ラベル 024マツダ(ブランド) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 024マツダ(ブランド) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年3月19日木曜日

MAZDA・CX-3 (2025年12月グレード改定・2026年2月生産終了)

 

奇跡の四台

MAZDA・CX-3が2026年2月に生産終了となってしまった。2015年の登場なのだが、屈指の傑作デザインが幸いして10年以上が経過しても古さはない。普遍的な造形美を強く主張していたMAZDAのデザイナーの言葉通りなのだろう、大きなデザイン変更を含むマイナーチェンジや特別グレードの設定もなく、ほぼオリジナルデザインのまま10年以上のライフサイクルを駆け抜けた。


CX-3が発売された頃のMAZDAの企画・開発は冴え渡っていて、前年にはデミオ(現行MAZDA2)、同年にはロードスター(現行)、さらに2年後にはCX-5(2代目現行)のいずれのモデルもデザインは突き抜けて優れている。HEVやCVTを使わず、日本市場で主役になる気もないMAZDAの予想外の快進撃がここから始まった。そのクオリティの高さゆえに、2017年にはトヨタの豊田章男会長(当時は社長)が「クルマ作りを学ぶ目的」と宣言し、トップダウンでMAZDAとの提携を決めた。


セダンが売れない・・・

10年前のMAZDAの主力モデル(販売が多い)は、CX-5、アクセラ、アテンザのミドル3車種だった。ホンダのCR-V、シビック、アコードの車台共通化構想を受けて、2012年からMAZDAも同じ方針を採用した。2012年、2013年で主力3モデルがスカイアクティブへ刷新され、続いて2014年、2015年で、デミオ、CX-3、ロードスターのコンパクト3モデルが揃った。コンパクト3モデルはグローバルではそれほど多くの台数は出ないことを前提に作られている。


残念ながら主力3モデルからアテンザ(MAZDA6)が脱落した。2012年に3代目として華々しく登場したが、初代、2代目で世界を制した名車アテンザの姿ではなかった。「和製アルファロメオ」(沢村慎太朗さんレビュー)と評された2代目GH型から、「ディーゼル搭載カムリ」の3代目GJ型へと変わり、クルマの方向性が全く違うものになった。北米にはディーゼルがなく直4のみ(2代目はV6があった)で北米のニーズに合わず、中国でも合弁先が初代、二代目を並行生産して、3世代が併売されるなど巨大市場で伸び悩んだ。


ラージ商品群登場

3代目アテンザの失敗を糧に直6ガソリンターボのCX-70、CX-90が北米向けに開発されることになった。アテンザが抜けた現在(2025年)では、CX-5(約33万台)、CX-30(約20万台)、MAZDA3(約15万台)が販売台数ではトップ3となっている。北米生産のCX-50が約10万台あり、日本生産のCX-70とCX-90合わせて関税の逆風の中で10万台を超える販売を誇る。それらのミドル、ラージモデルと比べるとコンパクト3車種の販売規模は少なく抑えられている。


2012年の「MAZDAプレミアム化宣言」以降のモデルに限った話ではなく、2002年以降の「新生MAZDA・ZOOM-ZOOM革命」以降のモデルは、MAZDAにしかできないクルマ作りをテーマに1台1台が仕上げられている。2002年初代アテンザは世界132のCOTYを獲得、欧州COTY2位、2003年初代アクセラも欧州COTY2位、2007年3代目デミオはWCOTY受賞、欧州COTY2位となっている。以後も世界中のCOTYにMAZDA車が選ばれている。



プレミアム・コンパクト

多くの中堅メーカーが利益率の低さゆえに、普通車のコンパクトカーからは撤退しているMAZDAにとってもそれは同じなのだけど、10年以上前に作ったコンパクトカーがあまりにも優秀過ぎてファンが多いので撤退するタイミングを逃してしまった。MAZDA以外にコンパクトな普通車を作るメーカーは、トヨタ、ホンダ、日産(ルノー)、スズキ、VW、ステランティス、ヒョンデ、フォードなど、いずれも生産台数で世界トップ10に入ったことがあるメーカーばかりだ。


例外はMAZDAとMINI(BMW)だけだ。120万台のMAZDAと、246万台のBMWは、巨大資本がスケールメリット(生産合理化)で低価格競争するコンパクトカー市場で、「クルマ好きを唸らせる」みたいなテーマで戦ってきた。MAZDA2とMINIは「プレミアムBセグ」と言われてきた所以だ。どちらも経営は楽じゃないので、さっさとBセグをBEV専門に転換したい様子で、経営方針も発表しているが、ファンと社会インフラがそれを許さない。



クルマでわかる

MAZDA2とMINIのSUV版がCX-3とMINIカントリーマン(先代はMINIクロスオーバー)で、東京都多摩地区では上品な女性ユーザーの間で大人気だ。街中ではCX-5より見かけることが多いくらいだ。上品なユーザーは、街中の狭い道で他人の迷惑も考えずに、ラージサイズ、ミドルサイズのミニバンやSUVで走ろうとはしない。歩行者や自転車が多い日中にCX-8やアルファードで「どけどけ!!」とばかりに暴走するユーザーは結構目につく。横断歩道に人が立っていても平気で走り抜ける。


偏見でも何でもないけど、ロードバイクで日中に走っていてつくづく思うのは、大きいクルマに乗る女性と古いクルマ(10年以上前の年式のミニバン、セダン、小型輸入車など)に乗る男性は事故発生率がかなり高いってことだ。現行モデルのBMW5シリーズなどの高級車に乗ってる知人に何人かいるが、全員が穏やかな性格で運転もスマートだ。しかし同じBMWでも1シリーズをロードバイクで追い越して行くと、かなりの確率でアクセルベタ踏みで横をすり抜けてくる。なんであんなに短気で凶暴なのだろうか!?




MAZDAらしさ

2012年頃からMAZDAが主張するようになった「プレミアム」とは、ユーザーの手前味噌な解釈かもしれないが、「上品」なユーザーの選択肢を目指したブランド戦略を意味する。近年のトヨタ、スズキ、ホンダが意図的にチョイスする「ヤンキー風」「ガンダム顔」といった癖の強いデザインを避けている。デザインだけでなく、多くの日本メーカーが採用するCVT、HEV、シフトレバー廃止などの「商用車スペック」に対して距離を置いている。MAZDA車は悪目立ちせず、わざわざ所有する意義のあるクルマがほとんどだ。


首脳陣も120万台規模のメーカーだから「逆張り」ができると言っている。ポルシェやBMWのようなハイエンドの超高性能モデルを作ることも可能かもしれないが、それらを好むユーザーをメインの顧客にするつもりは全くないだろう。ハイエンドな性能を予感させるコンセプトカーこそ何台も発表はしているが、いずれも製品化には至っていない。MAZDA車の良いところは毎日のように乗りたくなる点で、サーキットでしか実力を発揮できないクルマはブランドとの親和性に疑問がある。




諸行無常

2015年以降のMAZDAには、日産ジュークを追走してコンパクトSUVブームに乗ったCX-3と、プレミアムコンパクトに突き抜けて日本市場HEV拡大の逆風を跳ね除けたMAZDA2(そもそもBセグにHEVは不要では?)と、ミドルSUVブームの象徴となったCX-5(二代目)と、スポーツカー・リバイバル・ブームに乗ったNDロードスターの奇跡の4連発があった。選択と集中でスライドドア、小j排気量ターボ、CVT、HEVなどを、ことごとくぶった斬ったのは間違いなく英断だった。


この奇跡の4台のうち、CX-3とCX-5(二代目)が2026年で廃止され、MAZDA2とロードスターもいつ廃止のアナウンスがあってもおかしくない。しかも発表されている後継モデルはHEV化されるCX-5と、BEV化されるMAZDA2、CX-3、ロードスターだ。期待3:不安7くらいの割合でMAZDAファンは今後の行く末を見守っている。「今乗っているクルマが壊れた時には、いよいよクルマを降りようかな」まあ人生はクルマだけではないし・・・。



後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2026年3月19日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する 自動車 メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。




<日本語版>MINI 60YEARS~ミニの60年~







2025年7月16日水曜日

MAZDA・CX-5 (2025年7月・新型公開)



 



スバル・フォレスターが人気で焦った!?

MAZDAが欧州市場向けの新型CX-5を発表した。CX-60、70、80、90の新型4車種を一括企画で開発して順次投入して以来のMAZDAの自社開発の新型モデルということで、注目度は非常に高い。新型フォレスターが2023年11月に北米市場向けで発表された時は、日本ではカーメディアやYouTubeがこぞって紹介することはほとんどなかったのとは対照的である。注目度が高く動画で再生回数が多く稼げるMAZDAの新型車ということで、自動車系ユーチューバーにとっては追い風が吹いている!?


海外発表時はほとんど取り上げられなかったスバル・フォレスターであったが、1年半経過して日本発売となり、本体価格も大きく400万円越えしたにも関わらず日本市場でスマッシュヒットを遂げた。先代フォレスターは地味ながらもモデル末期になって海外市場での人気でリセールが急騰したり、海外メディアの「ムース・テスト」で好成績 (ポルシェ・マカンを圧倒) を収めたこともあって、コアなユーザーからの熱い支持を得ているようだ。さらに「ミドルSUV=高級車」という価値観の変化もあって幅広い年代から受注を得ているようだ。



ディーゼル廃止

すでにわかっていたことだけども、新型CX-5では2.2Lディーゼルエンジンが採用されない。欧州の排ガス規制に合わせるため、すでに欧州向けMAZDA3、CX-30も「2.5L・MHEV」への換装が完了している。今回発表された欧州向けにも同じユニットが搭載される。2.5L自然吸気を141hpにデチューンさせている。CX-60ほかの大型4モデルでは、新設計のシャシー、エンジン、ミッションが一度に投入され、MAZDAの「革新」モデルであったが、今回はシャシー、エンジン、ミッションは既存のもので、MAZDAの「伝統」「コンサバ」なモデルである。


2015年のNDロードスターでは、初代NA(1989年)への回帰を宣言したり、現在もロータリー駆動のスポーツカーの復活をほのめかすMAZDAは、トヨタや日産など他の日本メーカーとは逆のベクトルを持つ稀有なブランドだ。BMW、ポルシェ、フェラーリなど、ファンから「原点回帰」を求める声が上がる欧州の名門ブランドに近い存在だと言える。CX-60の登場よりも、CX-5の「コンサバ」なFMCの方にワクワクしてしまうMAZDAファンは結構多いのではないだろうか!?


全長&ホイールベース伸びる

現行CX-5と比較して、全長が115mm延長されることが発表されている。延長分は全てホイールベースに当てられているようで、ホイールベースも2700mmから2815mmに拡大されるが、これは北米工場(アラバマ州)で既に生産されているCX-50のものと一致する。この延長により後席の居住性の大幅な向上がアピールされていて、車内のシートピッチや後席まで広がるサンルーフの配置もCX-50と同じだ。ストロングHEV導入時にショーファーカー向けグレードも登場するかもしれない (MAZDAといえばドライバーズカーだけど)。


一方で懸念されるのは、2700mmの現行はミドルSUVで随一のハンドリング性能を誇り、ホイールベースの中間に前席が配置される「中乗り」設計だが、これらがことごとく失われる可能性があることだ。現行CX-5は「ハンドリング」「GT性能」を追求した万能型ドライバーズSUVとして大ヒットしたが、その後にホイールベースが2655mmでハンドリングの良いCX-30と、直6でGTの世界感を突き詰めたCX-60が登場して、ユーザーの嗜好に細かく対応している。新型CX-5が前後4人乗車を楽しむカーライフ志向するのもいいのかもしれない。



インテリア

エクステリアはキープコンセプトのまま、レイアウトはCX-50のものを移管した。一番大きな変更点が盛り込まれているのがインテリアデザインだけども、ステアリングは真円形状で、シフトノブもスティックタイプとままで、「コンサバ」なユーザーに訴求できるFMCを目指したのだろう。シート形状も既視感があるし、センターコンソール周辺はシフト、電気式サイドブレーキだけのシンプルな構造になった。オルガンペダルのアクセルや、パドルシフトなどの操作系インターフェースは、素晴らしいことに全く変わらないようだ。


エアコンの物理スイッチ廃止がちょっと物議を醸している。現行CX-5のオートエアコンの車内温度は比較的に安定していて、エアコンスイッチを操作する頻度は多くない。24度でデフォにしてあり、毎回の乗車時に設定する必要もない。MAZDA2・15MBはマニュアルエアコンなので、しばしばツマミを回して風量と冷暖を管理する。CX-5にはマニュアルエアコンのグレードなどないので、エアコンに関しては問題ない。ガラスの曇りに関しても、CX-5のフロント面は合わせガラスが採用されていて、10年以上前のクルマのようにすぐに見えなくなるくらい曇るなんてことは起きない。



ストロングハイブリッド

発売前から2027年に自社開発のストロングハイブリッドを導入すると発表されている。一足先にスバルがトヨタのTHSを導入しているが、クロストレック、フォレスターのモード燃費は18.4〜18.9km/Lだ。2013年の3代目アクセラでTHSを採用した実績があり、その際に回生ブレーキのフィールを劇的に向上させ、トヨタに決定的な技術力の違いを見せつけた結果、現在のアライアンスに至っている。AWD比較だとハリアーは21.6km/Lなので、いきなり自社開発でこれを越えてくるとは考えにくい。


国交省の指標は2030年にメーカー平均燃費25km/L以上となっている。今後のMAZDAのボトムを形成するCX-5、CX-30、MAZDA3にとって主力ユニットとなる「2.5LスカイZハイブリッド」なので、トヨタのTHSを燃費で上回るような特大ブレイクスルーを狙っている可能性もある。老婆心ながら、あまりに数字を追いかけるばかりに、耐久性の問題だったり、インチキ(モラルハザード)をしたりなんてことがないことを祈りたい。



CX-60の方が安い!?

