日産スカイラインクーペ 「スカクー改めインフィニティQ60・・・さらに」
レクサスRCの概要がやっと発表されました。すでに去年の東京MSの段階で完成していて、その段階で発売するグレードも大筋で判明していて、ほぼ予想通りのものになりました。ちょっとビックリしたのが、最初からV8搭載のレクサスRC-Fを同時発売するというレクサスとしては新しいスタイルを採用してきました。最上級モデルの先行販売はジャガー、マセラティ、アルファロメオなどの新型スポーツカー&スペシャルティカーにおける手法としては定番化していて、レクサスもそれを素直に模倣・踏襲したようです。
元々は「サルーン」に特化したプレミアムブランドとして、独自性あるブランドイメージを構築しつつあったレクサスですが、大々的な2ドアモデルの投入によりいよいよ「何でも屋」ブランドの様相を露骨に呈してきました。日本のカーメディアはレクサスの戦略的行き詰まりを盛んにあげつらう傾向にありますが、アメリカで25年、日本で10年を経たレクサスの成長は客観的にみて、史上最速といっていいほど順調に推移していると言えます。今回のレクサスRCの投入の一番の動機は、ブランドの販売台数を大きく底上げするものでは決してなく、トヨタの技術力の高さを証明すべく投入したGS・IS用の新型シャシーがあまりにも優秀すぎる出来なので、宝の持ち腐れと批判されないように、日産やBMWと互角以上に張り合える車体剛性が高い2ドアGTカーも作ってしまおう!くらいの軽い発想によるものと思われます。
そもそもこれまで2ドアのDセグ車は、Cクーペ、3クーペ(現4クーペ)、スカクーがわずかの国内シェアを分け合う程度であり、北米でも欧州でも日本よりは需要が多いにせよほぼ成長が見込めないジャンルでしかなく、レクサスがブランドの命運を賭けて乗り込むにはあまりにも小さすぎる市場です。ブランド全体におけるRCの役割は、これまでレクサスIS350がクルマの性能を最大限に引き出す最上位グレードとして君臨しているところに、ボデイ剛性を大幅に上げてIS350をさらに大きく上回る"超絶グレード"としての「特別仕様車」的な意味合いが強いです。RC350やRC-FによってレクサスがBMW、ポルシェ、日産に肩を並べるほどの高性能GTカー・ブランドとしての一面を持っていることを表現し、本格志向の人はこちらをどうぞ!といった程度のものに過ぎません。ポルシェがライバルの性能アップを目の当たりにして、慌ててボクスターやケイマンに新たに「GTS」というグレードを作ったようなものです。
ただしレクサスRC-Fの場合は、おそらくドイツプレミアムのDセグを全て薙ぎ払う為に作られたISの新型シャシーの計画当初からの一つの到達点として想定されていたもので、雑誌では「フラッグシップスポーツ」などと言われてますが、レクサスのブランドイメージを決定付けるほどの重要なモデルです。ゆえにたとえ相手がGT-Rや911ターボSであってもスピード以外の部分では絶対に競り負けないとてつもない完成度をトヨタの威信をかけて必ずクリアしてくるはずですから、まず購入して後悔することはないクルマだと思います(燃費とか維持費が高すぎるかもしれないですが・・・)。それでも日本の評論家さん連中は恐ろしいですから、「(BMW M4と比べて)シャシーもハンドリングもエンジンもどれも勝っているけど・・・なんだろう何か心に残る"芯”みたいなものがない」なんてレビューが続々と出てきそうな予感がします。
レクサスRCの設計を見るとどうやら、コンセプトのスタートラインとしてBMW4シリーズしか見ていないような気がします。4シリーズは上回るけど、そこからさらに大きく違う世界感を作ろうとはあまり考えていないようです。この無邪気なRCを後ろから密かにマークしているであろう不気味な存在なのが、日産スカイラインクーペことインフィニティQ60で、新型がいよいよパリモーターショーで発表される予定です。先日の英国メディアの報道によると、BMW4シリーズよりもいくらか大きなボディになるようで、これまでのどうも狭っくるしく感じるDセグ2ドアクーペの概念を突き破り、Eセグに近い絶妙なサイズで「ゆとり」を追加した4シリーズやRCよりもだいぶラグジュアリーなクーペになるそうです。
