイルもお手の物ではあるだろうけども、実際の居住性となるといかばかりか!?せっかくのパワーシートが存分に使えない!?あるいはドイツ車のように無理なルーフ下げで、ドライビングポジションが非常に取りづらい可能性もある。12月13日に正式に発売予定とのこと・・・1度は乗ってみたいな。


「小型車の理想形 アウディA3セダン と ホンダ・グレイス」



ホンダスタイル2月号

2017年7月30日日曜日

ホンダ・シビック 「価格装備発表・・・間違いなく絶妙!!」

  いよいよシビックの日本価格が発表になりました。おおよそ予想通りでシビックセダンは1グレードのみの265万円です。ちょっと高級に乗りたい人にはレザー&パワーシート(運・助)と17インチホイールの『セットオプション』で25万円。エクステリアその他のオプションを無視すれば、とりあえず乗り出し300万円くらいには収めています。

  300万円といえばメルセデス、BMW、アウディ、ボルボといった日本で根強い人気を誇るプレミアムブランドがCセグのベースグレードを並べている『カルテル』な価格帯となっていて、そのグループにかなり興味がありそうなマツダ・アクセラは、最上級の2.2Lディーゼル・Lパケ(レザー)というスペシャルパッケージをその価格帯にぶつけています。インプレッサG4も最上級の『AWDの2.0i-Sアイサイト』にレザーオプションを組み込めばそれくらいの価格になります。

  日本車のCセグなら250万円以下に収めろ(ゴルフだって249万円)!!ちょっと高いんじゃねーの!?という意見もあるでしょうが、誤解を恐れずに言い切ってしまうと、シビックセダンは最初から300~350万円を狙った企画みたいです。250万円以下で欲しいユーザーを切り捨てる!!という潔さ。欧州で売っている1.0Lターボを持ち込めばさらなる廉価モデルも可能なんですけども、日本では一定のステータスを保つ戦略のようです。そんなことしても売れなかったら終わりじゃん・・・いやいやこれが中々戦略的です。

  例えば『アクセラXD・Lパケ』の40kgmトルクの加速や経済性は確かに魅力的ではありますけども、このクルマの最大の弱点は、上級モデルのアテンザと同じ方向性で作られていること。マツダにとっては300万円以上出せるユーザーには当然にアテンザを買って欲しいですから、このアクセラに少々ケチ臭いことを仕掛けてきます。アクセラのLパケはもちろ標準装備のレザーシートですが、パワーシートは運転席のみで助手席は手動!!これに対してアテンザは運・助ともにパワーシートです。あれ?これダメじゃね?デート車が欲しい人はアテンザを買ってください!!という魂胆が見え見え・・・。

  それに対してシビックは上級のアコードとはしっかり方向性を変えていてユーザー層があまり被らないようになっています。なぜシビックにHVがないのか!?の理由もなんとなく察しがつきます。キャラクターをしっかり変えているから、シビックのレザーオプションには堂々とアコードと同じ助手席パワーシートが装備できる。これ今頃マツダはちょっと青くなってるはず。デート車が欲しい人はアクセラではなくアテンザ、いやシビックをお買い求めください・・・ということになってしまっています。




  シビックの最大の特色は何でしょうか!?動画にはtypeRの試乗動画が多いですねー。いくつか見てみると、サーキットで必死になって走っているジャーナリストの喘ぎ声がキモい・・・。320psのFFモデルの全開走行。それだけでもうレビューする余裕もなくなって、もはや何言ってるかわからない動画も多いです。450万円のtypeRはともかく、シビック=スポーツカーの『偏見』を持ちすぎると、このクルマの良さは見えづらくなっちゃうんじゃないでしょうか。

  そのせいかベースモデルのセダン&ハッチバックに関してもなんかコメントの歯切れが悪い気がします。この人達は『プロ』なのにこの車に何を期待して乗ってんだろ!? とりあえず一通り見ましたけど、ホンダが真面目に作った北米ナンバー1のCセグ車である根拠が伝わってくるものが1つもなかったなー。K口Mなぶ氏などは得意の動画レビューでシビックには『欲しいと思う特別なものは何もない』=『つまらない』とまで評しています。なんだかスーパーカーにでも乗ってきたようなレビューだなー。シビックはあくまでアメリカ人が生活のクルマとして買ってるモデルだけど・・・。

  今時のホンダやスバル、いわゆるアメリカで人気を博しているブランドは、結構ケチをつけられやすい傾向にあります。K口さんの批判をする前に、自分自信もWRX・S4に乗って『つまらないなー』と書いた記憶があります。曲がらねーし、安っぽいし、オートクルーズコントロールなんかにしたら余計つまんねーし・・・ってクルマでした。速いだけ!!いやいやCVTだと特別な制御をしないとフル加速しないというややこしいスバル車。300psもなんだかトヨタの3.5L自然吸気のセダンの少々パンチ不足な加速みたいだった・・・。

  もう一つ余計なことを言うと、スポーツ性や刺激が欲しかったらマツダかポルシェ。ダイレクト感(アナログ感)が欲しかったらVWかBMW。ホンダやスバルのステアリングはなんだか『過保護』な制御があって、ちょっと『思い通り』とは言い難いところがしばしば出てくるんです。あまりクイックな入力は自動でキャンセルする仕組みが入ってる!?もしくはタイヤグリップの不足かもしれないですけど、スピードが上がると、ステアリングと路面がちょっと遠くなる感覚が・・・意図的かもしれないけどあります。

  スバルやホンダがユーザに支持される理由は『安全性』。インプレッサもシビックもこれに関しては確実に保証してくれます(くれているはずです)。このポイントを正当に評価できない人(K口さんのような)には、シビックは非常に高い買い物になるでしょう。・・・しかし最も気の利いた『リーズナブル』なデートカー/エスコートカーを仕立てるならシビックがいいんじゃないですか!?そういうクルマが欲しい人が買うべき!!


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↓シビックtypeR 226万円
  

2017年5月12日金曜日

ホンダ・シビックtypeR 「日本のポルシェが凱旋」

  シビックに関する掲示板を覗くと、「やっぱりEG6、EK9の頃だよなー」という書き込みが今でも結構目に付きます。某有名漫画に登場するシビックがこの2台というのもあるんでしょうけど、「Vテックで8000rpmオーバーのエンジン」「4輪ダブルウィッシュボーン」で完全武装した「輩なハッチバック」。ボデーサイズは5ナンバー。デミオやフィットのクラスにこれだけの装備を盛り込もうというホンダの「狂気」がよく現れています。

  一応1972年に初代がデビューとなってますが、最初から4輪独立懸架(4輪ストラット)という意欲的な設計は、軽自動車から飛び出して普通車に撃って出た最初の意欲作ホンダ1300を踏襲しています。プロトタイプという意味で1300をポルシェ356とするならば、その後のシビックシリーズはポルシェ911シリーズといっても何の問題もないと思います。911は常に世界の最先端の性能を追求しましたが、シビックも初代から「CVCC」というホンダの輝かしい伝説を打ち立てたエンジンとともに世界にその名を轟かせました。

  3代目になってリアサスが車軸式になりますが、このモデルが「ワンダーシビック」と呼ばれ、日本COTYを受賞しています。・・・え?CVCCの時は受賞しなかったのか?(まだCOTY始まってねーよ!!)もうこの頃からカーメディアって腐ってたみたいですね。ホンダ1300の登場とともにどこからともなく「ホンダバッシング」が巻き起こります。これに関して宗一郎氏も藤沢氏も自著で「闇の勢力」の存在をほのめかしています。ポルシェもアメリカの上院議員に名指しで批判され倒産寸前にまで追い込まれた過去がありましたっけ。

  シビックがスーパーカーや高級セダンのような4輪ダブルウィッシュボーンで存在したのが、4代目EF、5代目EG、6代目EKの3世代でした。アシもエンジンの回転数もフェラーリとほぼ同じ!!という「当てつけ」のような設計はもう笑うしかないです。4代目EFを発売していた途中の1990年には「フェラーリは博物館行き」というセンセーショナルな『宣戦布告』とともに初代NSXが誕生します。この時に日本メーカーによる280ps自主規制がなかったら、ホンダはV8自然吸気で名実ともにイタリアのスーパーカーを徹底的に粉砕したと思います。結局280psに収まるV6を選択します。

