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2018年1月11日木曜日

日産スカイライン(2017/12月マイナーチェンジ) 全然新しくないけど、いいクルマだよ。


スカイラインは今も日本車最強

   あまりにも変化に乏しいマイナーチェンジなので、ほとんどのカーメディアからは事務的に処理されているスカイラインですけども、うーん、なんか寂しいですねー。「スカイライン」と名がつく歴代のクルマは、常に同サイズのセダンにおける最高の性能をユーザーに提供してきました。日本で生産される「クオリティカー」の代表的なモデルなんですけども、日産からもカーメディアからもやる気を感じない・・・。

もはや反則レベルの技術力

  誤解を恐れずに言うならば、「いいクルマとは?」ドイツ車ではなく・・・スカイラインに近いかどうか!? それくらいにスカイラインに投入されてきた技術の多くは、他のメーカーはただ指をくわえて見ているしかない「桁違い」なものばかり。簡単に言ってしまうと、市販乗用車の世界での「ブガティ・ヴェイロン」みたいなもの。あまりにも水準が高過ぎて、比較対象にしてもらえない。スーパーカーの世界でブガティはほぼ反則扱い。

批判している奴は、『ウサイン・ボルトは遅い』と言っているのと同じ

  今回のマイナーチェンジで350GTAWDの最上級グレードSPは、580万円の設定なのですけども、このクルマ0-100km/hを5秒で走ります。2000万円以上するBMW・i8とほぼ同じ。BMW・M3が北米では65000ドルくらいで買えますけども、北米と同じくらいの経済的負担でハイスペックなGTセダンに乗ることを実現した希少な1台です。他にはホンダ・レジェンドがあるだけ。フーガはちょっと運動性能に劣るかなー。

水野さんの置き土産が、ドイツプレミアムを駆逐している

  当然にアメリカではよく売れていて直近のデータではレクサスのすべてのセダンよりも販売台数は上です。北米レクサスを支えているのは完全にNX、RXのSUV勢(約7割)ですが、インフィニティのエースはなんと4ドアセダンのQ50(スカイライン)で全体の32%に達します。メルセデスもBMWもSUV頼みとなっている北米市場のプレミアムブランドの中で、昨年の成長率ナンバー1はもちろんインフィニティ。唯一4ドアセダンが引っ張るプレミアムブランドです。

輸出が少ないと批判していた奴らは全員謝罪を!!

  すでにアキュラ、ボルボ、アウディ、ジャガー&ランドローバーを抜き去りこのまま成長が続けば、北米で2〜3万台前後を毎月販売して争っている北米プレミアムトップ4(メルセデス、BMW、レクサス、マツダ)を追い越すのも時間の問題。日産本体も北米での成長率は大手でダントツトップの昨年比118%(18%増)を記録しています。日本からの輸出台数の少なさから数年前は日産は日本の産業に貢献していない!!とか批判されてましたが、今ではマツダ2万台、スバル2万7千台を大きく上回る4万台(2017年11月度)の大台越えを果たしています(栃木上三川工場フル稼働)。ちなみにトヨタ6万2千台、ホンダ6千台、三菱8千台です。・・・日本でしくじった分がアメリカへ回った!?

開発者がベンベを潰す宣言してたけど、その通りの展開に!?

  インフィニティQ50(スカイライン)の何が人気なのか!?北米での価格設定ですが、悪名高いメルセデス製直4ターボを搭載した廉価モデルの200tが35000ドルの設定で、これはBMW320iと同じです。日本でも200tが410万円で、320iは定価530万円も大幅値引きで400万円前後に下げてもらえるとか。プレミアムブランドって客が移りやすいから「市場価格」が形成されやすいみたいです。色々乗ってみたいとかいうミーハーが多い!?


エンジンが良ければそりゃ売れるでしょ!!

