もちろん現行ではなく新型(年内発売?)のインプレッサの話です。「欧州車を完全凌駕」・・・最近こういうの多いですね。「HVのセダン世界最速(スカイライン350GT)」とか「直4ガソリンターボで最高の圧縮比(マツダの2.5Lターボ)」とか・・・AMG車に載るファクトリーエンジンが強烈というならわかりますけど、量販車の一般グレードのエンジンやらシャシーやらが「世界最速」を指針にするのは、ブランドに対する自己評価の低さの裏返しなのかな〜・・・という気がします。スバル・日産・マツダどこも素晴らしいです!もっと自信持っていいと思うんですけどね。
現行インプレッサから派生した「WRX S4」を1年ちょっと前に試しました。300psをひねり出すターボエンジンともなると、ここまでNVH(騒音・振動)がひどいものかとガッカリさせられました。確か休みの1日にディーラーを3つ予約して「ゴルフGTI」「37スカイライン350GT」「WRX S4」の3台を試しましたが、ターボの2台はスカイラインと大きな格差がありました。FRのスカイラインもディーラーまで乗り付けた愛車の先代アテンザよりもちょっと酷いくらいでした(プロペラシャフトがあるから不利ですけど)。
ゴルフGTIは210psの出力にシャシーが負けるなんてこともなく、ミッションも滑らかに動いていて、スポーティで軽快なクルマだと割り切れば、世界的に売れる理由もなんとなくわかります。それに対してWRX・S4はシャシーが辛かったかな、FFやFRとの乗り比べの中で1台だけAWDでしたからハンドリングもなんか「のらりくらり」な感じで印象が悪く、CVTのダイレクト感欠如がさらに印象を悪くして、とどめはAWDゆえのスタビリティの悪さ・・・。駆動輪が2つから4つになるだけで、加速時は路面によって絶えずグリップするポイントが変化してゆさゆさします。(スタビリティがDセグのトップレベルに比べて足りないかな・・・)
別にAWD「だけ」のせいというわけではなく、WRX・S4の場合は300psですから出力があり過ぎます。また自然吸気が基本の日産やマツダと比べてピーキーなターボエンジンですから、CVTで抑え込んでいるとはいえミッション系のノイズが大きいという宿命ではあるとは思います。現行インプレッサ派生車の最大の難点だと思われる「NVH」を劇的に改善して、これはスゴい!と「感動」の領域に踏み込んだときこそ、「欧州車を完全に凌駕!」スバルはやっぱりすごいな!ということになるのですが・・・さていよいよ年内に期待の新型インプレッサがデビューするようです。
「スバル・グローバル・プラットフォーム」のリリース情報には「車体剛性の向上」「重心の低下による走行性能の向上」「NVHの低減」などが強調されています。さらに「欧州車を凌駕する動的質感」という素人には少々わかりにくい表現が出てきます。動的質感ってなんだ?スバルが定義するには、ドライバーの意志に沿った挙動ができるマシンなんだそうです。マツダがしばしば標榜する「人馬一体」と同じようなものでしょうか?
マツダとスバルにはそれぞれに良さがあるのにな・・・。マツダは徹底的にハンドリングを「エモーショナル」にするために、テールハッピーに仕上げたり、車重そのものを抑え込むクルマ作りをやってますね。レクサスGSとほぼ同じサイズのアテンザの最も軽いモデルはわずかに1440kg。ここまで頑張ってしまうと、軽量化に限度があるFR勢(BMW、メルセデス、レクサス、日産)よりもワインディングでは楽しめるのは当たり前かも。
スバルにはスバルの良さがある。AWDのグリップ感だったり、マツダよりも思い切ってステアリングを切っていけるAWDならではのジワジワ曲がる「始めアンダー・後からオーバー」の仕上げは作る側の意図を感じます。マツダは中速域ではゴキゲンなフィールなんですけど、車速が上がると案外曲らなくなるんですよね。中央高速を夜間にクルコンで走っていると、あのマツダのハンドリングが「船」の舵みたいになります。
なにはともあれ「欧州車を完全に凌駕する」と言ったわけですから、同時期に発売される予定で、前評判がすこぶる良いらしいプジョー308GTIに遅れをとるなんてことはないはずです。ジャダーが出るMT(DCTになるかも)に、サーキット仕様のアシですから、歴代のシビックtypeRのような乗り心地の悪いクルマなんでしょうけども、「新型インプよりNVHよくない!?」みたいなことになったら・・・スバルは赤っ恥です。
まあ・・・スバルがそんな醜態をさらすわけないさ!!!おそらくですが、私も含め全国の「WRX S4に納得しなかった人々」が、新シャシーで仕切り直すのを心待ちにしていると思います。「S4」のコンセプトはクルマ好きには非常によく伝わりました。typeRやランエボではなくて、2ペダルで走行領域が全方向に幅広いクルマが欲しいんだ!なんて漠然としたわがままな願望をそのままスバルが叶えてあげよう!というユーザー視点が入ったところがとっても良かった!!!けどやはりというかシャシーの性能が限界なんですかね・・・「スポーティ・サルーン」に期待される部分の相対的な能力で日産やマツダにちょっと遅れていたから「保留」させてもらいました!次こそは印鑑押させてね!
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2016年3月28日月曜日
2016年3月22日火曜日
スズキ・バレーノ 「グローバル総動員で日本改造計画!?」
またまたスズキの新型車が投入されました。直近の1年だけ見てもこれで何台目かわからないくらいの多作ぶりです。先日も「スズキの新しいクルマなんだけどね〜・・・何ていったかな?」と母親の知り合いが買ったクルマについての話になり、「ソリオ?」「違う!」「イグニス?」「違う!そんなヘンな名前じゃない」「ハスラー?」「違うな〜」「アルト?」「軽ではないよ」「SX4」「違う」「エスクード?」「いや違うな〜」「もしかしてバレーノってやつ?」「違う違う新しいクルマだよ」・・・いい加減に焦れてしまいましたが、結局スペーシアだったことが判明しました。
なんでスズキばっかりがこれほど多作なんでしょうね。「ソリオ・バンデット」や「ジムニー・ランドベンチャー」といったフェイス違いのモデルも含めると、非常に細やかに車種が設定されていて、HPにズラリと並んだ「フルラインナップ」はまるでトヨタに匹敵するかのように壮観です。ジムニーとジムニーシエラ、あるいはスペーシアとソリオのように、軽自動車と普通車の両方の規格で同一設計のクルマを作り分けているというのも車種が多い理由ではあるのですが、やはり今のスズキ車の魅力といえば・・・他の日本メーカーとはちょっと違った生産拠点から発信される「成長市場の躍動」であり、海外生産モデルが大挙して日本に持ち込まれているのが一番大きな要因だと思います。
日産がマーチを、三菱がミラージュをタイで生産して日本で販売していますが、どちらも販売価格を下げても利益が残る!というビジネス上の理由ばかりが先に来ていて、いまいち魅力が出てきません。営業車として活躍しているか?というとその姿を見かけることは少ないですし、販売を見る限りでは法人向けの需要はほとんど無いです。どちらも100万円を下回る価格で広告を打ちたいがために少量輸入しているだけで、実際にお客がきたらノートやデリカD2(ソリオのOEM)といった国産のやや価格が高めのクルマを勧めているようです。
スズキも100万円以下で広告を出したいだけなのか?・・・と思いきや、海外生産モデルは「エスクード」「SX4Sクロス」そして今回の「バレーノ」はいずれもスズキのラインナップの中では上位モデルに位置します。しかもこの3台の生産地ですが、中国・ASEANといった近隣地域ではありません。部品供給が容易な日本・中国・ASEANからさらに飛び出した「開発拠点」として、スズキ・グループの両翼を担う「マルチ・スズキ・インディア」と「マジャール・スズキ」からわざわざ持ち込んでいます。
スズキがインドに乗り込んだのは調べてみると何と35年前! 日本メーカーとして初めてホンダがアメリカに工場を作ったよりも早くからスズキはインドに注目していた!これはスゴい!当然の「先行者利益」というべきでしょうか、ずっと後から乗り込んできたVW、トヨタ、ホンダ、GM、フォード、ヒュンダイといった巨大グループを相手に圧倒的なシェアを握っています。ハンガリー(マジャール・スズキ)にはバブル絶頂期の1991年・・・冷戦終結とともにいち早く東欧圏に乗り込んでいったことで見事に成功しました!!!今ではメルセデスやBMWを始めとした西欧ブランドの多くが東欧生産をしていますが、スズキはその先駆けだったと言えます。
GMやVWとの業務提携こそありましたが、マツダやスバルのように「身売り」をするということもなく、意欲的なグローバル展開を見事に当て続け、見事に成長市場の美味しいところを摘み取ってきたわけです。GMとの手切れでアメリカ市場から撤退し、さらにVWとの間で提携解消の揉め事に発展したときには、「スズキは大丈夫?」といったプロのライターとは考えられないようなことを書く輩もいました。軽自動車の増税など一時的な販売不調もありましたが、トヨタの尖兵「ダイハツ」と軽自動車に回帰した「ホンダ」に両面から攻め立てられてもビクともせずに、それどころか逆境を力に変えたかのように傑作車を連発して、いよいよ反撃に転じつつあります。
「ハスラー」「アルト」「ソリオ」そして「イグニス」と粒ぞろいの国内製造モデルでそれなりに「役車」は揃っているのに、わざわざ遠いところで作っているクルマを日本に持ってこようという不可解な戦略の裏には・・・稀代のミラクルメーカー・スズキが何やら利益を度外視した「意地を張っている」ようにも感じるのです。アイディアが貧困で刺激が少な過ぎる日本市場に、「激アツ」市場の爆弾を投下してやろう! 「日本の技術」を無意味にも高らかに謳っている、少々うざったい感じのマツダ・日産・スバル・トヨタの「化けの皮」を剥いでみよう! ドイツ車?アメ車?フランス車?イタリア車?・・・個性なんかまるで無いですよ!開発を一手に引き受けるのは他ならぬボッシュなのに。