  ホンダとしては、フェラーリを完全に「博物館へ送る」のは二代目NSXの時まで待てばいいと判断したのでしょうが、しかし予定とはうまく行かないもので、新たにVテックのV10を開発してさらなる「本格化」を目指した二代目は、発売前に起こったリーマンショックの波に飲み込まれてあっけなく開発が中止され、NSX専用としてアルミ加工用の発電所まで備えた栃木県の工場は売却されました。国産のV10搭載ミッドシップという夢はレクサスによってその後に実現されましたけども、『V10のVテック』はどうやら「幻」で終わってしまうのかなー。

  その後7代目〜9代目までのシビックは「typeRは別枠で!!」という世代になります。日本でのホンダのテーマは21世紀のシビックの再定義というより、新たなる創造として「インサイト」「フィット」の2モデルを新世紀の象徴とすることにプライオリティを置いていたようです。さらに北米と欧州の現地投下した開発ソースを配分したことで、状況は複雑化していて、6代目(EK)から英国ローバーとの共同開発モデルになったシビックは欧州メインで開発が進みます。ローバーにホンダシャシーが使われているということは・・・今、日本で走っているあのブランドのFF車は「ホンダ風味の駆け抜ける喜び」なんですね。(余計なこと言ってすみません)

  欧州では7代目(EU)は馬鹿ウケで、特にtypeRはリミッターレスで日本に輸入されていて、260km/hオーバーで「公道最速」とか書かれてたなー。イギリスでは販売台数の40%近くがtyoeRだったらしいです。その一方で日本では聞いたこともない「シビックHV」なるモデルがすでに10年以上前からあったみたいです。当時はまだまだ大ヒットした3代目プリウスなど出ておらず、日本市場におけるCセグの需要には否定的と見ていたんですね。当時のホンダの経営陣には失礼ですけど、シビックHVを日本で勝負しなかったのは判断ミスだったと思います(プリウスのその後を見ての結果論に過ぎないですけども)。

  初代インサイトの大失敗を認めたくない!!そしてアキュラ日本導入が既定路線(のちに撤回)・・・という柔軟性の欠如した戦略は、ホンダの中長期目標であった600万台達成を大きく下回る結果になりましたが、その消極的な姿勢のおかげ(資本投下を抑える)で、リーマンショックでも日本メーカーで唯一赤字にならなかったですけどね。ホンダのビジネスって「生もの」ですね。タイミングを逸すると、二度と成立しないのかも。初代シビック以降ポルシェ911のような「高性能路線」のまま突き進んだら・・・それこそ本物の「レジェンド」になったと思うんですけども、シビックにはそういうのはあまり合って無い。「刹那」のうちに頂点に達するVテックのように、急騰するのがホンダ、そしてシビック。いよいよ「カタログモデル」として復活するtypeRが日本の公道をジャックして86を追い詰める可能性も高いと思います。

   プロのライターってつまんないヤツが最近多いですよね。「現在の安全基準に適合させると、もう『狂気』を感じさせるモデルは作れなくなった」しばしば思考停止したオッサンライターが「訳知り顔」で書いてそうな一文です。情熱すらないならカーメディアなんてもうやめてしまえよ!! 「シビック」の日本復帰!!に対して「絶対売れないですよ!!」とテンション下げる奴がいるんですよ!!徹底的に冷めていてホンダを馬鹿にする意図ではないのかもしれませんが、K沢さん!!どーなんですか!! このオッサンには歴代シビックが示してきた、ホンダの情熱とか全く頭をよぎったりしないんでしょうね。こんな輩が威張っている(つまんねーこと言ってる)からクルマの人気がどんどん無くなっているんじゃ!? 

  ポルシェの研究家で知られる故ポール=フェレール氏は『911』や『ボクスター』に関する内部事情をまとめた本を何冊も出していますが、この元ルマン・チャンピオンのベルギー人が日本車について書いたものが『ホンダ・シビック 英雄の登場』です。1992年の作品なので、まだ5代目EG系が発売されたばかりで、シビックの進化のピークを迎える前なんですけども、4代目EF系から始まる『狂気』の設計が世界的なライターによって『ポルシェに匹敵する存在』と認められた『証左』です。

  10代目シビックは2015年から北米で販売されていますが、欧州シビックのフルモデルチェンジを機に、北米モデルのHVとターボを狭山で生産し、イギリスのtypeRを輸入で供給するようです。北米モデルのリアサスは10代目からアコードと同じマルチリンクになっています(フロントはストラット)。ちなみに7〜9代目の北米モデルは前ストラット/後DWB、欧州モデルは前ストラット/後・車軸式にです(新型tyoeRも同じになるようです)。同じモデル名なのに違う設計・・・これは『新しい』ですね。typeRとスープラが激突!?シルビアも参戦!?2017年の後半はスポーツカーが盛り上がりそうですね。






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2016年9月14日水曜日

新型NSX「NSXのネームバリューを無駄遣いしてまで売るクルマなのか?」

  ホンダの新型NSXがいよいよ日本でも受注が始まったようで、2370万円と発表されました。単純に初代と比べて2〜3倍に跳ね上がった!けど出力も2〜3倍!といった報道を見かけました。2000万円の二輪車の受注が好調だったホンダですから、四輪車はもっと高くなるだろうなーと思っていましたが、予想していたほどべらぼうに高価でもないようです。1990年頃と比べればこの手のクルマの扱われ方も大きく変化してきましたが、これではガキのオモチャどころかオッサンのオモチャにもならないですし、これはほぼ観賞用の『美術品』の域に突入してます。もちろんですが初代と新型ではユーザー層が大幅に入れ替わらざるを得ないことは想像がつきます。

  1988年の伝説的なF1連勝でホンダの名を世界に轟かせていた最中に、F1だけでなく市販車でもフェラーリなどのスーパーカーの既存勢力を完全に凌駕するモデルとして初代NSXは企画されました(そもそも1980年以降のフェラーリはスーパーカーブランドなのか?も怪しいけど)。始めてミッドシップを手掛けるメーカーとは思えない完成度。これもF1最強のエンジンサプライヤーだからこそ成せる技!?自慢のVテック搭載6気筒自然吸気は9000rpmまで回り、デザインでもまさかのフェラーリを圧倒!!!初代NSXのデザインはF355や360モデナのパクリだと稚拙な「ねつ造」をするライターもいますけど、初代NSXの登場が完全に早いですからね・・・。イメージ壊れるかもしれないですが、パクったのはイタリア側!!

  初代NSXは日本人が漠然と頭に描いていたスーパーカーへの憧れ、イタリア車へのコンプレックスを一夜にして吹っ飛ばした、という意味で間違いなく日本自動車産業における金字塔です。世界のユーザーに日本のスーパースポーツが受け入れられたという快挙と、フェラーリの聖域を土足で踏みにじった暴挙。多くの若者のマインドを開放したのは確かです。21世紀になった今でも盲目的にイタリア車やドイツ車には絶対に勝てないとか思い込んでいる「可哀相な」オッサンもいるようですけどね・・・。こんなこと言ってはいけませんが、そういうオッサンって大抵は読書量と経験が大幅に足りてないだけっていう情けない輩が多い。例えば牧野茂雄・著「ニホン車のレシピ」などを読めば、少しはクルマを取り巻く実情がわかってくれるとは思うのですが・・・。

  さて新型NSXに対して何が言いたいか!というと・・・もうお気づきだとは思いますが、これはまさに『逆行』です!!思考停止したオッサン達がイタリアのスーパーカーを『芸術品』として見るような、とてつもなく「しょーもない」ニホンの自動車文化は、幸いなことに初代NSXやスカイラインGT-RやRX7やランエボによって見事に破壊されました。そしてイタリア車にもドイツ車にも無い良さ。日本のスポーツカーが持つハイスペックなだら独特の繊細さが同居する究極のドライビングフィールが定義されていったはずでした・・・。若者が自分の運転に熱狂できる、真のクルマ文化が花開き、そこに「頭文字D」みたいな非常に解り易い『伝導』もあって確かなムーブメントを感じたはずだったんですけどねー。