  日産が独自に開発した3LのV6ターボは300ps版が38000ドル、400ps版が51000ドルの設定です。そしてHVの350GTが50000ドルです。北米でもV6自然吸気の販売は終了したようですが、上級モデルのQ70(フーガ)には5.7LのV8自然吸気が用意されています。日本では350GTが495万円〜これってかなりすごくないですか!?コスパナンバー1といっても過言ではない。このレートから計算すると400ps版の3Lツインターボは520万円前後になります。限定発売でもいいから発売して見たらどうでしょう!?もしかして国土交通省が危ないからダメって言うのか!?最近ちょっとモメてるしトラブってるしで・・・タイミングが悪い。

結論

スカイラインを批判しているプロのジジイは目障りだから全員引退しろ!!現役復帰するならもっと見る目を養ってくれ!!せめて世界情勢を見極めてから発言してくれ!!生意気言ってるのはよくわかっているけど、スカイラインに対するあまりに片手落ちの報道に辟易したよ。テレ朝の朝生で9条2項の条文が言えずに「恥を知れ!!」と罵られた某お笑い芸人がいたけど、スカイライン批判を目にするたびに「恥を知れ!!」と言いたくなる。

結論が長ーな

今やV37はかつて日本車が経験したことがない頂に到達しようとしていて、セダン好きにはちょっとワクワクする展開。北米の次は欧州も喰らうかも知れんよ!!ホンダやマツダもV37を超えるような王道ハイスペックGTサルーン作ってくれー!!レクサスとスバルは実績もないし、多くな期待できそうもないので、新ジャンルのSUVでも作ってセコセコと稼いでいたらいいと思うよ。グッドラック。




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2014年5月28日水曜日

日産スカイライン 「2L直4ターボ発売・・・」

  「本当に発売するとは・・・」なんて今さら驚いているわけではないですけど、やはり日本メーカーのプライドとして、このクラスのクルマにターボを付けるのはやめてほしかった・・・。日本には欧州ブランドの階級主義なんていらないですし、「上」と「下」で全く意味合いが違うエンジンを使い分けてユーザーを「差別」するなんていう文化を日本メーカーが率先して持ち込むことに違和感を感じます。まあ日産だけが悪いのではなく、スバルのレヴォーグも基本的には同じ考え方みたいですが・・・。

  BMWもメルセデスもジャガーもベースグレードでは直4ターボが定番になっています。日本価格だとこれでも平気で400万円を超えてくるのですが、ハッキリ言ってそれほどの価値は絶対に無いと思います。どうしてもBMWやメルセデスに乗りたいという人には満足かもしれませんが、車重1600kgを超えるボディというだけでも、これらのクルマには直4エンジンで走らせるだけの能力が決定的に欠如しています。さらにパワーシート、電動ステアリング、電制ダンパー、後席用の快適装備などに多くの電気を使いますから、エンジンが小型になればなるほど設計上に無理が生じてきます。

  新型スカイラインは世界初の技術を含め、さまざまな電制デバイスを積み込み大排気量エンジンを想定して設計がされました。しかし急遽、廉価版の2Lターボを積み込むことになり、深刻な電気不足に陥ることからステア・バイ・ワイアなどの新機能はかなりの割合でキャンセルされています。スカイラインHVの一つの売りであったクルマオタクが悶絶する「96通り」の運転モードなどもおそらく何事も無かったかのように消え去っているはずです。

  ただしステア・バイ・ワイアのフィーリングにしても、運転モードの多さにしても、専門家筋からもそれなりに異論が上がっていて、さらに一般ユーザーからしてみたら「かなりどうでもいい」という意見も多そうなので、廉価ターボ版を販売する意義というのは小さくなさそうです。また日産にしても、日本市場限定でしかもフーガ以外の他車では使わなくなりつつある「2.5LのV6」エンジンを置き換えたいという意図もあるでしょう。レクサスISやクラウン、マークXとまだまだ台数が稼げるトヨタの「2.5LのV6」と比べると生産効率で大きく劣ります。つまり同じようなクルマを作っていても、常にトヨタの方が利益を出し易く、日産は不利な状況に置かれます。こうしたウィークポイントを無くすことは極めて妥当な選択と言えます。

