「本当に発売するとは・・・」なんて今さら驚いているわけではないですけど、やはり日本メーカーのプライドとして、このクラスのクルマにターボを付けるのはやめてほしかった・・・。日本には欧州ブランドの階級主義なんていらないですし、「上」と「下」で全く意味合いが違うエンジンを使い分けてユーザーを「差別」するなんていう文化を日本メーカーが率先して持ち込むことに違和感を感じます。まあ日産だけが悪いのではなく、スバルのレヴォーグも基本的には同じ考え方みたいですが・・・。
BMWもメルセデスもジャガーもベースグレードでは直4ターボが定番になっています。日本価格だとこれでも平気で400万円を超えてくるのですが、ハッキリ言ってそれほどの価値は絶対に無いと思います。どうしてもBMWやメルセデスに乗りたいという人には満足かもしれませんが、車重1600kgを超えるボディというだけでも、これらのクルマには直4エンジンで走らせるだけの能力が決定的に欠如しています。さらにパワーシート、電動ステアリング、電制ダンパー、後席用の快適装備などに多くの電気を使いますから、エンジンが小型になればなるほど設計上に無理が生じてきます。
新型スカイラインは世界初の技術を含め、さまざまな電制デバイスを積み込み大排気量エンジンを想定して設計がされました。しかし急遽、廉価版の2Lターボを積み込むことになり、深刻な電気不足に陥ることからステア・バイ・ワイアなどの新機能はかなりの割合でキャンセルされています。スカイラインHVの一つの売りであったクルマオタクが悶絶する「96通り」の運転モードなどもおそらく何事も無かったかのように消え去っているはずです。
ただしステア・バイ・ワイアのフィーリングにしても、運転モードの多さにしても、専門家筋からもそれなりに異論が上がっていて、さらに一般ユーザーからしてみたら「かなりどうでもいい」という意見も多そうなので、廉価ターボ版を販売する意義というのは小さくなさそうです。また日産にしても、日本市場限定でしかもフーガ以外の他車では使わなくなりつつある「2.5LのV6」エンジンを置き換えたいという意図もあるでしょう。レクサスISやクラウン、マークXとまだまだ台数が稼げるトヨタの「2.5LのV6」と比べると生産効率で大きく劣ります。つまり同じようなクルマを作っていても、常にトヨタの方が利益を出し易く、日産は不利な状況に置かれます。こうしたウィークポイントを無くすことは極めて妥当な選択と言えます。
今や2.5Lの6気筒エンジンを使っているメーカーなんてほとんど無くなっていて、トヨタと日産以外では中国製造のBMWが2.5Lの「V6」エンジンを積んで販売されているくらいだそうです。これだけ潰しが利かないエンジンを残しておくメリットはまったく無いですし、3.5LのHVがすでにこのエンジンを大きく凌ぐ経済性を発揮していますので販売理由もなくなっています。FFのティアナは軽量で高出力の直4NA(2.5L)の新型エンジンが搭載され始め、6気筒エンジンになんら劣らない静粛性を発揮しています。
スカイラインにもこのティアナ用の直4NAを使えば良いと思いますが、日産は縦置き(FR用)に設計変更するコストを無駄と判断したようです。また仮に出来たとしても、FFのティアナよりも、構造上重くてうるさくなってしまうFRのスカイラインにそのまま使うには、さらにプロペラシャフトやギアボックスの静音性の設計調整が必要ですし、重量増やトラクションの不利でティアナよりもパワーが出せない設計になってしまうのは目にみえています。
そして日本市場で売れているライバルのドイツ車が直4ターボを用いる中で直4NAを投入しても売りにくいという判断もあるかもしれません。とりあえず直4ターボのFRならばBMWもメルセデスもジャガーも日産もほぼ同じで価格面でちょっと有利な立場に立てればいいといったところでしょうか。BMW320iが466万円、メルセデスE250が599万円のところをスカイラインGT-tが383万円ですから、「ハリボテ・プレミアムカー」というジャンルでいよいよ日産が主導権を握る時代がやってきたかもしれません。そのために物議を醸した「日産」から「infinity」へのバッジ変更も推し進めました。
まあなにはともあれ、アメリカだけでなく、日本でもBMWを叩き潰すぞ!という気合いを日産陣営から感じることができます。BMWも劣勢が明らかになれば値下げを断行してくるでしょうし、世界的にも最高値の領域にあるドイツ車価格が是正されることは、とても喜ばしいことではないでしょうか? それでもやはりスカイライン買うなら腹括ってHVにすべきだと思いますが・・・。
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2014年5月28日水曜日
2014年5月19日月曜日
スバル・レヴォーグ 「ワゴンユーザーを悩ます"裸の王様"が登場」