そんな「ゴミみたいなクルマ」よりも、「マルチ・スズキ・インディア」と「マジャール・スズキ」の方が絶対に面白い!・・・おそらくそういう事を考えているスズキの幹部がいるのだと思います。何よりまずは日本で売らないと話にならないですから、とびっきり面白いクルマから順番に日本に持ってこい!という話なんでしょうね。少なくとも「マジャール」の方は相当に自信があると思います。最初に導入したスプラッシュが、いきなり日本のクルマ好きの間で話題沸騰になりましたし、フィアットでもボクスホール(GMの英国ブランド)でもオペルでもOEM車が非常に好評でした。イタリア・イギリス・ドイツで売れているのだから日本に持ってくればそれなりに話題になるはずです。2015年に「エスクード」と「SX4・Sクロス」わざわざ同クラスのSUVを2台も入れてきました。「マジャール・スズキこそが欧州をリードしていることを感じてほしい!」そんなメッセージでしょうか。
さてさて新たにインドから投入された新型車が「バレーノ」です。一部のカーメディアは次期スイフトだと勘違いをしたようですが、FMCでも並行販売でもなく別モデル扱いのようです。インドのナンバー1自動車メーカーが自信を持って投入する新型車「バレーノ」と、日本や欧州でBセグを代表する名車として名高い「スイフト」。2台のBセグ車がほぼ同じ価格帯で同じ市場・同じブランドから販売される・・・果たしてスズキの真意はいかに。ユーザーの選択は、本当に日本や欧州のクルマに一日の長があることを示すのか??? 停滞気味の日本車ではあれ、同じ条件で正々堂々ぶっとばしてこそ!インドの下剋上が認められるはず・・・。
日本市場で話題のクルマって一体どんなモデルなの?・・・イアン・カラムという高齢のデザイナーが、懐古趣味のような高級車デザインをするブランド。高齢の幹部が檄をとばして、ファミリーのためのミニバンを廃止してまで守るジジイのための2シーターオープンスポーツカー。挙げ句の果ては利益を確保するために、排ガス規制を潜りぬける不正にまで手を出すモラルが崩壊したブランド。 ちょっと恥ずかしいですね、考えてみればどれもこれもクソみたいなクルマ作りなんですけども、それを曲解して「すばらしい」と賞賛し続けてきたのは、なんとも滑稽なことです・・・(自戒をこめて)。
スズキからの日本市場へのメッセージ!?なのはどうかはわかりませんが、インド車やハンガリー車がいよいよ質的に日本車と肩を並べる水準に到達し、なおも成長を続ける市場に応えるための前向きなエネルギーを感じます。ジャガーがマツダがVWが右肩上がりの市場を目の前にして作っていた時代の「名車」「名デザイン」・・・Eタイプ、コスモスポーツ、初代ゴルフ(ジウジアーロ!) なにやら青臭さがある中にも、時代に爪痕を残すだけの「勢い」がデザインに表現されていました。今回のスズキの海外生産モデルが今後どういう評価を受けるかわかりませんけども、かつての名車が持っていた「青臭さ」だけは十分にあります。
もし「ジャガー、マツダ、VWよ!時代は変わった!目を覚ませ!」という意味の変革をスズキが意図しているならば・・・、というかそういう意図しか感じないですね。ハイブリッド・燃料電池・自動ブレーキ・自動運転などなどとことん成熟してしまった日本市場では、あと10年もすれば市販車のほとんどは「免許なし」で使える「クルマじゃない乗り物」へと変貌していくことでしょう。これでは「クルマを楽しむ文化」は衰退を避けられないでしょう。誰もがハンドルを握らなくなれば、日本中の道路で速度違反車に因縁を付けて上納金を巻き上げる「制服&手帳ヤクザ」も絶滅して、道路は再び快適なものになるかもしれないですが・・・。
日本市場でクルマが「終わる」前になんとか再び火をつけたい!それにはずっと言われていることですが、超絶に楽しいクルマを150万円で売るしかない。VWが今回の一件でかなりのダメージを受けてしまった!VWが持っていた素晴らしいフィロソフィーをなんとか日本でも絶やさないようにしたい!「バレーノ」見て多くの人は思ったはずです。これは「VWポロ」のコピーじゃないか?と。「車体剛性を高める」「小排気量ターボ」「シンプルなデザイン」・・・VWが築いたグローバル車のトレンドを余すところなく踏襲し、日本には向かない難点とされたDCTを6ATに置き換えた・・・マルチ・スズキ製ではありますが「ポロ改・日本スペシャル」といった趣があります。
インド製がすぐに日本で受け入れられるとは思いませんけども、スズキの努力が実を結んで「走るのが好き」な人々が堰を切ったように押し寄せる可能性も十分にあると思います。スズキの壮大な計画!?が人々の意識を変えてゆき、ついに暗黒の日本市場を切り開いたときに! 150万円のクルマに圧されて日本の生産工場は全て閉鎖の運命かもしれないですけどね・・・。なんとも難しい問題です。
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なんでスズキばっかりがこれほど多作なんでしょうね。「ソリオ・バンデット」や「ジムニー・ランドベンチャー」といったフェイス違いのモデルも含めると、非常に細やかに車種が設定されていて、HPにズラリと並んだ「フルラインナップ」はまるでトヨタに匹敵するかのように壮観です。ジムニーとジムニーシエラ、あるいはスペーシアとソリオのように、軽自動車と普通車の両方の規格で同一設計のクルマを作り分けているというのも車種が多い理由ではあるのですが、やはり今のスズキ車の魅力といえば・・・他の日本メーカーとはちょっと違った生産拠点から発信される「成長市場の躍動」であり、海外生産モデルが大挙して日本に持ち込まれているのが一番大きな要因だと思います。
日産がマーチを、三菱がミラージュをタイで生産して日本で販売していますが、どちらも販売価格を下げても利益が残る!というビジネス上の理由ばかりが先に来ていて、いまいち魅力が出てきません。営業車として活躍しているか?というとその姿を見かけることは少ないですし、販売を見る限りでは法人向けの需要はほとんど無いです。どちらも100万円を下回る価格で広告を打ちたいがために少量輸入しているだけで、実際にお客がきたらノートやデリカD2(ソリオのOEM)といった国産のやや価格が高めのクルマを勧めているようです。
スズキも100万円以下で広告を出したいだけなのか?・・・と思いきや、海外生産モデルは「エスクード」「SX4Sクロス」そして今回の「バレーノ」はいずれもスズキのラインナップの中では上位モデルに位置します。しかもこの3台の生産地ですが、中国・ASEANといった近隣地域ではありません。部品供給が容易な日本・中国・ASEANからさらに飛び出した「開発拠点」として、スズキ・グループの両翼を担う「マルチ・スズキ・インディア」と「マジャール・スズキ」からわざわざ持ち込んでいます。
スズキがインドに乗り込んだのは調べてみると何と35年前! 日本メーカーとして初めてホンダがアメリカに工場を作ったよりも早くからスズキはインドに注目していた!これはスゴい!当然の「先行者利益」というべきでしょうか、ずっと後から乗り込んできたVW、トヨタ、ホンダ、GM、フォード、ヒュンダイといった巨大グループを相手に圧倒的なシェアを握っています。ハンガリー(マジャール・スズキ)にはバブル絶頂期の1991年・・・冷戦終結とともにいち早く東欧圏に乗り込んでいったことで見事に成功しました!!!今ではメルセデスやBMWを始めとした西欧ブランドの多くが東欧生産をしていますが、スズキはその先駆けだったと言えます。
GMやVWとの業務提携こそありましたが、マツダやスバルのように「身売り」をするということもなく、意欲的なグローバル展開を見事に当て続け、見事に成長市場の美味しいところを摘み取ってきたわけです。GMとの手切れでアメリカ市場から撤退し、さらにVWとの間で提携解消の揉め事に発展したときには、「スズキは大丈夫?」といったプロのライターとは考えられないようなことを書く輩もいました。軽自動車の増税など一時的な販売不調もありましたが、トヨタの尖兵「ダイハツ」と軽自動車に回帰した「ホンダ」に両面から攻め立てられてもビクともせずに、それどころか逆境を力に変えたかのように傑作車を連発して、いよいよ反撃に転じつつあります。
「ハスラー」「アルト」「ソリオ」そして「イグニス」と粒ぞろいの国内製造モデルでそれなりに「役車」は揃っているのに、わざわざ遠いところで作っているクルマを日本に持ってこようという不可解な戦略の裏には・・・稀代のミラクルメーカー・スズキが何やら利益を度外視した「意地を張っている」ようにも感じるのです。アイディアが貧困で刺激が少な過ぎる日本市場に、「激アツ」市場の爆弾を投下してやろう! 「日本の技術」を無意味にも高らかに謳っている、少々うざったい感じのマツダ・日産・スバル・トヨタの「化けの皮」を剥いでみよう! ドイツ車?アメ車?フランス車?イタリア車?・・・個性なんかまるで無いですよ!開発を一手に引き受けるのは他ならぬボッシュなのに。
そんな「ゴミみたいなクルマ」よりも、「マルチ・スズキ・インディア」と「マジャール・スズキ」の方が絶対に面白い!・・・おそらくそういう事を考えているスズキの幹部がいるのだと思います。何よりまずは日本で売らないと話にならないですから、とびっきり面白いクルマから順番に日本に持ってこい!という話なんでしょうね。少なくとも「マジャール」の方は相当に自信があると思います。最初に導入したスプラッシュが、いきなり日本のクルマ好きの間で話題沸騰になりましたし、フィアットでもボクスホール(GMの英国ブランド)でもオペルでもOEM車が非常に好評でした。イタリア・イギリス・ドイツで売れているのだから日本に持ってくればそれなりに話題になるはずです。2015年に「エスクード」と「SX4・Sクロス」わざわざ同クラスのSUVを2台も入れてきました。「マジャール・スズキこそが欧州をリードしていることを感じてほしい!」そんなメッセージでしょうか。
さてさて新たにインドから投入された新型車が「バレーノ」です。一部のカーメディアは次期スイフトだと勘違いをしたようですが、FMCでも並行販売でもなく別モデル扱いのようです。インドのナンバー1自動車メーカーが自信を持って投入する新型車「バレーノ」と、日本や欧州でBセグを代表する名車として名高い「スイフト」。2台のBセグ車がほぼ同じ価格帯で同じ市場・同じブランドから販売される・・・果たしてスズキの真意はいかに。ユーザーの選択は、本当に日本や欧州のクルマに一日の長があることを示すのか??? 停滞気味の日本車ではあれ、同じ条件で正々堂々ぶっとばしてこそ!インドの下剋上が認められるはず・・・。
日本市場で話題のクルマって一体どんなモデルなの?・・・イアン・カラムという高齢のデザイナーが、懐古趣味のような高級車デザインをするブランド。高齢の幹部が檄をとばして、ファミリーのためのミニバンを廃止してまで守るジジイのための2シーターオープンスポーツカー。挙げ句の果ては利益を確保するために、排ガス規制を潜りぬける不正にまで手を出すモラルが崩壊したブランド。 ちょっと恥ずかしいですね、考えてみればどれもこれもクソみたいなクルマ作りなんですけども、それを曲解して「すばらしい」と賞賛し続けてきたのは、なんとも滑稽なことです・・・(自戒をこめて)。