現行の2.5Lエンジン(PY-RPS型)のMHEVで登場する初期モデルの価格は、現行CX-5(PY-RPSの非電動)だとスポーツ・アピアランスのみで、FF358万円、AWD381万円と比べて、同等かやや手頃な価格からのスタートになりそうだ。全グレードが400万円越えのフォレスターが売れているので、300万円台の後半スタートでも十分に勝負になるという判断もあり得る。CX-60の2.5L(PV-RPS)がFR324万円、AWD349万円なので、CX-5の客がこちらに流れる。


ストロングハイブリッドに関しては、2027年のMAZDAの経営状態によって多少は価格が変化するだろうけど、フォレスター(全車AWD)が420万円、CX-60のディーゼルだとFRが412万円、AWDが435万円なので、この辺の価格帯に落ち着くことになりそうだ。ただし2030年までにMAZDAは全車電動化を掲げているので、CX-60のディーゼル(MHEV無し)や2.5Lガソリンも、縦置き版の「スカイZハイブリッド」に置き換えられると思われる。


日本発売は2026年4月

ディーラーに入っている情報によると2026年4月に日本で販売開始のようだ。なんで日本市場が後回しなんだ!?という意見もあるだろうけど、現行CX-5は2017年のデビュー以来、毎年ブランドのベストセラーに君臨してきた絶対的エースである。ディーラーの担当者もディーゼルの駆け込み需要の獲得に燃えている。CX-60の直6ディーゼルの方がモード燃費でやや上回っているが、ディーゼル同士を価格で比較すれば、CX-5の方が100万円ほど安い。


今年の後半にはロードスターの2Lモデルの発売も迫っている。こちらのクルマもICEの新車が買えるのが、もしかしたら2027年までの可能性もあり、試乗して良かったら貯金を始めよう!!なんて悠長に構えていられない。リセールでがっつりお釣りが付いてくるだろうから、即日にローンか残クレを使ってでも買うべき案件だ。発売1週間で中古車屋(転売ヤー)が根こそぎ注文して受注停止に追い込まれそうだ。内外の経営環境の変化によってジェットコースターのようなMAZDAの成り行きを今後も見守りたい。



後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2025年7月16日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する自動車メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。


ONLY MAZDA オンリーマツダ









 

2018年5月26日土曜日

マツダ・アテンザ (2018年5月マイナーチェンジ) 「良さそうだ・・・」

 


グリルかっこいい!!

  幻となった4代目アテンザ(?)向けに開発されていた新機能と思われるものが、かなりたくさん盛り込まれたマイナーチェンジが行われました(出し惜しみもあるのか!?)。シャシー&ボデーの基本設計は変わっていないし、パワートレーンもほぼ同じものなので、相変わらず初代、2代目オーナーからは「遠い存在」のまま。しかし3代目(現行)オーナーから見れば、かなり魅力的なアップデートなので、そこそこ買い替えの需要が見込まれます。


セダンの価値

  2012年のデビューはフォーマル化が前提の大きな方向転換だったこともあり、ディーラーに訊いても相当に輸入ブランドおよびレクサスからの買い替えがあったとのこと。コスパ、静粛性、ドライビングフィールなどを総合的に考えれば、減っているセダン需要においてそれほどライバルとの「綱引き」に負けてる印象もなく、特に生活水準は変わらないのに、アテンザから5シリーズやギブリに乗り換える人は少数だと思いますし、価格が接近しているカムリ&アコードよりも市場にアピールできているのでは!?(カムリの売れ行きは案外でした)


奥歯に何か挟まった評価!?

  セダン市場の縮小・伸び悩みには色々なファクターがあるでしょうけども、人口減少・クルマ離れ以外に、強いて挙げるならば、フラッグシップモデルゆえの割高感に対して、「感情」に訴える要素が各ブランド共に十分に用意できていないかな!?という気がします(もっと驚かせて欲しい)。もっともユーザーの側の質も経年によって変わっているのも事実で、セダンのどこを評価すべきかわかっていないのだろうな・・・という面も感じます(マイカーでレジャーする感覚が乏しい!?)。そもそも魅力をユーザーに伝えるのが仕事のカーメディアがあまりに素人過ぎ(老人過ぎ)なのも問題ですが・・・。当たり前のことを当たり前にしか表現できていない!?は無能。


セダンはデザインで評価するべきではない

  「アテンザ」というクルマは初代から現行の3代目まで、グローバル市場でもかなり高く評価されてきました。先日の会見でもグローバルで15万台を確保していて、右肩下がりという状況ではないようです。関連動画のコメント欄などを見ると、やれ「デザイン」「内装の質感」についての意見が飛び交っていますが、このシリーズの最大の魅力は、「世界で一番安全なクルマ」であること。まずこれ抜きには購入する動機にはならないと思うんです(もちろん今もこの水準は守られています)。


セダン市場の不幸な状況

  カーメディアは絶対に言わないことですけども、2013年頃にアメリカで「衝突安全基準」の意識が飛躍的に高まり、今では欧州や日本よりも群を抜いて厳しいテストが行われるようになりました(USNCAPとIIHS)。ほぼ自動車メーカーに対するイジメといっても過言ではないし、ドイツメーカーは文字通りボコボコにされている・・・。その中で驚異的な結果を出してきたのがホンダとマツダで、両メーカーに共通する「FF横置き」で「ある程度のサイズ」をもつ、アコード、シビック、アテンザ、アクセラのスコアは特に優れています。


高級セダンが抱える矛盾

  カーメディアが心情的に好む『輸入車』や『高級FRセダン』が、コスパに優れる『FF横置きセダン』に安全性の評価で全く勝てない。これはちょっと面倒な問題です。レクサスでIIHSのトップカテゴリーに入っているのはやはりFF横置きの『ES』だけ。この評価によってアメリカでは大きく保険料が変わりますから、レクサスのセダンで圧倒的に売れているのは『ES』です。


FRセダンも進化しつつある

  上級モデルではフロントにV8ユニットを押し込むためにFRシャシーが不可欠で30年以上に渡って定番になっているメルセデスやBMWにとっては、この「設計上のハンデ」は苦々しい現実でしかないです。最近ではアルファロメオの新規参入もあって、FRの衝突安全性が良くなりつつある!!とK沢先生がドヤ顔で言ってましたから、状況は良くなって行くとは思いますが。(ジュリアのスコアは素晴らしい!!)


2つの「方法論」

  「低コストな設計の方が安全」というねじれた関係が、アメリカでも日本でもセダン離れの元凶じゃないかなと思っています。「大排気量FR車に乗りたい」と「セダンは安全であるべき」の2つの動機がこれまでは完全に分裂してしまっていました。・・・そしてこのジレンマは驚くべきことに、すでに2000年代の発展黎明期の中国自動車産業はその本質をとっくに見抜いていました。


中国市場が実は正しい

  中国でもっとも歴史が古い『第一汽車』が2000年代に新たにスタートさせた中国版レクサスこと『紅旗』ブランドでは、世界最高水準の技術を持つサルーンがベース車として選ばれましたが、すでに当時からセダンの構造上の矛盾は認識されていたようで、その両方を満たすために2台のセダンが選ばれます。それがトヨタ・マジェスタとマツダ・アテンザでした。


プレミアムブランドは『紅旗』に学ぶ

  V8を載せる縦置きFRと、直4の横置きFFの2つをラインナップすることでしか最高のサルーンブランドにはなり得ない。面白いことに、この中国メーカーの方針が、その後のドイツプレミアム&レクサスの指針にもなっていきます。アウディ、メルセデス、BMWはいずれも中国でも大人気ですが、大排気量の縦置きFR(5m級)と、直4の横置きFF(4.5〜4.8m級)を両立させています。しかしそんなセダン天国の中国でもSUV人気は着々と進んでいます。レクサスもいよいよFFの新型『ES』を中国でワールドプレミアするなど、FR&FFの両立ラインナップを推進しています。


マツダのジレンマ

  なんでこのアテンザのマイナーチェンジで、セダンの市場動向の話を延々としたのか!?勘のいい人は気がついていると思いますが、マツダのアテンザに対するビジョンはやはり「曖昧」だったということです。経営不振の時期にちょうど差し掛かっていたので、仕方のないことではありますが、現行のGJアテンザになってから、従来「マツダ6」を高く評価してきた欧州で思ったほど伸びない原因は、やはり「市場をナメていた」部分があったのでは!?


メルセデスも正しい

  プレミアムブランドの中でセダン人気が根強いのはやはり名門メルセデスです。4ドアクーペもセダンの類型として含めると、グローバル市場で販売の主力になっているのは、伝統の「Eクラス」とまだ登場してから数年しか経っていない「CLAクラス」です。日本ではEクラスよりもCクラスの販売が多いですが、グローバルではFRの需要は完全に「E」が上。そしてAクラスをベースにDセグに格上げしたサイズの「CLA』が急成長しています。


メルセデスとマツダの「差」とは!?

  アウディやBMWも慌てて「A3セダン」や「1シリーズセダン」を中国に投入します。さらにA3セダンは北米にも展開されています(BMWは北米でのイメージを守るためかFFモデルの投入はSUVに限定されている)。初代&2代目アテンザは車格から「CLA」のサイズでした。これが3代目ではFFのままで「Eクラス」に近いサイズに拡大されました。メルセデスとマツダは別物という、合理的な判断においてデビュー当時の3代目アテンザの設計に表立って疑問を投げかけるカーメディアは存在しなかったのですが、今では当のマツダがこの判断を疑問視しているらしい・・・。


マツダ・セダン立て直しの道のり

  報じられている通りのマツダ首脳陣の態度から判断する限りでは、よほどの事情がなければ、次のアテンザ級セダンはプラットフォームを一新してFRシャシーになるようです。当たり前のことですが、これが『Eクラス』に相当するモデルになり、新たにFF横置きベースのアクセラセダンを、サイズを拡大した上で『CLA』あるいは『初代&2代目アテンザ』のような位置付けのクルマに仕立てることになりそうです。


アラバマでの企み

  ・・・が!!『SUV屋』という新しい魅力を放ち始めたマツダにとって、販売の主力となっているSUVのFR化が囁かれています。CX5さらに共通シャシーを使うアクセラまでもFR化されるのではないかとの推測もあります。アラバマ州に完成するマツダの新工場向けのモデルつまり「アラバマ・マツダ」車がFRになる有力候補ですが、アラバマ工場における合弁相手のトヨタも、レクサスを含め量産型FRモノコックのSUVがなく、ラインナップを増やしたい事情は同じ・・・企画屋トヨタによる「第3のFR」はスバル、BMWに続いてマツダとのコラボになるのかも!?


ボルボは失敗する!?

  トヨタの意向が入った、SUVありきのFRシャシーだとしたら、経営面ではリスクが相当に軽減されて、基盤の弱い(と自ら言っている)マツダにとってはいい話なんでしょうけども、マツダの洗練されたアイディアを楽しみたいというファンにとってはやや複雑な気分がします。そもそも第一汽車&メルセデスが掲げた路線を継承することが全てではないし、ボルボ&吉利汽車は『直4FF横置き』でS90を開発し、フロントDWBという初代&2代目アテンザの設計方針を盛り込み、新たにEクラスの競合車として名乗りを上げています。


アップデートは全て完了!?