フェアレディZともGT-Rとも異なる需要をしっかりと吸収することが、インフィニティQ60に課せられた最大の使命であり、「女性専用車」のZと「最善主義」のGT-Rからこぼれ落ちた「渋さ(アダルトさ)」「ラグジュアリー」「重厚感」「男性的クーペ」がテーマであり、ライバルの4シリーズやRCも現状を見る限りは、この4点においてを落第点の水準です。2ドアクーペに600万円以上掛ける客層の人間性を過大評価し過ぎで、もっと本質的に「ガキっぽく」「知性がない」「品格がない」ユーザーばかりだから、この4点を重視することは無意味という意見もあるでしょうが、日産にはこのジャンルに巣食った「軽薄さ」「ダサさ」を一掃するような強烈な1台を期待したいです。
このQ60とは別に今月のパリ・サロンでは「フーガクーペ」となるQ80も発表されることが既に予告されています。こちらは4ドアスペシャルティカー仕様になっていて、日産が宿敵ポルシェのパナメーラを北米市場で叩くために独自に開発した新型モデルのようです。提携相手のメルセデスから出ている大型スペシャルティカーの尖兵となった「CLS」は発売直後こそ話題沸騰でかなりの販売台数を記録しましたが、10年経過してクルマの基本コンポーネンツがメルセデスの水準からみて低いレベルにあることが世間にも浸透しつつあり、北米ではパナメーラやギブリに大きく遅れをとるようになっています。後から追加されたクーペワゴンのシューティングブレイクも車体の設計が極めて杜撰で、高級車にはあるまじき乗り心地の悪さと静音レベルの低さが酷評の対象になってしまいました。
北米で日本車が同クラスのドイツ車のどれよりも高い価格で売られる!という快挙を達成したインフィニティのQ50(スカイライン)とQ70(フーガ)は、日産が持つ高級車ノウハウが世界最高の水準にあることを見事に証明しました。同クラスのレクサスGS・ISも徐々にメルセデスやBMWを超える価格設定をするようになっていますが、最も高価なのはインフィニティです。プレミアムブランドのD・Eセグを制した「技術の日産」がいよいよ「レクサスLS」と「Sクラス」というトヨタとメルセデスの"頂点"と対峙する量産モデル(ややジャンルは違うけど価格帯では接近?)をグローバル市場に投入します。これによって風通しが悪く硬直化した高級車市場に新しい旋風が巻き起こされ、自動車文化の活性化につながればいいとは思いますが・・・。
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元々は「サルーン」に特化したプレミアムブランドとして、独自性あるブランドイメージを構築しつつあったレクサスですが、大々的な2ドアモデルの投入によりいよいよ「何でも屋」ブランドの様相を露骨に呈してきました。日本のカーメディアはレクサスの戦略的行き詰まりを盛んにあげつらう傾向にありますが、アメリカで25年、日本で10年を経たレクサスの成長は客観的にみて、史上最速といっていいほど順調に推移していると言えます。今回のレクサスRCの投入の一番の動機は、ブランドの販売台数を大きく底上げするものでは決してなく、トヨタの技術力の高さを証明すべく投入したGS・IS用の新型シャシーがあまりにも優秀すぎる出来なので、宝の持ち腐れと批判されないように、日産やBMWと互角以上に張り合える車体剛性が高い2ドアGTカーも作ってしまおう!くらいの軽い発想によるものと思われます。