  ニホンのスポーツカーに比べたら、ドイツ車なんて単なる鉄の塊です(論外)。イタリア車には無いフィールの緻密さ・・・どこまでもエアリアルな操作感。これに比べればイタリア車なんて実体の伴わない見かけ倒しの「花火」だと断言します。光と音のカーニバルですね。それはたしかに「芸術的」な価値があるのかもしれませんし、クルマ文化の中では異端だと完全には否定したりはしませんが、そんな滅多に乗らないで眺める対象のような異形のモンスターに、初代NSXが示した「あの時」の熱狂に勝るものが宿っているとは考えにくいわけですよ。金持ちアピールの道具である側面を取っ払ったら一体何が残るの?(貧乏人の僻みたいですね・笑)

  「白金」界隈ではBMWi8やガヤルドを日常の足にしている住人が結構いたりしますけど、ホンダなりにそういうニーズに新型NSXが合うという風に掴んでいるのかもしれません。だとしたら・・・車名をNSXでは無い「何か」にしてほしかったですね。初代NSXの偉業が全て台無しになってしまう!とは言いませんけども、せっかく日本のクルマ好きに「国産車」を誇るきっかけを与えておきながら、今度はNSX自体が『芸術品』に成り下がっていくというシニカルな展開をどう解釈してよいものか・・・(頑張って働いて買えって?)。

  2007年にGT-Rが発売されたときもちょっとササくれ立った空気を感じましたが、777万円ならなんとかなるかなー。そして10年経ってもまだまだ996万円〜。しばしば真剣に考えてしまうモデルです。もはや日本車独特の繊細とは全く意味が違うクルマですけども。アストンマーティンV8ヴァンテージ(1580万円)、マセラティ・グランツーリズモ(1625万円)といった10年前にデビューしたスポーツカーと並んでいつまでもラインナップしておいてほしいものですね・・・。

  さて2370万円!最新式のホンダNSX。当然にマクラーレン570やBMWi8よりも性能面で圧倒的に高いところに位置しているんだ!!!とホンダは声を大にして言いたいでしょうけど、残念ながら比較対象となる570もi8もほどほどに知名度ないですからねー。なんか未来的なデザインで、いろいろな駆動力を発揮するというとても「ゆるーい」共通点でグルっているのかもしれないですけど、若者がコレに乗りたい!って仕事を頑張りたくなるタイプでも無いと思うんですよね。例えばi8が欲しいって言っているヤツって、大抵は田舎モンで世間知らずなタイプが多いかも。決して悪いヤツじゃないですけど。

  はたして新型NSXは『白金』でそこそこ売れるのかな。たとえ個人向け販売がコケた(全くの無風だった)としても、ホンダはグループの力を駆使してカーシェアリングの関連会社でも立ち上げて、在庫を横流しすればいいのかな(受注販売だけど)。試乗車が売れ残ったとしてもどうにでも出来るといった呑気な出口戦略が見え隠れしています。個人向けには売れないかもしれないが、「未来的」なデザインで目立つ少々特別なスペシャルティカーはいくらでも利用価値あるでしょうね。六本木・赤坂界隈では週末ごとにやたらバブリーなリムジンハイヤーが元気に稼働していますし・・・東京も世界の大都市の例に漏れずバカ丸出しな側面がやたら目立ってきました。

  北米製造の逆輸入モデルだからアメリカ価格よりもかなり割高とのことですが、最初から「貸す」クルマを考えているならば、2370万円という価格設定もいくらか合点がいきます。「買うクルマではなく借りるクルマ!」なんて買えない人のひがみにしか聞こえないかもしれませんが、いったい日本中のクルマ好きの何人が2500万円で好きなクルマ買えと言われて、この新型NSXを選ぶのでしょうか?なんでホンダ?なんでAWD?なんでHV?なんであのデザイン?なんであのインテリア?なんで?

  ポルシェ、日産、ホンダが次世代スーパースポーツはハイブリッドが主流なんだ!と、既成事実を作ろうとしていますが、それはエンジニアリングのパラダイムに過ぎません。例えばアメリカには無名のスーパースポーツのメーカーが幾つもあって1000psオーバーのクレイジーなワンオフモデルを、クレイジーなスピード狂に適度な価格(10万ドル前後)で提供しています。それでもガソリンエンジンによるドラッグカーみたいなクルマがアメリカ以外の地域で受容されないのは、これらがクルマとしての商品性を欠いているからだと、某有名ライターが看破してましたねー。

  初代NSXのような限りなくピュアで、どこまでも美しいスポーツカー・・・これこそが、人々の琴線に触れ、他のメーカーの開発者を突き動かし、需要と供給がスムーズにシンクロする。そして次々と理想的なスポーツカーを培養する環境。クルマ好きが心から望んでいるカーライフはそういう場所だと思うんですよね・・・。ホンダは初代NSXを愛する全ての人の期待を大きく裏切ってくれたと思います。できればS2000を愛する人々に悲しい思いをさせるのは勘弁してほしいなーと思う次第です。





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2015年4月10日金曜日

ホンダS660「ゆるスポもいいけど、ゆるセダンも期待!」

  最近のホンダのアグレッシブ過ぎな「動き」を見ていると、その戦略のうちで「一体どこまでが計算通りなのか?」とヤキモキさせられることが多いです。果たして軽自動車がバカ売れしたことはよかったのか? プライベートジェットの開発では、もはや気分はロールスロイスなのか? いやいや相変わらずホンダの根幹は二輪事業ですよ!なのか・・・。各部門がそれぞれに目覚ましい働きをしていて素晴らしい!のは確かなんですけど、あまりにも全方位に向けて開発資源を「撒き散らしている?」気がしなくもないです。

  さて四輪普通車部門はというと、「フィット」シリーズは相変わらずトヨタを徹底的に挑発し続けていて、2014年度はプリウスを見事に上回り来年度に向けてアクア越えも完全に射程に入ってきたようです。これと同時に軽自動車の「Nシリーズ」で見事にダイハツとスズキのシェアをあっさりと掻っさらった挙げ句、同時期に大展開を行ってきた「日産=三菱」という技術力を誇るタッグの軽自動車にも大差で勝利していることを考えると、今では完全に「小型車はホンダが圧勝」と言ってもいいかもしれません。そしてさらに新型SUVである「ヴェゼル」が各メーカーの新型モデルによる「群雄割拠」な状態の国内SUV市場で見事に頂点に立ちました。

  「だけど、アコードHVはさっぱりだったね・・・」という意見もあるでしょうが、このクラス(中型セダン)に関しては日本車・輸入車問わずほぼ全てのモデルが例外無く敗れ去る「鬼門」になっています。結局のところアテンザもスカイラインもクラウンも話題性の割には大して売れていないのだから、みんな「イマイチ?」「健闘?」といったところで、アコードだけがまあ言ってしまえば「惨敗」なんですけど、「だから何だ?」って思います。最初っから日本ではやる気がなかったアコードに対して、マツダ(アテンザ)などの力の入り方は「異常」と言えるほどで、何とか再び日本市場にセダン熱を甦らせるといった決意が込められていたとは思いますが、結局のところマイカー選びの大きな流れを変えることができないままに収束しつつあります。実際に日本市場においてはアテンザではあまり利益が上げられていないはずです。最初から「ドライ」な対応だったホンダがある意味で正解だったとも言えます。

  国内での「動き」だけでもなかなか追い切れないホンダのダイナミックな戦略ですが、海外に開発拠点を置いたスポーツモデルでも、なかなかとんでもないところに噛み付いています。先日のジュネーブモーターショーにも登場した「シビックtypeR」は、ニュルブルックリンクでFF量産車の歴代最高のタイムを叩きだして話題になりました。もともと「市販車クラス最速」というのがtypeRの絶対的なコンセプトであるようで、2000年頃から「世界最速」の触れ込みで、スモールカーなのに最高速度237km/hとかに達していたような気がします(当時はこれでも相当に速い!)。要するに常に頂点を求める崇高なホンダの精神が宿ったとてもホットな「伝統モデル」だったと記憶しています。

  ベース車のシビックがいつの間にやら日本で消滅してしまったことで、カーメディアは「日本車に真のホットハッチなんてないよね〜・・・」なんて適当なことを言ってたりしますが、イギリスで生産される「シビックtypeR」は日本車にはならないのでしょうか・・・? かつてホンダと英国の「MG」との間で合弁事業があったことから、イギリスに古典的な開発・製造拠点を持っていて、現在もそれを利用しているわけなので、単なるノックダウン生産目的でメキシコやらタイの工場で作られるのとは訳が違うと思うのですけどね・・・。

