トヨタSAIマイナーチェンジ 「ひそかな自信作では?」
モリゾー社長の号令のもとトヨタの改革が進んでいます。去年のオーリス、カローラ、クラウンのFMCではまだまだ現場が付いていきていないバタバタした印象でしたが、今年になって期待のレクサスISを発表して、文句なしのDセグ最高水準の評判を勝ち得た勢いそのままに、同クラスのHV専用セダンSAIのマイナーチェンジがこれまたなかなか意欲的で好印象ですね。
去年の後半からセダンをめぐる環境はかなり好転しています。新型アテンザの成功に引きずられるようにレガシィとマークXの販売台数も再上昇しています。乗り出し価格で400万円近くになるアテンザの価格上昇を受け、したたかなトヨタは一応以前から設定しているマークX”G’s”のプロモーションを強化して、高性能な3.5L搭載で420万円〜という絶妙な価格設定でアテンザを牽制しています。
このマークX"G's"は一部で不評な「Xマーク」を外すという大英断が施されています。外観はFRスポーツの名車S15シルビアを一回り大きくしたようなスタイルで、トヨタらしからぬキャッチーなデザインになっていて、アテンザなどの新型車にも十分対抗できる目新しさがあります。さらにトヨタの3.5LエンジンはDセグにはパワフル過ぎる性能で、走りでもアテンザディーゼルを上回る爆発的な加速力を誇ります。つまり燃費以外(=走りの楽しさ)はアテンザにまったく負けていません。
さらに質感と低燃費で勝負してきたアコードHVやメルセデスCLAに対抗して、今回はSAIに強烈なMCを施してきました。従来のSAIの弱点であったスタイリングが格段に向上していて、アコードやCLAに全くひけをとらない洗練されたものになっていて素直にビックです。あくまで推測ですがトヨタはこのSAIを特にCLAにぶつけてきたような気がします。わざわざナビをオプションにしてCLA180を下回る価格へと改訂し、もともと評判が良かった内装をさらにブラッシュアップして、決してメルセデスの後塵を拝することがない水準へと引き上げています。燃費・加速・足回りなどの基本性能もCLA180をきっちり上回っていて、トヨタとしては国内市場は絶対に譲らないという強い意志が感じられます。メルセデスが今後CLAにハイブリッドを持ち込んで400万円くらいで出しても負けないほどの完成度を誇っていると思います。
SAIのコクピットを見れば、トヨタがこのクルマに懸けた想いを感じることができます。トヨタがここまで作り込んだ造形を見せるのは、兄弟車のレクサスHSを除くと1993年デビューの80系スープラが思いつくくらいです。80系スープラはリトラクタブルライトが廃止になり、やや中性的でマイルドな表情に変わりましたが、トヨタ渾身の3Lツインターボ(2JZ-GTE)と造形に優れた「スペシャル」なコクピットで人気を博しました。もちろん当時はGT-Rという世界的なスーパースポーツカーをライバルにしていたということもあってのコスト度外視の入魂だったようですが・・・。
そんな歴史的名車にインスパイアされたかのような設計のコクピットを持つSAI/レクサスHSですが、冴えない外装と旧型ハイブリッドのせいもあってターゲットの高齢者にもまったく訴求しない残念なクルマとしてラインナップの片隅に放置されていました。HSの北米販売中止を受けてモデル消滅も止むなしと思っていましたが、トヨタの優秀なマーケティングは「大規模マイナーチェンジ」という判断を下してきました。
クラウンやISではライバルと比べて価格が高くて(高いことに意味があるので仕方がないですが・・・)、十分に浸透しないと踏んで300万円台で収まるハイブリッドのDセグセダンを残すのはある意味当然の選択ではあります。BMW3とメルセデスCを総合的に出し抜いたレクサスIS、アテンザのスポーティユーザーに訴求するマークX"G's"3.5L、そしてアコードHV、メルセデスCLAとアテンザのエコユーザーへの需要を取込むSAI。強力な3モデルに加えて従来のトヨタユーザーをきっちり掴まえる新型クラウンとトヨタ陣営の強力なラインナップが揃った感があります。
残るはアウディA4クワトロを叩くために、徹底的に外装をブラッシュアップしているという噂の新型レガシィを投入し、新たに参入するBMW4とインフィニティQ50クーペに対してレクサスRC(ISクーペ)をぶつける総力戦が展開されるようです。日産とトヨタのクーペ対決はお互いに厳重に情報管理を行っていて、特に日産はセダンとはまったく趣向の違うパネルデザインを見せると海外メディアに幹部が強弁しているようです。先に公表されているBMW4シリーズが霞んでしまうほどのスタイリッシュな対決が来年には見られそうです。