  マツダファンならば、もっと現状のGJアテンザと素直に向き合って見るのもいいかも。「安全性」「ツアラー性能」「快適性」といった主要な機能性に関してはレクサス&メルセデスを相手に互角以上です。エンジンのバリエーションだけがネックですけども、『GS450h』(742万円)や『E350e』(811万円)と比べても仕方がない・・・。350〜400万円であらゆるシーンで十分に使えて、GSやEクラスに負けない前後シートヒーターや、フロントシートの除湿機能、さらに新素材が使われたインパネ&トリム。新しくなった「アテンザ・Lパケ」と少なくとも5年くらい付き合ってもいいんじゃないでしょうか!?(FRを待つ3年で人生は大きく変わちゃうでしょうし、今しかできないことがあるはず)


価格などはこちらからどうぞ(マツダ公式HP)↓






最新投稿まとめブログ 


↓『世界が認めた最高のロングツアラー』
このコピーがアテンザには一番合っていると思う。
個人的には一番刺さった!!

2018年5月20日日曜日

マツダCX3のMC 「ガソリン&MTで 212万円〜」




ついに発売された英国で絶賛のグレード!!
  マツダが5月16日にCX3のビッグマイナーチェンジを発表しました。5月31日から発売されるとのことです。注目すべきところは、1.8Lディーゼルなんかではなく、マツダがアクセラとかアテンザといった車名を使うようになって以来初の『2L自然吸気&MT』の組み合わせが実現したことです。もっとも欧州向けにはデビュー当初から存在していて、それを逆輸入すれば日本でも乗れるわけですが、それにしても英国トップギアも騒がせた2Lガソリン&MTのCX3が日本で正規販売されるようになるとは!!(トップギアCOTY部門賞受賞)


フォレスターはもうMT廃止でいいよ!!
  スバル・フォレスターが新型ではMTが廃止と噂されています。休日の楽しい探索ドライブに最適なフォレスターのMT需要もマツダが頂いてしまおう!!という戦略なんですかね。いっそのことアクセラ(スポーツ、セダン)とデミオにも2Lガソリン&MTを入れてしまったらいいんじゃないの!? ロードスターRFも含め、『ラインナップの中の軽量級は全て2Lガソリン&MTが基本です!!』みたいな、インパクトのあるブランディングを期待したい。税金とか気にする輩はホンダの軽を買うだろうから、あまりむやみに追いかけてもマツダの今後の戦略からはみ出すだけでは!?

相変わらずのディーゼル・オヤジ
  国沢氏のレビューではディーゼルの排気量アップに比して『馬力が十分じゃない!!』みたいな渋いことばかり書いてあったけども、なんでガソリン&MT導入の快挙に触れないんだろ〜か。デビュー当初からMTが基本で売っている英国のカーメディアは『2L自然吸気が楽しめるなんて最高だね!!』って手放しで褒めていたのにな。『ロードスターのスピリッツを感じる!!』『ジュークに勝てるのはこのクルマだけだ!!』『マツダが日産に挑戦している!!』とかいった論調が多かった。ちなみに欧州では日産はコンパクトSUVの生みの親みたいな扱い。


日本未発売が多いMTのコンパクトSUV
  マツダに決断させたのは、やっぱりシビックのMT成功だと思われます。1.5Lターボで280万円のシビックMTがオーダー待ちになるくらいだから、212万円で2L自然吸気ならば、これは絶対に喜んでくれる人がいるはず!!これこそが日本メーカーに求められていたものだと思う。ちなみに英国では、スズキ・イグニス、日産ジューク、三菱エクリプスクロス、スバルXV、トヨタC-HRなど、クロスオーバー/SUVで、MTで乗れて日本のエンジンが操れる!!ってのが結構ウケているみたいです。


CVTのコンパクトSUVってさ・・・
  ハッキリ言ってさ、偏見以外の何物でもないのだけど、2ペダルのコンパクトSUVってのは、感覚が若いと主張したい元ヒッピーのじーさん・ばーさんが選びそうな雰囲気がプンプンしていて、もうそれだけで無視を決め込んでしまいたくなるところがある。CVTとかトルコンATとかDCTとか関係なく、排気量小さいのに2ペダルで、しかもベースのBセグ車よりも100kg以上重かったりするモデルは、もう想像するだけで運転が億劫になる・・・。


欧州のガソリン回帰・・・
  マツダが2Lガソリン自然吸気のCX3を昨年日本で発売しましたが、思ったほど売れずにカーメディアに揶揄されてました。C-HRに負けた!?まあそれも否定できないけどさ、それでもマツダには「退屈なクルマにはしない」という意思は感じた。しかしやはりそれだけじゃ市場は動かないって・・・。多分ですが、CX3にはみんなさらに期待していたと思う。待っていればもっといいグレードが出るから、ちょっと様子を見て買い控えていたんだと思う。


日本市場にも最高のマツダ車を!!
  マツダがディーゼルにMTを合わせてゴリ押ししてくるのは、欧州向けのボリュームゾーンと一致するから。もうその辺の事情もマツダファンにはとっくにお見通しで、さっさとトップギアで絶賛された英国グレードもってこい!!と何度ブログで書いたことか・・・。要するに経営側にメリットがあるから。しかし状況は刻々と変わっていてディーゼルをアメリカへ、欧州ではガソリン回帰という動きがあるので、それに合わせて生産計画を調整した上でのCX3のガソリン&MTの販売なのかな!?という気もします。


欲しいクルマは2種類だけ!!
  「いいクルマが欲しい」という、まあそこそこ財産を自動車メーカーに捧げる覚悟があるユーザーの心を射止めるには、『MT小型車』と『上級車』の二択になってくるんじゃないか!?と完全に自分基準ですが、確信しています。メーカーにとってはそいつらの需要を懸命の掘り起こしたところで、売り上げが急激に伸びるということはないだろうけど、無駄に2、3台所有したがるヒマ人(だって乗るだけでも相当時間取られる)は、まだまだ結構いる。当然ながらそいつらの選択の俎上にあるのは、『MT小型車』か『上級車』だけ。(上級車の定義はまた別の機会に)


ポルシェからマツダへ移るオッサン!!
  最近発売された『マツダがBMWを超える日』という本も、ポルシェをさんざんに味わったバブル世代の元・電通マンが「福野礼一郎」と「小沢コージ」を足して2で割ったようなヌルい切り口で書いてますけども、ポルシェからロードスターRFへの乗り換えってのもあるみたいですねー。MTのポルシェに乗る道楽者もいるでしょうけど、やはりMTは気軽に売り買いできるくらいの新車価格であって欲しいってのはあるみたいです。読んだばっかりですけど、普段目の敵にしている還暦近い世代の著者にちょっとだけシンパシーを感じました・・・。


人には勧めない。自分で乗る。
  シビックに限らず、ルノーやMINIが日本市場で存在感を高めているのも「気軽な価格のMT」が重宝しているから。しかし高速を静かに巡航できる2Lクラスになると、『ミニクーパーS』(342万円)、『ゴルフGTI』(395万円)、『WRX・STI』(386万円)、『シビックtypeR』(450万円)となる。フォレスター(258万円)、86/BRZ(243万円)はかなり希少ですけども、フォレスターは残り余命わずか。86/BRZは2ドアでスペシャルティ過ぎてリアシートが使えない。そういう意味でも・・・マツダよ!!よくやった!!と褒めてあげたい、そんな今回のCX3のマイナーチェンジです。ハッキリ言って2012年以降のスカイアクティブ世代で一番心が動いてますね・・・。マツダにとっても増税前を見据えた大勝負なのだと思う。



「マツダCX3 が アウディ&メルセデスを完全ノックアウトも・・・」

「CX3ガソリンモデルの日本投入が決定!!」



最新投稿まとめブログ

2017年9月24日日曜日

マツダCX8「期待の3列も強敵が多い!?」



マツダの新しい戦い

 いよいよマツダから話題の6/7人乗りプレミアムSUV「CX8」が登場しました。マツダにとっては久々の3列シート車の登場で、ここ数年の間にマツダに興味を持ってくれたユーザーとはやや違った客層にマツダ・クオリティは通用するか!?

  2012年のデザインコンセプト転換から、従来の輸入車ユーザーから熱視線を受けるようになったみたいですが、果たして今度は輸入車ユーザーとは違って「本物の良さがわかっている」トヨタユーザーの注目を集めることができるでしょうか!? 輸入ブランドから乗り換えが多く出たから、トヨタからはもっとごっそりと客がゲットできる!!とマツダが軽く考えていたらおそらくビアンテの二の舞におわるだろうな・・・と思っていましたが、なんかやたらと気合が入ってますね。

  ビアンテの時は、トーションビームのエスティマに対して、マルチリンク装備を謳っていましたけど、ディーラーの人もその説明は全くユーザーには通じず、結局は値引き勝負してた・・・と当時の「自虐」を語ってました。上級のサスを贅沢に使っているのに「なんでエスティマよりも安くなるんだ!?」って話なわけです。

  それから10年が経過し、時代もすっかり変わりました。TNGA車を次々と生み出しているトヨタのモリゾー社長は「トヨタの開発車には、トーションビームは使わない!!」という方針を打ち出したとか。TNGAでトヨタがマツダが信念で使ってきたマルチリンクに匹敵するダブルウィッシュボーンを使い、マツダの設計を踏襲した!?わけではなく、従来の欧州向けトヨタ車に使っていたDWBがTNGAに採用されたようです。

『マツダ方式』が市場を覆っているが・・・


  トヨタがゴルフに対抗するために欧州カローラの初代モデル(カローラランクス)に採用したDWBは、当時欧州で人気だったシビックのアイディアをパクったらしい。世界のCセグでも早い時期から高性能車向け装備だった4輪独立懸架を世界へと拡大しのが、ホンダ、マツダ、スバルなどバブル期の日本で二流だったメーカーで、2003年の5代目VWゴルフもその流れに対抗できずに、日本式Cセグの設計をパクリます。

  マツダが信じた方法がトヨタでもVWでも使われるようになった!!アルファードもハリアーもカムリも、マツダのファミリア/アクセラ基準のサス設計になった・・・わけですが、マツダはその先行者利益を十分に生かすことができるのか!?現行のGJアテンザの時も、ニューモデルマガジンX(西川淳さんなど)にこれ見よがしにサスやダンパーの出来栄えをイジられてなー。まるでマツダ開発陣を挑発するかのように。


カーメディアは「エアサスないの!?」って騒ぐはず

  なんで3列シートでSUVなのに「足回り」の話ばかりなのかっていうと、おそらくベストカーもニューモデルマガジンXもここを突いてくるでしょうから。「なんでマツダはCX8にエアサスを組まなかったのか!?」ってのが素人目にも気になる点です・・・。高級SUVといったら「エアサス」。セダンよりもゆったりとストロークが取れるので、エアサス&可変サスを組み込むことで、クルマの可能性が大きく向上する!!これがSUVの「たった一つ」の正当性を主張できる根拠です。

  SUVというスタイルを選んだ!!しかも本格クロカンのようにラダーフレームを組まずに、オンロード専用ともいえる「モノコック」設計。見た目はクロカン、走行性能は普通乗用車と同じ。しかも重心が高いですから、限界性能は低いし、空気抵抗係数(cd値)も高い。当然に車体重量も大きくエコでもなんでもない。キャビンスペースを評価するならミニバンの方がよっぽど・・・。

  そんな懐疑的な論調が多い中で唯一「SUVにはラグジュアリーな素養がある!!」と信じたランドローバーだけが正確に未来を予知していた!?BMW、メルセデス、ポルシェ(アウディ)が動く!!「エアサスこそがSUVのモダンライフを切り開く」それは決して911やGT-Rのような普遍的なロマンではないかもしれないけども、欧州が!!しかも英国が!!トヨタやホンダよりも合理的に未来のクルマを創造した瞬間だった!!そして、ドイツメーカーみたいに他国の文化をガツガツとパクるのだけがクルマ作りではないって思うよ。


諌山さんの言葉は重かった!!

発表会の時の諌山さん(チーフデザイナー)の目は完全にイっていた!!このCX8はマツダのステージを確実に一歩引き上げる!!マツダは決して悪あがきはしていない!!世界のどこよりも豊かに生活してきた日本だから、自信を持って提供できるラグジュアリーな空間だ!!とでも言いたそうな流暢すぎる主張に痺れました・・・。Lパケに装備されるという「リアルウッド」のインパネ。英国や北欧の伝統的な素材ですが、日本も世界に誇る『木材文化』を持ってます。

英国の名門ウイスキーブランド・シーバスリーガルも、日本に原生するミズナラを使ったビンテージのブレンディッドを作ってます。エアサスはパクらなかったけど、リアルウッドは採用しました!!エアサス装備のかっこいいSUVが欲しければ、ランドローバーのレンジローバー・ヴェラールでも買えばいい!!イギリスのジャガー&ランドローバーと日本のマツダ。今では世界の二大デザインブランドと言っていいくらいに輝いています!!