  このシビックtypeRが地力の違いを見せつけようとしているのが、「ルノー・メガーヌ・ルノースポール」というモデルだそうです。ルノーは量販車は同グループの日産の技術を安く使って仕上げておいて、ルノー本体ではせっせと「スポーツカー作り」という道楽に励んでいらっしゃいます。もし日産が傘下になかったらルノースポールなんて悠長なプロジェクトはとっくに消滅していたとは思いますけどね・・・。日本車(日産)にグループの貢献利益の多くを依存しつつも(稼がせておいて)、フランスの腑抜け公務員(ルノーは官民合同)どもが「お気楽」に作るスポーツカーってのはなんか気分が悪いですね。そんな調子に乗ったルノーに日本を代表して制裁を加えるためにホンダが立ち上がった!なんてのはちょっと脚色し過ぎかもしれないですけど・・・応援したくなります。

  さて発売するタイミングがさっぱりわからない新型「NSX」にも言及しますと、コンセプトは単純にポルシェとフェラーリとGT-Rに喧嘩を売りました!ということらしいです。ガチンコなスポーツカーを開発するときのホンダの仕事ぶりは、それこそ「ポルシェ以上だ!」と叫んでもいいほどで、非常に完成度が高いです。中にはCR-Zみたいな「お気楽」なクルマも含まれていたりしますが、このクルマもアメリカではなかなか熱い支持をうけているのだとか。しかし何といっても初代「NSX」と「S2000」の出来はさすがで、今でもその伝説は風化しておらず、颯爽と日本の各所を走っているのを見かけます。どちらのクルマも登場した年代を考えれば、「NSX」はブランド力以外の部分で完全にフェラーリを凌いでますし、「S2000」もポルシェの同タイプモデルと言える「ボクスター」を完全に喰ってしまうほどのストイックな設計になっています。中古車市場で最終世代(2009年式)の「S2000」と同時期の「ボクスター」を比べると、どちらも400万円台で同じ価格帯となっています。NSXの晩年に登場した「NSX-R」のプレミア価値は、やはり同じようにフェラーリの通常モデルを相手に回して互角の相場を誇っています。

  しばしばカーメディアなどで「ホンダはもう終わった」みたいな論調がありますが、今でもとにかく「ホンダは凄い!」です。ここまでいろいろなジャンルの最先端にガチンコ勝負を挑んでいるメーカーは世界を見渡してもないです。「軽自動車の頂点」と「スーパーカーの頂点」を同時に見据えているいるという破天荒なヴィジョンの先には、「デスorグローリー」な結末が待ち構えていそうですが、それでもこのメーカーには前向きな期待しかないです。そんなホンダが最近にやたらとリークしているのが、「S660」の開発主査を務める高卒26歳の椋本陵さんというヒーローの登場!という演出です。S660を買う人の中で26歳以下の割合なんてせいぜい5%でしょうから、「ガキたれの作ったスポーツカーなんて・・・」と敬遠されるリスクもあるわけですが、その一方でクルマは売れなくても、ホンダはちゃんと若い人にもチャンスを与える優れたメーカーだ!という、閉塞感に苦しむ日本の若者の関心を惹くニュースは発信できそうです。

  それにしても26歳での責任あるポジションへの抜擢って、実際には相当に大変だったと思います。歴代のマツダ・ロードスターの開発主査がスポーツカー作りでもっとも大切なのは「エゴ」だと言い切ってたりするわけですが、26歳では関係部署の挨拶回りもなんだか「ご用聞き」みたいな感じになちゃうんじゃないですかね。これでとんでもない「ドグマ」を抱えたクルマに仕上がっていたら、「とんでもない26歳だ!」ってことになるんですけど、やはり現実は・・・たとえエンジンやら空力やらに不満があったとしても、それを相手に率直に伝えるのはおろか、微妙な異議を申し立てるのも非常に難しいと思います。私があれこれと言う立場には全くないわけですが、出来上がった「S660」は何もかもが想定の範囲内に収まっていて、赤・青・黄といった想定内のものの他に特別な塗装が用意されるわけでもなく、やや「話題不足」な感じが否めないです。

  ホンダは「面白いこと」を全力でやってくれるので、その仕事ぶりには感心しますし、スピリッツを感じます。「S660」にもそういったクルマであって欲しいとは思うのですが、どうも背景を見つめると、いろいろ懸念すべき材料があるような気がします。「ゆるスポ」というアイディアが採用されてそのまま主査になったそうですが、できれば「ゆるセダン」も企画して実現してほしいです。新開発の2LのVテックターボだと車両コストに跳ね返る?それならば是非にアコードのNAエンジンモデルを日本にも投入してくれないですかね・・・。



  

  

  


2015年1月22日木曜日

ホンダグレイス 「Bセグセダンという世界標準」

  昨年にトヨタがマツダとの新たな提携を発表しましたが、これは米国市場向けに新たにBセグセダンを投入するためと言われています。マツダが供給するクルマをトヨタブランドで販売する、いわゆるOEMが発表されました。これまでの北米市場では、Cセグ(カローラ、シビック)が「スモール・セダン」として大きな市場を持ってきましたが、近年ではジープが再び躍進するなど米国市場の嗜好も、他の地域よりもだいぶ緩やかですが、変化しつつあります。そんな中でトヨタは次の米国市場のトレンドとして「Bセグ・セダン」を仕掛けていくようです(まったくの未確定情報ですけど・・・)

  日本メーカー各社が国内では売らずに中国や東南アジアの市場を中心に投入しているのが、フィットやデミオをベースとした小型セダンで、もはやアメリカ以外の地域では日本車といえばこのタイプのクルマを指すというくらいに広く知られているようです。もちろんランクルやハイラックスこそが日本車という道路事情が劣悪な地域もまだまだ多いのは確かですが・・・。そんな日本車の象徴である小型セダンが本国ではほとんど販売されていないというのは、やはりやや滑稽な構図です。結局のところ日本では軽自動車の税制面での優遇によって、小型セダン市場が完全に破壊されてしまっているようです。

  もの凄いペースで高齢化する社会では、運転のし易さを売りにした小型セダンは、むしろ売れるタイプのクルマだと思われますが、ここ数年の経緯をみてみると販売が伸び悩みフィットアリアやティーダラティオといった小型セダンが比較的短期間で日本市場から消えていきました。元々はCセグだったカローラもダウンサイジングされBセグに近いポジションになった現行モデルでも、販売開始時は極めて低調で、のちにHVが投入されてやや息を吹き返した印象がありますが、その販売のほとんどがワゴンタイプのカローラ・フィールダーだと言われています。セダンタイプである現行のカローラアクシオに街中で出会うことはほぼ無く、現行モデルに関してはかなりレアな存在となっています。理論上では日本でも十分に売れるはずなのですが、小型セダンを取り巻く現実を見ると、この手のクルマを積極的に選ぶユーザーは少なく、思いのほかに全く人気がないという不思議な現象が起こっています。

  しかしそんな現状を打破することが「ホンダの使命だ!」という意識を強く持っているのかは解りませんが、ホンダが新たに小型セダン「グレイス」を日本に導入してきました。実際のところはフィットとヴェゼルではカバーできない顧客へ向けたもので、つまりはフィットアリアやシビックセダンユーザーの乗り換え需要を見越した投入であり、そこがこの企画のスタートラインだったと思います。しかしこのクルマはテレビCMの作り方を見ていると、ホンダの狙いはもっと高い所にあるようで、どうやらアコード&フィットの燃費大幅アップやオデッセイのコンセプト変更など、天敵トヨタへの挑戦とばかりに、巨大な敵の間隙を突く狙いがあるようです。このグレイスが狙うトヨタ車はズバリ「プレミオ/アリオン」です。全車種HV化を推し進めるトヨタの中にあって、いまだにガソリンエンジンのみという旧態依然なままの販売が続くモデルです。

  コロナやカリーナの系譜を受け継ぐC/Dセグセダンとして残るプレミオ/アリオンですが、そのコンセプトはデザイン性・スポーツ性への意識は極めて弱く、高級感の演出と乗り心地に特化した「コンフォータブル・セダン」というべき仕上がりになっています。同クラスに属するプリウスと比べても、内装の方向性はだいぶ異なりますし、プレミオの乗り心地とプリウスの燃費がある程度の高い相関をもってトレードオフの関係なることはすでに各メーカーのエンジニアが示しています。その中でトヨタの主張かどうかはわかりませんが、プレミオのクラスを超えた乗り心地を維持するためには、HVという選択肢は難しいという判断があるのかもしれません。

