2026年1月27日火曜日

トヨタRAV4 (2025年12月FMC)

 

30年で王座へ

トヨタのRAV4がFMCで6代目となった。初代(1994年)と2代目(2000年)は、当時のカローラがベースで、今のヤリスクロスのサイズでしかなかった。3代目(2005年)と4代目(2013年・日本発売なし)では、カローラからアルファードまで幅広く統一規格化されたMCプラットフォームとなり、ショートボデー版が現行カローラクロスのサイズで、ロングボデー版が今のいわゆるミドルSUVのサイズとなった。2013年に日本向けハリアー(3代目)がMCプラットフォームとなり4代目RAV4に替わって販売された。


2018年登場の5代目(先代)からは、TNGAのKプラットフォームとなり、新設計のダイナミックフォースエンジン(日本2L、北米2.5L)も同時に投入され、大規模な刷新による新車効果でデビューから大人気となった。北米のSUVブームと重なり年間100万台を突破し、全車種で世界一の販売を誇る。そして新型となる6代目では、シャシー&エンジンの刷新もないので、日本仕様にも北米向け2.5L自然吸気が搭載されるなどの変更が期待されたが、予想を超える変化で中国仕様以外は全車HEV化された。


法規対応のFMCなのか!?

先代(5代目)は、日本以外にカナダ、中国、アメリカ、ロシアの5拠点で生産されていたが、新型は日本、カナダ、中国のみとなっていて、政情不安のロシアは予想通りだが、アメリカ・ケンタッキー州の工場は、日本向けに輸出できるモデルが割り当てられるのかもしれない。また先代では中国と日本で生産されていた2Lエンジンの非HEVモデルが日本から無くなったのも、2026年7月に迫る自動車サイバーセキュリティ法規制(日本)の猶予期間終了や、同じく2027年12月が期限のEUサイバー・レジリエンス法が関係してそうだ(欧州向けは日本生産)。


新型RAV4発表時に、車載ソフトウェアを統合管理する「アリーン」を初搭載することが発表された。従来のトヨタ車は1台のクルマの中で複数のOSによって分割制御されていたが、新興BEVメーカーで一般的に行われている統合管理するシステムを、HEVが主体のトヨタ車でも採用するということだ。条件付きハンズオフ自動運転で先行する日産、ホンダに対して、「アリーン」の採用で技術的に同程度あるいは優位に立つことができると思われる。将来的にはKINTOで下取りしたアリーン車をロボタクシーに転用するなどの流通を考えているのかもしれない。



強気な価格

HEVが先に発表され、PHEVも予告されているが価格は未定だ。HEVはエクステリアが2種類あり、北米トヨタっぽいクールなイメチェン仕様が「標準車」で、先代の面影を残すコンサバ仕様が「アドベンチャー」となっている。乗り出し500万円越えで、ちょっと前のレクサスNXみたいな価格になっていて、さすがに販売台数は減るだろうが、フロントマスク部分だけとはいえ2パターンのデザインを作ってくるトヨタの「ユーザーが喜ぶクルマを作ろう」という心意気が素晴らしい(ハリアー廃止フラグか!?)。


現状では「アドベンチャー」の450万円が最廉価モデルとなる。一足先に発売された現行フォレスターのS:HEVは420万円〜の設定だが、スバルではこの10年で最大級の初期オーダー数を記録したらしい。フォレスターが縦置きでモード燃費18.8km/Lに留まるのに対して、RAV4は22.9km/Lなのが強気の価格設定の理由だろうか。トヨタのE-FOURの燃費に対して、スバルのシンメトリカルAWDの低重心エンジンと最適化されたミッションが自慢で、トヨタとスバルのクルマ作りの分岐が明確となっていて面白い。



初期は尖っていた

RAV4とフォレスターは現在のようなSUV全盛期(2015年頃)のかなり前から継続して生産されているシリーズだ。両車ともに初期モデルは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」の名に相応しいグレードが用意されていて、初代RAV4には2L自然吸気の3S-GEをヤマハがチューンして180psまで引き上げ、車重がわずか1180kgに抑えられたモデルがあった。フォレスターにも初代から4代目まで280psの2Lターボ(EJ20、FA20)が設定されていた。どちらも復活させたら人気になりそうだが、前述のようにRAV4はボデーサイズがもはや別物だ。