  おそらくマツダが狙った高級SUVイメージそのままのCX8「AWD・Lパケ」は419万円だそうです。自称・雪道1000kmのK沢さんが「世界一の安定走行!!」と太鼓判を押したCX5由来のAWD技術と、リアルウッドに新しい意匠を施したドアトリムや、パナメーラを思い起こすような2列目のコンソールなどなど、これまでの『Lパケ』をさらに突き抜けたラグジュアリーな質感を追求した『Lパケ』で400万円そこそこならとても納得できるんじゃないでしょうか。

チーフデザイナーの諌山さんは自信満々に「マツダとは」「SUVとは」「クルマとは」そしてデザインコンセプトの「エターナル・エッジ」についても、非常に洗練された言葉で説明していました。「お前ら単調な日常に飽き飽きしてないか!?平日は会社と家との往復、たまの休日にディズニーリゾート、東南アジア旅行、国内の温泉。週末に好きなワインディングロード。・・・悪くはないけどさ、それでも何か足りない気がする人に届けたいCX8!!」なるほど・・・長い人生と時間に絶えずエッジを効かせるデザインを追求したそうですよ!!


 


最新投稿まとめブログ






2017年4月30日日曜日

マツダCX8 「MPVの復活が決定!!」

   


  「やっぱりマツダは巨艦が似合うブランドだよ。」かれこれ4年以上前になりますが、現行アテンザの実車をマツダのディーラーで間近に見た時にふと思いました。世の中が「大きいクルマはもう不要!!」みたいな空気になっていて、まだ日本に上陸して5、6年しか経ってないのに、V8搭載のレクサスGSや初代フーガ450が100万円代で叩き売りされてましたね・・・。

  ダウンサイジングターボが正義。最先端は1.4Lターボだ!!・・・とカーメディアはそれ一色でしたけども、小排気量ターボがそんなにいいか?もちろん乗りに行きましたよ。は?なにこれ?全然ダメじゃん。エンジン音だけうるさくて全然前に進まないし、40km/h程度で車体はガタガタ。フロントからエンジンに揺すられて、リアゲートもガサガサするから、走ってて「安っぽい乗り味だな」と思いましたよ。こんなクルマなら買う必要ないわ、レンタカーと変わらないし。・・・そんな「失望感」をブログに書いたら、もう袋叩きにされましたよ。→よかったら見てください(ガチギレのコメント集)

  クルマには色々な意見があっていいと思うんですけども、まだ実家に住んでいて若い頃に乗っていたトヨタ製のスモールカー(カローラランクス・Zエアロ)は、良くも悪くも自分なりの「クルマの基準」になりました。「価値あるエンジン」「キャビンの居住性」「高速巡航時の騒音」「リアの限界性能」といった項目で極端なパラメータを持っていたクルマだったので、その後のクルマ選びには非常に参考になりました。一つもムカつくことを言って置くと、ドイツ車の4気筒エンジンは全てこの200万円しないトヨタ車のユニット(2ZZ-GE)に完敗してます。4気筒で高評価なのは「ホンダK20」「アルファロメオ1750TB」「マツダLF-VE」だけですね。

  ただし4気筒でハイチューンのエンジンだと、やはりトルクが不足気味なので、ボデーを大きくできないのが痛いですね。新しい多くの4気筒エンジンはロングストローク化やEGR強化、ミッションとの協調を盛り込んでますし、どうしてもストップ&ゴーが多くなる日本向けはHVがベストチョイスなんですけども、高速道路利用が多い人にはデメリットも多い。実際にティーポが行なった「圏央道一周・経済性対決。(燃費に油種の料金も反映させる)では、「プリウス」を「プジョー308ブルーHDi」が上回るという結果が出ています。イタリア&フランス車メインのティーポというのはややフェアじゃない・・・(ドライバーのさじ加減もあるだろうし)。

  さてグローバルの業績は伸びているものの、果たして中長期的に万全な体制なのか?という点で疑問が残る「迷える子羊」なマツダです。LF-VEを含むMZRエンジンは、英国のスポーツカーメーカーがこぞって使う「世界標準」の名機になりました。ケータハム、ゼノス、ラディカル、ジャガーなどなど。トヨタ(ヤマハ製)の2ZZ-GEも名門ロータスのエンジンを務めてきました。余談ですが酒席などで、日本製エンジンの実力を知らないアホ(年配のおっさん)のクルマうんちくほどウザいものはないですね(忍耐力が鍛えられます!!その分匿名ブログで暴れます)。

  「そっち」のエンジンで「世界標準」をとったマツダですから、直面する新時代のエンジンに求められる課題に戸惑うこともあるでしょう。「将来性がないスポーティなエンジンを作っていた時代の判断ミスだ!!」とか言われてもフォードに命令された通りに、ホンダ、アルファロメオ、ヤマハ、日産などに負けない4気筒を作っただけですから、安易に批判するのはちょっとかわいそうです。

  一般メディアなどでも独自にHVが開発できないマツダのヴィジョンの無さに冷ややかな論調が見られたりしますが、ティーポが示したようにHVが全てではない!!渋滞が嫌いなので休日の昼間には辺境で走るか、クルマに乗らない!!という根っからのドライブ好きにはハイブリッドなんてほとんど魅力ないです。ドライブという「エクスペリエンス」をどれだけ魅力的にできるか!!クルマへの投資価値って突き詰めればそこにある!!単なる「移動手段」ならば中古車でもカーシェアでもレンタカーでもいいわけで・・・。

  例えばスペック表を見て、「最高出力240kw/5500~6500rpm」とか書いてある最近のクルマ・・・。詐欺とは言わないですけど、ユーザーを馬鹿にしてるよなー。弱点をハッキリと自覚していてスペック表でごまかしてます。いいエンジンを作ろうと努力はしない。口先だけでごまかしたブランディング。こんなクソなクルマ商売さっさとやめちまえよ。どこが悪い!!とはあえて書きませんけど・・・日本市場をなめるな!!怒りが収まりません。

  その点マツダ、スバル、ホンダは真面目だなと思います。わざわざユーザーのことを考えて、「P5-VPRS」「EJ20DIT」「L15B」「K20C」などなど少量生産で用意して・・・めんどくせーユーザーをきちんと相手しています。こういうメーカーがやる気になった時に、「豊かなカーライフ」を心から楽しめるクルマが生まれるんじゃないの?

  マツダに新しい動きが出ました!!年内に「日本」で発売する新型モデルは「CX8」で4900mm✖︎1840mmのフラッグシップサイズの3列SUVになるそうです。昨年初頭に販売が終焉したMPVの後継モデルみたいですね。MPVはマツダの役員クラスも愛用してるし、広島県の公用車にもなっている「格式」という意味合いがある車でしたが、やはり後継モデルが必要ってことですね。

  それにしてもマツダの歴代の大型車って全部色気があるよなー。歴代ルーチェ(マツダ版のマジェスタ)、歴代コスモ(マツダ版のソアラ)、センティア、ユーノス800(ミレーニア)もそうだけど、やっぱりMPV(MAZDA8)ですね。特に3代目となるLY系がセクシーです。

  MPVの初代はゴールデンイヤーの前年の1988年に登場。商用車ベースでないミニバンとしては日本初!?翌年にトヨタ・エスティマが登場。この2台は欧州に進出して独自の進化を遂げたので、どこか日本的なミニバンとは距離があるような独特のスタイルをしています。海外市場(主に中国ですね)を重視するあまりMAZDA8はどんどん大きくなりましたが、全長4660mmだった初代が、4860mmになった3代目へと拡大するに従って、非常にまとまりのあるデザインになってますねー。


 

  トヨタのミニバンはどれも顔は目一杯デコりますけど、側面デザインはやや放棄気味。現行アルファードなどは前面と側面は別々の人がデザインしたんじゃないか?ってくらいに違和感があります。なんだか絶壁感が半端ねー。「格式」あるクルマとハイエースのような「商用車」の中間くらいでユーザーを増やそうという優秀なトヨタらしいマーケティングなんでしょうけど。

  現在320万円〜売られているアルファード/ヴェルファイアは、レクサスを除くファミリーカー市場では最高級と考えられていますが、マツダCX8は「300万円台前半〜」とアナウンスされており、このままいくと、アル/ヴェル、エルグランド(320万円〜)、オデッセイ(280万円〜)、プジョー5008(320万円〜)と肩を並べる高額モデルになるんですねー。デザイン&車格で日本市場の頂点に立つファミリー3列車といえば・・・シトロエン・グランドC4ピカソ(365万円〜)ですが、そこに負けないだけのマツダ・デザインが用意されているのかな?東京モーターショーが一気に楽しみになったかも。

↓マツダMPVをフランスメーカーが進化させた感じかも。



最新投稿まとめブログ

2017年4月15日土曜日

マツダCX5「ミドルSUVを定義しろ!!」



   SUVって何ですかね?・・・個々には色々な定義があるとは思いますが、未だによくわからないです。他のジャンルと比べた時にSUVに一定の合理性が認められるとしたら以下のようなものじゃないでしょうか? 「低成長時代の貧弱な道路インフラを乗り越える走破性」「キャビン(=居住性)重視」「ファッション&モード(ハイライフを連想する)」。

  (これに同意があるかどうかは別として)まずはこれをそれぞれに満たしていることを条件に、その上で個性を重ねて成立するのが「スポーツSUV」「ラグジュアリーSUV」「コンパクトSUV」だと思うのです。揚げ足をとっているようで心苦しいですが、「トヨタC-HR」や「スズキハスラー」は前提となる3つの要素が十分に満たせていないのでは?もちろんわざと「省略」することがトヨタやスズキの戦略の「ツボ」ではあるのでしょうが、この曖昧さを、まだユーザーがよくわかっていないうちに宣伝文句に包み混んで売ってしまえ!!と言った短期決戦的な展開がちょっと引っかかるんですよ。果たしてC-HRとハスラーに2代目は存在するのか!?

  法令にさえ準拠していれば問題ない。たとえ「要素が欠落」していようとも、時流に乗ってタイムリーに売りさばく「営業力」こそが自動車産業における「勝者の方程式」。「ヒット車」を出してしまえばそれでOKなのが業界です。「堅苦しいこと言ってんじゃねー」と言われそうですけども、SUVも含めてあらゆる名車とは「クルマ」の設計とは理想の追求の果てにその価値があると思うのです。

  もちろん「コストの壁」はどこかに必ず存在しますが、それでも「守るべきもの」をユーザーに保証してこそ「本物」じゃないですかね。FMCを行なって絶えず進化させていく!!そんな「ポルシェ的」な開発姿勢と、それに費やされた年月こそが、ブランド力ってヤツでしょ。流行りモノのSUVとはいえ、壊滅的に廃れるまではFMCを繰り返すモデルが偉い!!・・・いやいやそういうモデルが複数出てくれば廃れる事はないはず。

  トヨタやホンダをディスっているわけではないですけども、いとも簡単にモデルを廃止してしまう日本メーカーのやり方はもう少しどうにかならないですかね?その部分で最も欧州寄りなマツダは、間髪おかずにCX5をFMCしてきました。あれだけ売れればFMCも当然ではありますが・・・。トヨタは初代と二代目のハリアーに間が空きました。シャシーも改良ではなくカムリベースの初代から、オーリス(北米カローラ)ベースの二代目になり、全く別のクルマと言っていいくらいで、名前だけを受け継いた格好です。

  日産もエクストレイルを3代続けていますが、このFMCではグローバルレベルではいくつかのモデルの統合を含んでいるので、純粋にモデルの「ブランド化」に取り組んでいるようには見えないです。もしポルシェがカイエンとマカンを統合して、新しいカイエンとして中間の価格帯で販売したらズッコこけますよね? 最もSUVの進化にストイックなのはスバルのフォレスターで、すでに4世代目になります。1974年に開始されたジープ・チェロキーは5世代目ですけど、オリジナルのクロスカントリーモデルと現行ではだいぶ意味合いが違っていて別のクルマという意見も。

  SUVをブランドの中核に置いたブランディングを仕掛ける、BMW、スバル、マツダのSUVは最初に挙げた3つの要素を忠実に満たしているように見えます。フォレスターはもっとラグジュアリーになれ!? 系統やルーツにこだわる、あるいは筋を通すという意味ではストイックな姿勢に好感が持てるこの3ブランドですが、やっぱりいつまでもネコ被っているわけじゃないだろうけど・・・(FF化されたX1は悪くないと思います)。SUV専門ブランドのランドローバー、ジープ、三菱も「理想だけではメシは食えない」ですから、最新のラインナップを見ると「なんじゃこれは?」というモデルも少しは含まれています。

  これまでの大ヒット車だった「アクセラ」に変わっていよいよ「最も売れるマツダ車」へとたった1世代で急成長した「CX5」ですが、2月に待望のFMCが行われました。マツダがこのFMCに盛り込んだ「想い」が、市場のトレンドを見事に撃ち抜くならば、SUVもいよいよセダンやスポーツカーのように多くのファンによって良し悪しを語られる存在へとさらに成長するんでしょうけども・・・ちょっと雲行きが怪しいです。

  CX5の今回のフルモデルチェンジにシンクロするように、VWティグアンとプジョー3008も新型が日本に導入されました。キープコンセプトなCX5のFMCに対してライバルの2車のFMCは「中途半端」だった先代からドラスティックな変化を遂げています・・・これは明らかに「何か」を研究してきた!!そういう痕がハッキリと見えます。グローバルでもバカ売れしたCX5ですから相当に研究されてます。初代のようにスマッシュヒットはしにくい状況にあるかも・・・アテンザの時と状況が似ている?