  トヨタは全社を挙げてハイブリッドの普及に邁進してきたこの20年あまりの中で、欧州市場での逆風や日本でも反対意見がいまだに燻っていたりします。しかし苦難の末に、ハイブリッドありきの日本市場であったり、ドイツ主要メーカー全てでHV車が発売されるなどの結果を得る事ができました。しかし日本市場では断トツのシェアを誇り、グローバルでも1000万台を販売するトヨタがHVだけの一枚岩のエンジニアリングで成り立つはずもなく、ひっそりとプレミオのようなクルマが今も売れ続けています。トヨタの見事な広告戦略の結果として「HVといえばトヨタ!」というイメージが広がっていますが、プロであるはずの自動車評論家が真顔で「トヨタ=HV」という前提で持論を展開するのは、さすがに「痛い」と思います。

  さて話がトヨタへと偏ってしまいましたが、トヨタのプレミオ/アリオンを狙い撃ちした(であろう)、ホンダのグレイスは成功を収めることができるでしょうか? 同じサイズのクルマ同士の競争ではないのですが、ここ数年の日本市場では上のクラスのシェアを喰ってしまう高性能コンパクトカーの活躍が目立ちます。シビックを日本から退場させたフィットや、アテンザの販売を激減させたアクセラとそのアクセラの販売を激減させたデミオなどが目立ちます。とくにBセグの活躍が目立ちます。もちろんBセグも軽自動車によって刈られる立場にあるわけですが、やや古めのCセグ車に狙いを定めて設計すればまだまだ十分にシェアを伸ばせる環境といえます。

  ホンダとしてはグレイスをコンパクトカーに付加価値を加えたクルマとして、テレビCMにおける高級感の演出こそ出来ていますが、現実にプレミオの持つストロングポイントを実際にどう攻略しているのかが気になるところです。残念ながらホンダの快進撃を支えたヴェゼルの乗り心地はお世辞にも良いとは言えないものでした。それでもSUV人気の中で他社の新型SUVを上回る人気を集めて予想を超えるセールスを記録しまいました。乗り心地こそ満足できるものではないですが、その分だけイメージよりははるかに軽快なハンドリングが好印象という人もいたようです。グレイスにも使われるヴィゼルの1.5LHVユニットは結論として燃費に特化し過ぎたもので、Sモードの加速もなかなかですが、やはり残念なことにアクセルを踏み込んだ時の高揚感が非常に乏しいです。

  グレイスが狙っているプレミオもまたアクセルのレスポンスに大いに課題を持ったクルマです。その主な要因はCVTの変速フィールの悪さにあるように思います。トヨタの1.5Lエンジン車をひと昔前に主流だった4ATと現在のCVTで比べると明らかに走り易い領域が変わってきます。30km/h以下ならばCVTの方が安定した出力が見込めるというメリットはありますが、50km/hを超えたあたりからは完全にダイレクト感に優れる4ATが勝ります。ホンダの小型車用HVDCT化されているので、また違った乗り味にですし、Sモードもついてくることは素晴らしいです。

  さてグレイスがトヨタからシェアを奪うかどうかはわかりませんが、トヨタもカローラアクシオHVに手直し&G’s投入などの応急処置を施してくれば、去年高いレベルで張り合ったSUVに続いて、小型セダンも熱くなるかもしれません。マツダもすでに海外で導入していて、なかなかのデザインを誇るデミオセダンが存在しますし、スズキが中国向けに販売を予定している小型セダンベースのコンセプトカーも加わって、これが新たなトレンドになっていきそうな気配を感じます。


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2014年4月28日月曜日

新型シビックtypeR 「考え方を変える必要がある!・・・ユーザーが」

  ホンダが何やら自信満々に開発を宣言している「NSX」じゃなくて・・・「シビックtypeR」。メルセデスに例えると、ブランドの「象徴」SLSの後継車として開発されている「メルセデスAMG・GT」と同じポジションが「NSX」だとしたら、一般人に手が届くレベルに設定されている「A45AMG」と同等に位置するのが、この「シビックtypeR」になります。まあそういう視点でこのクルマを見るならばかなり納得がいく部分も多いのではないでしょうか。

  今回のtypeRは、なんとターボが付きます!このインパクトがどうも強すぎるようで、従来のtypeRファン、いわゆる「原理主義者」を中心に激しい逆風を受ける羽目になっていいるようです。ホンダの主張をどれほどの人は真摯に受け止めているのか分りませんが、もはや自動車雑誌の誌面からも「嘲笑」が聞こえてきそうな論調で報道がされている気が・・・。確かにアウディTT-RSとメルセデスA45AMGが「2Lターボ」というフィールドで激しく「出力合戦」を繰り広げていて、さらに「2Lターボ&FF」というジャンルでもルノー・メガーヌRSとフォード・フォーカスSTが「FF最速」の座をかけて争っている中に、ホンダがノコノコと「2Lターボ」に参入してきたと見られても仕方がないですが・・・。

  そして従来のtypeRユーザーからしてみたら「Vテックは究極の高回転エンジン」であり「ターボ化」とはエンジンの特性において全くベクトルが違う!という本質的な意見も当然あります。それでもホンダは「Vテック」という名称を使い続けるわけですから、これはもはや自ら批判を煽っていると言ってもいいかもしれません。もちろん「可変バルブタイミング」機構を使っていれば「VTEC」ですし、三菱やスバルのようにターボとの組み合わせで使われることもあるわけで、名称自体は何の問題もないのでしょうけど、ホンダはここまでNAにこだわってブランディングしてきたわけですから、いまさら方針展開されてもファンは当然に戸惑いますし、今までの「Vテック」は何だったのか?となりますよね。

  さて冷静にホンダが技術系雑誌に提供している、「ターボエンジン」展開に付随する技術的な説明をじっくり読んでみると、前提として「HVおよびディーゼルが経済的に普及しない地域」(所得が低い地域?)をターゲットとしたターボ車マーケティングの一環と位置づけています。これらの地域でシェアを伸ばしつつあるフォードとVWを追従するための戦略、つまり「パクリ(模倣)」です。VWに比べてエンジン技術における進化が目覚ましいフォードのターボ戦略に完全に感化されたようで、「1.0L・1.5L・2.0L」の三段階に作り分けるところもそのまま「パクって」ます。

  typeR向けの「2.0Lターボ」は3.5Lクラスのエンジンを置き換えるとされていて、ホンダのラインナップだと「北米アコード(上級モデル)」と「レジェンド」に将来的にこのエンジンが使われるようです。ちなみに「アコード(ベースモデル)」には1.5Lターボが2.4L直4を置き換えるみたいです。つまり従来の2LのNAで200ps前後だったtypeRとはクルマのコンセプトが大きく変わるということになります。

  ちょうどトヨタがオーリスのボディにクラウン(上級モデル)の3.5LのV6エンジンを積んだクルマを想像してもらえばいいと思います。考えるだけでもワクワクするクルマなんですが、そんなバランスの悪いクルマは誰も作らないだろ!って感想が聞こえてきそうです。が・・・しかし、ついこの前までトヨタは「ブレイド・マスターG」というオーリスとほぼ同じボディに3.5Lの2GR-FEを押し込んだクルマを売ってました。しかも本体価格はたったの330万円!残念なことに6ATのみの設定でしたが。もしこのクルマにMT仕様があったなら・・・とクルマ好きなら誰でも想像しちゃいますよね。

  そうです!この新型typeRこそが!ホンダが「トヨタ・VW(ゴルフR)・アウディ・メルセデスどいつもこいつも"楽しいクルマ"が解ってない・・・」と嘆きつつも、上から目線で投入する「革新的」なCセグを超越したスポーツカーです。そういうの(300ps&MT)だったら既にメガーヌR.S.があるじゃん!という指摘もあるわけですが、「日産ルノーこそが正しい!」からそのシーンを盛り上げていこう!とわざわざNAエンジンを放り出してまで、typeRをメガーヌR.S.のライバルに仕立て上げたわけです。