スバルというブランドへ注がれる一般ユーザーの視線は、しばしば「盲目的」だなと感じることがあります。誤解を恐れずに言うならば、「AWDの肯定」というアウディやランボルギーニと同じ立ち位置から全てが始まっている!というアブノーマルな前提を認識せずに、他のブランドとは違うという「優越」意識を持つ「スバリスト」の思想は極めて危険です。ちょっと違うかもしれませんが、ロータスユーザーが2シーターで無いことを理由にBMWを批判するようなものかもしれません。
別にそんなことは大きなおせっかいで、今さら言わなくてもいいことなのですが、この「レヴォーグ」という新型車の存在価値をあれこれ考えると、やはり「AWDの肯定」というスバルのイデオロギーの前に、モータージャーナリズム全体がフリーズしていて、どうもシーン全体が「虚構」に塗固められていると感じてしまいます。レヴォーグは実は「裸の王様」ではないのか?という気がしてなりません。
とりあえず一人くらい正面切って批判する人がいてもいい気がします。なぜ「古臭くてダサい」といったアテンザやレクサスISでさえもぶつけられた厳しい一言が全くと言っていいほどに無いのか? そもそも全ての評論家はスバルに対しては一切の批判能力が麻痺します。スバルを表立って批判するのは、場合によってはプロライターという商売が出来なくなるほどのダメージを受けます。
あのウルトラ辛口な沢村慎太朗氏でさえも、「真のスポーツカーはロードスターと911だけ!」というめちゃくちゃカッコいい評論の中で、「ランエボとインプは別だけど・・・」とお茶を濁したほどです。国沢光宏氏はレクサスISを「発売前から既に古臭い」と酷評していましたが、レヴォーグのデザインはどのように評するのだろうか?
スバルが拘る「AWD」の長所としては「直進安定性」と「加速性能」の2つがあるわけですが、直進安定性についてはトラクションコントロールの進化により、駆動方式によって大きな差がつくわけではなく、車格によってどれだけのデバイスを使っているかによる比重が大きくなっています。FRでもFFでも一定の車格を持っているクルマならば、AWDにこだわる必要はないです。AWDの最近のトレンドは、メルセデスの「4MATIC」採用車種を見るとよくわかりますが、明らかに「加速性能」向上に重点を置いています。
高性能車の性能を判断する指標が、「0-100km/h」の到達タイムに絞られている中で、1800kgもの車体で4秒以内を叩き出すにはどうしてもAWDが必要になります。日産GT-R、ポルシェ911ターボ、アウディRS6/7、メルセデスE63AMG"4matic"はいずれも加速性能に特化したスポーツモデルです。これらのクルマはいずれも500psオーバーですから、直線の加速だけではスバル車では逆立ちしても敵いません。つまり「スバル=AWD=加速」という図式はすでに形骸化しているのです。
最近スバルが作ったクルマの中で一番世界を熱狂させているのは、間違いなくBRZです。スバルのアイデンティティを無視してトヨタが押し付けてきた、このFRスポーツはスバル陣営ではまるで腫れ物に触るような扱いだそうで、トヨタがノリノリでMCを進めようとしてもスバルがことごとく反対して、「ビッグマイナー」とはいかなかったようです。スバルにとっては他社のアイディアでクルマを作るなんて屈辱以外の何者でもないわけですが、一方でスバル独自の看板モデルである「WRX」とその兄弟車にあたる「レヴォーグ」には、そもそもどれほどの求心力があるのでしょうか? WRXは(日本ではあまり売れないから)アメリカで開発してアメリカで先行発売する!これが答えです。
スバルらしい「デザイン」「スペック」「ボディスタイル」を掲げてブランドイメージを凝縮した新型車「レヴォーグ」。これにスバリストの皆さんが熱狂するのは全くもって構わないですが、なんでそんなに「内輪」でばかり盛り上がるクルマを作っちゃうのかな?というところにスバルへの不満を感じてしまいます。
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別にそんなことは大きなおせっかいで、今さら言わなくてもいいことなのですが、この「レヴォーグ」という新型車の存在価値をあれこれ考えると、やはり「AWDの肯定」というスバルのイデオロギーの前に、モータージャーナリズム全体がフリーズしていて、どうもシーン全体が「虚構」に塗固められていると感じてしまいます。レヴォーグは実は「裸の王様」ではないのか?という気がしてなりません。
とりあえず一人くらい正面切って批判する人がいてもいい気がします。なぜ「古臭くてダサい」といったアテンザやレクサスISでさえもぶつけられた厳しい一言が全くと言っていいほどに無いのか? そもそも全ての評論家はスバルに対しては一切の批判能力が麻痺します。スバルを表立って批判するのは、場合によってはプロライターという商売が出来なくなるほどのダメージを受けます。
あのウルトラ辛口な沢村慎太朗氏でさえも、「真のスポーツカーはロードスターと911だけ!」というめちゃくちゃカッコいい評論の中で、「ランエボとインプは別だけど・・・」とお茶を濁したほどです。国沢光宏氏はレクサスISを「発売前から既に古臭い」と酷評していましたが、レヴォーグのデザインはどのように評するのだろうか?