  さらに亜流がどんどん登場していて、ユーザーを惑わします。C-HRのようなまともに走らないスポーツモデルが出てきたり・・・逆に「ジャガーFペース」や「アルファロメオ・ステルヴィオ」のような上級SUVにリッチな顧客を吸い取られるというリスクもあります。「ティグアン」「3008」「X1」はともに同時期に2世代目を迎えたという意味では「同志」みたいなものでしょうけど、これらが「ミドルSUV」の魅力をもっと全開で発信して確固たる市場を確立できるか!?2017~2018年の2年間が勝負になりそうです。こんな危険な状況なのにCX5に全てを賭けているマツダ・・・ちと株価が心配だなー。

最新投稿まとめブログ
MAZDA FANBOOK vol.2 / マツダ ファンブック (ノスタルジックヒーロー別冊)


  

  

  


  

2015年10月28日水曜日

MAZDA RX-VISION 「スーパーカールックです!」

  「最近のマツダはがんばっているよね」なんて・・・クソみたいなコメントを聞くと「バカかコイツは?」って思ってしまいます(マツダなんて知らねーよ!)。なんでかというと、70年代も80年代も90年代も2000年代もマツダはずっと頑張ってたと思うからです・・・。マツダの新しいスポーツカーのコンセプトが発表されました!想像していたものよりもずっと骨太でイカツイですね。このモデルによってマツダの「現在」の理想がどこ(どのブランド)を向いているかを、多くのマツダを誤解していた人々にもハッキリ示せたのではないでしょうか?

  日本メーカーの中で、ブランドコンセプトを固めていく戦略を露骨に採用しているのがレクサスとマツダです。レクサスは非常に解り易くて、トヨタブランドでは捕まえられない富裕層を取り込む狙いがあります。マツダは・・・というと、アウディやBMWに対抗するプレミアム路線を模索している!などとしばしば書かれていますが、実際はアウディやBMWを模倣したような気配はあまり見られません。多くのメディアが「越」はBMW風に「CX4」という名称になるだろう!なんて言ってますけど、あのクルマのスタイリングを見た時に、明らかにX4などのBMWのSUV(お世辞にもカッコ良くない!)を軽蔑するかのような「マツダの意地」を感じたのは私だけではないハズです。

  マツダは確かに2000年代初頭の危急存亡の時代に、1度だけBMW車を手本にクルマを作ったことがありました。しかしそれはマツダがBMWに憧れたからではなく、その当時にBMW車がマツダの最も重要なカテゴリーで最高の評価を受けていたからに過ぎません。現在マツダの会長職にある金井誠太氏が主査を務めて、本気でE46BMW3シリーズを倒しにいった結果、そのクルマが見事世界で132の賞を受賞する大ヒット車になりました。その先もその後もBMWがマツダ車のターゲットになったことはない!と思います。

  何が言いたいか!というと、カーメディアやネットの掲示板に書かれているように、マツダがドイツプレミアムブランドに盲目的に憧れていて、しばしば「調子に乗っている!」と断罪されるのは、曲解でありマツダの本質とは違うんじゃないか?ということです。マツダが歴代に作ってきたクルマを見る限りだと、一度たりともブランド単位でターゲット(憧れ)を作ったことはなく、常に狙いは最高峰に位置する個々のモデルでした! 1971年にプリンスの「スカイラインGT」をターゲットにした「サバンナGT」であったり、1978年に発売された初代RX7は当時のスポーツカーの最高峰に位置していたポルシェの「924」を堂々と狙ったクルマでした。RX7は3代にわたってポルシェやフェラーリV8シリーズと「性能」と「デザイン」を競い合い、アメリカでは完全に対等なライバルと見られていたとか・・・(ほんとか?)。

  世界最高峰のクルマがある!だからマツダはそれを越える新型車を開発する!これこそがマツダが一貫してきたポリシーだと思います。これは一部のスポーティなクルマだけではなく、先ほどの金井さんが主査を務めた初代「アテンザ」もそうですし、シビックやゴルフを蹴散らしてきた歴代の「アクセラ」も間違いなくクラス最高レベルです。そしてボトムグレードのデミオにしても欧州の市場でセンセーションを起こし、先代モデルは見事にWCOTYを獲りました! 最近のマツダ車は本気で世界一を狙ってるの?と言いたくなるほどに変に「優等生」ぶってます(それが不満です!)。マツダのそういった気高いクルマ作りのスピリッツが、今回相次いで発表された「越」と「RX-VISION」で復活した?ように感じるのは、ファンとして素直に嬉しく思いますし、市販化されれば最優先に購入を検討したいと思います。

  ダンプで使うようなハイトルクなディーゼルに載せたマツダ車に乗って「マツダはスゲー!」と言っている人をバカにするつもりはないですけど、マツダの醍醐味はそこではないと思うのです。BMW、アウディ、レクサス、メルセデス・・・どこを向いても目が覚めるクルマなんて無いですよね(AMG SL63は?)。「RX-VISION」のデザインを見ると、どうやらマツダの視線の先には、現在のところ「フェラーリ488」と「ポルシェ911」があるようです。「越」のデザインの先には「ポルシェ・マカン」と「ランボルギーニ・ウルス」があるのかな?

  「RX-VISION」のネット記事に寄せられたコメントに「FDの方がかっこいい!」とありました。1991年に登場したクルマが最新型のスポーツカーよりかっこいい!なんて考えられますか? 1997年に出た初代ボクスターなんてすでにデザインが風化しきっていて、買い手がつかない暴落車がたくさんあるし、昨年発売されたシボレーコルベットはすでにだいぶ痛々しい印象で売れ残り新車の大バーゲンセールが開催中なのに!(FDをパクった2代前のコルベットの方がかっこいい)。

  FDは「マツダがフェラーリを越えた!」と世界中で話題になった「超絶デザイン」です。マツダというメーカーは本気でフェラーリを越える!と思えばやってしまうメーカーです(だから経営が傾くことが多い?)。ポルシェのパクリ!と笑われた口惜しさをバネにできた!という伝説もありますが・・・。近年のマツダデザインの象徴といえる現行のGJアテンザもクルマ好きの間では「日産スカイラインのデザインをパクった!」とされています。そんな口惜しさからか、今回は一気に欧州のスーパーカーを連想させるデザインへと飛翔しましたね・・・。東京モーターショーに言ってみようかな?という気になりました!


リンク
最新投稿まとめブログ
 

2015年3月7日土曜日

マツダCX-3「234万円からのディーゼル専用車!」

  さすがに「234万円〜」という価格設定にちょっと冷ややかな意見もありますね。「マツダだけは金銭感覚のまともなメーカーだ!」という信頼が残念ながらちょっぴり揺らぎました。ディーゼル車なのだから価格に関してはマツダが間違っているってことはとりあえずないですけどね。余談ですが、新型ミニが全くもっての不調のようで、あわてて投入されたディーゼルにわずかに期待しているBMWミニからしてみたら、100万円というもう絶望的な価格差を付けられてしまいました(しかもBMWのDEはダメダメです)。

  マツダに対しても厳しい事を言うと、デミオベースのクロスオーバーモデルで234万円の価格を付ける決定的な根拠がディーゼルだけですから、あまり見るべきものは少ないです。メーカーと評論家はやたらと盛り上がってますが、小型SUVがクルマ好きの気持ちをグイグイ引くなんてことはないです。いくらMTモデルを用意したからといっても、ランクル70の復活に喝采する生粋のSUV好きを囲い込むことは出来ないですし、イニシャルD好きというありがちなタイプにも車重が増えてレスポンスが悪いディーゼルはウケないですし、ムダに車高が高いのも受け入れ難いです。

  もちろんマツダも主戦場である欧州で売るために作ったものを、ついでに日本でも売っているだけですから、それほど日本のユーザーの反響は求めていないでしょう。「マツダを楽しみたかったらユーザーが自分を変えるべきだ!」みたいな「投げ掛け戦略」を採っていると公言していますから、予想外の大失速も想定の範囲内だと思われます。しかし「自分を変える」というのはなかなか難しいものです。バブル期に形成された輸入車コンプレックスから未だに抜け出せずに、くだらない輸入車に300万円とか払う人が多いみたいです。イニシャルDを読んで人生が変わるくらいの刺激を受けたならば、3ペダルのスポーツカーにすぐに乗り変える!という人も出るでしょうが、果たしてマツダ単体でそこまでの影響力を持てるムーブメントを発信できるのでしょうか?

  CX3はある程度は先行した新型デミオの美点をそのまま継承しているとは思います。新型デミオが目下のところ大成功している仕掛けとして、Bセグにしてはどっしりとしたハンドリングがあると思います。ホンダ・ヴェゼルやメルセデスGLAもある程度は手応えのあるハンドリングで、ステアリングにパドルや手元スイッチが幾つも付くなどスポーティかつ機能的な見た目でとても手が込んでいるものの、肝心な電動ステアのフィールは相当にぎこちなさがあります。それに対して、デミオのものは贔屓目なしにとても良く出来ています。そもそも日産が実用化したステアバイワイアなどの特殊技術を除けば、マツダの電動ステアのフィーリングはかなり良好な水準にあるわけですが・・・。とりあえずハンドリングを重視して選べば順当にデミオに行き着くわけです。

  マツダとしては期待以上のブレークスルーにつながっている新型デミオがある中で、新たに234万円のディーゼル専用モデルを持ち込む意図は?というと、誰の目にも小型SUVの「世界的なブーム」が来ているからとなるでしょう。つまり動機はというと安易な「追従」です。この手の企画はマツダの失敗する典型的なパターンではないか?という気がしなくもないです・・・。そもそもマツダは日本市場においてはどこからの乗り換え需要を狙っているのでしょうか? 考えられるモデルとしては「①プリウス②フリード③ノア/ヴォクシィ④ノート」といったところだと信じたいです。このクラスの「大物」が喰えれば間違いなく大成功ですが、ただ残念ながらどのモデルに対しても決定打が不足している気がします。先述しましたが、これらのクルマに乗っている人は相手にしない!という決意もあるようですし・・・。とりあえず「価格」でアウトです。

  ジューク、XV、ヴェゼルこそがCX3のライバルと考えるのがまったくもって自然ですが、発売から数年が経ち乗り換え時期に達しているのはパイオニアといえるジュークぐらいです。欧州向けに作られ日本にも投入されているジュークの1.6Lターボは、ちょっとリッチな加速性能を誇る反面、ハイオク指定でこのクラスでは燃費は劣悪なので、CX3としては面白いターゲットといえます。ジューク1.6ターボのベース本体価格も「234万円」ですから、マツダとしては日産への「名指しの挑戦状」を突きつけたといえます。もちろんマツダ車とともに欧州市場に鋭く切り込んだジュークへの敬意の表れなのでしょうけど。