スズキからの日本市場へのメッセージ!?なのはどうかはわかりませんが、インド車やハンガリー車がいよいよ質的に日本車と肩を並べる水準に到達し、なおも成長を続ける市場に応えるための前向きなエネルギーを感じます。ジャガーがマツダがVWが右肩上がりの市場を目の前にして作っていた時代の「名車」「名デザイン」・・・Eタイプ、コスモスポーツ、初代ゴルフ(ジウジアーロ!) なにやら青臭さがある中にも、時代に爪痕を残すだけの「勢い」がデザインに表現されていました。今回のスズキの海外生産モデルが今後どういう評価を受けるかわかりませんけども、かつての名車が持っていた「青臭さ」だけは十分にあります。
もし「ジャガー、マツダ、VWよ!時代は変わった!目を覚ませ!」という意味の変革をスズキが意図しているならば・・・、というかそういう意図しか感じないですね。ハイブリッド・燃料電池・自動ブレーキ・自動運転などなどとことん成熟してしまった日本市場では、あと10年もすれば市販車のほとんどは「免許なし」で使える「クルマじゃない乗り物」へと変貌していくことでしょう。これでは「クルマを楽しむ文化」は衰退を避けられないでしょう。誰もがハンドルを握らなくなれば、日本中の道路で速度違反車に因縁を付けて上納金を巻き上げる「制服&手帳ヤクザ」も絶滅して、道路は再び快適なものになるかもしれないですが・・・。
日本市場でクルマが「終わる」前になんとか再び火をつけたい!それにはずっと言われていることですが、超絶に楽しいクルマを150万円で売るしかない。VWが今回の一件でかなりのダメージを受けてしまった!VWが持っていた素晴らしいフィロソフィーをなんとか日本でも絶やさないようにしたい!「バレーノ」見て多くの人は思ったはずです。これは「VWポロ」のコピーじゃないか?と。「車体剛性を高める」「小排気量ターボ」「シンプルなデザイン」・・・VWが築いたグローバル車のトレンドを余すところなく踏襲し、日本には向かない難点とされたDCTを6ATに置き換えた・・・マルチ・スズキ製ではありますが「ポロ改・日本スペシャル」といった趣があります。
インド製がすぐに日本で受け入れられるとは思いませんけども、スズキの努力が実を結んで「走るのが好き」な人々が堰を切ったように押し寄せる可能性も十分にあると思います。スズキの壮大な計画!?が人々の意識を変えてゆき、ついに暗黒の日本市場を切り開いたときに! 150万円のクルマに圧されて日本の生産工場は全て閉鎖の運命かもしれないですけどね・・・。なんとも難しい問題です。
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2016年3月16日水曜日
BMW330e 「ここぞとばかり・・・勝負かけてきた。PHVが540万円!」
3シリーズに従来からあるハイブリッドといえば・・・「アクティブ・ハイブリッド3」。直6「ターボ」にマイルドハイブリッド=「電動ターボ」を組み合わせた重厚なユニットを積んでいて、いわば「ツイン・チャージャー」でトルクを切れ目無くスムーズに搾り出す仕掛けなんですが、せいぜい1800kg程度のボデーには無過給でも十分な「直6」ですから、変に加速で力むこともないのでそんなギミックは不要ではありますが・・・モータートルクは強烈で直線だけなら相当な速さを持つ3シリーズのスペシャルグレードです。ただし740万円〜という価格帯のせいか販売は伸び悩んでいたようです
BMWの戦略は、直4ガソリンターボの過給器調整グレードで、3シリーズのボトムを形成し、欧州や日本での販売の主体は直4ディーゼルターボで受け持ち、さらに上位グレード車として直6ガソリンターボ&HVを用意するといった多層グレード構成が基本線にあったようですが・・・。BMWの屋台骨を担っている3シリーズの地位が低下と言わないまでも、予想以上に反響が乏しいようで、ディーゼルとともに日本でF30系を発売してまだ4年ですが、これまでのところ先代のE90系を越えるセールスは日本では見られていません(このままG系に移っていくのか?)。
マツダのディーゼル導入が日本で予想以上に上手くいったのも、おそらくBMWとのシンクロによる影響が大きいと思っています。マツダは先代のアテンザにもディーゼルを積んで欧州のみで販売していました。未導入の日本でこそあまり知られてないですが、すでにその時点でCクラスや3シリーズを確実に上回る良質なディーゼルユニットが出来ていたそうです。「日本でディーゼルを売るのは不可能」と思われていた矢先に、ユーロ6(排ガス規制)に対応したディーゼルエンジンでBMW320dが日本で話題になると、・・・会社存亡の危機に立っていた2012年当時のマツダは藁にもすがる想いで「アテンザXD」の日本発売を決めたと思われます。
BMWにとっては非常に好調なセールス(歴代最高)だったE90を受け継ぐF30を、無難に日本で成功させるための自慢のディーゼルだったはずですが、結果的にはマツダの露払いを務める損な役回りとなってしまいました。ディーゼルが失速し、HVの国・日本に満を持して持ち込んだ「アクティブハイブリッド3」がこれまたさっぱり売れずで、F30は全く踏んだり蹴ったりな出だしでした・・・。さらに想定外だったのが、日本メーカーがDセグセダンで再び勝負を仕掛けてきたことです。先述のアテンザに加えて、レクサスIS、スカイライン、レクサスRCとかなりの「意欲作」のリリースが続きました。
400万円で320dよりもずっと静かなディーゼル・・・、500万円でアクティブHV3よりもトルクフルで強烈な加速の6気筒HV・・・(量販車HV最速をアピール!!!)。モード燃費で20km/Lを越えてしまう直4ストロングハイブリッド。日本メーカーが想定外の動きだった(日本メーカーをナメていた)部分もあるかもしれないですが、BMWとF30系にとっては屈辱の4年間・・・それ以外のなにものでもなかったでしょう。いまではすっかり「M3って何?」と言われてしまうくらいに話題性が低い(M3も見かけても全く興奮しないクルマになっちゃいました・・・)。
ディーゼルに運命を委ねたアテンザや、HV専用へと舵を切ったスカイライン(200tは別のクルマ)、まさかのCVTになったレクサスIS/RC300hなどなど、日本メーカーが取った道もまたクルマ好きにとっては決して手放しで褒められるものではないのですが、それでもセダン/クーペが絶望的だった日本市場へと「一蓮托生」の想い?で完成させたそれぞれのモデルは・・・F30系よりもずっとずっとユーザーへ向いたものだった!と思います。一方でE90の好調な販売で手綱がゆるんでいた3シリーズは「売ろう!」というひたむきさがやや足りなかったように思います。決して悪いクルマではないですけど、先代の売れ行きが好調すぎたことによる難しさはあったはずです。
「完全にひっくり返された」・・・BMWジャパンがそう気がつくのには十分な4年間だったと思います。レクサスIS300hの本体価格が499万円。これに対して同等のスペックを誇り、プラグイン機能も追加されたBMW330eが554万円。レクサスISの売れ線グレードとほぼ同等と言っていいくらいのシビアな価格設定がBMWの必死さを物語っています。確かに4年前も320dが予想外に安くて人気になりました。なので4年前にBMWが驕っていたということはないですが、市場環境の変化(日本メーカーの頑張り)に巻き込まれてあっさりと「チャラ」になりました。今回の330eの価格設定は、4年前の320dのスマッシュヒットの再現を狙っているのだと思います。
さて冒頭の「ツインチャージャー」の話に戻りますが、330eの搭載ユニット直4ターボ&ストロングハイブリッドという構成になりました。レクサスISが直4ターボと直4ハイブリッドといずれもシングル・チャージャーなのに対して、BMWはターボと電動のツインチャージャーですからユニットに関してはそれなりのコストがかかっているはずです(なのでお買い得)。最新のDセグセダンは、後席のスペースを保証する設計が多く、以前よりも5人乗車が苦痛でもないです。一人で走るときと5人乗車時では200kg前後の車重差ができます。
このときにシングルチャージャーの低回転型エンジンだとやや問題が起こります。1500回転で最大トルクが発生・・・なんて中身の無い文句に釣られるとエラいことになるんです。ホンダやマツダの自然吸気エンジンならば5500rpmまで一気に回るし、トラクションに有利なFFという利点も生かせるのですが、昨今の低回転ターボに多段式ATだと渋々3000rpmまで回るものの、間髪入れずにシフトアップしていくのでどうしても非力でドタバタな感じが出てしまいます。CVTで後から暴力的な加速へと切り替わっていくスバルのターボと、ひたすらにエンジンを回す気がないBMWやレクサスの2Lターボ、正直言うとどちらも余韻のある「高級車エンジン」としてはやや失格だと思います。
そんな直4ターボで2.5トンの巨体を動かそうとしているのが「ボルボXC90」です。ボルボが開発した新型ユニットは2Lガソリンエンジンに、スーパーチャージャーとターボによる「ツインチャージャー」を仕込み、さらに上級モデルではHV化してモーターによる「電動ターボ」を重ねた「トリプルチャージャー」としています。エンジンの回転数に関わらずにモータートルクで余裕の低速域走行の実現が狙いですね(そうであってほしい!)。
BMWのPHVユニットがこのボルボのユニットに何らかの影響を受けているのかわかりませんが、BMWもボルボもPHVシステム自体を「政策によって押し付けられた義務」としてではなく、トヨタや三菱のように脅威のモード燃費を誇るためでもなく、「直4ガソリンターボ」は高級車エンジンとして成立するのか?という自らを見つめる「疑問」への解決策として導入・研究していると思うのです。
つまりボルボやBMWが今後日本でも拡販を目指すであろうPHVとは・・・、トヨタのカムリ、クラウン、IS、GS、RC用の直4のHVと、かなり違う意味を持つクルマであって、HVで主導権を握っていたように見えた日本メーカーへ「捲土重来」を期すカウンターパンチのようなユニットだった!・・・この両者に乗ったときにそう確信できるような出来映えだったならば、その時はコストを掛けて日本のプレミアムカーよりも手頃な価格を実現した彼らの努力を最大限に賞賛したいと思います!!!