  今や2.5Lの6気筒エンジンを使っているメーカーなんてほとんど無くなっていて、トヨタと日産以外では中国製造のBMWが2.5Lの「V6」エンジンを積んで販売されているくらいだそうです。これだけ潰しが利かないエンジンを残しておくメリットはまったく無いですし、3.5LのHVがすでにこのエンジンを大きく凌ぐ経済性を発揮していますので販売理由もなくなっています。FFのティアナは軽量で高出力の直4NA(2.5L)の新型エンジンが搭載され始め、6気筒エンジンになんら劣らない静粛性を発揮しています。

  スカイラインにもこのティアナ用の直4NAを使えば良いと思いますが、日産は縦置き(FR用)に設計変更するコストを無駄と判断したようです。また仮に出来たとしても、FFのティアナよりも、構造上重くてうるさくなってしまうFRのスカイラインにそのまま使うには、さらにプロペラシャフトやギアボックスの静音性の設計調整が必要ですし、重量増やトラクションの不利でティアナよりもパワーが出せない設計になってしまうのは目にみえています。

  そして日本市場で売れているライバルのドイツ車が直4ターボを用いる中で直4NAを投入しても売りにくいという判断もあるかもしれません。とりあえず直4ターボのFRならばBMWもメルセデスもジャガーも日産もほぼ同じで価格面でちょっと有利な立場に立てればいいといったところでしょうか。BMW320iが466万円、メルセデスE250が599万円のところをスカイラインGT-tが383万円ですから、「ハリボテ・プレミアムカー」というジャンルでいよいよ日産が主導権を握る時代がやってきたかもしれません。そのために物議を醸した「日産」から「infinity」へのバッジ変更も推し進めました。

  まあなにはともあれ、アメリカだけでなく、日本でもBMWを叩き潰すぞ!という気合いを日産陣営から感じることができます。BMWも劣勢が明らかになれば値下げを断行してくるでしょうし、世界的にも最高値の領域にあるドイツ車価格が是正されることは、とても喜ばしいことではないでしょうか? それでもやはりスカイライン買うなら腹括ってHVにすべきだと思いますが・・・。

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2014年2月20日木曜日

スカイラインHV 「日産の飛躍・・・このクルマで主導権を!」

  日産が上級グレードに搭載しているVQ37DE。一般的な仕様ではNA3.7Lで333psを絞り出す世界最強のV6NAエンジンで、日産はこれを車重1500kgのフェアレディから3000kgの救急車に至るまで採用している(救急車の燃費が気になる)。スカイライン、フーガ、シーマ、三菱にOEMしている分、エルグランドでの需要をかき集めても日本ではまったく採算が取れるレベルのエンジンではないのだが、このエンジンこそが北米で日本車技術の象徴として讃えられているのだとか・・・ちょっと皮肉だ。

  日産はいよいよ日本国内でもV37スカイライン(インフィニティQ50)の発売を始めたが、それに先立ち作られたCMの謳い文句がスゴい。
「なぜ?ありきたりなプレミアムカーを選ぶのか?みんなが乗るから。定番だから。そんなプレミアムはもうたくさんだ。日産が世界で培ってきた圧倒的技術力が、今解き放たれる。」
商品の宣伝の基本は「ストーリー性」であり「共感力」なわけですが、いや〜素晴らしいキャッチコピーですな。自動車産業に対して感じているある種の不信感を当事者として堂々と認めた上で、このクルマはスゴいんだ!と訴えかけるメッセージに思わず惹き込まれてしまう。

  余計なお世話かもしれないが、このCMを見ていて気になることがある。世界の自動車技術は日進月歩で、最近では自動ブレーキや追従クルーズコントロールが当たり前になり、まもなく自動運転も可能になるようだが、このCMで日産が訴えている「技術力」とはそういうものではない。このことが一般の視聴者に正確に伝わっているかが気になって仕方がない。自動運転はともかく自動ブレーキはまもなく全てのメーカーの全ての車種で採用されるであろうタイプの技術だ。瞬く間に広まったATやABSといった技術と同じといってもいい。

  このCMで日産が主張する「技術力」は、他のメーカーにも広まりスタンダードになることが想像しにくいものだ。他の多くのメーカーが採用を前提に真剣に研究しないような技術をことごとく実用化し、一度に複数詰め込んで新型車を作ってしまったわけだ。これは自動車産業においては近年まれな歴史的事件だ。繰り返しになるが、今回スカイラインに盛り込まれた新技術のほとんどが、すぐに他社が真似できるレベルのものではなく、おそらく追従しようとするメーカーは皆無だと思われる。

