スカイラインの原型である「プリンス・スカイラインデラックス」は1957年に発売されていて、ボデータイプは4枚ドアのセダン。旧立川飛行機系のプリンスと旧中島飛行機系の富士精密工業が1954年に合併して「富士精密工業」と名乗っていた時代の話です。日産との合併は1966年なので、「スカイライン」の名を轟かせた東京オリンピックの年のポルシェ904GTSと互角の戦いを見せた日本グランプリがあったときもまだ社名は「プリンス自動車工業」でした(1961年〜)。
その後の4代目「ケンメリ」の時に作られたGT-R(1973年)で2ドア化され、5代目スカイライン(1977年〜)からは2ドアが通常グレードにも置かれるようになりました。これが「スカクー」の始まりといえるかもしれません。半世紀以上の変遷を滞ることなく経たことで「スカイライン」という車名には幾多のイメージが付加されていますが、「セダンにしては武骨」「クーペにしては淡白」・・・スカイラインのイディアはセダンなのか?クーペなのか?考え始めると夜も眠れなくなります。
もちろん私が勝手に結論したところでどーなる話でもないんですけども、ブログでアホみたいにクルマを語るならば、それくらいの見識は持っておいた方がいいかな〜くらいのしょうもない動機もありますが、実際にスカイラインのオーナーになるなら「セダン」と「クーペ」どっちを買うべきか?それはなぜか?・・・日産っていろいろ「重みがある」ブランドです。他にも「フーガはプリンス・グロリアなのか?日産・セドリックなのか?」などなど。
そんなところに出てきたのがインフィニティQ60の新型です。・・・いまさら旧プリンスか?旧日産か?なんてのはどうでもいいことですけど、日産が体現する「GTカーの系譜」の中でいったいこのクルマはどの位置を占めることになるのでしょうか? 国内専売モデルとして2002年に終焉した34系スカイラインに代わり35系スカイラインがグローバル車となり、初代から北米で売れたフェアレディZがZ33になってFMプラットフォームでスカイラインと共通化されて以来の14年落ちのシャシーを使って登場します。
日本中心の視点で見ていると、「旧プリンスのスカイラインが世界で戦う戦闘力を得た!!!」みたいな話になってしまいますが、日産がプレミアムブランド部門で勝負するためのクルマを単なるビジネス上の判断で作り、それに廉価で調達できるメルセデス直4ターボエンジンをこれまたビジネス上の判断で載せていて、それを日本では「スカイライン」と名付けて売っているだけです・・・そう言われたら認めざるを得ません。日本の自動車産業の精神的支柱がボキっとへし折られてしまったかな・・・、そして日本車へのリスペクトが無い連中からは「日本メーカーは伝統を軽んじている」と虐げられます。
中には伝統を重んじない日本メーカーもあるかもしれません。しかし日産には決して「侮って」はいけないくらいに燃えたぎる情熱をまだまだ随所に感じるのです。「最強とはプリンス」「最強とは日産」「最強とはR」・・・たとえフランス人が支配していても、ポルシェを叩き、BMWを潰す・・・メルセデスがその実力を認める頼れる同盟者・日産です。そんなメーカーの「多くの希望」がそのまま詰まったクルマがこの「スカイラインクーペCV37系」だと思いますよ。とりあえずポルシェより速く!!!BMWより高いボデー剛性!!!・・・これくらいは日産には朝飯前です。
歴代のフェアレディZが大望を掲げて挑戦し見事に制した北米の地盤を引き継ぐ相伝の「夢」・・・。プリンスの源流の1つ「富士精密工業」が、70年以上前に袂を分けた「富士重工」との時空を越えての対峙・・・「スカイライン」VS「WRX・S4」に続く「スカイラインクーペ」VS「スバルBRZ」への感懐。・・・まあどれもクルマ好きの単なる「思い込み」に過ぎないのかもしれないですけど。それくらいに感じ入らないとクルマなんてまともに買う気にならないのもまた事実なんですよ・・・。どれだけ真剣に想い込めるか!?これからのカーライフはそんな「人間力」によってのみ満たされるんじゃないかと・・・思う次第です。
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