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2016年3月10日木曜日
メルセデスGLC 「ダメかと思ったら・・・SUVデザインの新潮流かも」
「売れるクルマはどんどん作ろう!」ということなんでしょうが、いまいちこのクルマが日本で大ヒットする前触れのようなものを感じません。特にデザインが酷いなんてことはないです。それどころかデザイン「だけ」なら十分に商品力はあると思うのですけども、なにせ日本ではなかなか売りづらい価格帯です。メルセデスGLC・・・世界中のアッパーミドルなライフスタイルを送る人々をターゲットにした次世代プレミアムSUV。500万円台が中心のCクラスをベースに仕立てたSUVだからSUV料金で100万円UPの600万円台で展開されるようです。
この「SUV料金」というのは何を根拠に付けられているのでしょうか? ホンダカーズでヴェゼルの案内をしてもらっている時にセールスマンから「SUV料金」という概念を初めて聞きました! 「何ですか???それは???」と内心思いながらも「そうですよね〜」と適当に相づちうっちゃいました(笑)。後から考えてみても「SUV料金」なんてがっつり貰えるほどの殿様商売できるクルマなのか〜!?私の感覚がズレているのかもしれないですが、なにせ最大手のトヨタがSUVの競争で後手を踏んでいる状態なので、まだまだ国内にはそういった商習慣は根付いていないし、ユーザーの頭にも当然に「ない」はずですけどね・・・。
メルセデスCクラスのキャビンを「アメリカナイズ」したGLCは、保守的なMBファンから見れば「邪道なモデルがまた増えた・・・」なんでしょうけども、おそらくメルセデスがここ数年で特に掲げている「ユーザー若返り戦略」の新たなコアとなるモデルなのでだと思います。「メルセデスらしさ」を可能な限り失わせないスタイリングは・・・実に上手い!ライバルブランドとは違ってなんとも落ち着きのあるスタイルに思います。ワンクラス下のSUVである「GLA」もスタイリングに関しては非常に優秀でしたが、ハッチバックのAクラスと比較された結果なのか、日本市場に関しては売れ行きはイマイチでした。350万円のSUVが非常に苦戦しているのに、同じブランドから600万円オーバーのクルマが簡単には大ヒットするとは思えないわけですが・・・。
しかしこのクルマは実際に買ったら!!!これは予想外に楽しめるのではないか・・・と思います。少々いやらしい感覚かもしれないですが、GLCの全高は約164cmありまして、もし助手席に乗せるとしたら、このクルマよりも背が高い女性がいいでしょうか?低い女性がいいでしょうか?(男性目線ですみません)。・・・そんなことを考えていると、なんだかこのGLCの見方も随分変わってきます。
GLAでは150.5cmしかないので、女性の身長と比較するには低過ぎます。まあクルマは本来は低いものなんですけども、高級SUVらしさを存分に示すならば、身長よりも高いくらいに存在感があったほうがこの場合はいいかな・・・なので乗るならGLAではなくてGLC! 単なるメルセデスのマーケティングに則った「無味乾燥」の企画車だと思っていましたけども、これはなかなか「情緒豊かな」クルマなんじゃないかと・・・。
ちょっと大振りなSUVの全高と並んでいかにも小さく見える彼女は、可愛らしさが1.5倍になりますよ(これはガチ)!!! 逆に120cmちょっとの車高しかないトヨタ86に160cmくらいの女の子を乗せてもあんまり可愛くないです。スポーツカーの助手席に乗っている女性はイマイチ!と言ってしまうと語弊がありますけども、あの狭苦しいキャビンに収まっているのを見る度に、なんだか不機嫌そうに見えるのは気のせいでしょうか? 「女性を可愛く乗せるならばDセグ以上にしろ!」と全国の独身貴族のみなさまに声を大にして言いたい・・・。
ちょっと前の映画なんですが、デンゼル=ワシントン主演の「マイ・ボディ・ガード」という作品があって、これをもしリメイクするならば、主人公が乗るクルマはこのメルセデスGLCなんかが似合うのではないかと思います。SUVに限った話ではないですが、やっぱりクルマは「どれだけイメージがふくらむか?」それがとても大事ですね。もしそのクルマで最愛の人と最高の時間を共有できそうなクルマならば、ちょっとくらい高くても頑張ってお金出しちゃいます!!! GLAではとても無理だけど、GLCならば・・・劇中のデンゼル=ワシントンだかジャン=レノ(「レオン」)に成りきれるような気が・・・。
例えば「マツダCX5」や「トヨタ・ハリアー」では大変失礼ですが、全く代わりは務まらないと思います。デンゼルが9歳の天使のような少女を後ろに乗せて運転しているクルマがもしCX5だったら・・・爆笑です(キャラに合ってない!)。レクサスRXなんか・・・重ね重ね失礼ですがもっとダメですね。もはや悪口でしかないですけれども、「CX5」も「ハリアー」も「RX」も・・・これらは自分がオッサンなのかオバさんなのかすらよくわからない、自分の「見え方」さえも全く意識しない人向けのクルマなのかな〜という気がします。
メルセデスGLCはもしかしたら、私にとってのこれからのSUVの基準を作ってくれる画期的なクルマかも・・・そんな予感がうっすらあります。人生に疲れた、そして日々の時間の大部分を「孤独な男」として生きている人の視界には、俗世の「移ろい」などを目の当たりにしたところで・・・その対象に気にも留めないですし、気がついても眉毛ひとつも動かない。別に「くだらない」と突き放すつもりはないのだけど・・・マツダ?トヨタ?レクサス?なんとも「表面的」「メディア的」なデザインが好きみたいだな。
・・・まあ「多くの人の視線を集めるデザイン」なのかもしれませんけどね。見てもらうために表面を飾る、その瞬間に「虚飾」という感情が生まれ、自分の内面を蝕んでいく、そういう経験を嫌というほどしてきた「男」の現在地には、そんなクルマは似合わないんです! 見られるべき「存在」であるかのように、必死に自分自身を扮することは結局は何も人生にプラスにならないし、むしろヘンな「虚無感」に苛まれることも経験上よく知っている・・・だから心が「枯れた」わけではなく、そういうものに興味が行かなくなった男性にとっては、このメルセデスGLCこそが、「バカSUVブーム」から切り離された安息のカーライフを保証してくれるクルマかもしれません。
なかなか稚拙な文章では伝わらないと思うので、端的なメタファーとして「マイ・ボディ・ガード」のデンゼル=ワシントンで感じて頂ければ嬉しいです。さらにデンゼル=ワシントンが映画で乗ってそうなクルマ・・・まあジムニーでもアウトランダーでもいいんですけどね。例えば・・・
マークX・・・×、カローラフィールダー・・・×、
レガシィ・アウトバック・・・△、レヴォーグ・・・◯、
アテンザ・・・×、MPV・・・△、
レジェンド・・・△、CR-Z・・・×(絶対にない)、
エクストレイル・・・△、フーガ・・・◯、
X5・・・◯、5シリーズセダン・・・◯、
R8・・・△、A6・・・◯
こればっかりはドイツ勢の方が分がいいようです。スバルと日産も健闘してますけども。
あんまり偉そうなことは言えませんが、いい年したオッサンがメルセデスのSUVを選ぶならば、GLCかそれよりも上のグレードのクルマにすべきですね。800万円越えですけども既にGLEが発売されていて、さらに今後はGLSが出てくるようです。・・・「俺はブラット=ピットだせ!」という人ならば、350万円のGLAでもいいかもしれません。あくまでイメージに過ぎませんけども・・・。なにはともあれメルセデスのSUVにちょっと親近感を抱かせてくれた「GLC」が街中でも見られるようになったらいいのですが・・・。
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この「SUV料金」というのは何を根拠に付けられているのでしょうか? ホンダカーズでヴェゼルの案内をしてもらっている時にセールスマンから「SUV料金」という概念を初めて聞きました! 「何ですか???それは???」と内心思いながらも「そうですよね〜」と適当に相づちうっちゃいました(笑)。後から考えてみても「SUV料金」なんてがっつり貰えるほどの殿様商売できるクルマなのか〜!?私の感覚がズレているのかもしれないですが、なにせ最大手のトヨタがSUVの競争で後手を踏んでいる状態なので、まだまだ国内にはそういった商習慣は根付いていないし、ユーザーの頭にも当然に「ない」はずですけどね・・・。
メルセデスCクラスのキャビンを「アメリカナイズ」したGLCは、保守的なMBファンから見れば「邪道なモデルがまた増えた・・・」なんでしょうけども、おそらくメルセデスがここ数年で特に掲げている「ユーザー若返り戦略」の新たなコアとなるモデルなのでだと思います。「メルセデスらしさ」を可能な限り失わせないスタイリングは・・・実に上手い!ライバルブランドとは違ってなんとも落ち着きのあるスタイルに思います。ワンクラス下のSUVである「GLA」もスタイリングに関しては非常に優秀でしたが、ハッチバックのAクラスと比較された結果なのか、日本市場に関しては売れ行きはイマイチでした。350万円のSUVが非常に苦戦しているのに、同じブランドから600万円オーバーのクルマが簡単には大ヒットするとは思えないわけですが・・・。
しかしこのクルマは実際に買ったら!!!これは予想外に楽しめるのではないか・・・と思います。少々いやらしい感覚かもしれないですが、GLCの全高は約164cmありまして、もし助手席に乗せるとしたら、このクルマよりも背が高い女性がいいでしょうか?低い女性がいいでしょうか?(男性目線ですみません)。・・・そんなことを考えていると、なんだかこのGLCの見方も随分変わってきます。
GLAでは150.5cmしかないので、女性の身長と比較するには低過ぎます。まあクルマは本来は低いものなんですけども、高級SUVらしさを存分に示すならば、身長よりも高いくらいに存在感があったほうがこの場合はいいかな・・・なので乗るならGLAではなくてGLC! 単なるメルセデスのマーケティングに則った「無味乾燥」の企画車だと思っていましたけども、これはなかなか「情緒豊かな」クルマなんじゃないかと・・・。
ちょっと大振りなSUVの全高と並んでいかにも小さく見える彼女は、可愛らしさが1.5倍になりますよ(これはガチ)!!! 逆に120cmちょっとの車高しかないトヨタ86に160cmくらいの女の子を乗せてもあんまり可愛くないです。スポーツカーの助手席に乗っている女性はイマイチ!と言ってしまうと語弊がありますけども、あの狭苦しいキャビンに収まっているのを見る度に、なんだか不機嫌そうに見えるのは気のせいでしょうか? 「女性を可愛く乗せるならばDセグ以上にしろ!」と全国の独身貴族のみなさまに声を大にして言いたい・・・。