  ホンダとしてはかつてのライバルだったアルファロメオが、いつの間にか「4C」という軽量スポーツカーを出し、「ロータス」とライバル関係になり「新たな恋」を燃え上がらせているのに驚いたのかもしれません。やはりライバルがいないと、とてもじゃないですがスポーツカーが売ることができない時代です。それに世界中のどこを探してもtypeRの高回転NAに勝負を挑んできてくれるスポーツメーカーなんていませんし、今後も現れないでしょうし・・・(MのRタリーに僅かな期待はあるけど)。


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2013年11月28日木曜日

ホンダS660 「いろいろ難点はあるけど・・・MR」

  軽自動車はどれだけ走っても・・・という意見は当然にあるだろうけども、そこいら中でノロノロと走る高性能車の中には300psオーバーを誇るエンジンパワーの内せいぜい100ps程度しか使われないで廃車になっていくクルマもあることでしょう。そんな状況を考えれば車重さえ軽く抑えてくれれば64pだからダメということはないかな・・・。

  何よりMRで作ってしまったところがこのクルマの価値であることは明らかです。日本で発売されるクルマのハンドリングは国産・輸入問わずどんどんスポイルされていて、BMWだろうがマツダだろうがスバルだろうが、もはやそういう部分だけでクルマを考えてはいないみたいです。ハイブリッドになったりディーゼルになったりで車重が膨らみ続ければ、ハンドリングマシンなんて言ってる場合じゃなくなってしまうのも仕方ないでしょう。低速トルクが高まれば、ピッチを押さえ込んでトラクションを制御して、その結果すべてが機械制御による味付けになり、結論としては”曲らない”クルマへと成り果てていきます。

  某雑誌の企画でメルセデスの新型AWDスポーツと、ポルシェのMRスポーツで"ハンドリング"を競うというものがありました。結果はハッキリとしたものだったらしく、曲る要素が一つもないAWDメルセデスと、基本設計からしっかり曲げようとしているポルシェでは、全く勝負にならないくらいの差があるのだとか・・・。日産が血眼になって新型スカイラインに新機構のハンドリングシステムを投入したことを見ても、市販車のハンドリングの基準はどんどん劣化しているといってもいいかもしれません。30年前からそのままの日本の道路を走るには今のクルマには多少やっかいになりつつあるようで、オレンジのセンターラインでも平気ではみ出しているクルマが目立ちます。昔のクルマと比べてワイドになっているだけでなく、ハンドリングの問題も確実にあると思います。

  もちろんクルマの設計だけでなく、タイヤのコンディションでも大きくハンドリング性能は変わってくるのでしょうが、やはり「軽量MR」という設計のクルマはそのアドバンテージから、これからの時代はさらに現実的に大きな意味を持ってくると思います。メルセデスとルノーが開発した新しいBセグプレミアムHBは、なんと大胆にもRRレイアウトに変更になるそうですが、その理由もハンドリングにあるように思います。やはりホイールベースが短くなればなるほどFF車の走行性能は低いレベルでしかなくなってしまうというので、更なるクルマの進化を考えるなら抜本的な手段が必要です。そしてそういうギミックを真っ先に仕掛けてくるのは、実はスバルでもマツダでもなく"メルセデス"であり"ホンダ"というわけです。

  トヨタグループのダイハツも来年に軽スポーツの発売を控えていますが、こちらは純然たるFF設計で、トヨタグループが力を入れている「ファッショナブル・スポーツ」という新しいジャンルのクルマです。ユーザーをその気にさせるのは「基本設計」よりも「エクステリア」だという明確なヴィジョンが見えます。とりあえずハンドリングなんて気にしないならば、ホンダのS660よりも気に入るという人も結構多いかもしれません。

  一方でホンダS660の内装にはやや「???」な部分があります。何かクルマ以外の乗り物にインスパイアされたようなコクピットデザインは、このクルマの一つの売りなんでしょうが、これを見て興味が失せてしまう人も相当いそうな気がします。発売までに別バージョンのエクステリアが用意されて選択できるようになると予想しますが、公開されているものはちょっと「幼稚」な気がしないでもないですね・・・。説教くさい言い分かもしれませんが、「基本設計」を頑張ったクルマこそ、こういう些細な点でつまづかないようにしてもらいたいと思います。少しはトヨタの「ファッショナブル・スポーツ」に学んでもいいのでは?


  

2013年11月18日月曜日

CR-Z 2トーンカラースタイル 「ホンダって実はパクリセンス抜群!?」

  とりあえず「小手先」とか言われるのかもしれないですが、いわゆるシトロエンDS3を上手くパクってくれました。アルファード→DS3ときましたが・・・次のシビックは有り難くア◯セラでもとりあえずパクっておいたほうがいいのでは?

  ホンダに対しては次期シビックtypeRへの期待もなかなかに高いようですが、すでに日本ではCR-Zが立派に市民権を得ていて、改めて300psのハッチバックが必要かどうか微妙なところです。CR-Zは意外に長距離派にも広く受け入れられていて、東京近郊のドライブウェイでも端正なフロントマスクを見せつけるかのように走っています。

  ホンダとしてはホットハッチの中でシビックの地位を再び取り戻す必要があるのでしょうが、欧州と日本では同じハッチバックでも求められているクルマがかなり違っていて、FF最速を誇るルノー・メガーヌに400万円を投じたいと思う人は日本ではかなり少数派です。そういった本格派よりもむしろウケているのは、DS3のような個性派デザインのもので好き嫌いは大きく分かれますが、BMWミニ・フィアット500・VWビートルのようなクルマを300万円程度で買いたいと言うのが、このクラスのスペシャリティ・モデルの売れ筋なのだと思います。

  CR-Zはデビュー以来、フロントマスクなどの基本的な造形は素晴らしいのですが、やや腰高なデザインが災いしてサイドやリアのデザインに「納得できない」部分があって、ここに来て存在感が薄くなっていました。今回新たに2トーンカラースタイルとして、ルーフを黒に塗装することで視覚的にボディラインを低く見せることに成功しています。これならば買ってもいいなと思う人もかなりいるのではないでしょうか?

  最初からこの塗装で売ればいいのではという素朴な疑問もあるのですが、やはり発売当初はスポーツカーの復活の本命にこのクルマに宿命づけたホンダの気合から2トーンは考えづらかったのでしょうか。いよいよライバルのトヨタがピュアスポーツとして86を出して以降、欧州方面での風向きが変わりCR-Zをこれ以上「スポーツカー」として売り続けるのを諦めたようです。

  2トーンカラー化されいよいよ「オシャレコンパクト」へ生まれ変わり、今後CR-Zがどういう風にもて囃されるのかはまったく予想もできないですが、今後コンパクトSUVが続出する中で、スポーツカー寄りの個性派としてそれなりの地位を築けるのではという気がします。ホンダはS660をミッドシップで発売し、新たなスポーツカー提案をするようですが、あの「遊び心」が完全に暴走した痛すぎるコクピットを見ると「ホンダ」に全幅の信頼を置けない気もするのですが・・・。

  軽自動車では成功したかもしれませんが、ホンダが独創的なことをするととことん浮いてしまう印象があります。新型NSXコンセプトのデザインも完全に明後日の方向にぶっ飛んでいますし、公開されたシビックのデザインも失望しかなかったです。その一方で「パクリ」となるとホンダはセンスがよくて絶好調です・・・。もちろんこのCR-Zの新塗装もOKですね。

  

  

2013年10月1日火曜日

ホンダ・フィット 「これが売れなきゃホンダはいじけちゃうレベル」

  3代目となった新型フィットが発売されました。日本メーカーとしてはトヨタと並んで北米市場に大きなシェアを持つホンダは、アコード・シビック・CR-Vの中型3車はいずれもアメリカ主体で設計がされています。しかしこのフィットの販売に関しては完全に日本市場が先行していて、設計もまさに「日本スペシャル」と言っていい内容です。今やプリウスやアクアなどのHV専用車を除けば、このような普通車は絶滅危惧種と言ってもいいかもしれません。

  フィットのような「日本スペシャル」なクルマは現行では、ミニバンを除くと、カローラ・プレミオ/アリオン・マークX・SAI/レクサスHSのトヨタ4モデルとインプレッサとキューブとスイフトくらいになってしまうでしょうか・・・。日産(キューブを除く)やマツダのラインナップに至っては海外向け仕様をそのまま日本市場で売る事によって付加価値を見出している感すらあります。