  日産がこのクルマでブレイクスルーを目指そうとする意思はとてもよく分かるし、成功する保証もない中でこれだけのクルマを発売し、世に問うという姿勢は贔屓目なしにポルシェやマクラーレンといった世界最高レベルのスペシャリティカーブランドくらい価値がある事だと思う。しかもこれだけのクルマが450万円で買える。この価格は絶対に失敗できないという開発陣の薄氷を踏む想いの現れだろうが・・・。

  トヨタがのほほんと作っているレクサスLS600hという1000万円を軽く超える超高級車があるが、この新型スカイラインの基本スペックはベースグレードでもLS600hの水準に近い。400ps近い最大出力と世界最高レベルの高剛性ボディ。LS600hを初め世界の高級セダンの主流になったAWD。それによる燃費悪化を十分に補うHV。燃費こそ10km/Lをいくらか超える程度かもしれないが、実用域でこれだけあれば十分。従来の3.7Lスカイラインの6~7km/Lと比較すれば10万キロ走行時点でなんと100万円の燃費削減につながる。先代の3.7Lと比べて50万円の価格差があるが、たとえ電池交換(15万円くらいらしい)があったとしても10万キロ使い倒せば確実に元が取れる。

  それでもこのクルマのスゴさと実用性の高さをしっかりアピールできなければ、450万円という決して安くはない金額なので思いのほか売れないかもしれない。しかもこのクルマには先端技術を使い過ぎたことで、従来の高級車とはまた違った乗り味になっているので、よっぽど保守的な人はBMW320dを選ぶという可能性も否定できないのだ。なんといっても他社が真似しない技術が満載のスカイラインである。

  レクサスやホンダの高級車に使われるようになった4輪操舵(4WS)も、ハンドリング性能の向上がそのままドライビングフィールの向上につながらなかったという苦い過去をスカイラインは持っている。それでも車重があるクルマに限界を超えた旋回性能を与えるために今回も採用されている。さらにHVによるさらなる重量増加によるハンドリングの鈍りを補うために、標準装備でステアバイワイアという全く新しい技術を取り入れてきた。どうやらこれもまた「官能性」とは違う方向に響く可能性が高い難物らしい。

  4WSとステアバイワイアに対して好意的な人にとっては、このクルマは理想的だろう。そして450万円に抑えた価格設定にもGT-R開発で日産が培った「コスト管理」というすばらしい技術の賜物なのだろう。10年前に発売されたVQ35DEエンジンの改良型VQ37DEエンジンは日本市場との相性の悪さで、このまま北米専用エンジンになってしまうかと思われた。

  しかしGT-R用のVH38DEとともに、現在の日産を象徴するこのエンジンをぜひ日本でも載せたいという「エゴ」から全てが始まり、日産の持てる力を全て投入してこのエンジンの活路を切り開いた恰好だ。これが新型エンジンを開発して積むとなるととても450万円では収まらなかったであろうし、もし新型エンジンで650万円くらいで発売して全く売れなかったら・・・その時は日産の高級車開発の息の根が止まってしまっただろう。いやはやこのアイディア満載の素晴らしいクルマが成功することを心から祈っている。

2013年11月24日日曜日

日産・スカイライン(インフィニティQ50) 「英メディアの酷評も妥当」(閲覧注意!)

  次期購入候補のクルマが見られるとあって、東京MSまで行ってきました。日産ブースはオープンスペースにフロア3層構造になっていて、明らかに最上階の熱気が凄いのがすぐにわかります。おそらく新型スカイラインがそこで見られるのだろうと、ややドン引き気味の連れの手を引いて、クルマに群がるカメラ小僧とスマホなオッサンを掻き分けて進むとそこには2014のGT-Rが・・・。「乗りたい方は後ろに並んで!」という声を係員が親切にかけてくれましたが、今日のところはGT-Rには用がないしと思いつつ愛想笑い・・・。