ちょっと前の映画なんですが、デンゼル=ワシントン主演の「マイ・ボディ・ガード」という作品があって、これをもしリメイクするならば、主人公が乗るクルマはこのメルセデスGLCなんかが似合うのではないかと思います。SUVに限った話ではないですが、やっぱりクルマは「どれだけイメージがふくらむか?」それがとても大事ですね。もしそのクルマで最愛の人と最高の時間を共有できそうなクルマならば、ちょっとくらい高くても頑張ってお金出しちゃいます!!! GLAではとても無理だけど、GLCならば・・・劇中のデンゼル=ワシントンだかジャン=レノ(「レオン」)に成りきれるような気が・・・。
例えば「マツダCX5」や「トヨタ・ハリアー」では大変失礼ですが、全く代わりは務まらないと思います。デンゼルが9歳の天使のような少女を後ろに乗せて運転しているクルマがもしCX5だったら・・・爆笑です(キャラに合ってない!)。レクサスRXなんか・・・重ね重ね失礼ですがもっとダメですね。もはや悪口でしかないですけれども、「CX5」も「ハリアー」も「RX」も・・・これらは自分がオッサンなのかオバさんなのかすらよくわからない、自分の「見え方」さえも全く意識しない人向けのクルマなのかな〜という気がします。
メルセデスGLCはもしかしたら、私にとってのこれからのSUVの基準を作ってくれる画期的なクルマかも・・・そんな予感がうっすらあります。人生に疲れた、そして日々の時間の大部分を「孤独な男」として生きている人の視界には、俗世の「移ろい」などを目の当たりにしたところで・・・その対象に気にも留めないですし、気がついても眉毛ひとつも動かない。別に「くだらない」と突き放すつもりはないのだけど・・・マツダ?トヨタ?レクサス?なんとも「表面的」「メディア的」なデザインが好きみたいだな。
・・・まあ「多くの人の視線を集めるデザイン」なのかもしれませんけどね。見てもらうために表面を飾る、その瞬間に「虚飾」という感情が生まれ、自分の内面を蝕んでいく、そういう経験を嫌というほどしてきた「男」の現在地には、そんなクルマは似合わないんです! 見られるべき「存在」であるかのように、必死に自分自身を扮することは結局は何も人生にプラスにならないし、むしろヘンな「虚無感」に苛まれることも経験上よく知っている・・・だから心が「枯れた」わけではなく、そういうものに興味が行かなくなった男性にとっては、このメルセデスGLCこそが、「バカSUVブーム」から切り離された安息のカーライフを保証してくれるクルマかもしれません。
なかなか稚拙な文章では伝わらないと思うので、端的なメタファーとして「マイ・ボディ・ガード」のデンゼル=ワシントンで感じて頂ければ嬉しいです。さらにデンゼル=ワシントンが映画で乗ってそうなクルマ・・・まあジムニーでもアウトランダーでもいいんですけどね。例えば・・・
マークX・・・×、カローラフィールダー・・・×、
レガシィ・アウトバック・・・△、レヴォーグ・・・◯、
アテンザ・・・×、MPV・・・△、
レジェンド・・・△、CR-Z・・・×(絶対にない)、
エクストレイル・・・△、フーガ・・・◯、
X5・・・◯、5シリーズセダン・・・◯、
R8・・・△、A6・・・◯
こればっかりはドイツ勢の方が分がいいようです。スバルと日産も健闘してますけども。
あんまり偉そうなことは言えませんが、いい年したオッサンがメルセデスのSUVを選ぶならば、GLCかそれよりも上のグレードのクルマにすべきですね。800万円越えですけども既にGLEが発売されていて、さらに今後はGLSが出てくるようです。・・・「俺はブラット=ピットだせ!」という人ならば、350万円のGLAでもいいかもしれません。あくまでイメージに過ぎませんけども・・・。なにはともあれメルセデスのSUVにちょっと親近感を抱かせてくれた「GLC」が街中でも見られるようになったらいいのですが・・・。
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2016年2月17日水曜日
アウディA4 「実は・・・◯◯なクルマを返上!?」
日本でのアウディの人気はどうもここ数年で下降気味です。ターニングポイントになってしまったのは、尖閣問題などで日中関係がゴタゴタになり、その中で不幸にもアウディが反日デモに協賛した!として「反日ブランド」として名前が上がってしまったことがきっかけだったと思います。なんで「国際問題」と特定の「自動車ブランド」が結びついたかのような報道が日本でされたのか(BPO入りか)? まずはここに大きな「闇」があるように感じます。なぜあの時にアウディが悪者にされて、トヨタの社長が英雄であるかのように讃えられる展開になったのでしょうか・・・。
振り返ってみれば、「ハイブリッド黎明期」に巻き起こったトヨタvsホンダによる「HV1号機」戦争の際も、メディアによってトヨタの方が圧倒的に優れているかのような一方的な報道が繰り返された結果・・・ホンダがボロボロに負けました。また最近ではグローバルでの生産台数でVWがついにトヨタを追い越すかの勢いを見せたときに、不思議と巻き起こったのが「VW問題」で、とりあえず北米での事例による当事国ではない日本のメディアが過剰なまでにVWを叩きました。・・・さて一体誰がメディアを操っているのでしょうか!?
そんなメディアの暴走による「受難」の時期を経て、すっかり色褪せてしまった「アウディA4」(旧アウディ80)シリーズ・・・。日本人デザイナー・和田智さんが手掛けて、一時代を築いてきたアウディのトータルデザインも、いろいろなブランドにエッセンスをパクられ続けたせいもあるでしょうが、現行デザインのアウディ車は良くも悪くも、見た瞬間に頭の中で「これはアウディ・・・」と認識するまでにちょっと時間がかかったりします。夜間に前を走るクルマのテールランプの配列を見て「これは・・・?BMW?アウディ?」と迷っていたら、なんと現行クラウンロイヤルでした・・・。「あのクルマはなに?」って助手席の彼女に聞かれたときにアウディっぽい「テールランプ」の場合はハードルが高く、かなりの確率で車種をはずしてしまいます。
新型になったアウディA4クワトロですが、本体価格で600万円〜(FFモデルは400万円台〜)。富裕層でも無い限りは、購入に向けてはそれなりの気合(買うべき理由)が必要な価格です・・・、もちろん同価格帯には興味深いクルマがたくさんあります。メルセデス、BMW、ジャガー、レクサス、キャデラックの各ライバルモデルもありますけど、それ以上に興味深いのがポルシェのエントリーグレード車であるとか、レジェンド、フーガといったワンクラス上のフラッグシップセダン。ロータスやアルファロメオのハッピーなスポーツカーなどなど。ちょっとマニアックなところではマークXの「スーパーチャージャー仕様」にモデリスタの「フルエアロ」を組むというのもあります(なかなかニッチなトヨタ版「M3」では?)。
それに対してアウディA4の魅力って何だろう・・・。アウディ80の時代から数えて9代目。なかなかの歴史を誇ります。スカイラインやらカペラ〜アテンザやら日本車にも長い伝統のモデルはありますけど、やはり長きに渡って欧州で人気を保ち続けたという意味では、BMW3シリーズと並んでこのクラスの王道モデルといっていいです。初代(B1系)が登場したのが1972年だそうで、この頃はまだまだアウディも大衆ブランドの色合いが全開です。1995年の5代目(B5系)からアウディA4となりボディラインが優雅な丸みを持ちはじめます。
ケン・ローチ監督の強烈な社会派作品として知られる「ルート・アイリッシュ」に出てくる主人公が乗っているクルマがこの「B5系」でした。公開は2010年(日本では2012年)ですので、退役したアル中の軍人が地味に乗ってそうな「型落ち」のアウディA4といった設定になっています。B5系A4のそつない存在感は、親友を謀殺した民間軍事会社の役員を徹底的に追いつめる主人公のストイックなキャラクター(鉄の意志)にも上手くハマっています。また劇中でも何度となく登場して、さらに主人公が乗り込み理解者を突き放すようにカッコ良く発進するシーンなどもあり、監督自身がこのクルマが好きなんだな・・・と感じます。ちなみにこのクルマの愛好家として知られるのが同じ映画監督の宮崎駿さんで、「千と千尋の神隠し」のオープニングで家族のクルマがアウディなのはこれが理由だそうです。
この「ルート・アイリッシュ」ですが、実はクルマ好きには堪らないくらいに、いろいろなメーカーのクルマが登場します。いつぞやの「007」のように主人公がアストン(ヴァンキッシュ)で、敵がジャガー(XKコンバーチブル)・・・と完全にフォードグループの新型モデルと「コラボ」企画なんてことはなく、主人公が抹殺する悪役のクルマは全てSUV・・・BMW、ランドローバー、メルセデス(最後に爆破される)。アウディが正義でライバルメーカーが敵なのでやっぱり「コラボ」かな? BMW5シリーズに盗聴器を仕掛けるシーンにはなぜかその手前に「ポルシェ996カブリオレ」が。あとVWゴルフが1台だけ正面向いて(他のクルマは後ろ向きなのに)止まっていて、やたら目立つ・・・。それでもヒロイン(ヒステリックだけど慈愛に満ちた魅力)はミニに乗ってましたね。
この5代目みたいなアウディA4に逆戻りしないかな? 確かに映画のクルマってカッコ良く見えてしまうものです。「トランスポーター」のBMW7シリーズ(E38系)や、「タクシー」のプジョー406などなど。1990年代のモデルはいいですね!この頃は日本車の性能がすごかったけど、欧州車のデザイン(特にドイツ車)が冴えていたと思います。この頃ならば、マセラティ・クワトロポルテよりも断然にBMW7erがカッコいい!!! クリス=バングルが悪いとは思わないですけども、2000年代に入ってからはBMWのクルマに溌剌としたところが感じられなくなり、あっさりとクワトロポルテが追い越していきました(ピニンファリーナ・奥山清行デザイン!)。
アウディA4に話を戻すと、このクールで魅力的なB5系以降は、BMWと同じで2000年代になって中国マーケットを意識し過ぎるあまりにかなり迷走したように感じます。いくら東アジアの気候に順応させるためとはいえ、ハイブリッドでもないのにFFモデルにCVTを組み合わせたりしたのは、走りに魅せられたファンを無視した暴挙だったと思います。さらに先代モデルに関して言えば、プレミアム車の「根幹」と言える足回りがタイヤを含めて中国・韓国のサプライヤーを採用するようになっていて、タフな演出をするクワトロのワイドなタイヤが、どうも乗り心地にとって仇となる「煮詰め不足」の見切り発車となっていました。
