軽自動車はどれだけ走っても・・・という意見は当然にあるだろうけども、そこいら中でノロノロと走る高性能車の中には300psオーバーを誇るエンジンパワーの内せいぜい100ps程度しか使われないで廃車になっていくクルマもあることでしょう。そんな状況を考えれば車重さえ軽く抑えてくれれば64pだからダメということはないかな・・・。
何よりMRで作ってしまったところがこのクルマの価値であることは明らかです。日本で発売されるクルマのハンドリングは国産・輸入問わずどんどんスポイルされていて、BMWだろうがマツダだろうがスバルだろうが、もはやそういう部分だけでクルマを考えてはいないみたいです。ハイブリッドになったりディーゼルになったりで車重が膨らみ続ければ、ハンドリングマシンなんて言ってる場合じゃなくなってしまうのも仕方ないでしょう。低速トルクが高まれば、ピッチを押さえ込んでトラクションを制御して、その結果すべてが機械制御による味付けになり、結論としては”曲らない”クルマへと成り果てていきます。
某雑誌の企画でメルセデスの新型AWDスポーツと、ポルシェのMRスポーツで"ハンドリング"を競うというものがありました。結果はハッキリとしたものだったらしく、曲る要素が一つもないAWDメルセデスと、基本設計からしっかり曲げようとしているポルシェでは、全く勝負にならないくらいの差があるのだとか・・・。日産が血眼になって新型スカイラインに新機構のハンドリングシステムを投入したことを見ても、市販車のハンドリングの基準はどんどん劣化しているといってもいいかもしれません。30年前からそのままの日本の道路を走るには今のクルマには多少やっかいになりつつあるようで、オレンジのセンターラインでも平気ではみ出しているクルマが目立ちます。昔のクルマと比べてワイドになっているだけでなく、ハンドリングの問題も確実にあると思います。
もちろんクルマの設計だけでなく、タイヤのコンディションでも大きくハンドリング性能は変わってくるのでしょうが、やはり「軽量MR」という設計のクルマはそのアドバンテージから、これからの時代はさらに現実的に大きな意味を持ってくると思います。メルセデスとルノーが開発した新しいBセグプレミアムHBは、なんと大胆にもRRレイアウトに変更になるそうですが、その理由もハンドリングにあるように思います。やはりホイールベースが短くなればなるほどFF車の走行性能は低いレベルでしかなくなってしまうというので、更なるクルマの進化を考えるなら抜本的な手段が必要です。そしてそういうギミックを真っ先に仕掛けてくるのは、実はスバルでもマツダでもなく"メルセデス"であり"ホンダ"というわけです。
トヨタグループのダイハツも来年に軽スポーツの発売を控えていますが、こちらは純然たるFF設計で、トヨタグループが力を入れている「ファッショナブル・スポーツ」という新しいジャンルのクルマです。ユーザーをその気にさせるのは「基本設計」よりも「エクステリア」だという明確なヴィジョンが見えます。とりあえずハンドリングなんて気にしないならば、ホンダのS660よりも気に入るという人も結構多いかもしれません。
一方でホンダS660の内装にはやや「???」な部分があります。何かクルマ以外の乗り物にインスパイアされたようなコクピットデザインは、このクルマの一つの売りなんでしょうが、これを見て興味が失せてしまう人も相当いそうな気がします。発売までに別バージョンのエクステリアが用意されて選択できるようになると予想しますが、公開されているものはちょっと「幼稚」な気がしないでもないですね・・・。説教くさい言い分かもしれませんが、「基本設計」を頑張ったクルマこそ、こういう些細な点でつまづかないようにしてもらいたいと思います。少しはトヨタの「ファッショナブル・スポーツ」に学んでもいいのでは?
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