  隣りのもっと人が群がって全く見えそうにないのが、スカイラインか?と思い、再びオッサンを掻き分けて行こうと思いきや、皆様スマホを必死で持ち上げて上から撮っているので、目の前のスマホ画面にターゲットのクルマがクッキリ映っています。そのおかげで輪の中のクルマがGT-Rニスモだと分かりさっさと退散しカオスなフロアを降りることにしました。すぐ下のフロアには新型ティアナが・・・こちらは待ち時間なしで誰でも乗れる状況ですが、恐るべきほどに誰も興味なし!となりのエクストレイルも新型ですが、こちらも取り巻きは少なくまったく人気なし!日産やっちまったな・・・。

  スカイラインはどこなんだ?と注意深く見回すと、地上フロアのスズキのブースのすぐ隣りにスカイブルー・メタリックのクルマが見えました。今度こそ正真正銘のスカイラインなのですが、拍子抜けするくらい人込みも少なく、ベストポジションでじっくり見ることができました・・・。フロントデザインは近所の日産ディーラーで見ているフーガにやはり似ています。現行フーガの最大にカッコいいポイントがフロントデザインなのでこの点は良いと思います。さらにフーガの欠点である高いルーフが、はっきりと下げられていて全体のスタイルがスマートです。

  ただそこから先が難点だらけに感じました。この手のクルマのデザインの難しいところなのかもしれませんが、ライバル車とくらべて明らかに側面窓が大き過ぎます。車体剛性がクラスNo.1のクルマとは思えないような緊張感のない側面デザインになっています。このデカ窓コンセプトに決定した段階でこのクルマの運命は決まってしまったかもしれません。先代よりも車体全体をワイドに広くという方針は3シリーズやレクサスISと同じで、室内の居住性を優先したものになっていますが、日産はどうやらそこから先も真面目に突っ走ってしまったようです。

  デカい窓が一概に悪いわけでなく、日産の考え通り後席の居住性を考えたら景色が良く見えるほうがいいです。ただ現実の問題として同様に窓がデカいF30を側面や側面後方から見ると全くオーラが感じられないのと同じ症状に陥ってしまっています。BMWの場合は3シリーズよりも4シリーズや6シリーズを小窓にしてスタイルを際立たせる、ブランド内ヒエラルキー戦略なので、F30がかっこ悪いなんていうのは「野暮」なのですが、スカイラインの場合はまったく立ち位置が違うクルマなのですから、このデザインの選択ミスは悔やんでも悔やみきれません(それでも売れるかもしれませんが・・・ないな)。


  同サイズのクルマとしてはメルセデスCLAやマツダアテンザなどのプレミアム新興勢力が相次いで「小窓」で登場して、デザイン面での評判は非常に高いなかで、この新型スカイラインは「中身」が素晴らしいだけにとても惜しい気がします。今年始めの段階でイギリスメディアの容赦ない酷評に対し、日産のデザイン担当者(たしか名前が出ていた)が失敗を認めた上で「クーペで取り返す」という類いのコメントを残したを報じられていましたが、実車を見て英国メディアの主張は正しいと強く感じました。結論としては「クーペ待ち」かなという印象です。

  日本の某雑誌には新型スカイラインはインフィニティマークを付けていよいよBMW3やメルセデスCのライバルになると書かれていますが、クルマのメカニズムを考えると3やCと同じクラスというには大きな違和感があります。もはや車重もエンジンパワーも全く別の方向を向いていて、サスやハンドリングメカニズムの先進性で日産フラッグシップと欧州車が同次元なんてあり得ませんし、ホンダ・レジェンドに先駆けてAWDハイブリッドも用意してきました。AWDの弱点(パワー・燃費・ハンドリング)を全てカバーしたなかなか"ミラクル"なクルマになっています。同じ450万円のクルマかもしれませんが、どこをどう比べると、3やCと同じということになるのでしょうか?デザインの悪い点で!というブラックジョークか?