ワイドなタイヤを廉価に作るハンコック(韓国)の採用は、もはややめられない(時代の流れ)ようで、新型にも使われています。いまではBMWの非ランフラットモデル(アルピナかM)以外も同じくハンコックタイヤです。特にMスポの後輪はワイド仕様なので・・・。Mスポもそうですけど、先代アウディA4は「実は・・・クラス最低の乗り心地」なんですよね。諸外国と比べて繊細な日本人のユーザーはこの辺を見逃したりはしませんから、先代モデルが3シリーズやCクラスに販売面で遅れをとったのも当然のことだったと思います。
アウディによると、新しいプラットフォームを採用した自信作なんだそうで、新型プリウスよりも高い価格帯で、日常使用から長距離用途まで使えるなど、価格相応の活躍の幅はありそうです。ドイツ車の哲学という名の「メーカーの事情」を振りかざしただけのミドルサイズ・プレミアムセダンではなく、日本車・アメリカ車・韓国車との相互理解のど真ん中に位置する「クラスター(核)」的な存在を目指すようです。
プレミアムブランドはしばしばライバル関係で語られて、機械の評価という意味での「現在地」をカーメディアに探られないように、カネをばらまいたりします(だから車両価格が高いの?)。実際のところ、非プレミアム系のミドルセダンは、それぞれに存在感を出すために「長所」が用意され、例えばカムリHVだったらデビュー当時はデザインや乗り味において他のトヨタのHVよりも優れた内容でしたし、アコードは同クラスのモデルで最高の燃費を叩き出しつつ高級な乗り味という意味で目的を達成していました。
それがレクサスIS、BMW3er、メルセデスCクラスになると、なんとも意図がわかりづらいです。レクサスISに乗ると、やたらと3erを意識してコピーしている感じしかしないですし、3erはというと・・・乗り味はマークXかクラウンに近い。Cクラスはマテリアルの質感重視で、走りの質は二の次。ハンドリングもアクセルフィールもダルい。エンジンもユルい。・・・「プレミアムカー・シンドローム」とでも言うべきでしょうか。LS、7er、Sクラスと「同じブランド」であることがこれらのクルマの主たる価値であって、それを連想するようなデザインと調度品をそろえることばかりに神経が行っているのでは? 「軽快」なスポーツサルーンなんて完全に過去の話ですね。
アウディA4はこれら3台とは別路線を行くクルマになっていると信じたいです。「ゴルフ7」、「アクセラ」、「プジョー308」、「プリウス」など、特にCセグ車がそれぞれに「ライフスタイル」をテーマに上質で使い勝手が良いクルマを目指して進化しているのをこの数年の中で見届けました。それぞれのモデルにはメーカーの意図が強く反映されていて、このクルマを世界のクルマ文化の中心へ送り出す!という意欲・執念は間違いなくあったと思います。これらの新世代CセグがすでにDセグを越えるポテンシャルを持っている!とは言いませんけども、これまでもっとも大きく開いていた「スモールカー」Cセグと「ミドルサイズ」Dセグの差がかなり縮まったのは確かです。簡単に言ってしまうとCセグの進化に比べてDセグの伸び悩みが顕著ということです。
「プレミアムカー・シンドローム」・・・サービス業の実態を考えると、当然に起こりうる事象ではあります。中国向けに需要が延びているプレミアムカーゆえに手を加えなくても市場が勝手に拡大するわけですから、開発そのものがブランド横断的に停滞するのはやむを得ません。そんな現状を打破しようと動くのは、中でももっとも苦戦しているメーカーです。皮肉なことに最も早く中国市場に根を張ったはずの新型アウディA4からそれが起こるのでは? 先ほどのCセグ車のようにプラットフォームから徹底的に見直したという大改革の先にどういう進化が始まるのでしょうか・・・。
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振り返ってみれば、「ハイブリッド黎明期」に巻き起こったトヨタvsホンダによる「HV1号機」戦争の際も、メディアによってトヨタの方が圧倒的に優れているかのような一方的な報道が繰り返された結果・・・ホンダがボロボロに負けました。また最近ではグローバルでの生産台数でVWがついにトヨタを追い越すかの勢いを見せたときに、不思議と巻き起こったのが「VW問題」で、とりあえず北米での事例による当事国ではない日本のメディアが過剰なまでにVWを叩きました。・・・さて一体誰がメディアを操っているのでしょうか!?
そんなメディアの暴走による「受難」の時期を経て、すっかり色褪せてしまった「アウディA4」(旧アウディ80)シリーズ・・・。日本人デザイナー・和田智さんが手掛けて、一時代を築いてきたアウディのトータルデザインも、いろいろなブランドにエッセンスをパクられ続けたせいもあるでしょうが、現行デザインのアウディ車は良くも悪くも、見た瞬間に頭の中で「これはアウディ・・・」と認識するまでにちょっと時間がかかったりします。夜間に前を走るクルマのテールランプの配列を見て「これは・・・?BMW?アウディ?」と迷っていたら、なんと現行クラウンロイヤルでした・・・。「あのクルマはなに?」って助手席の彼女に聞かれたときにアウディっぽい「テールランプ」の場合はハードルが高く、かなりの確率で車種をはずしてしまいます。
新型になったアウディA4クワトロですが、本体価格で600万円〜(FFモデルは400万円台〜)。富裕層でも無い限りは、購入に向けてはそれなりの気合(買うべき理由)が必要な価格です・・・、もちろん同価格帯には興味深いクルマがたくさんあります。メルセデス、BMW、ジャガー、レクサス、キャデラックの各ライバルモデルもありますけど、それ以上に興味深いのがポルシェのエントリーグレード車であるとか、レジェンド、フーガといったワンクラス上のフラッグシップセダン。ロータスやアルファロメオのハッピーなスポーツカーなどなど。ちょっとマニアックなところではマークXの「スーパーチャージャー仕様」にモデリスタの「フルエアロ」を組むというのもあります(なかなかニッチなトヨタ版「M3」では?)。
それに対してアウディA4の魅力って何だろう・・・。アウディ80の時代から数えて9代目。なかなかの歴史を誇ります。スカイラインやらカペラ〜アテンザやら日本車にも長い伝統のモデルはありますけど、やはり長きに渡って欧州で人気を保ち続けたという意味では、BMW3シリーズと並んでこのクラスの王道モデルといっていいです。初代(B1系)が登場したのが1972年だそうで、この頃はまだまだアウディも大衆ブランドの色合いが全開です。1995年の5代目(B5系)からアウディA4となりボディラインが優雅な丸みを持ちはじめます。
ケン・ローチ監督の強烈な社会派作品として知られる「ルート・アイリッシュ」に出てくる主人公が乗っているクルマがこの「B5系」でした。公開は2010年(日本では2012年)ですので、退役したアル中の軍人が地味に乗ってそうな「型落ち」のアウディA4といった設定になっています。B5系A4のそつない存在感は、親友を謀殺した民間軍事会社の役員を徹底的に追いつめる主人公のストイックなキャラクター(鉄の意志)にも上手くハマっています。また劇中でも何度となく登場して、さらに主人公が乗り込み理解者を突き放すようにカッコ良く発進するシーンなどもあり、監督自身がこのクルマが好きなんだな・・・と感じます。ちなみにこのクルマの愛好家として知られるのが同じ映画監督の宮崎駿さんで、「千と千尋の神隠し」のオープニングで家族のクルマがアウディなのはこれが理由だそうです。
この「ルート・アイリッシュ」ですが、実はクルマ好きには堪らないくらいに、いろいろなメーカーのクルマが登場します。いつぞやの「007」のように主人公がアストン(ヴァンキッシュ)で、敵がジャガー(XKコンバーチブル)・・・と完全にフォードグループの新型モデルと「コラボ」企画なんてことはなく、主人公が抹殺する悪役のクルマは全てSUV・・・BMW、ランドローバー、メルセデス(最後に爆破される)。アウディが正義でライバルメーカーが敵なのでやっぱり「コラボ」かな? BMW5シリーズに盗聴器を仕掛けるシーンにはなぜかその手前に「ポルシェ996カブリオレ」が。あとVWゴルフが1台だけ正面向いて(他のクルマは後ろ向きなのに)止まっていて、やたら目立つ・・・。それでもヒロイン(ヒステリックだけど慈愛に満ちた魅力)はミニに乗ってましたね。
この5代目みたいなアウディA4に逆戻りしないかな? 確かに映画のクルマってカッコ良く見えてしまうものです。「トランスポーター」のBMW7シリーズ(E38系)や、「タクシー」のプジョー406などなど。1990年代のモデルはいいですね!この頃は日本車の性能がすごかったけど、欧州車のデザイン(特にドイツ車)が冴えていたと思います。この頃ならば、マセラティ・クワトロポルテよりも断然にBMW7erがカッコいい!!! クリス=バングルが悪いとは思わないですけども、2000年代に入ってからはBMWのクルマに溌剌としたところが感じられなくなり、あっさりとクワトロポルテが追い越していきました(ピニンファリーナ・奥山清行デザイン!)。
アウディA4に話を戻すと、このクールで魅力的なB5系以降は、BMWと同じで2000年代になって中国マーケットを意識し過ぎるあまりにかなり迷走したように感じます。いくら東アジアの気候に順応させるためとはいえ、ハイブリッドでもないのにFFモデルにCVTを組み合わせたりしたのは、走りに魅せられたファンを無視した暴挙だったと思います。さらに先代モデルに関して言えば、プレミアム車の「根幹」と言える足回りがタイヤを含めて中国・韓国のサプライヤーを採用するようになっていて、タフな演出をするクワトロのワイドなタイヤが、どうも乗り心地にとって仇となる「煮詰め不足」の見切り発車となっていました。
ワイドなタイヤを廉価に作るハンコック(韓国)の採用は、もはややめられない(時代の流れ)ようで、新型にも使われています。いまではBMWの非ランフラットモデル(アルピナかM)以外も同じくハンコックタイヤです。特にMスポの後輪はワイド仕様なので・・・。Mスポもそうですけど、先代アウディA4は「実は・・・クラス最低の乗り心地」なんですよね。諸外国と比べて繊細な日本人のユーザーはこの辺を見逃したりはしませんから、先代モデルが3シリーズやCクラスに販売面で遅れをとったのも当然のことだったと思います。