  一方でCX3の234万円は、日本でバカ売れしているヴェゼルHV(225万円)はそれほど意識していない価格設定ともいえます。ヴェゼルHVには失礼ですが、試乗してまず感じるのが運転をとことんつまらなくするハンドリング、アクセル、ブレーキのフィーリングの悪さです。「Sモード」に切り替えるとトルクアップによる加速フィールの向上よりも、耳に突き刺さる雑音の大きさに驚いてしまって一気に冷めます。残念ながら走りに関してはとことん「やる気」のないと開発姿勢が見え隠れして、マツダ&日産とはポリシーが全く違うという現実を突きつけられます。この手のクルマは欧州市場では徹底的に酷評されるので、ブランド全体が欧州においてこの数年で急速に影響力を失っているのにも符合します(なかなかのディーゼルエンジンを持っているそうですが)。そんな中でのF1参戦というチグハグな戦略の結末はどうなるのでしょうか?4輪ダブルウィッシュボーンで欧州に挑んだ80年代のシビックはもう完全に過去の話なのか・・・。(ホンダの関係者には大変失礼しました。ごめんなさい)

  スバルのXVに関してはHV車が257万円となっていて、これは2Lエンジンを搭載したスバル本流の中型モデルなので、CX3、ジューク、ヴェゼルとの単純比較は難しい部分があります。余計なことを言ってしまうと、スバルブランド全体として車体の設計基準がプレミアム車ばかりになった中型車の水準からみてかなり厳しいところに置き去りにされている感があります。フラッグシップのレガシィから派生したプラットフォームがほぼ全車で使われていますが、これを刷新しないと今後の欧州や日本市場では競争力を失っていくのではないか?という気がします。簡単にいうと、「クルマの安定感」で差をつけられています。日産&マツダの中型車(スカイラインやアテンザ)と乗り比べれば、相当にクルマのレベルが違うことを実感します。(スバルの関係者には大変失礼しました。ごめんなさい)

  いくらスバルの中型車プラットフォームが力不足だとはいえ、ジュークやCX3が使う日産やマツダの小型車プラットフォームと比べれば、アドバンテージはいくつもあります。なによりXVはなスバルが殻を破ったポップなデザインで、「このクルマだけはスバルデザインでも許せる!」なんて言い放つミーハーは多いようです。さて・・・CX3の核心について触れたいと思います。「このクルマだけはマツダデザインの中で許せない!」って気がするのは私だけでしょうか? 2012年から市販車でも展開されている「魂動」デザインですが、最大の美点はなにか?と聞かれれば、どのクルマも「遠慮がちで奥ゆかしさを秘めている」ことだと思うのです。

  「魂動」デザインを称賛する人々が感じていることは、「スバルほど控えめ(武骨)ではなく、レクサスよりも痛々しくない」という絶妙なさじ加減だと思います。CX5は中型SUVに求められる機能性に沿ったデザインが絶妙ですし、アテンザも車体長を上手く使ってスタイルの良さを主張しているだけで、過剰な演出を狙ったパーツは控えられています。何よりCX5・アテンザ・アクセラ・デミオはいずれもユーザーと使うシーンを良く考えた上で設計されています。いずれも既存の自動車ユーザーに重きを置いた伝統ある設計方針が貫かれています。

  しかしCX3などの小型SUVは、日産・BMW・メルセデス・ホンダといった野心的なメーカーが新規ユーザーを掘り起こすことに躍起になって作った、やや「空想的」なクルマといえます。長年に渡ってクルマをヘビーに使ってきたユーザーから見てこれらのクルマはどのように映るのでしょうか? CX5が目指した「アクティブなファミリーカー」にはやや小さいですし、アテンザやアクセラが追求した「ファン・トゥ・ドライブ」と「安全性」は感じられませんし、デミオのような「お手軽さ」もないです。大変失礼ですが、CX3と同タイプのジュークやヴェゼルの販売は、クルマのことをあれこれ考えない気まぐれなユーザーの衝動買いに支えられているのでは?と思ってしまうわけです。そういう部分が見えてしまうと、なんだかデザインがアホらしく見えてしまいます。大げさにいうと、VWup!のシャシーにポルシェ911のボディが載っているみたいなものかなと・・・。(マツダの関係者のみなさま大変失礼しました、ごめんなさい。)



リンク
↓なかなかの執筆陣が揃って読み応えがありますよ!

2014年12月3日水曜日

マツダCX-3 「ヴェゼルを止めることはできるの?」

  いよいよデザインが公開されたマツダの秘密兵器・CX-3ですが、写真で見る限りではどうもなんというか迫力不足な感が否めません。これまでの魂動デザインに比べて特に悪いといった点は無いのですが、日本市場で300万円近いクルマを売るならば、どんよりと漂う「無党派層」の背中を大きく押してあげるスペシャルな「何か」が欲しいです。最大のライバルは現在絶好調のホンダ・ヴェゼルですが、このクルマは実際に見積もると相当に高いです。乗り出し価格はHV車で300~350万円、非HV車でも250~300万円程度かかります。急速に街中に増えているので、個性を求めてエアロを組んでみると1.5Lガソリン車で300万円を超える見積もりが出されて、クルマ好きならば一瞬我に返って「1.5LのNAだよな・・・」となるはずです。そんなクルマが月10000台以上売れています。

  もちろんヴェゼルが売れてるにはそれなりに理由があって、「安っぽく見られないオーラ」「メルセデスAクラス的な内装デザイン」「Aクラス的な広さ」「Aクラス的なアクセルフィール」「Aクラス的なハンドリング」とまあ・・・とにかく最近のドイツ車に様々な点が類似した「狙ったコンセプト」が予想外にウケているのだと思います。ただし走りに関しては・・・熟成不足というより、そもそも何かを目指そうという意図があまり感じられません。MTモードやパドルシフトがあるのに「スポーツモード」ボタンを付けるというドイツ的なアイディアは、実際のところそれほど「商品性」の向上には貢献しない気がします。それでもメーカー側は「トレンドなのでこれは押えておこう!」と無理矢理装備に加えているようです。

  マツダとCX-3には直接関係ないですが「Sモード」についてさらに言うと、VW、BMW、スバルの各メーカーは自信を持って2〜3のモードそれぞれの「走り」を洗練させている印象ですが、日産(スカイライン)やミニはなんだか中途半端な印象を受けます。そしてホンダは・・・ヴェゼルHVの「Sモード」は無くて良かったのでは?と思えるほどに仕上がりが酷いです(失礼!)。MTモードで2速で引っ張っているのと同じなので、興ざめするようなエンジン音が容赦なく襲ってきます。偉そうに言ってしまうと、要はエンジン容量の問題であってCVTと組み合わせて熱効率で勝負する小型エンジンに、DCTを組み込んでエンジンの負荷を大きくすれば、この「不始末」は当然に起こる気がします。最初からドイツ車をベンチマークしたかのような「Sモード」ありきのコンセプトが大失敗なのだと思います。それでもくどいですが、ヴェゼルは月10000台以上売れてしまっています。

  「都市型SUV」というフランス発の怪しげなトレンドは、いよいよ日本市場を大きく覆い始めつつあります。グローバルでも欧州・中国・北米問わずに展開できるクラスとあって、各メーカーもかなり本腰を入れて開発に取り組んでいるようです。ヴェゼルの成功を横目にCX3にも大きな飛躍が期待されていますが、同じコンパクトSUVでもホンダが考えるものとマツダが考えるものには、大きな距離があるように思います。ヴェゼルHVに乗って思わず感じてしまうものは、「マツダ的な走りの要素の完全否定」だったりします。全くリニア感のないアクセル・フィールとそれを誤魔化すかのようなAクラスと同じくらいにフニャフニャなアクセルが、どうやらこのクルマの本質を決めてしまっています。

  逆に言うと、マツダ的にはあり得ないようなフニャフニャなアクセルでも月10000台以上が売れてしまうのが、日本市場の偽らざる現実のようです。別にホンダのクルマ作りや、メルセデスのクルマ作りが悪いというつもりはないですが、Aクラスもヴェゼルも発売のタイミングを上手く掴んで売れている感があります。他のメーカーに比べてクルマを仕上げてくるスピードが異様に早いというのは未確認ではありますが、やはりどちらも乗ってみて走りの面での熟成度が著しく低い気がします。ホンダに関しては駆動系のリコールが連続するなど、メーカー側からも「準備期間が足りなかった」といった言い訳が聞かれます。そんなクルマでも内外装だけしっかりアピール出来れば売れてしまいます。

  実際にAクラスやヴェゼルを試しにいくと、同乗しているディーラーの人はやたらとネガティブです。BMWやスバルのクルマではあれこれと自慢の走行モードを楽しんでもらいつつ、「どうですか?」なんて自信満々に訊かれますが、Aクラスだと特にスポーツモードを強調されることもなく、ヴェゼルに至っては「Sモードは相当にエンジンがうるさいので使わない人が多いです」とか言われました。そんな無駄な機能が付いているクルマ欲しいですか?営業マンだったらとにかく付いてる機能は全部誉めておくべきでは?「Sモードはホンダにとっては特別なこだわりがあります、いち早くCR-Zに走行性能があがる電気チャージャーを付けたくらいですから!」なんて言っておくべきではないですかね・・・。

  メルセデスA180(ノーマル底辺グレード)もヴェゼルHV(Z最上級グレード)もどちらも乗り出しで約350万円です。2.2Lディーゼルを積む「アクセラXD」が豪華な1グレードのみで乗り出し350万円ですから、マツダはおそらくその価格水準より安くCX3の「XD・Lパケ」(ディーゼルの豪華グレード)を設定してくるでしょう。デミオXDに乗った感触だと、もう一回り車体が大きくなって車重がいくらか増えても、1.5Lディーゼルエンジンに余力は十分なので、むしろデミオXDよりも出力とボディのバランスはとれるように思います。ただしアクセラの2.2Lディーゼルの方がガソリンエンジン的なフィーリングに優れていて、過給がかからない低回転時もストレスなく動きますし、さらに踏み込むとガソリンのように噴け上がり始め、「そんなに要らないよ!」と言いたくなるほどの加速感が得られます。

  その一方で1.5Lディーゼルは、ディーゼルであることをもっと強く感じるエンジンで、噴け上がり感もマツダにしてはかなり悪いです。それでもAクラスのガソリンターボやヴェゼルHVの1.5L&Mによる加速に対抗するには十分以上の出来です。BMWやプジョーといった欧州の「走りのブランド」によるクルマに搭載されてもまったく違和感がないエンジンという意味では、マツダの1.5Lディーゼルがこの3つのユニットの中ではもっとも優れています。デミオのレビューでも散見されるのが、1.3Lガソリンの方が完成度が高いといった意見です。マツダはディーゼルを押していますが、やはり感覚を研ぎ澄ませばガソリンエンジンに劣る点も出てきます。そしてAクラスやヴェゼルと比較する層にディーゼルが必ずしも魅力的に映るとは限りません。CX3にはアクセラ用の1.5Lガソリンが使われるようですが、マツダの「ガソリンNAエンジンの気持ち良さ」だけでHVを備えるヴェゼルの牙城が切り崩せるともなかなか思えません。さてマツダとしてはCX3発売に合わせてどういった付加価値を付けてくるのか?注目です。


リンク
最新投稿まとめブログ

2014年9月12日金曜日

マツダ・デミオ 「ディーゼルの最大のメリットは・・・」

  新型デミオの価格が発表されました。先代に比べて飛躍的に内外装に高級感が漂っていますが、ベースモデルは135万円に抑えられています。とりあえず先代のスカイアクティブ車よりも安いですから、マツダとしてはかなり頑張った価格になっています。しかしもはやデミオは安さで選ぶクルマではなく、今のマツダの勢いであるとか、創造性・先進性を存分に体感したいならば、176万円の上級グレード「13S・Lパッケージ」を勧めたいです。ディーラーから送られてきたパンフレットにも、まるでプレミアムブランドが新たにコンパクトカーを作りました!といったスタンスでこの「Lパケ」が一番大きく宣伝されていました。レクサスなみのインテリアと安全装備が標準でついてくるわけですが、マツダのちょっと目立つ外装とのバランス・兼ね合いを考えると、Lパケがしっくり来るようです。

  デミオが「高級車」と認知されるのは簡単ではないかもしれませんが、「高級車」には必ず外から見ている人に「快適そうだな〜」と感じさせるオーラがあって、今回のデミオにはそれに近い雰囲気が備わっていると言えます。先代までのデミオにはそういう要素はあまり考慮されていなかったですし、メインユーザーからもその手の期待もされませんでした。これまで「ゼロ」だったところに、突然にクラス最高峰の"高級車要素"を添加したことで、アテンザ・アクセラのFMCと違いデミオは先代と基本設計が変わっていないにも関わらず、その進化の振り幅がとても大きく感じます。極論すると、もし新型デミオを買うならば高級感を周囲に十分に感じられるグレードにしておかないと、このクルマの美味しい所をみすみす逃してしまうと言えます。