  日産のエンジニアがメルセデス製2Lターボの搭載に大反対したと言われていますが、それは至極当然でもっともだと思います。まあ売れ行きが伸び悩めば2015モデル辺りから2Lターボも発売しそうですが・・・。そんなこだわりも何もないようなエンジンはプリメーラでも復活させて、メルセデスブランドから発売してミーハーな日本の輸入車好きにでも売っておけばいいと思いますね。



2013年10月10日木曜日

インフィニティQ50 「ハイブリッドが"官能"な時代の到来か」

  やはり日産はトヨタとは様々な考え方が違うようです。それはそれで個性があってとても良いことですし、ユーザーにとっても選択の幅ができることは歓迎すべきことであります。あくまで私個人の意見としてはレクサスIS300hは、研ぎ澄まされたせっかくのシャシーにはやや残念なパワーユニット(直4+HV)だったと思います。このクラスのクルマはやはり常に「純度」を高く維持することに絶対的な価値があると思うのです。

  いよいよV6搭載スカイラインが3代目を迎えました。初代モデル(v35)は旧スカイラインのファンから大きな失望を買ったクルマでしたが、日産はその後もスカイラインを日本市場では「異質」な存在となるまで大切に育て上げました。初代モデルが日産のエリート開発部の手による確信に満ちたクルマであったという事情もあったようですが、3.7LのNAエンジンでクラス最高の車体剛性を誇りカタログ燃費は堂々の9km/L!というアンタッチャブルなスパルタンセダンを10年に渡って販売してきました。

  その後に開発された派生車のGT-Rもそうですが、世界のどんなライバル車にも絶対に負けないクルマを作るという「世界最強主義」?を貫きました。GT-Rあポルシェ911ターボを圧倒し、「スポーツタイヤを使わないと達成できない」とポルシェが主張するような究極の加速性能を手にしました。V36スカイラインは北米市場でプレミアムDセグとして人気を博したE90系の直6ターボ(308ps)に対して、出力で負けていた3.5LのNA(280ps)をわざわざ載せ変えて3.7LのNA(333ps)をBMWを視野に入れて開発しました。

  そんな日産のどこまでも突き抜けた高性能車への熱意は、この新型スカイライン(インフィニティQ50)にもそのまま持ち込まれているようです。今回は3.7LのNA(333ps)よりもさらにパワフルなハイブリッドのユニット(354ps)を載せてきました。日産がレクサスGS450hやBMWアクティブHVに対抗するためにフーガ用に作った高性能ハイブリッドです。

  ただ日産がこのユニットをライバル車のエコ化が急速に進む中で、頑なにV36スカイラインに使うことを拒否した理由は、ハイブリッド化によってスカイラインの魂であるハンドリングが無力化してしまうからだったようです。日産はスカイラインのハイブリッド化に際して「ステア・バイ・ワイア」という電気信号を使ったステアリングを新たに開発しました。これは通常の電制ステアを大きく上回る速さでステア操作が伝わるので、車重が多くなったクルマの旋回性能の向上に大きく役に立つのだとか。

  ただ結局はタイヤの性能次第なのではないかという気がしないでもないですが・・・。とにかく、さすがは日産でこれならハイブリッドやディーゼルを搭載してもアテンザのようにフロントヘビーで、辛辣な(ドイツ車好きな)評論家から酷評されることもないでしょう。メルセデスやBMWと比べても圧倒的といえる車体剛性を誇るため、当然ながら「骨太」な構造で車重が嵩んでしまうスカイラインにとっては待望のシステムと言えます。もはやハイブリッドのバッテリーやら安全装備やらをたくさん詰め込むパッケージングを止めないとしたなら、これはスポーツセダンへの回帰に向けての根本的な「ソリューション」として有効に機能する数少ない方法だと言えます。

  トヨタのマーケティングからすれば、これからのカタログモデルのセダンで走りに徹することはナンセンスなのかもしれません。「走り」ならスポーツカーで!「パッケージングと高級感」こそがセダンの本領!という主張が見え隠れするのが最近のトヨタ/レクサスのラインナップといえます。そんなトヨタと敢えて「カチ合わない」ことこそが、日産のスカイライン開発の本音なのかもしれませんが、それにしても見事なまでの「こだわり」に感服するしかないですね・・・。たとえレクサスRC-Fが発売されて400psオーバーで対抗しても何も問題はないですね、日産にはGT-Rがあるのだから! 