去年の後半からセダンをめぐる環境はかなり好転しています。新型アテンザの成功に引きずられるようにレガシィとマークXの販売台数も再上昇しています。乗り出し価格で400万円近くになるアテンザの価格上昇を受け、したたかなトヨタは一応以前から設定しているマークX”G’s”のプロモーションを強化して、高性能な3.5L搭載で420万円〜という絶妙な価格設定でアテンザを牽制しています。
このマークX"G's"は一部で不評な「Xマーク」を外すという大英断が施されています。外観はFRスポーツの名車S15シルビアを一回り大きくしたようなスタイルで、トヨタらしからぬキャッチーなデザインになっていて、アテンザなどの新型車にも十分対抗できる目新しさがあります。さらにトヨタの3.5LエンジンはDセグにはパワフル過ぎる性能で、走りでもアテンザディーゼルを上回る爆発的な加速力を誇ります。つまり燃費以外(=走りの楽しさ)はアテンザにまったく負けていません。
さらに質感と低燃費で勝負してきたアコードHVやメルセデスCLAに対抗して、今回はSAIに強烈なMCを施してきました。従来のSAIの弱点であったスタイリングが格段に向上していて、アコードやCLAに全くひけをとらない洗練されたものになっていて素直にビックです。あくまで推測ですがトヨタはこのSAIを特にCLAにぶつけてきたような気がします。わざわざナビをオプションにしてCLA180を下回る価格へと改訂し、もともと評判が良かった内装をさらにブラッシュアップして、決してメルセデスの後塵を拝することがない水準へと引き上げています。燃費・加速・足回りなどの基本性能もCLA180をきっちり上回っていて、トヨタとしては国内市場は絶対に譲らないという強い意志が感じられます。メルセデスが今後CLAにハイブリッドを持ち込んで400万円くらいで出しても負けないほどの完成度を誇っていると思います。
SAIのコクピットを見れば、トヨタがこのクルマに懸けた想いを感じることができます。トヨタがここまで作り込んだ造形を見せるのは、兄弟車のレクサスHSを除くと1993年デビューの80系スープラが思いつくくらいです。80系スープラはリトラクタブルライトが廃止になり、やや中性的でマイルドな表情に変わりましたが、トヨタ渾身の3Lツインターボ(2JZ-GTE)と造形に優れた「スペシャル」なコクピットで人気を博しました。もちろん当時はGT-Rという世界的なスーパースポーツカーをライバルにしていたということもあってのコスト度外視の入魂だったようですが・・・。
そんな歴史的名車にインスパイアされたかのような設計のコクピットを持つSAI/レクサスHSですが、冴えない外装と旧型ハイブリッドのせいもあってターゲットの高齢者にもまったく訴求しない残念なクルマとしてラインナップの片隅に放置されていました。HSの北米販売中止を受けてモデル消滅も止むなしと思っていましたが、トヨタの優秀なマーケティングは「大規模マイナーチェンジ」という判断を下してきました。
クラウンやISではライバルと比べて価格が高くて(高いことに意味があるので仕方がないですが・・・)、十分に浸透しないと踏んで300万円台で収まるハイブリッドのDセグセダンを残すのはある意味当然の選択ではあります。BMW3とメルセデスCを総合的に出し抜いたレクサスIS、アテンザのスポーティユーザーに訴求するマークX"G's"3.5L、そしてアコードHV、メルセデスCLAとアテンザのエコユーザーへの需要を取込むSAI。強力な3モデルに加えて従来のトヨタユーザーをきっちり掴まえる新型クラウンとトヨタ陣営の強力なラインナップが揃った感があります。
残るはアウディA4クワトロを叩くために、徹底的に外装をブラッシュアップしているという噂の新型レガシィを投入し、新たに参入するBMW4とインフィニティQ50クーペに対してレクサスRC(ISクーペ)をぶつける総力戦が展開されるようです。日産とトヨタのクーペ対決はお互いに厳重に情報管理を行っていて、特に日産はセダンとはまったく趣向の違うパネルデザインを見せると海外メディアに幹部が強弁しているようです。先に公表されているBMW4シリーズが霞んでしまうほどのスタイリッシュな対決が来年には見られそうです。
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