  フィットやヴィッツ/アクアに比べてノーズが長いという点だけでも、設計のゆとりを感じます。このスタイルはエンジンと乗員との距離もわずかながらも離れていて、そこに防音材を詰め込んでありそうな雰囲気は出ます(実際は乗らないと解らないですが・・・)。BMWミニや現行のVWゴルフ/ポロそしてメルセデスAクラスにも言えることですが、ノーズを張り出すことが素直に高級感の表現になっているのは確かです。ドイツメーカー車が日本で人気なのは、ストレートに「ゆとりある生活」を表現できるクルマとしての有用性が評価されたものと言えるかもしれません。実際の乗り心地・静音性はともかく、見た目とパワフルな走行感からクルマの上質感が醸し出されています。

  そんなドイツ車的な「豊かさ」の演出から、今回の新型デミオは謙虚に学んだ部分が大きいようです。内外装の演出もさることながら、スムーズさと適度なトルク感を備えたガソリンNAのエンジンにBMWミニに匹敵するトルコン6ATを使ったベースモデルのパッケージからは、おそらくクラスを"独走"するであろうジェントルな乗り味がイメージできます。パワーユニットにおいてクラスの常識を超えてここまで贅沢な設計をされては、VW・アウディ・BMWミニといったこれまでの先端モデルも「スムーズ」「静粛」という点においてはデミオには勝てないのではないかと思われます。小排気量ターボやDCT、CVTの排除は小型車の合理性をある程度犠牲にしつつも、最高の乗り味を目指したものと言えます。

  このガソリンモデルだけでも「世界一」を目指すマツダの心意気が感じられますが、このモデルが霞んでしまうほどに注目を浴びているのが、1.5Lディーゼルターボを使った「新感覚Bセグ」によるアプローチです。欧州でもBセグでのディーゼルの採用は珍しいようで、登場がかなり前からアナウンスされていたデミオXDですが、この「飛び道具」グレードは試乗会に参加したジャーナリストを次々と"ノックダウン"するほどに斬新で、購入を即決したジャーナリストが複数いたようです(マツダがプレゼントした?)。

  新型デミオのライバルモデルとして、いよいよガチンコになってきたBMWミニも、デミオ発売に先駆けてディーゼル搭載モデルを340万円で発売しました。しかしおよそ半額の178万円に抑えたデミオXDとの価格差はかなり大きいので、「ディーゼル戦争」といったような過当競争にはならないと思います。実際のところ250万円程度までミニがディーゼルの価格を下げない限りは、デミオXDとの競合はおろか日本市場で大きな爪痕を残すことはほぼ無いと言えそうです。

  欧州でもあまり類を見ないというBセグディーゼルの存在意義は、軽油が安い日本独特の需要と考えられています。クラスで圧倒的な主導権を持ち続けるアクア、フィットHVと同等に経済的で、走行性能が高く乗っていて楽しいという点で、マツダディーラーもHV勢への反撃の切り札として期待を一身に集めているようです。このデミオXDが持つ本当の価値は「経済性」や「ファン・トゥ・ドライブ」ではなく(だけではなく)、従来のBセグにとって頭痛のタネだった高速道路での劣悪な車内騒音を軽減、つまり「快適性」にあると思います。

  コンパクトカーに使われる小排気量ガソリンエンジン(1.5L以下)は、60km/h前後からの加速時にトルクの落ち込みを補うために5000rpmを超える回転が要求されるので、中央高速などの山岳路線では登り坂で速度の低下が解っていても防げない部分があります。それと同時に車内には強烈なエンジン音が響きわたり、会話もまったく出来ないほどの騒音に包まれます。アクアやフィットHVは高速で走り続けるとモーターが停止して重くなったボディをさらに出力の低いエンジンで引っ張ることになるので、通常のガソリンモデルよりも燃費が悪化することもあります。とにかくブレーキを踏んで回生させない限りはHV車のメリットなんて皆無と言えます。

  BセグではVW、プジョー、ミニからそれぞれ200ps程度を出力する高性能モデルが300万円前後で発売されていますが、これらは全くの趣味のクルマというわけではなく、高速利用の頻度が高いユーザーにとってはかなり有意義な選択肢になっています。日産ジュークにも1.6Lターボの設定がありますが、同じ意味合いでの需要が見込まれていて、このエンジンをマーチやキューブにも拡大すべきかなという気がします。

  高速道路を快適に走れるBセグの価格帯を一気に引き下げた!という意味でデミオXDは大きな意味を持つクルマといえます。40km/h程度で一般道を走るだけならば、ガソリンの1.3Lの方が騒音も少なく快適ですが、登り坂や高速でガソリンエンジンの回転数が上がると、低回転でも走れるディーゼルの方がむしろ静かになります。もちろん高速道路で要求される追い越し加速においても、ガソリンモデルでは不十分な点も見られますが、ディーゼルならば問題ない走行性能を持っています。マツダもこの点をかなり意識しているようで、中間加速や高速安定性にもかなり意識した設計を行っていると開発者のコメントにも述べられていました。

  街乗り専用車ならば「ガソリン1.3Lモデル」、高速利用を考えるならば「ディーゼル」とたった2種類のパワーユニットですが、かなり効率的にキャラ分けができています。200万円以下に収まっている価格帯を考えると、値段を気にせずに用途ですんなりグレードが決められる点も、変なモヤモヤ感がなく納得したクルマ選びをする上でとても重要です。トヨタやホンダのコンパクトカーでもHVありきな大雑把な戦略と比べると、私のようなマツダ好きでなくてもとても好感がもてるのではないでしょうか。


リンク
最新投稿まとめブログ
  

  

2014年8月12日火曜日

マツダ・デミオ 「冷静さが必要だけど、ひょっとしたら・・・」

  マツダは個人的に一番好きなメーカーで現在もマツダ車に乗っています。このメーカーの魅力を、誤解を恐れずに一言で言うならば「大人になりきれないクルマが作れる!」ことだと思います。マツダのラインナップを過去のものから現行のものまで俯瞰すると、最もガキっぽい一般車メーカーはマツダだと断言できます。同じような系統のライパルとしてBMWやプジョーがいますがそれよりもさらに「ガキ仕様」ですね・・・。トヨタの開発者がコンセプト「タケリ」からほぼそのまま現行アテンザのデザインになったのを見て「マツダは完全に頭がオカシイ」みたいなことを言ったとか言わないとか。

  いくら大手メーカーから「変態」扱いされようとも、世界で「一番尖っている」のはとても価値があることですし、日本メーカーの誇りといえます。マツダが倒産したらもうクルマ買うの止めようかな・・・と私と同じように考える人も相当いると思います。そんな熱狂的な支持を受ける反面、新型モデルにかかる期待もハンパないものになっていて、下手なデザインで登場し「これはとてもマツダではない!」とフルボッコにされるモデルもいつかは出てくるでしょう。そんな中でCX5、アテンザ、アクセラと見事に期待に応え続けたマツダの「集中力」はやはり凄いなと思いますす、そして今回登場した新型デミオもマツダ自ら「確信のドヤ顔」を発表前から繰り出していて、某雑誌には「4打席連続ホームラン」なんて書かれてました。

  最近「復刊」を果たした「CAR STYLING」(三栄書房)の復活第一号では、表紙に堂々の「~Truth of the DEMIO Soul of Motion~新型デミオと鼓動デザイン」の太文字が躍っていていました。復刊第一号なので注目度もそこそこ高いでしょうけど、デミオ(もしくはマツダ)だけで本体価格2000円もする雑誌を売ろうという企画も大胆なもので、私のような熱狂的マツダ信者が次々と買わされていくんだろうな、なんて思いつつ買いましたよ・・・。

  最近のマツダはデザインに至る「過程」すらもブランドの一部として扱っているようで、他のメーカーでは滅多にないことですが、アニメの絵コンテのような鉛筆書段階のデザインを意図的に「放出」しています。アニメなど日本が高い国際競争力を持っている「知的産物」によるコンテンツを総称して「クール=ジャパン」と言うそうですが、マツダの戦略はこの政府主導の「日本的価値の発信」にとても良く合致しているようです。歴史的に日本政府が大っ嫌いなトヨタやホンダといった大手はそんなものに協力する気はさらさらないといったところかもしれませんが・・・。

  さて新型デミオですが、シートを始め「白」が基調になっているLパッケージ仕様の内装が公開され、クラスを超える圧倒的な質感がとても話題になっています。まだ実物に触れて見たわけではないので何とも言えないですが、とりあえず「新しいマテリアル」で作られているのは確実なようです。あまり安易なことは言えないですが、男性用スーツの素材といったら「ブリティシュ・ウール」の品質保証ワッペンタグが内側に付いたものが喜ばれたりします。しかしデザイン性はそれとは全く別物であり、いくら質感が伴っていてもデザインが完全に時代遅れのものは喜ばれません。

  現在では「質感」以上に「デザイン」が優先される時代になりつつあります。デザインを最優先に考えたときに、たとえ極細の上質なウールを使うよりも、ポリエステルなどの化学繊維の方が品質の安定感なども含めて高いレベルに立つようになってきたようです。もちろん「化繊のスーツなんて・・・」という保守的な考えのユーザーもたくさんおられるので、一気に拡大するのは難しいかもしれませんが、グッチやコムサ=メンといったやや前衛的なブランドでは徐々に導入が進んでいます。

  私も試しに3年ほど前に一着購入してみたのですが、これが予想以上に強靭でほころびも少なく、いまでも十分な光沢を放っていてとても満足しています(大幅値引で5万円ジャストくらいでゲットしました!)。今回のデミオ"Lパッケージ"の内装もどことなく、この「化繊スーツ」の良いイメージがダブります。100万円台半ばで買えるクルマなので大きな期待をせずに買ってみたら、予想以上に安定した質感で大満足の「逸品」になるかもしれません。いや・・・マツダならやってくれるはず「Lパッケージにハズレはない!」というくらいの気合で素材の選定してきているハズです。最近ではマツダの試乗車はことごとくLパケになっているようなので、ぜひデミオに乗って確かめてみたいと思います。


リンク
最新投稿まとめブログ

  

2014年3月6日木曜日

アクセラXD 「マツダ・ラグジュアリー・ホットハッチ・スペシャル」

  もはやアクセラは「ファミリア」ではないですよ!というのがマツダの最大のメッセージですかね。先代と比べて一番スポイルされたのが「ファミリーカー」としての適正のようで、明らかに独身の男性・女性をメインターゲットにしたクルマになっています。いまさらCセグハッチバックでいくら頑張ってもトヨタの好パッケージのファミリーカー(ラクティスやシエンタ)には勝てませんからね・・・。

  そのマツダの意図はしっかりと暗黙の了解の中で多くの評論家に伝わっているようで、試乗した誰もがハッキリと感じる「狭い」という感想を表立って批判の材料にするケースはほとんどなかったです。まあ某雑誌で行われている「喜怒哀楽」というコーナーには、ゴルフとアクセラの対比を強調しておきながら、アクセラだけにファミリーカーの足枷を履かせたカス評論家が登場しましたが・・・。ヤツらの満点評価のゴルフ7と同じ車幅になっただけなのに、「これ以上大きくなったらあかんで!(松下宏)」って・・・。

  それでも新型アクセラはマツダの「リアリティ」を全身に感じる、なかなか鬼気迫る傑作車に仕上がりました。ベースグレードの1.5LのNAと聞けばファミリーカー専用のイメージすら湧きますが、評論家のレビューの沸点がこのグレードのMT車に集中。特に「ファミリア」とか言い出さない比較的若い評論家が次々と絶賛していてマツダの戦略はもの凄い精度で的を得ているのが解ります。

  見事に1.5Lのイメージを大きく変えつつも、2LもHVも独自の価値観をもったクルマへ味付けをし、さらに2LにMTを追加してまるで欧州市場のブランドのような細やかなグレード分けを日本に持ち込んでいます。BMWのドイツのラインナップとスペック表を見るのは本当に飽きないですよ。ガソリンもディーゼルもたくさん種類があって、「予算に応じてどれでも選べます」ですからね。日本のBMWでは味わえない魅力を感じます。マツダは今回、そういう商習慣を部分的ながらも日本に持ち込んで、クルマファンに訴えようとしてますね。

  その「欧州型」戦略の目玉となったのが年明けに試乗が始まったアクセラXD。なかなか誤解されやすいクルマだから、マツダとしてはしっかりと「298.2万円」というハードルを用意して「よく考えてください」と親切に言ってくれています。現実はアテンザXDとの価格差を少なくする狙いがあるようですが、ナビやルーフなどを標準装備しているので、実際の本体価格は250万円程度で適正価格と言えます。