  もちろんレクサスIS350とRC-Fといった"官能"モデルはスカイラインに匹敵する魅力を持っています(RC-Fは未発表ですが)。そしてスカイラインの3.7Lと3.5L+HVはさらに高い次元を目指そうとしています。どうやら日本のDセグ車のレベルはとうとう世界の頂点を突き抜けたところにやってきたようです。この2台の争いからみれば、アテンザ、F30、W204、キャデラックATSなどは遥か下界のウジ虫にすぎないかもしれません・・・。こりゃスカイラインを買うしかないな!(と書いてて思いました・・・)


2013年7月19日金曜日

インフィニティQ50(新型スカイライン) 「”ラスト・ニッサン”は買いか?」

  あくまで憶測の域を出ない話だが、日産はどうやら「FR高級モデル」の開発を凍結したようだ。先日も北米を中心に展開しているインフィニティブランドの廃止が取りざたされたと報じられた。北米でのFR車の売上はまったく成長の兆しをみせず、仮に次期モデル用の新型シャシーを開発したとしても現在の規模の売上では開発費用の回収もままならないだろう。次世代の環境対応車の展開で遅れをとっている日産にとって、見通しが付かない高級車の開発をする余裕はないのが実情だ。

  まもなく発売されるインフィニティQ50もV35・V36と2代に渡って使われているプラットフォームが引き続き使われる。トヨタのクラウンと同じく3世代が同じシャシーを使うことになった。新型プラットフォーム開発が割に合わない事情はクラウンに関してもまったく同じだと思われる。そして様々な報道によると、この次(6~7年後)の日産のミドルクラス・ラグジュアリーセダンは業務提携しているメルセデスが設計を担当するそうだ。

  実質的にメルセデスはルノー日産の高級車部門を担当する「関連メーカー」に位置して来ているようだ。これはトヨタ・VW・GMの3軸で展開されつつある自動車業界で、メルセデスとルノー日産がそれぞれに競争力を保つための必然的な「同盟関係」だ。メルセデスもルノー日産もここ数年においてトヨタと互角以上の収益をあげていて、投資家サークルでは一定の評価を受けている。しかし世界で一番トヨタが多く計上している「研究開発費」を、この両社は大幅に削って無理矢理に収益を作り出しているという指摘もある(エコカー技術で両社が遅れているのは必然の成り行き?)。

  今後10年の自動車業界で予想されるトレンドとしては、VWが傘下のアウディとポルシェに高級車開発を委譲するという合理化策が各陣営に広まると予想されている。ライバルのトヨタもまったく同じようにスバルとBMWに自社の高級車を委ねる方針でグループ再編が進んでいる。フィアットも傘下ブランド間の連携を強め、フェラーリのエンジンやマセラティの生産スキームをクライスラー系ブランド(SRTやダッジ)やアルファロメオに移植して北米・中国・日本でのシェアの拡大を目指すようだ。簡単に言うとフェラーリのエンジンを使ってマセラティが組み上げたダッジやアルファロメオブランドのスーパーカーが登場するということだ。フォードとホンダはこれらとはやや一線を画した独自の経営方針(孤立主義?)を押し進めるようだが、ルノー日産もメルセデスと三菱をブランド内部に組み込んでVWやトヨタに追従すると言われている。

  前置きが長くなったが、このインフィニティQ50で歴史ある日産の「走りのセダン」は姿を消す公算が高い。北米で売れているアルティマ(ティアナ)は今後も残るだろうが、これはカムリやアコードのライバルとして作られたFFセダンであり、日産のスカイラインやセドリック/グロリアの系譜を引き継ぐようなクルマではない。

  今の段階でインフィニティQ50で新たに導入されると発表されたシステムは、フーガのハイブリッドシステムの流用と超高張力鋼鈑の使用がアナウンスされている。すでに生産が開始されているが、まだ正式に噂の「ハンドリング機構」についての発表はない。来年以降には2.2Lディーゼルターボと2Lガソリンターボによる新グレード追加があるようだ。