  かつてはウィンダムやアベンシスなどの海外仕様車がもて囃された時代もあったようです。しかしいまとなっては、どれもこれもが「海外仕様車」ばかりで、かつてのような珍しさなどまったく感じません。それどころか開発段階から海外市場ばかりに目がいっていて、「日本軽視」の姿勢が日本車全体で見られます。その結果ネガティブな要素となって顕在化してしまい、予想外の不人気ぶりが目立ってしまっている車種も増えています。

  新型ホンダ・フィットには、そうした日本車の置かれている環境に一石を投じるものとして、ホンダのただならぬ熱意が感じられます。ホンダはもはやアメリカ車メーカーと言ってもいいくらいなのですが、このフィットに懸ける想いだけは、偽り無く日本市場のことを第一に考えているのだという意志表示があるように思います。

  フィットが属するBセグメントの日本車は、デミオもヴィッツといった欧米の個人主義を象徴するかのような、2人用の狭いキャビンのスタイルを採用しています。スタイリッシュでスポーティなデザインに包まれていますが、最近では不振ぶりが目立ちます。一方でフィットは「家族の絆」を感じるキャビンの広さを重視した設計が大きな個性となっています。

  結局いくら「スポーティ」だとか「流行のスタイル」だとか言ってもあくまでコンパクトカーです。決してカッコつけるクルマじゃありません。さらにキャビンが狭かったらツアラーとして機能しないですから、フィットの方向性が結局は正解だと思います。

  さらにフィットこそが最強の「日本スペシャル」であると、客観的に認知させるために、HVではアクアを上回る燃費を備えてきました。この戦略は開発当初からあったようですが、結果的に超えなければいけない壁を見事に超えています。

  そして日本で大量に売るという決意のもの、まったく統合・縮小せずに細かなグレード分けをそのまま用いています。エンジンだけでなく、MTやパドルシフトが選べるのは国内メーカーのライバル車(ヴィッツ・デミオ・スイフト)でもほぼ同じですが、ワゴンなどのボディタイプまで選べるという点で、フィットはBセグのライバルだけでなく、Cセグのカローラやプリウスにも十分に対抗できる奥深さを持っています。これだけでも最強の「日本スペシャル」に相応しい存在です。

  さらに新型フィットは「日本スペシャル」でありながらも、小型車の世界的権威であるVWのポロを撃墜するだけのポテンシャルを秘めていると言われています。これまでのホンダは系列部品メーカーとアジア地域のサプライヤーを厳選して部品を調達していましたが、現在では欧州部品メーカーにも広く門戸を開いているようです。その目的はドイツ車(VW)の基準を考慮して、あらゆる意味でVWに遜色ない万能のクルマを作ろうというものです。

  VWは基幹技術を含む設計においても、部品メーカーに丸投げした開発を多用するようですが、結果的にライバルメーカーがベンチマークしやすい体制になってしまっていると言えます。ポロの走りを車体剛性・ダンパーの部分でしっかりとフィットにフィードバックした上で、ポロのスカスカの1.2Lターボに対して、V-tecと複数用意されたミッションで圧倒しようという作戦のようです。

  「日本スペシャル」で設計されたクルマで、世界的に流通しているドイツ車を倒そうとするホンダの心意気には、日本車ファンとして最大限の賛辞を送りたいと思います。

  

  

2013年6月27日木曜日

ホンダアコード 「インスパイアの日本復帰。狙うはクラウンか?」

  先代のインスパイアは「セダンのイディア」と言えるほどの出来映えで、「王道」で「洗練」で・・・なおかつ「アート」なデザインのクルマだった。もっと別の言い方をすると、「地に足の付いた落ち着き」というべき全体的にはコンサバティブな印象の中に、「想像以上のセクシィさ」が散りばめられている、稀代のスタイリッシュなフォーマルセダンだ。特にリアデザインの艶やかさは所有欲を徹底的にくすぐるほどよく出来ている。

  ホンダは北米ではBMWに匹敵するほど「スタイリッシュ」で「スポーティ」な確固たるブランドイメージを持っているそうだ。2000年代後半のホンダのセダンは日本市場ではなぜか不当なまでの低い評価を押し付けられていた。ただ純粋にクルマを比べるならば、「レジェンド」は5シリーズを「インスパイア」は3シリーズを徹底的に上回っていたにも関わらずに、この評価は今改めて思うとまったく不可解だ。

  日本中が「エコカー」と「輸入車ブランド」に対して非常に盲目的であったことが、ホンダにとっては完全に逆風であった。どんなにカッコいいクルマであっても「国産車で、燃費が悪い(V6の3.5L!)」だと誰も見向きもしない・・・そんな悲しすぎる時代だった。トヨタによって貼られた「ホンダはハイブリッド負け組」のレッテルもとても厳しいものがあった。ホンダ車は次々に日本市場から駆逐され、今や3ナンバーシェアはスバル・マツダよりもずっと下で、ほぼ三菱と同等の月1000台まで落ち込んでいる。もちろんフィットとステップワゴンは健在であり、さらにあっと言う間に軽自動車のシェアを押し広げてダイハツとスズキを射程に捉えたりはしているが・・・。

  自動車ライター連中からは、「ホンダは大丈夫か?」などと、自らのDQNを晒すような評論が連発しているのには笑ってしまった(ホンダは決して赤字ではない)。しかしいくらDQNでもある程度の影響力はあるので、それらの「ホンダ評」を読んだ日本の自動車ファンの多くがホンダに対して懐疑的な目を向けているのも事実だ。実際にこの新型アコードHVが「クラウンを叩きのめす」と宣言しても誰も本気にしてはくれないだろう。

  確かに、かつてはスポーツセダンとして流通していたアコードが、クラウンに勝負を挑むクルマに変わったと言われても、多くの人は急には認識を改めることはできないかもしれない。しかし紛れも無く、このクルマの先代は3.5LのV6を積んでいた「インスパイア」であり、今回はV6から直4+HVに載せ変えただけであり、正統派の高級セダンだと言える。そのパッケージはクラウンやアウディA6のハイブリッドに真っ向から立ち向かうのに十分すぎるくらいのクルマだ。トヨタ(レクサス)やアウディの直4+HVよりも圧倒的に性能がいいエンジンに加えて、あまり知られていないがホンダ独特の高級車の内装を備えている。クラウンやアウディA6と比較してもまったく遜色はないほどの出来になっている(レクサスIS300hには100万円高い分の差をきっちり付けられているようだが・・・)。

  正直言って当初はこのアコードHVにやや懐疑的だったが、ハイブリッドのセダンを買うと決めたなら、現行のクラウン・カムリ・フーガ・A6よりも優れたパッケージ(コストパフォーマンスも含む)に思う。より高級感とポップな雰囲気を重視するなら、レクサスIS300hにはやや歩が悪いかもしれない。よりスタイリッシュでスポーティさを求めるならアテンザXDに及ばないだろう。それでもこのISとアテンザという強力な2台とは真っ向勝負せず、よりコンサバティブなセダンユーザー層に上手く売り込むことができれば、ライバル不在と言えるほど他車に対して優位なクルマではないだろうか。雌伏の時は過ぎ、臥薪嘗胆の思いで待ち続けたホンダの反撃がこれから始まろうとしている。



↓さすがはホンダ!十分に戦えるクルマになっている!