アウディによると、新しいプラットフォームを採用した自信作なんだそうで、新型プリウスよりも高い価格帯で、日常使用から長距離用途まで使えるなど、価格相応の活躍の幅はありそうです。ドイツ車の哲学という名の「メーカーの事情」を振りかざしただけのミドルサイズ・プレミアムセダンではなく、日本車・アメリカ車・韓国車との相互理解のど真ん中に位置する「クラスター(核)」的な存在を目指すようです。
プレミアムブランドはしばしばライバル関係で語られて、機械の評価という意味での「現在地」をカーメディアに探られないように、カネをばらまいたりします(だから車両価格が高いの?)。実際のところ、非プレミアム系のミドルセダンは、それぞれに存在感を出すために「長所」が用意され、例えばカムリHVだったらデビュー当時はデザインや乗り味において他のトヨタのHVよりも優れた内容でしたし、アコードは同クラスのモデルで最高の燃費を叩き出しつつ高級な乗り味という意味で目的を達成していました。
それがレクサスIS、BMW3er、メルセデスCクラスになると、なんとも意図がわかりづらいです。レクサスISに乗ると、やたらと3erを意識してコピーしている感じしかしないですし、3erはというと・・・乗り味はマークXかクラウンに近い。Cクラスはマテリアルの質感重視で、走りの質は二の次。ハンドリングもアクセルフィールもダルい。エンジンもユルい。・・・「プレミアムカー・シンドローム」とでも言うべきでしょうか。LS、7er、Sクラスと「同じブランド」であることがこれらのクルマの主たる価値であって、それを連想するようなデザインと調度品をそろえることばかりに神経が行っているのでは? 「軽快」なスポーツサルーンなんて完全に過去の話ですね。
アウディA4はこれら3台とは別路線を行くクルマになっていると信じたいです。「ゴルフ7」、「アクセラ」、「プジョー308」、「プリウス」など、特にCセグ車がそれぞれに「ライフスタイル」をテーマに上質で使い勝手が良いクルマを目指して進化しているのをこの数年の中で見届けました。それぞれのモデルにはメーカーの意図が強く反映されていて、このクルマを世界のクルマ文化の中心へ送り出す!という意欲・執念は間違いなくあったと思います。これらの新世代CセグがすでにDセグを越えるポテンシャルを持っている!とは言いませんけども、これまでもっとも大きく開いていた「スモールカー」Cセグと「ミドルサイズ」Dセグの差がかなり縮まったのは確かです。簡単に言ってしまうとCセグの進化に比べてDセグの伸び悩みが顕著ということです。
「プレミアムカー・シンドローム」・・・サービス業の実態を考えると、当然に起こりうる事象ではあります。中国向けに需要が延びているプレミアムカーゆえに手を加えなくても市場が勝手に拡大するわけですから、開発そのものがブランド横断的に停滞するのはやむを得ません。そんな現状を打破しようと動くのは、中でももっとも苦戦しているメーカーです。皮肉なことに最も早く中国市場に根を張ったはずの新型アウディA4からそれが起こるのでは? 先ほどのCセグ車のようにプラットフォームから徹底的に見直したという大改革の先にどういう進化が始まるのでしょうか・・・。
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2016年2月9日火曜日
スズキ・イグニス 「このクルマは全国区になれるか?」
手頃な価格のコンパクトカーを出せば、とりあえずそこそこは売れる!・・・なんてそんなに甘い時代はとっくに過ぎ去ったようで、国内メーカーから出されているコンパクトカー(Bセグ)でよく知られたモデルは、どれもとても良く企画が練られた力作ぞろいになっています。代表的なモデルを挙げると、ヴィッツ、パッソ、アクア、フィット、ノート、デミオ、スイフトといった面々ですが、どれも「世界屈指の名車」と断言してもいいくらいに粒ぞろいです。
意外に知られていないことですが、日産ノート以外はいずれもグローバル車となっていてそれぞれに欧州や米国で非常に高い評価を得ています。またノートにしても欧州で人気のルノー・クリオ(ルーテシア)と共通の設計で、「直3」エンジンを日本向けに静粛性の高い「直4」に換装するなどなかなか手の込んだ逸品です(パッソはダイハツ・シリオンとして欧州で販売)。フィットやアクアはアメリカ市場で勝負する「メジャーリーガー」です。デミオ、スイフトはドイツ市場での評価が高い欧州テイスト車です(なのでカーメディアに受けがいい)。
これだけの陣容ですから、まさに鉄壁を誇っていて、輸入車に対してはあまりにも「脅威」すぎる強さです。そういえば、10年くらい前には「もはやBセグは日本で作っても儲からない!」と、経営コンサルタントだか経済アナリストだかが、まるでMBAの教科書に載っている「常識」かのように語っていましたが、Bセグも軽(Aセグ)もいまだに立派に「国内生産」が商売になっているんですよね。彼らの意見に乗っかるように海外組み立て車として導入された三菱ミラージュと日産マーチですが、こちらは価格の割に全然売れてないようです。タイ生産車でもちゃんと自動ブレーキだって装備されているわけですが・・・。三菱、日産の現場を無視した大卒・官僚主義を、トヨタ・ホンダ・スズキ・マツダの高卒叩き上げが撃破する!!!これこそが「ものづくり」ってやつですね。
高級車と違ってコンパクトカーには誰でも見てわかりやすい付加価値が少ないです(盛り込みにくいです)。限られた製造原価に抑えることを考えれば、不必要な豪華装備はことごとくオプションへと回されますし、オプションを目一杯積み込んでもせいぜい250万円以内に収まるようにしないと、コンパクトカーとしての価値は無くなります。その中でユーザーに選んでもらう為に何をすべきか? 例えば欧州市場で一般に見られる売り方が、WRCに参戦するといった「ストーリーの構築」です。日本でもランエボ、インプがWRCをきっかけに世界的な人気を獲得しましたが、今ではWRCはBセグ車で競われる時代になりました。VW、シトロエン、ヒュンダイなど欧州で生き残りをかけるブランドが相次いで参戦していますが、トヨタもヤリス(ヴィッツ)で2017年から参戦する意向だそうです。
実際のところWRCの注目度が低い日本市場では参戦をPRしたところで、大きな期待はできないでしょう。・・・ゆえに日本でコンパクトカーを売るには、
①地道に快適なクルマへと育てる。
②ブレイクスルーを起こす。
③CMで人気のタレントを使う。
これらを手を抜かずにやり続ける必要があります。
①で成功している事例として挙げられるのが、スズキ・スイフトでしょうか。クラス最良のドライビング・ファン、そして小排気量でも妥協なく回る優秀なエンジン・・・小型車の巨人・スズキらしい傑作車だと思います。
②に当てはまるのが、HV搭載&グッドデザインで大ブレークした「トヨタ・アクア」と、Bセグにディーゼルという掟破り&グッドデザインで大きな話題となった「マツダ・デミオ」です。
③の例としては、嵐の二宮君を最初から使い続けている日産ノートがとても上手くやっていると思います。あとタレントは出てこないですけど、ホンダ・フィットのCMは非常にメッセージ性が強くて、クルマ好きは思わず心が掴まれてしまいますね。個人的にかなり好きです。
さて今回新たにこのクラス(厳密に言うとAセグですが)に追加された「スズキ・イグニス」は、果たして日本市場に定着して根を張ることができるでしょうか? 全車マイルドハイブリッドを搭載していて最も下のグレードの2WD車は28km/Lを実現。高効率Vテック&CVTで燃費スペシャルとなっているフィットの非HVが26km/Lなことを考えるとかなりの水準にあります。もちろんアクアやフィットHVは35km/L以上といった水準で争っているわけですが、「イグニス」の素晴らしい点は、マイルドハイブリッドを搭載しても尚、フィット(非HV)やヴィッツと同じくらいの価格を実現しているところです。140万円クラスのコンパクトカーではもっとも優秀な燃費と言えます。
これだけでも本来ならば、立派なブレイクスルーになると思うのですが、残念ながら「イグニス」には、アクアやデミオのように一目見た瞬間から「これは売れそうだ!」といったデザイン面での好感触がやや希薄です。おそらくこのクルマを見た人の多くが、旧共産圏で売る予定のクルマをそのまま日本に持ってきたのでは?という印象を持つのではないでしょうか。スズキの意図としては80年代の古き良き日本の小型車に見られたデザインを随所に取り入れたと思われますが、フロントは最新の流行に合わせつつも、リアのデザインは・・・斜め後ろから見ると1981年発売のスバル・レックスあるいは同時代のキャロルやスターレットに似たクラシカルな風情。なんだかぎこちないデザインに感じるのは私だけでしょうか? ・・・このクルマの売れ行きに注目したいと思います。
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意外に知られていないことですが、日産ノート以外はいずれもグローバル車となっていてそれぞれに欧州や米国で非常に高い評価を得ています。またノートにしても欧州で人気のルノー・クリオ(ルーテシア)と共通の設計で、「直3」エンジンを日本向けに静粛性の高い「直4」に換装するなどなかなか手の込んだ逸品です(パッソはダイハツ・シリオンとして欧州で販売)。フィットやアクアはアメリカ市場で勝負する「メジャーリーガー」です。デミオ、スイフトはドイツ市場での評価が高い欧州テイスト車です(なのでカーメディアに受けがいい)。
これだけの陣容ですから、まさに鉄壁を誇っていて、輸入車に対してはあまりにも「脅威」すぎる強さです。そういえば、10年くらい前には「もはやBセグは日本で作っても儲からない!」と、経営コンサルタントだか経済アナリストだかが、まるでMBAの教科書に載っている「常識」かのように語っていましたが、Bセグも軽(Aセグ)もいまだに立派に「国内生産」が商売になっているんですよね。彼らの意見に乗っかるように海外組み立て車として導入された三菱ミラージュと日産マーチですが、こちらは価格の割に全然売れてないようです。タイ生産車でもちゃんと自動ブレーキだって装備されているわけですが・・・。三菱、日産の現場を無視した大卒・官僚主義を、トヨタ・ホンダ・スズキ・マツダの高卒叩き上げが撃破する!!!これこそが「ものづくり」ってやつですね。