そもそもこれまで2ドアのDセグ車は、Cクーペ、3クーペ(現4クーペ)、スカクーがわずかの国内シェアを分け合う程度であり、北米でも欧州でも日本よりは需要が多いにせよほぼ成長が見込めないジャンルでしかなく、レクサスがブランドの命運を賭けて乗り込むにはあまりにも小さすぎる市場です。ブランド全体におけるRCの役割は、これまでレクサスIS350がクルマの性能を最大限に引き出す最上位グレードとして君臨しているところに、ボデイ剛性を大幅に上げてIS350をさらに大きく上回る"超絶グレード"としての「特別仕様車」的な意味合いが強いです。RC350やRC-FによってレクサスがBMW、ポルシェ、日産に肩を並べるほどの高性能GTカー・ブランドとしての一面を持っていることを表現し、本格志向の人はこちらをどうぞ!といった程度のものに過ぎません。ポルシェがライバルの性能アップを目の当たりにして、慌ててボクスターやケイマンに新たに「GTS」というグレードを作ったようなものです。
ただしレクサスRC-Fの場合は、おそらくドイツプレミアムのDセグを全て薙ぎ払う為に作られたISの新型シャシーの計画当初からの一つの到達点として想定されていたもので、雑誌では「フラッグシップスポーツ」などと言われてますが、レクサスのブランドイメージを決定付けるほどの重要なモデルです。ゆえにたとえ相手がGT-Rや911ターボSであってもスピード以外の部分では絶対に競り負けないとてつもない完成度をトヨタの威信をかけて必ずクリアしてくるはずですから、まず購入して後悔することはないクルマだと思います(燃費とか維持費が高すぎるかもしれないですが・・・)。それでも日本の評論家さん連中は恐ろしいですから、「(BMW M4と比べて)シャシーもハンドリングもエンジンもどれも勝っているけど・・・なんだろう何か心に残る"芯”みたいなものがない」なんてレビューが続々と出てきそうな予感がします。
レクサスRCの設計を見るとどうやら、コンセプトのスタートラインとしてBMW4シリーズしか見ていないような気がします。4シリーズは上回るけど、そこからさらに大きく違う世界感を作ろうとはあまり考えていないようです。この無邪気なRCを後ろから密かにマークしているであろう不気味な存在なのが、日産スカイラインクーペことインフィニティQ60で、新型がいよいよパリモーターショーで発表される予定です。先日の英国メディアの報道によると、BMW4シリーズよりもいくらか大きなボディになるようで、これまでのどうも狭っくるしく感じるDセグ2ドアクーペの概念を突き破り、Eセグに近い絶妙なサイズで「ゆとり」を追加した4シリーズやRCよりもだいぶラグジュアリーなクーペになるそうです。
新型スカイラインことインフィニティQ50のデザインを見ていると、今回の日産は近未来的なスポーツサルーンのイメージを漠然と追うのは辞めて、「男がDセグ選ぶならこれ!」とちょいワル親父に指名買いをされる現実的なポジションを目指しているように感じます。これまでのV35、V36もなかなか男性的な存在感は出してましたが、V37は女性ユーザーをさらに突き放すような不思議な渋さが備わっていて、日本では女性がやたらと乗りたがるクルマである日産のフェアレディZ(32,33,34)やシルビア(13.14.15)とはだいぶ違った印象です。そんなV37も2ドアクーペになればやはりセレブな女性のお買い物カーに成り下がってしまう可能性もありますが、おそらくVC35やVC36よりもずっと「男性的」なコンセプトを狙ってくるのではないかと思います。
V37セダンは「アメリカン・マッスルカー」と「ジャーマン・プレミアムカー」の両方のデザイン要素を兼ね備えているせいか、なかなか見慣れない不思議な表情をしています。このクロスオーバーな佇まいが災いして、残念ながら日本の日産ファンの一部からの大ブーイングを浴びてしまっているようです。彼らはスカイラインがつまらない高級車になってしまったと肩を落としますが、実際のところは「高級車」なのか「クラスレス」なのかよくわからない立ち位置であって、セレブが注目するようなラグジュアリーかつセクシーさを強調したような派手さ一辺倒なクルマでは決してないです。むしろ質実剛健で性能面を最も重視した実直なクルマ作りという意味で"日産"に相応しいクルマだと思います。このクルマをベースに一体どれだけセクシーなクーペが出来るのか全く想像ができませんが、4シリーズやRCのデザインに顕著な「わざとらしさ」「未熟さ」をダサいを感じて納得できなかった「大人」な人々に応えられるように、基本に忠実な「ワイド&ローでマッチョ」なスタイリングを狙ってくるような気がします。