スバルが拘る「AWD」の長所としては「直進安定性」と「加速性能」の2つがあるわけですが、直進安定性についてはトラクションコントロールの進化により、駆動方式によって大きな差がつくわけではなく、車格によってどれだけのデバイスを使っているかによる比重が大きくなっています。FRでもFFでも一定の車格を持っているクルマならば、AWDにこだわる必要はないです。AWDの最近のトレンドは、メルセデスの「4MATIC」採用車種を見るとよくわかりますが、明らかに「加速性能」向上に重点を置いています。
高性能車の性能を判断する指標が、「0-100km/h」の到達タイムに絞られている中で、1800kgもの車体で4秒以内を叩き出すにはどうしてもAWDが必要になります。日産GT-R、ポルシェ911ターボ、アウディRS6/7、メルセデスE63AMG"4matic"はいずれも加速性能に特化したスポーツモデルです。これらのクルマはいずれも500psオーバーですから、直線の加速だけではスバル車では逆立ちしても敵いません。つまり「スバル=AWD=加速」という図式はすでに形骸化しているのです。
最近スバルが作ったクルマの中で一番世界を熱狂させているのは、間違いなくBRZです。スバルのアイデンティティを無視してトヨタが押し付けてきた、このFRスポーツはスバル陣営ではまるで腫れ物に触るような扱いだそうで、トヨタがノリノリでMCを進めようとしてもスバルがことごとく反対して、「ビッグマイナー」とはいかなかったようです。スバルにとっては他社のアイディアでクルマを作るなんて屈辱以外の何者でもないわけですが、一方でスバル独自の看板モデルである「WRX」とその兄弟車にあたる「レヴォーグ」には、そもそもどれほどの求心力があるのでしょうか? WRXは(日本ではあまり売れないから)アメリカで開発してアメリカで先行発売する!これが答えです。
スバルらしい「デザイン」「スペック」「ボディスタイル」を掲げてブランドイメージを凝縮した新型車「レヴォーグ」。これにスバリストの皆さんが熱狂するのは全くもって構わないですが、なんでそんなに「内輪」でばかり盛り上がるクルマを作っちゃうのかな?というところにスバルへの不満を感じてしまいます。
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2014年5月12日月曜日
キャデラックCTS 「日本を諦めた?強気な価格設定・・・」
「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」をアウディA3が受賞しました。またしてもこの賞がVWグループの手に渡り、なんだかシラケてしまいましたね。今年で10周年になりますが、その内の6回をVWグループが受賞。しかも最近6年で5回目ですから完全に一人勝ち状態。これだけ独占するわけですから、他のメーカーを大きく凌ぐ成長を見せていると思いきや、トヨタやGMと肩を並べる販売台数のほとんどが新興国でのノックダウン生産で、まだまだ旧式のジェッタなんかを作って中国や東南アジアで売りさばいています。なんじゃそりゃ?