  ただ現実問題として、ディーゼルにはイメージと現実に相当な溝があることも確かです。アテンザXDもそうですが、実に様々なことを押し付けてきます。つまり「妥協しろ」の連続なんですよね。たしかに40kg・mというトルクは魅力かもしれないですけど、同時にそれはミッションやタイヤ、ボディに不必要なまでの負荷をかけることになりますから、クルマ自体の消耗がもの凄いスピードで進行することを意味します。

  マツダは日本車メーカーのはしくれですから、ディーゼル車の負荷に耐えるための高剛性化が施されていますが、エンジンの重量増分も合わせれば今回のアクセラの魅力と言われる「軽快感」は相当に失われます。今や一般車レベルで最高レベルの剛性を誇る日産、ホンダ、スバル、マツダの4社でも不必要なディーゼルやターボ化はしないのに、平気で「低速トルク」とか謳っている欧州車なんて乗る気はまったく起きませんね・・・。せめてVWくらい車体に手を入れてから日本に持ってきてと言いたい。

  アテンザXDの時は試乗前のアイドリング状態ですでに買う気が失せてしまいました。ユーザーを否定するつもりはありませんが、私の中で高級サルーン路線に舵を切ったアテンザがこれでいいのか?という葛藤がありました。ガソリンモデルは、乗り込んでドアを閉めるだけで「これ欲しい!」と思えるクルマだったはずなのに、ディーゼルに変わっただけでその姿が豹変してしまいます。経済性を重要視するならば「デミオ」に乗ればいいわけですし、あの「加速」に対する憧れをあまり持たない人にとっては「何コレ?」です。

  じゃあアクセラXDになってどうなの?と言われると、クルマのイメージがアテンザよりもスポーティなので、確実に抵抗感は減ります。あくまで私の偏狭なイメージでは、アクセラXDが「絶対正義」だと言い切ります。マツダのディーゼルは確かに他社よりも静音設計に優れ、なんとか日本社会の好む「静寂」に耐えられるクルマにしようという努力は解るのですが、歩行者が多く歩くような場所で乗りたいとは思いません。

  余談ですが、BMW320dのアイドリングストップは本当に酷いです。一度近くで「ばきゅーん」とやられてからとてつもなく嫌いになりました。スカした顔して乗ってるドライバーは周りの歩行者のイライラを感じているのでしょうか?「うるせ〜な」って、怖いお兄さんにドア蹴られるレベルですよ。所詮はドイツ・バイエルンの田舎メーカーの発想なんて・・・。


「最新投稿まとめブログ」へのリンク



↓ディーゼル車のオーディオ用。重ねたトラックがヘヴィーでメロディカルでオススメです。
  

2013年12月2日月曜日

マツダ・アクセラ 「スタイル優先の代償は意外と大きい」

  スタイル重視のマツダ車の泣き所と言えるのが、フロントウインドの視認性かもしれません。ルーフが低めに設置されている輸入車の4ドアクーペなども同じでしょうが、垂直よりも水平に近い状態のフロントガラスは、汚れやすくお手入れもなかなか大変です。新型アクセラもアテンザゆずりのフロントデザインですから、フロントウインドもやはり「寝て」いてなかなか神経を使いそうです。

  そしてリアウインドに至ってはライバル車よりも明らか「寝て」います。Cピラーの寝かせ方がハンパないのですが、ここが今回のアクセラのデザインの最も核心的な部分です。ゴルフもAクラスも1シリーズもこの辺のデザインが全く適当なので、ちょっと大きなヴィッツ程度の印象しかなかったりします。アクセラのリアデザインの美しさに太鼓判の人も大勢いるでしょうが、スバルと違ってワイパーもデザイン上の関係で外しているので、雨が振れば水滴がなかなか落ちずに、後方で何が起こっているか分かりません。それでもなおカッコ良さを追求するマツダの覚悟は素晴らしいと思いますが・・・。

  そして今回のアクセラはロングノーズを採用してきました。全長を伸ばすことなく、車内の居住性を維持し、トランクの収納スペースも確保しつつ、ノーズを伸ばしています。単純に考えて何かが犠牲になっています。先日タイヤ交換でディーラーに行った際にじっくりとクルマを見て来ました。一番印象的だったのは、コクピットがフロント部分の下に潜り込むように設計されていたことです。簡単に言うと、ほぼ同じデザインのアテンザのコクピットをやや強引に前方にズラすことで、それ以外の部分のサイズを維持しているように感じます。

  よってフロントドアを開けると、アテンザよりもコクピットがだいぶ前方にある感じがします。アテンザというクルマは先代もそうですが、広いコクピット空間を贅沢に使い、着座位置を大きく下げることもできますし、シートの前後のスライド幅も多く取られていて、一番後ろに下げると明らかに休憩用のポジションになります。フロントシートを下げて倒せば、航空機のフルフラットリクライニングに匹敵するスペースが確保できて、車内でゆったりと寝ることができます。

  アクセラにそういう使い方を要求するのはもともと無茶なのですが、新型アクセラはその点でのマツダの割り切りをハッキリと感じることができます。アクセラはゴルフより約200mm全長が長いです。しかしその内の150mmは荷室スペースに使っています。さらにノーズの長さを考えると50mm以上は使ってしまっているので、キャビンの座席スペースはゴルフよりも短いくらいです。リアシートを比べると水平方向に屹立した印象のシートバックのゴルフに対して、アクセラのシートはまたまた寝ています。ルーフのデザインを優先しているのでヘッドクリアランスを確保するためにはこれしかありません。

  そして最後に残された比較できる空間がコクピットなわけです。ゴルフに対して「カッコ良いエクステリア」「広い荷室」「ゆったりの後部座席」を確保してファミリーカーとしての機能性で全て上回った上で、お父さんが収まるコクピットはというと・・・。ここが今回のマツダのbe a driverの真骨頂というべき「スポーツカー調」で帳尻を合わせています。ちょっと大柄なお父さんはCX-5かアテンザに乗ってくれといったところでしょうか。

  アクセラの「スポーツカー調」のヒントになったのが、BMW1シリーズでFRの不利な車内レイアウトを改善するために、Cセグハッチバックでは異例の低いシートを採用して、低い全高で短いシートピッチでもプレミアムカーとして「スポーティ」を売りにして、不満がないよう辻褄を合わせています。マツダもこのアイディアをコクピットの部分だけ拝借したようです。アクセラのコクピットはゴルフよりも明らかに低い位置にハンドルがあります。Aピラーも迫っています。想像以上にタイトな空間がスポーティな演出というわけです・・・。

  そんなBMWやマツダに同調せずに、Cセグを真面目に発展させたのがスバルXVで、こちらは我慢しないで乗るCセグを追求した結果SUV調のクルマになったというわけです。マツダの担当者も「このクルマにだけはアクセラじゃ分が悪い」とハッキリ言ってましたね・・・。



「最新投稿まとめブログ」へのリンク

 

2013年10月5日土曜日

マツダ・アクセラ 「実力派って言わないで・・・」

  マツダの工場では5月からとっくに生産が始まっていたようですが、いよいよ日本でもアクセラが発売されます。マツダディーラーは早くも自信満々で、売れて当たり前で1巡目でどれだけのバックオーダーが積めるのか?記録に挑戦する気分なのだとか・・・。

  基本性能に関しては申し分ないし、外装も内装もほぼプレミアムブランドと言っていいほどに洗練されていて、果たしてこれだけ理想的な条件でラウンチされたクルマが最近あったでしょうか? これで1.5Lで166万円(現行価格)なら大いに満足ですが、「母親に買いたいので200万以内で乗り出しできる?」と聞いたら・・・渋い顔をしてましたね。

  オススメはハイブリッド(2L)みたいです。走りに十分こだわっていながら、プリウスと同等の燃費!と威勢はいいですが、トヨタはすでにカローラHVの時代に突入しているので、一般的な目線ならカローラフィールダーに負けてしまいますね。おそらくトヨタの読みとしては、アクセラHVは大して売れないと踏んでいるようです。まあトヨタの予測はかなり当たりますからマツダが足掻いたところでどうなるものでもないでしょう。

  アクセラHVは本体が260万円になるようで、レクサスCTとほぼ同じコンセプトで100万円安い価格で完全にロックオンしてます。レクサスCTの特徴は、まずプリウスの加速をチューンしてリニアな乗り味に近づけている点。そして欧州カローラ(オーリス)の上級モデル用の後輪DWBでプリウスとは違うハンドリングを実現している点。あとトータルでのデザインがそつなくとても高いレベルでまとまっている点です。

  さてこのCTを追いかけるアクセラはというと、関東マツダの営業マン氏(サーキットでクルマをブン回す本格派らしい・・・)の試乗研修の印象では、加速・減速ともにCTより高いレベルにある。HVによる重量増も、むしろアクセラ自慢の後輪マルチリンクがより冴え渡るほどで、ハンドリングも完全にアクセラの方が熟成度合が上だと結論してました。そしてデザインは好みがあるでしょうが、CTもアクセラもどちらも高いレベルにあります。

  ただまあこのクラスのクルマは価格というよりも、どれだけユーザーにその魅力を残さず伝えられるかだという気もします。100万円安いからといっても気に入らなければ、絶対に買わないクルマです。他にも選択肢はいっぱいあるし、何といってもベストセラーのプリウスやアクアよりも高い価格なわけですから、アクセラはいかにお客を惚れさせるかが勝負ですね。しかもトヨタはしれっとプリウスPHVを285万円まで下げてきましたし・・・。

  マツダは好きなブランドなので、アクセラは是非に大ヒットしてほしいと思うのですが、1795mmという新たな国際Cセグのスタンダードな車幅に4500mm程度の全長のクルマ(ハッチバック)の魅力というのが、まだ具体的なイメージとして湧いてこないです。
このクルマを買えばどんな風に使えるのか? 
レストランに食事に行って隣りにレクサスGSが停まったらどんな絵面になるか(気まずくなったりしないか)? 
峠を走ったときにしっかりとガードレールに寄せきれるのか? 
ハッチバックのスポーティな軽快さが確保できる車重やハンドリングなのか?

  今月号のCGの編集後記であの有名な編集長が、UP!やポロはワクワクするけどゴルフは気分が盛り上がらない・・・なぜだ?と書いていましたが、やはりあのゴルフの「中の中」なボディサイズがどうもシックリこない理由なようです・・・。サイズだけでなく、走りもデザインも「中の中」だったりするわけです。

  アクセラはデビュー以来「実力派」なんて言葉がハマるクルマでした。新型アクセラももちろん「実力」がありますが、これまでのやや武骨な一面は影を潜め、「華」のあるデザインへと生まれ変わりました。車格もだいぶ変化して、セダンは車幅1795mm・全長4580mmでひと昔前のCクラスや3シリーズ、アルファ156くらいのサイズです。密かに2Lハイブリッドが設定されるセダンがベストチョイスじゃないか?というよりなかなかの傑作車だと思っています。セダンはもはやこの車幅(1795mm)になったので教習車になることもないので安心して買う事ができます。

  スポーツハッチバックもかなりゴルフを意識して、相対的な位置関係で「見下して」やろうという狙いが見えます。ゴルフ(4275mm)・ジュリエッタ(4350mm)・Aクラス(4355mm)よりも大きく立派に見せるために4460mmを先代から維持しています。デザイン変更で精悍な面構えになり、完全にドイツ勢とは立場が逆転したと思います。

  もはやアクセラは欧州ハッチバックに挑む、極東の「実力派」などではなく、環太平洋圏のCセグ「絶対王者」(TPPでアクセラは頂点へ!?)の風格に溢れています。そしてこの新型アクセラの向かう先は、シビックとエラントラ(ヒュンダイ)に支配されたアメリカ市場であり、新たな対決に向けてHVとディーゼルターボを引っさげて気合十分のようです。



  
↓A3セダンがドイツで発売されます!MAZDA3(アクセラ)を潰すために、ゴルフが苦戦している北米にも投入らしいです。4460mmのミニサイズなのでアクセラの優位か?
  

注目の投稿

MAZDA・CX-3 (2025年12月グレード改定・2026年2月生産終了)

  奇跡の四台 MAZDA・CX-3が2026年2月に生産終了となってしまった。2015年の登場なのだが、屈指の傑作デザインが幸いして10年以上が経過しても古さはない。普遍的な造形美を強く主張していたMAZDAのデザイナーの言葉通りなのだろう、大きなデザイン変更を含むマイナーチェ...