ハイオク指定で7〜9km/L程度となるカリカリのスポーツエンジンを、車重が嵩むSUVに搭載するグレードは、ガソリン価格が底なしに上がる環境で量産車としては商品力を失ってしまう。軽量なロードカーこそがスポーツカーであるべきとの信念を持つホンダとMAZDAが、ファミリーカー(ミニバンの代替)としてSUVを手掛けるようになり大きな成功(ヴェゼル & CX-5)を収める。SUVの先駆的存在だったRAV4やフォレスターが、それぞれ5代目となる先代モデルからホンダ、MAZDAの成功に乗っかる形で、現行のTHSによるミドルSUVとなった。



ミドルSUVの上位価格

生まれ変わったRAV4とフォレスターは、それぞれトヨタとスバルのグローバルでの最量販モデルとなっている。VWはティグアン、日産はローグ(エクストレイル)、ホンダはCR-V、MAZDAはCX-5で、北米市場に参入している日独のメジャー志向のメーカーは全て同じ傾向が見られる。よくカーメディアやユーチューバーが、「CX-5はMAZDAの生命線」とステレオタイプに表現するが、他のメーカーにおいても状況は似たようなものだ。


新型RAV4がデビューする前に、トヨタはクラウンのシリーズ大変革とグローバル展開を実行した。ブランドの威信を賭けたフラッグシップ大刷新という決断は、停滞する業界内でトヨタだけが唯一大きく「動ける」ことを示した。RAV4が属するミドルSUVは良くも悪くも横並びで販売シェアを大きく取っているが、その状況下でクラウンがミドルSUVより上の価格帯で、北米伝統のピックアップや、各国の政府需要も多いラダーフレーム(ランクル、トライトン)を除いて、10万台単位の個人向け販売を成功させるのはトヨタとはいえ至難の技だ。



クラウンと同等の設計

クラウンシリーズは、ミドルSUVでは現時点で採用例がない21インチのタイヤを使用して外観で差別化をし、全車HEV化でこれまで高級車が成し得なかった優秀な燃費性能が与えられ、静粛性、ソフトな乗り心地が作り込まれ、さらにHEVの弱点と言われてきたトランスミッションの改良も大幅に進んだ。ミドルSUV群の上位モデルを求める高所得層は、有名ブランドの記号的価値で動いてしまう。高価格帯モデルをユーザーの不満が出ないクルマを作れてしまうのは大衆ブランドではトヨタだけかもしれない。


刷新されたクラウンの後から、同じKプラットフォームを使う新型RAV4が出てくる。さすがにリアサスやミッションなど諸元表に示されるスペックでは差別化されるが、パラメータで出てこない静粛性や乗り心地の部分でRAV4へ技術が降りてくる。実際にトヨタが得意な〇〇%向上しましたが、今回のFMCでも多数発表されている。パワーユニットもクラウン(セダンを除く)の販売経験からHEVとPHEVのみの設定で可能だと判断したようだ。前述の通り北米もHEV、PHEVのみで、中国だけ2Lガソリンが継続する。



トヨタらしくない無敵な雰囲気

トヨタにとって絶対に失敗できないRAV4であるが、先代のように400万円以下の乗り出しに抑えたいユーザーには、HEVのカローラクロスが用意されていて、先代RAV4からクラウン、ランクル250、レクサスへステップアップするユーザーに決断を迫るように価格帯を上げてきた。とはいえ、先代からの乗り換えはHEVの場合はリセールも良いので、新型へと更新する場合でも追い金は200万円以下に収まるだろう。


乗り心地には好き嫌いがあるだろうけど、トヨタはすでにミドルSUVとその上位モデル向けの様々な機能をカタチにしている。先代RAV4では、ホンダのシャシー&エンジンを研究し、MAZDAのクルマ作りを会長の号令のもと分析した綿密な開発戦略によって世界一になった。非HEV車が無くなったとはいえ、大きな変更はないのだからトヨタの中では安心して選べるモデルだと言える。あまりの販売の強さゆえにがミドルSUV市場を破壊するかもしれないが・・・。


後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2026年1月27日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する 自動車 メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。


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2026年1月12日月曜日

ホンダCR-V e:HEV (2026年2月グレード追加)

 

トランプが日本市場を救う!?