しかもこれだけ受賞を重ねていながらも、世界最大の市場であるアメリカでは売上減に歯止めがかかりません。それもそのはず、VW自慢の受賞車であるポロ・up!はアメリカでは販売されておらず(誰も買わないから)、アウディA3もセダンのみの販売です。ゴルフは不人気すぎてコンセプトはブレまくりで、販売の主体はSUVとパサート/ジェッタです。そんな「正義」の国・アメリカを代表する"ラグジュアリーカー・ブランド"であるキャデラックがいよいよ本腰を入れて欧州や日本で活発に展開されるようです。これには思わず、頭空っぽのドイツ車信者達を片っ端から退治してほしい!なんてささやかな期待をしてしまします
キャデラックの旗艦モデルCTSがいよいよFMCを迎え、絶妙なボディサイズやエクステリアの進化がかなり意欲的な様子が伺えます。基本的にアメリカメーカーを蔑視する姿勢を、21世紀になっても貫き通している日本の愚鈍なカーメディアのフィルターを通してしまうと、このクルマの正確な立ち位置が全く伝わらないですね。どのライターの記事も大同小異に「ドイツ車にかなり近づいていてなかなか良い」みたいなことが書いてあります。
なんで個性を競うライター稼業で、バカみたいに同じようなことを書いているのだろうか? 他のクルマだったらもっとそれぞれに個人の引き出しがあって、それを発揮できているのになんで「キャデラックCTS」の前では思考が停止してしまうのか不思議です。そもそも公然の事実としてキャデラックのATSと新型CTSはドイツのオペルが主体になって開発をしています。つまり「ドイツ車に近い」ではなくてドイツ車なのです。
もちろん記事を書いているライターはそんなことは百も承知です(のはずです)。海外メディアはオペルが開発したと堂々と報じているので、「大人の事情」による規制ということはなさそうです。おそらく「ドイツ車=至高」&「アメリカ車=愚鈍」という彼らの信念が大きく干渉して、その結果として伝えるべき「真実」を覆い隠しているような気がします。新型CTSに関するほとんどの記事を読み終えて、浮かんだイメージは「アメリカもやっとドイツ車の良さが分るようになった」ということです。
しかし「真実」(=データ)はこれとはまったく逆です。特に近年ではドイツ車はアメリカでの人気は低調です。日本人の多くは「レクサスはアウディのパクリ」と信じているようですが、アウディなんてドイツではBMWを凌駕する存在になりましたが、アメリカではアキュラ(ホンダの高級車ブランド)の後塵を拝する残念なブランドです。アメリカでシェアを伸ばしているレクサスはドイツ車とは全く別の世界観を見せています。たとえ「真実」と乖離した評論になっていようともそんなことは全く気にしないのが日本のジャーナリストの図太い所で、同じように「ドイツ車=至高」と考える単細胞な読者に迎合しておけばOKなんでしょうね・・・バカバカしい話です。
新型CTSが「内装もドイツ車に全く引けを取っていない」ってのもなかなかナンセンスで、馬鹿な読者に必死で迎合する「魂を売り渡した」記述ですね。Eクラスや5シリーズの内装が「チープ」とは言いませんが、レクサスGSや日産フーガのクオリティに比べれば、確実に数段落ちるレベルなわけです。じゃあGSやフーガはどこを見て内装のクオリティを決めたのか?ってなりますよね。そしてどちらも欧州で売るクルマではないわけです。そう北米市場でキャデラックを超える”ラグジュアリーカー”を目指して作られているわけです。そのキャデラックを引き摺りだして「ドイツ車に引けを取っていない」なんて堂々と(わざと)書くわけですから、呆れてしまいます。
ドイツメーカー(オペル)が、キャデラックの新しい魅力を引き出すために奔走して、オペルの「プレミアムブランド」としての新生キャデラックが生まれました。ってことなんですが、残念ながら日本価格もドイツメーカー車らしいものになってしまいました。先代は3.0Lと3.6L(どちらもNA)の二本立てだったのですが、新型は3.0Lがダウンサイジングされ2.0Lターボとなり、日本ではこの2.0Lターボのみの「699万円」という価格設定になりました。先代の3.0Lが「549万円」だったわけですから、いくらマイナー車種だからといってもやり過ぎじゃないかと・・・。
ちなみに新型の2.0Lターボの北米価格は4万5000ドルで、これはフーガ(3.7L)とほぼ同じ価格です。フーガの日本価格はベースグレードで451万5000円ですから、まあ先代の価格くらいが妥当だったと思います。しかし今さら550万円で売ったところで、大型化してもコスパ抜群のスカイラインの魅力には太刀打ちできませんし、それならば一層のこと価格を上げて「高級車」であることをアピールした方が得策と考えたのかもしれません。まあBMWやメルセデスと比べて、軽くてパワーもある設計なので、いまさら「アメリカ車=愚鈍」というのは筋違いだと思いますね。ニュル最速タイムも日産とポルシェがいがみ合う中でアメリカメーカーがさらっていったわけですから・・・。