高級車と違ってコンパクトカーには誰でも見てわかりやすい付加価値が少ないです(盛り込みにくいです)。限られた製造原価に抑えることを考えれば、不必要な豪華装備はことごとくオプションへと回されますし、オプションを目一杯積み込んでもせいぜい250万円以内に収まるようにしないと、コンパクトカーとしての価値は無くなります。その中でユーザーに選んでもらう為に何をすべきか? 例えば欧州市場で一般に見られる売り方が、WRCに参戦するといった「ストーリーの構築」です。日本でもランエボ、インプがWRCをきっかけに世界的な人気を獲得しましたが、今ではWRCはBセグ車で競われる時代になりました。VW、シトロエン、ヒュンダイなど欧州で生き残りをかけるブランドが相次いで参戦していますが、トヨタもヤリス(ヴィッツ)で2017年から参戦する意向だそうです。
実際のところWRCの注目度が低い日本市場では参戦をPRしたところで、大きな期待はできないでしょう。・・・ゆえに日本でコンパクトカーを売るには、
①地道に快適なクルマへと育てる。
②ブレイクスルーを起こす。
③CMで人気のタレントを使う。
これらを手を抜かずにやり続ける必要があります。
①で成功している事例として挙げられるのが、スズキ・スイフトでしょうか。クラス最良のドライビング・ファン、そして小排気量でも妥協なく回る優秀なエンジン・・・小型車の巨人・スズキらしい傑作車だと思います。
②に当てはまるのが、HV搭載&グッドデザインで大ブレークした「トヨタ・アクア」と、Bセグにディーゼルという掟破り&グッドデザインで大きな話題となった「マツダ・デミオ」です。
③の例としては、嵐の二宮君を最初から使い続けている日産ノートがとても上手くやっていると思います。あとタレントは出てこないですけど、ホンダ・フィットのCMは非常にメッセージ性が強くて、クルマ好きは思わず心が掴まれてしまいますね。個人的にかなり好きです。
さて今回新たにこのクラス(厳密に言うとAセグですが)に追加された「スズキ・イグニス」は、果たして日本市場に定着して根を張ることができるでしょうか? 全車マイルドハイブリッドを搭載していて最も下のグレードの2WD車は28km/Lを実現。高効率Vテック&CVTで燃費スペシャルとなっているフィットの非HVが26km/Lなことを考えるとかなりの水準にあります。もちろんアクアやフィットHVは35km/L以上といった水準で争っているわけですが、「イグニス」の素晴らしい点は、マイルドハイブリッドを搭載しても尚、フィット(非HV)やヴィッツと同じくらいの価格を実現しているところです。140万円クラスのコンパクトカーではもっとも優秀な燃費と言えます。
これだけでも本来ならば、立派なブレイクスルーになると思うのですが、残念ながら「イグニス」には、アクアやデミオのように一目見た瞬間から「これは売れそうだ!」といったデザイン面での好感触がやや希薄です。おそらくこのクルマを見た人の多くが、旧共産圏で売る予定のクルマをそのまま日本に持ってきたのでは?という印象を持つのではないでしょうか。スズキの意図としては80年代の古き良き日本の小型車に見られたデザインを随所に取り入れたと思われますが、フロントは最新の流行に合わせつつも、リアのデザインは・・・斜め後ろから見ると1981年発売のスバル・レックスあるいは同時代のキャロルやスターレットに似たクラシカルな風情。なんだかぎこちないデザインに感じるのは私だけでしょうか? ・・・このクルマの売れ行きに注目したいと思います。
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2016年1月21日木曜日
スマート・フォーフォー 「抜群の競争力はプリウス以上のインパクト!」
メルセデスで知られるダイムラーグループが展開するコンパクトカー・ブランドが「スマート」です。一般に「コンパクトカー・ブランド」というとスズキやダットサン(ルノー日産)のように、インドや東南アジアを目指したクルマ作りをしている印象がどうしても付いてきます。このスマートもいずれはそういう展開になる予定かもしれないですが、現在のところは主な市場としているのが、ドイツの近隣の古い街並が広がる厳しい道路事情の欧州各国です。実際に統計を見てみるとイタリアなどで高いシェアを獲得していたりします。
イタリアといえばフィアット500やパンダなどグッドデザインなコンパクトカーが量産されるお土地柄です。日本にはまだ展開されていない各ブランドのAセグ車いくつも投入されていて、そこでは日本やドイツとは一風変わったクルマの価値観が広がっています。例えばトヨタのiQをカスタマイズしたモデルを、アストンマーティンがオーナー限定に供給したり(もちろん街乗り用です)、「日本の軽自動車こそが頂点!」といって、並行輸入した三菱だかどっかの軽自動車を愛車にしている有名なスーパーカー・デザイナー(ランボルギーニ系だったかな?)もいるそうです。イタリア人は日本の「軽」が好き!と書かれている本もありますし、イタリアでも販売されているスズキ「アルト」の新型は何やらイタリア車のような佇まいですね。
レクサスも2015年の秋に行われたフランクフルトMSで、市販予定のコンパクトカー「LF-SA」を発表しましたし、BMWも既に「i3」という日本でもおなじみのEVコンパクトを展開しています。またBMW傘下のミニもイタリアではなんと毎月2000台近く(日本市場のほぼ2倍)も売れています。
日本では軽自動車が税制面にあぐらをかいて、特にシビアな価格競争をするでもなく、かといってデザイン面で大きく進化するでもなく、失礼ですが「ぬくぬく」の状態のままで高齢者向けにシェアを伸ばしています。売れていること自体は否定しませんが、より多くの人に感じてもらえるような「いいクルマ」へのこだわりだったり、クルマそのものが鑑賞の対象となるような「趣味的」な意味での文化の広がりはあまり感じられません。まあ手軽な改造でレースを楽しんでいる人はそこそこいるようですけど。
日本もイタリアに似ていて山がちで狭い国土なのだから、コンパクトカーであることが「アドバンテージ」であって、そのサイズのままに魅力的なクルマ作りがもっと広がってくれればいいとは思うのですが、バブルの価値観というべきか、アメリカ的な消費行動というべきかわかりませんが、なかなかコンパクトカーに意識が向きにくい(高い価値を感じない)ようです。しかしこれからは、イタリア向けに洗練された各ブランドのコンパクトカーが日本市場でもブレイクしてくる可能性がありそうです。
すでに「フィアット500」と「ミニ」はわかりやすいデザインで多くのファンをすでに獲得していますが、さらに近年に新しい波として押し寄せた「VWアップ」と「BMWi3」はやや不発に終わってしまいました。「アップ」に関してはデザインが日本人好みではなかったのかなと思います。そして「i3」はデザインに関してはかなりいい線いっていたのですが、500万円という法外な価格設定と充電設備への投資など、手軽に試すにはいろいろハードルが高かったようです。今後はカーシェアリングなどで浸透を図るようですが、車両価格をもっと抑えられないと商用利用でもさらに広がるのは難しいでしょう。
新型のコンパクトカーにとって「デザイン(世界観)」と「コスト」この2つを高いレベルで両立させることが、日本市場を攻略するために課せられた絶対条件なのですが、これを軽く越えてきそうなモデルが、新たにスマートから登場しました。先代までのモデルは三菱車をベースにしていて、日本メーカーのベースグレード車をスマート用にカスタマイズしたものだったのですが、既に発売されている現行「フォーツー」(2シーターモデル)と新たに追加された「フォーフォー」(4シーターモデル)は、ルノーと共同開発された専用シャシーを使っています(ルノーからも近々トゥインゴとして発売されます)。
新設計のシャシーは、あのスバルの名車サンバーを思わせるようなリアエンジンの後輪駆動(RR)設計になっています。サンバーは「田園のポルシェ(911もRRだから)」と呼ばれ、軽トラ&軽バンのボディに似合わない走りが熱い!・・・という伝説だけが勝手に一人歩きしてしまっているようで少々やっかいです。実際はドライバーが座る位置はホイールベースのかなり前方になるので、スポーツカーと表現するのはやや違うのではないかと・・・。
それに対して「スマート・フォーフォー」は前輪と後輪のちょうど中間に着座できますから、コンパクトカーとしての使い勝手をしっかりと押えた上で、「コンパクト・ポルシェをいう称号をを堂々と名乗っていいクルマだと思います。エンジンも日本の軽自動車の規制(64ps)されたものよりも、強力な1Lターボが積まれていて、それでも価格はコペンやホンダS660と同じくらいに収まっています。
軽自動車の上級モデルだと今では平気で180万円くらいするので、それを買うつもりならば、この「スマート・フォーフォー」(209万円〜)も十分選択肢に入ってくるのではないでしょうか? 日本のコンパクトカーではいまだに上級グレードにしか付かないオートエアコンが標準だったり、229万円に抑えられているプレミアムモデルなら本革シートになったりと、全くユーザーに損をさせるつもりがないシビアな価格設定には好感が持てます。
確かに「メルセデスが買えない人が乗ってそうでみっともない!」といった偏見もあるかもしれませんけど、まあ自然に考えてあくまでセカンドカー需要が前提です。フーガとかランクルとか乗っていると、街中で停められる駐車スペースを見つけるのもひと苦労だったりしますから、セカンドカーとしてこれ1台あると便利ですし、ツインクラッチで軽快に走る乗り味で、大型車とはだいぶ気分も変わってとてもいい感じだと思いますね。フィアット500やミニだとキャラクターもありますけど、騒音の抑え込みが甘いので、冷静に判断すると「実力不足」なんですよね(あくまで好きな人が乗るブランドですね)。それに対してこの「フォーフォー」は、4気筒NAを積むデミオやノートにも十分に対抗できるコンパクト基準でのクラストップ水準の「高級感」を持ち合わせている点も魅力です。
もちろん最近調子がいい「ルノー」の兄弟モデルの発売を待ってからゆっくり決めたらいいでしょうし、もしかしたらスマートからもラインナップの追加で、より高い趣味性が発揮されるオープンエア・モデルなんかも出てくるかもしれません。また運転が好きでたまらない人ならば・・・MTモデル来い!という要望もあるでしょう(ルノーはMTか?)。とりあえずベースモデルで209万円ですから、日本市場のガチガチに閉じた扉をこじ開けるくらいのインパクトはあると思います。今後の展開に注目したい一台です。
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