  

  

2013年6月3日月曜日

ホンダ・アコード 「トヨタを意識し過ぎているような・・・」

  とうとう新型アコードが今月発売されます。このところの日本車のセダンの「過剰」と言えるほどのデザイン重視のトレンドは、今のところはとても歓迎で、スバルなどにも追従の動きがあります。しかし非凡なデザイン力を持つはずの「ホンダ」は完全にこのトレンドから距離を置いています。まるで「我が道を行く」かの如くで、新型アコードのデザインは北米モデルから特に「フェイスリフト」も行われず、やや盛り上がりに欠ける印象です。国内のカーメディアも言外に期待はずれの「不満さ」を示すような取り扱いが多いように感じます。

  アメリカではもう既に発売されていて、かなりの「大ヒット」でセダン売上1位を快走しています(カムリを完全に上回っている)。ホンダとしてはいくぶん余裕があるようで、ガソリンエンジンのモデルについては、乗り味が良くなって「アコード復活」と好意的なレビューを多く見かけます。

  日本ではガソリンエンジンのモデルは発売されず、カタログ燃費「30km/L」を誇るHVモデルのみの展開になるようです。この「売り方」がトヨタ・カムリHVの成功をそのまま「コピー」しているかのようで、新型車としての新鮮味のなさが、メディアの「失望感」を誘っているようです。ホンダはこれまで何度となくトヨタにヒット車を「コピー」されて煮え湯を飲まされてきていました。それでも結局のところ「営業力」には決定的な差がある上、トヨタの圧倒的な支持率はいかんともし難く、ホンダ自らトヨタと同じ路線に飛び込んで行くこと自体に疑問すら残ります。

  「カムリHV」は日本専用のフェイスリフトを施して、日本人好みのスタイルに作り直す工夫が行われていて、「燃費」と「デザイン」が両立したなかなか素晴らしいセダンになりました。アコードに関してもフェイスリフトは必須だと思っていたので、あまりのホンダの「やる気の無さ」っぷりにちょっと唖然とします。

  しかし、マツダやトヨタのライバルセダンが大きく「デザイン」を換えてきていて、ユーザーがデザインに敏感になっている時期になので、新しいデザインを必死に模索して動いて(デザイン変更をしても)も「上手く行かないだろう」という読みもあると思います。このタイミング(発売開始時)で下手な「フェイスリフト」を敢行しても、アテンザやレクサスISの好感度が高い中で何をやってみても無駄だろうし、ただいたずらにホンダのデザインの「威光」を落とす結果にしかならないでしょう。

  そこで、ユーザーの目先を変えるために注目したのが「燃費」のようです。カタログ燃費ではクラウンHVやレクサスIS300hを大きく凌ぐ数字を打ち出していて、低燃費を強く求める人の需要は当然に満たすと思われます。人気絶頂のマツダやトヨタの「デザイン」であろうとも、当然ながら次第に飽きられてくると思います。その中で違うテイストの「アコード」が相対的に注目されて、初動こそは苦戦するかもしれませんが、じわじわと売上を伸ばす可能性も高いです。また「クラス最高の燃費」が売りなので、今後10年は競争力のあるクルマと言えます(「燃費」のいいクルマは廃止されないので、現行のセダンでは一番長く生き残れるはず)。

  また「ホンダ」としては来年発売される「新型レジェンド」のプロモーションの一環として、この1年で上級セダンで「世界最高の燃費」を出せるホンダブランドのイメージを確立して全世界に浸透させる狙いもあるのかもしれません。

  

2013年3月14日木曜日

ホンダアコードHV

  日本のセダン市場はホンダの予測とは裏腹に、一時期の低迷を脱出し上昇カーブを描き始めたようです。2008年にレクサスに対抗してホンダはアキュラブランドの日本投入を計画しましたが、日本市場でのセダンの低迷とライバルのレクサスの大不振を受けて、計画を撤回しました。2008年当時のセダン主体のアキュラブランドは日本には不要との判断はとても妥当なものだったと思います。その後、日本はリーマンショックと東日本大震災に見舞われて、ホンダの予測通り2008年頃に発売されたトヨタ・日産・スバル・マツダ・スズキのセダンはいずれも素晴らしい出来だったのですが、揃って「討ち死」していきました。

  GH系アテンザやV36スカイラインは間違いなく「名車」に分類されるクルマだと思いますが、悲運なことに日本でのセールスは散々なものでした(どちらも海外ではかなり好調でしたが)。その結果、日産はセダン開発そのものを北米に移管してしまい、マツダは円高による経営危機から株価が低迷し「破綻」が噂されたほどでした。死に体となったマツダが社運の全てを懸けて開発したのが新型アテンザで、マツダにとっては良くあることですがこのクルマ(あとCX-5)によって徐々にマツダの業績は好転しつつあるようです。それと同時に日本市場に「セダンブーム」が生まれつつあります。

  さて「先見の明」があったはずのホンダですが、日本市場が思わぬ回復を見せているのを横目に、日本では軽自動車の開発に勤しんでいます。2008年からのホンダは、クルマ雑誌には叩かれて、日本経済新聞にはその経営モデルの妥当性(軽への転換は好判断)が多いに評価されていたりとやや複雑な状況ではあります。ただ高級車の販売となると、ブランドが持つ「正当性」みたいな要素が販売に絡んだりするようで、アキュラを引っ込めた日本市場ではホンダのアッパークラスのクルマが揃って低調になりました。レジェンド・インスパイアは2012年を持って撤退し、エリシオンやオディッセイはトヨタのミニバンとは違ってサスをダブルウィッシュボーンにするなどクオリティ路線だったのですが、こちらも低迷しています。日本市場を見放したホンダに対して、熱心なクルマファンからは厳しい反応が見られるようです(知り合いの美容師さんは、インテRとアコードを乗り継いだホンダファンですが、今はアルファードに乗ってます)。

  そんなホンダが今年、久しぶりにセダンの新型モデルを発売します。トヨタのカムリのヒットに習って、北米での対抗車種の新型アコードをHVモデルのみ日本で発売するようです。カムリのライバルだけあって、スペックも価格もカムリとほぼ一緒でとくに大きなポイントがないのが残念ですが、このクラスのセダンでは驚異的な燃費を誇っていたカムリをも上回る燃費性能を持っているようです(これだけでも買う価値はありますね)。ただこのアコードHVの投入が、燃費以外に熱心なクルマファンに訴える要素を持っているわけではなく、ただラインナップの空白をそこそこ売れるクルマで埋めただけの消極的なイメージが拭えません。F1やNSX、シビックRと話題こそ振りまいていますが、日本のファンは冷めきっていることを真摯に受け止めて、日本市場をきっちり向いたホンダらしいクオリティカーを開発してほしいと思います。

↓ホンダの名が泣いている。F1ではなくて、スゴい足回りのシビックを発売してくれればいいのだが・・・。(この本を読むとホンダファンになっちゃうのですが、今のラインナップだとリアリティないな・・・)


2013年2月2日土曜日

ホンダNSX

  ホンダが新型NSX発売をアナウンスしてからだいぶ経つ気がするが、発売はまだまだで再来年だそうだ。日産GT-Rの生産中止発表を待っているのかな・・・。素人でも300km/hで走れるクルマということで、本格スポーツモデルの存在意義そのものを変えてしまったGT-Rだけれど、クルマ会社からしたらそれは最高の栄誉です。2000年代後半はGT-R一色になり、多くの日本のクルマ好きは日産の偉業に最敬礼でしたね。この様子を横で見ていた技術屋ホンダは臥薪嘗胆で新型NSXに取り組んだようです。実際はGT-Rの存在とその世界的な名声が次期NSXの開発のきっかけになったのだと思います。GT-Rによって世界最高が証明された結果、ヨーロッパ・北米でルノー日産のシェアが上がり、世界販売台数でも「TGV」の背中がはっきり見えるようになりました。その割を食ったのがホンダだったりします。

  他社の真似だけは絶対にしない所がホンダの素晴らしいところだと思います。次期NSXも今までにない新機軸でのパワートレインが発表され、それがハイブリッドだったので、スポーツカー好きからは不評の声もあったみたいですね。確かにスポーツカーの世界観を壊してしまうのかも・・・。実際はその世界を壊した張本人は日産GT-Rであって、もう日本ではフェラーリやポルシェへのスポーツカーとしての興味は無くなっていく予感がします。なので旧型NSXが「アルミ軽量ボディ」によるトータルバランスでの性能向上を目指したのに対して、新型では4WDでHVの「スポーツハイブリッドSH-AWD」を売りにしています。世界で唯一、三菱だけが販売している4WD+HVはトヨタの盲点だったのかラインナップにないんですよね。独自に実用化を目指すスバルも意外と手間取っているとか。やっぱり三菱は世界最高水準なんですね。

  GT-Rはしばしば普段使いでもOKとか書かれています。確かに車体だけなら後部座席もしっかり乗れて良さそうですね。しかしランニングコストが燃費も含めて非常に高いそうです。日独の大排気量高級車も次々にHVに代わりほぼ全社でHVになりました。高級車なので当然ながらディーゼルではなくHVが静粛性で優れるようです。次期NSX登場の裏で密かに日本市場復帰をもくろんでいるのが、レジェンドとインスパイアです(去年消えたばかりですが)。高級車なので大ヒットというわけではないですが、この4WD+HVを積んだレジェンドが出来ればポルシェのパナメーラなんかよりも全然いいクルマになると思います。ホンダの忸怩たる思いが2014年には一気に爆発しそうな予感です。

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