2026年2月からホンダがCR-Vのe:HEV車を日本市場に投入する。生産はオハイオ州のイーストビレッジ工場で、第二次トランプ政権の強引な政策を受けて、ホンダが北米生産車の日本向け輸出に舵を切った。トヨタ(カムリ、ハイランダー、タンドラ)、日産(パトロール)にも同じような動きがあり、日本の自動車産業の基盤が何だか変わりそうな2026年である。


CR-Vだけでなくソニーと共同開発した新型BEVのアフィーラもオハイオ州の工場で生産され、2027年に日本に導入する予定だと報道されている。北米生産車を日本に持ってくる流れが定着すれば、ハンドル位置を変えるのは手間だろうけど、アキュラのインテグラやTLXも日本に導入して、ポルシェの718ケイマンやパナメーラみたいなステージで売ればいいと思う。ホンダのe:HEV化戦略には逆行するけど、これはスポーツモデルだ!!と宣言すればいい。10速ATの技術力を日本でも見せつけて欲しい。



外国製フラッグシップ集結

CR-V・e:HEVの導入で、これまでは日本市場では影が薄かったけど、e:HEVに最適化されたホンダの重量級ファミリーモデルへの注目が高まることが期待される。中国製オデッセイと、タイ製アコードにアメリカ製CR-Vが加わり、グローバルで評価されるホンダのグランドツアラーがもっと認知されそうではある。ホンダが誇るSUV、セダン、ミニバンの3つのフラッグシップというだけで、クルマに詳しい人ならば、とりあえず「間違いない完成度のクルマ」であることはすぐに察する。


北米市場にはパイロット(これも日本導入の噂あり)のような規格外サイズのSUVが用意されているとはいえ、ホンダのフラッグシップがプレリュードを含めe:HEVで日本市場に全て揃った。価格帯でトヨタのクラウンやアルファードを想定しているので小粒な印象になってしまうが、ポルシェやBMWを部分的かもしれないが走りの質感で越えていく醍醐味こそが、日本で最後発ながら一流メーカーへと成長を遂げたホンダの本来の姿だ。



ホンダの本来の評価

3代目の北米版オデッセイは「ピープルムーバーのBMW」として2008年頃に北米で大ヒットした。3列シートでフロントに寄ったドライバーズポジションながら、BMW5シリーズのような操縦性と安定感を誇る「オンリーワン」なクルマと評された。トヨタ車は車体が大きくなるほど操縦性や乗り味への言及はされなくなるが、ホンダ車は重量が増えるに応じて足回りの強化をしっかり行うため、トヨタ車に比べて価格がやや割高になる傾向がある。


BMWアルピナのように、車体を補強して重量が増えた分だけ、上のクラスのパーツを使って足し算で強化するクルマ作りを、セダン、ワゴンではなくて、ピープルムーバーでも妥協せずに行うホンダのクルマ作りは、ステップワゴンやフリードに根強いファンを生んでいる。SUVにもその思想は受け継がれていて、ヴェゼル、ZR-Vともに「走りの良さ」を理由に多くのユーザーが選んでいる。



フルスペックSUV

今回e:HEVで導入されるCR-Vは、車内の居住性を目的にSUV化されたヴェゼル、ZR-Vとは異なり、市販SUVでは最高クラスに位置する最低地上高210mmを実現している。ふざけたカーメディアがSUVレビューの際に、何の根拠もなく「悪路走破性」を語り、読者は勝手にジムニーが土手みたいなところを走るところを想像する。交通量の多い道路ではりりえないが、地方の道路では路面が裂けていたり、深さ10cmはありそうでタイヤが沈み込むような穴が空いていたりする。