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しかもこれだけ受賞を重ねていながらも、世界最大の市場であるアメリカでは売上減に歯止めがかかりません。それもそのはず、VW自慢の受賞車であるポロ・up!はアメリカでは販売されておらず(誰も買わないから)、アウディA3もセダンのみの販売です。ゴルフは不人気すぎてコンセプトはブレまくりで、販売の主体はSUVとパサート/ジェッタです。そんな「正義」の国・アメリカを代表する"ラグジュアリーカー・ブランド"であるキャデラックがいよいよ本腰を入れて欧州や日本で活発に展開されるようです。これには思わず、頭空っぽのドイツ車信者達を片っ端から退治してほしい!なんてささやかな期待をしてしまします
キャデラックの旗艦モデルCTSがいよいよFMCを迎え、絶妙なボディサイズやエクステリアの進化がかなり意欲的な様子が伺えます。基本的にアメリカメーカーを蔑視する姿勢を、21世紀になっても貫き通している日本の愚鈍なカーメディアのフィルターを通してしまうと、このクルマの正確な立ち位置が全く伝わらないですね。どのライターの記事も大同小異に「ドイツ車にかなり近づいていてなかなか良い」みたいなことが書いてあります。
なんで個性を競うライター稼業で、バカみたいに同じようなことを書いているのだろうか? 他のクルマだったらもっとそれぞれに個人の引き出しがあって、それを発揮できているのになんで「キャデラックCTS」の前では思考が停止してしまうのか不思議です。そもそも公然の事実としてキャデラックのATSと新型CTSはドイツのオペルが主体になって開発をしています。つまり「ドイツ車に近い」ではなくてドイツ車なのです。
もちろん記事を書いているライターはそんなことは百も承知です(のはずです)。海外メディアはオペルが開発したと堂々と報じているので、「大人の事情」による規制ということはなさそうです。おそらく「ドイツ車=至高」&「アメリカ車=愚鈍」という彼らの信念が大きく干渉して、その結果として伝えるべき「真実」を覆い隠しているような気がします。新型CTSに関するほとんどの記事を読み終えて、浮かんだイメージは「アメリカもやっとドイツ車の良さが分るようになった」ということです。
しかし「真実」(=データ)はこれとはまったく逆です。特に近年ではドイツ車はアメリカでの人気は低調です。日本人の多くは「レクサスはアウディのパクリ」と信じているようですが、アウディなんてドイツではBMWを凌駕する存在になりましたが、アメリカではアキュラ(ホンダの高級車ブランド)の後塵を拝する残念なブランドです。アメリカでシェアを伸ばしているレクサスはドイツ車とは全く別の世界観を見せています。たとえ「真実」と乖離した評論になっていようともそんなことは全く気にしないのが日本のジャーナリストの図太い所で、同じように「ドイツ車=至高」と考える単細胞な読者に迎合しておけばOKなんでしょうね・・・バカバカしい話です。
新型CTSが「内装もドイツ車に全く引けを取っていない」ってのもなかなかナンセンスで、馬鹿な読者に必死で迎合する「魂を売り渡した」記述ですね。Eクラスや5シリーズの内装が「チープ」とは言いませんが、レクサスGSや日産フーガのクオリティに比べれば、確実に数段落ちるレベルなわけです。じゃあGSやフーガはどこを見て内装のクオリティを決めたのか?ってなりますよね。そしてどちらも欧州で売るクルマではないわけです。そう北米市場でキャデラックを超える”ラグジュアリーカー”を目指して作られているわけです。そのキャデラックを引き摺りだして「ドイツ車に引けを取っていない」なんて堂々と(わざと)書くわけですから、呆れてしまいます。
ドイツメーカー(オペル)が、キャデラックの新しい魅力を引き出すために奔走して、オペルの「プレミアムブランド」としての新生キャデラックが生まれました。ってことなんですが、残念ながら日本価格もドイツメーカー車らしいものになってしまいました。先代は3.0Lと3.6L(どちらもNA)の二本立てだったのですが、新型は3.0Lがダウンサイジングされ2.0Lターボとなり、日本ではこの2.0Lターボのみの「699万円」という価格設定になりました。先代の3.0Lが「549万円」だったわけですから、いくらマイナー車種だからといってもやり過ぎじゃないかと・・・。
ちなみに新型の2.0Lターボの北米価格は4万5000ドルで、これはフーガ(3.7L)とほぼ同じ価格です。フーガの日本価格はベースグレードで451万5000円ですから、まあ先代の価格くらいが妥当だったと思います。しかし今さら550万円で売ったところで、大型化してもコスパ抜群のスカイラインの魅力には太刀打ちできませんし、それならば一層のこと価格を上げて「高級車」であることをアピールした方が得策と考えたのかもしれません。まあBMWやメルセデスと比べて、軽くてパワーもある設計なので、いまさら「アメリカ車=愚鈍」というのは筋違いだと思いますね。ニュル最速タイムも日産とポルシェがいがみ合う中でアメリカメーカーがさらっていったわけですから・・・。
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