V37セダンは「アメリカン・マッスルカー」と「ジャーマン・プレミアムカー」の両方のデザイン要素を兼ね備えているせいか、なかなか見慣れない不思議な表情をしています。このクロスオーバーな佇まいが災いして、残念ながら日本の日産ファンの一部からの大ブーイングを浴びてしまっているようです。彼らはスカイラインがつまらない高級車になってしまったと肩を落としますが、実際のところは「高級車」なのか「クラスレス」なのかよくわからない立ち位置であって、セレブが注目するようなラグジュアリーかつセクシーさを強調したような派手さ一辺倒なクルマでは決してないです。むしろ質実剛健で性能面を最も重視した実直なクルマ作りという意味で"日産"に相応しいクルマだと思います。このクルマをベースに一体どれだけセクシーなクーペが出来るのか全く想像ができませんが、4シリーズやRCのデザインに顕著な「わざとらしさ」「未熟さ」をダサいを感じて納得できなかった「大人」な人々に応えられるように、基本に忠実な「ワイド&ローでマッチョ」なスタイリングを狙ってくるような気がします。
フェアレディZともGT-Rとも異なる需要をしっかりと吸収することが、インフィニティQ60に課せられた最大の使命であり、「女性専用車」のZと「最善主義」のGT-Rからこぼれ落ちた「渋さ(アダルトさ)」「ラグジュアリー」「重厚感」「男性的クーペ」がテーマであり、ライバルの4シリーズやRCも現状を見る限りは、この4点においてを落第点の水準です。2ドアクーペに600万円以上掛ける客層の人間性を過大評価し過ぎで、もっと本質的に「ガキっぽく」「知性がない」「品格がない」ユーザーばかりだから、この4点を重視することは無意味という意見もあるでしょうが、日産にはこのジャンルに巣食った「軽薄さ」「ダサさ」を一掃するような強烈な1台を期待したいです。
このQ60とは別に今月のパリ・サロンでは「フーガクーペ」となるQ80も発表されることが既に予告されています。こちらは4ドアスペシャルティカー仕様になっていて、日産が宿敵ポルシェのパナメーラを北米市場で叩くために独自に開発した新型モデルのようです。提携相手のメルセデスから出ている大型スペシャルティカーの尖兵となった「CLS」は発売直後こそ話題沸騰でかなりの販売台数を記録しましたが、10年経過してクルマの基本コンポーネンツがメルセデスの水準からみて低いレベルにあることが世間にも浸透しつつあり、北米ではパナメーラやギブリに大きく遅れをとるようになっています。後から追加されたクーペワゴンのシューティングブレイクも車体の設計が極めて杜撰で、高級車にはあるまじき乗り心地の悪さと静音レベルの低さが酷評の対象になってしまいました。
北米で日本車が同クラスのドイツ車のどれよりも高い価格で売られる!という快挙を達成したインフィニティのQ50(スカイライン)とQ70(フーガ)は、日産が持つ高級車ノウハウが世界最高の水準にあることを見事に証明しました。同クラスのレクサスGS・ISも徐々にメルセデスやBMWを超える価格設定をするようになっていますが、最も高価なのはインフィニティです。プレミアムブランドのD・Eセグを制した「技術の日産」がいよいよ「レクサスLS」と「Sクラス」というトヨタとメルセデスの"頂点"と対峙する量産モデル(ややジャンルは違うけど価格帯では接近?)をグローバル市場に投入します。これによって風通しが悪く硬直化した高級車市場に新しい旋風が巻き起こされ、自動車文化の活性化につながればいいとは思いますが・・・。
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