最低地上高が140mm程度のロードカーだと、ガタガタの道を通過するのに、車体下部を傷つけないように神経を使うが、210mmのSUVに乗っているときは気にせずに通過できる。ヴェゼルのAWD車は170mm、ZR-Vが190mmで、フォレスター(220mm)、CX-5(210mm)、ジムニー(205mm)に比べるとSUVとしてフルスペックではなかった。機能性重視のホンダが、フォレスター、CX-5に匹敵する本格派SUVを日本に投入してきた。完全に成熟したSUV市場で、ユーザー側の認知も高まりそろそろまともに評価されるようになってもいいのでは。



スバルファンの批判を弾き返す

街中ではフルエアロを組んで、エスティマみたいなボデーになったハリアーをたまに見かける。195mmの地上高がさらに下げられてカローラクロス(160mm)みたいな、SUVなのに床下をぶつけないか気にしなければいけないクルマになっていて、失礼だけど「頭が悪いチューニング」だと思う。トヨタSUVに乗る人の認識はおそらく、RAV4(195mm)が悪路走破性高く、CX-5(210mm)が低いとカーメディアによって洗脳されているのだろう。


クロストレックやレイバックも200mm以上の地上高を確保するスバルのファンからすれば、CX-3(160mm)、CX-30(175mm)、CX-60(175mm)のような、居住性確保が目的のSUVも多く出しているMAZDAはポリシーが低いかもしれない。それゆえにCX-5はMAZDAにとってブランド価値を維持する重要なモデルだ。同じ理由でホンダのSUVもスバルユーザーに鼻で笑われていた部分もあったのだけど、今回のCR-Vの再登場で意味合いが変わってくる。



日本メーカーと有名ブランド

都市部ではポルシェ、BMW、ランドローバーといった高級SUVブランドが人気だ。2000万円くらいするフラッグシップのモデルとCR-Vを比較するのは流石に無茶だけど、これらのブランドの1000万円を下回るくらいに位置するマカン、X3、ディフェンダーが相手ならば好敵手になる。MAZDAは縦置き直6の後輪駆動に憧れて過ぎてCX-60を作ってしまったが、実際のところ横置き直4ベースのCR-Vでもe:HEV技術の恩恵で、動力性能、燃費、静粛性、操縦性、安定性どのパラメータでも引けを取らない。


1990年代に英国ローバーを支え、英国工場を建ててOEM車の導入して名門を復興させたのがホンダだ。販売が回復したローバーをM&Aで手に入れたのがBMWで、その際のランドローバーの設計がX3などの設計につながっている。横置きとなったX1のベースもMINIの技術の活用で、やはりホンダの横置き設計が取り入れられている。さらにレンジローバー・イヴォークのシャシーはMAZDAがフォード時代に開発したものが採用されている。輸入ブランドのSUVがレベルが低いというわけではなく、ホンダやMAZDAの技術は世界最高レベルにあるということだ。



MAZDA天下の時代は終わる!?

MT車だったらトヨタ、日産、ホンダ、MAZDA、スズキ、ポルシェ、BMWどこのブランドでも楽しいが、2ペダルのオートマティックで選ぶとすれば個人的な意見で恐縮だがMAZDA1択だ。長時間走っても退屈しないダイレクトな操縦性にこだわるMAZDAが絶対的に正解だと思っている。しかしプレリュードに続いてe:HEVのCR-Vは、MAZDA以外で選びたくなる2ペダルが出てきた。自然吸気エンジンに熟成ATを組み合わせたMAZDAがこれまで乗り味で優位だったのはある意味で当然であるが、この格差を埋めるべくホンダも(トヨタも)HEV用ミッションの改良に努力してきた。


CR-Vのe:HEVは、クルマに煩いMAZDA、スバル、そして輸入SUVユーザーからもホンダブランドの中で特別に注目を浴びるクルマだと断言できる。本体価格500万円オーバー&北米生産ゆえにミドルSUV販売のトップに立つのは難しいだろうけど、このクルマの潜在ユーザーはホンダが抱えるN-BOX、ヴェゼルからのステップアップ・ユーザーというよりは、これまでホンダ車に乗っていなかった層に多いのではないかと思う。アウトランダーやエクストレイルを積極的に選ぶ層(トヨタNG派)の比較候補にも断然上がるだろう。



後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2026年1月12日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する 自動車 メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。



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