  もし栃木工場で作る「ラスト=スカイライン」なのだとしたら、やや地味なFMCの印象でとても残念だ。日産のこだわりが盛り込まれたハイテク=セダンこそがスカイラインの名前にふさわしいはずだが・・・。やはりバブル後の経営危機の段階でスカイラインは幕引きをすべきだったのだろうか。それでも余力で新生スカイラインはBMW3シリーズを北米市場で完膚なきまでに叩きのめし、ヒュンダイから羨望の眼差しを受けジェネシスというフォロワーも生んだ「日本を代表する名車」でありつづけたのはさすがだ。6~7年後に登場するであろうメルセデスがアメリカで組み立てるOEMのスカイラインなんて、喜ぶミーハーは居るかもしれないが、とても日本を代表するスポーツセダンとは言えない。



  

2013年5月7日火曜日

新型スカイライン「進化か?迷走か?」

  もはやDセグセダンはブランド展開するには窮屈な存在という考え方がある。特に「メルセデス」を目指す、日本や韓国のメーカーにとってDセグは高級車としての「伸びしろ」が少ないと感じてしまうのかもしれない。とくにEセグのセダンを用意しているメーカーにとっては、モデル廃止もありうる状況だ。実際にプジョーでは407が中国市場を除いて後継モデルが作られていない。スカイラインのライバルのマークXも存続が危ぶまれている(FF化してカムリと別の設計はあり得ないだろう・・・)。

  そんな中、日産は日本ではめっきり影が薄くなっている「V型スカイライン」のFMCを今年行う。V36スカイラインは日産が誇る「プレミアムDセグセダン」として北米市場を中心に導入された。現行モデルは北米では3.7Lがベースグレードなので、ライバルのBMW3やメルセデスCより高額の$37000〜の設定になっている。それにもかかわらず、その走行性能の先進性でライバルを大きく上回っていることが評価され、このクラス($30000〜のDセグ)で一番の成功を収めている。その華々しい成功から、韓国のヒュンダイがV36クーペを徹底的に分解して作り上げたのが、ヒュンダイ初の$30000〜の量産モデル「ジェネシス」だ。

  日産からしてみたら、日本で月に300台しか売れなくても、まったく気にならないほどの成功を北米で成し遂げているので、モデル廃止などはまったく議論はされていないようだ。日米の市場で展開されているライバルの「レクサスIS」と「スカイライン」の価格設定には多少の違和感がある。日本では3.7Lのスカイラインの本体価格は北米ではレクサスIS250を$2000(約20万円)上回るのだが、日本に来ると、スカイラインの方が約20万円安くなる。もちろんエンジンの性能を考えるとスカイラインの方が断然にお買い得ということになる。この甲斐あってV36スカイラインはレクサスISとの比較でもかなり有利だった。

  しかし今年レクサスISとFMCが重なってしまい約半年ISの方が先行する形になる。しかもこの2代目ISはスカイラインとの実力差をあらゆる面で縮めてきたトヨタの渾身の一台になっている。トヨタが「新型IS」に賭ける情熱は、まるで2006年に日産が「V36スカイライン」でドイツ車をまとめて抜き去ろうとした意気込みのようだ。実際にV36はドイツ車を抜き去ったし、今度はISがドイツ車を抜き去っていくことは確実だと思うが、ISはスカイラインをも抜き去ることができるのか? 当然ながら新型ISはV36スカイラインのレベルはクリアしてくるだろう。新型スカイラインは果たしてそんな新型ISをさらに突き放すような進化をみせるのだろうか。

  聞こえてくる話はパワートレーンの生産が追いつかず、FMC時に用意できるのはフーガ用の既存のHVシステムくらいなのだとか。価格は520万円くらいするのだろうから、これでは480万円のISに販売面では逆転されるはずだ。2Lターボエンジンはまだまだ不確定な要素を残しているが、どちらにせよFMCには間に合わない。そうすると既存の3.7Lエンジンを軸にレクサスISと戦わなければならない。デザインもすでに公開されているが、レクサスISの方が先進性と個性が備わっているように思う。果たして日産は新型スカイラインをどのような形でリリースするのだろうか?


↓ルノーの影響からかフランス車的なエッセンスで異彩を放っていたV36スカイラインは歴史に名を残す名車になりました。それでも最近ではちょっと古臭く感じてしまいますが・・・。

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